JP2004200271A - 熱処理用ウェーハ支持具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱処理するウェーハWを支持する接触部を有するピン22と、該ピンを固定する支柱16と、該支柱を固定するベース12,14とを有する熱処理用ウェーハ支持具10であって、前記ピンは前記支柱に形成された孔30に嵌め込んで配置され、前記ピンのウェーハとの接触部26の形状が、該ウェーハに対して凸の曲面であるようにした。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェーハ、例えばシリコンウェーハ等のウェーハを熱処理する際に用いられる熱処理用ウェーハ支持具に関する。
【0002】
【関連技術】
バッチ式熱処理用ウェーハ支持具においては、ボートと呼ばれる支柱に溝を有する構造物の溝に複数のウェーハを平行に収納保存する形式が一般的に採用されている。特に、1000℃以上の高温熱処理においては耐熱性等からウェーハ支持具の素材としてSiCが一般的に採用されており、ダイアモンドカッター等により支柱に直接溝を切削加工する手法が使われている。
【0003】
しかし、この手法では加工できる形状に制限を受けるため、曲面など複雑な形状の加工は困難である。また、切削加工中に溝面にバリが発生しやすい問題もある。さらに、発生したバリを除去するための追加工が困難であることや、ウェーハが接触する溝の表面の粗度を低減するための研磨が困難であるため、熱処理中にウェーハとの接触部にキズやスリップ転位が発生する問題がある(特許文献1,2)。また、加工中に支柱が破損しやすく大きな労力と加工時間が必要であるため、生産性が悪くコストの低減が困難である。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−161654号公報
【特許文献2】
特開平8−107081号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、高温熱処理によるキズやスリップ転位の発生がなく、加工が容易でコスト低減が可能な熱処理用ウェーハ支持具を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の熱処理用ウェーハ支持具は、熱処理するウェーハを支持する接触部を有するピンと、該ピンを固定する支柱と、該支柱を固定するベースとを有する熱処理用ウェーハ支持具であって、前記ピンは前記支柱に形成された孔に嵌め込んで配置され、前記ピンのウェーハとの接触部の形状が、該ウェーハに対して凸の曲面であることを特徴とする。
【0007】
前記ピンのウェーハとの接触部の形状が、球形または楕円球形であるのが好ましい。前記ピンは前記支柱から取り外し可能に構成され、また前記支柱は前記ベースから取り外し可能に構成されるのが好適である。
【0008】
前記ピンは円柱状の素材を加工したものを用いることができる。前記ピン、支柱およびベースの素材としてはSiC、シリコンまたは石英を用いることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明するが、図示例は例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能であることはいうまでもない。
【0010】
図1は本発明の熱処理用ウェーハ支持具の第1の実施の形態を示す側面説明図、図2は図1の構造から上ベース及び上側のウェーハを取り外した状態を示す上面説明図及び図3はピンの製造態様を示す説明図で、(a)は円柱状のピン素材及び(b)はピンの完成品を示す。
【0011】
図中、10は本発明に係る熱処理用ウェーハ支持具である。該ウェーハ支持具10は上下方向に相対向して設けられた上下一対のベース12,14、及び該上下のベース12,14の間に立設された複数本(図2の例では3本)の支柱16を有している。
【0012】
該上ベース12の下面に穿設された受け孔18及び該下ベース14の上面に穿設された受け孔20に該支柱16の上端部及び下端部にそれぞれ嵌着する構造とすることによって該支柱16は該ベース12,14に取り外し可能に固定されている。
【0013】
22は熱処理するウェーハWを支持するために用いられるピンである。該ピン22は図3(b)によく示されるごとく、ピン本体部24を有し、該ピン本体部24の先端部にはウェーハWを支持する接触部26が設けられ、かつ基端部には径大なる嵌着部28が設けられている。前記支柱16の側面には該ピン22の嵌着部28に対応して嵌着孔30が穿設されている。該嵌着孔30に該嵌着部28を嵌め込むことによって該ピン22は該支柱16に取り外し可能に固定されている。図1において嵌着孔30は支柱16を貫通しない構造となっているが、貫通孔として形成することもできる。
【0014】
上記ピン22の接触部26の形状は、支持されるウェーハWに対して凸の曲面であることが必要である。図1及び図2に示した例では、該接触部26の形状は球形である場合が示されている。
【0015】
この接触部26の形状は、上述したように支持されるウェーハWに対して凸の曲面であれば、球形以外の形状を採用することができることはいうまでもなく、図4及び図5の第2の実施の形態において示されるごとく、接触部26を楕円球形とすることも可能である。
【0016】
また、第1の実施の形態(図1及び図2)及び第2の実施の形態(図4及び図5)においては、支柱16の設置本数を3本とした場合を示したが、支柱16の設置本数はベース12,14を支持可能な本数であれば特別な限定はなく、図6の第3の実施の形態において示されるごとく、支柱16を5本設け、各支柱16にピン22を取り外し可能に固定することも可能である。なお、図4〜図6において、図1〜図3と同一又は類似部材は同一の符号を用いて示されている。
【0017】
前記ピン22は、図3(a)(b)に示したように、円柱状のピン素材22aを旋盤にて研磨加工することによって容易に得ることができ、かつピン22、特にその接触部26の表面粗度を容易に制御することが可能となる。ピン素材22aとしては、直径2〜6mm程度で、長さ50〜120mm程度のSiC、Si(単結晶、多結晶)、石英などを用いることができる。また、支柱16及びベース12,14の素材としても、SiC、シリコン又は石英を用いるのが好適である。
【0018】
上述したように、本発明のウェーハ支持具においては、ピンの先端部のウェーハとの接触部の形状が、ウェーハに対して凸の曲面となるように構成してあるので、熱処理中にウェーハとの接触部にキズやスリップ転位が発生することがなくなり、その上支柱に対しては嵌着孔を穿設加工するだけであるので、従来の支柱のように多数の溝を加工する必要はなく、加工中に支柱が破損するなどの事故は著しく低減され、したがって生産性が向上してコスト低減が可能となるものである。
【0019】
ピン22のウェーハWとの接触部26は、その接触部26の表面粗度を別途追加工して接触部26のみを所望の表面粗度にしてもよい。さらに、ピン22の長さと形状を適切に選択することにより、ウェーハWがピン22と接触する位置(ピンの長さ方向の位置)や接触部26の形状を任意に設計できる。そして、ピン22のみを支柱16から取り外すことが可能な構成を採用する場合には、洗浄や交換が容易であり、また、表面を再加工してリサイクルしたりすることも可能である。
【0020】
上記各実施の形態においては、ピン22は支柱16に対して嵌着孔30を介して着脱可能に固定され、また支柱16はベース12,14に対して受け孔18,20を介して着脱可能に固定される構造を例示したが、必要に応じて、ピン22を支柱16に対して着脱不能に固定し、また支柱16をベース12,14に対して着脱不能に固定することもできる。
【0021】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的にするが、実施例は例示として示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
【0022】
(実施例1)
ベース、支柱、ピンの素材としてSiCを使用し、図1に記載された熱処理用ウェーハ支持具を作製した。その際、ピンは直径5mm、長さ80mmの円柱状の材料を使用して、その先端部に直径約5mmの球状の接触部を形成し、ピン本体部は直径約3mmとした。
【0023】
このような熱処理用ウェーハ支持具を用い、直径300mm、結晶方位<100>、p型約10ΩcmのCZシリコン単結晶ウェーハの熱処理を行った。ウェーハとの接触部におけるキズやスリップ転位の発生状況を調査した。
【0024】
熱処理条件は、アルゴン100%雰囲気下、1200℃、1時間とし、ウェーハの投入及び取出温度は700℃とした。
【0025】
熱処理後のウェーハは、X線トポグラフ法を用いて、ウェーハ支持具とウェーハとの接触部におけるキズやスリップ転位の発生状況を調査した結果、これらの発生はほとんど見られなかった。
【0026】
【発明の効果】
以上述べたごとく、本発明の熱処理用ウェーハ支持具を用いてウェーハの熱処理を行えば、高温熱処理によるキズやスリップ転位の発生がなくなり、かつ本発明の熱処理用ウェーハ支持具はその加工が容易であるので、製作コストの低減を図ることができるという大きな効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱処理用ウェーハ支持具の第1の実施の形態を示す側面説明図である。
【図2】図1の構造から上ベース及び上側のウェーハを取り外した状態を示す上面説明図である。
【図3】ピンの製造態様を示す説明図で、(a)は円柱状のピン素材及び(b)はピンの完成品である。
【図4】本発明の熱処理用ウェーハ支持具の第2の実施の形態を示す側面説明図である。
【図5】図4の構造から上ベース及び上側のウェーハを取り外した状態を示す上面説明図である。
【図6】本発明の熱処理用ウェーハ支持具の第3の実施の形態を示す図2と同様の上面説明図である。
【符号の説明】
10:ウェーハ支持具、12,14:ベース、16:支柱、18,20:受け孔、22:ピン、22a:ピン素材、24:ピン本体部、26:接触部、28:嵌着部、30:嵌着孔、W:ウェーハ。
Claims (6)
- 熱処理するウェーハを支持する接触部を有するピンと、該ピンを固定する支柱と、該支柱を固定するベースとを有する熱処理用ウェーハ支持具であって、前記ピンは前記支柱に形成された孔に嵌め込んで配置され、前記ピンのウェーハとの接触部の形状が、該ウェーハに対して凸の曲面であることを特徴とする熱処理用ウェーハ支持具。
- 前記ピンのウェーハとの接触部の形状が、球形または楕円球形であることを特徴とする請求項1に記載された熱処理用ウェーハ支持具。
- 前記ピンは前記支柱から取り外し可能に構成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された熱処理用ウェーハ支持具。
- 前記支柱は前記ベースから取り外し可能に構成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載された熱処理用ウェーハ支持具。
- 前記ピンは円柱状の素材を加工したものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載された熱処理用ウェーハ支持具。
- 前記ピン、支柱およびベースの素材はSiC、シリコンまたは石英であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載された熱処理用ウェーハ支持具。
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2002
- 2002-12-17 JP JP2002364777A patent/JP2004200271A/ja active Pending
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