JP2004201002A - デジタル信号伝送システムの受信マージン検出装置及び受信マージン検出方法 - Google Patents

デジタル信号伝送システムの受信マージン検出装置及び受信マージン検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】受信マージンを簡単且つ短時間に検出する。
【解決手段】デジタル放送信号では、変調方式と符号化率により、C/N値と誤り率との間に一定の理論値カーブ特性が得られる。そこで、C/N理論値算出回路21において、FFT処理回路16で得られるTMCC信号から変調方式及び符号化率を判別し、対応する理論値カーブ特性から受信限界点の誤り率に相当するC/N理論値を算出する。ノイズ制御回路22は、C/N理論値とC/N検出値の差分値に所定値を加算し、制御初期値としてこれに相当するノイズ発生量をノイズ発生源14に発生させ、このノイズを受信信号に加えてC/Nを劣化させる。誤り訂正・復号回路18で得られる誤り率が許容限界値に達するまでノイズ発生量を増加させ、許容限界値に達した時点で、ノイズ制御前後におけるC/N検出値の変化量を求め、受信マージンとして出力する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば衛星デジタル放送、地上波デジタル放送、デジタルFPU(Field Pickup Unit)伝送のような、誤り訂正符号化処理が施されたデジタル信号を伝送するデジタル信号伝送システムに用いられ、受信側で受信マージン(余裕度)を検出するための受信マージン検出装置及び受信マージン検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、運用開始予定の地上波デジタル放送は、アナログ放送とのサイマルで導入されるため、各チャンネルの置局状況が複雑化し、SFN(Single FrequencyNetwork)難視の問題など、受信障害が各地に発生することが予想される。このため、受信箇所での受信品質を的確に把握することが不可欠となる。
【0003】
従来のアナログ放送の場合には、受信品質の劣化(伝送路劣化)の度合いは、映像信号や音声信号の劣化の度合いを視覚的、聴覚的に確認することによって行うことができた。ところが、デジタル放送の場合には、クリフエフェクトの特性により、受信限界点に対する受信マージンについては、受信品質の劣化の度合いで段階的に確認することができない。受信ができている状態でも、時間的な変動によってC/Nがわずかに劣化した場合に受信障害となることが考えられる。
【0004】
受信マージンを検出する方法として、一般的には、受信信号にC/Nが無限大の状態からノイズを付加し、このノイズを徐々に増加して誤り率を計測し、この誤り率が規定レベル以下になるまでの変化の度合いから受信マージンを把握する方法がとられている。しかしながら、この方法では、C/Nが無限大の状態からノイズを付加して、誤り率が規定レベルになるまでノイズを徐々に増加させるという、試行錯誤的な調整が必要なため、検出結果を得るまでに時間がかかりすぎる。特に、地上波デジタル放送受信のためのアンテナ設置作業等において、多数のチャンネルについて受信マージンをチェックする必要がある場合には、かなりの作業時間を要することになり、作業効率の改善が求められている。
【0005】
従来の他の受信マージン検出方法として、受信レベルを減衰させたときの誤り率の変化から受信マージンを検出するといった方法もある(例えば特許文献1参照)。しかしながら、この方法も試行錯誤的に減衰量を制御するため、上述の問題を解決するには至らない。
【0006】
尚、信号波にノイズを付加して受信品質を監視すること自体は、すでに知られている(例えば特許文献2)。しかしながら、この受信品質の監視は、送信所にて送信されるデジタル放送波の品質をリアルタイムで監視するために、送信信号に放送サービスエリア端までの伝搬損と同等のノイズを付加して送信所内に設置された受信装置で受信し、その搬送波電力対ノイズ比を測定するものであり、受信地点での受信マージンを検出することとは異なる技術である。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−016585号公報
【0008】
【特許文献2】
特開2000−332702号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、デジタル信号伝送システムにおいて、従来では受信限界点に対する受信マージンの検出に要する調整作業が煩雑で、時間がかかりすぎることが問題となっている。
【0010】
本発明は上記の問題を解決し、受信限界点に対する受信マージンを簡単且つ短時間に検出することのできるデジタル信号伝送システムの受信マージン監視装置及び受信マージン監視方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、以下のような特徴的構成を備える。
【0012】
(1)誤り訂正符号化処理が施され、伝送パラメータがモード情報として付加されたデジタル信号を伝送するデジタル信号伝送システムに用いられ、受信側で受信信号の受信マージンを検出する場合に、前記受信信号からデジタル信号を復調し、この復調信号に誤り訂正処理を施し、前記復調後の受信信号から前記モード情報を抽出し、このモード情報に含まれる伝送パラメータから受信限界点でのC/N理論値を算出し、前記復調前のC/N値を検出し、このC/N検出値と前記C/N理論値に基づいて、前記復調前の受信信号のC/Nを適応的に劣化させて前記誤り訂正部で求まる誤り率が許容限界値になる状態を作り出すC/N制御を施し、前記C/N制御前後におけるC/N値の変化量を受信マージンとして検出することを特徴とする。
【0013】
(2)(1)の構成において、前記C/N制御は、前記復調前の受信信号に付加するノイズを発生し、前記復調前の受信信号のC/N値を検出し、このC/N検出値と前記C/N理論値との差分値に基づいて、前記誤り訂正で求まる誤り率が許容限界値となるように、前記ノイズ発生量を適応的に制御することを特徴とする。
【0014】
(3)(1)の構成において、前記C/N制御は、前記復調前の受信信号のC/N値を検出し、このC/N検出値と前記C/N理論値との差分値に基づいて、前記誤り訂正で求まる誤り率が許容限界値となるように、前記受信信号を適応的に減衰させることを特徴する。
【0015】
(4)誤り訂正符号化処理が施され、伝送パラメータがモード情報として付加されたデジタル信号を伝送するデジタル信号伝送システムに用いられ、受信側で受信信号の受信マージンを検出する場合に、前記受信信号からデジタル信号を復調し、この復調信号に誤り訂正処理を施し、前記復調後の受信信号から前記モード情報を抽出し、このモード情報に含まれる伝送パラメータから受信限界点でのC/N理論値を算出し、前記復調前のC/N値を検出し、このC/N検出値が前記C/N理論値となるように前記復調前の受信信号のC/Nを劣化させるC/N制御を施し、このC/N制御前後の誤り訂正数から受信マージンを換算することを特徴とする。
【0016】
(5)(4)の構成において、前記C/N制御は、前記復調前の受信信号に付加するノイズを発生し、前記復調前の受信信号のC/N値を検出し、このC/N検出値が前記C/N理論値と一致するように前記ノイズの発生量を制御することを特徴とする。
【0017】
(6)(4)の構成において、前記C/N制御は、前記復調前の受信信号のC/N値を検出し、このC/N検出値がC/N理論値と一致するように前記復調前の受信信号を減衰させることを特徴する。
【0018】
(7)(1)または(4)の構成において、前記伝送パラメータは、少なくとも変調方式及び符号化率を含み、前記C/N理論値は、前記変調方式及び符号化率から算出することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0020】
尚、以下の説明では、本発明に係るデジタル信号伝送システムとして、地上波デジタル放送の場合を例にして説明する。ここで、地上波デジタル放送では、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex:直交周波数分割多重)方式を採用し、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)領域に変調方式、符号化率等の伝送パラメータ値がモード情報として付加されている。
【0021】
(第1の実施形態)
図1は本発明に係る受信マージン検出装置の第1の実施形態の構成を示すブロック図である。図1において、デジタル放送波を受けた受信アンテナ11の受信信号は、チューナ12で選局チャンネルに合わせてベースバンド信号に周波数変換されて加算器13に供給される。この加算器13はノイズ発生源14で発生されるノイズを入力ベースバンド信号に付加するもので、その出力はA/D(アナログ/デジタル)変換器15でデジタル化された後、FFT(高速フーリエ変換)処理回路16で時間領域の信号から周波数領域の信号に変換されて復調出力される。この復調信号は、等化回路17の位相・振幅の等化処理、誤り訂正・復号回路18の誤り訂正処理及び復号処理が施されて元の放送信号に戻された後、デコーダ19で映像・音声信号にデコードされ、モニタ装置20にて再生処理される。
【0022】
上記FFT処理回路16の復調信号のうち、TMCC信号はC/N理論値算出回路21に供給される。この回路21は、TMCC信号からモード情報を再生して、このモード情報に含まれる伝送パラメータ値から変調方式及び符号化率を判別し、この判別結果からC/N理論値を算出するもので、このC/N理論値はノイズ制御回路22に供給される。
【0023】
一方、加算器13の出力はC/N検出器23にも供給される。このC/N検出器23は、加算器13から出力される受信信号のC/N値を検出するもので、ここで得られたC/N検出値は上記ノイズ制御回路22に供給される。
【0024】
このノイズ制御回路22は、C/N理論値算出回路21で得られるC/N理論値とC/N検出器23で得られるC/N検出値とに基づいて、誤り訂正・復号回路18で得られる誤り率が許容限界値となるようにノイズ発生源14のノイズ発生量を制御し、その制御前後のC/N変化量を求めて受信マージンとして出力する。
【0025】
上記構成において、以下、図2を参照してその処理動作を説明する。
【0026】
受信信号が理想状態にある場合、デジタル放送信号の変調方式と符号化率により、C/N値と誤り率(BER)との間には一定の理論値カーブ特性が得られる。図2に変調方式が64QAMの場合の符号化率(r)が7/8、3/4それぞれの理論値カーブを示す。この理論値カーブは、変調方式によって異なる。地上波デジタル放送では、変調方式として、64QAMの他、QPSK、16QAMが予定されている。したがって、受信側で変調方式と符号化率がわかれば、受信限界点とする誤り率(図2では2E-4)でのC/N理論値が求まる。
【0027】
そこで、本実施形態では、C/N理論値算出回路21において、FFT処理回路16からTMCC信号を受け取り、このTMCC信号からモード情報を再生して、このモード情報に含まれる伝送パラメータ値のうち、変調方式及び符号化率を判別し、上記の理論値カーブ特性から受信限界点の誤り率に相当するC/N理論値を算出する。この算出には、予め変調方式及び符号化率それぞれの取り得る値に応じた理論値カーブ特性の参照テーブルを用意しておき、変調方式、符号化率の判別結果から対応する参照テーブルを選択し、対応値を求めるようにすることで、算出処理を短縮することができる。
【0028】
ノイズ制御回路22は、図3に示す制御フローに従って処理を行う。まず、C/N理論値算出回路21で得られるC/N理論値とC/N検出回路23で得られるC/N検出値を取り込み(ステップS11)、その差分値を求める(ステップS12)。この差分値に予め設定された値(例えば+3dB)を加算し、この値を制御初期値とする(ステップS13)。
【0029】
続いて、制御初期値に相当するノイズ発生量を求めてノイズ発生源14のノイズ発生量を制御する(ステップS14)。このときの誤り訂正・復号回路18で得られる誤り率を参照し(ステップS15)、許容限界値と比較して許容限界値に達しているか判断する(ステップS16)。許容限界値に達していない場合には、誤り率が許容限界値に達するまで、制御初期値からノイズ発生量を増加させる(ステップS17)。ステップS16で誤り率が許容限界値に達した時点でC/N検出値を取り込み(ステップS18)、ノイズ制御前後におけるC/N検出値の変化量を求め、受信マージンとして出力する(ステップS19)。
【0030】
以上のように、本実施形態では、ノイズ付加により受信信号のC/Nを劣化させ、その劣化の度合いを誤り率が許容限界値になるまで変化させる際に、デジタル放送波に付加されている伝送パラメータの変調方式及び符号化率からC/N理論値を求め、このC/N理論値とC/N検出値とから誤り率許容限界値近傍に制御初期値を設定し、その後、許容限界値までノイズ発生量を増加してC/N値を下げていくようにしている。このため、従来のC/N無限大の状態からノイズ発生量を制御する場合に比して、極めて短時間に受信マージンを検出することができる。また、従来のように試行錯誤によってノイズ発生量を調整するのではなく、制御ループにより自動的に許容限界値に掃引するため、極めて簡単に受信マージンを検出することができる。
【0031】
尚、上記実施形態では、ノイズ発生量を徐々に変化させることとしたが、一定のステップ幅で変化させるようにすることで、さらに検出時間を短縮することができる。また、C/N理論値を中心としてノイズ発生量を増減し、誤り率の許容限界値に収束させるようにしても、検出時間を短縮することができる。
【0032】
(第2の実施形態)
図4は本発明に係る受信マージン検出装置の第2の実施形態の構成を示すブロック図である。但し、図4において、図1と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは重複する説明を省略する。
【0033】
図4において、図1に示した構成と異なる点は、ノイズ発生付加部分を省き、代わってアンテナ出力部に可変アッテネータ24を設け、減衰量制御回路25によって可変アッテネータ24の減衰量を制御するようにしたことにある。可変アッテネータ24は、受信信号を減衰させることで、C/Nを結果させるように機能する。減衰量制御回路25は、第1の実施形態のノイズ制御回路22に対応し、C/N理論値算出回路21で得られるC/N理論値とC/N検出器23で得られるC/N検出値とに基づいて、誤り訂正・復号回路18で得られる誤り率が許容限界値となるように可変アッテネータ24の減衰量を制御し、その制御前後のC/N変化量を求めて受信マージンとして出力する。
【0034】
上記減衰量制御回路25の制御フローを図5に示し、本実施形態の処理動作を説明する。
【0035】
まず、C/N理論値算出回路21で得られるC/N理論値とC/N検出回路23で得られるC/N検出値を取り込み(ステップS21)、その差分値を求める(ステップS22)。この差分値に予め設定された値(例えば+3dB)を加算し、この値を制御初期値とする(ステップS23)。
【0036】
続いて、制御初期値に相当する減衰量を求めて可変アッテネータ24の減衰量を制御する(ステップS24)。このときの誤り訂正・復号回路18で得られる誤り率を参照し(ステップS25)、許容限界値と比較して許容限界値に達しているか判断する(ステップS26)。許容限界値に達していない場合には、誤り率が許容限界値に達するまで、制御初期値から減衰量を増加させる(ステップS27)。ステップS26で誤り率が許容限界値に達した時点でC/N検出値を取り込み(ステップS28)、減衰量制御前後におけるC/N検出値の変化量を求め、受信マージンとして出力する(ステップS29)。
【0037】
以上のように、本実施形態では、可変アッテネータ24によって受信信号を減衰させることで受信信号のC/Nを劣化させ、その劣化の度合いを誤り率が許容限界値になるまで変化させる際に、デジタル放送波に付加されている伝送パラメータの変調方式及び符号化率からC/N理論値を求め、このC/N理論値とC/N検出値とから誤り率許容限界値近傍に制御初期値を設定し、その後、許容限界値まで減衰量を増加してC/N値を下げていくようにしている。このため、従来のC/N無限大の状態から試行錯誤的に制御する場合に比して、極めて簡単に且つ短時間に受信マージンを検出することができる。
【0038】
尚、上記実施形態においても、減衰量を一定のステップ幅で変化させることで、さらに検出時間を短縮することができる。また、C/N理論値を中心として減衰量を増減し、誤り率の許容限界値に収束させるようにしても、検出時間を短縮することができる。
【0039】
(第3の実施形態)
上記の実施形態では、いずれも受信マージンをC/N制御前後のC/N変化量が求めるようにしたが、以下の手法によれば、簡易的に求めることができる。
【0040】
第3の実施形態の受信マージン検出装置の構成は、図1と同一構成であるため、ここでは構成図を省略し、特徴部分であるノイズ制御回路22の制御フローを図6に示して、その制御内容及び受信マージンの検出の仕方を説明する。
【0041】
図6において、まず、C/N理論値算出回路21で得られるC/N理論値とC/N検出回路23で得られるC/N検出値を取り込み(ステップS31)、その差分値を求める(ステップS32)。この差分値に相当するノイズ発生量を求めてノイズ発生源14のノイズ発生量を制御する(ステップS33)。このときの誤り訂正・復号回路18で得られる誤り訂正数を参照し(ステップS34)、理論値カーブ特性に誤り訂正数を照らし合わせ、許容限界値までのC/N差分と制御前後のC/N値から受信マージンを換算する(ステップS35)。
【0042】
以上のように、本実施形態では、ノイズ付加によりC/N検出値がC/N理論値となるように受信信号のC/Nを劣化させ、この制御前後の誤り訂正数から受信マージンを換算するようにしているので、1ポイントのノイズ付加だけで処理可能であり、制御・演算ステップ数を大幅に少なくすることができ、検出時間の短縮に多大な効果が得られる。
【0043】
(第4の実施形態)
第4の実施形態の受信マージン検出装置の構成は、図4と同一構成であるため、ここでは構成図を省略し、特徴部分である減衰量制御回路22の制御フローを図7に示して、その制御内容及び受信マージンの検出の仕方を説明する。
【0044】
図7において、まず、C/N理論値算出回路21で得られるC/N理論値とC/N検出回路23で得られるC/N検出値を取り込み(ステップS41)、その差分値を求める(ステップS42)。この差分値に相当する減衰量を求めて可変アッテネータ24の減衰量を制御する(ステップS43)。このときの誤り訂正・復号回路18で得られる誤り訂正数を参照し(ステップS44)、理論値カーブ特性に誤り訂正数を照らし合わせ、許容限界値までのC/N差分と制御前後のC/N値から受信マージンを換算する(ステップS45)。
【0045】
以上のように、本実施形態では、受信信号の減衰によりC/N検出値がC/N理論値となるように受信信号のC/Nを劣化させ、この制御前後の誤り訂正数から受信マージンを換算するようにしているので、第3の実施形態と同様に、1ポイントのノイズ付加だけで処理可能であり、制御・演算ステップ数を大幅に少なくすることができ、検出時間の短縮に多大な効果が得られる。
【0046】
以上の結果、伝送路や受信アンテナの方向最適化調整の作業における受信マージン確認作業の効率化向上を実現することができる。
【0047】
尚、上記実施形態では、OFDM方式を採用した地上波デジタル放送システムを例にして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えばCDM方式等の多重化方式を採用したデジタル伝送システムでも適用可能である。特に、衛星デジタル放送、デジタルFPU(Field Pickup Unit)伝送のような、誤り訂正符号化処理が施され、伝送パラメータ情報が付加されたデジタル信号を伝送するデジタル信号伝送システムにも適用可能である。
【0048】
また、上記実施形態では、伝送パラメータ情報として、変調方式、誤り率を利用した場合について説明したが、理論値カーブがその種類に応じて異なるパラメータであれば、利用可能である。
【0049】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、受信限界点に対する受信マージンを簡単且つ短時間に検出することのできるデジタル信号伝送システムの受信マージン監視装置及び受信マージン監視方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る受信マージン検出装置の第1の実施形態の構成を示すブロック図。
【図2】第1の実施形態に用いられるC/N値対誤り率の理論値カーブ特性の例を示す特性図。
【図3】第1の実施形態に用いられるノイズ制御回路の制御内容を示すフローチャート。
【図4】本発明に係る受信マージン検出装置の第2の実施形態の構成を示すブロック図。
【図5】第2の実施形態に用いられる減衰量制御回路の制御内容を示すフローチャート。
【図6】第3の実施形態に用いられるノイズ制御回路の制御内容を示すフローチャート。
【図7】第4の実施形態に用いられる減衰量制御回路の制御内容を示すフローチャート。
【符号の説明】
11…受信アンテナ
12…チューナ
13…加算器
14…ノイズ発生源
15…A/D変換器
16…FFT処理回路
17…等化回路
18…誤り訂正・復号回路
19…デコーダ
20…モニタ装置
21…C/N理論値算出回路
22…ノイズ制御回路
23…C/N検出器
24…可変アッテネータ
25…減衰量制御回路

Claims (22)

  1. 誤り訂正符号化処理が施され、伝送パラメータがモード情報として付加されたデジタル信号を伝送するデジタル信号伝送システムに用いられ、受信側で受信信号の受信マージンを検出する受信マージン検出装置において、
    前記受信信号からデジタル信号を復調する復調部と、
    この復調部で復調されたデジタル信号に誤り訂正処理を施す誤り訂正部と、
    前記復調後の受信信号から前記モード情報を抽出し、このモード情報に含まれる伝送パラメータから受信限界点でのC/N理論値を算出するC/N理論値算出部と、
    前記復調前のC/N値を検出し、このC/N検出値と前記C/N理論値に基づいて、前記復調前の受信信号のC/Nを適応的に劣化させて前記誤り訂正部で求まる誤り率が許容限界値になる状態を作り出すC/N制御手段と、
    前記C/N制御部の制御前後におけるC/N値の変化量を受信マージンとして検出するC/N変化量検出手段と、
    を具備することを特徴とするデジタル信号伝送システムの受信マージン検出装置。
  2. 前記C/N制御手段は、
    前記復調前の受信信号に付加するノイズを発生し、そのノイズ発生量を可変とするノイズ発生源と、
    前記復調前の受信信号のC/N値を検出するC/N検出部と、
    このC/N検出部で得られるC/N検出値と前記C/N理論値との差分値に基づいて、前記誤り訂正部で求まる誤り率が許容限界値となるように、前記ノイズ発生源に対して前記ノイズ発生量を適応的に制御するノイズ制御部と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載のデジタル信号伝送システムの受信マージン検出装置。
  3. 前記C/N制御手段は、
    前記復調前の受信信号を減衰し、その減衰量を可変とする可変アッテネータと、
    前記復調前の受信信号のC/N値を検出するC/N検出部と、
    このC/N検出部で得られるC/N検出値とC/N理論値との差分値に基づいて、前記誤り訂正部で求まる誤り率が許容限界値となるように、前記可変アッテネータの減衰量を適応的に制御する減衰量制御部と、
    を備えることを特徴する請求項1記載のデジタル信号伝送システムの受信マージン検出装置。
  4. 誤り訂正符号化処理が施され、伝送パラメータがモード情報として付加されたデジタル信号を伝送するデジタル信号伝送システムに用いられ、受信側で受信信号の受信マージンを検出する受信マージン検出装置において、
    前記受信信号からデジタル信号を復調する復調部と、
    この復調部で復調されたデジタル信号に誤り訂正処理を施す誤り訂正部と、
    前記復調後の受信信号から前記モード情報を抽出し、このモード情報に含まれる伝送パラメータから受信限界点でのC/N理論値を算出するC/N理論値算出部と、
    前記復調前のC/N値を検出し、このC/N検出値が前記C/N理論値となるように前記復調前の受信信号のC/Nを劣化させるC/N制御手段と、
    このC/N制御手段によるC/N劣化前後の前記誤り訂正部の誤り訂正数から受信マージンを換算する受信マージン換算手段と、
    を具備することを特徴とするデジタル信号伝送システムの受信マージン検出装置。
  5. 前記C/N制御手段は、
    前記復調前の受信信号に付加するノイズを発生し、そのノイズ発生量を可変とするノイズ発生源と、
    前記復調前の受信信号のC/N値を検出するC/N検出部と、
    このC/N検出部で得られるC/N検出値が前記C/N理論値と一致するように前記ノイズ発生源に対して前記ノイズ発生量を制御するノイズ制御部と、
    を備えることを特徴とする請求項4記載のデジタル信号伝送システムの受信マージン検出装置。
  6. 前記C/N制御手段は、
    前記復調前の受信信号を減衰し、その減衰量を可変とする可変アッテネータと、
    前記復調前の受信信号のC/N値を検出するC/N検出部と、
    このC/N検出部で得られるC/N検出値が前記C/N理論値と一致するように、前記可変アッテネータの減衰量を制御する減衰量制御部と、
    を備えることを特徴する請求項4記載のデジタル信号伝送システムの受信マージン検出装置。
  7. 前記伝送パラメータは、少なくとも変調方式及び符号化率を含み、
    前記C/N理論値算出部は前記変調方式及び符号化率からC/N理論値を算出することを特徴とする請求項1または4記載のデジタル信号伝送システムの受信マージン検出装置。
  8. 前記C/N理論値算出部は、予め前記伝送パラメータの取り得る値とそれに対応するC/N理論値との対応関係を示す参照テーブルを備えることを特徴とする請求項1または4記載のデジタル信号伝送システムの受信マージン検出装置。
  9. 前記C/N制御手段は、前記C/N理論値に設定値を加えたC/N初期値から制御を開始することを特徴とする請求項1記載のデジタル信号伝送システムの受信マージン検出装置。
  10. 前記C/N制御手段は、C/N値を前記C/N初期値から所定のステップ幅で劣化させることを特徴とする請求項9記載のデジタル信号伝送システムの受信マージン検出装置。
  11. 前記C/N制御手段は、前記C/N理論値を中心に前記C/N初期値からC/N値を前後させ収束させることを特徴とする請求項9記載のデジタル信号伝送システムの受信マージン検出装置。
  12. 誤り訂正符号化処理が施され、伝送パラメータがモード情報として付加されたデジタル信号を伝送するデジタル信号伝送システムに用いられ、受信側で受信信号の受信マージンを検出する受信マージン検出方法において、
    前記受信信号からデジタル信号を復調し、
    この復調信号に誤り訂正処理を施し、
    前記復調後の受信信号から前記モード情報を抽出し、このモード情報に含まれる伝送パラメータから受信限界点でのC/N理論値を算出し、
    前記復調前のC/N値を検出し、このC/N検出値と前記C/N理論値に基づいて、前記復調前の受信信号のC/Nを適応的に劣化させて前記誤り訂正部で求まる誤り率が許容限界値になる状態を作り出すC/N制御を施し、
    前記C/N制御前後におけるC/N値の変化量を受信マージンとして検出することを特徴とするデジタル信号伝送システムの受信マージン検出方法。
  13. 前記C/N制御は、前記復調前の受信信号に付加するノイズを発生し、前記復調前の受信信号のC/N値を検出し、このC/N検出値と前記C/N理論値との差分値に基づいて、前記誤り訂正で求まる誤り率が許容限界値となるように、前記ノイズ発生量を適応的に制御することを特徴とする請求項12記載のデジタル信号伝送システムの受信マージン検出方法。
  14. 前記C/N制御は、前記復調前の受信信号のC/N値を検出し、このC/N検出値と前記C/N理論値との差分値に基づいて、前記誤り訂正で求まる誤り率が許容限界値となるように、前記受信信号を適応的に減衰させることを特徴する請求項12記載のデジタル信号伝送システムの受信マージン検出方法。
  15. 誤り訂正符号化処理が施され、伝送パラメータがモード情報として付加されたデジタル信号を伝送するデジタル信号伝送システムに用いられ、受信側で受信信号の受信マージンを検出する受信マージン検出方法において、
    前記受信信号からデジタル信号を復調し、
    この復調信号に誤り訂正処理を施し、
    前記復調後の受信信号から前記モード情報を抽出し、このモード情報に含まれる伝送パラメータから受信限界点でのC/N理論値を算出し、
    前記復調前のC/N値を検出し、このC/N検出値が前記C/N理論値となるように前記復調前の受信信号のC/Nを劣化させるC/N制御を施し、
    このC/N制御前後の誤り訂正数から受信マージンを換算することを特徴とするデジタル信号伝送システムの受信マージン検出方法。
  16. 前記C/N制御は、前記復調前の受信信号に付加するノイズを発生し、前記復調前の受信信号のC/N値を検出し、このC/N検出値が前記C/N理論値と一致するように前記ノイズの発生量を制御することを特徴とする請求項15記載のデジタル信号伝送システムの受信マージン検出方法。
  17. 前記C/N制御は、前記復調前の受信信号のC/N値を検出し、このC/N検出値がC/N理論値と一致するように前記復調前の受信信号を減衰させることを特徴する請求項15記載のデジタル信号伝送システムの受信マージン検出方法。
  18. 前記伝送パラメータは、少なくとも変調方式及び符号化率を含み、
    前記C/N理論値は、前記変調方式及び符号化率から算出することを特徴とする請求項12または15記載のデジタル信号伝送システムの受信マージン検出方法。
  19. 前記C/N理論値は、予め前記伝送パラメータの取り得る値とそれに対応するC/N理論値との対応関係を示す参照テーブルから求めることを特徴とする請求項12または15記載のデジタル信号伝送システムの受信マージン検出方法。
  20. 前記C/N制御は、前記C/N理論値に設定値を加えたC/N初期値から制御を開始することを特徴とする請求項12記載のデジタル信号伝送システムの受信マージン検出方法。
  21. 前記C/N制御は、前記C/N初期値からC/N値を所定のステップ幅で劣化させることを特徴とする請求項20記載のデジタル信号伝送システムの受信マージン検出方法。
  22. 前記C/N制御は、前記C/N理論値を中心に前記C/N初期値からC/N値を前後させ収束させることを特徴とする請求項20記載のデジタル信号伝送システムの受信マージン検出方法。
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