JP2004201063A - 画像処理方法、画像処理装置、プログラム - Google Patents

画像処理方法、画像処理装置、プログラム Download PDF

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Katsuya Koyanagi
勝也 小柳
Hajime Kishimoto
一 岸本
Tadashi Amaya
征 天谷
Noriko Arai
のり子 荒井
Kenji Furuyama
健司 古山
Tomio Yokomori
富夫 横森
Atsushi Sato
厚 佐藤
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Abstract

【課題】孤立点除去機能を有する画像処理装置において、桜紙原稿における除去すべきでない低網点を高品質に保つことができるようにする。
【解決手段】孤立点候補検出部640は、画像データD10に基づき画像中の孤立点候補画素を検出して孤立点候補検出信号D12を出力する。特徴量抽出部660は、孤立点候補検出信号D12を参照して、画像全体または画像の一部からノイズ孤立点に関わる画像特徴量として、ノイズ孤立点候補のカウント数N1を抽出する。特徴量抽出部660は、CPU620により設定されている閾値レベルD14とカウント数N1とを比較して、閾値レベルD14を超えるようになったとき、原稿画像が複製偽造防止機能を有する用紙を読み取って得られたものであるとして、孤立点検出中止信号D16を孤立点候補検出部640に出力する。これにより、孤立点候補検出部640および孤立点除去部690は、孤立点除去機能を停止する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像中に存在するノイズ孤立点を除去する孤立点除去機能を備えた画像処理方法および装置、並びにコンピュータを利用して画像処理方法や装置を実現するためのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
画像中に存在するトナーの塵やごみ(いわゆるノイズ成分)などのノイズ孤立点を不必要な情報として、その画素値を白色などのインアクティブな値にする(孤立点を除去する)孤立点除去機能を備えた画像処理方法や装置が種々提案されている(たとえば特許文献1〜3を参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−229497号公報
【特許文献2】
特開平10−327326号公報
【特許文献3】
特開平06−164928号公報
【0004】
特許文献1に記載の孤立点除去の手法は、先ず、画像から孤立点を検出し、検出された孤立点の画素について、その画素に隣接する領域の画像情報に基づいて、局所的あるいは大局的な画像情報を判断するのに適当な特徴量(所定の特徴量)を検出し、その特徴量に基づいて先に検出した孤立点を非孤立点に補正することにより、網点を孤立点と判定することがないようにするなど、ノイズ孤立点のみを除去しようとするものである。ここで、「特徴量」の具体例として、白画素の連続量や面積、あるいは孤立点画素、網点画素、さらには文字画素の面積などを用いることが提案されている。なお、この特許文献1に記載の手法における「大局的」の範囲は、隣接する数画素の領域である。
【0005】
また、特許文献2に記載の孤立点除去の手法は、読取画像の濃度に基づいた基準レベルにより孤立点除去設定レベルを追従させる場合とさせない場合とに変動させることで、孤立点除去性能を制御しようとするものである。
【0006】
また、特許文献3に記載の孤立点除去の手法は、注目画素と周囲の画素から網点領域を判断し、網点領域はノイズと判定しないことで、網点画像に対するノイズ除去特性を改善しようとするものである。
【0007】
ところで、読取対象となる画像が印刷されている用紙には様々な種類がある。たとえば、近年、パーソナルコンピュータやプリンタ、複写機など、複写機能を持つ画像形成装置の普及により、書類を複製することが極めて簡単になっている。このような状況においては、著作権が付与された原稿、あるいは“コピー禁止”、“複製厳禁”、“マル秘”などといった無断複製の禁止が要求される原稿(以下纏めて“機密原稿”ともいう)に対しても容易にコピーが行なわれてしまうという欠点がある。
【0008】
換言すれば、文字列、図形、表、グラフなどを含む原稿画像であって、重要情報が漏洩することを防止する必要がある、いわゆる“機密原稿”の印刷出力(プリントアウト)物の不正複製による重要情報(機密内容)の漏洩ということが問題となってきている。したがって、複写機能を持つ画像形成装置には、機密原稿の悪用複製を防止する機能を持たせることが必要である。
【0009】
このため、機密原稿の任意的・恣意的な複製動作を禁止あるいは一定範囲に制限する技術が種々提案されている。この技術の1つとして、複製偽造防止用紙を利用するものがある。ここで、複製偽造防止用紙とは、人間の目には見え難いが、複写機でコピーすると隠されていた警告文字などが浮かび上がってくる特写なパターン画像が予め印刷されている用紙である。たとえば、全面網点用紙、特に高線数網点と低線数網点を組み合わせた、いわゆる桜紙といわれるものがある。
【0010】
このような複製偽造防止用紙に印刷された文書を複写機でコピーした場合、コピー物には“複製禁止”などの警告文字が目立つように浮き出てくるので、不正にコピーする行為に対して心理的な抑止になるとともに、オリジナルとコピー物とを区別することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前述の孤立点除去機能を作用させて複製偽造防止用紙を使用した機密原稿を複写する場合、複製偽造防止機能が果たされないという問題が生じる。これは、複製偽造防止用紙を読み取った原稿画像を構成する個々の網点も基本的には孤立点であるので、孤立点除去機能によって、除去すべきでない低網点がノイズ孤立点として除去されることによる。全面網点原稿、特に高線数網点と低線数網点を組み合わせた桜紙原稿の場合、低線数網点原稿部分は除去してしまうと、桜紙としての機能を果たさない。
【0012】
この問題を解消するため、前述の特許文献1〜3の手法を利用して除去性能を制御することが考えられる。しかしながら、特許文献1,3に記載の手法は、網点領域か否かを注目画素近傍画素に基づいて判断するため、高線数網点に囲まれた低線数網点をノイズと誤判定する可能性があり、低線数網点原稿部分が除去されてしまう問題は解消されない。
【0013】
また、特許文献2に記載の手法は、濃度レベルを変えることで除去性能を制御するものであり、高線数網点と低線数網点とを切り分けることはできない。何れの網点部分も、濃度が同じだからである。この結果、濃度レベルを変えても、低線数網点原稿部分が除去されてしまう問題を解消することはできない。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、無断複製の禁止が必要とされる原稿を複写するに際し、その機能が維持されるようにすることのできる画像処理方法および装置、並びに、コンピュータを利用して前記方法や装置を実現するためのプログラムを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る画像処理方法は、原稿画像中に存在するノイズ孤立点の画素値をインアクティブな値にする孤立点除去機能を備えた画像処理方法であって、原稿画像を構成する各画素の内のノイズ孤立点らしい孤立点候補画素を検出し、この検出した孤立点候補画素を参照してノイズ孤立点に関わる画像特徴量を抽出し、この抽出した画像特徴量を参照して原稿画像が複製偽造防止機能を有する用紙を読み取って得られたものであるか否かを判定し、この判定結果に基づいて孤立点除去機能の動作を制御することとした。
【0016】
たとえば、原稿画像が複製偽造防止機能を有する用紙を読み取って得られたものである場合、孤立点除去機能のノイズ除去性能を低下させる、あるいは孤立点除去機能を停止させるとよい。
【0017】
本発明に係る画像処理装置は、前記本発明に係る画像処理方法を実施する装置であって、原稿画像を構成する各画素の内のノイズ孤立点らしい孤立点候補画素を検出する孤立点候補検出部と、孤立点候補検出部が検出した孤立点候補画素を参照してノイズ孤立点に関わる画像特徴量を抽出する特徴量抽出部と、孤立点候補検出部が検出した孤立点候補画素を参照して原稿画像中に存在するノイズ孤立点の画素値をインアクティブな値にする孤立点除去部と、特徴量抽出部が抽出した画像特徴量を参照して原稿画像が複製偽造防止機能を有する用紙を読み取って得られたものであるか否かを判定し、この判定結果に基づいて孤立点除去機能の動作を制御する孤立点処理制御部とを備えるものとした。
【0018】
たとえば、孤立点処理制御部は、原稿画像が複製偽造防止機能を有する用紙を読み取って得られたものである場合、孤立点除去機能のノイズ除去性能を低下させたり、孤立点除去機能を停止させたりする。
【0019】
また従属項に記載された発明は、本発明に係る画像処理装置のさらなる有利な具体例を規定する。本発明に係るプログラムは、本発明に係る画像処理方法や装置を、電子計算機を用いてソフトウェアで実現するために好適なものである。なお、プログラムは、コンピュータ読取り可能な記憶媒体に格納されて提供されてもよいし、有線あるいは無線による通信手段を介して配信されてもよい。
【0020】
【作用】
上記構成の画像処理方法および画像処理装置は、先ず、画像の中から、孤立点候補画素を孤立点候補検出部により検出する。特徴量抽出部は、孤立点候補検出部により検出された孤立点候補画素を参照して、画像全体または画像の一部、すなわち画像の大局的検知から、ノイズ孤立点に関わる画像特徴量を抽出する。孤立点処理制御部は、この画像特徴量を参照して原稿種別を判定する。つまり、孤立点除去処理を機能させたい通常原稿と孤立点除去処理を停止すべき機密原稿(複製偽造防止機能を有する用紙を読み取って得られた原稿)とを識別する。そして、この判定結果に基づいて、孤立点除去機能の動作を制御する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明に係る画像処理装置の一実施形態である画像処理部を搭載したカラー複写装置の一例の機構図である。このカラー複写装置1は、画像取得部10、画像処理部20、画像記録部30、ユーザインタフェース50、およびエディットパッド60を備える。エディットパッド60は、これによって編集を施す領域を設定することができる。
【0023】
画像取得部10は、プラテンガラス11上に載置された原稿を読み取って得た入力画像を赤、緑、青の各色成分のデジタル画像データに変換する。たとえばハロゲンランプを有する光源12からの光がプラテンガラス11上に載置された原稿を照射し、反対光が図示しない光学系を介して赤、緑、青の各色に分光される。そして各色光が、各色光用に分けられた、たとえばCCD(固体撮像素子)からなるラインセンサ(イメージセンサ)13に入射し、入力画像がたとえば400dpi(400ドット/1インチ)の解像度で読み取られることによって、赤、緑、青の各色成分のアナログの画像信号が得られる。
【0024】
さらに、信号処理部14において、図示しない増幅部がラインセンサ13からの赤、緑、青の各画像信号を所定のレベルまで増幅し、さらに図示しないA/Dコンバータがデジタルデータデータに変換することで、赤、緑、青のデジタル画像データR,G,BがA/Dコンバータから得られる。この赤、緑、青の画像データR,G,Bは、ケーブル15を通じて画像処理部20に送られる。
【0025】
この読取り時には、光源12からの光が原稿を全面に亘って照射し、ラインセンサ13が入力画像を全面に亘って読み取るように、光源12を含む光学系、ラインセンサ13および信号処理部14は、矢印16で示すように図1中の左方から右方に移動させられる。
【0026】
画像処理部20は、画像取得部10の信号処理部14からの赤、緑、青の画像データR,G,Bに基づいて、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のオンオフ2値化トナー信号を得、各トナー信号を画像出力部30に出力する。
【0027】
本実施形態の画像出力部30は、一方向に順次一定間隔をおいて並置されたK,Y,M,Cの各色の画像形成部31K,31Y,31M,31Cを有する。先端検出器44が、用紙カセット41から各画像形成部に搬送される用紙の搬送経路上に近接して設けられている。この先端検出器44は、用紙カセット41からレジストローラ42を通じて転写ベルト43上に送り出された用紙の先端をたとえば光学的に検出して先端検出信号を得、この先端検出信号を画像処理部20に送る。画像処理部20は、入力された先端検出信号に同期して、K,Y,M,Cの各色のオンオフ2値化トナー信号を順次一定間隔をおいて得る。
【0028】
画像出力部30においては先ず、半導体レーザ38Kは、画像処理部20からのブラックのオンオフ2値化トナー信号によって駆動されることで、ブラックのオンオフ2値化トナー信号を光信号に変換し、この変換されたレーザ光をポリゴンミラー39に向けて照射する。このレーザ光は、さらに反射ミラー47K,48K,49Kを介して一次帯電器33Kによって帯電された感光体ドラム32K上を走査することで、感光体ドラム32K上に静電潜像を形成する。
【0029】
この静電潜像は、ブラックのトナーが供給される現像器34Kによってトナー像とされ、このトナー像は、転写ベルト43上の用紙が感光体ドラム32Kを通過する間に転写帯電器35Kによって用紙上に転写される。そして転写後は、クリーナ36Kによって感光体ドラム32K上から余分なトナーが除去される。
【0030】
同様に、半導体レーザ38Y,38M,38Cは、画像処理部20からブラックのオンオフ2値化トナー信号に対して順次一定間隔をおいて得られる対応するY,M,Cの各色のオンオフ2値化トナー信号によって駆動されることで、各色のオンオフ2値化トナー信号を光信号に変換し、この変換されたレーザ光をポリゴンミラー39に向けて照射する。このレーザ光は、さらに反射ミラー47Y〜49Y,47M〜49M,47C〜49Cを介して一次帯電器33Y,33M,33Cによって帯電された感光体ドラム32K上を走査することで、感光体ドラム32Y,32M,32C上に静電潜像を順次形成する。
【0031】
各静電潜像は、各色のトナーが供給される現像器34Y,34M,34Cによって順次トナー像とされ、各トナー像は、転写ベルト43上の用紙が対応する感光体ドラム32Y,32M,32Cを通過する間に対応する転写帯電器35Y,35M,35Cによって用紙上に順次転写される。
【0032】
このようにK,Y,M,Cの各色のトナー像が順次多重転写された用紙は、転写ベルト43上から剥離され、定着ローラ45によってトナーが定着されて、複写機の外部に排出される。
【0033】
ユーザインタフェース50は、ユーザが所望の機能を選択して、その実行を指示するもので、この例においては、カラーCRTディスプレイ51およびハードコントロールパネル52を備え、さらに赤外線タッチボード53が組み合わされて、画面上のソフトボタンによって直接、所定の条件を指示できるようになっている。
【0034】
たとえば、画像処理部20が、カラー原稿であるのか白黒原稿であるのかを自動認識するACS機能(ACS;Automatic Colour Selection)を備えたものである場合には、このACS機能をオン/オフさせるモード切替ボタンが設けられる。また、この場合、後述する孤立点処理部63において孤立点制御処理を実行する際に参照される閾値レベルを設定する設定ボタンが設けられる。なお、この閾値レベルは、カラー/白黒の原稿種別の自動認識結果に応じて、そのレベルを切り替えることができるようにするとよい。
【0035】
また、原稿種別を自動認識するACS機能をオフさせたときに、文字/写真/混在(文字・写真)などの原稿モードをマニュアルで設定するためのモード指定ボタンを設けてもよい。すなわち、ユーザインタフェース50を原稿モード設定部として機能させる。また、出力側においても、カラー出力/モノクロ(白黒)出力の何れかに設定するための画像形成モード指定ボタンを設けてもよい。すなわち、ユーザインタフェース50を画像形成モード設定部として機能させる。
【0036】
これらの場合、後述する孤立点処理部63において孤立点制御処理を実行する際に参照される閾値レベルを設定する設定ボタンが設けられる。なお、この閾値レベルは、原稿モードや画像形成モードに応じて、そのレベルを切り替えることができるようにするとよい。
【0037】
図2は、上記構成のカラー複写機に設けられた、本発明の画像処理装置の一例である画像処理部20の一実施形態のブロック図である。この画像処理部20においては、画像取得部10の信号処理部14からの赤、緑、青の画像データR,G,Bが一旦ページメモリ62に記憶され、その後、本願発明の主要部である孤立点処理部63によりノイズ孤立点が除去され、さらに前段色補正処理部64により色補正が施される。
【0038】
次に、第1マトリクス部71は、画像データR,G,Bを均等色空間の明度信号L* 並びに彩度および色相を表す色度信号a* ,b* に変換し、その後編集処理部72は、明度信号L* および色度信号a* ,b* を色編集し、その後第2マトリクス部73は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、およびシアン(C)の各色の画像データに変換する。
【0039】
下地検知部74は、第1マトリクス部71からの明度信号L* に基づいて、プリスキャン時に入力画像の下地濃度(バックグランド濃度)を検知する。たとえば下地検知部74は、プリスキャン時に明度信号L* を、たとえば主走査方向、副走査方向(ラインセンサ13の移動方向)とも100%換算で6mmとなるサンプリング間隔でサンプリングして、原稿全面の下地濃度分布のヒストグラムを作成し、そのヒストグラムの度数を高濃度側から調べて、所定度数を超えた最初の濃度エリアに基づいて下地除去の閾値TLを決定する。なお、プリスキャンは、主走査および副走査の少なくとも一方について、読取解像度を粗くして走査するものであることが望ましい。
【0040】
像域検出部75aは、編集処理部72からの明度信号L* および色度信号a* ,b* に基づいて、たとえば8×8の画素ブロック単位で入力画像の文字部と絵柄部と識別し、たとえば文字部と識別された領域では「1」となり、絵柄部と識別された領域では「0」となる2値データを像域信号として得る。拡縮部75bは、この像域信号を、単純間引きや単純拡大によりラインセンサ13のライン方向である主走査方向に縮小または拡大(両者をまとめて変倍という)する。
【0041】
さらに拡縮部76は、第2マトリクス部73からのY,M,Cの各色のそれぞれ多値データである画像データを2点間補間により主走査方向に変倍し、平滑処理部77は、平滑用空間フィルタを用いて、拡縮部76により変倍されたY,M,Cの各色の画像データを拡縮部75bからの像域信号に応じて平滑処理する。
【0042】
平滑処理部77の平滑用空間フィルタは、モアレを除去したり中間調データを平滑化するもので、画像データに乗じられる係数が拡縮部75bからの2値データである像域信号に応じてリアルタイムに切り替えられる。たとえば、平滑用空間フィルタがカーネルサイズ3×3の場合には、平滑処理部77は、入力画像の文字部と識別された領域では、像域信号が「1」とされることによってモアレ除去を目的とした緩いローパスのフィルタ定数に切り替えられる一方、入力画像の絵柄部と識別された領域では、像域信号が「0」とされることによってきつめの平滑特性のフィルタ定数に切り替えられる。
【0043】
次に下色除去部78は、平滑処理部77からのY,M,Cの各色の画像データに基づいて、下色除去された新たなY,M,Cの各色の画像データおよびブラック(K)の画像データを生成し、次いで下地除去部79は、下地検知部74で検知された入力画像の下地濃度に応じて、K,Y,M,Cの各色の画像データを下地除去処理し、処理済データを符号化部81に入力する。具体的には、下地除去部79は、たとえばプリスキャン時に下地検知部74において決定された下地除去の閾値TLに基づいて、図示していない制御用プロセッサによって下地除去の入出力特性を設定し、画像データの下地除去処理をする。
【0044】
下地除去部79は、たとえば入力画像データが閾値TL以下のときには出力画像データをゼロレベルとする、すなわち下地濃度以下の画像データをカットする。また下地除去部79は、入力画像データが閾値TLを超え且つ閾値TLの1.5倍以下のときには、入力画像データのレベルと閾値TLとの差の3倍を出力画像データのレベルとし、さらに入力画像データが閾値TLの1.5倍を超えるときには、入力画像データをそのまま出力画像データとする。
【0045】
次に符号化部81は、下地除去部79により下地除去処理されたK,Y,M,Cの各色の画像データを、DCT(Discrete Cosine Transform )などの直行変換符号化やベクトル量子化などの方法により符号化して非可逆圧縮する。この後、書込部83は、符号化部81により非可逆圧縮されたK,Y,M,Cの各色の符号化画像データを、画像格納部の一例である画像メモリ82に同時に書き込むとともに、書込部85は、画像メモリ82と同様にK,Y,M,Cの各色用に合計4面用意された像域メモリ84に、拡縮部75bからの2値データである像域信号を同時に書き込む。
【0046】
次いで画像出力部30の先端検出器44からの先端検出信号に同期して、読出部86が、画像メモリ82からK,Y,M,Cの各色の符号化画像データを順次一定間隔をおいて読み出すとともに、読出部88が、像域メモリ84からK,Y,M,Cの各色用の同一内容の像域信号を順次一定間隔をおいて読み出す。復号化部89は、画像メモリ82から順次一定間隔をおいて読み出されたK,Y,M,Cの各色の符号化画像データを符号化部81における符号化方式に対応した復号化方式により復号化して元の画像データに戻す。
【0047】
強調処理部91に設けられたエッジ強調部92は、エッジ強調用空間フィルタを用いて、像域メモリ84から順次一定間隔をおいて読み出されたK,Y,M,Cの各色用の同一内容の像域信号に応じて、復号化部89から順次一定間隔をおいて読み出されたK,Y,M,Cの各色の復号化画像データを、エッジ強調処理する。たとえば、エッジ強調用空間フィルタがカーネルサイズ5×7の場合には、エッジ強調部91は、入力画像の文字部と識別された領域では強調特性を持たせる係数に切り替える一方、入力画像の絵柄部と識別された領域では素通しの特性とする係数に切り替える。
【0048】
エッジ強調部92の後段に設けられたガンマ補正部93は、エッジ強調部92から順次一定間隔おいて得られるエッジ強調処理されたK,Y,M,Cの各色の画像データを、像域メモリ84から順次一定間隔をおいて読み出されたK,Y,M,Cの各色用の同一内容の像域信号に応じてガンマ補正する。このガンマ補正部93は、たとえば2種類の非線形ルックアップテーブルを有し、像域メモリ84から読み出された2値データである像域信号に応じて入出力特性をリアルタイムに切り替える。
【0049】
たとえばガンマ補正部93は、入力画像の文字部と識別された領域ではエッジ強調特性を持たせた高ガンマ曲線の入出力特性に切り替える。一方、入力画像の絵柄部と識別された領域では忠実な階調再現がなされるような滑らかなガンマ曲線の入出力特性に切り替える。
【0050】
強調処理部91の後段に設けられた色補正処理部94は、画像処理部20の内部の特性値である濃度あるいは明度を表す各色の画像データK,Y,M,Cを、画像出力部30の特性値の面積率に応じて、色補正処理(TRC処理;Tone Reproduction Correction)する。
【0051】
上述した例は、平滑用空間フィルタ、エッジ強調用空間フィルタ、およびガンマ補正部93をそれぞれY,M,CまたはK,Y,M,Cの各色につき同一特性としていたが、各色ごとに最適な特性となるように特性を変えてもよい。
【0052】
また、画像出力部30は、1個のレーザ光スキャナによって1個の感光体ドラム上にK,Y,M,Cの各色の静電潜像が順次形成され、静電潜像が感光体ドラムの周囲に設けられた、それぞれK,Y,M,Cの各色のトナーが供給される現像器によって順次トナー像とされ、トナー像が転写ドラム上に吸着された用紙上に順次、多重転写される構成でもよい。
【0053】
なお、図示していないが、画像処理部20においては、色補正処理部94から順次一定間隔をおいて得られるK,Y,M,Cの各色の画像データがD/A変換されてプロセスカラーの階調トナー信号とされ、プロセスカラー階調トナー信号が2値化されてオンオフ2値化トナー信号に変換され、オンオフ2値化トナー信号が上述したように画像出力部30に出力される。
【0054】
図3は、画像処理部20の本発明の主要部である孤立点処理部63の第1実施形態に着目した機能ブロック図である。
【0055】
画像データパスとして、画像取得部10やページメモリ62などから構成される画像入力部610が孤立点処理部63の前段に設けられている。また、ユーザインタフェース(U/I)50により得られた設定情報が、当該カラー複写装置1の全体を制御するCPU(Central Processing Unit )620に入力されるようになっている。なお、図では示さないが、画像処理部20には、カラー原稿であるのか白黒原稿であるのかを自動認識するACS機能を実行する原稿種別自動判定部を備えているものとして構成してもよい。
【0056】
孤立点処理部63は、画像内のノイズを検知する手段として、画像入力部610から入力された画像データD10に基づいて、画像を構成する各画素の内のノイズ孤立点らしい孤立点候補画素の位置を検出して孤立点候補検出信号D12を出力する孤立点候補検出部640を備える。
【0057】
ここで、孤立点候補検出部640における検知能は、高線数網点と低線数網点を組み合わせた桜紙のような複製偽造防止用紙を使用した機密原稿を読み取った場合に、機密原稿画像を構成する個々の網点を、ノイズ孤立点として判定する程度のものとする。たとえば、孤立点候補検出部640は、3×3画素ブロック以下あるいは5×5画素ブロック以下の黒画素群を孤立点候補として検出し、検出した各孤立点候補の位置を示す孤立点信号D12(アクティブH)を出力する。この検知能は、従来の孤立点候補検出部640の検知能と何ら変わりのないものである。
【0058】
また、孤立点処理部63は、孤立点候補検出部640により得られた孤立点候補検出信号D12に基づいて、画像全体または画像の一部からノイズ孤立点に関わる画像特徴量を抽出する特徴量抽出部660を備える。この特徴量抽出部660は、ノイズ孤立点に関わる画像特徴量として、たとえば、ノイズ孤立点候補のカウント数Nを抽出する。このカウント数Nは、処理対象とした画像全体または画像の一部(たとえば画像辺縁部)におけるノイズ孤立点候補の絶対数N1であってもよいし、単位面積当たりのノイズ孤立点候補の個数を示す正規化カウント数N2であってもよい。また、孤立点候補検出部640により検知されるノイズ孤立点候補の大きさに応じてカウント数N1に重みを持たせた重付けカウント数N3をノイズ孤立点に関わる画像特徴量としてもよい。これらの中で、ノイズ孤立点候補の絶対数N1を画像特徴量として求める手法が最も簡単である。
【0059】
第1実施形態の孤立点処理部63は、桜紙のような複製偽造防止用紙を使用した機密原稿を複写対象とする場合に原稿種別を自動判別することでノイズ孤立点除去処理を制御することを目的とする。このため、ここで参照するノイズ孤立点候補の大きさは、高線数網点と低線数網点とを組み合わせた原稿画像を構成する個々の網点の大きさに着目したものとする。個々の網点の大きさは、複製偽造防止用紙によってほぼ一定しているとともに、その種別によって異なるものとなるからである。
【0060】
また、画像内におけるノイズ孤立点の分布を示す情報NBをノイズ孤立点に関わる画像特徴量としてもよい。以下の第1実施形態の説明では、孤立点候補検出部640は、ノイズ孤立点候補のカウント数N(特に絶対数N1)をノイズ孤立点に関わる画像特徴量として抽出するものとして、説明を進める。
【0061】
孤立点処理部63は、特徴量抽出部660により得られた画像特徴量(本例ではノイズ孤立点候補のカウント数N)に基づいて、ノイズ孤立点候補検出処理やノイズ孤立点除去処理の動作を制御する孤立点処理制御部680を備える。ここで、第1実施形態の孤立点処理制御部670は、CPU620と特徴量抽出部660とにより構成されている。
【0062】
さらに、孤立点処理部63は、孤立点候補検出部640により得られる孤立点候補検出信号D12に基づいて、画像中のノイズ孤立点を除去する孤立点除去部690を備える。この孤立点除去部690の機能は、従来技術でのものと同じである。
【0063】
孤立点処理制御部670を構成するCPU620は、特徴量抽出部660に対してカウント数N1との比較対象である閾値レベルD14を設定する。CPU620は、カラー複写装置1が原稿種別を自動認識するACS機能を備えたものである場合には、ユーザインタフェース50からのACS機能オンの設定情報を受け、カラー/白黒の原稿種別の自動認識結果に応じて、閾値レベルD14を切り替える。
【0064】
孤立点候補検出部640との兼ね合いもあり、一概には言えないが、定性的には、カラー原稿である場合と白黒原稿である場合とで、同じノイズレベル・同じ網点サイズであったとしても、孤立点候補検出信号D12の出力特性が微妙に異なる。原稿種別の自動認識結果に応じて閾値レベルD14を切り替えるのは、この影響を低減するためである。
【0065】
また、CPU620は、カラー複写装置1がACS機能を備えていない場合やACS機能オフの設定情報をユーザインタフェース50から受けたときには、原稿モードをマニュアルで設定するためのモード指定をユーザインタフェース50から受け付ける。また、出力側の画像形成モードとして、カラー出力/モノクロ出力の何れか設定情報をユーザインタフェース50から受け付ける。そして、CPU620は、原稿モードや画像形成モードに応じて、閾値レベルD14を切り替える。
【0066】
孤立点候補検出部640との兼ね合いもあり、一概には言えないが、定性的には、文字原稿/写真原稿/文字・写真混在原稿といった原稿種別によって、同じノイズレベル・同じ網点サイズであったとしても、孤立点候補検出信号D12の出力特性が微妙に異なる。原稿モードに応じて閾値レベルD14を切り替えるのは、この影響を低減するためである。
【0067】
また、カラー原稿を読み取ったときに白黒モードで複写出力するケースでは、複写物であることが明らかに分かり(オリジナルと異なるから)、桜紙のような複製偽造防止用紙を使用した機密原稿の印刷出力物上で、除去すべきでない低線数網点部分が多少除去されても偽造防止効果の問題が少ない。このため、原稿種別自動判別機能の誤動作防止の観点から、閾値レベルD14を比較的高めに設定しておいてもよい。
【0068】
これに対して、カラー原稿を読み取ったときにカラーモードで複写出力するケースでは、複製偽造防止用紙による偽造防止効果を確実に担保すべきであり、機密原稿の印刷出力物上では、除去すべきでない低線数網点部分を高品質に保つ必要がある。このため、閾値レベルD14を、後述するスレッシュホールドレベルの極近くに設定することが好ましい。
【0069】
なお、閾値レベルD14を設定する場合、カラー複写装置1の動作モードに応じて切り替えるか否かに拘わらず、読取対象の機密原稿の画像を構成する個々の網点の大きさ、つまり読取対象の機密原稿の種別に応じた値を設定する。このため、機密原稿の種別と閾値レベルD14とを対応付けたテーブルデータをメモリに登録しておき、複写動作時に、登録されている内容から選択する構成としておくことが好ましい。
【0070】
特徴量抽出部660は、自身が抽出したノイズ孤立点候補のカウント数N1とCPU620により設定された閾値レベルD14とを比較し、カウント数N1が閾値レベルD14以上になったら、原稿画像が複製偽造防止機能を有する用紙を読み取って得られたものであるとして、孤立点検出中止信号D16を孤立点候補検出部640に出力するように構成されている。孤立点候補検出部640は、特徴量抽出部660から孤立点検出中止信号D16を受け取ると、それ以降のノイズ孤立点候補検出処理を中止する。
【0071】
孤立点候補検出部640から出力される孤立点候補検出信号D12は、孤立点除去部690に入力されるようになっており、孤立点除去部690は、この孤立点候補検出信号D12に基づいて、画像中のノイズ孤立点を除去する。このため、結果的には、孤立点検出中止信号D16が特徴量抽出部660から出力された後には、孤立点除去部690におけるノイズ孤立点除去処理も中止されることとなる。すなわち、ノイズ孤立点候補検出処理の動作を直接的に制御すれば、実質的には、ノイズ孤立点除去処理の動作を間接的に制御することとなる。
【0072】
つまり、第1実施形態の構成によれば、孤立点処理制御部670は、特徴量抽出部660により抽出されるノイズ孤立点候補のカウント数N1を基にして、孤立点候補検出部640におけるノイズ孤立点候補検出処理の動作を直接的に制御することで、実質的には、孤立点候補検出部640におけるノイズ孤立点候補検出処理と孤立点除去部690におけるノイズ孤立点除去処理の両方の動作(纏めて孤立点処理の動作ともいう)を制御することとなる。
【0073】
また、CPU620は、カラー複写装置1における動作モードに応じて閾値レベルD14を切り替えることで、孤立点候補検出部640がノイズ孤立点の画素(正しくはノイズ孤立点候補の画素)であると判定する度合いを調整する。
【0074】
図4は、第1実施形態の孤立点処理部63における孤立点除去処理の手順の一例を示すフローチャートである。ユーザは、ユーザインタフェース50(図1参照)のハードコントロールパネル52や赤外線タッチボード53を介して、孤立点処理部63における原稿種別の自動判別モード(オン/オフ)を指示する(S100)。
【0075】
原稿種別の自動判別処理機能がオフされた状態では、CPU620は、特徴量抽出部660に対して処理中止指令D19を発する(S102−オフ、S104)。こうすることで、特徴量抽出部660から孤立点検出中止信号D16が発せられることはなくなり、どのような原稿を読取対象とする場合であっても、孤立点候補検出部640は通常のノイズ孤立点候補検出処理を行ない、また孤立点除去部690は通常のノイズ孤立点除去処理を行なうようになる(S106)。
【0076】
たとえば、原稿種別の自動判別処理機能にて誤動作を招くことを確実に排除したければ、自動判別処理機能をオフにすればよい。機密原稿でない通常の原稿を読取対象とする場合に、原稿種別の自動判別処理機能によって機密原稿であると誤判定されノイズ孤立点除去処理が停止されるということを防止することができる。なお、自動判別処理機能がオフされた状態では、桜紙のような複製偽造防止用紙を使用した機密原稿を読取対象とすると、除去すべきでない低網点がノイズ孤立点として除去されてしまう可能性がある。
【0077】
一方、自動判別処理機能がオンされた状態では、孤立点処理部63は、自動判別処理機能を利用した孤立点除去処理を開始する(S102−オン)。先ず、CPU620は、ACS機能のオン/オフや原稿モードあるいは画像形成モードなど、ユーザインタフェース50にて設定されているカラー複写装置1の動作モードを確認する(S110)。そして、カラー複写装置1の動作モードに応じた閾値レベルD14を特徴量抽出部660に設定する(S112)。こうすることで、ACS機能の結果が選択された原稿モードに応じて、ノイズ孤立点候補検出処理やノイズ孤立点除去処理を制御することができる。
【0078】
この後、ユーザによりスタートボタンが押下されると、カラー複写装置1は、複写動作を開始する(S120−YES)。先ず、特徴量抽出部660は、カウント数N1をリセットする(S122)。孤立点候補検出部640は、複写動作が開始されることで画像取得部10により得られる1枚目の原稿の画像データD10に基づいて、画像の先端側から後端側に向けて(走査速度の遅い副走査方向に)、画像を構成する各画素の内のノイズ孤立点らしい孤立点候補画素の位置を検出して、孤立点候補検出信号D12を出力する(S124)。走査速度の速い主走査方向についても同様に孤立点候補画素の位置を検出するのはいうまでもない。
【0079】
なお、主走査方向の全幅(原稿幅)を処理対象とする必要は必ずしもなく、所定幅のみを処理対象範囲としてもよい。こうすることで、処理速度を高めることができる。この場合、主走査方向の処理対象範囲に応じて閾値レベルD14を調整するとよい。
【0080】
孤立点処理制御部670を構成する特徴量抽出部660は、孤立点候補検出部640により得られた孤立点候補検出信号D12に基づいて、画像全体または画像の一部からノイズ孤立点に関わる画像特徴量として、ノイズ孤立点候補のカウント数N1を抽出する(S126)。そして、同じく孤立点処理制御部670を構成するCPU620により設定された閾値レベルD14とカウント数N1とを逐次比較する(S130)。
【0081】
原稿先端から後端側に向けて処理をしている過程でカウント数N1が閾値レベルD14を超えると、特徴量抽出部660は、孤立点検出中止信号D16を孤立点候補検出部640に出力する(S130−YES,S132)。これを受けて、孤立点候補検出部640は、処理中の原稿画像について、それ以降のノイズ孤立点候補検出処理を中止する(S134)。
【0082】
孤立点除去部690は、孤立点候補検出部640から出力される孤立点候補検出信号D12に基づいて画像中のノイズ孤立点を除去するが、孤立点検出中止信号D16が特徴量抽出部660から出力された後には、孤立点候補検出信号D12がアクティブとなることはないので、孤立点検出中止信号D16が発せられた後には、事実上ノイズ孤立点除去処理を中止することとなる(S136)。この場合、孤立点除去部690は、それ以降はノイズ孤立点除去処理を施さないままで画像データを後段の処理部へ渡す。そして、孤立点処理部63は、次原稿があれば(S142−YES)、ステップS122に戻り、上記同様の処理を繰り返す。次原稿がなければ(S142−NO)、処理を終了する。
【0083】
一方、原稿全面に亘って上記処理を行なってもカウント数N1が閾値レベルD14を超えないときには(S130−NO、S140−YES)、孤立点候補検出部640および孤立点除去部690は、従来通りの処理を行ない、孤立点除去部690は原稿全面についてノイズ孤立点除去処理を施した処理済の画像データを後段の処理部へ渡す。そして、孤立点処理部63は、次原稿があれば(S142−YES)、ステップS122に戻り、上記同様の処理を繰り返す。次原稿がなければ(S142−NO)、処理を終了する。
【0084】
上記ステップS130の比較処理において、特徴量抽出部660により抽出されたカウント数N1が閾値レベルD14以上になるということは、閾値レベルD14以上の数のノイズ孤立点が検知されたということを意味する。通常の原稿であれば、ノイズ孤立点が極度に多くなるケースは希である。一方、高線数網点と低線数網点を組み合わせた桜紙のような複製偽造防止用紙を使用した機密原稿を読取対象とする場合、原稿画像中の個々の網点は、基本的には孤立点であるので、この機密原稿を読み取った場合に検知され得るカウント数N1は、ほぼ確実に大量となる。
【0085】
そこで、閾値レベルD14を、複製偽造防止用紙を使用した機密原稿を読み取った場合に検知され得る限界のカウント数であるスレッシュホールドレベルよりもやや低めに設定しておけば、機密原稿を読み取った場合には、カウント数N1が確実に閾値レベルD14を超え孤立点検出中止信号D16が出力される。一方、通常の原稿を読み取った場合には、カウント数N1が確実に閾値レベルD14以下となり孤立点検出中止信号D16が出力されないようにすることができる。
【0086】
つまり、特徴量抽出部660がノイズ孤立点に関わる画像特徴量として抽出するカウント数N1を参照することで、桜紙のような複製偽造防止用紙を使用した機密原稿と通常原稿とを峻別することができる。そして、カウント数N1が閾値レベルD14を超えたときには機密原稿であるとして孤立点検出中止信号D16を孤立点候補検出部640に入力することで、機密原稿に対する孤立点除去処理を行なわないようにすることができる。
【0087】
そしてこれにより、桜紙のような複製偽造防止用紙を使用した機密原稿を対象とした複写動作時に孤立点除去処理を自動制御することができ、印刷出力物において、除去すべきでない低網点を高品質に保つことができ、複製偽造防止機能を確実に果たすことができる。
【0088】
なお、通常原稿の場合、原稿辺縁からノイズ孤立点が検出されることは殆どあり得ない。一方、桜紙のような複製偽造防止用紙を用いた原稿は、その全面に高線数網点と低線数網点とが組み合わされているので、原稿辺縁からノイズ孤立点が検出される。したがって、孤立点候補検出部640におけるノイズ孤立点候補検出処理を原稿全面について行なわなくても、画像の辺縁部(たとえば先端)における孤立点数が閾値レベルD14を超えたときに孤立点除去を行なわないようにすることができる。すなわち、原稿辺縁部のカウント数N1を参照して閾値レベルD14と比較することでも、十分に、機密原稿(たとえば桜紙原稿)と通常原稿とを峻別することができる。なお、原稿全面のカウント数N1を参照するのか、原稿辺縁部のカウント数N1を参照するのかに応じて、閾値レベルD14を切り替えるとよいのはいうまでもない。
【0089】
上記処理手順では、原稿を読み取りながらカウント数N1と閾値レベルD14とを比較し、カウント数N1が閾値レベルD14を超えた時点から孤立点候補検出部640や孤立点除去部690における処理を停止するという、リアルタイム処理を行なうものとしていたが、必ずしも、リアルタイム処理でなくてもよい。たとえば、予めプリスキャンを行なって、画像全体からノイズ孤立点に関わる画像特徴量としてのノイズ孤立点候補のカウント数N1を抽出し、この画像全体のカウント数N1と画像全体に応じた閾値レベルD14とを比較することで、事前に機密原稿と通常原稿とを峻別しておいてもよい。この場合、カウント数N1が閾値レベルD14を超えたケースでは機密原稿であると判定し、本番の読取りの最初から、孤立点候補検出部640や孤立点除去部690における処理を停止するようにする。
【0090】
桜紙のような複製偽造防止用紙を用いた機密原稿を読取対象とする場合において、リアルタイム処理の場合には、機密原稿である(N1>D14)と判定されるまでの間である原稿先端側で、低線数網点部分を除去してしまい複製偽造防止用紙としての機能を果たさないことが起こり得るが、プリスキャンを行なう場合には、複製偽造防止用紙であるか否かを正しく判断することができ、この問題をほぼ確実に防止することができる。
【0091】
また、上記第1実施形態の孤立点処理部63の構成では、リアルタイム処理であるのかプリスキャンを行なう処理であるのかを問わず、特許文献1,3のように網点領域か否かを注目画素近傍画素に基づいて判断するというものではない。すなわち、第1実施形態の孤立点処理部63の構成では、画像の大局的検知から、ノイズ孤立点に関わる画像特徴量としてのカウント数N1を抽出するようにしており、高線数網点に囲まれた低線数網点をノイズと誤判定する可能性を、ほぼ皆無にすることができる。なお、本実施形態での「大局的」の範囲は、隣接する数画素の領域である特許文献1に記載のものと比べると遙かに広い。
【0092】
また、上記第1実施形態の孤立点処理部63の構成では、リアルタイム処理であるのかプリスキャンを行なう処理であるのかを問わず、特許文献2のように濃度レベルを参照して機密原稿であるか否を判断するというものではなく、前述のように、孤立点除去処理を機能させたい通常原稿と孤立点除去処理を停止すべき機密原稿(たとえば桜紙原稿)とを確実に識別することもできる。
【0093】
これにより、第1実施形態の孤立点処理部63の構成では、桜紙のような複製偽造防止用紙を使用した機密原稿の印刷出力物上で、除去すべきでない低網点を確実に高品質に保つことができる。
【0094】
図5は、孤立点処理部63の第2実施形態に着目した機能ブロック図である。この第2実施形態の孤立点処理部63は、第1実施形態の構成に加えて、画像内の領域属性を判別するT/I(text/image)分離信号(属性判別信号、以下TAG信号という)D22と孤立点候補検出信号D12とを合成して取り扱う画像属性信号処理部680を備えている点に特徴を有する。
【0095】
図示するように、画像属性信号処理部680は、画像入力部610から入力された画像データD10に基づいて画像内のオブジェクトの属性(領域属性)を判別してTAG信号D22を生成する画像属性検出部682と、画像属性検出部682により生成されたTAG信号D22と孤立点候補検出部640により検知された孤立点候補検出信号D12とを合成して処理制御信号D24を生成する信号合成部684と、画像入力部610からの画像データD10と処理制御信号D24とを対応付けて記憶する記憶部の一例であるメモリ686とを備える。メモリ686は、記憶対象の各データD10,D24に応じて個別のメモリ(第1の記憶と第2の記憶部)を使用してもよい。
【0096】
画像属性検出部682は、網点検出、エッジ検出、彩度検出外部入力TAGによるフィルタ8面切替信号を生成する。また、網点検出、エッジ検出、エッジ方向検出、彩度検出結果によるフィルタ切替信号およびTAG信号D22を生成する。あるいは、外部TAG入力モードによるフィルタ切替信号を生成し、フィルタ切替信号とTAG信号D22とを合成して新たなTAG信号D22としてもよい。
【0097】
また、画像属性検出部682は、エリアTAG信号D22を生成することも可能である。たとえば、主走査および副走査側のドットナンバーおよびラインナンバー指定によるエリア分割をする。このエリア分割は、たとえば16分割まで対応可能とする。そして、エリアごとにレジスタに設定された3ビットのエリアTAG信号D22を出力する。以下の説明では、画像属性検出部682は、3ビットのエリアTAG信号D22を出力するものとして、説明を進める。
【0098】
信号合成部684は、1ビットの孤立点候補検出信号D12と3ビットのエリアTAG信号D22とを合成して処理制御信号D24を生成するが、この際、単純に合成して4ビットの処理制御信号D24とするのではなく、単純合成の信号幅(本例では4ビット)よりも小さくする。つまり、ビット幅を圧縮する。
【0099】
メモリ686に処理制御信号D24が記憶されるが、この処理制御信号D24には孤立点候補検出信号D12が合成されて埋め込まれているので、結果として、メモリ686は、画像内のノイズ孤立点(詳しくはその候補)を示す孤立点候補検出信号D12を記憶する手段として機能する。同様に、処理制御信号D24にはTAG信号D22が合成されて埋め込まれているので、結果として、メモリ686は、画像の属性を示すTAG信号D22を記憶する手段として機能する。
【0100】
第2実施形態の孤立点処理制御部670は、CPU620のみによって構成される。このCPU620は、第1実施形態と異なり、特徴量抽出部660に対して閾値レベルD14を設定するものではない。
【0101】
第2実施形態の特徴量抽出部660は、第1実施形態と同様に、孤立点候補検出部640により得られた孤立点候補検出信号D12に基づいて、画像全体または画像の一部からノイズ孤立点に関わる画像特徴量として、ノイズ孤立点候補のカウント数N1を抽出する。ただし、第1実施形態と異なり、CPU620からは閾値レベルD14が設定されておらず、閾値レベルD14とカウント数N1との比較を行なわないで、カウント数N1をCPU620に逐次渡す。
【0102】
CPU620は、特徴量抽出部660から受け取ったカウント数N1に基づき、孤立点除去部690に所定の除去設定を行なうことで、孤立点除去部690におけるノイズ孤立点除去処理の動作を制御する。たとえば、CPU620は、ACS機能のオン/オフや原稿モードあるいは画像形成モードなど、ユーザインタフェース50にて設定されているカラー複写装置1の動作モードに応じた閾値レベルD15を自身に設定する。そして、閾値レベルD15とカウント数N1とを比較し、カウント数N1が閾値レベルD15を超えると、ノイズ除去を行なわないようにするパラメータを孤立点除去部690に設定する。
【0103】
孤立点候補検出信号D12が処理制御信号D24に埋め込まれてメモリ686に記憶される。孤立点除去部690は、メモリ686から画像データD10と処理制御信号D24とを読み出し、処理制御信号D24に基づいてノイズ孤立点除去処理を実行する。このとき、孤立点除去部690は、処理制御信号D24から孤立点候補検出信号D12を抽出し、CPU620からの制御に従いつつ、抽出した孤立点候補検出信号D12を参照してノイズ孤立点除去処理を実行する。
【0104】
つまり、第2実施形態の孤立点処理部63の構成では、孤立点候補検出部640および特徴量抽出部660により、ノイズ孤立点に関わる画像特徴量としてのカウント数N1を生成しながらノイズ検知を行なって、孤立点候補検出信号D12をメモリ686に記憶し、このメモリ686から孤立点候補検出信号D12を読み出しながら、カウント数N1に基づいてノイズ除去を行なう。
【0105】
図6は、信号合成部684におけるビット幅圧縮処理の一例を説明する図である。信号合成部684は、1ビットの孤立点候補検出信号D12と3ビットのエリアTAG信号D22とを合成しかつビット圧縮して、単純合成の信号幅(本例では4ビット)よりもビット幅の小さな(本例では3ビットの)処理制御信号D24を生成する。こうすることで、孤立点候補検出信号D12のためのメモリを削減することができる。集積回路にて孤立点処理部63を構成する場合に有効である。
【0106】
たとえば、図示するように、エリアTAG信号D22が文字を示し、かつ孤立点候補検出信号D12がアクティブ(ノイズ孤立点)であるときには、文字を示す処理制御信号D24を出力する。また、エリアTAG信号D22が絵柄(イメージ)を示し、かつ孤立点候補検出信号D12がアクティブ(ノイズ孤立点)であるときには、ノイズ孤立点を示す処理制御信号D24を出力する。
【0107】
その他の事例については、図6を参照するとよい。基本的な考え方は、孤立点候補検出信号D12がインアクティブである(ノイズ孤立点でない)ときには、エリアTAG信号D22そのものを処理制御信号D24として出力する。一方、孤立点候補検出信号D12がアクティブ(ノイズ孤立点)であるときには、絵柄の度合いが強いほど、ノイズ孤立点の情報が処理制御信号D24に現れるようにする。
【0108】
図7は、第2実施形態の孤立点処理部63における孤立点除去処理の手順の一例を示すフローチャートである。特徴量抽出部660が、ノイズ孤立点候補のカウント数N1を抽出するまでの処理(S126)は、第1実施形態の処理手順と基本的には同じである。
【0109】
ただし、画像入力部610は、画像取得部10から画像データを得る都度、画像データD10をメモリ686に格納する(S150)。また、孤立点候補検出部640は、検出した孤立点候補検出信号D12を特徴量抽出部660に入力するだけでなく、信号合成部684にも入力する(S152)。また、画像属性検出部682は、画像入力部610から入力された画像データD10に基づいて画像内の領域属性を判別してTAG信号D22を生成し、信号合成部684に入力する(S154)。信号合成部684は、孤立点候補検出信号D12とTAG信号D22とを合成しかつビット圧縮して、ビット幅を小さくした処理制御信号D24としてメモリ686に格納する(S156)。
【0110】
これと並行して、特徴量抽出部660は、孤立点候補検出部640からの孤立点候補検出信号D12に基づいてカウント数N1を抽出し、原稿全面についてのカウント数N1を求めたら(S160−YES)、そのカウント数N1をCPU620に渡す(S162)。CPU620は、閾値レベルD15とカウント数N1とを比較する(S170)。そして、カウント数N1が閾値レベルD15を超えていたときには、CPU620は、ノイズ孤立点除去処理を中止させるためのパラメータD17を孤立点除去部690に設定する(S170−YES,S172)。この場合、孤立点除去部690は、ノイズ孤立点除去処理を施さないままで画像データを後段の処理部へ渡すこととなる(S174)。
【0111】
一方、原稿全面についてのカウント数N1が閾値レベルD15を超えていないときには、孤立点候補検出部640および孤立点除去部690は、従来通りの処理を行ない、孤立点除去部690はノイズ孤立点除去処理を施した処理済の画像データを後段の処理部へ渡す(S170−NO,S174)。
【0112】
そして、孤立点処理部63は、次原稿があれば(S176−YES)、ステップS122に戻り、上記同様の処理を繰り返す。次原稿がなければ(S176−NO)、処理を終了する。
【0113】
以上説明したように、第2実施形態の孤立点処理部63の構成では、第1実施形態の孤立点処理部63の構成と同様に、ノイズ孤立点に関わる画像特徴量としてのカウント数N1を抽出するようにしており、高線数網点に囲まれた低線数網点をノイズと誤判定する可能性を、ほぼ皆無にすることができる。また、濃度レベルを参照して機密原稿であるか否を判断するものではなく、第1実施形態のように、孤立点除去処理を機能させたい通常原稿と孤立点除去処理を停止すべき機密原稿(たとえば桜紙原稿)とを確実に識別することができる。
【0114】
これにより、第2実施形態の孤立点処理部63の構成でも、第1実施形態と同様に、桜紙のような複製偽造防止用紙を使用した機密原稿の印刷出力物上で、除去すべきでない低網点を確実に高品質に保つことができる。
【0115】
また、第2実施形態の孤立点処理部63では、画像データD10と孤立点候補検出信号D12とを記憶するメモリ686を備えた構成としているので、プリスキャンなしに孤立点除去機能を原稿種別に応じて自動制御することができる。つまり、画像全体の情報を使用して孤立点除去処理の動作を制御するので、第1実施形態の構成にてプリスキャンを行なう場合と同様に、桜紙のような複製偽造防止用紙であるか否かを正しく判断することができる。
【0116】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0117】
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0118】
たとえば、上記各実施形態での処理手順では、孤立点候補検出部640は、ノイズ孤立点候補のカウント数N(特に絶対数N1)をノイズ孤立点に関わる画像特徴量として抽出するものとして説明したが、先にも述べたように、この画像特徴量は、単位面積当たりのノイズ孤立点候補の個数を示す正規化カウント数や、ノイズ孤立点候補の大きさに応じてカウント数N1に重みを持たせた重付けカウント数、あるいは画像内のノイズ孤立点の分布を示す情報であってもよい。
【0119】
孤立点処理制御部670は、この画像特徴量を参照して、ノイズ孤立点候補検出処理やノイズ孤立点除去処理の少なくとも一方の動作を直接的に制御すればよい。先にも述べたように、ノイズ孤立点候補検出処理の動作を直接的に制御すれば、実質的には、ノイズ孤立点除去処理の動作を間接的に制御することとなる。
【0120】
また、上記各実施形態での処理手順では、原稿画像が複製偽造防止機能を有する用紙を読み取って得られたものであると判定されると、ノイズ孤立点除去処理を中止する(ノイズ除去性能=ゼロと等価)ようにしていたが、これに限らず、孤立点除去機能のノイズ除去性能を低下させるだけでも構わない。これによっても、低線数網点原稿部分が除去されてしまう問題は従来よりも改善される。
【0121】
また、上述した、ノイズ検知結果からノイズ孤立点に関わる画像特徴量を抽出し、この画像特徴量を参照して原稿種別を判定することで孤立点除去機能の動作を制御する一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ(組込みマイコンなど)、または、各種のプログラムをインストールすることで各種の機能を実行することが可能な汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0122】
この記録媒体は、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory )、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc )を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、コンピュータに予め組み込まれた状態でユーザに提供されてもよいし、プログラムが記録されているROMやハードディスクなどで構成されてもよい。あるいは、ソフトウェアを構成するプログラムが、通信網を介して提供されてもよい。
【0123】
このようなソフトウェアを利用するシステム構成においては、たとえば前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムに供給し、そのシステムのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによって、上記実施形態で述べた効果が達成される。この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステムOSなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合であってもよい。
【0124】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって前述の実施形態の機能が実現される場合であってもよい。
【0125】
なお、上記実施形態で述べた処理を実現するプログラムコードを記述したファイルとしプログラムが提供されるが、この場合、一括のプログラムファイルとして提供されることに限らず、システムのハードウェア構成に応じて、個別のプログラムモジュールとして提供されてもよい。
【0126】
【発明の効果】
以上のように、本発明の画像処理装置は、画像の中から孤立点候補画素を検出し、この検出した孤立点候補画素を参照して、画像全体または画像の一部からノイズ孤立点に関わる画像特徴量を抽出する。そして、この画像特徴量を参照して原稿種別を判定し、この判定結果に基づいて、ノイズ孤立点候補検出処理やノイズ孤立点除去処理の少なくとも一方の動作を制御するようにした。
【0127】
画像の大局的検知からノイズ孤立点に関わる画像特徴量を抽出することで原稿種別を適切に判別するようにしているので、高線数網点に囲まれた低線数網点をノイズと誤判定する可能性を、ほぼ皆無にすることができるようになった。これにより、高線数網点と低線数網点を組み合わせた桜紙のような複製偽造防止用紙を使用した原稿を読み取った場合においても、孤立点処理の動作を適切に制御することができるようになった。
【0128】
たとえば、原稿画像が複製偽造防止機能を有する用紙を読み取って得られたものであると判定できたときには、孤立点除去機能の性能を低下させたりを停止させたりすることで、印刷出力物上において、原稿画像を構成する個々の網点のうち、除去すべきでない低網点を確実に高品質に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像処理装置の一例を搭載したカラー複写機の一例の機構図である。
【図2】本発明の画像処理装置の一例である画像処理部の一実施形態のブロック図である。
【図3】孤立点処理部の第1実施形態を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態の孤立点処理部における孤立点除去処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】孤立点処理部の第2実施形態を示すブロック図である。
【図6】信号合成部のビット幅圧縮処理の一例を説明する図である。
【図7】第2実施形態の孤立点処理部における孤立点除去処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…カラー複写装置、10…画像取得部、20…画像処理部、30…画像記録部、50…ユーザインタフェース、63…孤立点処理部、610…画像入力部、620…CPU、640…孤立点候補検出部、660…特徴量抽出部、670…孤立点処理制御部、680…画像属性信号処理部、682…画像属性検出部、684…信号合成部、686…メモリ、690…孤立点除去部、D10…画像データ、D12…孤立点候補検出信号、D14,D15…閾値レベル、D16…孤立点検出中止信号、D17…パラメータ

Claims (17)

  1. 原稿画像中に存在するノイズ孤立点の画素値をインアクティブな値にする孤立点除去機能を備えた画像処理方法であって、
    原稿画像を構成する各画素の内のノイズ孤立点らしい孤立点候補画素を検出し、
    この検出した孤立点候補画素を参照して、ノイズ孤立点に関わる画像特徴量を抽出し、
    この抽出した画像特徴量を参照して、前記原稿画像が複製偽造防止機能を有する用紙を読み取って得られたものであるか否かを判定し、
    この判定結果に基づいて、前記孤立点除去機能の動作を制御する
    ことを特徴とする画像処理方法。
  2. 前記原稿画像が複製偽造防止機能を有する用紙を読み取って得られたものである場合、前記孤立点除去機能のノイズ除去性能を低下させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
  3. 前記原稿画像が複製偽造防止機能を有する用紙を読み取って得られたものである場合、前記孤立点除去機能を停止させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
  4. 原稿画像中に存在するノイズ孤立点の画素値をインアクティブな値にする孤立点除去機能を備えた画像処理装置であって、
    原稿画像を構成する各画素の内のノイズ孤立点らしい孤立点候補画素を検出する孤立点候補検出部と、
    前記孤立点候補検出部が検出した孤立点候補画素を参照して、ノイズ孤立点に関わる画像特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
    前記孤立点候補検出部が検出した孤立点候補画素を参照して、前記原稿画像中に存在するノイズ孤立点の画素値をインアクティブな値にする孤立点除去部と、
    前記特徴量抽出部が抽出した画像特徴量を参照して、前記原稿画像が複製偽造防止機能を有する用紙を読み取って得られたものであるか否かを判定し、この判定結果に基づいて、前記孤立点除去機能の動作を制御する孤立点処理制御部と
    を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  5. 前記孤立点処理制御部は、前記原稿画像が複製偽造防止機能を有する用紙を読み取って得られたものである場合、前記孤立点除去機能のノイズ除去性能を低下させる、または前記孤立点除去機能を停止させる
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記孤立点処理制御部は、前記孤立点候補検出部における孤立点候補画素の検出処理および前記孤立点除去部におけるノイズ孤立点の画素値をインアクティブな値にするノイズ除去処理のうちの少なくとも一方を制御する
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の画像処理装置。
  7. 前記特徴量抽出部は、前記原稿画像内のノイズ孤立点の数を前記画像特徴量として抽出する
    ことを特徴とする請求項4から6のうちの何れか1項に記載の画像処理装置。
  8. 前記特徴量抽出部は、前記原稿画像における辺縁部について前記画像特徴量を抽出する
    ことを特徴とする請求項4から7のうちの何れか1項に記載の画像処理装置。
  9. 前記特徴量抽出部は、前記原稿画像の一方の辺縁から他方の辺縁に向けて、前記原稿画像内のノイズ孤立点の数を前記画像特徴量として抽出し、
    前記孤立点処理制御部は、前記特徴量抽出部が前記画像特徴量を抽出している過程において、当該画像特徴量が所定の閾値を超えたときに、前記原稿画像が複製偽造防止機能を有する用紙を読み取って得られたものであるとして前記孤立点除去機能を停止させる
    ことを特徴とする請求項4から7のうちの何れか1項に記載の画像処理装置。
  10. 前記特徴量抽出部は、プリスキャンによって得られる前記原稿画像の全体に基づいて前記画像特徴量を抽出する
    ことを特徴とする請求項4から7のうちの何れか1項に記載の画像処理装置。
  11. 前記原稿画像を記憶する第1の記憶部と、
    前記孤立点候補検出部が検出した孤立点候補画素の情報を記憶する第2の記憶部と
    を備え、
    前記孤立点処理制御部は、前記特徴量抽出部が抽出した画像特徴量を参照して前記孤立点除去部におけるノイズ除去処理の性能を規定するパラメータを設定し、
    前記孤立点除去部は、前記孤立点処理制御部により設定されたパラメータに基づいて、前記第1の記憶部から前記原稿画像を読み出しかつ前記第2の記憶部から前記孤立点候補画素の情報を読み出しながら前記ノイズ除去処理を実行する
    ことを特徴とする請求項4から7のうちの何れか1項に記載の画像処理装置。
  12. 前記原稿画像内のオブジェクトの属性を判別する属性判別信号を生成する画像属性検出部と、
    前記画像属性検出部により生成された属性判別信号と前記孤立点候補検出部により検知された前記孤立点候補画素を示す孤立点候補検出信号とを合成するとともに、前記属性判別信号のビット幅よりも小さなビット幅の処理制御信号を生成する信号合成部と
    を備え、
    前記孤立点処理制御部は、前記特徴量抽出部が抽出した画像特徴量を参照して前記孤立点除去部におけるノイズ除去処理の性能を規定するパラメータを設定し、
    前記孤立点除去部は、前記孤立点処理制御部により設定されたパラメータと前記信号合成部により生成された処理制御信号とに基づいて前記ノイズ除去処理を実行する
    ことを特徴とする請求項4から7のうちの何れか1項に記載の画像処理装置。
  13. 前記原稿画像を記憶する第1の記憶部と、
    前記信号合成部が生成した処理制御信号を記憶する第2の記憶部と
    を備え、
    前記孤立点除去部は、前記孤立点処理制御部により設定されたパラメータに基づいて、前記第1の記憶部から前記原稿画像を読み出しかつ前記第2の記憶部から前記処理制御信号を読み出しながら前記ノイズ除去処理を実行する
    ことを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。
  14. 原稿がカラー原稿であるのか白黒原稿であるのかを自動認識する原稿種別自動判定部を備え、
    前記孤立点処理制御部は、前記原稿画像が複製偽造防止機能を有する用紙を読み取って得られたものであるか否かの判定閾値を、前記原稿種別自動判定部の判定結果に応じて切り替える
    ことを特徴とする請求項4から13のうち何れか1項に記載の画像処理装置。
  15. 原稿が、モノクロ原稿、写真原稿、あるいはこれらが混在した混在原稿のうちの何れであるのかをマニュアルで設定する原稿モード設定部を備え、
    前記孤立点処理制御部は、前記原稿画像が複製偽造防止機能を有する用紙を読み取って得られたものであるか否かの判定閾値を、前記原稿モード設定部の設定結果に応じて切り替える
    ことを特徴とする請求項4から13のうち何れか1項に記載の画像処理装置。
  16. 出力モードが、モノクロ出力およびカラー出力のうちの何れであるのかをマニュアルで設定する画像形成モード設定部を備え、
    前記孤立点処理制御部は、前記原稿画像が複製偽造防止機能を有する用紙を読み取って得られたものであるか否かの判定閾値を、前記画像形成モード設定部の設定結果に応じて切り替える
    ことを特徴とする請求項4から15のうち何れか1項に記載の画像処理装置。
  17. 原稿画像中に存在するノイズ孤立点の画素値をインアクティブな値にする孤立点除去処理をコンピュータを利用して行なうためのプログラムであって、
    原稿画像を構成する各画素の内のノイズ孤立点らしい孤立点候補画素を検出する手順と、
    この検出した孤立点候補画素を参照して、ノイズ孤立点に関わる画像特徴量を抽出する手順と、
    この抽出した画像特徴量を参照して、前記原稿画像が複製偽造防止機能を有する用紙を読み取って得られたものであるか否かを判定する手順と、
    この判定結果に基づいて、前記孤立点除去機能の動作を制御する手順と
    を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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