JP2004202512A - ダイカスト成形用加圧ピン - Google Patents

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芳郎 栢原
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Abstract

【課題】ダイカスト成形用加圧ピンを提供する。
【解決手段】表面に厚さ50〜100μmのラジカル窒化処理層3を設けたことを特徴とするダイカスト成形用加圧ピン1。好ましくは、さらに、ラジカル窒化処理層3上にPVD層4が設けられ、そして特にPVD層4は、アルミニウム合金に対する付着性の低いAlTiNまたはCrNよりなる。ダイカスト成形用加圧ピン1は、耐熱性、耐磨耗性等に優れ、寿命の長いものとなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、優れた機械的特性を有し、寿命の長いダイカスト成形用加圧ピンに関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイカスト成形により製品を製造する場合、該製品にボルト孔等の孔部を設けるために、鋳造時に製品を直接鋳抜く加圧ピンが用いられている。また、該加圧ピンは、製品の軽量化および鋳造欠陥の防止対策としても使用されている。この加圧ピンに対して要求される特性は、鋳造時の高温下における耐熱性、耐磨耗性等である。そして従来は主に、HRC43〜50の硬度を有する熱間ダイス鋼、例えばSKD61からなる加圧ピンが使用されている。
【0003】
ところで、特にアルミニウム合金のダイカスト成形の場合、溶融したアルミニウム合金が加圧ピンに付着し、加圧ピンと加圧ピンブッシュとの間の摺動抵抗の増大が生じる。この摺動抵抗の増大は加圧ピンの表面に亀裂を生じさせ、該亀裂によりさらに摺動抵抗が増大して最終的に加圧ピンの作動不良およびピン折れを導く。これらを避けるには、加圧ピンの定期交換間隔は短く設定されており、またその短い定期交換間隔でも交換前にこれらの問題が発生する惧れもあった。
【0004】
上記の問題に対処し、寿命の延長を試みたダイカスト成形用加圧ピンの一例として、少なくとも溶湯に直接に接する部分の材質としてチタンまたはチタン合金のチタン材を用い、さらに該チタン材からなる部分の表面に窒化処理を行って表面硬化層を形成したものが知られている。該加圧ピンでは、溶湯との接触部の材質をチタン材とし、さらに窒化炉を用いて接触部の表面にビッカース硬度2000以上で厚さ5〜6μの表面硬化層を設けることにより、加圧ピンの耐熱性および機械的強度を改良したものである(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】特開平2−34266号公報(第2〜4頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、耐熱性、耐磨耗性等の加圧ピンに要求される機械的特性に優れた加圧ピンを簡単な構成により提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に係るダイカスト成形用加圧ピンは、表面に厚さ50〜100μmのラジカル窒化処理層を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、ラジカル窒化により表面からの厚さが50〜100μmの硬化したラジカル窒化処理層を形成することにより、加圧ピン表面での亀裂の発生を抑制することができる。
【0008】
本発明の請求項2に係るダイカスト成形用加圧ピンは、請求項1記載の加圧ピンにおいて、さらに、前記ラジカル窒化処理層上にPVD層を設けたことを特徴とする。
本発明では、前記ラジカル窒化処理層の上にPVD層を形成することにより、加圧ピンの表面をなお一層硬化させて、亀裂の発生を抑制することができる。
【0009】
本発明の請求項3に係るダイカスト成形用加圧ピンは、請求項2記載の加圧ピンにおいて、前記PVD層は、AlTiNまたはCrNよりなることを特徴とする。
本発明では、アルミニウム合金に対する付着性の低いAlTiNまたはCrNからなるPVD層を物理蒸着によって形成することにより、加圧ピンに対するアルミニウム合金の付着を防止してその寿命を延長することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図1は本発明のダイカスト成形用加圧ピンの全体を図示する断面図であり、そして図2は本発明のダイカスト成形用加圧ピンの表面構造を図示する断面図である。
【0011】
ダイカスト成形用加圧ピン1は、金型5に備えられた加圧ピンブッシュ6を通して加圧シリンダー7により押され、アルミ製品8を鋳抜くものである。そして図1および図2に図示する態様のダイカスト成形用加圧ピン1は、加圧ピン本体2の表面に、ラジカル窒化処理層3と、ラジカル窒化処理層3の上に形成されたPVD層4とを有してなる。
【0012】
加圧ピン本体2は、それ自体が耐熱性および硬度に優れた材料より形成される。そのような材料の一例として、SKD61のような熱間ダイス鋼が挙げられる。SKD61は合金工具鋼として優れたものであるが、例えばアルミニウム合金のダイカスト成形用加圧ピンを構成する場合には、なお上記したような問題を有する。
【0013】
本発明の特徴の一つは、加圧ピン本体2の表面に、ラジカル窒化により厚さ50〜100μmのラジカル窒化処理層3を設けることにある。ラジカル窒化とは、処理部材を脱脂・洗浄し、真空チャンバー中の直流電極上に置き、該真空チャンバー中を真空にした後に水素とアンモニアの混合ガスからなる反応ガスを該真空チャンバー中に導入し、処理部材の表面にプラズマを発生させて窒化する方法である。ラジカル窒化は、反応性の高いプラズマを生成することができるため、得られたラジカル窒化処理層3は、硬度低下や歪みが生じない、表面に化合物層が形成しない、表面粗度が良好である等の優れた特性を有する。特に、他のイオン窒化等の窒化方法で50〜100μmの厚さの窒化層を形成する場合、硬くて脆い化合物層の生成が避けられず、加圧ピンにおいては作動中にこの化合物層が剥離し、剥離した場所に応力が集中し、その結果、加圧ピンの破壊が生じていた。しかしながら、本発明のラジカル窒化処理層3には、上述したように化合物層が存在しないため、このような問題は生じない。
【0014】
本発明の好ましい態様では、ラジカル窒化処理層3の上にさらにPVD層4が形成される。ラジカル窒化は表面粗度が良好なラジカル窒化処理層3を与えるため、ラジカル窒化処理層3の表面に直接、高真空中でチタン等の金属を物理的な方法で蒸発させプラズマ中でイオン化し窒素ガス等と反応させる、いわゆる物理的蒸着(PVD:Physical Vapor Deposition)を行うことができる。例えばPVD層4は、TiN、TiCN、TiAlN、CrN等の材料からなり、その硬度は材料により異なるが1800〜3000Hvの範囲内である。また、PVD層4の厚さは一般に2〜10μmである。
【0015】
本発明の好ましい態様では、PVD層4の材料として、アルミニウム合金に対する付着性の低いTiAlNまたはCrNが用いられる。アルミニウム合金のダイカスト成形においては、加圧ピンの寿命を短くする要因として、溶融したアルミニウム合金の加圧ピンへの付着、そして該付着により導かれる加圧ピンと加圧ピンブッシュとの間の摺動摩擦の増大がある。けれども、アルミニウム合金が付着し難い材料からなるPVD層4を加圧ピン本体2の表面に形成することにより、加圧ピン本体2の表面へのアルミニウム合金の付着を防止し、ダイカスト成形用加圧ピン1の寿命をさらに延長することができる。
【0016】
本発明のダイカスト成形用加圧ピン1は、加圧ピン本体2の表面にラジカル窒化処理層3および所望によりPVD層4を有するが、ラジカル窒化処理層3およびPVD層4は加圧ピン本体2の全表面にわたり形成する必要は無く、少なくともダイカスト成形の際にアルミ製品8と接触する部分にのみ形成すれば良い。
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、ダイカスト成形用加圧ピンの表面に50〜100μmの厚さを有するラジカル窒化処理層を設けたことにより、耐熱性、耐磨耗性等に優れ、寿命の長い加圧ピンを提供することができる。また、ラジカル窒化処理層上にPVD層を設けることにより、さらにダイカスト成形用加圧ピン表面の硬度を上昇させることができ、該PVD層の材料をAlTiNまたはCrNとすることにより、ダイカスト成形用加圧ピンへノアルミニウムの付着を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のダイカスト成形用加圧ピンの全体を図示する断面図である。
【図2】図2は本発明のダイカスト成形用加圧ピンの表面構造を図示する断面図である。
【符号の説明】
1 ダイカスト成形用加圧ピン
2 加圧ピン本体
3 ラジカル窒化処理層
4 PVD層

Claims (3)

  1. 表面に厚さ50〜100μmのラジカル窒化処理層を設けたことを特徴とするダイカスト成形用加圧ピン。
  2. さらに、前記ラジカル窒化処理層上にPVD層を設けたことを特徴とする、請求項1記載のダイカスト成形用加圧ピン。
  3. 前記PVD層は、AlTiNまたはCrNよりなることを特徴とする、請求項2記載のダイカスト成形用加圧ピン。
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