JP2004203462A - ボトル缶のキャッピング方法、キャップ材及びキャップ付きボトル缶 - Google Patents

ボトル缶のキャッピング方法、キャップ材及びキャップ付きボトル缶 Download PDF

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Abstract

【課題】キャップシール材間の密封性を良好に保ち、より深い段差部を良好に形成すること。
【解決手段】キャップ材6に段差部8を形成する場合、予め、キャップ材6に仮段差部8aを予備成形した後、その仮段差部8aから最終的に設定された所望の絞り深さ寸法の段差部8に形成される段階加工を行う。即ち、キャップ材6を口金部に被せて段差部形成工程を行う前に、予めキャップ材6に仮段差部8aを形成する。仮段差部8aとしては、缶底方向への絞り深さ寸法と、キャップ材の径方向への絞り寸法とが段差部8の寸法より小として形成される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ボトル缶の口金にキャップ材を被着して口金を密閉するためのボトル缶のキャッピング方法、この方法に用いるキャップ材及び同キャップ材を被着したキャップ付きボトル缶に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、アルミニウム製スクリューキャップを有した、リシール可能なオールアルミニウム製飲料用ボトル缶が広く使われるようになったが、アルミニウム合金を絞りしごき加工して形成した、1ピースのボトル缶(キャップを含めると2ピースボトル缶とも言う)が主流になってきている。
【0003】
このようなボトル缶は、従来、DI成形によって有底筒状に形成した後、図5(a)に示すように、開口部を複数回ネックイン加工することにより縮径してテーパー部1a、及び口金部2を形成し、次いで、同図(b)に示すように口金部2を膨出成形することにより、かぶら部4を形成し、更に同図(c)に示すように口金部2にねじ(雄ねじ)部3を形成し、また更にカール部5を形成する。カール部5は、更に同図(d)に示すようにスロット加工されることで潰され、これにより若干のアールを有する突出部が形成されて、キャップ巻き締め後にキャップライナーにその突出部が食い込んで高い密封性が得られる。
【0004】
このように形成されたボトル缶1は、その後、内容物が充填され、ボトル缶1の口金部2に、図6に示すようにキャップ材6が被着され、キャップ付きボトル缶とされる。ここでは、ボトル缶1に装着前のものを「キャップ材6」と呼び、装着後のものを「キャップ」と呼ぶ。
なお、ボトル缶1の口金部2に被着されるキャップ材6は、図7に示すように、天面部61、ナール62、グルーブ63、スコア65を有するビード64、及びフレアー66とを有して有底筒状に形成され、天面部61の内側にはシール材であるライナー67が貼着されている。
【0005】
このようなキャップ材6は、以下のようにしてキャッピング加工がなされることで被着される。
つまり、図8に示すように、筒状のプレッシャーブロック71と、このプレッシャーブロック71の中央に軸方向に移動可能に設けられたプレッシャーブロックインサート72と、ROローラ73、PPローラ74とを備えたキャッピング装置7を用い、図9(a)に示すように、ボトル缶1の口金部2に被せられたキャップ材6の天面部61をプレッシャーブロックインサート72が缶底方向に押圧して押さえる。次いで、図9(b)に示すように、プレッシャーブロック71が天面部61の外周側を缶底方向に押圧しながら所望の深さ及び径方向に絞り加工することで、キャップ材6の肩部に段差部8を形成(段差部形成工程)、さらにその状態でROローラ73が口金部2のねじ部3に沿って回転することで、キャップ材6の周囲に雌ねじを形成すると共に、PPローラ74がかぶら部4に沿い転動することでフレアー66が巻き締められ(巻締め工程)、これによってキャップ材6が図6のように口金部2に被着されて、ライナー67が口金部2のカール部5と密に接することで密封性が確保されるようになっている。なお、図9において、符号75はプレッシャーブロックインサート72を缶底方向に付勢させるスプリングである。
このボトル缶及びキャップ間の密封性に関連する先行技術としては、各種のものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−301888号公報
【0007】
このようにしてボルト缶1にキャップが被着された後、内容物に応じて殺菌処理が行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のボトル缶1は、内容物が充填されたボトル缶1にキャップ材6が被着された後、内容物に応じて殺菌処理が行われるが、缶内圧が予想以上に上昇した場合キャップ材6の天面部61が図10に示すように外側に膨らみ、ライナー67の内周側がカール部5の天面から離れてしまうが、カール部外周面とシール材とが段差形成により強固に密着しているため内容物が漏れることはない。しかし、段差加工が浅かったり、段差アールが大きいと、カール部外周面とシール材との接触面積が小さくなったり、押し付け力が弱くなるので、密封性が低下するという問題があった。
【0009】
上記の問題を解決するため、ボトル缶1のカール部5の外周面とライナー67との接触面積を大きくする、或いは押し付け力を大きくするため、ボトル缶1の口金部2に被せるキャップ材6の軸方向の押圧力を大きくして段差部8の深さを大きく形成すると、ボトル缶1がアルミニウムのような軟質金属であり、かつDI缶のように板厚が薄い場合、ねじ部3が変形してかえって密封性を阻害したり、場合によっては缶胴を座屈させてしまう不都合があったため、より深い段差部を形成することが困難であった。
また、段差部8を複数回に分けて押圧するものにおいては、段差部8を形成するプレッシャーブロックの制御が困難であり、現実的には2台の装置により加工しなければならないというものであった。
【0010】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、ボトル缶の内圧が上昇しても、キャップシール材間の密封性を良好に保つことができるキャッピング方法、及びこれに用いるキャップ材、及び該キャップ材を被着したキャップ付きボトル缶を提供することにあり、他の目的は、より深い段差部をカール部やねじ部の変形、傷等を発生させることなく、良好に形成できるキャッピング方法、キャップ材、及びキャップ付きボトル缶を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、口金部にねじが形成されたボトル缶に内容物を充填した後、前記口金部に有底円筒状、かつその内部にシール材が配置されたキャップ材を被せ、該キャップ材を前記ボトル缶の缶底方向に押圧しながら、該キャップ材の肩部に絞り加工により段差部を形成して前記シール材を前記口金部に密着させるとともに、該キャップ材の周囲に前記口金部のねじ部に対応するねじ部を形成するボトル缶のキャッピング方法において、前記キャップ材を前記口金部に被せる前に、予め該キャップ材の肩部に仮段差部を形成しておき、該キャップ材を被せた後に、該仮段差部を更に絞って前記段差部を形成することを特徴とする。
【0012】
この発明に係るキャッピング方法によれば、キャップ材に予め仮段差部を形成しておくため、最終的に段差部を形成する際に、ボトル缶の口金部のカール部やねじ部に一度に大きな力が加わることがなく、変形や傷の発生が防止され、より深い段差部を良好に形成することができ、カール部の外周壁とライナーと間の接触面積が確実に増大する。この場合、プレッシャーブロックの制御は、複雑な制御を要することなく容易である。
【0013】
請求項2に係る発明は、請求項1記載のボトル缶のキャッピング方法において、前記仮段差部を、前記缶底方向への絞り深さ寸法と前記キャップ材の径方向への絞り寸法とを、前記段差部の対応する方向の寸法より小として形成することを特徴とする。
この発明に係るキャッピング方法によれば、仮段差部の缶底方向への絞り深さ寸法及びキャップ材の径方向への絞り寸法が、段差部の対応する方向の寸法より小として形成されるので、この仮段差部をさらに絞ることによって段差部が形成される。
【0014】
請求項3に係る発明は、有底円筒状に形成され、その円筒状部の少なくとも一部がねじ形成予定部とされ、かつその内部にシール材が配置されたボトル缶口金被着用のキャップ材であって、その肩部に仮段差部が形成されていることを特徴とする。
この発明に係るキャップ材によれば、このキャップ材をボトル缶の口金部に被せ、仮段差部をさらに絞ることによって段差部が形成される。
【0015】
請求項4に係る発明は、請求項3記載のキャップ材を口金部に被着し、前記仮段差部を絞って段差部としたキャップ付きボトル缶であって、該段差部の缶底方向への絞り深さ寸法が、2.3〜3.5mmとされていることを特徴とする。
この発明に係るキャップ付きボトル缶によれば、段差部の缶底方向への絞り深さ寸法が大きいので、口金部の密閉が確実になされる。
【0016】
請求項5に係る発明は、キャップの肩部に段差部が形成されたキャップ付きボトル缶であって、前記段差部の缶底方向への絞り深さ寸法が、2.3〜3.5mmとされていることを特徴とする。
この発明に係るキャップ付きボトル缶によれば、段差部の缶底方向への絞り深さ寸法が大きいので、口金部の密閉が確実になされる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。図1及び図2はこの発明の第1の実施の形態に係るキャッピング方法を示す図であって、図1はキャップ材の成形時の説明図、図2はボトル缶の口金部にキャップを被着した状態の説明図である。なお、ここでの説明は、前述した図5〜図10の構成と同一部分について、これら図5〜図10を参照して説明する。
キャップ材6は、図6,図7,図9に示すように、天面部61、ナール62、グルーブ63、スコア65を有するビード64、フレアー66とを有して有底円筒状に形成され、天面部61の内側にはシール材であるライナー67が貼着されている。
【0018】
この実施形態においては、予め、キャップ材6に仮段差部8aを予備成形しておき、その後、キャップ材6が口金部2に被せられた場合に、仮段差部8aから最終的に設定された所望の絞り深さ寸法Lの段差部8に形成される段階加工を行うようにしている。
【0019】
即ち、キャップ材6を口金部2に被せて段差部形成工程を行う前に、予め、キャップ材6に、図1(a)に示すように仮段差部8aを形成しておく。この場合、仮段差部8aとしては、図1(a)に示すように、缶底方向への絞り深さ寸法と、キャップ材の径方向への絞り寸法とが段差部8の寸法より小として形成され、例えばキャップ材6の元々の径寸法が38.6Φmmのとき、36.4Φmmの径寸法に絞り加工するようにしている。
【0020】
このような仮段差部8aは、筒状をなすプレッシャーブロック91と、このプレッシャーブロックの中央に軸方向に移動可能に設けられたプレッシャーブロックインサート92とを有する仮段差形成機構9を用い、プレッシャーブロックインサート92がキャップ材6の天面部61を缶底方向に押圧しながらプレッシャーブロック91がキャップ材6の肩部を径方向に押圧して絞り加工するとともに、深さ方向に絞り加工することで形成される。
【0021】
この実施形態のキャップ材6は、上記のように構成されるので、いま、口金部2にねじ部3、かぶら部4及びカール部5が形成されたボトル缶1に炭酸飲料等の内容物が充填されると、そのボトル缶1の口金部2にキャップ材6が被せられた後、図9(b)に示すように、キャッピング装置7によってキャップ材6の肩部が絞り加工されるとともに雌ねじが形成され、更にフレアー66がかぶら部4が巻き締められることでキャップ材6が口金部2に被着される。
【0022】
その際、キャップ材6には、予め、図1(a)に示すように仮段差形成機構9によって形成すべき段差部8より缶底方向の絞り寸法及び径方向の絞り寸法が小となる仮段差部8aが形成されているので、キャッピング装置7のプレッシャーブロック71が仮段差部8aに基づき所望の深さ方向及び径方向に押圧しながら絞り加工することで、段差部8を最終的に形成することとなる。
【0023】
従って、このキャッピング方法によれば、キャップ材6に段差部8を形成する場合、キャップ材6に予め仮段差部8aを形成しておき、その仮段差部8aを有するキャップ材6が段差部形成工程において口金部2に被せられたとき、キャップ材6の肩部に絞り加工を行うことで、最終的に所望の形状の段差部8を形成するようにしたので、従来のように口金部2に被せられたキャップ材6に段差部を設ける場合に比較すると、キャップ材6に対する仮段差形成機構9及びキャッピング装置7の押圧力が仮段差部8a及び段差部8の双方の形成時においてそれぞれ小さな押圧力で済ませることができる。
【0024】
そのため、図2に示すように、ボトル缶1の口金部2のカール部5やねじ部3が変形することなく、段差部8の絞り深さ寸法Lをより大きくかつ良好に形成することができるばかりでなく、カール部5の外周壁5bとキャップ材6のライナー67との間の軸方向の接触長さL2をより大きくして接触面積を確実に増大させることができる。このような段差部8を形成する押圧力が小さく済むと、強度上の制約が少なくなり、座屈等の虞れがなくなってキャップ材6に設けられる雌ねじの巻き数(条数)を増やすことも可能となる。従って、内圧が上がったときの密封性能をより向上させることができる。
【0025】
しかも、キャップ材を被せたとき、キャップ材を複数回に分けて押圧することで段差部を形成する従来に比較すると、キャッピング装置7のプレッシャーブロック71の制御が容易であり、キャッピング装置を2台使用する等の不都合を回避することができる。
【0026】
また、仮段差部8aが形成された後、キャッピング装置7のROローラ73によってキャップ材6の周囲に雌ねじが形成されるとともに、ローラ74によってフレアー66が巻き締められることで巻締め加工が行われると、ボトル缶1の口金部2においてその軸線とキャップ材6の軸線とを略一致させた状態で巻締め加工を行うことができる。そのため、ボトル缶1の軸心に対してキャップ材6の軸心を略正確に合わせることができ、いわゆる調心機能を果たすことができるので、キャップ材6における雌ねじの形成とフレアー66の巻き締めとを良好に行うことができ、ボトル缶1に対するキャップ材6の被着を精度よく行うことができる。
即ち、キャップ材6に仮段差部8aを形成しない状態で当該キャップ材6をボトル缶1の口金部2に被せると、口金部2とキャップ材6との間のクリアランスが大となってこれら口金部2、キャップ材6の調心が難しくなるが、前記クリアランスが適切な値となるようにキャップ材6に予め仮段差部8aを形成しておけば、キャップ材6への雌ねじ形成時等における両者の調心が良好になされ、キャップ材6の被着を精度よく行うことができるのである。
この場合、仮段差部8aの径方向への絞り量が大きすぎると、前記クリアランスが狭くなってキャップ材6が口金部2に嵌らなくなる虞れがあり、従って当該径方向への絞り量を適切に設定する必要がある。また、仮段差部8aの缶底方向への絞り量が浅すぎると、ライナー67とカール部5との接触面積が小となって充分なシール性能が確保できないことになる。また、この絞り量が深すぎると、ライナー67がキャップ材6の仮段差部8aに沿って深く曲がり、この場合にもライナー67とカール部5との間のクリアランスが狭くなって調心機能が良好に得られない。従って、缶底方向への絞り量も適切に設定する必要がある。
【0027】
一方、キャップ材6が被着された後、このキャップ付きボトル缶1が殺菌等の処理がなされると、内圧が上昇してキャップ材6の天面部61が膨らみ、その部分のライナー67の内周側が持ち上げられてしまうことから(図10参照)、ライナー67と口金部2間の密封性が低下するおそれがある。
【0028】
しかしながら、キャップ材6が口金部2に被着されたとき、上述したようにキャップ材6のライナー67とカール部5の外周壁5bとの間の軸方向の接触長さL2が大きくなることで接触面積が増大するので、キャップ材6の内側に装着されているライナー67とカール部5の外周壁との周方向の接触面積も増大し、確実に面接触することができる。そのため、キャップ材6の天面部61が例え持ち上げられることがあっても、それに拘わることなくキャップ材6のライナー67とカール部5間の密封性を良好に保つことができる。
従って、レトルト処理等によってボトル缶1の内圧が上昇しても、キャップ材6のライナー67とカール部5間との密封性を安定した良好な状態に維持することができる。
【0029】
因みに、口径が38.6Φmmのキャップ材6を用い、このキャップ材6に、まず図1(a)に示すように仮段差部8aを形成し、この仮段差部8aを有するキャップ材6をボトル缶1の口金部6に被せ、そして同図(b)に示すように絞り加工をして段差部8を形成した場合の試験結果を以下の表1に示す。
【0030】
【表1】
Figure 2004203462
【0031】
上記表1において、従来例は、仮段差部を有せずかつキャッピング時に段差部が形成されるキャップ材を用いたものであって、リーク試験を行ったところ、内容物の漏れが生じることが確認された。試験1から試験8は、キャッピングに際し、予め36.4Φmmに絞り加工された仮段差部8aを有するキャップ材6を用いている。いずれも、キャップ材6の段差部8の径が35.4Φmmに絞り加工された例を示している。
【0032】
試験1から試験8のいずれも内容物に漏れがないことが確認されている。但し、試験8によれば、缶底方向への絞り深さ寸法が4mmと深過ぎてしまい、キャップ材6に設けられているナール穴を塞いでしまうことがあった。このナール穴が塞がれると、内容物のガス抜き作用が損なわれることになる。また、缶底方向への絞り深さが深すぎると、キャップを開栓すべく回動操作した場合に、口金部2の雄ねじとキャップの雌ねじとの螺合が解除されるまでガス抜きが充分になされないことになる。
【0033】
表1から明らかなように、段差部8の缶底方向への絞り深さ寸法としては、2.3〜3.5mmが好ましく、この範囲内であれば、キャップ材6のライナー67と口金部2のカール部5間の接触面積を確実に増大させることができ、双方の密着性を良好に保てることが理解できよう。
【0034】
なお、上記リーク試験とは、100本のボトル缶1についての漏れ本数を表している。このリーク試験は、5℃でかつガス水がGV2.7からなる充填物を用い、これをボトル缶1に400ml入れて室温より高い40℃で保管開始し、それから三週間経過したところで常温(20℃)まで戻した後、B検にてボトル缶1の内圧を推定し、そのときの内圧が0.8kg/cm(7.8×10Pa)以下になった場合に漏れと判断した。なお、B検とは、缶胴に圧子を押し込んでその押し込み程度からボトル缶1の内圧を推定するものであり、他の検査方法を採用して漏れ検査を行ってもよいのは勿論である。
【0035】
また、図示実施の形態において、仮段差部8aが深さ方向及び径方向の絞り寸法のいずれも段差部8の絞り寸法よりそれぞれ小さく形成された例を示したが、それ以外の加工によって形成することもできる。
例えば図3(a)に示すように、仮段差形成機構9により仮段差部8bを、段差部8の設定された缶底方向への絞り寸法に形成するが、その際、径方向への絞り寸法を段差部8の絞り寸法より浅めの形状にすることで形成しておき、その後、この仮段差部8bを有するキャップ材6を口金部2に被せたとき、キャッピング装置7が段差部形成工程において、同図(b)に示すように、設定された絞り寸法で絞り加工することで段差部8を形成する。
【0036】
或いは図4(a)に示すように、仮段差部8cを、段差部8の缶底方向への絞り寸法より浅い寸法にするとともに、段差部8の径方向への絞り寸法と同様に形成することで形成しておき、その後、段差部形成工程において同図(b)に示すように、径方向の絞り寸法をそのままの状態にして缶底方向の絞り寸法を大きく形成することで段差部8を形成する。
【0037】
上記図3及び図4に示す実施形態によれば、缶底方向への絞り寸法と径方向への絞り寸法とのいずれか一方の寸法を小とすることでも仮段差部8b、8cを形成することができる。従って、この発明においては、仮段差部を形成した後、段差部形成工程においてその仮段差部をさらに絞り加工することで、最終的に設けられる段差部8を小さな押圧力で確実にかつ良好に形成することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、キャップ材に予め仮段差部を形成しておき、そのキャップ材を口金部に被せたとき、キャップ材に段差部を形成するように構成したので、段差部を形成する際に、ボトル缶の口金部のカール部やねじ部に大きな力が加わることがなく、キャップの変形や傷の発生が防止され、より深い段差部を良好に形成することができ、カール部の外周壁とライナーと間の接触面積が確実に増大する結果、ボトル缶の内圧が上昇しても、キャップシール材の密封性を良好に保つことができる効果が得られる。
【0039】
請求項2に係る発明によれば、仮段差部の缶底方向への絞り深さ寸法、径方向への絞り寸法の少なくともいずれか一方の寸法が、段差部の対応する方向の寸法より小として形成されるので、この仮段差部をさらに絞ることによって段差部が形成され、確実に小さな押圧力で段差部を良好に形成できる効果が得られる。
【0040】
請求項3に係る発明によれば、キャップ材をボトル缶の口金部に被せ、仮段差部をさらに絞ることによって段差部を形成することができるので、ボトル缶に被着して高い密封性能が得られる。
【0041】
請求項4及び請求項5に係る発明によれば、段差部の缶底方向への絞り深さ寸法が大きく、口金部の密閉が確実になされるので、密封性について高い信頼性が得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係るキャッピング方法を示す要部の図であって、(a)はキャップ材に予め設けられる仮段差部の形成状態を示す説明図、(b)はキャッピング時に仮段差部に続いて最終的な段差部の形成状態を示す説明図である。
【図2】ボトル缶の口金部にキャップ材を被着した状態の説明図である。
【図3】この発明の第2の実施の形態に係るキャッピング方法を示す要部の図であって、(a)はキャップ材に予め設けられる仮段差部の形成状態を示す説明図、(b)はキャッピング時の段差部の形成状態を示す説明図である。
【図4】この発明の第3の実施の形態に係るキャッピング方法を示す要部の図であって、(a)はキャップ材に予め設けられる仮段差部の形成状態を示す説明図、(b)はキャッピングの段差部の形成状態を示す説明図である。
【図5】(a)〜(d)ボトル缶の口金部に設けられたカール部を示す説明図である。
【図6】ボトル缶の口金部にキャップ材が被着された状態を示す説明図である。
【図7】キャップ材を示す半断面図である。
【図8】ボトル缶の口金部にキャッピング装置によってキャップ材を被着するときの説明図である。
【図9】同じくキャッピング装置がキャップ材を被着するときの図であって、(a)キャップ材をボトル缶に押さえ付けた状態を示す説明図、(b)はキャップ材に段差部及び雌ねじを形成する説明図である。
【図10】ボトル缶の内圧上昇によってキャップ材の天面が膨らんだときの状態を示す従来の説明図である。
【符号の説明】
1 ボトル缶
2 口金部
5 カール部
6 キャップ材
61 天面部
67 シール材(ライナー)
8 段差部
8a〜8c 仮段差部

Claims (5)

  1. 口金部にねじが形成されたボトル缶に内容物を充填した後、前記口金部に有底円筒状、かつその内部にシール材が配置されたキャップ材を被せ、該キャップ材を前記ボトル缶の缶底方向に押圧しながら、該キャップ材の肩部に絞り加工により段差部を形成して前記シール材を前記口金部に密着させるとともに、該キャップ材の周囲に前記口金部のねじ部に対応するねじ部を形成するボトル缶のキャッピング方法において、
    前記キャップ材を前記口金部に被せる前に、予め該キャップ材の肩部に仮段差部を形成しておき、該キャップ材を被せた後に、該仮段差部を更に絞って前記段差部を形成することを特徴とするボトル缶のキャッピング方法。
  2. 請求項1記載のボトル缶のキャッピング方法において、
    前記仮段差部を、前記缶底方向への絞り深さ寸法と前記キャップ材の径方向への絞り寸法とを、前記段差部の対応する方向の寸法より小として形成することを特徴とするボトル缶のキャッピング方法。
  3. 有底円筒状に形成され、その円筒状部の少なくとも一部がねじ形成予定部とされ、かつその内部にシール材が配置されたボトル缶口金被着用のキャップ材であって、
    その肩部に仮段差部が形成されていることを特徴とするキャップ材。
  4. 請求項3記載のキャップ材を口金部に被着し、前記仮段差部を絞って段差部としたキャップ付きボトル缶であって、
    該段差部の缶底方向への絞り深さ寸法が、2.3〜3.5mmとされていることを特徴とするキャップ付きボトル缶。
  5. キャップの肩部に段差部が形成されたキャップ付きボトル缶であって、
    前記段差部の缶底方向への絞り深さ寸法が、2.3〜3.5mmとされていることを特徴とするキャップ付きボトル缶。
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