JP2004201682A - リガンド結合阻害物質の生物活性を評価する方法 - Google Patents

リガンド結合阻害物質の生物活性を評価する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高感度かつ高精度なリガンド結合阻害物質の評価方法を提供すること。
【解決手段】 細胞膜上に発現しているリガンド結合タンパク質とリガンド−酵素融合タンパク質の結合量を指標として、リガンド結合阻害物質の生物活性を定量的に評価する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、リガンド結合阻害物質の生物活性を評価する方法に関する。より詳しくは、細胞膜上に発現しているリガンド結合タンパク質とリガンドとの結合量を指標として、リガンド結合阻害物質の生物活性を評価する方法に関する。
医薬品の開発において、原薬およびその製剤の処方設計や品質設計および品質管理に用いる生物活性測定法を構築することは重要な課題である。生物活性測定法は、簡便かつ精度・再現性が高いものであり、医薬品の作用機序を説明可能である方法が望ましい(例え
ば、非特許文献1参照)。リガンドとリガンド結合タンパク質との結合活性は、これまで
ラジオアイソトープ(RI)を用いたラジオイムノアッセイや、化学発光を用いた酵素標識固相免疫測定法(ELISA)等を利用して測定されてきた。
リガンドと受容体の結合活性測定の場合、ネイティブな状態の受容体を介したリガンドの結合活性を評価するためには、細胞を用いた評価系が望ましい。こうした細胞を用いた評価系では、通常RIを利用した測定方法が用いられている。例えば、SPA法を利用したCytostarTM-T(アマシャム ファルマシア製)は、RI標識リガンドと底面にシンチレーターを含む特殊な96穴プレートを用いて、リガンドと細胞膜受容体との結合量を測定する。この方法では、まずプレート上で付着培養した細胞に、RI標識リガンドを反応させる。細胞膜受容体にRI標識リガンドが結合して細胞内に取り込まれると、プレート底面のシンチレーターが励起され、その発光量からリガンド結合量が測定される(例えば、非特許文献2参照)。しかし、この方法はRI使用量の上限があり、専用の施設・設備や専用の装置が必要な上、放射性汚染物質の処理等、安全性の問題がある。
一方、酵素標識抗体を介した化学発光法は、RIを用いることなく、リガンドとリガンド結合タンパク質の結合活性を評価できる。例えば、特許文献1にはALP標識した測定対象
物に対する抗原又は抗体を試料中の測定対象物と抗原−抗体反応させ;測定対象物と結合した又は結合しなかったホスホモノエステラーゼを化学発光により定量し測定対象物を定量する方法が記載されている(特許文献1参照)。しかし、この方法は生細胞を用いた評価系を考慮していないため、必ずしもネイティブな状態での、細胞膜上に発現しているリガンド結合タンパク質とリガンドの相互作用を反映した測定法とはいえない。
ところで、副甲状腺ホルモン関連ペプチド(Parathyroid Hormone related Peptide、
以下「PTHrP」という。)は、破骨細胞の骨吸収や腎尿細管でのカルシウム再吸収を促進
して、腫瘍性の高カルシウム血症や低リン血症等の臨床症状を惹起するペプチドである。PTHrPの作用は、主に骨と腎に存在するPTH/PTHrP受容体にPTHrPが結合し、複数の細胞内
シグナル伝達系を活性化することによって発揮されることが知られている。したがって、PTHrPの作用を阻害する抗PTHrP抗体については、医薬としての期待が高い。
従来、抗PTHrP抗体の生物活性は、PTHrPの受容体結合による細胞内cAMP産生亢進を指標として評価されてきた(例えば、非特許文献3参照)。この方法は細胞内の反応を検出するものであり、受容体結合活性を十分反映するものであるが、より簡便な測定方法が望ましい。
特開平7−53525号公報 Mire-Sluis A.R., "Progress in the use of biological assay during the development of biotechnology products" Pharmaceutical Research 2001, 18(9):p1239-1246 Mark Harvey et al., "The Use of Cytostar-TTM Scintillating Microtitre Plates for Monitoring Receptor Binding Using Live Cells." 2ndInternational Conference on Microplate Technologies, Virginia, USA (1997) において発表されたポスター Sato K., et al., "Passive immunization with anti-parathyroid hormone-related protein monoclonal antibody markedly prolongs survival time of hypercalcemic nude mice bearing transplanted human PTHrP-producing tumors."J. Bone Miner. Res. 1993; 8(7):p849-860
本発明の課題は、リガンドと細胞膜上に発現しているネイティブなリガンド結合タンパク質との結合活性を、RIを用いることなく高感度かつ高精度に定量し、これによりリガンド結合阻害物質のより正確な評価方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、リガンド結合タンパク質を高発現している細胞にリガンド−酵素融合タンパク質を結合させることにより、リガンド結合量を定量する方法を完成させた。そして、この方法を利用すれば、ネイティブな状態のリガンド結合タンパク質を介したリガンド結合阻害物質の生物活性を、高感度かつ高精度で評価できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、細胞膜上に発現しているリガンド結合タンパク質とリガンド−酵素融合タンパク質の結合量を指標として、リガンド結合阻害物質の生物活性を定量的に評価する方法に関する。
前記方法において、リガンド結合タンパク質とリガンド−酵素融合タンパク質の結合量は、例えば、リガンド−酵素融合タンパク質中の酵素を介した化学発光を利用して求めることができる。
前記方法において、細胞膜上に発現しているリガンド結合タンパク質としては、リガンド結合タンパク質発現細胞を用いることが好ましい。
例えば、本発明の方法は以下の工程を順次行うことにより実施できる。
1)固相化したリガンド結合タンパク質発現細胞に、被験物質の存在下でリガンド−酵素融合タンパク質を反応させる;
2)遊離のリガンド−酵素融合タンパク質を除去後、酵素基質を加えて発光量を測定する;
3)測定された発光量に基づいて上記被験物質のリガンド結合阻害物質としての生物活性を定量的に評価する。
ある実施態様において、リガンド結合タンパク質はリガンド受容体である。また、リガンド結合阻害物質は、リガンドの抗体、またはリガンド受容体に対するアゴニストもしくはアンタゴニストである。
本発明の方法において、リガンド結合タンパク質発現細胞としては、リガンド結合タンパク質を強制高発現させた組換え細胞を好適に用いることができる。
さらに、リガンドに結合させる酵素としては、ヒト胎盤性アルカリフォスファターゼを
用いることが好ましい。
本発明の1つの実施態様として、リガンドがPTHrPであり、リガンド結合タンパク質がPTH/PTHrP受容体であり、リガンド結合阻害物質が抗PTHrP抗体である方法を挙げることが
できる。
本発明はまた、本発明の方法に用いられる、リガンド結合阻害物質の生物活性を定量的に評価するためのキットを提供する。該キットは、少なくとも以下の1)〜3)を含む。1)固相化したリガンド結合タンパク質発現細胞
2)リガンド−酵素融合タンパク質
3)リガンド結合阻害物質
本発明のキットは、上記の必須構成要素のほかに、リガンド結合阻害物質の生物活性評価に必要な他の試薬等を含んでいても良い。
前記キットの好適な態様として、以下の1)〜3)を含むキットを挙げることができる。
1)固相化PTH/PTHrP受容体発現細胞
2)PTHrP−ヒト胎盤性アルカリフォスファターゼ融合タンパク質
3)抗PTHrP抗体である
該キットを用いれば、PTHrP結合阻害物質の生物活性を定量的に評価することができる
本発明によれば、リガンドと細胞膜上に発現しているネイティブなリガンド結合タンパク質との結合活性を、RIを用いることなく高感度かつ高精度に定量することができる。これによりリガンド結合阻害物質の生物活性をより正確に評価することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
1.リガンド結合阻害物質生物活性の定量的評価方法
本発明の方法は、細胞膜上に発現しているリガンド結合タンパク質とリガンド−酵素融合タンパク質の結合量を指標として、リガンド結合阻害物質の生物活性を定量的に評価する方法である。
1.1 用語の説明
(1) リガンド
本発明で用いられる「リガンド」は特に限定されず、例えば、ペプチドホルモン、増殖因子、およびサイトカイン等の生理活性ペプチド、フィブロネクチン、コラーゲン、ラミニン、カドヘリン、およびNCAM等の細胞接着分子、抗原、あるいは抗体等を挙げることができる。
(2) リガンド−酵素融合タンパク質
本発明において、前記リガンドは酵素タンパク質に結合された、「リガンド−酵素融合タンパク質」として用いられる。リガンドに結合される酵素は、リガンドの検出を可能にするものであれば特に限定されず、例えば、ペルオキシダーゼ、β-D-ガラクトシダーゼ
、グルコースオキシダーゼ、チロシナーゼ、酸性ホスファターゼ、アルカリフォスファターゼ等を挙げることができる。特に、細胞を用いた本発明の方法においては、細胞内酵素の影響を受け難いという点で胎盤性アルカリフォスファターゼを用いることが好ましい。これは細胞内には、内在性のアルカリフォスファターゼやペルオキシダーゼが存在しており、これら内在性酵素の影響を受けることなく定量を行うためには、ヒト胎盤性アルカリフォスファターゼが最適だからである。
前記リガンド−酵素融合タンパク質は、周知の遺伝子組換え技術を用いて容易に作製することができる。例えば、まずリガンドペプチドをコードする遺伝子と酵素タンパク質をコードする遺伝子をそれぞれクローニングする。クローニングされた各遺伝子は制限酵素で消化し、その断片を連結して、適当なベクターに組み込む。用いるベクターは導入する細胞内で、リガンド−酵素融合タンパク質を発現しうるものであれば特に限定されない。なお、融合タンパク質はリガンドペプチドのすべての領域を含む必要はなく、リガンドペプチドのうちリガンド結合タンパク質との結合に必要な特定領域を含んでいればよい。
次に、前記発現ベクターを用いてCHO細胞等の適当な細胞を形質転換する。得られた組
換え細胞は、継代と選抜を繰り返し、融合タンパクを安定的に発現可能な細胞を選択する。
こうして融合タンパク質産生組換え細胞が取得されれば、後は当該細胞を適当な条件下で培養し、その培養上清から目的とする融合タンパク質を精製・取得することができる。なお融合タンパク質の精製は、アフィニティーカラム、ゲル濾過等、公知の手段を用いて行えばよい。
(3) 細胞膜上に発現しているリガンド結合タンパク質
本発明において、「細胞膜上に発現しているリガンド結合タンパク質」としては、前述のリガンド、すなわちペプチドホルモン、増殖因子、またはサイトカイン等の生理活性ペプチドが結合する細胞膜受容体、フィブロネクチン、コラーゲン、ラミニン、カドヘリン、およびNCAM等の細胞接着分子が結合する他の細胞膜上接着分子、あるいは抗原または抗体等を挙げることができる。
(4) リガンド結合タンパク質発現細胞
本発明において、細胞膜上に発現しているリガンド結合タンパク質としては、該リガンド結合タンパク質を発現している細胞を用いる。該細胞は、該リガンド結合タンパク質をその細胞膜上に高発現していることが好ましい。そのような細胞としては、該リガンド結合タンパク質をコードする遺伝子を適当な細胞に導入し、強制的に高発現させた組換え細胞を好適に用いることができる。
(5) リガンド結合阻害物質
本発明において「リガンド結合阻害物質」とは、リガンドとリガンド結合タンパク質との結合を阻害しうる物質であって、例えば、リガンドと受容体の結合を阻害する各種抗体、アゴニスト、またはアンタゴニスト等を挙げることができる。
1.2 実施工程
本発明の方法は、具体的には、以下の工程を順次行うことにより実施できる。
1)固相化したリガンド結合タンパク質発現細胞に、被験物質の存在下でリガンド−酵素融合タンパク質を反応させる;
2)遊離のリガンド−酵素融合タンパク質を除去後、酵素基質を加えて発光量を測定する;
3)測定された発光量に基づいて上記被験物質のリガンド結合阻害物質としての生物活性を定量的に評価する。
(1) リガンド結合タンパク質発現細胞の固相化
リガンド結合タンパク質発現細胞は、遊離のリガンド−酵素融合タンパク質の分離(B/F分離)を容易にするため、適当な固相に固定化することが好ましい。用いられる固相は特に限定されず、例えば、96穴プレート、マイクロビーズ等を挙げることができる。
(2) B/F分離
次に、固相化された細胞を被験物質の存在下でリガンド−酵素融合タンパク質と反応させ、遊離のリガンド−酵素融合タンパク質を除去する。リガンドとリガンド結合タンパク質との結合は、通常pHの影響を受けるため、反応は結合に適したpHを維持できる適当なバッファー中で行う。バッファーの種類は、用いるリガンドとリガンド結合タンパク質の結合特性によって、前述した適切なpH域に緩衝作用を有するバッファーから適宜選択される。
また、反応時間はリガンドとリガンド結合タンパク質が十分結合しうる時間を設定する。なお、反応時間は反応温度の影響を受けるため、用いるリガンドとリガンド結合タンパク質の結合特性に合わせて、適当な反応温度と反応時間を適宜設定する。
(3) 化学発光量の測定
遊離のリガンド−酵素融合タンパク質を除去後、反応系に酵素基質を加えて酵素を介した化学発光量を測定する。
酵素基質は、用いる酵素に適したものを選択すればよい。例えば、ペルオキシダーゼであれば、3-(4-Hydroxyphenyl)propoinic acid、4-Hydroxyphenylacetic acid、 1,2-Phenylenedediamine、または3,3′,5,5′-Tetramethylbenzidine等の水素供与体、あるいはルミノール等の発光性基質を用いることができる。β-D-ガラクトシダーゼであれば、4-methylumbelliferyl-β-D-garactoside、2-nitrophenyl-β-D-garactoside、または2-nitrophenyl-β-D-garactoside を用いる。アルカリフォスファターゼであれば、4-methylumbelliferylphosphate、NADP、4-nitrophenylphosphate、またはAMPPD等を用いることができる。
上記のような酵素基質は当該技術分野で周知であり、市販のものを容易に入手することができる。また該基質と酵素の反応による化学発光量の測定も、周知の方法に基づいて容易に実施できる。こうして測定された化学発光量は、細胞膜上に発現しているリガンド結合タンパク質に結合しているリガンドの結合量を反映する。
(4)生物活性の定量的評価
被験物質のリガンド結合阻害物質の生物活性は、該被験物質の存在下における細胞膜上のリガンド結合タンパク質へのリガンド(リガンド−酵素融合タンパク質)結合量に基づいて評価する。好ましくは、被験物質の添加濃度を様々に変化させ、該濃度とリガンド結合量の関係から、該被験物質のリガンド結合阻害物質としての生物活性を評価する。
2.抗PTHrP抗体の生物活性を評価する方法
以下、本発明の好適な態様として、ヒトPTHrP−ヒト胎盤性アルカリフォスファターゼ
(secreted human placental alkaline phosphatase、以下SEAPという)融合タンパク質
と、PTH/PTHrP受容体高発現細胞との結合量(活性)を指標とした、抗PTHrP抗体の生物活性測定方法について説明する。なお抗PTHrP抗体は、例えば、WO98/13388に記載の方法に
従って製造することができる。。
2.1 リガンド−酵素融合タンパク質の作製
PTHrP−SEAP融合タンパク質(リガンド−酵素融合タンパク質)は、例えば、以下のよ
うにして作製される。
まず、公知の方法に従い、PTHrPをコードする遺伝子をクローニグする。同様にSEAPを
コードする遺伝子をクローニングする。クローニングしたPTHrP遺伝子とSEAP遺伝子は、
適当な制限酵素、例えばEcoRI/NotI等で切断して連結し、適当な発現ベクターに組み込み、PTHrP-SEAP融合タンパク質発現ベクターを作製する。ここで、PTHrP遺伝子断片は、PTHrP(1-34):PTHrPペプチドのうち、1位から34位までのアミノ酸配列を含む断片をコードする遺伝子断片が好ましい。これはPTHrPの受容体結合部位と酵素間の長さがあまり長いと、PTHrP部位が切断を受けやすいことから、見かけ上受容体との結合活性が低下するからである。
次に、適当な細胞、例えばCHO細胞を前記発現ベクターで形質転換する。得られた組換
え細胞は、継代と選抜を繰り返し、PTHrP−SEAP融合タンパクを安定的に発現可能な細胞
を選択する。
こうしてPTHrP−SEAP融合タンパク産生組換え細胞が取得されれば、後は当該細胞を培
養し、その培養上清からPTHrP−SEAP融合タンパクを精製・取得することができる。なおPTHrP−SEAP融合タンパクの精製は、アフィニティーカラム等を用いて行えばよい。
2.2 リガンド結合タンパク質高発現細胞
PTH/PTHrP受容体高発現細胞は、PTH/PTHrP受容体をコードする遺伝子を、前項と同様の方法で、適当な培養細胞に導入することにより作製できる。必要であれば、活性の高いプロモーターの支配下に該遺伝子を組み込んで、細胞に導入する。得られた細胞は、選抜と継代を繰り返して、PTH/PTHrP受容体高発現細胞株として樹立することができる。
このような細胞としては、例えば、HkRk-B7細胞やHkRk-B28細胞(共に、human PTH receptor transfected LLC-PK1 cell:Massachusetts General Hospitalより導入、Takasu K, Guo J, and Bringhurst FR. J Bone Miner Res 1999;14(1):11-20参照)を挙げることができる。
2.3 リガンド結合阻害物質の生物活性の評価方法
抗PTHrP抗体(リガンド結合阻害物質)の生物活性は、前述のHkRk-B7細胞またはHkRk-B28細胞、PTHrP‐SEAP融合タンパク質を用いた、PTH/PTHrP受容体結合アッセイによって評価できる。
PTH/PTHrP受容体高発現細胞としては、前述のHkRk-B7細胞とHkRk-B28細胞では、HkRk-B7細胞のほうがHkRk-B28細胞よりもPTH/PTHrP受容体発現量が高く、PTHrP‐SEAP結合量も
多いので、本発明のアッセイにより好適である。
前記PTH/PTHrP受容体高発現細胞(HkRk-B7細胞またはHkRk-B28細胞)は、96穴プレートに播種し10%FCS-DMEM培地で培養後、培地を結合反応用バッファー(Binding Buffer)変える。用いるバッファーとしては、50mM Tris-HCl(pH7.7), 100mM NaCl, 2mM CaCl2, 5mM
KCl, 5% horse serum, 0.5% FCSや1% BSA-HBSS等が好適である。また、細胞の播種数は、HkRk-B7細胞やHkRk-B28細胞であれば、5 x 104 cells/well程度が好ましい。
ここにPTHrP‐SEAP融合タンパク質と抗PTHrP抗体を加えて結合反応を行うが、PTHrP‐SEAP融合タンパク質の添加量は受容体に対して過飽和にならないように設定する必要がある。受容体との十分な検出を考慮した、PTHrP‐SEAP融合タンパク質の好適な添加量は1.25〜10nM、特に5nM前後である。
PTH/PTHrP受容体高発現細胞とPTHrP‐SEAP融合タンパク質および抗PTHrP抗体との反応
時間は、16℃〜室温で30〜60分程度必要である。受容体への十分な結合のためには、反応時間は室温で30分以上、16℃で60分以上あるとよい。
結合反応終了後、遊離のPTHrP‐SEAP融合タンパク質を除去し、発光性酵素基質を含む
バッファーを加え、生じる発光を測定する。測定は抗PTHrP抗体によるPTHrPの受容体結合阻害活性を定量可能な範囲で行う必要がある。そのような範囲は、予め抗PTHrP抗体の濃
度を変えてPTHrP結合量の測定を行い、その変化から設定することができる。
3.リガンド結合阻害物質の評価用キット
本発明はまた、本発明の方法に用いられる、リガンド結合阻害物質の生物活性を定量的に評価するためのキットを提供する。該キットは、少なくとも以下の1)〜3)を含む。1)固相化したリガンド結合タンパク質発現細胞
2)リガンド−酵素融合タンパク質
3)リガンド結合阻害物質
本発明のキットの必須構成要素である、固相化したリガンド結合タンパク質発現細胞、リガンド−酵素融合タンパク質、リガンド結合阻害物質については、1.1や1.2に説明したとおりである。
上記キットは、これら必須構成要素のほか、リガンド結合阻害物質の生物活性評価に必要とされる、他の試薬等を含んでいても良い。そのような試薬等としては、例えば、3-(4-Hydroxyphenyl)propoinic acid、4-Hydroxyphenylacetic acid、 1,2-Phenylenedediamine、は3,3′,5,5′-Tetramethylbenzidine、ルミノール、4-methylumbelliferyl-β-D-garactoside、2-nitrophenyl-β-D-garactoside、または2-nitrophenyl-β-D-garactoside、4-methylumbelliferylphosphate、NADP、4-nitrophenylphosphate、およびAMPPD等の酵素基質や、反応用緩衝液等が含まれる。
前記キットの好適な例として、PTHrP結合阻害物質の生物活性を評価するためのキット
を挙げることができる。該キットは少なくとも以下の1)〜3)を含む。
1)固相化PTH/PTHrP受容体発現細胞
2)PTHrP−ヒト胎盤性アルカリフォスファターゼ融合タンパク質
3)抗PTHrP抗体である
本発明のキットを用いれば、リガンド結合阻害物質の生物活性を、高感度かつ高精度で、定量的に評価することができる。
4. その他
本発明の方法では、リガンド結合タンパク質は細胞膜上に発現されたネイティブな状態で、リガンドあるいはリガンド結合阻害物質と相互作用する。しかも、酵素を介した化学発光に基づく測定法は、RIに匹敵する感度を有し、優れた再現性を示す。したがって、本発明の方法を利用すれば、生理的条件に近い状態で、リガンド受容体に対するアゴニストまたはアンタゴニストの正確なスクリーニングが可能となる。
また、本発明の評価方法を利用することにより、受容体の発現クローニングを行うこともできる。さらに、受容体に作用する低分子化合物、その他のリガンドのスクリーニング、細胞膜表面の接着分子間の相互作用とこれに作用する各種化合物の生物活性の評価・スクリーニングも可能である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
[実施例1] PTHrP-SEAPの調製および物性確認
1. PTHrP(1-34)、およびPTHrP(1-141)遺伝子のクローニング
ヒト PTHrP(1-34)、およびヒト PTHrP(1-141)のDNA配列は、ヒト肺大細胞癌株LC-6(LC-6-JCK cell:(財)実験動物中央研究所より購入)より調製した。まず、LC-6細胞からtotal RNAをISOGEN(ニッポンジーン製)により抽出し、このRNAを鋳型として、以下のPTHrP(1-34)またはPTHrP(1-141)のreverse primerを用いてcDNAを合成した。得られたcDNAを鋳型を鋳型に、さらに前記プライマーとPTHrP forward primerを用いてPCRを行い、目的の遺伝子配列を増幅した。なお、クローニングのため、forward primerにはEcoRI siteを、reverse primerにはXbaI siteをそれぞれ5’側に連結させた。
プライマー(Amersham Pharmacia製):
PTHrP forward: 5'-CCGGAATTCCACCATGCAGCGGAGACTGGTTCAGC-3'(配列番号1)
PTHrP(1-34) reverse: 5'-CGCTCTAGAAGCTGTGTGGATTTCTGCGATC-3'(配列番号2)
PTHrP(1-141) reverse: 5'-CGCTCTAGAATGCCTCCGTGAATCGAGCTC-3'(配列番号3)
次に、得られたPCR産物をEcoRI/XbaIにより切断し、クローニングベクターpBluescriptII SK(+) (pBS)のEcoRI/XbaI siteに挿入した。得られたベクターpBS-PTHrP(1-34)およびpBS-PTHrP(1-141)について、DNAシークエンサーを用いて挿入DNA配列を確認した。
2. SEAP遺伝子のクローニング
SEAP(secreted human placental alkaline phosphatase)のDNA配列は、pSEAP (Applied
Biosystems製)より調製した。SEAPのN末端側にはPTHrPとのlinker (5 amino acids)を、C末端側には(His)6tagを導入するため、SEAP forward primerには5’側から、EcoRI site、XbaI site、5-amino acid linkerを、reverse primerには5’側からNotI site、(His)6 tagをadaptorとして連結させた。これらのプライマーを用いてpSEAPを鋳型としてPCRを行い、その産物をEcoRI/NotI消化して、pBluescriptII SK(+)のEcoRI/NotI siteに挿入した。得られたベクターpBS-SEAPは、DNAシークエンサーを用いて挿入DNA配列を確認した。プライマー(Amersham Pharmacia製):
SEAP forward: 5'-CCGGAATTCGCTCTAGAAGCTCCGGAATCATCCCAGTTGAGGAGGAGAAC-3'(配列番号4)
SEAP reverse: 5'-CGCGCGGCCGCTCAGTGATGGTGATGGTGATGACCCGGGTGCGCGGCGTCGGT-3'(配列
番号5)
3. pCHOI-PTHrP(1-34)-SEAP、およびpCHOI-PTHrP(1-141)-SEAPの構築
pBS-PTHrP(1-34)およびpBS-PTHrP(1-141)をEcoRI/XbaIにより切断し、PTHrP(1-34) fragment、およびPTHrP(1-141) fragmentを調製した。また、pBS-SEAPをXbaI/NotIで切断し、SEAP fragmentを調製した。PTHrP fragment、SEAP fragment、およびEcoRI/NotI切断したpCHOI(Toshihiko Ohtomo et al., BBRC 1999; p258-585 参照)を連結し、pCHOI -PTHrP(1-34)-SEAPおよびpCHOI-PTHrP(1-141)-SEAPを作製した(図1)。作製したベクターはDNAシークエンサーを用いて挿入DNA配列を確認した。
4. PTHrP-SEAPの安定発現細胞の作製
PTHrP-SEAP発現ベクターpCHOI-PTHrP(1-34)-SEAP、およびpCHOI-PTHrP(1-141)-SEAPを
制限酵素PvuIにて部分消化した。この部分消化した発現ベクター10 μgと1x107 cells/mL
CHO細胞0.8 mLをElectroporation用0.4cmキュベットに加え、Gene Pulser(BIO-RAD製)を用いて1.5 kV、25 μFの条件で電圧をかけた。
細胞は37℃-5% CO2下で培養し、融合タンパク質の発現量をSEAP活性を指標として比較
し、活性の高いクローンを選択した。
また、PTHrP-SEAPを発現させる条件(培地、添加物)を検討する目的で、PTHrP-SEAP発現CHO細胞をT25 flaskで2日間培養後、培地を無血清培地(CHO-S-SFM II)、またはprotease inhibitor添加無血清培地(0.1% protease inhibitor-CHO-S-SFM II:GIBCO製)に交換して2日間培養しそのSEAP活性を評価した。
5. PTHrP-SEAP融合タンパク質の精製
PTHrP(1-34)-SEAP、およびPTHrP(1-141)-SEAPをHis-tag affinity精製キット(TALON Metal Affinity Resins Purification Kit:CLONTECH製)を用いて精製した。試料中のSEAP活性はPhospha-Light System (Applied Biosystems製)を用いて測定した。また、Control EnzymeのSEAP濃度とluminescenceから検量線を作製し、これにより試料のSEAP含量を求めた。なお、試料中のPTHrP-SEAP濃度は以下の計算式より算出した。
PTHrP-SEAP(nmol/L)=alkaline phosphatase濃度(ng/mL)/57953* x 1000
*57953はヒト胎盤性アルカリフォスファターゼ前駆体(535 amino acid)の計算上の分子

結果を図2に示す。
6. PTHrP-SEAP融合タンパク質のPTHrP活性
PTHrP-SEAP融合タンパク質がPTHrPとしての機能を保持しているかについて、1) PTH/PTHrP受容体結合活性、2) cAMP 誘導活性を調べることにより検討した。
1) PTH/PTHrP 受容体結合活性
HkRk-B7細胞(Takasu K, Guo J, and Bringhurst FR. J Bone Miner Res 1999;14(1):11-20:Massachusetts General Hospitalより導入)は10% FCS-DMEM培地(GIBCO製)を用いて37℃-5% CO2下にて培養し、Trypsin-EDTAで剥離し、4x106 cells/mLになるよう調製した。この細胞懸濁液50 μLを1.5 mLチューブに加え、PTHrP(1-34)-SEAP、またはPTHrP(1-141)-SEAPを50 μLずつ添加した。これとは別に、PTHrP-SEAPにPTHrP(1-34) 1 μmol/L添加した試料を細胞懸濁液に添加した。
室温で30 min放置して、PTHrP sampleをHkRk-B7細胞膜上のPTH/PTHrP 受容体に結合さ
せた後、PBSで3回洗浄し、非結合型のPTHrP sampleを除去した。受容体に結合したPTHrP-SEAPはPhospha-Light System (Applied Biosystems製)を用いて検出した。細胞を1 x Dilution buffer 150 μLに懸濁し、65℃-30 min熱処理した後、氷上で冷却し、96well black plateに50 μL/wellずつ加えた。これにAssay Buffer50 μL/wellを添加して室温で5分間放置し、続いてCSPD Substrateを含むReaction Buffer50 μL/wellを加えて室温で20分放置した後、そのluminescenceをTopCount(Packard製)により測定した。
その結果、PTHrP(1-34)-SEAPはPTH/PTHrP受容体への結合が検出され、この結合はPTHrP(1-34)(1μmol/L)添加により1/10程度にまで阻害された。これに対して、PTHrP (1-141)-SEAPではPTH/PTHrP受容体への結合は検出されなかった(図3)。
2) cAMP 誘導活性
HkRk-B7細胞を10% FCS-DMEM培地を用いて2.5x105 cells/mLになるよう調製し、100 μL/wellずつ96well plateに加えて、37℃-5% CO2下で1日培養した後、PBSを100 μL/well添加して洗浄した。
抗PTHrP抗体 (Lot No. 99B01:WO98/13388)は10% FCS-DMEMで560 μg/mLに調製した。
PTHrP(1-34)-SEAP、PTHrP(1-141)-SEAP、またはPTHrP(1-34)は2 mmol/L IBMX-10% FCS-DMEMで調製した。抗PTHrP抗体とPTHrP sampleを等量ずつ混合し、これを前述のplateに50
μL/wellずつ添加した。
plateを室温で30 min放置後、2 x Lysis buffer50 μL/wellずつを添加してさらに室温で30 min放置し、HTRF Cyclic AMP kit(CIS bio international製)を用いてcAMP含量を測定した。
cAMP standardはkitに添付のcAMP maximum calibratorを1 x Lysis bufferで希釈して
調製した。384well black plateに1 x Lysis buffer (Negative control、Positive control)、試料、およびcAMP standardを10 μL/well で2回添加し、anti-cAMP Ab-cryptate conjugateを5 μL/well、cAMP-XL665 conjugateを5 μL/well添加した。ただし、Negative controlのみcAMP-XL665 conjugateの代わりに蒸留水を5 μL/well添加した。plateを室温で3 hr放置後、665 nm、および615 nmの蛍光強度をARVO HTS 1420 Multilabel Counter(ワラックベルトール・ジャパン製)により測定した。各試料は2回測定した平均値を蛍光強度の測定値とした。また、試料、およびcAMP standardの測定結果について、以下の計算式によりDF/DF max %を求めた。
Ratio = 665 nm / 615 nm x 10000
Delta R = (Sample Ratio − Negative Ratio)
Delta F % = Delta R / Negative Ratio x 100
DF/DF max % = Delta F % of Sample / Delta F % of Positive control x 100
こうして、cAMP standardのcAMP濃度とDF/DF max %から検量線を作成し、試料に含まれるcAMP量を求めた。
その結果、HkRk-B7細胞はPTHrP(1-34)添加によりcAMP産生量が増加した。His-tag精製PTHrP(1-34)-SEAP、およびPTHrP(1-141)-SEAPではcAMP産生が誘導されたが、PTHrP(1-34)
に比べて活性は低かった。また、PTHrP (1-34)、およびPTHrP-SEAPによるcAMP誘導活性は抗PTHrP抗体(Lot No. 99B01:WO98/13388)共存下で抑制された(図4)。
7. PTHrP-SEAPのSDS-PAGE
PTHrP-SEAP発現細胞の培養上清、およびHis-tag精製試料を還元SDS-PAGEにより分離し
た。試料、および分子量マーカーはLaemmli Sample Buffer(BIO RAD製)+ 5% 2-mercaptoethanolで調製し、95℃-5 min還元・変性させた。これを8% Tris-Glycine gelにapplyし、40 mA (const.) x 約1.5 hr泳動した。泳動終了後、ゲルをCBBにより染色し、タンパク質を検出した。
その結果、PTHrP-SEAP含有培養上清には多数のバンドが検出されたが、His-tag精製試
料では71 kD (PTHrP(1-34)-SEAP)、または78 kD (PTHrP(1-141)-SEAP)にmain bandが検出された。ただし、His-tag精製試料にはmain band以外に約30 kD、約180kD等のminor bandも検出された(図5)。
8. PTHrP-SEAPのN末端アミノ酸配列解析
CHO細胞で発現させたPTHrP-SEAPのN末端アミノ酸配列をアプロサイエンス株式会社に委託して解析した。その結果、PTHrP(1-34)-SEAPではN末端からAla-Val-Ser-Glu-Hisの配列を持つタンパク質とArg-Phe-Phe-Leu-Hisの配列を持つタンパク質の2種類のタンパク質が主に検出された。また、PTHrP(1-141)-SEAPではSer-Ala-Trp -Leu-Aspの配列を持つタン
パク質が主に検出された。
PTHrP-SEAPのアミノ酸配列から、PTHrP(1-34)-SEAPには目的とするタンパク質と、PTHrP(1-20)残基が欠落したPTHrP(21-34)-SEAPが含まれると推測された。また、PTHrP(1-141)-SEAPには、PTHrP(1-108)が欠落したPTHrP(109-141)-SEAPが主に含まれると推測された。
[実施例2] PTH/PTHrP 受容体結合アッセイとその条件検討
1.試験方法
実施例1で作製したPTHrP-SEAPと市販のSEAP検出用キット:Phospha-Light System(Applied Biosystems製)を用いたPTH/PTHrP 受容体結合アッセイの手順を以下に示す。なお、以下のアッセイでは、バッファー(Binding Buffer)として、50 mmol/L Tris-HCl (pH7.7), 100 mmol/L NaCl, 2 mmol/L CaCl2, 5 mmol/L KCl, 5% Horse serum, 0.5% FCSを用いた。
1)96穴プレートに10% FCS-DMEM(100 μL/well)を入れ、5x105 cells/mL cell で細胞
を播種し、37℃-5% CO2下で1日培養する。培地を捨て、バッファー(200 μL/well)で
洗浄後、PTHrP-SEAPおよび抗PTHrP抗体を含むsample溶液(50 μL/well)を加えて室温で30分反応させる。
2)バッファー(200 μL/well)で3回洗浄後、1 x Dilution buffer-0.02% Triton X-100(150 μL/well)で希釈し、65℃で30分おいてから氷冷し、96穴プレートに移す。
3)キット添付のAssay Buffer(50 mL/well)を加え、室温で5分反応させた後、CSPDとEmeraldを含むReaction Buffer(50 mL/well)を加え15〜20分反応させ、発光量を測定する。
2.条件検討
上記試験法を用いて抗PTHrP抗体の生物活性を定量するための最適条件を検討した。な
お、PTHrP-SEAPとしては実施例1で作製したPTHrP(1-34)-SEAPを用いた。
(1) PTH/PTHrP受容体発現細胞株
PTH/PTHrP 受容体発現細胞としてHkRk-B7細胞、HkRk-B28細胞(共に、human PTH receptor transfected LLC-PK1 cell (Takasu K, Guo J, and Bringhurst FR. J Bone Miner Res 1999;14(1):11-20):Massachusetts General Hospitalより導入)を、controlとしてLLC-PK1細胞(PTH/PTHrP 受容体 (-))を用いて検討した。その結果、PTHrP-SEAPのHkRk-B28への結合はHkRk-B7に対する結合の4割程度であった(図9)。これは各細胞のPTH/PTHrP 受容体発現量(HkRk-B7 ; 950 x 103/cell, HkRk-B28 ; 280 x 103/cell) に依存しているものと考えられた。PTH/PTHrP 受容体結合アッセイでは検出感度の観点から、PTH/PTHrP 受容体発現量が高く、PTHrP-SEAP結合量が多いHkRk-B7細胞を選択することが好ましいと思われた。
(2) 細胞播種数
細胞播種数を2.5 x 104 cells/wellとして96well plateに播種した場合、1日培養後confluentではなく、5 x 104 cells/wellで播種した場合、1日培養後ほぼconfluentであった。よって、播種数は1日培養後にconfluentとなる5 x 104 cells/wellとすることが適当と判断した。
(3) 反応時間・温度
まず、反応温度を4℃とし、2時間後のPTHrP-SEAPの受容体結合量を測定したところ、受容体特異的な結合は検出されなかった。そのため、反応条件を室温-30 minに変更したと
ころ、受容体特異的結合が検出された(図6)。また、反応条件を16℃-60 minに設定した
場合、室温-30 minと同様にPTH/PTHrP 受容体特異的結合が検出可能であった。以上の結
果から、PTHrP-SEAPによる受容体結合アッセイでは反応温度が重要であることが明らかとなった。また、PTHrP-SEAPの受容体特異的結合は16℃〜室温で検出可能であった。また、室温では30〜60 minで検出可能であった。そこで、反応条件は室温、30 minに設定することが適当と判断した。
(4) バッファー
PTH/PTHrP受容体とPTHrPとの結合反応を、培地である10% FCS-DMEM、Binding buffer、および1% BSA -HBSSで比較したところ、Binding buffer、および1% BSA -HBSSで結合量が約2倍高かった(図7)。よってBinding buffer、または1% BSA-HBSSを選択することが適当であると考えられた。一方、PTHrP-SEAPの容器への吸着性を調べたところ、10% FCS-DMEMやBinding bufferに比べて1% BSA-HBSSでは顕著に高いことが確認された。以上より、結
合用BufferとしてBinding bufferを選択することが適当と判断した。
(5) PTHrP-SEAP添加量
PTH/PTHrP 受容体結合アッセイにおいて抗PTHrP抗体による結合阻害量を検出する場合
、標識体添加量は受容体に対して過飽和でないように設定しなければならない。PTHrP(1-34)-SEAP添加量を1.25〜10 nmol/Lで検討すると、受容体への結合量は標識体濃度依存的
に増加し(図8)、10 nmol/L添加においても結合は飽和していないと考えられた。また、PTHrP-SEAPは各濃度においてPTH/PTHrP 受容体発現細胞に特異的に結合した。そこで、PTHrP(1-34) -SEAPの添加量は十分に結合を検出可能で、かつ受容体が飽和していない5 nmol/Lとすることが適当と判断した。
(6)抗PTHrP抗体添加量
上記で設定された条件で、抗PTHrP抗体のPTHrP-SEAP結合阻害活性を定量するための条
件を検討した。PTHrP-SEAPの結合は抗PTHrP抗体添加濃度依存的に阻害された。図9より
抗PTHrP抗体濃度0.125〜1.0 μg/mLの範囲において抗PTHrP抗体によるPTHrPのPTH/PTHrP
受容体への結合阻害活性を定量可能であると考えられた。
(7)測定試料の特異性
PTHrPに特異的結合能を持たないタンパク質をPTH/PTHrP 受容体結合アッセイ系に添加
した場合のPTHrP-SEAP結合量を検討した。特異的結合能を持たないタンパク質としてhuman IgGを添加したところ、0.125〜10 μg/mLの範囲ではPTHrP-SEAPの結合を阻害しなかった(図10)。このことより、抗PTHrP抗体はPTHrP-SEAPに特異的に結合することにより、受容体への結合を阻害していることが確認された。
[実施例3] PTH/PTHrP 受容体結合アッセイとcAMP アッセイの比較
PTH/PTHrP 受容体結合アッセイ、あるいはcAMP アッセイを用いた抗PTHrP抗体の生物活性評価法について、その再現性を評価した。各試験法は測定日をかえてそれぞれ4回測定
を行い、その結果から、4-parameter fittingを用いて真度、および室内再現精度を、parallel line assayを用いて効力比を算出した。
1.試験方法
(1) PTH/PTHrP 受容体結合アッセイ
HkRk-B7細胞を10% FCS-DMEM培地を用いて5x105 cells/mLになるよう調製し、これを100
μL/wellずつ96well plateに加え、37℃-5% CO2下にて1日培養した。
PTHrP(1-34)-SEAPは前述のBinding bufferで10 nmol/Lに調製した。standard抗PTHrP抗体(Lot No. 99B01:WO98/13388) をBinding bufferでそれぞれ0.13、0.25、0.50、1.0、2.0、4.0 μg/mLに調製した。sample抗PTHrP抗体(CBSI製) はBinding bufferでそれぞれ0.25、0.50、1.0、2.0 μg/mLに調製した。
HkRk-B7細胞を1日培養後、Binding bufferを200μL/well ずつ1回添加し、plateを洗浄した。各濃度に調製した抗PTHrP抗体とPTHrP(1-34)-SEAP (10 nmol/L)を等量ずつ混合し
、これを50 μL/well で3ウェルに添加した。
plateを室温で30 min放置した後、Binding bufferを200 μL/well ずつ3回添加して洗
浄した。受容体に結合したPTHrP-SEAPはPhospha-Light System(Applied Biosystems製)を用いて検出した。1 x Dilution buffer-0.02% Triton X-100を150 μL/wellずつ添加し、plateを65℃-30 min熱処理後、氷上で冷却し、試料を50 μL/well x duplicateで96well black plateに移した。これにAssay buffer50 μL/wellを加えて室温で5 min放置後、さらにReaction buffer50 μL/wellを加えて室温で15〜20 min放置し、その発光量をARVOを用いて測定した。duplicateの平均値を各試料の結合量(RLU)とした。
(2)cAMP アッセイ
HkRk-B7細胞を10% FCS-DMEM培地を用いて5x105 cells/mLに調製した。この細胞懸濁液
を100 μL/wellずつ96well plateに加え、37℃-5% CO2下にて1日培養した。PTHrP(1-34)
は10% FCS-DMEMで2 nmol/Lに調製した。
standard 抗PTHrP抗体(Lot No. 99B01:WO98/13388)は2 mmol/L IBMX-10% FCS-DMEMで
それぞれ0.50、1.0、2.0、4.0、8.0、16 μg/mLに調製した。sample 抗PTHrP抗体(CBSI
製)は2 mmol/L IBMX-10% FCS-DMEMでそれぞれ1.0、2.0、4.0、8.0 μg/mLに調製した。
HkRk-B7細胞を1日培養後、PBSで100 μL/well で1回洗浄した。各濃度に調製した抗PTHrP抗体とPTHrP(1-34) (2 nmol/L)を等量ずつ混合し、これを50 μL/well で3ウェルに添加
した。
plateを室温で30 min放置した後、2 x Lysis bufferを50 μL/wellずつ添加し、plate
を室温で30 min放置した。各試料20 μLを1 x Lysis buffer 60 μLで希釈し、HTRF Cyclic AMP kitを用いてcAMP含量を測定した。
2. 解析結果
4-parameter fittingの結果を表1(PTH/PTHrP受容体結合アッセイ)および表2(cAMP
アッセイ)に示す。
Figure 2004201682
Figure 2004201682
1)真度は、98.0〜108% (PTH/PTHrP受容体結合アッセイ)、95.2〜111% (cAMP アッセイ)であり、両試験法間で顕著な差は認められなかった。
2)室内再現制度
室内再現精度は〜8.35% (PTH/PTHrP受容体結合アッセイ, 抗PTHrP抗体0.25〜1.0 μg/mL)、〜17.1% (cAMP アッセイ, 抗PTHrP抗体 2.0 μg/mL)であり、PTH/PTHrP受容体結合アッセイの方が精度に優れていると考えられた。
3)parallel line assay
parallel line assayの結果を表3に示す。PTH/PTHrP受容体結合アッセイで抗PTHrP抗
体濃度を3濃度(0.13、0.25、0.50 μg/mL)用いて解析した場合、測定回数4回のうち、1回は非平行性が有意となった。平行線検定が成立した3回の測定結果では、効力比は平均1.19、CV(%) 6.27%、効力比の95%信頼区間は1.06〜1.35であった。
Figure 2004201682
cAMP アッセイについて抗PTHrP抗体濃度を3濃度(1.0、2.0、4.0 μg/mL)として解析し
た場合、2/4において非平行性が有意となった。そこで、抗PTHrP抗体濃度を4濃度(0.5、1.0、2.0、4.0 μg/mL)として解析した場合、1/4で非平行性が有意となった。このとき、
効力比は平均0.939、CV(%) 27.5%、効力比の95%信頼区間は0.661〜1.34であった。
parallel line assayの解析結果より、cAMP アッセイに比べてPTH/PTHrP受容体結合ア
ッセイの方が効力比の変動係数は小さく、効力比の95%信頼区間の幅も小さかった。parallel line assayを用いて解析した場合、いずれの試験法でも検定が不成立となる場合があった。抗PTHrP抗体の生物活性を効力比として表現する場合には、その変動係数および95%信頼区間幅が小さいPTH/PTHrP受容体結合アッセイを用いて測定する方が望ましいと考えられた。
3.結論
抗PTHrP抗体の生物活性評価法としてPTH/PTHrP受容体結合アッセイは、cAMP アッセイ
に比べて室内再現精度と効力比において優れていた。
[実施例4] 抗PTHrP抗体加速品の生物活性測定(PTH/PTHrP受容体結合アッセイとcAMP
アッセイの比較)
1.試験方法
1)PTH/PTHrP受容体結合アッセイ
実施例2および3に記載の方法にしたがって実施した。
2)cAMP アッセイ
HkRk-B7細胞を10% FCS-DMEM培地を用いて5x105 cells/mLに調製した。この細胞懸濁液
を100 μL/wellずつ96well plateに加え、37℃-5% CO2下にて1日培養した。
PTHrP(1-34)は2 mmol/L IBMX-10% FCS-DMEMで2 nmol/Lに調製した。
standard 抗PTHrP抗体は10% FCS-DMEMでそれぞれ0.50、1.0、2.0、4.0、8.0 μg/mLに
調製した。sample 抗PTHrP抗体は10% FCS-DMEMでそれぞれ0.50、1.0、2.0、4.0、8.0 μg/mLに調製した。
HkRk-B7細胞を1日培養後、PBS 100 μL/wellで1回洗浄した。各濃度に調製したstandardまたはsample 抗PTHrP抗体を、PTHrP(1-34) (2 nmol/L)と等量ずつ混合し、これを50 μL/well、triplicateで添加した。
plateを室温で30 min放置後、2 x Lysis bufferを50 μL/wellずつ添加し、plateを室
温で30 min放置した。各試料20 μLを1 x Lysis buffer 60 μLで希釈し、HTRF Cyclic AMP kitを用いてcAMP含量を測定した。
cAMP standardはkitに添付のcAMP maximum calibratorを1 x Lysis bufferで希釈し、
調製した。
384well black plateに1 x Lysis buffer (Negative control、Positive control)、試料、およびcAMP standardを10 μL/well、duplicateで添加した。そこへ、anti-cAMP Ab-cryptate conjugateを5 μL/well、cAMP-XL665 conjugateを5 μL/well添加した。ただし、Negative controlのみcAMP-XL665 conjugateの代わりにdistilled waterを5 μL/well添加した。plateを室温で3 hr放置後、665 nm、および620 nmの蛍光強度を測定した。各試料のduplicateの平均値を蛍光強度の測定値とした。
試料、およびcAMP standardの測定結果について、以下の計算式によりDF/DF max %を求めた。
Figure 2004201682
cAMP standardのcAMP濃度とDF/DF max %から検量線を作成し、試料に含まれるcAMP量を求めた。
2. 解析方法
SAS programの「平行線検定と効力比」を用いて試験結果を以下のようにして解析した

1)PTH/PTHrP受容体結合アッセイ
抗PTHrP抗体加速品(sample:Initial, 50℃-1M)の抗PTHrP抗体標準品(standard:抗PTHrP抗体原体、Lot No. BG00102)に対する効力比と95%信頼区間は、standardとsampleの0.13、0.25、0.50 (μg/mL)の各3濃度について、抗PTHrP抗体濃度(μg/mL)と結合量(RLU)から平行線検定により求めた。
抗PTHrP抗体加速品(sample:50℃-2M, 50℃-3M)の抗PTHrP抗体標準品(standard:抗PTHrP抗体原体、Lot No. BG00102)に対する効力比と95%信頼区間は、standard 0.13、0.25、0.50 (μg/mL)とsample 0.18、0.35、0.71 (μg/mL)の各3濃度について、抗PTHrP抗体濃度(μg/mL)と結合量(RLU)から平行線検定により求めた。
2)cAMP アッセイ
抗PTHrP抗体加速品(sample:Initial, 50℃-1M, 50℃-2M, 50℃-3M)の抗PTHrP抗体標準品(standard:抗PTHrP抗体原体、Lot No. BG00102)に対する効力比と95%信頼区間は、standardとsampleの0.50、1.0、2.0、4.0 (μg/mL)の各4濃度について、抗PTHrP抗体濃度(μg/mL)とcAMP量(pg/well)から平行線検定により求めた。
3. 測定結果
以上のように条件設定したPTH/PTHrP受容体結合アッセイとcAMP アッセイにより、抗PTHrP抗体加速品(50℃-1M, 50℃-2M, 50℃-3M)とそのInitialについて活性を4回ずつ測定した。得られた結果について平行線検定により抗PTHrP抗体標準品に対する効力比と95%信頼区間を算出した。両試験法ともに全てのサンプルについて平行線検定が成立し、効力比を算出することができた。結果を表4(PTH/PTHrP受容体結合アッセイ)および表5(cAMP アッセイ)に示す。
Figure 2004201682
Figure 2004201682
PTH/PTHrP受容体結合アッセイにより算出された抗PTHrP抗体加速品Initialの効力比は1.07、抗PTHrP抗体加速品50℃-1Mの効力比は1.00であり、顕著な差を認めなかった。抗PTHrP抗体加速品50℃-2Mと50℃-3Mの効力比はそれぞれ0.801、0.629であり、経時的に効力比が低下する傾向がみられた。一方、cAMP アッセイにより算出された抗PTHrP抗体加速品Initialの効力比は0.983、抗PTHrP抗体加速品50℃-1Mの効力比は0.981であり、PTH/PTHrP受容体結合アッセイの場合と同様に、Initialと50℃-1Mの効力比に顕著な差を認めなかった。抗PTHrP抗体加速品50℃-2Mと50℃-3Mの効力比はそれぞれ0.747、0.521で、経時的に活性が低下する傾向がみられた。
2つの試験法間で比較すると抗PTHrP抗体加速品50℃-1M、50℃-2M、50℃-3Mいずれでも
効力比は同程度に算出され、どちらの試験法も抗PTHrP抗体サンプルの効力比低下を検出
可能であった。
各試験法で4回測定した効力比の室内再現性(CV%)は、PTH/PTHrP受容体結合アッセイで
約8%、cAMP アッセイで約22%であった。
本発明によれば、リガンドと細胞膜上に発現しているネイティブなリガンド結合タンパク質との結合活性を、RIを用いることなく高感度かつ高精度に定量することができる。すなわち、本発明の方法およびキットを用いれば、リガンド受容体に対するアゴニストまたはアンタゴニストの正確なスクリーニングおよび生物活性の測定が可能となる。
したがって、本発明の評価方法は、受容体の発現クローニング、および受容体に作用する低分子化合物等のリガンドのスクリーニング、細胞膜表面の接着分子間の相互作用とこれに作用する各種化合物の生物活性の評価・スクリーニングに利用することができる。
図1は、pCHOI-PTHrP(1-34)-SEAP(1A)およびpCHOI-PTHrP(1-141)-SEAP(1B)の構造を示す図である。 図2は、His-tagアフィニティーカラムによるPTHrP-SEAPの精製を示すグラフである。 図3は、PTHrP-SEAPのPTH/PTHrP受容体結合活性を示すグラフである。 図4は、PTHrP-SEAPによるcAMP誘導(HkRk-B7細胞)を示すグラフである。 図5は、PTHrP(1-34)-SEAP およびPTHrP(1-141)-SEAP の電気泳動結果を示す。 図6は、PTH/PTHrP受容体結合アッセイにおける温度の影響を示すグラフである。 図7は、PTH/PTHrP受容体結合アッセイにおけるバッファーの影響を示すグラフである。 図8は、PTHrP(1-34)-SEAP のPTH/PTHrP受容体結合活性を示すグラフである。 図9は、PTH/PTHrP受容体結合アッセイにおける抗PTHrP抗体濃度の影響を示すグラフである。 図10は、抗PTHrP抗体によるPTH/PTHrP受容体結合の特異的阻害を示すグラフである。
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Claims (11)

  1. 細胞膜上に発現しているリガンド結合タンパク質とリガンド−酵素融合タンパク質の結合量を指標として、リガンド結合阻害物質の生物活性を定量的に評価する方法。
  2. リガンド結合タンパク質とリガンド−酵素融合タンパク質の結合量が、リガンド−酵素融合タンパク質中の酵素を介した化学発光量を測定することにより求められる、請求項1記載の方法。
  3. 細胞膜上に発現しているリガンド結合タンパク質として、リガンド結合タンパク質発現細胞を用いる、請求項1または2記載の方法。
  4. 以下の工程を含む、請求項1記載の方法:
    1)固相化したリガンド結合タンパク質発現細胞に、被験物質の存在下でリガンド−酵素融合タンパク質を反応させる;
    2)遊離のリガンド−酵素融合タンパク質を除去後、酵素基質を加えて発光量を測定する;
    3)測定された発光量に基づいて上記被験物質のリガンド結合阻害物質としての生物活性を定量的に評価する。
  5. リガンド結合タンパク質がリガンド受容体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. リガンド結合阻害物質がリガンドの抗体、またはリガンド受容体に対するアゴニストもしくはアンタゴニストである、請求項5記載の方法。
  7. リガンド結合タンパク質発現細胞が、リガンド結合タンパク質を強制高発現させた組換え細胞である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 酵素がヒト胎盤性アルカリフォスファターゼである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. リガンドがPTHrPであり、リガンド結合タンパク質がPTH/PTHrP受容体であり、リガンド結合阻害物質が抗PTHrP抗体である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 以下の1)〜3)を含む、リガンド結合阻害物質の生物活性を定量的に評価するためのキット。
    1)固相化したリガンド結合タンパク質発現細胞
    2)リガンド−酵素融合タンパク質
    3)リガンド結合阻害物質
  11. 固相化したリガンド結合タンパク質発現細胞が固相化PTH/PTHrP受容体発現細胞であり
    、リガンド−酵素融合タンパク質が、PTHrP−ヒト胎盤性アルカリフォスファターゼ融合
    タンパク質であり、かつリガンド結合阻害物質が抗PTHrP抗体である、請求項10記載の
    キット。
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