JP2004203546A - 移載方法並びに移載装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】移載開始時に移載手段と移載物との間に十分なクリアランスを確保しながらも、迅速に移載を行うことができると共に衝撃の発生も軽減することができる移載方法及び移載装置を提供することを課題とする。
【解決手段】移載装置1は、移載動作開始から相対的な低速度領域Aと遷移領域Bと相対的な高速度領域Cとをその順に含むように動作する移載手段5を有する。低速度領域では一定の速度で又は遷移領域よりも低い一定の低加速度で移載手段を動作させる。高速度領域では一定の速度で移載手段を動作させる。また、低速度領域は、移載手段の移載物への当接と同時に又は当接後に終了する。
【選択図】 図3
【解決手段】移載装置1は、移載動作開始から相対的な低速度領域Aと遷移領域Bと相対的な高速度領域Cとをその順に含むように動作する移載手段5を有する。低速度領域では一定の速度で又は遷移領域よりも低い一定の低加速度で移載手段を動作させる。高速度領域では一定の速度で移載手段を動作させる。また、低速度領域は、移載手段の移載物への当接と同時に又は当接後に終了する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動倉庫や無人搬送台車システムに設けられる移載装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動倉庫や無人搬送装置などにおいては、移載装置を用いて荷の積み下ろしを行っていた。かかる移載装置には、荷の奥側部分にアームを引っ掛けて荷を手前(移載したい位置)側に引き寄せる方式のもの(例えば、特許文献1参照)や、荷を搭載する皿状のトレイに凹部を設けその凹部にアームを引っ掛けてトレイごと荷を手前(移載したい位置)側に引き寄せる方式のものがある。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−208816号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来より、移載装置においては、アームを荷の引き寄せ開始位置にセットする際にアームが荷の奥側部分やトレイの凹部と干渉しないように配慮されていた。すなわち、前者の方式では引き寄せ開始位置にあるアームと荷の奥側部分との間には十分なクリアランスが確保されており、後者の方式ではトレイの凹部を十分に大きく採ってあった。しかしながら、サイクルタイムの短縮などの要望から高速度・高加速度での移載を行うことがある。その場合には、前述したように引き寄せ開始位置のアームと荷やトレイ凹部との間に大きなクリアランスがあると、引き寄せが始まってアームが荷やトレイ凹部と接触した際に衝撃が起こり、騒音や変形などの故障につながることがある。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、移載開始時に移載手段と移載物との間に十分なクリアランスを確保しながらも、迅速に移載を行うことができると共に衝撃の発生も軽減することができる移載方法及び移載装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明の移載方法は、移載動作開始から相対的な低速度領域と遷移領域と相対的な高速度領域とをその順に含むように動作する移載手段を設け、前記低速度領域では一定の速度で又は前記遷移領域よりも低い一定の低加速度で前記移載手段を動作させ、前記高速度領域では一定の速度で前記移載手段を動作させる、ことを特徴とする。
好適には、前記低速度領域は、前記移載手段の移載物への当接と同時に又は当接後に終了する。
【0007】
同目的を達成するため、本発明の移載装置は、移載物の載置が可能なキャリッジと、前記キャリッジに対して移載物の積み降ろしを行う移載手段であって、移載動作開始から相対的な低速度領域と遷移領域と相対的な高速度領域とをその順に含むように動作する移載手段と、前記低速度領域では一定速度で又は前記遷移領域よりも低い一定の低加速度で前記移載手段を動作させ、前記高速度領域では一定の速度で前記移載手段を動作させる制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の移載装置を自動倉庫や無人搬送台車システムなどに実施した場合の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図1及び図2に示されるように、移載装置1は、上部に移載物を載置することができるキャリッジ3と、キャリッジ3に設けられ移載物をキャリッジ3に対して積み降ろしする移載手段5と、この移載手段5を駆動する手段であるモータ7と、かかるモータ7を制御する制御手段9とを備えている。
【0009】
キャリッジ3には図示しない走行手段が取り付けられており、これにより移載装置は、自動倉庫であればラックに面して延びるレールに沿って、また、無人搬送台車システムであれば所定の軌道に沿って、走行が可能となっている。本実施の形態では、移載手段5は、いわゆるステーションやラックなどに設けられた荷受台11に向けて伸縮可能に平行に設けられた前後一対のアーム13と、各アーム13の先端部に設けられ移載物に係止される係止部15とを備える。また、本実施の形態では、移載物17は、トレイ19とその上に搭載された荷21とからなる。トレイ19は、底面部と、その周縁から上方に立ち上がる囲壁部とからなり、囲壁部の前後の外面にはそれぞれ二対の凹部23が開口している。また、上述した一対のアーム13に設けられた一対の係止部15は、相互に対面するように内側を向いており、移載工程時に対応する凹部23に挿入される。また、一対のアーム13は、伸縮方向と直交する方向にスライド可能であり、すなわち一対の係止部15の間隔を変更することができるようになっている。
【0010】
また、図2に示されるように、制御装置9は、制御コントローラ及び制御演算部を有し、この制御コントローラには移載手段の状態検出機構25及び制御設定入力機構27が接続されている。移載手段の状態検出機構25として、本実施の形態では、モータ7の回転角度を検出するエンコーダ及び/又はアーム13の伸縮量(係止部15の移動量)を検出するリニアエンコーダを用いているが、他の形態であっても最終的に係止部15の位置を検出することができるものであればよい。また、制御設定入力機構27を介して移載手段の後述する速度パターンなどの制御内容を設定・変更することができる。
【0011】
次に、以上のような構成を有する移載装置の移載方法について説明する。本移載方法では、図3の速度パターンに示されるように、移載動作開始から相対的な低速度領域Aと遷移領域Bと相対的な高速度領域Cとをその順に含むように、移載手段を動作させる。まず、図1(a)に示されるように、キャリッジ3を荷受台11の正面に停止させ、図1(b)に示されるように各アーム13を移載物17に向けて伸長して各係止部15を対応する移載物17の凹部23の外側へと移動させる。次に、図1(c)に示されるように、一対のアーム13を内側にスライドさせ、各係止部15を対応する凹部23の中に挿入する。このとき、凹部23を画定するトレイ19の部分(以下「凹部画定部」と称する)23aと係止部15との間には十分なクリアランスLが確保されており、両者が干渉しないようになっている。すなわち、移載時にキャリッジ3を停止させる位置やキャリッジ3と荷受台11との位置関係は予め設定されているので、状態検出機構25による情報に基づきながら制御装置9がモータ7を制御し、凹部23のほぼ中央に係止部15を挿入する。
【0012】
かかる図1(c)の状態を移載手段の移載動作の開始状態として、そこからアーム13を短縮して移載物17を荷受台11からキャリッジ3上に移す。図4に示されるように、まず、制御装置9は、ステップS1として、移載手段5のアーム13を短縮方向に一定の低速度で動作させる。さらに、制御装置9は、ステップS2として、状態検出機構25からの情報に基づいてアーム13の位置が低速度領域Aの動作位置にあるか否かを判断する。そして、制御装置9は、アーム13の位置が低速度領域Aの終点に達したと判断すると、ステップS3として、遷移領域Bにおいてアーム13の移載動作を所定の高速度まで加速する。このとき、低速度領域Aは、係止部15が移載動作開始位置から凹部画定部23aと当接する位置まで移動する領域(すなわち上述したクリアランスL)に対応させて予め設定されている。したがって、係止部15は、低速度領域Aの間に上記クリアランスL分だけ移動し、係止部15が凹部画定部23aと当接したとほぼ同時にアーム13の移載動作が加速される。したがって、係止部15と凹部画定部23aとの当接は低速状態で行われるので、クリアランスLは十分に確保されていながら従来のように大きな衝撃が生じて騒音や損傷を引き起こすことは防止されている。
【0013】
係止部15と凹部画定部23aとの当接及びアーム13の加速により、移載物17も加速されながらキャリッジ3の方へ引き寄せられる。制御装置9は、状態検出機構25からの情報に基づいてアーム13の位置が高速度領域Cの始点に達したと判断すると、ステップS4として、アーム13を一定の高速度で移載動作させる。したがって、係止部15と凹部画定部23aとの当接後における移載物17の移載移動は高速で非常に効率よく行われる。制御装置9は、ステップS5として、状態検出機構25からの情報に基づいてアーム13の位置が高速度領域Cの終点すなわち予め決められた移載完了位置に接近した位置に達したか否かを判断する。そして、アーム13の位置が高速度領域Cの終点に達した場合には、制御装置9は、ステップS6として、アーム13の移載動作を減速する。そして、制御装置9は、ステップS7として、アーム13が移載完了位置に到達した場合にはアーム13の動作を終了させ、移載物17は図1(d)に示されるようにキャリッジ3上の所定の移載完了位置へ到達する。
【0014】
また、上述した本実施の形態との比較例として、図5に示す速度パターンによる移載動作を行った二つの比較例を挙げる。すなわち、比較例1としては、図5(a)に示すように単一の一定速度で移載動作を行う態様であり、比較例2としては、図5(b)に示すように一定速度の前後の加速度と減速度とを小さく採った態様である。比較例1では、一定速度が比較的高速である場合には、移載手段と移載物との当接時に大きな衝撃が発生し、かかる一定速度が比較的低速である場合には移載物の移動も低速のままであるため移載工程全体が非常に時間のかかるものとなる。一方、比較例2でも、移載物の移動中の一定速度領域までの加速とその後の減速とに時間がかかるため、移載工程全体が非常に時間のかかるものとなる。これに対し、図3に示すように一定の低速度領域と一定の高速度領域とを有する速度パターンを採用する本実施の形態では、大きな衝撃の発生を抑制することが可能でありながら、移載時間が長くなることを回避することができる。また、かかる利点によって、移載物や移載手段の損傷を防止し、移載装置の停止時間、部品交換時間や費用などを節約できる。また、移載工程を含む搬送サイクルタイム全体への影響も最小限に抑えることができる。
【0015】
本発明の移載装置及び移載方法は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な改変を施して実施することが可能である。例えば、移載動作の開始から移載完了までの速度パターンは、図3に示す速度パターンの他に、図6に示す速度パターンでもよい。すなわち、この態様は、図3の低速度領域A及び遷移領域Bとをそれぞれ、低速度領域A’及び遷移領域B’に代えたものであり、移載動作開始から、相対的な低速度領域A’と、遷移領域B’と、相対的な高速度領域Cとをその順で含む。そして、低速度領域A’では遷移領域B’よりも低い一定の低加速度で移載手段の動作を行わせ、高速度領域Cでは一定の高速度で移載手段の動作を行わせる。これによって、移載手段の係止部15と凹部画定部23aとの当接は低速状態で行われるので、クリアランスLは十分に確保されていながら従来のように大きな衝撃が生じて騒音や損傷を引き起こすことは防止され、且つ、移載時間が長くなることを回避することができる。
【0016】
また、移載手段の状態検出機構は、移載動作開始からの位置を検出・定義する態様には限定されず、移載動作開始からの時間によって移載手段の状態を検出・定義する態様でもよい。また、位置や時間の基準も移載動作開始時には限定されず各領域の始点や終点あるいは他のポイントでもよい。さらに、移載手段と移載物との接近又は当接を検出してその情報を速度変更の基準としてもよい。
【0017】
また、図3及び図6の速度パターンでは、移載手段の移載物への当接とほぼ同時に低速度領域が終了するように設定していたが、本発明はこれに限定されず、当接直前あるいは当接直後に低速度領域が終了しあるいは高速度領域が開始する態様でもよい。
【0018】
また、移載手段の形態も上記実施の形態には限定されず、移載物を移動できれば他の形態でもよい。したがって、伸縮ではなく揺動可能に設けられたアームを係止部が移載物の背後にまわるように倒して、手前側に引きずるように移動させるものでもよい。また、移載物を引く代わりに押して移載完了位置へと移動させる態様でもよい。さらに、移載物の形態もトレイと荷とからなることには限定されず、移載物としては荷のみから構成され荷の外面自体に移載手段を引っ掛ける形態でもよい。また、トレイの凹部を画定する態様も限定的なものではなく、例えば、溝の中に横断部材を設けておきその横断部材に引っ掛ける態様など様々な態様で実施可能である。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の移載方法及び移載装置によれば、移載開始時に移載手段と移載物との間に十分なクリアランスを確保しながらも、迅速に移載を行うことができると共に衝撃の発生も軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る移載工程を説明する平面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る移載装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に関する、移載手段の動作速度を示すグラフである。
【図4】本発明の実施の形態に係る移載方法の処理工程を説明するフローチャートである。
【図5】比較例としての移載手段の動作速度を示すグラフである。
【図6】本発明の別の実施の形態に関する、移載手段の動作速度を示すグラフである。
【符号の説明】
1…移載装置、3…キャリッジ、5…移載手段、9…制御手段、17…移載物。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動倉庫や無人搬送台車システムに設けられる移載装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動倉庫や無人搬送装置などにおいては、移載装置を用いて荷の積み下ろしを行っていた。かかる移載装置には、荷の奥側部分にアームを引っ掛けて荷を手前(移載したい位置)側に引き寄せる方式のもの(例えば、特許文献1参照)や、荷を搭載する皿状のトレイに凹部を設けその凹部にアームを引っ掛けてトレイごと荷を手前(移載したい位置)側に引き寄せる方式のものがある。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−208816号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来より、移載装置においては、アームを荷の引き寄せ開始位置にセットする際にアームが荷の奥側部分やトレイの凹部と干渉しないように配慮されていた。すなわち、前者の方式では引き寄せ開始位置にあるアームと荷の奥側部分との間には十分なクリアランスが確保されており、後者の方式ではトレイの凹部を十分に大きく採ってあった。しかしながら、サイクルタイムの短縮などの要望から高速度・高加速度での移載を行うことがある。その場合には、前述したように引き寄せ開始位置のアームと荷やトレイ凹部との間に大きなクリアランスがあると、引き寄せが始まってアームが荷やトレイ凹部と接触した際に衝撃が起こり、騒音や変形などの故障につながることがある。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、移載開始時に移載手段と移載物との間に十分なクリアランスを確保しながらも、迅速に移載を行うことができると共に衝撃の発生も軽減することができる移載方法及び移載装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明の移載方法は、移載動作開始から相対的な低速度領域と遷移領域と相対的な高速度領域とをその順に含むように動作する移載手段を設け、前記低速度領域では一定の速度で又は前記遷移領域よりも低い一定の低加速度で前記移載手段を動作させ、前記高速度領域では一定の速度で前記移載手段を動作させる、ことを特徴とする。
好適には、前記低速度領域は、前記移載手段の移載物への当接と同時に又は当接後に終了する。
【0007】
同目的を達成するため、本発明の移載装置は、移載物の載置が可能なキャリッジと、前記キャリッジに対して移載物の積み降ろしを行う移載手段であって、移載動作開始から相対的な低速度領域と遷移領域と相対的な高速度領域とをその順に含むように動作する移載手段と、前記低速度領域では一定速度で又は前記遷移領域よりも低い一定の低加速度で前記移載手段を動作させ、前記高速度領域では一定の速度で前記移載手段を動作させる制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の移載装置を自動倉庫や無人搬送台車システムなどに実施した場合の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図1及び図2に示されるように、移載装置1は、上部に移載物を載置することができるキャリッジ3と、キャリッジ3に設けられ移載物をキャリッジ3に対して積み降ろしする移載手段5と、この移載手段5を駆動する手段であるモータ7と、かかるモータ7を制御する制御手段9とを備えている。
【0009】
キャリッジ3には図示しない走行手段が取り付けられており、これにより移載装置は、自動倉庫であればラックに面して延びるレールに沿って、また、無人搬送台車システムであれば所定の軌道に沿って、走行が可能となっている。本実施の形態では、移載手段5は、いわゆるステーションやラックなどに設けられた荷受台11に向けて伸縮可能に平行に設けられた前後一対のアーム13と、各アーム13の先端部に設けられ移載物に係止される係止部15とを備える。また、本実施の形態では、移載物17は、トレイ19とその上に搭載された荷21とからなる。トレイ19は、底面部と、その周縁から上方に立ち上がる囲壁部とからなり、囲壁部の前後の外面にはそれぞれ二対の凹部23が開口している。また、上述した一対のアーム13に設けられた一対の係止部15は、相互に対面するように内側を向いており、移載工程時に対応する凹部23に挿入される。また、一対のアーム13は、伸縮方向と直交する方向にスライド可能であり、すなわち一対の係止部15の間隔を変更することができるようになっている。
【0010】
また、図2に示されるように、制御装置9は、制御コントローラ及び制御演算部を有し、この制御コントローラには移載手段の状態検出機構25及び制御設定入力機構27が接続されている。移載手段の状態検出機構25として、本実施の形態では、モータ7の回転角度を検出するエンコーダ及び/又はアーム13の伸縮量(係止部15の移動量)を検出するリニアエンコーダを用いているが、他の形態であっても最終的に係止部15の位置を検出することができるものであればよい。また、制御設定入力機構27を介して移載手段の後述する速度パターンなどの制御内容を設定・変更することができる。
【0011】
次に、以上のような構成を有する移載装置の移載方法について説明する。本移載方法では、図3の速度パターンに示されるように、移載動作開始から相対的な低速度領域Aと遷移領域Bと相対的な高速度領域Cとをその順に含むように、移載手段を動作させる。まず、図1(a)に示されるように、キャリッジ3を荷受台11の正面に停止させ、図1(b)に示されるように各アーム13を移載物17に向けて伸長して各係止部15を対応する移載物17の凹部23の外側へと移動させる。次に、図1(c)に示されるように、一対のアーム13を内側にスライドさせ、各係止部15を対応する凹部23の中に挿入する。このとき、凹部23を画定するトレイ19の部分(以下「凹部画定部」と称する)23aと係止部15との間には十分なクリアランスLが確保されており、両者が干渉しないようになっている。すなわち、移載時にキャリッジ3を停止させる位置やキャリッジ3と荷受台11との位置関係は予め設定されているので、状態検出機構25による情報に基づきながら制御装置9がモータ7を制御し、凹部23のほぼ中央に係止部15を挿入する。
【0012】
かかる図1(c)の状態を移載手段の移載動作の開始状態として、そこからアーム13を短縮して移載物17を荷受台11からキャリッジ3上に移す。図4に示されるように、まず、制御装置9は、ステップS1として、移載手段5のアーム13を短縮方向に一定の低速度で動作させる。さらに、制御装置9は、ステップS2として、状態検出機構25からの情報に基づいてアーム13の位置が低速度領域Aの動作位置にあるか否かを判断する。そして、制御装置9は、アーム13の位置が低速度領域Aの終点に達したと判断すると、ステップS3として、遷移領域Bにおいてアーム13の移載動作を所定の高速度まで加速する。このとき、低速度領域Aは、係止部15が移載動作開始位置から凹部画定部23aと当接する位置まで移動する領域(すなわち上述したクリアランスL)に対応させて予め設定されている。したがって、係止部15は、低速度領域Aの間に上記クリアランスL分だけ移動し、係止部15が凹部画定部23aと当接したとほぼ同時にアーム13の移載動作が加速される。したがって、係止部15と凹部画定部23aとの当接は低速状態で行われるので、クリアランスLは十分に確保されていながら従来のように大きな衝撃が生じて騒音や損傷を引き起こすことは防止されている。
【0013】
係止部15と凹部画定部23aとの当接及びアーム13の加速により、移載物17も加速されながらキャリッジ3の方へ引き寄せられる。制御装置9は、状態検出機構25からの情報に基づいてアーム13の位置が高速度領域Cの始点に達したと判断すると、ステップS4として、アーム13を一定の高速度で移載動作させる。したがって、係止部15と凹部画定部23aとの当接後における移載物17の移載移動は高速で非常に効率よく行われる。制御装置9は、ステップS5として、状態検出機構25からの情報に基づいてアーム13の位置が高速度領域Cの終点すなわち予め決められた移載完了位置に接近した位置に達したか否かを判断する。そして、アーム13の位置が高速度領域Cの終点に達した場合には、制御装置9は、ステップS6として、アーム13の移載動作を減速する。そして、制御装置9は、ステップS7として、アーム13が移載完了位置に到達した場合にはアーム13の動作を終了させ、移載物17は図1(d)に示されるようにキャリッジ3上の所定の移載完了位置へ到達する。
【0014】
また、上述した本実施の形態との比較例として、図5に示す速度パターンによる移載動作を行った二つの比較例を挙げる。すなわち、比較例1としては、図5(a)に示すように単一の一定速度で移載動作を行う態様であり、比較例2としては、図5(b)に示すように一定速度の前後の加速度と減速度とを小さく採った態様である。比較例1では、一定速度が比較的高速である場合には、移載手段と移載物との当接時に大きな衝撃が発生し、かかる一定速度が比較的低速である場合には移載物の移動も低速のままであるため移載工程全体が非常に時間のかかるものとなる。一方、比較例2でも、移載物の移動中の一定速度領域までの加速とその後の減速とに時間がかかるため、移載工程全体が非常に時間のかかるものとなる。これに対し、図3に示すように一定の低速度領域と一定の高速度領域とを有する速度パターンを採用する本実施の形態では、大きな衝撃の発生を抑制することが可能でありながら、移載時間が長くなることを回避することができる。また、かかる利点によって、移載物や移載手段の損傷を防止し、移載装置の停止時間、部品交換時間や費用などを節約できる。また、移載工程を含む搬送サイクルタイム全体への影響も最小限に抑えることができる。
【0015】
本発明の移載装置及び移載方法は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な改変を施して実施することが可能である。例えば、移載動作の開始から移載完了までの速度パターンは、図3に示す速度パターンの他に、図6に示す速度パターンでもよい。すなわち、この態様は、図3の低速度領域A及び遷移領域Bとをそれぞれ、低速度領域A’及び遷移領域B’に代えたものであり、移載動作開始から、相対的な低速度領域A’と、遷移領域B’と、相対的な高速度領域Cとをその順で含む。そして、低速度領域A’では遷移領域B’よりも低い一定の低加速度で移載手段の動作を行わせ、高速度領域Cでは一定の高速度で移載手段の動作を行わせる。これによって、移載手段の係止部15と凹部画定部23aとの当接は低速状態で行われるので、クリアランスLは十分に確保されていながら従来のように大きな衝撃が生じて騒音や損傷を引き起こすことは防止され、且つ、移載時間が長くなることを回避することができる。
【0016】
また、移載手段の状態検出機構は、移載動作開始からの位置を検出・定義する態様には限定されず、移載動作開始からの時間によって移載手段の状態を検出・定義する態様でもよい。また、位置や時間の基準も移載動作開始時には限定されず各領域の始点や終点あるいは他のポイントでもよい。さらに、移載手段と移載物との接近又は当接を検出してその情報を速度変更の基準としてもよい。
【0017】
また、図3及び図6の速度パターンでは、移載手段の移載物への当接とほぼ同時に低速度領域が終了するように設定していたが、本発明はこれに限定されず、当接直前あるいは当接直後に低速度領域が終了しあるいは高速度領域が開始する態様でもよい。
【0018】
また、移載手段の形態も上記実施の形態には限定されず、移載物を移動できれば他の形態でもよい。したがって、伸縮ではなく揺動可能に設けられたアームを係止部が移載物の背後にまわるように倒して、手前側に引きずるように移動させるものでもよい。また、移載物を引く代わりに押して移載完了位置へと移動させる態様でもよい。さらに、移載物の形態もトレイと荷とからなることには限定されず、移載物としては荷のみから構成され荷の外面自体に移載手段を引っ掛ける形態でもよい。また、トレイの凹部を画定する態様も限定的なものではなく、例えば、溝の中に横断部材を設けておきその横断部材に引っ掛ける態様など様々な態様で実施可能である。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の移載方法及び移載装置によれば、移載開始時に移載手段と移載物との間に十分なクリアランスを確保しながらも、迅速に移載を行うことができると共に衝撃の発生も軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る移載工程を説明する平面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る移載装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に関する、移載手段の動作速度を示すグラフである。
【図4】本発明の実施の形態に係る移載方法の処理工程を説明するフローチャートである。
【図5】比較例としての移載手段の動作速度を示すグラフである。
【図6】本発明の別の実施の形態に関する、移載手段の動作速度を示すグラフである。
【符号の説明】
1…移載装置、3…キャリッジ、5…移載手段、9…制御手段、17…移載物。
Claims (3)
- 移載動作開始から相対的な低速度領域と遷移領域と相対的な高速度領域とをその順に含むように動作する移載手段を設け、
前記低速度領域では一定の速度で又は前記遷移領域よりも低い一定の低加速度で前記移載手段を動作させ、
前記高速度領域では一定の速度で前記移載手段を動作させる、
ことを特徴とする移載装置の移載方法。 - 前記低速度領域は、前記移載手段の移載物への当接と同時に又は当接後に終了することを特徴とする請求項1に記載の移載装置の移載方法。
- 移載物の載置が可能なキャリッジと、
前記キャリッジに対して移載物の積み降ろしを行う移載手段であって、移載動作開始から相対的な低速度領域と遷移領域と相対的な高速度領域とをその順に含むように動作する移載手段と、
前記低速度領域では一定速度で又は前記遷移領域よりも低い一定の低加速度で前記移載手段を動作させ、前記高速度領域では一定の速度で前記移載手段を動作させる制御手段と
を備えたことを特徴とする移載装置。
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