JP2004203784A - 8−ハイドロキシ−2′−デオキシグアノシン生成抑制剤とその用途 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヒトを含む動物における細胞のDNAが損傷した際に生じる物質である8−ハイドロキシ−2′−デオキシグアノシンの生成を効果的に抑制し得る手段を提供する。
【解決手段】有効成分としてローヤルゼリーを含有する8−ハイドロキシ−2′−デオキシグアノシン生成抑制剤と、ローヤルゼリー由来の8−ハイドロキシ−2′−デオキシグアノシンの生成を抑制する成分を含有する精製品又は半精製品、若しくはそれらのうちのいずれかを含有せしめてなる組成物により解決する。
【選択図】なし
【解決手段】有効成分としてローヤルゼリーを含有する8−ハイドロキシ−2′−デオキシグアノシン生成抑制剤と、ローヤルゼリー由来の8−ハイドロキシ−2′−デオキシグアノシンの生成を抑制する成分を含有する精製品又は半精製品、若しくはそれらのうちのいずれかを含有せしめてなる組成物により解決する。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な8−ハイドロキシ−2′−デオキシグアノシン(以下、「8−OHdG」という。)生成抑制剤、詳細には、ローヤルゼリーを含んでなる8−OHdG生成抑制剤と、ローヤルゼリー由来の8−OHdGの生成を抑制する成分を含有する精製品又は半精製品、若しくはそれらのうちのいずれかを含有せしめてなる経口的又は非経口的に投与可能な組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】国際公開WO 01/60388号公報
【特許文献2】特開平11−32705号公報
【非特許文献1】藤井 彰、『ミツバチ科学』、第16巻、第3号、97乃至104頁、1995年
【0003】
ローヤルゼリーは、ミツバチの巣における王台(女王バチの房)に蓄積された、働きバチの外分泌腺からの乳白色の分泌物であり、女王バチとなるべき幼虫に与えられる餌である。王台で孵化したミツバチの幼虫は、その時点では働きバチと区別できないものの、ローヤルゼリーを十分に摂取して生育すると、働きバチに比べて体が大きく、寿命が長く、産卵数が多い女王バチに成長する。このことから、ローヤルゼリーには諸種の生理作用があると期待され、古来より、健康食品として利用され、実際に、経験的にこれらの作用があることが知られていた。近年は、ローヤルゼリーの抗腫瘍作用、創傷治癒促進作用、コレステロールおよび脂質低下作用、血圧降下作用、抗菌作用、成長促進作用、免疫増強作用、抗炎症作用などに関して数多くの学術報告がなされている(例えば、特許文献1及び非特許文献1参照)。また、ローヤルゼリーは天然物質であって、しかも従来より使用されていることから、ヒトをはじめとする動物へ適用しても、副作用を招来し難いと考えられる。
【0004】
上記の理由から、ローヤルゼリーは、健康食品や化粧品の原料として広く利用されており、特許文献2に記載のローヤルゼリーとトレハロースを含有する飲食物もすでに開発されている。
【0005】
現在、日本を初めとする先進国においては、高齢化が急速に進み、癌、生活習慣病や難病などの患者数が増加の一途をたどっている。このような疾患、例えば、大腸癌や肺癌などの癌、動脈硬化、肝硬変、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病、白内障のような生活習慣病、パーキンソン病、リューマチ、アルツハイマー性痴呆などのいわゆる難病といわれる疾患の発生機構に関しては未だ不明な点が多い。しかしながら、近年、これら疾患の発生機構として、細胞のDNAが損傷することによって突然変異が誘発されたり、DNAの損傷物が細胞内に蓄積することによって、結果として、各種疾患が生じることが明らかになってきた。このDNAの損傷物である2−ヒドロキシアデノシンや8−OHdGなどと各種疾患の関連性について、医療の分野で現在研究が進みつつある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
斯かる状況に鑑み、本発明は、ヒトを含む動物における細胞のDNAが損傷した際に生じる物質である8−OHdGの生成を効果的に抑制し得る手段を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、ヒトを含む動物が摂取しても安全な天然物質に着目し、鋭意研究を続けてきた。即ち、実験動物としてのマウスに各種の天然物質を投与し、DNAが損傷した際に生じる物質である8−OHdGの生成抑制効果を調べた。その結果、ローヤルゼリーが、副作用を惹起することなく8−OHdGの生成を抑制することを見出し、その用途を確立して本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、有効成分としてローヤルゼリーを含んでなる8−OHdG生成抑制剤とローヤルゼリー由来の8−OHdGの生成を抑制する成分を含有する精製品又は半精製品、若しくはそれらのうちのいずれかを含有せしめてなる経口的又は非経口的に投与可能な組成物を提供することにより上記課題を解決するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、有効成分としてローヤルゼリーを含んでなる8−OHdG生成抑制剤(以下、「8−OHdG生成抑制剤」という。)に関するものである。本発明でいうローヤルゼリーとは、ローヤルゼリー自体或いはローヤルゼリーを原料として調製される調製物であって、生体に投与することにより8−OHdGの生成を抑制しうる限り、それが、天然の液状のままであっても、固体などの形態のいずれのものであってもよい。ローヤルゼリーは、分泌するミツバチの種類やその産地に特に限定はない。分泌するミツバチの種としては、セイヨウミツバチ(Apis mellifera)、トウヨウミツバチ(Apis cerana)、オオミツバチ(Apis dorsata)、コミツバチ(Apis florea)などが挙げられる。産地としては、日本、南米、北米、豪州、中国、欧州などが挙げられる。また、特開昭60−9457号公報に示されるとおり、生ローヤルゼリー(以下、「非加熱処理ローヤルゼリー」という。)は、加熱によりその成分が変性することから、65℃以上の処理は避けることが一般的である。しかしながら、本発明においては、70℃以上で30分間以上加熱したローヤルゼリー(以下、「加熱処理ローヤルゼリー」という。)であっても、8−OHdG生成抑制作用はほとんど失活しないので、加熱処理により殺菌処理をした加熱処理ローヤルゼリーも有利に利用することができる。さらには、本発明においては、非加熱処理ローヤルゼリー或いは加熱処理ローヤルゼリーだけでなく、アセトン、エタノール、水などの1種又は2種以上の溶媒を用いて得られる抽出物、ゲル濾過などの方法により当該ローヤルゼリーを部分的に精製した標品(以下、「ローヤルゼリーの部分精製標品」という。)であっても、8−OHdGの生成を抑制する作用を有するならば、それらのいずれも利用することができる。ここでいうローヤルゼリーの部分精製標品は、ローヤルゼリー由来の低分子、高分子、蛋白質性又は非蛋白質性成分、これら成分の混合物、及びこれら成分と原料や製造方法に特有の夾雑物質との混合物をも含む。以下、本明細書では、特に断わらない限り、非加熱処理ローヤルゼリー、加熱処理ローヤルゼリー及びローヤルゼリーの部分精製標品を併せて単に「ローヤルゼリー」という。
【0010】
本発明の8−OHdG生成抑制剤におけるローヤルゼリーの含有量は、ローヤルゼリーにより8−OHdGの生成が抑制される必要最少量以上を含有しているものであればよく、通常、乾燥ローヤルゼリーとしての重量換算で約0.00025%(w/w)(以下、本明細書では、特に断らない限り、「%(w/w)」を単に「%」で表す。)以上、望ましくは、約0.0025%乃至99.9%が好適である。
【0011】
本発明の8−OHdG生成抑制剤は、ヒトを含む動物に、経口的又は非経口的に投与した場合、その有効成分であるローヤルゼリーが速やかに生体内に吸収されて、各種組織の細胞における8−OHdGの生成を抑制するので、ヒトを含む動物が当該8−OHdG生成抑制剤を摂取すると、内的因子又は紫外線をはじめとする外的因子により8−OHdGが生成するのを直接的又は間接的に防ぐ、つまりDNAが損傷するのを防ぐことができる。しかも、本発明の8−OHdG生成抑制剤は、ヒトを含む動物が簡便に利用できて、健康の維持・増進にも利用でき、例えば、飲食品、健康食品、健康補助食品、特別用途食品、保健機能食品、化粧品、医薬部外品、医薬品、飼料、餌料、ペットフードなど、更には研究用試薬としても有用である。
【0012】
本発明の8−OHdG生成抑制剤の投与量は、対象とするヒトをはじめとする動物の種類、年齢、体重、性別などによって異なるものの、乾燥ローヤルゼリーとしての重量換算で、通常、1μg乃至1g/kg体重/日、望ましくは、5μg乃至0.5g/kg体重/日を、経口的に1日1回又は数回に分けて、投与目的に応じて、連日又は1日以上の間隔をおいて投与すればよい。本発明の8−OHdG生成抑制剤の形態としては、例えば、液剤、錠剤、粉末剤、顆粒剤、ペースト剤、シラップ剤、カプセル剤、ゼリー、乳液、溶液などの適宜の形態を例示できる。なお、本発明の8−OHdG生成抑制剤において、有効成分としてのローヤルゼリーは、乾燥ローヤルゼリーとしての重量換算で、0.00025%未満では、その効果は発揮され難くなり、15%を越える製品にあっては、保存安定性が低下したり、粘質なため取扱いにくくなるなど、物性の面で好ましくない場合がある。
【0013】
固状の形態の本発明の8−OHdG生成抑制剤は、例えば、非加熱処理ローヤルゼリーを、必要に応じて他の成分を混合した後、減圧乾燥、真空乾燥、温風乾燥などの通常の乾燥工程に供することにより得ることができる。また、例えば、同じ出願人による特開平6−170221号公報に開示される無水α,α−トレハロースなどを脱水剤として併用することにより、前記乾燥工程を経ることなく固状の形態の当該8−OHdG生成抑制剤を得ることもできる。すなわち、結晶又は非結晶の無水α,α−トレハロースを、非加熱処理ローヤルゼリーに添加して均一に混合した後、当該混合物を、常温以下で静置すればよい。無水α,α−トレハロースを用いて通常の加熱乾燥工程を経ずに調製されたものは、非加熱処理ローヤルゼリーによる8−OHdGの生成を抑制する作用の安定性がとりわけ優れているので、本発明においては有利に利用できる。なお、本発明の8−OHdG生成抑制剤の製造に使用する脱水剤としては、有効成分としてのローヤルゼリーの活性を安定に保持しつつ、脱水できる脱水剤であればいずれでも良く、好ましくは、無水α,α−トレハロースの他に、無水α,β−トレハロース、無水β,β−トレハロース、無水マルトースなどが例示される。
【0014】
本発明の8−OHdG生成抑制剤は、上記で述べたようにそれ自体有用である一方、他の成分を配合してなる経口的又は非経口的に投与可能な組成物の形態としても有利に利用できる。本発明の8−OHdG生成抑制剤、又はローヤルゼリー由来の8−OHdGの生成を抑制する成分を含有する精製品又は半精製品、若しくはそれらのうちのいずれかを含有せしめてなる組成物(以下、「本発明の組成物」という場合がある。)には、本発明の8−OHdG生成抑制剤又はローヤルゼリー由来の8−OHdGの生成を抑制する成分を含有する精製品又は半精製品とともに、必要に応じて、8−OHdGの生成抑制作用を妨げない限り、飲食品、特別用途食品、保健機能食品、化粧品、医薬部外品、医薬品、飼料、餌料、ペットフード、研究用試薬の分野の何れかにおいて使用される1種又は2種以上の成分を含有せしめることも可能である。本発明の組成物は、本発明の8−OHdG生成抑制剤又はローヤルゼリー由来の8−OHdGの生成を抑制する成分を含有する精製品又は半精製品とともに上述の成分を混合し、更に希釈、濃縮、乾燥、濾過、遠心分離などの工程を適宜実施し、必要に応じて所望の形状に成形することによって製造される。各成分を配合する順序や、当該工程を実施する時期は、ローヤルゼリーの品質劣化をきたさない限り、特に制限はない。加熱処理ローヤルゼリーを使用する場合には、熱に不安定な物質は、非加熱処理ローヤルゼリーを熱処理した後に配合するのが好ましい。
【0015】
本発明の8−OHdG生成抑制剤又はローヤルゼリー由来の8−OHdGの生成を抑制する成分を含有する精製品又は半精製品とともに混合する成分としては、例えば、水、ミネラル、繊維質、糖質、ビタミン類、生理活性物質、アルコール、澱粉質、蛋白質、アミノ酸、脂質、脂肪酸、着香料、着色料、甘味料、調味料、香辛料、防腐剤、乳化剤、界面活性剤、賦形剤、増量剤、増粘剤、保存剤などがあげられる。
【0016】
ミネラルとしては、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、銅、亜鉛、コバルトなどが例示できる。繊維質としては、例えば、ペクチン、アルギン酸、カラゲナン、アラビアガム、グルコマンナン、シクロデキストリン、プルランなどが有利に利用できる。
【0017】
糖質としては、ブドウ糖、果糖、ラクトース、α,α−トレハロース、α,β−トレハロース、β,β−トレハロース、マルトース、蔗糖、ラクトスクロース、水飴、α−サイクロデキストリン、β−サイクロデキストリン、γ−サイクロデキストリンや同じ出願人による国際公開WO 02/010361号公報(発明の名称「α―イソマルトシルグルコ糖質生成酵素とその製造方法並びに用途」)に開示されたサイクロ{→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→}などの糖類の他、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、還元水飴などの糖アルコール類、アスパルテーム、ステビア抽出物、スクラロースなどの高甘味度甘味料が例示できる。とりわけ、α,α−トレハロースは、本発明の8−OHdG生成抑制剤又はローヤルゼリー由来の8−OHdGの生成を抑制する成分を含有する精製品又は半精製品と併用した場合、ローヤルゼリーやローヤルゼリー由来の8−OHdGの生成を抑制する成分の保存安定性を高めることから、本発明においては好適に利用できる。この場合のα,α−トレハロースの含量は、通常、重量換算で、本発明の8−OHdG生成抑制剤又はローヤルゼリー由来の8−OHdGの生成を抑制する成分を含有する精製品又は半精製品に対し等量以上、好適には5乃至500倍とする。
【0018】
ビタミン類としては、例えば、チアミン、リボフラビン、L−アスコルビン酸、α−グルコシル−L−アスコルビン酸、ルチン、α−グルコシルルチン、ヘスペリジン、α−グルコシルヘスペリジン、ナリンジン、ナイアシン、ピリドキシン、シアノコバラミンなどの水溶性ビタミン若しくはこれらの誘導体や、ビタミンA、ビタミンD、α―トコフェロール、ビタミンKなどの脂溶性ビタミン若しくはこれらの誘導体などが有利に用いられる。
【0019】
生理活性物質としては、インターフェロン−αやインターフェロン−γなどのサイトカイン、ホルモン、抗菌物質、プロポリスなどを例示できる。
【0020】
本発明の組成物の形態には特に制限はない。飲食物の形態として用いる場合には、例えば、アイスクリーム、アイスキャンデー、シャーベットなどの氷菓、氷蜜などのシロップ、バタークリーム、カスタードクリーム、フラワーペースト、ピーナッツペースト、フルーツペーストなどのスプレッド及びペースト、チョコレート、ゼリー、キャンディー、グミゼリー、キャラメル、チューインガム、プリン、シュークリーム、スポンジケーキなどの洋菓子、ジャム、マーマレード、シロップ漬、糖菓などの加工果実ないしは加工野菜、まんじゅう、ういろう、あん、羊羮、水羊羮、カステラ、飴玉、米菓などの和菓子、醤油、粉末醤油、味噌、粉末味噌、マヨネーズ、ドレッシング、食酢、三杯酢、テーブルシュガー、コーヒーシュガーなどの調味料などが挙げられる。
【0021】
望ましい飲料の形態としては、例えば、合成酒、醸造酒、果実酒、洋酒などの酒類、ジュース、ミネラル飲料、炭酸飲料、乳酸飲料、乳酸菌飲料、スポーツドリンク、ドリンク剤、緑茶・紅茶・ウーロン茶などの茶飲料、コーヒー、ココアなどの清涼飲料などが挙げられる。
【0022】
化粧品の形態として用いる場合には、例えば、ローション、クリーム、乳液、ゲル、粉末、ペースト、ブロックなどの形態で、石けん、化粧石けん、肌洗い粉、洗顔クリーム、洗顔フォーム、フェイシャルリンス、ボディシャンプー、ボディーリンス、シャンプー、リンス、髪洗い粉などの清浄用化粧品、セットローション、ヘアブロー、チック、ヘアクリーム、ポマード、ヘアスプレー、ヘアリキッド、ヘアトニック、へアローション、養毛料、染毛料、頭皮用、びん付油、つや出し油、髪油、スキ油などの頭髪化粧品、化粧水、バニシングクリーム、エモリエントクリーム、エモリエントローション、パック用化粧料(ゼリー状ピールオフタイプ、ゼリー状ふきとり型、ペースト状洗い流し型、粉末状など)、クレンジングクリーム、コールドクリーム、ハンドクリーム、ハンドローション、乳液、保湿液、アフターシェービングローション、シェービングローション、プレシェービングローション、アフターシェービングクリーム、アフターシェービングフォーム、プレシェービングクリーム、化粧用油、ベビーオイルなどの基礎化粧品、ファンデーション(液状、クリーム状、固型など)、タルカムパウダー、ベビーパウダー、ボディパウダー、パヒュームパウダー、メークアップベース、おしろい(クリーム状、ペースト状、液状、固型、粉末など)、アイシャドウ、アイクリーム、マスカラ、眉墨、まつげ化粧料、頬紅、頬化粧水などのメークアップ化粧品、香水、練香水、粉末香水、オーデコロン、パフュームコロン、オードトワレなどの芳香化粧品、日焼けクリーム、日焼けローション、日焼けオイル、日焼け止めクリーム、日焼け止めローション、日焼け止めオイルなどの日焼け・日焼け止め化粧品、マニキュア、ペディキュア、ネイルカラー、ネイルラッカー、エナメルリムーバー、ネイルクリーム、爪化粧料などの爪化粧品、アイライナー化粧品、口紅、リップクリーム、練紅、リップグロスなどの口唇化粧品、練歯磨、マウスウオッシュなどの口腔化粧品、バスソルト、バスオイル、浴用化粧料などの入浴用化粧品などが挙げられる。
【0023】
望ましい医薬品の形態としては、例えば、エキス剤、エリキシル剤、カプセル剤、顆粒剤、丸剤、眼軟膏剤、口腔粘膜貼付剤、懸濁剤、乳剤、硬膏剤、座剤、散剤、酒精剤、錠剤、シロップ剤、注射剤、チンキ剤、点眼剤、点耳剤、点鼻剤、トローチ剤、軟膏剤、芳香水剤、鼻用噴霧剤、リモナーデ剤、リニメント剤、流エキス剤、ローション剤、湿布剤、噴霧剤、塗布剤、浴剤、貼布剤、パスタ剤、パップ剤などが挙げられる。注射剤として使用する場合は、不溶性異物や発熱性物質が含まれないようにする。
【0024】
上記した本発明の組成物を製造するには、最終製品が完成するまでの工程で本発明の8−OHdG生成抑制剤又はローヤルゼリー由来の8−OHdGの生成を抑制する成分を含有する精製品又は半精製品のいずれかを添加すればよい。このようにして得られる本発明の組成物は、本発明の8−OHdG生成抑制剤又はローヤルゼリー由来の8−OHdGの生成を抑制する成分を含有する精製品又は半精製品のいずれかを、製品重量あたり、通常、0.01%以上、望ましくは、0.1乃至99.9%含有する。
【0025】
本発明の組成物を経口投与する場合、対象とするヒトをはじめとする動物などの種類、年齢、体重、性別などによって異なるものの、通常、成長個体で、約0.1mg乃至1g/kg体重/日、望ましくは、約0.2mg乃至0.5g/kg体重/日、更に望ましくは約0.5mg乃至0.1g/kg体重/日の範囲で、1日1回又は数回に分けて、投与目的に応じて連日又は1日以上の間隔をおいて利用するのが好適である。経管、経皮、経粘膜などの非経口投与の場合も、経口投与の場合の量に準じて利用すればよい。
【0026】
以下、実験及び実施例に基づいてより詳細に本発明を説明する。
【0027】
【実験1】
<ローヤルゼリーによる8−OHdGの生成抑制作用>
本実験において、ローヤルゼリーとしては、未加工のローヤルゼリー(水分67重量%、−40℃で保存。以下、単に「非加熱処理ローヤルゼリー」という。)を、使用の際に随時常温で解凍し、直後に必要量を小分けして用いた。25℃の条件下で、乾燥ローヤルゼリーとしての重量換算で、非加熱処理ローヤルゼリー0.5重量部に、市販のα,α−トレハロース含水結晶粉末(登録商標『トレハ』、株式会社林原商事販売)を減圧乾燥して得たα,α−トレハロース無水結晶9重量部を加え、充分に混合し、粉末化した。この混合物を直ちに実験動物用の粉末飼料(商品名『NMF』、オリエンタル酵母工業(株)販売)と混合し、乾燥ローヤルゼリーとしての重量換算で、非加熱処理ローヤルゼリーを、総重量あたり2.5ppm、25ppm或いは250ppm含む粉末飼料(以下、「試験飼料1乃至3」という。)を調製した。また、ローヤルゼリーとα,α−トレハロースを含まない粉末飼料のみのものを対照飼料とした。
【0028】
6週齢の雄マウス45匹を対照飼料で1週間飼育した後、1群当たり10乃至12匹の4群に群分けした。第1群のマウスには対照飼料を、第2群乃至第4群のマウスには、それぞれ、ローヤルゼリーを2.5ppm、25ppm及び250ppm含む試験飼料1乃至3を、市販の粉末飼料用給餌器を介して自由摂取させて、通常の飼育条件下で16週間飼育した。
【0029】
この飼育期間中、2日毎に各個体の飼料の摂取量と体重を測定した。また、この飼育期間の終了後、以下のようにして、各個体の主要な組織における細胞中の8−OHdGを測定した。すなわち、全ての個体より、腎臓及び心臓を摘出し、更に血清を調製した。常法にしたがって、各組識からDNAをそれぞれ調製した。各組織由来のDNA40μgをそれぞれ20mM酢酸緩衝液(pH4.8)150μlに溶解し、更にデオキシリボヌクレアーゼ(商品名『DNAse I』、タカラバイオ株式会社販売)を1.5IU添加し、37℃で60分間反応させることによりDNAを断片化した。得られたDNA断片に0.1M Tris−塩酸緩衝液(pH7.5)及びアルカリホスファターゼ(商品名『Alkaline Phosphatase』、タカラバイオ株式会社販売)を適量添加し、37℃で30分間反応させることによって、DNA断片を加水分解した。得られた各組織由来のDNA加水分解物及び血清中の8−OHdGを、8−OHdG測定キット(商品名『高感度8−OHdG−check kit』、日研フード株式会社販売)を用いて定量した。
【0030】
腎臓と心臓由来のDNA及び血清において、対照飼料を摂取した第1群のマウスと比較して、ローヤルゼリーを含む試験飼料1乃至3を摂取した第2群乃至第4群のマウスでは、8−OHdG量が減少していた。腎臓、心臓、血清中の8−OHdG量の平均値±標準偏差を、順に図1、図2及び図3として示す。以上の結果は、ローヤルゼリーが、腎臓及び心臓や血清における8−OHdGの生成を抑制していることを示している。
【0031】
【実験2】
<マウスの寿命に及ぼす8−OHdG生成抑制剤の影響>
実験1と同じ試験飼料及び対照飼料を用いて試験を行った。6週齢の雄マウス78匹を対照飼料で2週間飼育した後、1群当たり19乃至20匹の4群に群分けした。第1群のマウスには対照飼料を、第2群乃至第4群のマウスには、それぞれ、ローヤルゼリーを2.5ppm、25ppm及び250ppm含む試験飼料1乃至3を、市販の粉末飼料用給餌器を介して自由摂取させて、通常の飼育条件下で飼育した。それぞれの個体の、生存中の1日当たりの飼料の摂取量は、いずれも、一般的な飼料を用いた場合とほぼ同じであり、群間に差はなかった。マウスの生存率は、飼育期間中に生存しているマウスの匹数を試験開始時のマウスの匹数に対する百分率(%)として算出した。試験飼料2及び3を摂取した第3群及び第4群のマウスと対照飼料を摂取した第1群のマウスの飼育期間中の生存率の推移を図4に示す(尚、ローヤルゼリーを2.5ppm含有する試験飼料を摂取した第2群のマウスについては、対照試料を摂取させた第1群のマウスと比べ、生存率に統計学上の有為差はみられなかったため、図示していない)。
【0032】
図4に示すように、対照試料を摂取させた第1群のマウスは33週齢の時点で死亡個体が見られはじめ66週齢の時点での生存率は、68.4%まで減少した。一方、試験試料2及び3を摂取させた第3群及び第4群のマウスは66週齢の時点でも全て生存していた。以上の結果は、本発明の8−OHdG生成抑制剤を摂取した第3群及び第4群のマウスの生存率が、対照飼料を摂取した第1群のマウスと比較して、有為に高いことを示している。また、飼育中、対照飼料を摂取した第1群のマウスと比較したところ、試験飼料を摂取した群のマウス、特に、ローヤルゼリーを25ppm又は250ppmで含有する試験飼料2又は3を摂取した第3群及び第4群のマウスは、毛艶がよく、活動的であり、健康な状態が維持されていた。
【0033】
【実施例1】
<8−OHdG生成抑制剤>
乾燥ローヤルゼリーとしての重量換算で、実験1で用いた解凍直後の非加熱処理ローヤルゼリーの1重量部と、α,α−トレハロース含水結晶粉末(登録商標『トレハ』、株式会社林原商事販売)を減圧乾燥して得たα,α−トレハロース無水結晶の9重量部とを均一に混合し、この混合物を粉砕機を用いて粉末にし、本発明の8−OHdG生成抑制剤を得た。
【0034】
本品は、簡便に利用でき、かつ著効を示す8−OHdG生成抑制剤である。また、本品は、まろやかな甘味と適度な酸味を示すので、日常的に利用する健康食品としても有用である。本品は、このまま経口的に摂取することも、又、水やその他の飲料などに溶解して摂取することも自由である。さらには、特別用途食品、保健機能食品、化粧品、医薬部外品、医薬品、飼料、餌料、ペットフードなどに配合して、これらに8−OHdG生成抑制作用を付与することも、研究用試薬として使用することも自由である。
【0035】
【実施例2】
<健康食品>
下記の成分を以下の配合で均一に混合したのち、この混合物を粉砕機を用いて粉末にし、本発明の8−OHdG生成抑制剤を得た。
【0036】
当該8−OHdG生成抑制剤を打錠機を用いて1錠あたり約300mgの錠剤に成形した。本品は、8−OHdGの生成を抑制する作用を示し、簡便に利用でき、かつ著効を示す8−OHdG生成抑制剤である。また、本品は、まろやかな甘味と適度な酸味により良好な呈味を示すだけでなく、褐変することもなく、長期保存安定性に優れていることから、日常的に利用する健康食品として有用である。本品は、ヒトのみならず、家畜、ペットなどの動物のための経口摂取又は経管投与用組成物として、あるいは、魚、エビ、カニなどの養殖動物用にも直接或いは餌に混合するなどして有利に利用できる。
【0037】
【実施例3】
<健康食品>
下記の成分を以下の配合で均一に混合したのち、この混合物を粉砕機を用いて粉末にし、本発明の8−OHdG生成抑制剤を得た。
【0038】
本品は、8−OHdGの生成を抑制する作用を示し、簡便に利用でき、かつ著効を示す8−OHdG生成抑制剤である。また、本品は、まろやかな甘味と適度な酸味を示すので、日常的に利用する健康食品として有用である。
【0039】
【実施例4】
<健康飲料>
下記の成分を以下の配合で均一に混合したのち、この配合物25重量部を精製水150重量部に均一に分散・溶解させ、200gずつ褐色ガラス瓶に封入した。
【0040】
本品は、8−OHdG生成抑制作用の上に、栄養源が補足されているので、美容や健康などを目的とする健康飲料として有利に利用できる。なお、本品は、ヒトのみならず、家畜、ペットなどの動物のための経口摂取又は経管投与用組成物としても有利に利用できる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、ローヤルゼリーを含んでなる8−OHdG生成抑制剤が、ヒトを含む動物に対して、各種組織の細胞における8−OHdGの生成を効果的に抑制する作用を有するという全く独自の知見に基づくものである。当該8−OHdG生成抑制剤は、副作用の懸念がないので、ヒトを含む動物が簡便かつ快適に、各種組織の細胞における8−OHdGの生成を効果的に抑制、つまりDNAの損傷を防ぎ、健康を維持・増進するために利用することができる。また、以上のような特徴を有する本発明の8−OHdG生成抑制剤は、食品、飲料、特別用途食品、保健機能食品、化粧品、医薬部外品、医薬品、飼料、餌料、ペットフード、研究用試薬などの各種組成物として利用することも有利に実施できる。
【0042】
本発明は、斯くも顕著な作用効果を奏する発明であり、斯界に多大の貢献をする、誠に意義のある発明である。
【0043】
【図面の簡単な説明】
【図1】マウスの腎臓中の8−OHdGの生成量を示す図である。
【図2】マウスの心臓中の8−OHdGの生成量を示す図である。
【図3】マウスの血清中の8−OHdGの生成量を示す図である。
【図4】マウスの生存率を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な8−ハイドロキシ−2′−デオキシグアノシン(以下、「8−OHdG」という。)生成抑制剤、詳細には、ローヤルゼリーを含んでなる8−OHdG生成抑制剤と、ローヤルゼリー由来の8−OHdGの生成を抑制する成分を含有する精製品又は半精製品、若しくはそれらのうちのいずれかを含有せしめてなる経口的又は非経口的に投与可能な組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】国際公開WO 01/60388号公報
【特許文献2】特開平11−32705号公報
【非特許文献1】藤井 彰、『ミツバチ科学』、第16巻、第3号、97乃至104頁、1995年
【0003】
ローヤルゼリーは、ミツバチの巣における王台(女王バチの房)に蓄積された、働きバチの外分泌腺からの乳白色の分泌物であり、女王バチとなるべき幼虫に与えられる餌である。王台で孵化したミツバチの幼虫は、その時点では働きバチと区別できないものの、ローヤルゼリーを十分に摂取して生育すると、働きバチに比べて体が大きく、寿命が長く、産卵数が多い女王バチに成長する。このことから、ローヤルゼリーには諸種の生理作用があると期待され、古来より、健康食品として利用され、実際に、経験的にこれらの作用があることが知られていた。近年は、ローヤルゼリーの抗腫瘍作用、創傷治癒促進作用、コレステロールおよび脂質低下作用、血圧降下作用、抗菌作用、成長促進作用、免疫増強作用、抗炎症作用などに関して数多くの学術報告がなされている(例えば、特許文献1及び非特許文献1参照)。また、ローヤルゼリーは天然物質であって、しかも従来より使用されていることから、ヒトをはじめとする動物へ適用しても、副作用を招来し難いと考えられる。
【0004】
上記の理由から、ローヤルゼリーは、健康食品や化粧品の原料として広く利用されており、特許文献2に記載のローヤルゼリーとトレハロースを含有する飲食物もすでに開発されている。
【0005】
現在、日本を初めとする先進国においては、高齢化が急速に進み、癌、生活習慣病や難病などの患者数が増加の一途をたどっている。このような疾患、例えば、大腸癌や肺癌などの癌、動脈硬化、肝硬変、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病、白内障のような生活習慣病、パーキンソン病、リューマチ、アルツハイマー性痴呆などのいわゆる難病といわれる疾患の発生機構に関しては未だ不明な点が多い。しかしながら、近年、これら疾患の発生機構として、細胞のDNAが損傷することによって突然変異が誘発されたり、DNAの損傷物が細胞内に蓄積することによって、結果として、各種疾患が生じることが明らかになってきた。このDNAの損傷物である2−ヒドロキシアデノシンや8−OHdGなどと各種疾患の関連性について、医療の分野で現在研究が進みつつある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
斯かる状況に鑑み、本発明は、ヒトを含む動物における細胞のDNAが損傷した際に生じる物質である8−OHdGの生成を効果的に抑制し得る手段を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、ヒトを含む動物が摂取しても安全な天然物質に着目し、鋭意研究を続けてきた。即ち、実験動物としてのマウスに各種の天然物質を投与し、DNAが損傷した際に生じる物質である8−OHdGの生成抑制効果を調べた。その結果、ローヤルゼリーが、副作用を惹起することなく8−OHdGの生成を抑制することを見出し、その用途を確立して本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、有効成分としてローヤルゼリーを含んでなる8−OHdG生成抑制剤とローヤルゼリー由来の8−OHdGの生成を抑制する成分を含有する精製品又は半精製品、若しくはそれらのうちのいずれかを含有せしめてなる経口的又は非経口的に投与可能な組成物を提供することにより上記課題を解決するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、有効成分としてローヤルゼリーを含んでなる8−OHdG生成抑制剤(以下、「8−OHdG生成抑制剤」という。)に関するものである。本発明でいうローヤルゼリーとは、ローヤルゼリー自体或いはローヤルゼリーを原料として調製される調製物であって、生体に投与することにより8−OHdGの生成を抑制しうる限り、それが、天然の液状のままであっても、固体などの形態のいずれのものであってもよい。ローヤルゼリーは、分泌するミツバチの種類やその産地に特に限定はない。分泌するミツバチの種としては、セイヨウミツバチ(Apis mellifera)、トウヨウミツバチ(Apis cerana)、オオミツバチ(Apis dorsata)、コミツバチ(Apis florea)などが挙げられる。産地としては、日本、南米、北米、豪州、中国、欧州などが挙げられる。また、特開昭60−9457号公報に示されるとおり、生ローヤルゼリー(以下、「非加熱処理ローヤルゼリー」という。)は、加熱によりその成分が変性することから、65℃以上の処理は避けることが一般的である。しかしながら、本発明においては、70℃以上で30分間以上加熱したローヤルゼリー(以下、「加熱処理ローヤルゼリー」という。)であっても、8−OHdG生成抑制作用はほとんど失活しないので、加熱処理により殺菌処理をした加熱処理ローヤルゼリーも有利に利用することができる。さらには、本発明においては、非加熱処理ローヤルゼリー或いは加熱処理ローヤルゼリーだけでなく、アセトン、エタノール、水などの1種又は2種以上の溶媒を用いて得られる抽出物、ゲル濾過などの方法により当該ローヤルゼリーを部分的に精製した標品(以下、「ローヤルゼリーの部分精製標品」という。)であっても、8−OHdGの生成を抑制する作用を有するならば、それらのいずれも利用することができる。ここでいうローヤルゼリーの部分精製標品は、ローヤルゼリー由来の低分子、高分子、蛋白質性又は非蛋白質性成分、これら成分の混合物、及びこれら成分と原料や製造方法に特有の夾雑物質との混合物をも含む。以下、本明細書では、特に断わらない限り、非加熱処理ローヤルゼリー、加熱処理ローヤルゼリー及びローヤルゼリーの部分精製標品を併せて単に「ローヤルゼリー」という。
【0010】
本発明の8−OHdG生成抑制剤におけるローヤルゼリーの含有量は、ローヤルゼリーにより8−OHdGの生成が抑制される必要最少量以上を含有しているものであればよく、通常、乾燥ローヤルゼリーとしての重量換算で約0.00025%(w/w)(以下、本明細書では、特に断らない限り、「%(w/w)」を単に「%」で表す。)以上、望ましくは、約0.0025%乃至99.9%が好適である。
【0011】
本発明の8−OHdG生成抑制剤は、ヒトを含む動物に、経口的又は非経口的に投与した場合、その有効成分であるローヤルゼリーが速やかに生体内に吸収されて、各種組織の細胞における8−OHdGの生成を抑制するので、ヒトを含む動物が当該8−OHdG生成抑制剤を摂取すると、内的因子又は紫外線をはじめとする外的因子により8−OHdGが生成するのを直接的又は間接的に防ぐ、つまりDNAが損傷するのを防ぐことができる。しかも、本発明の8−OHdG生成抑制剤は、ヒトを含む動物が簡便に利用できて、健康の維持・増進にも利用でき、例えば、飲食品、健康食品、健康補助食品、特別用途食品、保健機能食品、化粧品、医薬部外品、医薬品、飼料、餌料、ペットフードなど、更には研究用試薬としても有用である。
【0012】
本発明の8−OHdG生成抑制剤の投与量は、対象とするヒトをはじめとする動物の種類、年齢、体重、性別などによって異なるものの、乾燥ローヤルゼリーとしての重量換算で、通常、1μg乃至1g/kg体重/日、望ましくは、5μg乃至0.5g/kg体重/日を、経口的に1日1回又は数回に分けて、投与目的に応じて、連日又は1日以上の間隔をおいて投与すればよい。本発明の8−OHdG生成抑制剤の形態としては、例えば、液剤、錠剤、粉末剤、顆粒剤、ペースト剤、シラップ剤、カプセル剤、ゼリー、乳液、溶液などの適宜の形態を例示できる。なお、本発明の8−OHdG生成抑制剤において、有効成分としてのローヤルゼリーは、乾燥ローヤルゼリーとしての重量換算で、0.00025%未満では、その効果は発揮され難くなり、15%を越える製品にあっては、保存安定性が低下したり、粘質なため取扱いにくくなるなど、物性の面で好ましくない場合がある。
【0013】
固状の形態の本発明の8−OHdG生成抑制剤は、例えば、非加熱処理ローヤルゼリーを、必要に応じて他の成分を混合した後、減圧乾燥、真空乾燥、温風乾燥などの通常の乾燥工程に供することにより得ることができる。また、例えば、同じ出願人による特開平6−170221号公報に開示される無水α,α−トレハロースなどを脱水剤として併用することにより、前記乾燥工程を経ることなく固状の形態の当該8−OHdG生成抑制剤を得ることもできる。すなわち、結晶又は非結晶の無水α,α−トレハロースを、非加熱処理ローヤルゼリーに添加して均一に混合した後、当該混合物を、常温以下で静置すればよい。無水α,α−トレハロースを用いて通常の加熱乾燥工程を経ずに調製されたものは、非加熱処理ローヤルゼリーによる8−OHdGの生成を抑制する作用の安定性がとりわけ優れているので、本発明においては有利に利用できる。なお、本発明の8−OHdG生成抑制剤の製造に使用する脱水剤としては、有効成分としてのローヤルゼリーの活性を安定に保持しつつ、脱水できる脱水剤であればいずれでも良く、好ましくは、無水α,α−トレハロースの他に、無水α,β−トレハロース、無水β,β−トレハロース、無水マルトースなどが例示される。
【0014】
本発明の8−OHdG生成抑制剤は、上記で述べたようにそれ自体有用である一方、他の成分を配合してなる経口的又は非経口的に投与可能な組成物の形態としても有利に利用できる。本発明の8−OHdG生成抑制剤、又はローヤルゼリー由来の8−OHdGの生成を抑制する成分を含有する精製品又は半精製品、若しくはそれらのうちのいずれかを含有せしめてなる組成物(以下、「本発明の組成物」という場合がある。)には、本発明の8−OHdG生成抑制剤又はローヤルゼリー由来の8−OHdGの生成を抑制する成分を含有する精製品又は半精製品とともに、必要に応じて、8−OHdGの生成抑制作用を妨げない限り、飲食品、特別用途食品、保健機能食品、化粧品、医薬部外品、医薬品、飼料、餌料、ペットフード、研究用試薬の分野の何れかにおいて使用される1種又は2種以上の成分を含有せしめることも可能である。本発明の組成物は、本発明の8−OHdG生成抑制剤又はローヤルゼリー由来の8−OHdGの生成を抑制する成分を含有する精製品又は半精製品とともに上述の成分を混合し、更に希釈、濃縮、乾燥、濾過、遠心分離などの工程を適宜実施し、必要に応じて所望の形状に成形することによって製造される。各成分を配合する順序や、当該工程を実施する時期は、ローヤルゼリーの品質劣化をきたさない限り、特に制限はない。加熱処理ローヤルゼリーを使用する場合には、熱に不安定な物質は、非加熱処理ローヤルゼリーを熱処理した後に配合するのが好ましい。
【0015】
本発明の8−OHdG生成抑制剤又はローヤルゼリー由来の8−OHdGの生成を抑制する成分を含有する精製品又は半精製品とともに混合する成分としては、例えば、水、ミネラル、繊維質、糖質、ビタミン類、生理活性物質、アルコール、澱粉質、蛋白質、アミノ酸、脂質、脂肪酸、着香料、着色料、甘味料、調味料、香辛料、防腐剤、乳化剤、界面活性剤、賦形剤、増量剤、増粘剤、保存剤などがあげられる。
【0016】
ミネラルとしては、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、銅、亜鉛、コバルトなどが例示できる。繊維質としては、例えば、ペクチン、アルギン酸、カラゲナン、アラビアガム、グルコマンナン、シクロデキストリン、プルランなどが有利に利用できる。
【0017】
糖質としては、ブドウ糖、果糖、ラクトース、α,α−トレハロース、α,β−トレハロース、β,β−トレハロース、マルトース、蔗糖、ラクトスクロース、水飴、α−サイクロデキストリン、β−サイクロデキストリン、γ−サイクロデキストリンや同じ出願人による国際公開WO 02/010361号公報(発明の名称「α―イソマルトシルグルコ糖質生成酵素とその製造方法並びに用途」)に開示されたサイクロ{→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→}などの糖類の他、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、還元水飴などの糖アルコール類、アスパルテーム、ステビア抽出物、スクラロースなどの高甘味度甘味料が例示できる。とりわけ、α,α−トレハロースは、本発明の8−OHdG生成抑制剤又はローヤルゼリー由来の8−OHdGの生成を抑制する成分を含有する精製品又は半精製品と併用した場合、ローヤルゼリーやローヤルゼリー由来の8−OHdGの生成を抑制する成分の保存安定性を高めることから、本発明においては好適に利用できる。この場合のα,α−トレハロースの含量は、通常、重量換算で、本発明の8−OHdG生成抑制剤又はローヤルゼリー由来の8−OHdGの生成を抑制する成分を含有する精製品又は半精製品に対し等量以上、好適には5乃至500倍とする。
【0018】
ビタミン類としては、例えば、チアミン、リボフラビン、L−アスコルビン酸、α−グルコシル−L−アスコルビン酸、ルチン、α−グルコシルルチン、ヘスペリジン、α−グルコシルヘスペリジン、ナリンジン、ナイアシン、ピリドキシン、シアノコバラミンなどの水溶性ビタミン若しくはこれらの誘導体や、ビタミンA、ビタミンD、α―トコフェロール、ビタミンKなどの脂溶性ビタミン若しくはこれらの誘導体などが有利に用いられる。
【0019】
生理活性物質としては、インターフェロン−αやインターフェロン−γなどのサイトカイン、ホルモン、抗菌物質、プロポリスなどを例示できる。
【0020】
本発明の組成物の形態には特に制限はない。飲食物の形態として用いる場合には、例えば、アイスクリーム、アイスキャンデー、シャーベットなどの氷菓、氷蜜などのシロップ、バタークリーム、カスタードクリーム、フラワーペースト、ピーナッツペースト、フルーツペーストなどのスプレッド及びペースト、チョコレート、ゼリー、キャンディー、グミゼリー、キャラメル、チューインガム、プリン、シュークリーム、スポンジケーキなどの洋菓子、ジャム、マーマレード、シロップ漬、糖菓などの加工果実ないしは加工野菜、まんじゅう、ういろう、あん、羊羮、水羊羮、カステラ、飴玉、米菓などの和菓子、醤油、粉末醤油、味噌、粉末味噌、マヨネーズ、ドレッシング、食酢、三杯酢、テーブルシュガー、コーヒーシュガーなどの調味料などが挙げられる。
【0021】
望ましい飲料の形態としては、例えば、合成酒、醸造酒、果実酒、洋酒などの酒類、ジュース、ミネラル飲料、炭酸飲料、乳酸飲料、乳酸菌飲料、スポーツドリンク、ドリンク剤、緑茶・紅茶・ウーロン茶などの茶飲料、コーヒー、ココアなどの清涼飲料などが挙げられる。
【0022】
化粧品の形態として用いる場合には、例えば、ローション、クリーム、乳液、ゲル、粉末、ペースト、ブロックなどの形態で、石けん、化粧石けん、肌洗い粉、洗顔クリーム、洗顔フォーム、フェイシャルリンス、ボディシャンプー、ボディーリンス、シャンプー、リンス、髪洗い粉などの清浄用化粧品、セットローション、ヘアブロー、チック、ヘアクリーム、ポマード、ヘアスプレー、ヘアリキッド、ヘアトニック、へアローション、養毛料、染毛料、頭皮用、びん付油、つや出し油、髪油、スキ油などの頭髪化粧品、化粧水、バニシングクリーム、エモリエントクリーム、エモリエントローション、パック用化粧料(ゼリー状ピールオフタイプ、ゼリー状ふきとり型、ペースト状洗い流し型、粉末状など)、クレンジングクリーム、コールドクリーム、ハンドクリーム、ハンドローション、乳液、保湿液、アフターシェービングローション、シェービングローション、プレシェービングローション、アフターシェービングクリーム、アフターシェービングフォーム、プレシェービングクリーム、化粧用油、ベビーオイルなどの基礎化粧品、ファンデーション(液状、クリーム状、固型など)、タルカムパウダー、ベビーパウダー、ボディパウダー、パヒュームパウダー、メークアップベース、おしろい(クリーム状、ペースト状、液状、固型、粉末など)、アイシャドウ、アイクリーム、マスカラ、眉墨、まつげ化粧料、頬紅、頬化粧水などのメークアップ化粧品、香水、練香水、粉末香水、オーデコロン、パフュームコロン、オードトワレなどの芳香化粧品、日焼けクリーム、日焼けローション、日焼けオイル、日焼け止めクリーム、日焼け止めローション、日焼け止めオイルなどの日焼け・日焼け止め化粧品、マニキュア、ペディキュア、ネイルカラー、ネイルラッカー、エナメルリムーバー、ネイルクリーム、爪化粧料などの爪化粧品、アイライナー化粧品、口紅、リップクリーム、練紅、リップグロスなどの口唇化粧品、練歯磨、マウスウオッシュなどの口腔化粧品、バスソルト、バスオイル、浴用化粧料などの入浴用化粧品などが挙げられる。
【0023】
望ましい医薬品の形態としては、例えば、エキス剤、エリキシル剤、カプセル剤、顆粒剤、丸剤、眼軟膏剤、口腔粘膜貼付剤、懸濁剤、乳剤、硬膏剤、座剤、散剤、酒精剤、錠剤、シロップ剤、注射剤、チンキ剤、点眼剤、点耳剤、点鼻剤、トローチ剤、軟膏剤、芳香水剤、鼻用噴霧剤、リモナーデ剤、リニメント剤、流エキス剤、ローション剤、湿布剤、噴霧剤、塗布剤、浴剤、貼布剤、パスタ剤、パップ剤などが挙げられる。注射剤として使用する場合は、不溶性異物や発熱性物質が含まれないようにする。
【0024】
上記した本発明の組成物を製造するには、最終製品が完成するまでの工程で本発明の8−OHdG生成抑制剤又はローヤルゼリー由来の8−OHdGの生成を抑制する成分を含有する精製品又は半精製品のいずれかを添加すればよい。このようにして得られる本発明の組成物は、本発明の8−OHdG生成抑制剤又はローヤルゼリー由来の8−OHdGの生成を抑制する成分を含有する精製品又は半精製品のいずれかを、製品重量あたり、通常、0.01%以上、望ましくは、0.1乃至99.9%含有する。
【0025】
本発明の組成物を経口投与する場合、対象とするヒトをはじめとする動物などの種類、年齢、体重、性別などによって異なるものの、通常、成長個体で、約0.1mg乃至1g/kg体重/日、望ましくは、約0.2mg乃至0.5g/kg体重/日、更に望ましくは約0.5mg乃至0.1g/kg体重/日の範囲で、1日1回又は数回に分けて、投与目的に応じて連日又は1日以上の間隔をおいて利用するのが好適である。経管、経皮、経粘膜などの非経口投与の場合も、経口投与の場合の量に準じて利用すればよい。
【0026】
以下、実験及び実施例に基づいてより詳細に本発明を説明する。
【0027】
【実験1】
<ローヤルゼリーによる8−OHdGの生成抑制作用>
本実験において、ローヤルゼリーとしては、未加工のローヤルゼリー(水分67重量%、−40℃で保存。以下、単に「非加熱処理ローヤルゼリー」という。)を、使用の際に随時常温で解凍し、直後に必要量を小分けして用いた。25℃の条件下で、乾燥ローヤルゼリーとしての重量換算で、非加熱処理ローヤルゼリー0.5重量部に、市販のα,α−トレハロース含水結晶粉末(登録商標『トレハ』、株式会社林原商事販売)を減圧乾燥して得たα,α−トレハロース無水結晶9重量部を加え、充分に混合し、粉末化した。この混合物を直ちに実験動物用の粉末飼料(商品名『NMF』、オリエンタル酵母工業(株)販売)と混合し、乾燥ローヤルゼリーとしての重量換算で、非加熱処理ローヤルゼリーを、総重量あたり2.5ppm、25ppm或いは250ppm含む粉末飼料(以下、「試験飼料1乃至3」という。)を調製した。また、ローヤルゼリーとα,α−トレハロースを含まない粉末飼料のみのものを対照飼料とした。
【0028】
6週齢の雄マウス45匹を対照飼料で1週間飼育した後、1群当たり10乃至12匹の4群に群分けした。第1群のマウスには対照飼料を、第2群乃至第4群のマウスには、それぞれ、ローヤルゼリーを2.5ppm、25ppm及び250ppm含む試験飼料1乃至3を、市販の粉末飼料用給餌器を介して自由摂取させて、通常の飼育条件下で16週間飼育した。
【0029】
この飼育期間中、2日毎に各個体の飼料の摂取量と体重を測定した。また、この飼育期間の終了後、以下のようにして、各個体の主要な組織における細胞中の8−OHdGを測定した。すなわち、全ての個体より、腎臓及び心臓を摘出し、更に血清を調製した。常法にしたがって、各組識からDNAをそれぞれ調製した。各組織由来のDNA40μgをそれぞれ20mM酢酸緩衝液(pH4.8)150μlに溶解し、更にデオキシリボヌクレアーゼ(商品名『DNAse I』、タカラバイオ株式会社販売)を1.5IU添加し、37℃で60分間反応させることによりDNAを断片化した。得られたDNA断片に0.1M Tris−塩酸緩衝液(pH7.5)及びアルカリホスファターゼ(商品名『Alkaline Phosphatase』、タカラバイオ株式会社販売)を適量添加し、37℃で30分間反応させることによって、DNA断片を加水分解した。得られた各組織由来のDNA加水分解物及び血清中の8−OHdGを、8−OHdG測定キット(商品名『高感度8−OHdG−check kit』、日研フード株式会社販売)を用いて定量した。
【0030】
腎臓と心臓由来のDNA及び血清において、対照飼料を摂取した第1群のマウスと比較して、ローヤルゼリーを含む試験飼料1乃至3を摂取した第2群乃至第4群のマウスでは、8−OHdG量が減少していた。腎臓、心臓、血清中の8−OHdG量の平均値±標準偏差を、順に図1、図2及び図3として示す。以上の結果は、ローヤルゼリーが、腎臓及び心臓や血清における8−OHdGの生成を抑制していることを示している。
【0031】
【実験2】
<マウスの寿命に及ぼす8−OHdG生成抑制剤の影響>
実験1と同じ試験飼料及び対照飼料を用いて試験を行った。6週齢の雄マウス78匹を対照飼料で2週間飼育した後、1群当たり19乃至20匹の4群に群分けした。第1群のマウスには対照飼料を、第2群乃至第4群のマウスには、それぞれ、ローヤルゼリーを2.5ppm、25ppm及び250ppm含む試験飼料1乃至3を、市販の粉末飼料用給餌器を介して自由摂取させて、通常の飼育条件下で飼育した。それぞれの個体の、生存中の1日当たりの飼料の摂取量は、いずれも、一般的な飼料を用いた場合とほぼ同じであり、群間に差はなかった。マウスの生存率は、飼育期間中に生存しているマウスの匹数を試験開始時のマウスの匹数に対する百分率(%)として算出した。試験飼料2及び3を摂取した第3群及び第4群のマウスと対照飼料を摂取した第1群のマウスの飼育期間中の生存率の推移を図4に示す(尚、ローヤルゼリーを2.5ppm含有する試験飼料を摂取した第2群のマウスについては、対照試料を摂取させた第1群のマウスと比べ、生存率に統計学上の有為差はみられなかったため、図示していない)。
【0032】
図4に示すように、対照試料を摂取させた第1群のマウスは33週齢の時点で死亡個体が見られはじめ66週齢の時点での生存率は、68.4%まで減少した。一方、試験試料2及び3を摂取させた第3群及び第4群のマウスは66週齢の時点でも全て生存していた。以上の結果は、本発明の8−OHdG生成抑制剤を摂取した第3群及び第4群のマウスの生存率が、対照飼料を摂取した第1群のマウスと比較して、有為に高いことを示している。また、飼育中、対照飼料を摂取した第1群のマウスと比較したところ、試験飼料を摂取した群のマウス、特に、ローヤルゼリーを25ppm又は250ppmで含有する試験飼料2又は3を摂取した第3群及び第4群のマウスは、毛艶がよく、活動的であり、健康な状態が維持されていた。
【0033】
【実施例1】
<8−OHdG生成抑制剤>
乾燥ローヤルゼリーとしての重量換算で、実験1で用いた解凍直後の非加熱処理ローヤルゼリーの1重量部と、α,α−トレハロース含水結晶粉末(登録商標『トレハ』、株式会社林原商事販売)を減圧乾燥して得たα,α−トレハロース無水結晶の9重量部とを均一に混合し、この混合物を粉砕機を用いて粉末にし、本発明の8−OHdG生成抑制剤を得た。
【0034】
本品は、簡便に利用でき、かつ著効を示す8−OHdG生成抑制剤である。また、本品は、まろやかな甘味と適度な酸味を示すので、日常的に利用する健康食品としても有用である。本品は、このまま経口的に摂取することも、又、水やその他の飲料などに溶解して摂取することも自由である。さらには、特別用途食品、保健機能食品、化粧品、医薬部外品、医薬品、飼料、餌料、ペットフードなどに配合して、これらに8−OHdG生成抑制作用を付与することも、研究用試薬として使用することも自由である。
【0035】
【実施例2】
<健康食品>
下記の成分を以下の配合で均一に混合したのち、この混合物を粉砕機を用いて粉末にし、本発明の8−OHdG生成抑制剤を得た。
【0036】
当該8−OHdG生成抑制剤を打錠機を用いて1錠あたり約300mgの錠剤に成形した。本品は、8−OHdGの生成を抑制する作用を示し、簡便に利用でき、かつ著効を示す8−OHdG生成抑制剤である。また、本品は、まろやかな甘味と適度な酸味により良好な呈味を示すだけでなく、褐変することもなく、長期保存安定性に優れていることから、日常的に利用する健康食品として有用である。本品は、ヒトのみならず、家畜、ペットなどの動物のための経口摂取又は経管投与用組成物として、あるいは、魚、エビ、カニなどの養殖動物用にも直接或いは餌に混合するなどして有利に利用できる。
【0037】
【実施例3】
<健康食品>
下記の成分を以下の配合で均一に混合したのち、この混合物を粉砕機を用いて粉末にし、本発明の8−OHdG生成抑制剤を得た。
【0038】
本品は、8−OHdGの生成を抑制する作用を示し、簡便に利用でき、かつ著効を示す8−OHdG生成抑制剤である。また、本品は、まろやかな甘味と適度な酸味を示すので、日常的に利用する健康食品として有用である。
【0039】
【実施例4】
<健康飲料>
下記の成分を以下の配合で均一に混合したのち、この配合物25重量部を精製水150重量部に均一に分散・溶解させ、200gずつ褐色ガラス瓶に封入した。
【0040】
本品は、8−OHdG生成抑制作用の上に、栄養源が補足されているので、美容や健康などを目的とする健康飲料として有利に利用できる。なお、本品は、ヒトのみならず、家畜、ペットなどの動物のための経口摂取又は経管投与用組成物としても有利に利用できる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、ローヤルゼリーを含んでなる8−OHdG生成抑制剤が、ヒトを含む動物に対して、各種組織の細胞における8−OHdGの生成を効果的に抑制する作用を有するという全く独自の知見に基づくものである。当該8−OHdG生成抑制剤は、副作用の懸念がないので、ヒトを含む動物が簡便かつ快適に、各種組織の細胞における8−OHdGの生成を効果的に抑制、つまりDNAの損傷を防ぎ、健康を維持・増進するために利用することができる。また、以上のような特徴を有する本発明の8−OHdG生成抑制剤は、食品、飲料、特別用途食品、保健機能食品、化粧品、医薬部外品、医薬品、飼料、餌料、ペットフード、研究用試薬などの各種組成物として利用することも有利に実施できる。
【0042】
本発明は、斯くも顕著な作用効果を奏する発明であり、斯界に多大の貢献をする、誠に意義のある発明である。
【0043】
【図面の簡単な説明】
【図1】マウスの腎臓中の8−OHdGの生成量を示す図である。
【図2】マウスの心臓中の8−OHdGの生成量を示す図である。
【図3】マウスの血清中の8−OHdGの生成量を示す図である。
【図4】マウスの生存率を示す図である。
Claims (3)
- 有効成分としてローヤルゼリーを含んでなる8−ハイドロキシ−2′−デオキシグアノシン生成抑制剤。
- 請求項1に記載の8−ハイドロキシ−2′−デオキシグアノシン生成抑制剤を含有する経口的又は非経口的に投与可能な組成物。
- ローヤルゼリー由来の8−ハイドロキシ−2′−デオキシグアノシンの生成を抑制する成分を含有する精製品又は半精製品、若しくはそれらのうちのいずれかを含有せしめてなる経口的又は非経口的に投与可能な組成物。
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JP2002375314A JP2004203784A (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 8−ハイドロキシ−2′−デオキシグアノシン生成抑制剤とその用途 |
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Cited By (2)
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WO2007061237A1 (en) * | 2005-11-24 | 2007-05-31 | Seoul National University Industry Foundation | Composition for anti-inflammation |
WO2009154197A1 (ja) * | 2008-06-17 | 2009-12-23 | ジャパンローヤルゼリー株式会社 | 認知障害改善剤 |
-
2002
- 2002-12-25 JP JP2002375314A patent/JP2004203784A/ja active Pending
Cited By (3)
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JP5676881B2 (ja) * | 2008-06-17 | 2015-02-25 | ジャパンローヤルゼリー株式会社 | 認知障害改善剤 |
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