JP2004200703A5 - - Google Patents

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ショットキー接合接点を備えたユニポーラフォトダイオード
本発明は、光ネットワーク受信機に用いられるフォトダイオードに関するものである。とりわけ、本発明は、ユニポーラまたは単進行キャリヤ構造を備えたフォトダイオードに関するものである。
典型的には様々な型式のフォトダイオードであるところの半導体光検出器は、光子の形態で入射光を吸収し、吸収した光子を電流に変換する。半導体格子内の電流は、「自由キャリヤ」、または、ただ単に「キャリヤ」という語で表される場合が多い。すなわち、十分なエネルギーを備えた光子が半導体格子の原子と相互作用すると、原子に関連した電子が、価電子殻または価電子帯から、エネルギー・バンド・ギャップを横切って、半導体の伝導殻または伝導帯まで移動する。バンド・ギャップを横切って電子が移動すると、負のキャリヤ、すなわち、電子が生じ、「正孔」として知られる正のキャリヤが残される。光子の吸収によるキャリヤの発生後、半導体ベースの光検出器内のキャリヤ移動メカニズムによって、発生した正孔と電子が分離され、一般に光電流として知られる電流が生じることになる。一般に、電子と正孔は、両方とも、半導体内においてキャリヤの働きをし、光電流を生じさせることが可能である。こうして生じた光電流によって、光検出器は外部回路またはシステムとさまざまに相互作用することが可能になる。とりわけ、光通信ネットワークに用いられる光学受信機では、多くの応用でフォトダイオードが用いられる。
光検出器の性能は、バンド幅、効率、最大電流出力、及び、光波長範囲等によって評価される。バンド幅は、入射光信号または光源の変化に対する光検出器の応答速度の指標となる。効率によって、入射光信号のうちのどれだけがキャリヤに変換されるかが測定される。最大電流出力は、一般に、光検出器の半導体内における飽和状態によって決まるが、光波長範囲は、とりわけ、光検出器の所定の材料特性の関数である。一般に、光検出器の性能は、光検出器の構成材料の材料特性と、主として所定の光検出器の型及び/または構造に関連した光検出器の構造特性の組合せによって制限される。
例えば、図1(a)には、従来のPINフォトダイオード10の断面が例示されている。PINフォトダイオード10には、p型半導体層12(p層)とn型半導体層15(n層)の間に挟まれた真性半導体層すなわち軽くドープした半導体層14(i層)が含まれている。光子の吸収は主としてPINダイオード10のi層14に限定されるのが理想的であるため、i層14は、光活性または吸光層14と呼ばれることが多い。一般に、アルミニウム(Al)のような被着材料、または、多量にドープされるポリシリコンのような別の導電性材料によって、PINフォトダイオードと外部回路の間を電気的に接続する1対のオーム接点17a、17bが形成される。p層に接続されたオーム接点17aは、陽極接点17aと呼ばれ、一方、n層に接続されたオーム接点17bは、陰極接点17bと呼ばれる。一般に、PINフォトダイオード10は、半導体基板19上に形成されて、構造的にそれによって支持されている。
図1(b)には、図1(a)に例示のPINフォトダイオード10のバンド図20が例示されている。バンド図20には、垂直すなわちy方向における電子ボルト(eV)、及び、水平すなわちx方向におけるデバイス内の伝導経路に沿った物理的長さまたは距離が描かれている。従って、バンド図20には、PINフォトダイオード10の各層毎にバンド・ギャップ23によって分離された、価電子帯エネルギー準位21及び伝導帯エネルギー準位22が例示されている。正孔30及び電子32が、光活性i層14による光子の吸収によって分離されると、正孔30は、正孔に関するp層12に固有の低いエネルギー準位によって形成される電位勾配の影響下において、i層14内をp層12へと移動する。正孔がp層12に到達すると、正孔は、外部回路(例示せず)によって供給される電子と結合する。電子32は、電子に関するn層15に固有の低いエネルギー準位によって形成される電位勾配の影響下において、i層14内をn層15に向かって移動する。n層15内の電子は、陰極接点(例示せず)に入る。i層14内における電子32及び正孔30のドリフトまたは移動によって、n層15、p層12、及び、外部回路に電流が流れることになる。
従来のPINフォトダイオードに関連した性能限界には、i層14内における正孔30及び電子32の移動に必要な時間によるバンド幅限界がある。すなわち、正孔30は、移動速度が電子32よりもはるかに遅いことが知られている。正孔30の移動速度が遅いので、結果として、正孔30の移動時間は電子32の移動時間よりはるかに長くなる。通常長い正孔の移動時間が律速となり、最終的にはPINフォトダイオード10の応答時間またはバンド幅全体に制限を加えることになる。尚、従来のフォトダイオードの製造方法、或いはそのバンド構造の一例が、以下の特許文献1、2に記載される。更に、従来の高速光検出器に対するこうした整合層の適用については、関連して後述するように、以下の非特許文献1に説明される。
特開2002−151727号 米国特許第5,818,096号 Yih−Guei Wey他著、「110GHz GaInAs/InP Double Heterostructure p−i−n Photodetectors」、J.Lightwave Technol.1995年7月、第13巻、第7号、p.1490−1499
従って、本発明の目的は、正孔移動時間に関連したバンド幅の限界を克服し、更に、複雑性がPINフォトダイオードと同様であって、優れた効率をもたらすフォトダイオードを提供することによって、光ネットワーク通信用のフォトダイオードの分野における長年にわたる要求を叶えることにある。
本発明によれば、陰極接点としショットキー接点(SC)を用いるユニポーラまたは単進行キャリヤ(UTC)フォトダイオードが得られる。すなわち、本発明によれば、フォトダイオードのコレクタ層または真性層(i層)上に金属ショットキー接点が直接設けられる。i層上のショットキー陰極接点は、従来のUTC PINフォトダイオードのi層に接触したn型半導体層の代わりに用いられる。
本発明の態様の1つによれば、ユニポーラフォトダイオードが設けられる。ユニポーラフォトダイオードには、第1のドーピング濃度を有する、第1の伝導タイプの第1の半導体層または吸光層が含まれている。吸光層は、吸光を促進するバンド・ギャップ・エネルギーを有している。ユニポーラフォトダイオードには、更に、第2のドーピング濃度及びコレクタバンド・ギャップ・エネルギーを有する第2の半導体層またはコレクタ層が含まれている。吸光層は、コレクタ層の第1の側に隣接して、接触している。コレクタバンド・ギャップ・エネルギーは、吸光バンド・ギャップ・エネルギーより大きいので、コレクタ層は、吸光して導電性を示す傾向が比較的小さい。ユニポーラフォトダイオードには、更に、コレクタ層の第2の側に隣接して、接触しているショットキー陰極接点が含まれている。第2の側は、第1の側の反対側にある。ユニポーラフォトダイオードには、更に、吸光層に間接的に接合された陽極接点が含まれている。
本発明の他の1つの態様では、ユニポーラフォトダイオードを用いて、入射光を検出する方法、及び、本発明のユニポーラフォトダイオードを製造する方法が得られる。
本発明によれば、従来のUTCフォトダイオードよりも単純なUTCまたはユニポーラフォトダイオード構成が得られ、更に、従来のUTCフォトダイオードと同等の飽和電流が得られる。更に、本発明のSC−UTCフォトダイオードは、従来のUTCフォトダイオードよりも単純であるが、従来のUTCフォトダイオードに比べてバンド幅及び効率の向上を示す。更に、実施態様によっては、本発明のショットキー接点ユニポーラフォトダイオード内における層の順序は、本発明によるショットキー陰極接点を用いることによって部分的に容易化されることになり、この場合は、従来のUTC PINフォトダイオードにおける層の順序に比べて逆になる点が利点となり得る。本発明のいくつかの実施態様には、上述の利点に加えて、或いは、それに代わる他の利点がある。上述の及びその他の特徴及び利点については、添付の図面に関連して、以下で詳述することにする。
本発明の様々な特徴及び利点については、同様の参照番号によって同様の構造要素が表示されている、添付の図面に関連して示される下記の詳細な説明を参照することによって容易に理解することが可能である。
以下に添付図面を参照して、本発明の好適実施形態となるユニポーラフォトダイオードについて説明する。図2(a)には、本発明の実施態様による垂直照射を受けるショットキー接点ユニポーラフォトダイオード100の断面図が例示されている。図2(b)には、図2(a)に例示のショットキー接点ユニポーラフォトダイオード100の実施態様に関するバンド図が例示されている。以下の論考のため、垂直照射フォトダイオードとして例示され説明されるが、垂直照射は、本発明の範囲を制限することを意図したものではない。例えば、当業者であれば、以下の論考を示されれば、さほどの実験をしなくても、水平照射を受けるフォトダイオードまたは導波路フォトダイオードの形態をなすショットキー接点ユニポーラフォトダイオード100についても容易に製造可能である。
ショットキー接点ユニポーラフォトダイオード100には、吸光層112、吸光層112の一方の側に固定されたキャリア通過またはコレクタ層114、吸光層112のコレクタ層114が固定されている側とは反対の側に固定されたキャリヤ阻止層116、及び、コレクタ層114の吸光層112に接続された側とは反対側にあたる、コレクタ層114の表面の一部に直接接続されて、これを被覆するショットキー金属接点118が含まれている。ショットキー接点ユニポーラフォトダイオード100には、更に、キャリヤ阻止層116に接続されたオーム接点117が含まれている。ショットキー金属接点118は、本発明によるショットキー接点ユニポーラフォトダイオード100の陰極接点の働きをし、一方、オーム接点117は陽極接点の働きをする。実施態様によっては、半絶縁基板119の支持表面上にショットキー接点ユニポーラフォトダイオード100を実装するか、形成することが可能なものもある。
吸光層112は、例えば、p型半導体のような、第1の伝導型の半導体である。吸光層112の半導体は、問題となる光波長範囲内における吸光/変換を促進するバンド・ギャップを備えているのが望ましい。更に、吸光層112の半導体は、バイアスのかかった状態または条件下において、吸光層112の少なくとも一部における電荷の中性を維持するのに十分なドーピング濃度を備えている。換言すれば、吸光層112の半導体は、バンド・ギャップ・エネルギーが入射光子の平均値または平均エネルギー(例えば、hν)未満か、または、それにほぼ等しくなるように選択されている。更に、ショットキー接点ユニポーラフォトダイオード100に電気的バイアスが加えられた場合、層112のドーピング濃度によって、キャリヤが少なくとも吸光層112の一部内においてほとんど減損しないようになっている。フォトダイオード100は、例えば、出力電流レベルが低い場合のように、ゼロ・ボルト(V)のバイアスで動作させることが可能であるが、フォトダイオード100が、フォトダイオード100の降伏電圧までの逆バイアスが加えられる場合に、吸光層112は、少なくとも吸光層112の一部内においてほとんど減損しない状態を保つことが望ましい。
従って、例えば、吸光層112について限定するわけではないが、p型ドーパントがドープされた砒化ガリウム・アルミニウム(GaAlAs)のようなIII−V族化合物半導体とすることが可能である。潜在的に吸光層112として用いるのに適する可能性のある、他のp型ドープされたIII−V族半導体についても、限定するわけではないが、リン化インジウム(InP)またはInPと格子整合のとれる材料、砒化アンチモン化ガリウム(GaAsSb)、砒化ガリウム・インジウム(GaInAs)、砒化アンチモン化アルミニウム・ガリウム(AlGaAsSb)、砒化アルミニウム・ガリウム・インジウム(AlGaInAs)、砒化リン化ガリウム・インジウム(GaInAsP)が含まれる。こうしたp型III−V族化合物半導体及び関連材料は、既知のように、吸光層112として用いるのに適したバンド・ギャップを備えている。更に、こうした半導体がバイアス条件下においてほとんど減損しない状態を保つことができるようにするのに十分なドーピング濃度は、実際に容易に実現可能である。例えば、Ga0.47In0.53Asが吸光層112として用いられる場合、約p=2×1017のドーピング濃度を利用することが可能である。当業者であれば、さほどの実験を実施しなくても、適合するドーピング濃度を容易に決定し、得られるようにすることができる。
フォトダイオード100のコレクタ層114は、ドーパント濃度が吸光層112の半導体よりも低い半導体である。更に、コレクタ層114の半導体は、バンド・ギャップが吸光層112の半導体よりも大きいことが望ましい。実施態様によっては、コレクタ層114は、微量ドープ半導体またはアンドープ半導体であり、ドリフトまたは移動電界を支援し、従って、真性層(i層)14と同じものとして扱われるので、従来のPINフォトダイオード10の真性層(i層)とほぼ同様という場合もある。
上述のように、コレクタ層114は、バンド・ギャップが吸光層112よりも大きいことが望ましい。更に、コレクタ層21bの伝導帯エネルギーに比べて吸光層21aの伝導帯エネルギーのオフセットが少ないことは、吸光層112からコレクタ層114への電子の移動を促進するのに望ましい場合が多い。結果として、吸光層112とコレクタ層114の間に価電子帯エネルギー準位22の不整合24’が生じることになる。不整合24’は、吸光層112内の比較的高い価電子帯エネルギー準位22aからコレクタ層114のすぐ内部における低い価電子帯エネルギー準位22bへの急激な変化として現れる。不整合24’の存在は、吸光層112に生じる、及び/または、存在する正孔がコレクタ層114に入るのを阻止または妨害する。従って、不整合24’は、コレクタ層114への正孔の進入に対する障壁24の働きをする。
ただし、不整合24’は障壁24として機能するものの、コレクタ層114の電界は、当然コレクタ層114への正孔の進入を妨害するので、本発明によれば障壁24は不可欠ではなく必要であるわけでもない。従って、正孔が発生すると、正孔は、ドリフト及び/または拡散(すなわち、移動)して、選択的に、コレクタ層114から離れ、キャリヤ阻止層116及びオーム接点117に向かうようにされ得る。正孔は、また、光電流によって生じる小電界で、コレクタ層114を離れて、キャリヤ阻止層116及びオーム接点117に向かうので、フォトダイオード100全体にわたって電流の導通が維持されることになる。
吸光層112の場合と同様、コレクタ層114は、III−V族化合物半導体とすることが可能である。しかし、既述のように、コレクタ層114は、吸光層112に比べるとドーピング濃度が低く、バンド・ギャップ・エネルギーが大きい。従って、コレクタ層114は、限定するわけではないが、リン化インジウム(InP)のような微量ドープまたはアンドープ半導体とすることが可能である。コレクタ層114に適した他の材料には、限定するわけではないが、InPと格子整合がとれるアンドープまたは微量ドープ砒化アンチモン化ガリウム(GaAsSb)、アンドープまたは微量ドープ砒化ガリウム・インジウム(GaInAs)、アンドープまたは微量ドープ砒化アンチモン化アルミニウム・ガリウム(AlGaAsSb)、アンドープまたは微量ドープ砒化アルミニウム・ガリウム・インジウム(AlGaInAs)、アンドープまたは微量ドープ砒化リン化ガリウム・インジウム(GaInAsP)が含まれる。例えば、コレクタ層114のバンド・ギャップが吸光層112より大きい場合、本発明の典型的なフォトダイオード100において、GaInAsが吸光層112の半導体として用いられると、InPは、コレクタ層114の半導体として用いることが可能になる。
実施態様によっては、吸光層112とコレクタ層114の間に伝導帯整合層(図示せず)を用いて、吸光層112とコレクタ層114の間に形成される可能性のあるヘテロ接合伝導帯エネルギー障壁を抑制することが可能なものもある。コレクタ層114の伝導帯エネルギーが吸光層112よりも大きければ、吸光層112からコレクタ層114への電子の移動に対する障壁が生じることになる。伝導帯整合層は、この障壁を有効に抑制して、吸光層112からコレクタ層114への電子の進入を促進することによって、フォトダイオードの応答時間を短縮することが可能である。
伝導帯整合層は、III−V化合物半導体またはIII−V化合物半導体の組合せとすることが可能である。伝導帯整合層の半導体は、例えば、p型のような第1の伝導型、及び/または、例えば、n型のような第2の伝導型とすることが可能である。従って、例えば、伝導帯整合層は、限定するわけではないが、砒化リン化ガリウム・インジウム(GaInAsP)の単一層、または、それぞれ、適正にドープされた、異なるGaInAsP合金組成物によるいくつかの層といった、III−V族化合物半導体とすることが可能である。潜在的に伝導帯整合層として用いるのに適合する可能性のある、ドープしたIII−V族半導体には、限定するわけではないが、リン化インジウム(InP)またはInPとの格子整合がとれる材料、砒化アンチモン化ガリウム(GaAsSb)、砒化ガリウム・インジウム(GaInAs)、砒化アンチモン化アルミニウム・ガリウム(AlGaAsSb)、砒化アルミニウム・ガリウム・インジウム(AlGaInAs)が含まれる。当業者であれば、さほどの実験を実施しなくても、伝導帯整合層に適したドーピング濃度の適合する半導体層を容易に決定し、得られるようにすることが可能である。高速光検出器に対するこうした整合層の適用については、参考までに本明細書において援用されている、Yih−Guei Wey他著、「110GHz GaInAs/InP Double Heterostructure p−i−n Photodetectors」、J.Lightwave Technol.1995年7月、第13巻、第7号、p.1490−1499[非特許文献1]に解説がある。
キャリヤ阻止層116は、例えば、p型半導体のような、第1の伝導型半導体である。キャリヤ阻止層116の半導体は、バンド・ギャップが吸光層112のバンド・ギャップより大きい。キャリヤ阻止層116のバンド・ギャップが吸光層112のバンド・ギャップより大きいと、吸光層112に生じる自由電子がキャリヤ阻止層116の方向に移動する可能性を低下させるが、好ましくは大幅に低下させるか或いはほとんどゼロにする。すなわち、キャリヤ阻止層116のバンド・ギャップは、吸光層112からキャリヤ阻止層116への電子の進入に対する障壁25の働きをする。光子の吸収によって自由キャリヤが生じると、電子は選択的に境界から離れていく。従って、キャリヤ阻止層116によって、電子の流れは効果的にコレクタ層114に向かい、最終的には陰極接点118に到達することになる。
電子の流れがコレクタ層114に向けられるだけではなく、キャリヤ阻止層116のバンド・ギャップが比較的大きいことによって、キャリヤ阻止層116に入射する光子が、キャリヤ阻止層116内に1対の自由キャリヤを生じさせる可能性が低下する。従って、キャリヤの発光は、事実上選択的に吸光層112に限定される。更に、光電流は、主として、吸光層112からコレクタ層114を介してショットキー接点118に流入する光により生成された電子から構成される。
コレクタ層114及び吸光層112の場合と同様、キャリヤ阻止層116は、p型III−V族化合物半導体とすることが可能である。既述のように、キャリヤ阻止層116のバンド・ギャップは吸光層112のバンド・ギャップより大きい。すなわち、キャリヤ阻止層116は、限定するわけではないが、砒化リン化ガリウム・インジウム(GaInAsP)のような、比較的多量にドープしたp型III−V族化合物半導体とすることが可能である。キャリヤ阻止層116として用いるのに適した他の多量ドープp型III−V族化合物半導体については、限定するわけではないが、リン化インジウム(InP)またはInPとの格子整合がとれる材料、砒化アンチモン化ガリウム(GaAsSb)、砒化ガリウム・インジウム(GaInAs)、砒化アンチモン化アルミニウム・ガリウム(AlGaAsSb)、砒化アルミニウム・ガリウム・インジウム(AlGaInAs)、砒化ガリウム・アルミニウム(GaAlAs)が使用される。例えば、ドーピング濃度pが約2×1017のGa0.47In0.53Asを吸光層112として用いる場合、ドーピング濃度pができれば2×1017を超えるGa0.27In0.73As0.6Pをキャリヤ阻止層116として用いることが可能になる。本明細書の論考を示されれば、当業者であれば、さほどの実験をしなくても、キャリヤ阻止層116に適した材料の選択、及び、十分なドーピング濃度を容易に決定することが可能である。
実施態様によっては、吸光層112とキャリヤ阻止層116との間に、価電子帯整合層(図示せず)を用いて、吸光層112とキャリヤ阻止層116との間に形成される可能性のあるヘテロ接合価電子帯エネルギー障壁を抑制することが可能なものもある。吸光層112とキャリヤ阻止層116との間における価電子帯エネルギーのオフセットによって、吸光層112からキャリヤ阻止層116への、または、キャリヤ阻止層116から吸光層112への正孔の進入に対する障壁が生じることになる。価電子帯整合層は、吸光層112からキャリヤ阻止層116への正孔の進入を促進することによって直列抵抗を低減することが可能である。
価電子帯整合層は、III−V族化合物半導体またはIII−V族化合物半導体の組合せとすることが可能である。価電子帯整合層の半導体は、例えば、p型といった、第1の伝導型とすることが可能である。従って、例えば、価電子帯整合層について、限定するわけではないが、砒化リン化ガリウム・インジウム(GaInAsP)の単一層、または、それぞれ、適正にドープされた、異なるGaInAsP合金組成物によるいくつかの層といった、III−V族化合物半導体により構成することが可能である。潜在的に価電子帯整合層として用いるのに適合する可能性のあるドープしたIII−V族半導体には、限定するわけではないが、リン化インジウム(InP)またはInPとの格子整合がとれる材料、砒化アンチモン化ガリウム(GaAsSb)、砒化ガリウム・インジウム(GaInAs)、砒化アンチモン化アルミニウム・ガリウム(AlGaAsSb)、砒化アルミニウム・ガリウム・インジウム(AlGaInAs)が含まれる。価電子帯整合層の概念は、上述の伝導帯整合層と同様である。当業者であれば、さほどの実験を実施しなくても、価電子帯整合層に適したドーピング濃度の適合する半導体層を容易に決定し、得られるようにすることができる。
ショットキー接点118は、コレクタ層114の表面上にあって、コレクタ層114としっかり接触した金属接点材料である。コレクタ層114としっかり接触した金属接点材料は、接点118の金属材料とコレクタ層114の半導体の格子との間の界面または境界にショットキー障壁を形成する。従って、金属接点材料は、ショットキー接点118を形成する。ショットキー接点118の金属材料は、限定するわけではないが、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、または、銅(Cu)を含む、金属接点を製作するための半導体製造に用いられる任意の金属とすることが可能である。当業者であれば、その全てが本発明の範囲内にある、ショットキー接点、及び、その製造、及び、それに用いられる金属材料に精通している。
オーム接点117は、キャリヤ阻止層116に隣接しそれに接合した電気接点である。金属オーム接点117は、限定するわけではないが、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、または銅(Cu)を含む、任意の導電性金属を用いて形成される。当業者であれば、その全てが本発明の範囲内にある、オーム接点、及びその製造、及びそれに用いられる金属材料に精通している。
オーム接点117は、キャリヤ阻止層116に直接または間接的に接合することが可能である。直接接合される場合、オーム接点117は、キャリヤ阻止層116の表面に金属または別の適合する接点材料を被着させることによって形成される。図2(a)には、直接接合されたオーム接点117の実施態様が例示されている。
間接的に結合又は接合される場合、オーム接点117とキャリヤ阻止層116との間にもう1つの層を用いることが可能である。他の層を用いることについて限定するわけではないが、直列抵抗及び/または接点117の接着性といった、オーム接点117の性能を向上させることが可能になる。
例えば、多量ドープした半導体材料層を利用して、オーム接点117とキャリヤ阻止層116を間接的に接続することが可能である。もう1つの例では、フォトダイオード100を形成する処理中に、吸光層112の形成に用いられる層の一部112aを吸光層112から物理的に分離することが可能である。次に、物理的に分離された部分112aを用いて、オーム接点117をキャリヤ阻止層116に間接的に接合することが可能である。図2(c)には、本発明の実施態様に従って間接的に接合されたオーム接点117を備える、垂直照射を受けるショットキー接点ユニポーラフォトダイオードの断面図が例示されている。
上述のように、限定するわけではないが、吸光層112の分離部分112aのような別の層を利用すると、オーム接点117の抵抗の低下を促進することが可能になる。すなわち、キャリヤ阻止層116に用いるのが望ましいような、バンド・ギャップ・エネルギーの大きい半導体材料上に、良好な低抵抗のオーム接点117を形成するのは困難である場合が多い。間接的接合によれば、より導電率の高い材料(例えば、バンド・ギャップ・エネルギーがキャリヤ阻止層116よりも小さい材料)を挿入して、全体としての抵抗が小さい、オーム接点117を形成することが可能になる。更に、吸光層112の分離部分112aを用いて、オーム接点117をキャリヤ阻止層116に間接的に接合する場合には、上述の価電子帯整合層を用いることによって、直列抵抗が更に低下する。すなわち、こうした実施態様の場合、価電子帯整合層は、キャリヤ阻止層116から吸光層112への正孔の進入を促進することによって、直列抵抗を更に低下させ、これにより、オーム接点117の直列抵抗が更に低下するようにする。
図2(a)に例示の垂直照射を受けるショットキー接触ユニポーラフォトダイオード100は、半絶縁基板119の位置によって表された側111に相当する(以下では、フォトダイオード100の「下方」からと称することにする)方向から照射することが可能である。換言すれば、「下方」という表現は、フォトダイオード100のショットキー接点118を含む側とは反対の側111を表わしている。すなわち、光子の形態をとる入射光120は、下方側111からフォトダイオード100に入射して、半絶縁基板119を通過することが可能である。従って、半絶縁基板119は、入射光120に対して透明か、或いは、少なくとも半透明であることが望ましい。同様に、キャリヤ阻止層116は、入射光120に対して透明か、または、半透明であることが望ましい。
照射中、光子は、半絶縁基板119及びキャリヤ阻止層116を通過して、吸光層112に入射する。吸光層112内において、約hνに等しいエネルギーEを有する光子は、半導体格子に衝突して、1対の自由キャリヤ(例えば、正孔及び電子)を発生する。上述したように、こうして発生した電子は、部分的に、キャリヤ阻止層116、及びそれによって形成される障壁25の存在及び作用によって、選択的に方向づけられ、コレクタ層114に向かって拡散する。電子は、コレクタ層114に入射すると、コレクタ層114におけるエネルギー勾配及び/または電界によって加速されて、ショットキー接点118に向かう。ショットキー接点118に達すると、電子は接点118によって吸収される。すなわち、光電流の電子は、ショットキー接点118に取り付けられた外部回路に流れることが可能になる。
同様に、光子の吸収によって発生した正孔は、選択的に方向づけられて、キャリヤ阻止層116に向かって拡散し、それを通過して、オーム接点117に到達する。主たるドリフトまたは移動方向は、大部分が、既に上述のように、コレクタ層114のエッジにおけるエネルギー不整合障壁24の存在に起因するものである。オーム接点117において、正孔は、外部回路によって供給される電子と結合するか、または、それらによって充填されることが可能になる。換言すれば、正孔は、オーム接点117によってほとんど「吸収」される。従って、光電流は、ほぼ完全に、吸光層112からショットキー接点118に流入する電子の関数である。光電流は、移動度が多数キャリヤ(すなわち、正孔)よりもはるかに高い少数キャリヤ(すなわち、電子)だけから構成されているので、フォトダイオード100の応答時間が従来のPINフォトダイオードに比べて短縮されるのが利点である。すなわち、応答時間の短縮によって、本発明のショットキー接点ユニポーラフォトダイオード100のバンド幅が従来のPINフォトダイオードに比べて増すことになる。
図3(a)には、本発明のもう1つの実施態様による垂直照射を受けるショットキー接点ユニポーラフォトダイオード200の断面図が例示されている。すなわち、図3(a)に例示の実施態様は、層内に擬似的な電界を有するか、または、擬似的な電界を生じる吸光層を含むショットキー接点ユニポーラフォトダイオード200である。本明細書において用いられる限りにおいて、「擬似的な電界」は、主として、層内において制御下で各種材料を利用することによって生じる電界であり、生じた電界は、ほぼ、選択的に、半導体の中性荷電層(例えば、吸光層212)内における少数キャリヤ(例えば、電子)に対してのみ作用する。図3(b)には、図3(a)に例示のショットキー接点ユニポーラフォトダイオード200に関するバンド図が例示されている。
以下の論考の目的からして、垂直照射を受けるフォトダイオードとして例示され、解説されるが、垂直照射は、本発明の範囲を制限することを意図したものではない。例えば、当業者であれば、本発明に従って、さほどの実験をしなくても、水平照射を受けるフォトダイオードまたは導波路フォトダイオードの形態をなす、擬似的な電界を用いたショットキー接点ユニポーラフォトダイオード200が得られるようにすることが可能である。
ショットキー接点ユニポーラフォトダイオード200には、吸光「漸変バンド・ギャップ」層212、前記吸光層212に固定されたキャリア通過またはコレクタ層214、及び、コレクタ層214の表面の一部に直接接続されて、被覆するショットキー金属接点218が含まれている。ショットキー接点218が接続されるコレクタ層214の表面は、コレクタ層214の吸光層212に接続される側とは反対側にある。ショットキー接点ユニポーラフォトダイオード200には、更に、漸変バンド・ギャップ層212に接続されたオーム接点217が含まれている。ショットキー金属接点218は、陰極接点の働きをし、一方、オーム接点217は、本発明によるショットキー接点ユニポーラフォトダイオード200のための陽極接点として機能する。実施態様によっては、ショットキー接点ユニポーラフォトダイオード200は、半絶縁基板219の支持表面上に取り付けるか、または、形成することが可能なものもある。
コレクタ層214は、ショットキー接点ユニポーラフォトダイオード100に関連して上述のコレクタ層114とほぼ同様であり、漸変バンド・ギャップ層212の一方の側に接続されている。すなわち、コレクタ層214には、漸変バンド・ギャップ層212のドーピング・レベルと比較して微量ドープまたはアンドープの半導体が含まれる。同様に、オーム接点217、ショットキー接点218、及び、半絶縁基板219は、それぞれ、既に開示済みのフォトダイオード100に関連して上述のオーム接点117、ショットキー接点118、及び、半絶縁基板119とほぼ同様である。すなわち、ショットキー接点218は、コレクタ層214の漸変バンド・ギャップ層212に接続された側とは反対の側に直接接続されている。
本実施態様のショットキー接点ユニポーラフォトダイオード200は、漸変バンド・ギャップ層212が吸光層112に取って代わるという点で、ショットキー接点ユニポーラフォトダイオード100とは異なっている。すなわち、漸変バンド・ギャップ層212またはその一部が、入射光を吸収して、自由キャリヤに変換する。更に、漸変バンド・ギャップ装置212によって、少数キャリヤ(例えば、電子)がコレクタ層214に向かい、オーム接点217から遠ざかるように方向づけする擬似的な電界が生じる。擬似的な電界の存在及び作用の結果として、本実施態様のショットキー接点ユニポーラフォトダイオード200では、既に開示したフォトダイオード100の実施態様のキャリヤ阻止層116を省略できる点で利点となる。
漸変バンド・ギャップ層212には、漸変バンド・ギャップを備えた半導体材料が含まれている。更に、層212のコレクタ層214に接続された側に向けて少しずつ変化している。換言すれば、漸変バンド・ギャップ層212の半導体材料のバンド・ギャップは、一般に、層212のコレクタ層214に接続された側からの距離の関数として増大する。従って、バンド・ギャップは、一般に、漸変バンド・ギャップ層212のコレクタ層214に接続された側のほうが反対側よりも小さくなる。図3(b)に例示のバンド図には、漸変バンド・ギャップが、漸変バンド・ギャップ層212内の伝導帯準位21と価電子帯準位22との間におけるエネルギー準位差の漸増としてグラフで描かれている。フォトダイオード100の吸光層112の場合と同様、漸変バンド・ギャップ層212は、ドーピング濃度(例えば、p型ドーピング)が所定のレベルを超えていて、フォトダイオード200に逆バイアスがかけられた場合に、層212の少なくとも一部が減損しないようになっている。
実際には、バンド・ギャップの漸変は、化合物半導体の組成が層212のほぼ厚さ全体にわたって調整されるようなIII−V族化合物半導体層を形成することで実現され得る。例えば、GaInAsPを用いて、漸変バンド・ギャップ層212を構成する場合、成分元素であるガリウム、インジウム、砒素、及び、燐の比率を距離の関数として制御し、変化させることによって、バンド・ギャップの所望の漸変をもたらし、同時に、所望の格子定数を維持することが可能である。従って、例えば、バンド・ギャップ層212内におけるGa/In/As/Pの比率を漸変させることによって、漸変バンド・ギャップ層212の一方の側からもう一方の側すなわち反対側までの間に、100meV以上のバンド・ギャップの差を生じさせることが可能である。当業者であれば、漸変バンド・ギャップを備える半導体層の形成に精通している。
バンド・ギャップをコレクタ層214に向かって漸減させる結果として、擬似的な電界が生じることになる。すなわち、少数キャリヤ(例えば、電子)が、擬似的な電界の影響下において、選択的にコレクタ層214に向かって移動する。例えば、漸変バンド・ギャップ層212両端間におけるバンド・ギャップの100meVの差によって、電子の移動を方向づけるのに適した強度の擬似的な電界が生じることになる。とりわけ、擬似的な電界は、漸変バンド・ギャップ層212内における吸光によって生じる自由電子をコレクタ層214の方向に選択的に加速することによって、フォトダイオード200の応答時間を短縮する。
原理的には、図3(a)及び3(b)に例示したフォトダイオード200の実施態様の漸変バンド・ギャップ層212は、第1の領域または部分212aと第2の領域または部分212bに分割することが可能である。第1の部分212aは、コレクタ層214に隣接している。第1の部分212aは、漸変バンド・ギャップ層212の一部であり、そのバンド・ギャップは入射光子の概算エネルギーhν以下である。第2の部分212bは、存在すれば、半絶縁基板219に隣接する。第2の部分212bのバンド・ギャップは、一般に、第2の部分212b内の入射光子のエネルギーを超える。結果として、第1の部分212aは、自由キャリヤの発生が随伴する、入射光の事実上選択的な吸収を可能にし、一方、第2の部分212bは、吸光によって比較的少数の自由キャリヤを生じさせる。
従って、第1の部分212aは、フォトダイオード100の吸光層112と機能的に同等の吸光部分212aとみなすことが可能である。一般に、バンド・ギャップが第1の部分212aのバンド・ギャップより大きい第2の部分212bは、フォトダイオード100のキャリヤ阻止層116と機能的に同等とみなすことが可能である。もちろん、漸変バンド・ギャップ層212全体が、実際には、全体として、擬似的な電界の存在によって、電子がコレクタ層214に向かうように方向づけする働きをする。従って、ショットキー接点ユニポーラフォトダイオード200の実施態様に関して、漸変バンド・ギャップ層212全体が、フォトダイオード100のキャリヤ阻止層116にほぼ取って代わることになる。
他の実施態様には、漸変バンド・ギャップ層212’に加えて、キャリヤ阻止層216を用いることが可能なものもある。図4(a)には、漸変バンド・ギャップ層212’を備え、更に、キャリヤ阻止層216を含むショットキー接点ユニポーラフォトダイオード200’のバンド図が例示されている。こうした実施態様の場合、キャリヤ阻止層216のバンド・ギャップは、漸変バンド・ギャップ層212’における最大バンド・ギャップを超えることが望ましい。漸変バンド・ギャップ層212’の最大バンド・ギャップが、入射光子のエネルギー以下であり、一方、キャリヤ阻止層216のバンド・ギャップが入射光子のエネルギーを超えるのが、更に望ましい。
更にもう1つの実施態様では、漸変バンド・ギャップ層212、212’が、漸変ドーピング濃度(例えば、p型)を備える層212”に置き換えられた、ショットキー接点ユニポーラフォトダイオード200”を実現することが可能である。図4(b)には、漸変ドーピング濃度層212”を用いるショットキー接点ユニポーラフォトダイオード200”のバンド図が例示されている。漸変ドーピング濃度層212”のドーピング濃度は、漸変バンド・ギャップ層212、212’のバンド・ギャップがコレクタ層214に向かって漸変するのとほぼ同様にコレクタ層214に向かって漸変する。更に、漸変ドーピング濃度によって電子と正孔の両方が移動する電界が生じる。漸変ドーピング濃度層212”は、電界の存在によって、電子がコレクタ層214に向かうように方向づけする働きをする。また、漸変ドーピング濃度層212”は、電界の存在によって、正孔が阻止層216に向かうように方向づけする働きもする。上述のショットキー接点ユニポーラフォトダイオード200、200’のバンド・ギャップ漸変実施態様の場合と同様、漸変ドーピング濃度層212”を用いたショットキー接点ユニポーラフォトダイオード200”は、キャリヤ阻止層216があってもなくても(図示せず)、やはり、本発明の範囲内において実現可能である。
図5(a)には、本発明によるショットキー接点ユニポーラフォトダイオード100の実施態様に関する斜視図が例示されている。すなわち、図5(a)には、本発明によるショットキー接点ユニポーラフォトダイオード100の典型的な「ピルボックス」または同心接点スタイルの実施態様が例示されている。論考だけを目的として、本明細書において用いられる限りにおいて、「上部」は、図5(a)に例示のフォトダイオード100の配向のように、フォトダイオード100のショットキー接点118を含む側を表わしている。更に、本明細書において用いられる限りにおいて、「底部」という表現は、フォトダイオード100の上部とは反対側を表わしている。図5(a)に例示するように、陽極接点の働きをするオーム接点117は、キャリヤ阻止層116の上部にあって、それに接続されている。更に、オーム接点117は、フォトダイオード100の中央スタック部分のまわりに環状に配置されている。中央スタック部分には、キャリヤ阻止層116の一部、キャリヤ阻止層116の上部にある吸光層112、吸光層112の上部にあるコレクタ層114、及び、スタックの上部にあるショットキー接点118の陰極接点が含まれている。図5(a)には、半絶縁基板119によって支持されたフォトダイオード100の実施態様が例示されている。入射光は、下方から典型的なフォトダイオード100に入射し、半絶縁基板119を通過してから、フォトダイオード100に入射するのが望ましい。図5(a)に関して例示されたものと同様の構造を利用して、後述するフォトダイオード200の他の実施態様200、200’、200”を製作することも可能である。
好都合なことに、図5(a)の垂直照射を受けるフォトダイオード100、200、200’、200”の実施態様では、光は、キャリヤ阻止層116、216を通過するが、ほとんど吸収されない。吸光層112、212の通過時に吸収されるのは、光のほんの一部である。従って、光は、ほとんど吸収されることなく、コレクタ層114、214を通過し、ショットキー金属接点118、218によって反射される。反射した光は、再び、ただし、逆方向にフォトダイオード層を通過する。二度目に、吸光層112、212を通過する際、より多くの光が吸収される。光がショットキー金属接点118、218から反射する結果、より多くの光電流が生じ、反射しない場合に比べて、フォトダイオードの効率が高くなる。
図5(b)には、本発明によるショットキー接点ユニポーラフォトダイオード100のもう1つの典型的な実施態様の斜視図が例示されている。図5(b)に例示の典型的な実施態様は、図5(a)に例示のフォトダイオード100の実施態様の主として垂直照射を受ける応用例とは対照的に、水平照射を受けるフォトダイオードまたは導波路フォトダイオードを実現するのに適している。垂直照射時、入射光は、フォトダイオード100のこの典型的な実施態様に下方から入射する。水平照射を受けるフォトダイオードまたは導波路フォトダイオードとして用いられる場合、入射光は、側方から吸光層112に入射するのが望ましい。入射光は、フォトダイオード100の長さに対して垂直な側方から入射するのがより望ましい。図5(b)の矢印120は、水平照射を受けるフォトダイオードまたは導波路フォトダイオードの実施態様における入射光が辿る光路が例示されている。図5(b)に例示のものと同様の構造を用いて、本発明に従って、後述するフォトダイオード200の他の実施態様200、200’、200”を製造することも可能である。
既述のように、本発明によるショットキー接点ユニポーラフォトダイオード100は、逆バイアス条件または状態で動作させることが可能である。すなわち、フォトダイオード100に逆バイアスをかけて、ショットキー接点118とコレクタ層114との界面に逆バイアス電圧が生じるようにすることが可能である。多数キャリヤが吸光層112の一部に生じる場合とか、平均電流密度Jが得られる場合といった、こうした逆バイアス条件下において、層112の厚さWと層112の導電率σの間の関係を指定することが可能である。すなわち、導電率σが一定の場合、層導電率σと層厚Wは、方程式(1)によって示される関係を満たすのが望ましい
(J×W)/2σ≦(△EΓ−L)/q (1)
ここで、△EΓ−Lは、Γ谷/L谷エネルギー分離であり、qは電子の電荷である。導電率σが一定ではなく、ある分布を示す状況では、層導電率σと層厚Wは、方程式(2)によって示される関係を満たすのが望ましい。
Figure 2004200703
ここで、△EΓ−Lは、Γ谷/L谷エネルギー分離であり、qは電子の電荷であり、xは吸光層112の位置である。これらの関係の根拠及び説明については、参考までに本明細書において援用されている、Ishibashi他による米国特許第5,818,096号明細書[特許文献2]に記載がある。当業者であれば、さほどの実験をしなくても、方程式(1)及び/または(2)をショットキー接点ユニポーラフォトダイオード200、200’、200”に適用することが可能である。
図6(a)には、従来のユニポーラまたは単進行キャリヤ(UTC)・フォトダイオード300の断面図が例示されている。図6(b)には、従来のUTCフォトダイオード300のバンド図が例示されている。従来のUTCフォトダイオード300には、吸光層312、吸光層312の第1の側に接続されたキャリア通過またはコレクタ層314、及び、吸光層312の第1の側とは反対の第2の側に接続されたキャリヤ阻止層316が含まれている。キャリア通過またはコレクタ層314は、電極層315に隣接し、接続されている。陰極接点317aは、キャリア通過またはコレクタ層314の下方にある電極層315に第1のオーム接点317aを接続することによって形成される。陽極接点317bは、層スタックの上部にあるキャリヤ阻止層316に第2のオーム接点317bを接続することによって形成される。更に、電極層315は、伝導型が吸光層312とは異なる、多量ドープ半導体である。例えば、吸光層312がp型半導体の場合、電極層315は、多量ドープn型半導体である。従来のUTCフォトダイオードは、逐次、半絶縁基板319の上に電極層315をスタックし、電極層315の上にキャリア通過またはコレクタ層314をスタックし、キャリア通過またはコレクタ層314の上に吸光層312をスタックし、更に、吸光層312の上にキャリヤ阻止層316をスタックすることによって形成される。第1のオーム接点317aすなわち陰極接点は、電極層315の露出部分に接続され、一方、第2のオーム接点317bすなわち陽極接点は、スタック上部のキャリヤ阻止層316に接続されている。
本発明のショットキー接点ユニポーラフォトダイオード100、200、200’、200”は、いくつかの点において、従来のユニポーラまたは単進行キャリヤ(UTC)・フォトダイオードとは著しく異なっている。すなわち、ショットキー接点ユニポーラフォトダイオード100、200、200’、200”には、陰極接点として、第1のオーム接点317aの代わりに、ショットキー接点118、218が含まれている。とりわけ、ショットキー接点118、218のおかげで、従来のUTCフォトダイオードの電極層315が不要になることによって、フォトダイオード100、200、200’、200”が単純化されるのが好都合である。
好都合なことに、ショットキー接点118、218によれば、オーム接点の場合に可能であるよりも応答時間を速くし、効率を高めることが可能になるという特定の性能上の利点が得られる。更に、ショットキー接点118、218によれば、本応用例において、オーム接点の場合に可能であるよりも実効直列抵抗を低くすることが可能になる。直列抵抗が低下すると、フォトダイオード100、200、200’、200”の応答時間が短縮される。更に、図5(a)によって示されたフォトダイオード100の垂直照射を受ける実施態様の場合、ショットキー金属接点からの光の反射が、オーム接点からの光の反射を超えるので、結果として、オーム接点を用いたフォトダイオードによって得られる可能性のある効率よりも効率を高めることが可能になる。
図7には、本発明によるショットキー接点ユニポーラフォトダイオードを用いて、入射光を検出する方法400が例示されている。この方法400には、フォトダイオードの光活性部分において、光子の形態をなす光を吸収するステップ410が含まれている。この方法400には、更に、吸収した光子から電子と正孔を発生するステップ420が含まれている。この方法400には、更に、発生した電子を選択的にフォトダイオードの収集部分に送り込むステップ430と、同時に、正孔を選択的に収集部分から遠ざけるステップ440が含まれている。実施態様によっては、発生した電子を選択的に送り込むステップ430に、バンド・ギャップが、吸光部分の収集部分とは反対の側におけるバンド・ギャップよりも大きいキャリヤ阻止層を用いるステップが含まれるものもある。吸光部分とキャリヤ阻止ブロック層とのバンド・ギャップの差によって、キャリヤ阻止層に向かう電子の流れが有効に妨げられ、その結果、電子が選択的に収集部分に向かうことになる。他の実施態様には、漸変バンド・ギャップまたは漸変ドーピング濃度を用いて、擬似的な電界を発生させ、これによって、選択的に電子をフォトダイオードの収集部分に向かわせる(430)ことが可能なものもある。
収集部分における電界及び収集部分と吸光部分とのバンド・ギャップの差によって、収集部分への正孔の進入が有効に阻止され、その結果、正孔は選択的に収集部分から遠ざかることになる(440)。更に、フォトダイオード及び外部回路全体にわたって、光電流の導通状態を維持する起電力によって、選択的に正孔が収集部分から遠ざかり(440)、オーム接点に向かうことになる。
この方法400には、更に、ショットキー金属接点によって収集部分から発生した電子を受け取るステップ450が含まれている。すなわち、ショットキー金属接点によって受け取る電子は、吸光部分において発生して、収集部分を通過する電子である。ショットキー金属接点は、フォトダイオードの陰極の働きをする。この方法400には、更に、陽極接点の働きをするオーム接点で正孔を吸収するステップ460が含まれている。
図8には、本発明によるショットキー接点ユニポーラフォトダイオードを製作する方法500のフローチャートが例示されている。この方法500には、半絶縁基板の上部表面上または表面内にキャリヤ阻止層を形成するステップ510が含まれる。キャリヤ阻止層は、半絶縁基板の上部表面に半導体層のエピタキシャル被着を利用して形成することが可能である(510)。半導体層の被着に適したありとあらゆるエピタキシャル被着法を用いて、キャリヤ阻止層を形成することが可能である(510)。例えば、分子線エピタキシー(MBE)または有機金属気相成長(MOCVD)を用いて、エピタキシャル被着を施すことによって、p型III−V族化合物半導体を形成することが可能である(510)。或いはまた、イオン注入によるような、基板の選択的ドーピングによって、半絶縁基板の上部表面内に、キャリヤ阻止層を形成することも可能である(510)。選択的ドーピングによって、キャリヤ阻止層は、半絶縁基板格子内の「ウェル」として形成される(510)。形成される(510)キャリヤ阻止層は、ショットキー接点ユニポーラフォトダイオード100に関連して上述のキャリヤ阻止層116の特性を備えている。
この方法には、更に、形成されたキャリヤ阻止層の上に吸光層を被着させるステップ520が含まれている。被着520は、エピタキシャル被着、または、当該技術において既知の、半導体製造に適した他の任意の被着技法によって実施可能である。例えば、MBEまたはMOCVDを利用して、キャリヤ阻止層の上に、p型III−V族化合物半導体を被着させることが可能である(520)。被着した(520)吸光層は、ショットキー接点ユニポーラフォトダイオード100に関連して上述の吸光層112と同様であって、吸光層112の特性を備えていることが望ましい。
この方法には、更に、吸光層の上にコレクタ層を被着させるステップ530が含まれている。被着530は、エピタキシャル被着、または、半導体製造に適した他の任意の被着技法によって実施可能である。例えば、MBEまたはMOCVDを利用して、吸光層の上に、n型またはアンドープIII−V族化合物半導体を被着させることが可能である(530)。被着した(530)コレクタ層は、ショットキー接点ユニポーラフォトダイオード100に関連して上述のコレクタ層114と同様であって、コレクタ層114の特性を備えていることが望ましい。
この方法には、更に、コレクタ層の上部表面にショットキー接点を形成するステップ540が含まれている。ショットキー接点は、ショットキー接点の形成に適した任意の技法によって、コレクタ層の上部表面に形成することが可能である。すなわち、コレクタ層の上部表面に形成された可能性のある酸化物層を除去した後、上部表面に蒸着またはスパッタリングで金属を被着させることが可能である。形成された(540)ショットキー接点は、ショットキー接点ユニポーラフォトダイオード100に関連して上述のショットキー接点118の特性を備えていることが望ましい。すなわち、形成された(540)ショットキー接点は、フォトダイオード用の陰極接点である。
この方法には、更に、キャリヤ阻止層または吸光層の上部表面にオーム接点を形成するステップ550が含まれている。オーム接点は、キャリヤ阻止層の上部表面に形成することもできるし(550)、或いは、吸光層の独立した部分のような、キャリヤ阻止層の上部表面上にある別の層の上部表面に形成することも可能である(550)。オーム接点は、オーム接点の形成に適した任意の技法によって形成することが可能である(550)。すなわち、キャリヤ阻止層の上部表面、または、キャリヤ阻止層の上部表面上にある別の層の上部表面に、蒸着またはスパッタリングで金属を被着させることが可能である。表面から形成された可能性のある酸化物層を除去した後で、金属を被着させるのが望ましい。形成されたオーム接点は、ショットキー接点ユニポーラフォトダイオード100に関連して上述のオーム接点117の特性を備えていることが望ましい。すなわち、形成されたオーム接点は、フォトダイオード用の陽極接点である。
ショットキー接点の形成(540)と同時に、オーム陽極接点を形成して、キャリヤ阻止層または吸光層に接続することも可能である。或いはまた、フォトダイオード製造方法500実施中の別の時間に、オーム接点を形成して、接続することも可能である。同様に、フォトダイオード制作方法500の実施中の別の時間に、フォトダイオードの1つ以上の層に対するエッチングまたは別の形式の機械的整形を実施することも可能であり、やはり、本発明の範囲内である。
更に、本発明によるショットキー接点ユニポーラフォトダイオード100の製造に関して上に述べてきたが、当業者であれば、吸光層の代わりに漸変バンド・ギャップ層または漸変ドーピング層が用いられる、ショットキー接点ユニポーラフォトダイオード200、200’、200”を製作するように、方法500の実施態様500’を簡単に適応させることが可能である。すなわち、方法500’の場合、吸光層を被着させる(520)代わりに、漸変バンド・ギャップ層または漸変ドーピング層を被着させる(520’)ことが可能である。更に、方法500’の場合、漸変バンド・ギャップ層及び/または漸変ドーピング層を備えた、ショットキー接点ユニポーラフォトダイオード200、200’、200”にとって、キャリヤ阻止層はオプションであるため、キャリヤ阻止層の形成510を省略することが可能である。
こうして、ショットキー接点ユニポーラフォトダイオード、ショットキー接点ユニポーラフォトダイオードを利用した光の検出方法、及び、ショットキー接点ユニポーラフォトダイオードの製造方法のいくつかの実施態様について述べてきた。もちろん、上述の実施態様は、ただ単に、本発明の原理を明らかにする多くの特定の実施態様のいくつかについて例証するためのものでしかない。当業者であれば、本発明の範囲を逸脱することなく、他の様々な構成を容易に考案することが可能である。
上述の実施形態に即して本発明を説明すると、本発明は、コレクタバンド・ギャップ・エネルギーを有するキャリア通過またはコレクタ層114、214と、該コレクタ層114、214の第1の側に隣接して、接触し、吸光を促進する吸光バンド・ギャップ・エネルギーを有する吸光層112、212、212’、212”と、コレクタ層114、214の第1の側とは反対側の第2の側に隣接して、接触している、陰極接点であるショットキー接点118、218と、吸光層112、212、212’、212”と間接的に結合した陽極接点117、217を具備し、コレクタバンド・ギャップ・エネルギーが、吸光バンド・ギャップ・エネルギーを超え、コレクタ層114、214がほとんど吸光しないことを特徴とするユニポーラフォトダイオード100、200、200’、200”を提供する。
好ましくは、追加的に、コレクタ層114、214の反対側にある吸光層112、112a、212’、212”の側に、吸光層112、112a、212’、212”に隣接したキャリヤ阻止層116、216を具備すること、陽極接点117、217がキャリア阻止層116、216に接合していること、及びキャリヤ阻止層116、216が、吸光バンド・ギャップ・エネルギーを超える阻止バンド・ギャップ・エネルギーを備えていて、吸光層と前記キャリヤ阻止層116、216の間に阻止層エネルギー障壁25が形成される。
好ましくは、更に、陽極接点117、217とキャリヤ阻止層116、216層との間にもう1つの層112aを具備しており、当該層112aによって、陽極接点117、217がキャリヤ阻止層116、216に間接的に結合されている。
好ましくは、吸光層112、212’、212”によって、光子が電子と正孔を含む1対の自由キャリヤに変換されること、電子が選択的に阻止層のエネルギー障壁25から離れてコレクタ層114、214に入り込むこと、電子がコレクタ層114、214で加速されて、ショットキー陰極接点118、218に送られること、及び正孔が選択的にコレクタ層のエネルギー障壁24から離れて、陽極接点117、217に対するキャリヤ阻止層116、216に入り込むことが特徴とされる。
好ましくは、キャリヤ・ブロック層116、216のバンド・ギャップ・エネルギーが、吸光層112、212’、212”のバンド・ギャップ・エネルギーを超えると、キャリヤ阻止層116、216が吸光に対して不伝導性になる。
好ましくは、吸光層212’、212”の吸光バンド・ギャップ・エネルギーに、擬似的な電界を生じる漸変バンド・ギャップ・エネルギーが含まれること、漸変バンドギャップ・エネルギーが、キャリヤ阻止層216に隣接した吸光層212’、212”の第1の側における大きいバンド・ギャップ・エネルギーから、コレクタ層214に隣接した吸光層212’、212”の第2の側における比較的小さいバンド・ギャップ・エネルギーまで低下すること、及び吸光層212’、212”が、吸光層212’、212”の少なくとも一部において光を吸収することが特徴とされる。
好ましくは、吸光層212、212a、212b、212’、212”の吸光バンド・ギャップ・エネルギーに、漸変するバンド・ギャップ・エネルギーが含まれること、漸変バンド・ギャップ・エネルギーによって擬似的な電界が生じること、漸変バンド・ギャップ・エネルギーが、コレクタ層214に隣接した吸光層212、212’、212”の第1の側からの距離の関数として増大すること、陽極接点217が、吸光層212、212’、212”に接合されていること、及びバンド・ギャップ・エネルギーの比較的大きい吸光層212、212’、212”の領域212bが、バンド・ギャップ・エネルギーの比較的小さい吸光層212、212’、212”の領域212aよりも、吸光に対する伝導性が低いことが特徴とされる。
好ましくは、吸光層112、212、212’、212”が、第1の伝導タイプと第1のドーピング濃度を備えていること、コレクタ層114、214が、吸光層112、212、212’、212”の第1のドーピング濃度より低い第2のドーピング濃度を備えていること、オプションとされるキャリヤ阻止層116、216が、コレクタ層114、214の第2のドーピング濃度より高い第3のドーピング濃度を備えていること、及び第1のドーピング濃度によって、吸光層112、212、212’、212”の少なくとも一部における電荷の中性が維持されることが特徴とされる。
好ましくは、更に陽極接点117、217を支持し、更に層112、212、212’、212”、114、214、及びショットキー陰極接点118、218をスタック関係をなすように支持する半絶縁基板119、219が含まれること、スタック関係に、吸光層112、212、212’、212”、コレクタ層114、214、及びショットキー陰極接点118、218の半絶縁基板119、219の表面からの特定の順序が含まれること、陽極接点117、217がスタック層から分離されていることが特徴とされる。
好ましくは、入射光120が、スタック層を支持する表面とは異なる半絶縁基板119、219の表面からフォトダイオード100、200、200’、200”に入って、スタック層に向かい、入射光120は、まず吸光層112、212、212’、212”によって光子として吸収され、吸光層112、212、212’、212”によって、光子が電子及び正孔に変換され、次に、電子は、吸光層112、212、212’、212”からショットキー陰極接点118、218に向かって、コレクタ層114、214内を移動し、一方、正孔は、吸光層112、212、212’、212”から陽極接点117、217に向かって移動することと、異なる表面がスタック層を支持する前記表面と反対側にあるか、または、それに隣接していて、フォトダイオードフォトダイオード100、200、200’、200”の垂直または水平照射が施される。
(a)は、従来の垂直照射を受けるPINフォトダイオードの断面図であり、(b)は(a)に例示のPINフォトダイオードに関するバンド図である。 (a)は、本発明の実施態様による垂直照射を受けるショットキー接点ユニポーラフォトダイオードの断面図であり、(b)は、(a)に例示のショットキー接点ユニポーラフォトダイオードの実施態様に関するバンド図であり、(c)は、本発明の実施態様による間接的に接合したオーム接点を備える垂直照射を受けるショットキー接点ユニポーラフォトダイオードの断面図である。 (a)は、本発明の他の1つの実施態様による垂直照射を受けるショットキー接点ユニポーラフォトダイオードの断面図であり、(b)は、(a)に例示するショットキー接点ユニポーラフォトダイオードの実施態様に関するバンド図である。 (a)は、本発明の実施態様による漸変バンド・ギャップ層とキャリヤ阻止層の両方を備えたショットキー接点ユニポーラフォトダイオードのバンド図であり、(b)は、本発明による漸変ドーピング濃度層を備えたショットキー接点ユニポーラフォトダイオードのもう1つの実施態様のバンド図である。 (a)は、本発明によるショットキー接点ユニポーラフォトダイオードの実施態様の斜視図であり、(b)は、本発明によるショットキー接点ユニポーラフォトダイオードのもう1つの実施態様の斜視図である。 (a)は、従来の垂直照射を受ける単進行キャリヤ(UTC)フォトダイオードの断面図であり、(b)は、(a)に例示のUTCフォトダイオードに関するバンド図である。 本発明の実施態様によるショットキー接点ユニポーラフォトダイオードを用いて入射光を検出する方法のフローチャートである。 本発明の実施態様によるショットキー接点ユニポーラフォトダイオードを製作する方法のフローチャートである。
符号の説明
100 ユニポーラフォトダイオード
112 吸光層
114 キャリヤコレクタ層
116 キャリヤ阻止層
117 陽極接点
118 ショットキー陰極接点
119 半絶縁基板
200 ユニポーラフォトダイオード
200’ ユニポーラフォトダイオード
200” ユニポーラフォトダイオード
212 吸光層
212’ 吸光層
212” 吸光層
214 キャリヤコレクタ層
216 キャリヤ阻止層
217 陽極接点
218 ショットキー陰極接点
219 半絶縁基板


Claims (10)

  1. コレクタバンド・ギャップ・エネルギーを有するコレクタ層と、
    該コレクタ層の第1の側に隣接して接触し、吸光を促進する吸光バンド・ギャップ・エネルギーを有する吸光層と、
    前記コレクタ層の第1の側とは反対側の第2の側に隣接して接触する、陰極接点であるショットキー接点と、
    前記吸光層と間接的に結合される陽極接点とを具備し、
    前記コレクタバンド・ギャップ・エネルギーは、前記吸光バンド・ギャップ・エネルギーよりも大きくされ、前記コレクタ層は実質的に吸光しないことを特徴とするユニポーラフォトダイオード。
  2. 前記吸光層の前記コレクタ層の側とは逆側に、前記吸光層に隣接したキャリヤ阻止層を具備することと、前記陽極接点が前記キャリヤ阻止層に接合していることと、該キャリヤ阻止層は、前記吸光バンド・ギャップ・エネルギーより大きな阻止バンド・ギャップ・エネルギーを備えていて、前記吸光層と前記キャリヤ阻止層の間に阻止層エネルギー障壁が形成されるようにしたことを特徴とする、請求項1に記載のユニポーラフォトダイオード。
  3. 前記吸光層によって、光子は、電子と正孔を含む1対の自由キャリヤに変換されることと、前記電子は、前記阻止層エネルギー障壁から離れる方向に移動して前記コレクタ層に入り込み、該コレクタ層で加速されて前記ショットキー接点に送られることと、前記正孔は、前記吸光層内を、該吸収層と前記コレクタ層との間に形成されたコレクタ層エネルギー障壁から離れる方向に移動して、前記陽極接点に面する前記キャリヤ阻止層に入り込むことを特徴とする、請求項2に記載のユニポーラフォトダイオード。
  4. 前記キャリヤ阻止層の前記バンド・ギャップ・エネルギーは、前記吸光層の前記バンド・ギャップ・エネルギーより大きくされ、前記キャリヤ阻止層では電気伝導性を生じる吸光を生じないことを特徴とする、請求項3に記載のユニポーラフォトダイオード。
  5. 前記吸光層の前記吸光バンド・ギャップ・エネルギーは、漸変するバンド・ギャップ・エネルギーを含み、擬似的な電界を生ぜしめることと、前記漸変バンド・ギャップ・エネルギーは、前記キャリヤ阻止層の側に位置する比較的大きなバンド・ギャップ・エネルギーから前記コレクタ層の側に位置する比較的小さなバンド・ギャップ・エネルギーへと変化するようにされ、前記吸光層は、少なくとも一部で吸光の動作をすることを特徴とする、請求項2に記載のユニポーラフォトダイオード。
  6. 前記陽極接点と前記キャリヤ阻止層との間に他の1つの層を具備しており、該層によって、前記陽極接点が前記キャリヤ阻止層に間接的に結合されるようにしたことを特徴とする、請求項2に記載のユニポーラフォトダイオード。
  7. 前記吸光層の前記吸光バンド・ギャップ・エネルギーは、漸変するバンド・ギャップ・エネルギーを含み、擬似的な電界を生ぜしめることと、前記漸変バンド・ギャップ・エネルギーは、前記コレクタ層に隣接した前記吸光層の一側からの距離の関数として増大することと、バンド・ギャップ・エネルギーの大きい前記吸光層の領域は、バンド・ギャップ・エネルギーの小さい前記吸光層の領域よりも、吸光に対する電気伝導性が小さいことを特徴とする、請求項2に記載のユニポーラフォトダイオード。
  8. 前記吸光層は、第1の伝導タイプと第1のドーピング濃度を備えていることと、前記コレクタ層が、前記吸光層の前記第1のドーピング濃度より低い第2のドーピング濃度を備えていることと、前記キャリヤ阻止層は、前記コレクタ層の前記第2のドーピング濃度より高い第3のドーピング濃度を備えていることと、前記第1のドーピング濃度によって、前記吸光層の少なくとも一部における電荷の中性が維持されることを特徴とする、請求項2に記載のユニポーラフォトダイオード。
  9. さらに、前記陽極接点を支持し、且つ少なくとも前記コレクタ層、前記吸光層及び前記ショットキー接点を、スタック関係を成すように支持する半絶縁基板が含まれることと、前記スタック関係は、前記半絶縁基板の表面からの順番が、前記吸光層、前記コレクタ層、及び前記ショットキー陰極接点となるようにするものであることと、前記陽極接点は、少なくともスタックされた前記吸光層及び前記コレクタ層から前記半絶縁基板の面内方向に分離されていることを特徴とする、請求項1に記載のユニポーラフォトダイオード。
  10. 入射光は、前記半絶縁基板の表面であって、スタックされる層を支持する表面とは異なる表面から前記フォトダイオードに入るようにされ、前記入射光は、前記吸光層によって光子として吸収され、該光子は、前記吸光層によって電子及び正孔に変換され、次に、前記電子は、前記吸光層から前記ショットキー陰極接点に向かって前記コレクタ層内を移動し、一方、前記正孔は、前記吸光層から前記陽極接点に向かって移動することを特徴とする、請求項9に記載のユニポーラフォトダイオード。
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