JP2004201359A - モーター駆動制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】速度制御や駆動モータにて駆動される対象物の張力制御の精度を向上させることができるモータ駆動制御装置を得る。
【解決手段】駆動モータ8の主回路電圧Vと電流検出器11によって検出された主回路電流Iと駆動モータ8の回転数Nに基づき無負荷損演算手段12にて無負荷損P0が演算され、駆動モータ8の回転数Nに対応させて無負荷損演算手段12に記憶される。そして、その時々の駆動モータ8の回転数に応じて無負荷損テーブルから無負荷損P0が求められ、また負荷損演算手段14にて負荷損PLが演算され、加算器22にて両者が加算され、補償すべきメカロスPM=P0+PLとして、電流制御器6に入力され、サイリスタ回路7を介して駆動モータ8が制御される。メカロスが的確に補償されるので、速度制御や張力制御の精度が向上する。
【選択図】 図1
【解決手段】駆動モータ8の主回路電圧Vと電流検出器11によって検出された主回路電流Iと駆動モータ8の回転数Nに基づき無負荷損演算手段12にて無負荷損P0が演算され、駆動モータ8の回転数Nに対応させて無負荷損演算手段12に記憶される。そして、その時々の駆動モータ8の回転数に応じて無負荷損テーブルから無負荷損P0が求められ、また負荷損演算手段14にて負荷損PLが演算され、加算器22にて両者が加算され、補償すべきメカロスPM=P0+PLとして、電流制御器6に入力され、サイリスタ回路7を介して駆動モータ8が制御される。メカロスが的確に補償されるので、速度制御や張力制御の精度が向上する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、単一駆動系や連続製造ライン駆動系等のモータ駆動制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、鉄鋼プラントにおけるコイル状に巻かれた帯状の薄鋼板を連続的に焼鈍やメッキ等のプロセス処理を行う連続製造ラインのモータ制御装置において、個々のモータの制御は各モータに対応して設けられた制御装置によりその速度やトルク等の制御が行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−34405号公報(段落番号0015、0018及び図8)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の上記のようなモータ駆動制御装置において、速度制御の精度を向上させるために、無負荷運転時に測定されたモータの速度対負荷電流(トルク)特性に基づいて損失を補償する制御が行われている。しかし、この補償は実負荷運転時の負荷損等の負荷条件を考慮したものではないため、あまり正確なものではなかった。従って、製品品質に係わる速度や張力の制御精度の向上要求に対応できないという問題点があった。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、駆動モータの速度制御や駆動モータにて駆動される対象物の張力制御の精度を向上させることができ、また制御の応答速度を早くすることが可能なモータ駆動制御装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るモータ駆動制御装置は、駆動モータを制御する制御装置、駆動モータに供給される電圧及び電流並びに駆動モータの回転数に基づき無負荷損及び負荷損をそれぞれ求める第1及び第2の手段、第1及び第2の手段により求められた無負荷損及び負荷損に基づき制御装置による駆動モータの制御を補償する補償制御手段を備えたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の一形態であるモータ駆動制御装置の構成図である。図1において、速度設定器1にて設定された速度基準REFは比較器21に入力される。比較器21においてこのREFと後述の速度検出器9から得られた駆動モータ8の回転数Nとの偏差ΔNが演算され、速度制御器5へ出力される。速度制御器5は上記偏差ΔNを減少させる信号CNを電流制御器6に出力する。電流制御器6には後で説明する加算器22から出力された補償すべき無負荷損P0と負荷損PLと、速度制御器5からの上記信号CNが入力され、電流制御信号CCが出力される。
【0008】
サイリスタ回路7は、電流制御器6からの電流制御信号CCに基づきサイリスタ回路7を介して駆動モータ8を制御する。駆動モータ8の回転数Nは速度検出器9により検出される。また、駆動モータ8の主回路電圧Vは電圧検出器10により、主回路電流(駆動モータ8の負荷電流)Iは電流検出器11によって検出される。無負荷損テーブル作成手段20は、無負荷損演算手段12と無負荷損テーブル記憶手段13とを有する。無負荷損演算手段12には、駆動モータ8の主回路電圧Vと、電流検出器11によって検出された主回路電流Iと、速度検出器9にて検出された駆動モータ8の回転数Nが入力され、無負荷損P0が演算される。無負荷損演算手段12は、この演算された無負荷損P0を駆動モータ8の回転数Nに対応させて無負荷損テーブルとして記憶している。
【0009】
無負荷損P0は、そのときの駆動モータ8の回転数に応じて無負荷損記憶手段13に記憶された無負荷損テーブルから求められ、加算器22に入力される。負荷損演算手段14には、電流検出器11によって検出された主回路電流Iと、速度検出器9にて検出された駆動モータ8の回転数Nが入力され、負荷損PLが演算される。演算結果は、補償すべき負荷損PLとして、加算器22に入力される。無負荷損P0と負荷損PLとは、加算器22にて加算され、補償すべきメカロスPM=P0+PLとして、電流制御器6に入力される。この実施の形態におけるモータ駆動制御装置は以上のように接続されている。
【0010】
次に、動作説明に先立ち、無負荷損と負荷損とを合わせたいわゆるメカロスの求め方について説明する。
メカロスとよばれているものは、主に駆動モータの銅損に代表される負荷損と、機械損に代表される無負荷損に大別される。この2つを合わせて、一般的にメカロスと総称されている。すなわち、
PM(メカロス)=PL(負荷損)+P0(無負荷損) (1)
である。
駆動モータ側の負荷損に関しては、すでに実験式も確立されており正確に把握することができる。又、これを使用して無負荷損を正確に把握することができ、より正確な無負荷損テーブルの生成が可能である。
【0011】
先ず、無負荷損は次の式(2)から求めることができる。
ここに、V:主回路電圧
I:主回路電流
2・I:モータブラシ損
Ra:モータ主回路抵抗
I・I・Ra:電機子抵抗損
である。
【0012】
この無負荷損P0は、無負荷運転のときに、すなわち実際に材料を運ばず、機械のみを単独で運転する状態のときに駆動モータ8の負荷値(駆動モータ8の主回路電流I)から機械単独のメカロスを算出し、(2)式により回転数Nの関数としてテーブル化する。
また、負荷損PLは、時々刻々の主回路電流I及び駆動モータ8の回転数Nから、次の式(3)にて求めることができる。
PL(負荷損)=974(I・I・Ra+2・I)/N (3)
【0013】
次に、動作について説明する。無負荷損演算手段12は、無負荷運転時に電圧検出器10から検出された主回路電圧Vと、電流検出器11にて検出された負荷電流Iと、速度検出器9から検出された回転数Nから、無負荷損P0を上記の式(2)によって算出する。そして、回転速度を関数とした無負荷損テーブルとして無負荷損テーブル記憶手段13に記憶する。この方法により正確な無負荷損失を得ることができる。これは無負荷運転時に実施し無負荷損(機械損)をテーブルとして作成するもので、一度作成すれば、条件が変わらない限り作成し直す必要はない。そして、実負荷運転時においては無負荷損テーブル記憶手段13は速度検出器9から得られる時々刻々の回転数Nに基づいて無負荷損テーブルから無負荷損P0を求め、加算器22へ出力する。
【0014】
次に、負荷損であるが、実際の運転において、負荷損演算手段14によって駆動モータ8の主回路電流Iと回転数Nから時々刻々の負荷損PLを、上記式(3)に基づいて算出し、補償すべき負荷損PLとして加算器22に入力する。無負荷損P0と負荷損PLが加算器22にて加算され、補償すべきメカロスPM=P0+PL(厳密に表現すれば補償すべきメカロスに相当する信号)として、電流制御器6に入力される。電流制御器6は、速度制御器5からの信号CNとメカロスPMとに基づきサイリスタ回路7を介して駆動モータ8の回転数を制御する。
【0015】
このようにすることにより、高速応答の電流制御ループでメカロスPMの補償が行われ、速度制御器5に入力される偏差ΔNが減少し、制御の精度を向上させることができる。
【0016】
実施の形態2.
図2は、この発明の他の実施の形態であるモータ駆動制御装置の構成図である。この実施の形態は、無負荷損P0と負荷損PLの補償を速度制御による張力制御に適用したものである。張力設定器2にて設定された基準張力と図示しないプロセスラインの薄鋼板の実際の張力をフィードバックする張力フィードバック装置3のフィードバック値とが、張力制御器(比例積分器)4に入力され、基準張力と検出された張力との差の比例積分値が加算器23に出力される。加算器23にて、速度設定器1に設定された速度基準と加算され、比較器21に供給される。その他の構成については、図1に示した実施の形態1と同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。
【0017】
次に動作であるが、張力設定器2に設定された基準張力と実際の張力との差に基づいて張力制御器4によって求められた比例積分値が、加算器23にて速度基準値REFに加算され、比較器21を経て速度制御器5に与えられ、速度制御器5は薄鋼板の張力及び送り速度が基準値に近づくように駆動モータ8を制御する。これにより、高速応答の電流制御器6による電流制御ループでメカロスPMの補償を行うとともに、張力制御器4及び速度制御器5により薄鋼板の張力及び送り速度が制御されるので、薄鋼板の張力及び送り速度の制御精度が向上する。
【0018】
実施の形態3.
図3は、さらにこの発明の他の実施の形態であるモータ駆動制御器の構成図である。この実施の形態は、無負荷損P0及び負荷損PL並びに張力の補償を巻取機又は払出機に適用したものである。図3において、張力設定器2にて設定された基準張力が、加算器31に入力される。また、張力設定器2にて設定された基準張力と図示しないプロセスラインの薄鋼板の実際の張力をフィードバックする張力フィードバック装置3のフィードバック値とが、張力制御器4に入力され、基準張力と検出された張力との差の比例及び積分値が加算器31に出力される。加算器31は、この両者を加算して、張力ートルク変換器15に与える。
【0019】
一方、材料速度検出器17にて検出された巻取機又は払出機における材料の巻き取りあるいは払出速度がダイヤ(ロール径)演算器18及び慣性補償量演算器19に入力される。ダイヤ演算器18は、駆動モータ8の回転数Nと材料速度検出器17にて検出された材料速度から加圧力等により動的に変動するロール直径を演算し、半径演算器16にてロールの半径に換算して、張力ートルク変換器15に与える。張力ートルク変換器15は、先に説明した基準張力と実際の張力との差に基づいて求めた比例積分値と、ロール半径から制御すべきトルクを求めて加算器32に出力する。
【0020】
慣性補償量演算器19は、材料速度検出器17にて検出された材料速度と、ダイヤ演算器18にて演算されたロール径からロールの回転数を求め、補償すべきロールの慣性エネルギーを求め、加算器32に出力する。加算器32は、補償すべきトルクと上記慣性エネルギーとを加算して、加算器33に与える。加算器33は、これと無負荷損テーブル記憶手段に記憶された無負荷損P0とを加算して加算器34に与え、加算器34はこれに負荷損演算手段14にて求めた負荷損PLを加算して電流制御器6に与え、サイリスタ回路7を介して駆動モータ8を制御する。その他の構成については、図1に示したものと同様のものである。
【0021】
この実施の形態によればロール径の動的な変化を求めてこのロール径から制御すべき張力をトルクに変換し、さらに無負荷損P0及び負荷損PLを補償するようにしたので、速度及び張力の制御の精度を向上させることができる。
【0022】
なお、最適なメカロスの補償制御を行っているので、張力制御器4がなくても良好なる張力の制御精度を得ることができる。
【0023】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、駆動モータを制御する制御装置、駆動モータに供給される電圧及び電流並びに駆動モータの回転数に基づき無負荷損及び負荷損をそれぞれ求める第1及び第2の手段、第1及び第2の手段により求められた無負荷損及び負荷損に基づき制御装置による駆動モータの制御を補償する補償制御手段を備えたので、メカロスが的確に補償されるので、速度制御や張力制御の精度が向上するモータ駆動制御器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態であるモータ駆動制御器の構成図である。
【図2】この発明の他の実施の形態であるモータ駆動制御器の構成図である。
【図3】さらに、この発明の他の実施の形態であるモータ駆動制御器の構成図である。
【符号の説明】
1 速度設定器、2 張力設定器、3 張力フィードバック装置、
4 張力制御器、5 速度制御器、6 電流制御器、7 サイリスタ回路、
8 駆動モータ、9 速度検出器、10 電圧検出器、11 電流検出器、
12 無負荷損演算手段、13 無負荷損テーブル記憶手段、
14 負荷損演算手段、15 張力−トルク演算器、16 半径演算器、
17 材料速度検出器、18 ダイヤ演算器、19 慣性補償量演算器、
20 無負荷損テーブル作成手段、21 比較器、
22,31,32,33 加算器。
【発明の属する技術分野】
この発明は、単一駆動系や連続製造ライン駆動系等のモータ駆動制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、鉄鋼プラントにおけるコイル状に巻かれた帯状の薄鋼板を連続的に焼鈍やメッキ等のプロセス処理を行う連続製造ラインのモータ制御装置において、個々のモータの制御は各モータに対応して設けられた制御装置によりその速度やトルク等の制御が行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−34405号公報(段落番号0015、0018及び図8)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の上記のようなモータ駆動制御装置において、速度制御の精度を向上させるために、無負荷運転時に測定されたモータの速度対負荷電流(トルク)特性に基づいて損失を補償する制御が行われている。しかし、この補償は実負荷運転時の負荷損等の負荷条件を考慮したものではないため、あまり正確なものではなかった。従って、製品品質に係わる速度や張力の制御精度の向上要求に対応できないという問題点があった。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、駆動モータの速度制御や駆動モータにて駆動される対象物の張力制御の精度を向上させることができ、また制御の応答速度を早くすることが可能なモータ駆動制御装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るモータ駆動制御装置は、駆動モータを制御する制御装置、駆動モータに供給される電圧及び電流並びに駆動モータの回転数に基づき無負荷損及び負荷損をそれぞれ求める第1及び第2の手段、第1及び第2の手段により求められた無負荷損及び負荷損に基づき制御装置による駆動モータの制御を補償する補償制御手段を備えたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の一形態であるモータ駆動制御装置の構成図である。図1において、速度設定器1にて設定された速度基準REFは比較器21に入力される。比較器21においてこのREFと後述の速度検出器9から得られた駆動モータ8の回転数Nとの偏差ΔNが演算され、速度制御器5へ出力される。速度制御器5は上記偏差ΔNを減少させる信号CNを電流制御器6に出力する。電流制御器6には後で説明する加算器22から出力された補償すべき無負荷損P0と負荷損PLと、速度制御器5からの上記信号CNが入力され、電流制御信号CCが出力される。
【0008】
サイリスタ回路7は、電流制御器6からの電流制御信号CCに基づきサイリスタ回路7を介して駆動モータ8を制御する。駆動モータ8の回転数Nは速度検出器9により検出される。また、駆動モータ8の主回路電圧Vは電圧検出器10により、主回路電流(駆動モータ8の負荷電流)Iは電流検出器11によって検出される。無負荷損テーブル作成手段20は、無負荷損演算手段12と無負荷損テーブル記憶手段13とを有する。無負荷損演算手段12には、駆動モータ8の主回路電圧Vと、電流検出器11によって検出された主回路電流Iと、速度検出器9にて検出された駆動モータ8の回転数Nが入力され、無負荷損P0が演算される。無負荷損演算手段12は、この演算された無負荷損P0を駆動モータ8の回転数Nに対応させて無負荷損テーブルとして記憶している。
【0009】
無負荷損P0は、そのときの駆動モータ8の回転数に応じて無負荷損記憶手段13に記憶された無負荷損テーブルから求められ、加算器22に入力される。負荷損演算手段14には、電流検出器11によって検出された主回路電流Iと、速度検出器9にて検出された駆動モータ8の回転数Nが入力され、負荷損PLが演算される。演算結果は、補償すべき負荷損PLとして、加算器22に入力される。無負荷損P0と負荷損PLとは、加算器22にて加算され、補償すべきメカロスPM=P0+PLとして、電流制御器6に入力される。この実施の形態におけるモータ駆動制御装置は以上のように接続されている。
【0010】
次に、動作説明に先立ち、無負荷損と負荷損とを合わせたいわゆるメカロスの求め方について説明する。
メカロスとよばれているものは、主に駆動モータの銅損に代表される負荷損と、機械損に代表される無負荷損に大別される。この2つを合わせて、一般的にメカロスと総称されている。すなわち、
PM(メカロス)=PL(負荷損)+P0(無負荷損) (1)
である。
駆動モータ側の負荷損に関しては、すでに実験式も確立されており正確に把握することができる。又、これを使用して無負荷損を正確に把握することができ、より正確な無負荷損テーブルの生成が可能である。
【0011】
先ず、無負荷損は次の式(2)から求めることができる。
ここに、V:主回路電圧
I:主回路電流
2・I:モータブラシ損
Ra:モータ主回路抵抗
I・I・Ra:電機子抵抗損
である。
【0012】
この無負荷損P0は、無負荷運転のときに、すなわち実際に材料を運ばず、機械のみを単独で運転する状態のときに駆動モータ8の負荷値(駆動モータ8の主回路電流I)から機械単独のメカロスを算出し、(2)式により回転数Nの関数としてテーブル化する。
また、負荷損PLは、時々刻々の主回路電流I及び駆動モータ8の回転数Nから、次の式(3)にて求めることができる。
PL(負荷損)=974(I・I・Ra+2・I)/N (3)
【0013】
次に、動作について説明する。無負荷損演算手段12は、無負荷運転時に電圧検出器10から検出された主回路電圧Vと、電流検出器11にて検出された負荷電流Iと、速度検出器9から検出された回転数Nから、無負荷損P0を上記の式(2)によって算出する。そして、回転速度を関数とした無負荷損テーブルとして無負荷損テーブル記憶手段13に記憶する。この方法により正確な無負荷損失を得ることができる。これは無負荷運転時に実施し無負荷損(機械損)をテーブルとして作成するもので、一度作成すれば、条件が変わらない限り作成し直す必要はない。そして、実負荷運転時においては無負荷損テーブル記憶手段13は速度検出器9から得られる時々刻々の回転数Nに基づいて無負荷損テーブルから無負荷損P0を求め、加算器22へ出力する。
【0014】
次に、負荷損であるが、実際の運転において、負荷損演算手段14によって駆動モータ8の主回路電流Iと回転数Nから時々刻々の負荷損PLを、上記式(3)に基づいて算出し、補償すべき負荷損PLとして加算器22に入力する。無負荷損P0と負荷損PLが加算器22にて加算され、補償すべきメカロスPM=P0+PL(厳密に表現すれば補償すべきメカロスに相当する信号)として、電流制御器6に入力される。電流制御器6は、速度制御器5からの信号CNとメカロスPMとに基づきサイリスタ回路7を介して駆動モータ8の回転数を制御する。
【0015】
このようにすることにより、高速応答の電流制御ループでメカロスPMの補償が行われ、速度制御器5に入力される偏差ΔNが減少し、制御の精度を向上させることができる。
【0016】
実施の形態2.
図2は、この発明の他の実施の形態であるモータ駆動制御装置の構成図である。この実施の形態は、無負荷損P0と負荷損PLの補償を速度制御による張力制御に適用したものである。張力設定器2にて設定された基準張力と図示しないプロセスラインの薄鋼板の実際の張力をフィードバックする張力フィードバック装置3のフィードバック値とが、張力制御器(比例積分器)4に入力され、基準張力と検出された張力との差の比例積分値が加算器23に出力される。加算器23にて、速度設定器1に設定された速度基準と加算され、比較器21に供給される。その他の構成については、図1に示した実施の形態1と同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。
【0017】
次に動作であるが、張力設定器2に設定された基準張力と実際の張力との差に基づいて張力制御器4によって求められた比例積分値が、加算器23にて速度基準値REFに加算され、比較器21を経て速度制御器5に与えられ、速度制御器5は薄鋼板の張力及び送り速度が基準値に近づくように駆動モータ8を制御する。これにより、高速応答の電流制御器6による電流制御ループでメカロスPMの補償を行うとともに、張力制御器4及び速度制御器5により薄鋼板の張力及び送り速度が制御されるので、薄鋼板の張力及び送り速度の制御精度が向上する。
【0018】
実施の形態3.
図3は、さらにこの発明の他の実施の形態であるモータ駆動制御器の構成図である。この実施の形態は、無負荷損P0及び負荷損PL並びに張力の補償を巻取機又は払出機に適用したものである。図3において、張力設定器2にて設定された基準張力が、加算器31に入力される。また、張力設定器2にて設定された基準張力と図示しないプロセスラインの薄鋼板の実際の張力をフィードバックする張力フィードバック装置3のフィードバック値とが、張力制御器4に入力され、基準張力と検出された張力との差の比例及び積分値が加算器31に出力される。加算器31は、この両者を加算して、張力ートルク変換器15に与える。
【0019】
一方、材料速度検出器17にて検出された巻取機又は払出機における材料の巻き取りあるいは払出速度がダイヤ(ロール径)演算器18及び慣性補償量演算器19に入力される。ダイヤ演算器18は、駆動モータ8の回転数Nと材料速度検出器17にて検出された材料速度から加圧力等により動的に変動するロール直径を演算し、半径演算器16にてロールの半径に換算して、張力ートルク変換器15に与える。張力ートルク変換器15は、先に説明した基準張力と実際の張力との差に基づいて求めた比例積分値と、ロール半径から制御すべきトルクを求めて加算器32に出力する。
【0020】
慣性補償量演算器19は、材料速度検出器17にて検出された材料速度と、ダイヤ演算器18にて演算されたロール径からロールの回転数を求め、補償すべきロールの慣性エネルギーを求め、加算器32に出力する。加算器32は、補償すべきトルクと上記慣性エネルギーとを加算して、加算器33に与える。加算器33は、これと無負荷損テーブル記憶手段に記憶された無負荷損P0とを加算して加算器34に与え、加算器34はこれに負荷損演算手段14にて求めた負荷損PLを加算して電流制御器6に与え、サイリスタ回路7を介して駆動モータ8を制御する。その他の構成については、図1に示したものと同様のものである。
【0021】
この実施の形態によればロール径の動的な変化を求めてこのロール径から制御すべき張力をトルクに変換し、さらに無負荷損P0及び負荷損PLを補償するようにしたので、速度及び張力の制御の精度を向上させることができる。
【0022】
なお、最適なメカロスの補償制御を行っているので、張力制御器4がなくても良好なる張力の制御精度を得ることができる。
【0023】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、駆動モータを制御する制御装置、駆動モータに供給される電圧及び電流並びに駆動モータの回転数に基づき無負荷損及び負荷損をそれぞれ求める第1及び第2の手段、第1及び第2の手段により求められた無負荷損及び負荷損に基づき制御装置による駆動モータの制御を補償する補償制御手段を備えたので、メカロスが的確に補償されるので、速度制御や張力制御の精度が向上するモータ駆動制御器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態であるモータ駆動制御器の構成図である。
【図2】この発明の他の実施の形態であるモータ駆動制御器の構成図である。
【図3】さらに、この発明の他の実施の形態であるモータ駆動制御器の構成図である。
【符号の説明】
1 速度設定器、2 張力設定器、3 張力フィードバック装置、
4 張力制御器、5 速度制御器、6 電流制御器、7 サイリスタ回路、
8 駆動モータ、9 速度検出器、10 電圧検出器、11 電流検出器、
12 無負荷損演算手段、13 無負荷損テーブル記憶手段、
14 負荷損演算手段、15 張力−トルク演算器、16 半径演算器、
17 材料速度検出器、18 ダイヤ演算器、19 慣性補償量演算器、
20 無負荷損テーブル作成手段、21 比較器、
22,31,32,33 加算器。
Claims (4)
- 駆動モータを制御する制御装置、上記駆動モータに供給される電圧及び電流並びに上記駆動モータの回転数に基づき無負荷損及び負荷損をそれぞれ求める第1及び第2の手段、上記第1及び第2の手段により求められた上記無負荷損及び負荷損に基づき上記制御装置による上記駆動モータの制御を補償する補償制御手段を備えたモータ駆動制御装置。
- 上記制御装置は上記駆動モータの電流を制御する電流制御装置を有するものであり、上記補償制御手段は上記無負荷損及び負荷損に応じた補償値を上記電流制御装置に与えるものであることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動制御装置。
- 上記第1の手段は、上記駆動モータの回転数と上記無負荷損とを対応させた無負荷損テーブルを参照して上記無負荷損を求めるものであることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動制御装置。
- 上記駆動モータは駆動用ロールを介して帯状の材料を駆動するものであり、上記制御装置は上記駆動モータの電流を制御する電流制御装置及び上記帯状の材料の張力を制御する張力制御装置を有し、上記補償制御手段は上記無負荷損及び負荷損に応じた補償値を上記電流制御装置に与えるものであることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002363263A JP2004201359A (ja) | 2002-12-16 | 2002-12-16 | モーター駆動制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002363263A JP2004201359A (ja) | 2002-12-16 | 2002-12-16 | モーター駆動制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004201359A true JP2004201359A (ja) | 2004-07-15 |
Family
ID=32761450
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002363263A Pending JP2004201359A (ja) | 2002-12-16 | 2002-12-16 | モーター駆動制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004201359A (ja) |
-
2002
- 2002-12-16 JP JP2002363263A patent/JP2004201359A/ja active Pending
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