JP2004200111A - 電子線装置及び該装置を用いたデバイス製造方法 - Google Patents

電子線装置及び該装置を用いたデバイス製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004200111A
JP2004200111A JP2002369950A JP2002369950A JP2004200111A JP 2004200111 A JP2004200111 A JP 2004200111A JP 2002369950 A JP2002369950 A JP 2002369950A JP 2002369950 A JP2002369950 A JP 2002369950A JP 2004200111 A JP2004200111 A JP 2004200111A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electron beam
sample
emitted
image
defect
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002369950A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004200111A5 (ja
Inventor
Mamoru Nakasuji
護 中筋
Takao Kato
隆男 加藤
Toru Satake
徹 佐竹
Shinji Nomichi
伸治 野路
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ebara Corp filed Critical Ebara Corp
Priority to JP2002369950A priority Critical patent/JP2004200111A/ja
Publication of JP2004200111A publication Critical patent/JP2004200111A/ja
Publication of JP2004200111A5 publication Critical patent/JP2004200111A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)
  • Electron Sources, Ion Sources (AREA)

Abstract

【課題】デバイス損傷を防止することが可能であり、低収差、高分解能若しくは高S/N比と、立体的なSEM像を得ることによる欠陥分類の容易さと、を両立させる。
【解決手段】電子線装置は、1次電子線を放出する電子銃1aと、負電源20に接続された試料19に、1次電子線を縮小結像させる減速電界対物レンズ14と、該試料から放出された2次電子線を1次電子線から分離するように偏向させる静電偏向器12と、該2次電子線を検出する検出器16と、検出器出力信号から画像を形成する画像形成回路22と、該画像から試料の欠陥検出を行う計算機23と、を含んで構成される。欠陥レビュー時には、静電偏向器12の偏向量を欠陥検出時より低下させた状態で1次電子線を試料に照射して試料19の欠陥欠陥候補の2次電子画像を形成することにより立体的なSEM像が得られる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば最小線幅0.1μm以下のパターンを有するウェーハ等の試料の欠陥候補を分類し、キラー欠陥かそうでないか等を評価するための電子線装置、並びに、当該電子線装置を用いたデバイス製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、半導体ウェーハやマスク等の試料の欠陥を検出するため、細く絞った1次電子線のプローブを対物レンズ等で試料に結像させ、該試料から発生する2次電子を検出器で検出することにより、高分解能、高スループットで欠陥を検出する電子線装置が知られている。
【0003】
このような電子線装置の中には、対物レンズと試料との間に2次電子検出器を設け、検出器側へ放出される2次電子を選択的に検出して立体的なSEM像を得る欠陥レビュー装置(第1の従来技術)が知られている。
【0004】
また、第1の技術とは別に、試料に負の電圧を印加することによって電子線を減速し、低いエネルギーでウェーハに照射することによって、デバイスの損傷を防ぎ、試料から放出される2次電子は、対物レンズで加速し、E×B分離器で1次電子線から分離し、2次電子検出を行う電子線装置(第2の従来技術)も知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第1の従来技術では、減速電界対物レンズを使えないため、高いビームエネルギーのままで試料を照射するか、或いは、元々低いエネルギーのビームを用いてデバイス損傷を防止したとしても収差が大きくなるため低い分解能で観察するしか方法が無かった。
【0006】
一方、第2の従来技術では、電子線を試料に垂直に入射させ、全方位に放出された2次電子を検出するため、立体的なSEM像を得ることができず、欠陥の分類を行うのが難しいという問題点もあった。
【0007】
本発明は、上記事実に鑑みてなされたもので、デバイス損傷を防止することが可能であり、低収差、高分解能若しくは高S/N比と、立体的なSEM像を得ることによる欠陥分類の容易さと、を両立させた電子線装置を提供することを目的とする。
【0008】
更に、本発明は、上記電子線装置を用いて製造途中若しくは完成品の半導体デバイスを検査することによって、検査精度及びスループットの向上を図ったデバイス製造方法を提供することを別の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、負の電圧が印加された試料に、1次電子線を低いエネルギーにして照射し、該試料から放出された2次電子線を分離器で1次電子線から分離するように偏向させ、該2次電子線を検出することにより画像形成することが可能な電子線装置において、分離器は、試料から所定範囲の方向に放出された2次電子線のみを検出可能に偏向させるための偏向量を少なくとも1つ有し、分離器をその偏向量とした状態で試料の画像を形成することにより立体的なSEM像を得ることを可能としている。
【0010】
本発明のこの態様の電子線装置によれば、分離器は、負の電圧を印加された試料に1次電子線を低いエネルギーにして照射し、その結果、上記偏向量に設定された分離器が、試料から放出された2次電子線を1次電子線から分離するように偏向させる。このとき、分離器は、試料から所定範囲の方向に放出された2次電子線のみを検出可能な軌道に沿って偏向させる。従って、このように偏向された2次電子線のみが検出されて画像形成され、この検出された2次電子線を放出した試料の部分において画像が明るくなる。これに対し、この軌道以外に偏向された2次電子線は、検出されず、よって、この2次電子線を放出した試料の部分において画像が暗くなる。例えば試料に段差パターンがある場合等には、この段差が凹であるか凸であるかによって画像の明暗のでき方が異なるようになる。即ち、立体情報を含むSEM像(立体的なSEM像)が得られる。
【0011】
これに加えて、試料に負の電圧が印加されるので、1次電子線が減速されて試料に照射される。更には、1次電子線を試料上に縮小結像させる際に、減速電界対物レンズを用いることができる。この場合、1次電子線をより効率的に低エネルギーにして試料に照射することができる。従って、元々の1次電子線のエネルギーを高くして収差を抑えながら、試料に照射するときには低エネルギーにしてデバイス損傷を防止することができる。
【0012】
本態様の電子線装置は、分離器が上記した偏向量のみを有する場合、試料の立体的画像を形成する装置として利用することができる。勿論、偏向量が複数個あったり、或いは、偏向量を連続的に変える機能を有するようにしてもよい。これにより、画像の明暗のでき方を微調整することができる。偏向量の変更は、例えば分離器の励起電圧及び励起電流を変えることによって実現することができる。本電子線装置が例えばE×Bユニット等の静電偏向器により2次電子線の経路を1次電子線の経路から所定角度偏向させる形式の場合には、E×Bユニットの励起電圧及び励起電流を低下させることにより、分離器の通常の偏向方向に沿った軌道を通る2次電子線のみが検出可能となり、その反対方向に逸れる2次電子線は十分に偏向されないため検出不可能となる。
【0013】
更には、分離器は、全方位に放出された2次電子線の事実上全てを検出可能な軌道に沿って偏向できるようにしてもよい。即ち、本発明の電子線装置を従来の欠陥検出装置としても利用することができる。この欠陥検出装置は、事実上全ての2次電子を検出できるため、高いS/N比で欠陥候補を検出することができる。
【0014】
この態様の電子線装置の好ましい使用法として、最初に、全方位に放出された全ての2次電子線を検出することにより高いS/N比で試料の欠陥候補の検出を行う。次に、この欠陥候補について、偏向量を変えることにより所定範囲の方向に放出された2次電子線のみを検出し、そのSEM画像を得、欠陥候補の分類即ち欠陥レビューを行う。これによって、より詳細な欠陥検出が可能となり、例えばキラー欠陥かそうでないか等を判断することができる。このように、本態様では、欠陥検出を行う装置と、欠陥レビューを行う装置とを分離器の偏向量を変えるのみで容易に切り替えすることもできる。
【0015】
本発明の更なる態様では、負の電圧が印加された試料に、1次電子線を低いエネルギーにして照射し、該試料から放出された2次電子線を検出して画像形成する、電子線装置において、試料から放出された2次電子線のうち特定の方向へ放出された2次電子線の検出効率を低くすることにより、立体的なSEM像を得ることを特徴とする。
【0016】
この態様によれば、試料から放出された2次電子線のうち特定の方向へ放出された2次電子線の検出効率を低くするため、上記態様と同じ原理で立体的なパターンに応じて明暗差を表すことができ、立体的なSEM画像を得ることができる。
【0017】
本発明の別の態様によれば、熱電子放出カソードを有する電子銃から放出される電子線を細く絞って試料上を走査し、該試料から放出された2次電子の検出効率に放出方位角依存性を持たせることにより、立体的なSEM像を得る電子線装置において、電子銃を空間電荷制限条件で動作させることを特徴とする。
【0018】
この態様によれば、2次電子の検出効率に放出方位角依存性を持たせることにより、上記態様と同じ原理で立体的なパターンに応じて明暗差を表すことができ、立体的なSEM像を得ることができる。更には、電子銃を空間電荷制限条件で動作させるため、ショット雑音を小さくしてS/N比を向上させることができる。これによって、小さい照射量で良好な画像を得ることができるので、照射量を小さくしてデバイス破壊を防止できるという効果が共に得られることとなる。
【0019】
本発明の更に別の態様によれば、熱電子放出カソードを有する電子銃から放出された電子線を細く絞って試料上を走査し、該試料から放出される2次電子の検出効率を方位角依存性を持たせることにより、立体的なSEM像を得る電子線装置において、前記電子銃は、輝度がラングミュア制限より一桁以上高輝度になる条件で動作されることを特徴とする。
【0020】
この態様によれば、2次電子の検出効率に放出方位角依存性を持たせることにより、上記態様と同じ原理で立体的なパターンに応じて明暗差を表すことができ、立体的なSEM像を得ることができる。更には、電子銃の輝度がラングミュア制限より一桁以上高輝度になる条件で動作されるため高分解能が得られる。
【0021】
本発明のデバイス製造方法は、上記各態様の電子線装置を用いて、ウェーハプロセス途中又は少なくとも1つのウェーハプロセス終了後のウェーハの欠陥候補の分類を行うことを特徴とする。
【0022】
本発明の他の利点及び作用効果は、以下の説明によって更に明らかとなる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の各実施形態を説明する。
(第1の実施形態;電子線装置)
図1には、本発明の第1の実施形態に係る電子線装置の概略構成が示されている。
【0024】
図1に示す電子線装置は、1次電子線を放出する電子銃1aを有する。この電子銃1aは、1次電子線を放出するLaB6単結晶(6ホウ化ランタン)カソード1と、放出された電流を制御するため電圧が印加されるウェーネルト電極2と、アノード3と、を備える。更に、電子銃1aは、ウェーネルト電極2とアノード3との軸線位置を調節するための機械的軸合わせ機構4と、アノード3にウォーブラ電圧を印加するためのウォーブラ電源7と、を備えており、これにより、電源7からウォーブラ電圧をアノード3に印加してウェーネルト電極2とアノード3との軸合わせを行うようにしている。
【0025】
また、電子銃1aの下段には、アノード3と協働して、電子銃1aから放出された1次電子線を集束してクロスオーバーを形成する静電レンズ5,6が配置されている。このクロスオーバーの位置には、成形開口8aが形成された開口板8が配置され、1次電子線を所定寸法に成形する。
【0026】
更に、成形された1次電子線を細いビームに縮小して試料19上に結像させる縮小レンズ9及び対物レンズ14が設けられている。なお、この対物レンズ14は、1次電子線に対しては減速電界、試料19で発生して対物レンズ14に入る2次電子線に対しては加速電界を形成する。試料19には、該試料に負電圧を印加するための負電源20が接続されている。
【0027】
また、細く絞られた1次電子線を試料19上でラスタ走査するため、2段の静電偏向器10、13が配置されている。更に、対物レンズ14により加速された2次電子を、1次電子線から分離させて偏向させる電磁偏向器12が静電偏向器13と同じZ位置に設けられている。電磁偏向器12は、サドル型に巻かれた偏向コイルの外側に円筒形のパーマアロイのコアを配置したユニットである。電磁界を選択的に与えると、一方向からその場に入射する電子ビームは偏向され、その反対方向から入射する電子ビームは,電界から受ける力と磁界から受ける力の影響が相殺される条件(ウィーン条件)を作ることが可能である。なお、電磁偏向器12及び静電偏向器13は、協働して2次電子を偏向させる分離器として機能する。これにより、分離器(電磁偏向器12及び静電偏向器13)に十分な偏向電流及び偏向電圧が与えられた場合、1次電子ビームは試料19に向かって直進し、2次電子ビームは方向15へと偏向される。なお、静電偏向器10、13、及び電磁偏向器12は、走査制御電源11と接続され、静電偏向器10、13の偏向電圧、並びに、電磁偏向器12の偏向電流が制御される。
【0028】
偏向方向15には、2次電子線の強度を検出する検出器16が配置されている。なお、図示していないが、2次電子線を検出器16に結像させるための2次光学系を設けることもできる。また、検出器16から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ21と、該デジタル信号に基づいて試料19の2次電子画像を形成する画像形成回路22と、電子線装置全体を制御・管理すると共に、形成された2次電子画像から試料19の欠陥候補を検出し、その欠陥候補を分類するための計算機23と、が備えられている。なお、画像形成回路22は、走査制御電源11の走査波形が入力されるように偏向器10に接続されている。
【0029】
次に、第1の実施形態の電子線装置の作用を説明する。
最初に、図1の電子線装置は、試料19の全体に亘って欠陥候補を検出する欠陥検出モードで動作する。このモードでは、ほぼ全方位に放出された2次電子線が方向15に沿って偏向されてS/N比が高い画像が得られるように分離器(12、13)に十分な偏向電流及び偏向電圧が与えられた状態で、以下の通り、試料19の全体が検査される。
【0030】
即ち、LaB6カソード1から放出された1次電子線は、アノード3、静電レンズ4、5により成形開口8aのところでクロスオーバーが形成され、該開口により成形される。成形された1次電子線は、縮小レンズ9及び対物レンズ14により縮小され、細いビームとして試料19に照射される。このように成形開口8aの位置で形成された成形ビームを縮小するため、クロスオーバーより上で発生するクーロン効果等のビーム収差を事実上ゼロにすることができる。また、試料19は、負電源20により負電圧が印加されているので、試料19に照射される1次電子線が減速され、低いエネルギーに落とされることによって、デバイスの損傷を防ぐことができる。
【0031】
試料19上に照射された細いビームは、2段の静電偏向器10、13により試料19上を例えば100MHzで高速ラスタ走査される。走査された試料19の表面からは2次電子が放出され、対物レンズ14により加速集束される。加速された2次電子は、十分な励起電流が供給されている電磁偏向器12によって、その放出方向に拘わらず1次電子線から分離されるように方向15に偏向され、検出器16に到達する。検出器16では、入ってきた2次電子線の強度が検出され、アナログ信号として出力され、ADコンバータ21によりデジタル信号に変換される。画像形成回路22では、走査制御電源11の走査波形を参照しながら該デジタル信号に基づいて試料19の2次電子画像を形成する。計算機23では、形成された2次電子画像から、試料19の欠陥検出を行い、欠陥候補部に関する位置等の情報を図示しないメモリに記憶する。
【0032】
この欠陥検出では、計算機23が、例えば、そのメモリに予め蓄えられていた欠陥の存在しないウェーハの2次電子線基準画像と、実際に検出された2次電子線画像とを比較照合し、倍率補正、回転、平行移動補正を行った後、両者の類似度を算出する。例えば、類似度が閾値以下になった場合、「欠陥候補」と判定し、閾値を超える場合には「欠陥候補ではない」と判定する。
【0033】
また、上記のように基準画像を用いる必要無しに、検出されたダイ同士の検出画像を比較することによっても欠陥部分を検出できる。この場合、パターンマッチングは平行移動補正のみを行えばよい。例えば、1番目に検出されたダイの画像及び2番目に検出された他のダイの画像が非類似であり、3番目に検出された別のダイの画像が1番目の画像と同じか又は類似と判断されれば、2番目のダイ画像が欠陥候補であると判定される。また、パターンを横切って走査したときの2次電子の強度信号が予め較正された所定のスレッショールドレベルを連続的に超える部分の幅を当該パターンの線幅として測定することができる。このように測定された線幅が所定の範囲内にない場合、当該パターンが欠陥候補であると判定することができる。
【0034】
欠陥検出モードが終了した後、本電子線装置は、欠陥候補分類モードで動作することができる。このモードでは、上記の欠陥検出モードで検出された欠陥候補箇所について立体的なSEM画像を得るため、電磁偏向器12及び静電偏向器13の偏向電流及び偏向電圧を低下させ、その偏向量を落とした状態で試料12の欠陥候補箇所の2次電子画像を得る。このときの2次電子画像の取得プロセスは上述と同様である。
【0035】
分離器(12、13)の偏向量を低下させると、試料19から放出された2次電子のうち図1の右側の方向に放出された2次電子は軌道17付近に沿って進行する。軌道17では、図1から明らかなように、検出器16に到達する方向までは十分に偏向されず、よって検出器16では検出されないことになる。これに対して、図1の左側方向に放出された2次電子は、軌道18付近に沿って進行する。この場合、2次電子は、検出器16に到達し、検出される。このように、特定方向(この例の場合、右側の方向)に放出された2次電子が検出されないようにしたので、欠陥候補の立体情報が得られるようになる。例えば、段差のあるパターンでは、これが凸パターンであった場合、図1の下図に示されるように、凸パターンの左側外壁から放出された2次電子は、軌道18に沿って偏向されて検出され、右側外壁から放出された2次電子は、軌道17に沿って偏向され検出されない。即ち、凸パターンでは、左側が明るくなり、右側が暗くなる画像が得られる。逆に凹パターンの場合では、図1の下図に示されるように、凹パターンの右側内壁から放出された2次電子は、軌道18に沿って偏向されて検出され、左側内壁から放出された2次電子は、軌道17に沿って偏向され検出されない。即ち、凹パターンでは、凸パターンとは逆に、右側が明るくなり、左側が暗くなる画像が得られる。
【0036】
計算機23は、図示しないメモリに立体的なSEM画像を分類する上で必要となる分類情報(例えば、上記した凹凸パターンについての明暗分布)を記憶しており、該分類情報と、実際に得られた欠陥候補箇所の2次電子画像の明暗分布とを比較し、該当した分類情報から、該欠陥候補の分類を行う。この欠陥候補の分類結果に基づいてキラー欠陥かそうでないか等を評価することができる。
【0037】
なお、欠陥分類モードでは、計算機23は、試料19が載置される図示しないステージを水平面内で移動させて、欠陥検出モードで欠陥候補とされた箇所付近のみについて、順次画像取得するようにしてもよい。
【0038】
以上のように、第1の実施形態では、低い1次電子線エネルギーの照射を行う装置において分離器(12、13)の偏向量を落とすというきわめて簡単な切替操作を行うことによって、立体的なSEM画像を低収差で得ることと、デバイス破壊の防止とを両立させている。
【0039】
なお、上記例では、2つの偏向量を有する場合を示したが、3つ以上の偏向量を選択できたり、連続的に偏向量を変更できるようにしてもよい。また、2次電子検出器をx方向とy方向との2箇所以上に設け、2次電子がx方向の検出器又はy方向の検出器の方向に偏向されるように、分離器の偏向量を設定してもよい。
(第2の実施形態)
図2には、本発明の第1の実施形態に係る電子線装置の概略構成が示されている。
【0040】
図2に示す電子線装置は、1次電子線を放出する電子銃30を有する。電子銃30は、カソード31、ウェーネルト電極52及びアノード36を備えており、カソード31は単結晶LaB6から作られ、グラファイトヒーター32で加熱され、後述する空間電荷制限条件で動作される。絶縁碍子33の表面がチャージアップすることによる雑音の増加を防ぐため、シールドリング35が設けられ、絶縁物表面のポテンシャルがビーム通路、特にカソード付近に影響を与えない様にしている。ウェーネルト電極52とアノード36との軸合わせをビームが出ている状態で調整する機械的軸合わせ機構34を設け、アノード36にウォーブラ電源37でウォーブラをかけながら軸合わせ機構34を調整する。後述するように、この電子銃30は、エミッション電流を特定の値に設定することによって、ラングミュア(Langmuir)制限で決まる値より1桁以上高輝度を得ることができる。
【0041】
アノード36に負の電圧を与えることによって凸レンズ作用を与え、電子銃30のクロスオーバーを形成することができる。このクロスオーバーの位置には、成形開口39aが形成された成形開口板39が配置され、1次電子線を所定寸法に成形する。38は成形開口板39への軸合わせ電極である。
【0042】
更に、成形された1次電子線を細いビームに縮小して試料47上に結像させる縮小レンズ41及び対物レンズ44が配置されている。縮小レンズ41の下流には、NA開口42aが形成されたNA開口板42が配置され、1次電子線の収束半角を適切にする。40はNA開口板42への軸合わせ偏向器である。
【0043】
また、細く絞られた1次電子線を試料47上でラスタ走査するため、2段の静電偏向器43、45が配置され、これらの偏向器には、走査制御電源46が接続されている。
【0044】
対物レンズ44と試料47との間には、該対物レンズ44に隣接して2次電子線の強度を検出する検出器48が配置されている。この検出器48は、2次電子を引き付けることができるように電界を生じさせてもよい。対物レンズ44の形状及び検出器48との位置関係から容易に理解することができるように、図の右側方向に放出された2次電子は、図の左側方向に放出された2次電子よりも検出器48により検出される効率が高い。即ち、第2の実施形態では、2次電子の検出効率に放出方位角依存性が持たせられている。
【0045】
また、検出器48から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ49と、該デジタル信号に基づいて試料47の2次電子画像を形成する画像形成回路50と、電子線装置全体を制御・管理すると共に、形成された2次電子画像から試料47の欠陥候補を検出し、その欠陥候補を分類するためのCPU51と、が備えられている。なお、画像形成回路50は、走査制御電源46の走査波形が入力されるように偏向器43と接続されている。
【0046】
上述のように本実施形態においては、ショット雑音を減少する1つの手段として、電子銃を空間電荷制限条件で動作するようにしたが、空間電荷制限条件でショット雑音が減少する理由及び電子銃を空間電荷制限条件に維持する方法について説明する。
【0047】
電子銃の状態がカソード温度で決まっている状態、即ち温度制限領域で作動中の場合、電子銃が放出するショット雑音inは、次式で表される(電気通信学会編「通信工学ハンドブック」P.471(1957年)を参照)。
【0048】
n 2=2e・Ip・Br (1)
(1)式において、in 2は雑音電流の2乗平均値、eは電子の電荷、Ipはアノード直流電流、Bfは信号増幅器の周波数帯域である。
【0049】
これに対し、電子銃が空間電荷制限領域の場合は、
n 2=Γ22e・Ip・Br (2)
となる。(2)式において、Γ2は低減係数で1より小さい値である。
【0050】
このように電子銃が空間電荷制限条件で動作すると、カソード近傍にバーチャルカソードと呼ばれるポテンシャルの谷が形成される。熱電子は、このポテンシャルの谷(電子にとっては障壁)を越えるエネルギーを持つもののみが電子銃電流となる。何かのきっかけで電流が多く流れると、この谷は深くなり、電流が流れ難くなる。即ち、ネガティブフィードバックがかかることになる。これが、ショット雑音が小さくなる理由である。
【0051】
Γ2は、カソード温度が十分大きい場合、最小0.018程度になり、雑音電流は、温度制限領域の場合の13%まで小さくなる。この場合のS/N比は、2次電子≒1次電子であると仮定すると、
S/N=Ip/{Γ(2e・Ip・Bf1/2
=1/Γ・{Ip/(2e・Bf)}1/2
=n1/2/(Γ・21/2) (3)
となる。Γ=0.13とすると、(3)式から、以下のS/N比が得られる。
【0052】
S/N=7.5(n/2)1/2 (4)
(n:2次電子個数/ピクセル)
即ち、空間電荷制限領域で動作する電子銃は、温度制限領域での電子銃(ショットキーカソードやTFE)に比べて、ピクセル当たりの2次電子数を55倍(=1/Γ2=1/0.132)多く検出したのと等価となる。後者が前者よりも輝度が2桁程度大きいので、同じビーム径を想定すると、後者は前者よりも2桁大きいビーム電流が得られるが、S/N比は前者比で1/55となる。言い換えると、空間電荷制限領域の電子銃では、温度制限領域の電子銃に比べて、測定時間が100/55≒1.8倍必要となるが、ドーズは1/55で済むことになる。
【0053】
電子銃が空間電荷制限領域で動作中であるか否かは、図3を参照して以下に説明する方法で調べることができる。
図3(A)は、電子銃電流とカソード加熱電流との関係を表している。同図において、領域Pは、カソード加熱電流を増大させたとき電子銃電流の増加が少ない領域であり、この領域Pが空間電荷制限領域である。
【0054】
また、図3(B)は、電子銃電流とアノード電圧との関係を表している。同図において、領域Qは、アノード電圧を増加させると電子銃電流が急速に増加する領域であり、この領域Qも空間電荷制限領域である。
【0055】
以上より、電子銃のカソード加熱電流を増大させて電子銃電流を測定し、該電子銃電流の増加が小さい領域Pであるか、又は、電子銃のアノード電圧を増大させて電子銃電流を測定し、該電子銃電流が急激に変化している領域Qであれば、電子銃が空間電荷制限領域で動作中であると判定することができる。従って、電子銃を空間電荷制限領域で動作させるための条件を設定することができる。
【0056】
次に、電子銃30をラングミュア制限を超える輝度で動作させる制御について説明する。
図4には、(100)方位の単結晶La6カソードを1800°Kで動作したときの電子銃電流をウェーネルトバイアスで変えてシュミレーションしたときの、電子銃から放出される電子線の輝度が示されている。図4に示したように、775μA〜935μAの電子銃電流の範囲で輝度が1×108A/cm2Srを越えている。
【0057】
従来、La6電子銃の輝度は、ラングミュアの限界値があり、通常のカソード温度及び100kV以下の加速電圧では、1×107A/cm2Srを越えることは絶対無いと考えられてきた。しかし、上記限界値が意味のあるのは、クロスオーバー径と、ビーム放出角との積が一定となる、所謂光学モデルの成立する範囲内である。従って、光学モデルが成立せず、層流モデルに近い場合には、ビームを集束することによって輝度は上限無く高くできると発明者は解釈している。
【0058】
図4で、1×108A/cm2Sr以上の輝度で使いたい場合、Ie=775μAから935μAの範囲の電子銃電流で使用することができる。高電子銃電流側では、少し傾斜が小さくなっている。それでも傾斜が急であるから、少しでも電子銃電流が変化すると、輝度が変化するので、ビーム電流が変動する可能性が大きい。安定した制御を行うためには、カソード電流を測定し、ウェーネルト電極の図示しない電源にフィードバックし、電子銃電流が一定になるよう制御すればよい。
【0059】
次に、第2の実施形態の電子線装置の作用を説明する。
LaB6カソード31から放出された1次電子線は、アノード36により成形開口39aのところでクロスオーバーが形成され、該開口により成形される。成形された1次電子線は、縮小レンズ41により縮小され、NA開口42aにより成形された後、更に対物レンズ44により縮小され、細いビームとして試料47に照射される。従来のクロスオーバー縮小型ビームでは、細いビームの周辺に密度は小さいが全部の面積に亘って積分すると小さくはない量のビーム電流が存在していた。この周辺のビームは信号を増すことはできないが、ショット雑音を増すという問題があった。本実施形態の如き成形ビーム方式では、このような周辺ビームをカットすることができるので、S/N比を大きくできる。その上、電子銃30は空間電荷制限条件で動作されているためショット雑音を更に小さくすることができる。
【0060】
試料47上に照射された細いビームは、2段の静電偏向器43、45により試料上を高速ラスタ走査される。発生した2次電子は、放出方位角依存性の検出効率を持たせた検出器48により検出され、第1の実施形態と同様に、A/D変換器49でデジタル信号に変換され、画像形成回路50でSEM像が作られ、CPU51で欠陥分類が行われる。検出器48の検出効率に放出方位角依存性を持たせているため、第1の実施形態と同様の原理により、試料47のパターンの立体的なSEM画像が簡単に得られる。それに加えて、本実施形態では例えばビーム電流3nAで100MHzで走査を行うのでピクセルあたりの電子数は(3×10-9/1×108)/1.6×10-19=187.5個となる。成形ビームを用い、更に空間電荷制限条件で電子銃30を動作させているので、この程度の電子数で十分S/N比の良い立体的なSEM画像が得られる。従って、欠陥レビュー中に本来欠陥でない部分のゲート酸化膜を破壊することがない。また、電子銃30をラングミュア制限以上の高輝度を持つようにしているため、FE電子銃を使わなくとも高分解能で大電流のビームが得られる。
【0061】
以上のように、第2の実施形態では、立体的なSEM画像を高分解能及び高S/N比で得ることと、デバイス破壊の防止とを両立させている。
(第3の実施形態;半導体デバイスの製造方法)
本実施形態は、上記実施形態で示した電子線装置を半導体デバイス製造工程におけるウェーハの欠陥検出、欠陥レビューに適用したものである。
【0062】
デバイス製造工程の一例を図5のフローチャートに従って説明する。
この製造工程例は以下の各主工程を含む。
▲1▼ ウェーハ20を製造するウェーハ製造工程(又はウェハを準備する準備工程)(ステップ100)
▲2▼ 露光に使用するマスクを製作するマスク製造工程(又はマスクを準備するマスク準備工程)(ステップ101)
▲3▼ ウェーハに必要な加工処理を行うウェーハプロセッシング工程(ステップ102)
▲4▼ ウェーハ上に形成されたチップを1個ずつ切り出し、動作可能にならしめるチップ組立工程(ステップ103)
▲5▼ 組み立てられたチップを検査するチップ検査工程(ステップ104)
なお、各々の工程は、更に幾つかのサブ工程からなっている。
【0063】
これらの主工程の中で、半導体デバイスの性能に決定的な影響を及ぼす主工程がウェーハプロセッシング工程である。この工程では、設計された回路パターンをウェーハ上に順次積層し、メモリやMPUとして動作するチップを多数形成する。このウェーハプロセッシング工程は以下の各工程を含む。
▲1▼ 絶縁層となる誘電体薄膜や配線部、或いは電極部を形成する金属薄膜等を形成する薄膜形成工程(CVDやスパッタリング等を用いる)
▲2▼ 形成された薄膜層やウェーハ基板を酸化する酸化工程
▲3▼ 薄膜層やウェーハ基板等を選択的に加工するためにマスク(レチクル)を用いてレジストのパターンを形成するリソグラフィー工程
▲4▼ レジストパターンに従って薄膜層や基板を加工するエッチング工程(例えばドライエッチング技術を用いる)
▲5▼ イオン・不純物注入拡散工程
▲6▼ レジスト剥離工程
▲7▼ 加工されたウェーハを検査する検査工程
なお、ウェーハプロセッシング工程は必要な層数だけ繰り返し行い、設計通り動作する半導体デバイスを製造する。
【0064】
上記ウェーハプロセッシング工程の中核をなすリソグラフィー工程を図6のフローチャートに示す。このリソグラフィー工程は以下の各工程を含む。
▲1▼ 前段の工程で回路パターンが形成されたウェーハ上にレジストをコートするレジスト塗布工程(ステップ200)
▲2▼ レジストを露光する露光工程(ステップ201)
▲3▼ 露光されたレジストを現像してレジストのパターンを得る現像工程(ステップ202)
▲4▼ 現像されたパターンを安定化させるためのアニール工程(ステップ203)以上の半導体デバイス製造工程、ウェーハプロセッシング工程、リソグラフィー工程には周知の工程が適用される。
【0065】
上記▲7▼のウェーハ検査工程において、本発明の上記各実施形態に係る電子線装置を用いた場合、微細なパターンを有する半導体デバイスでも、高スループットで高精度に評価でき、更には、欠陥候補の分類も可能となるため、製品の歩留向上及び欠陥製品の出荷防止が可能となる。
【0066】
以上が上記各実施形態であるが、本発明は、上記例にのみ限定されるものではなく本発明の範囲内で任意好適に変更可能である。
例えば、試料として半導体ウェーハを例に掲げたが、これに限定されず、電子線によって欠陥を検出可能なパターン等が形成された任意の試料、例えばマスク等を評価対象とすることができる。
【0067】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明の電子線装置によれば、以下のような優れた効果が得られる。
【0068】
請求項1の発明によれば、負の電圧が印加された試料に、1次電子線を低いエネルギーにして照射することによりデバイス損傷を防止することができる欠陥装置において、分離器の偏向量を変えるのみで立体的なSEM像を得る欠陥レビュー装置に容易に切り替えすることができる。従って、デバイス損傷を防止した上で、低収差即ち高分解能と、立体的なSEM像を得ることによる欠陥分類の容易さと、を両立させることができる。
【0069】
請求項2の発明によれば、負の電圧が印加された試料に、1次電子線を低いエネルギーにして照射することによりデバイス損傷を防止することができる欠陥装置において、試料から放出された2次電子線のうち特定の方向へ放出された2次電子線の検出効率を低くすることにより、立体的なSEM像を得ることができる。従って、デバイス損傷を防止した上で、低収差即ち高分解能と、立体的なSEM像を得ることによる欠陥分類の容易さと、を両立させることができる。
【0070】
請求項3の発明によれば、空間電荷制限条件で動作される熱電子放出カソードを有する電子銃から放出される電子線を細く絞って試料上を走査し、該試料から放出された2次電子の検出効率に放出方位角依存性を持たせるようにしたので、ショット雑音の低減に起因して少ない電子線照射量で凹凸の良くわかる立体的なSEM像が得られる。
【0071】
請求項4の発明によれば、輝度がラングミュア制限より一桁以上高輝度になる条件で動作される熱電子放出カソードを有する電子銃から放出された電子線を細く絞って試料上を走査し、該試料から放出される2次電子の検出効率に方位角依存性を持たせるようにしたので、高分解能の立体的なSEM像が得られる。
【0072】
請求項5の発明によれば、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子線装置を用いて、ウェーハプロセス途中又は少なくとも1つのウェーハプロセス終了後のウェーハの欠陥候補の分類を行うようにしたので、欠陥製品の出荷防止が更に効率的に可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電子線装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る電子線装置の概略構成図である。
【図3】電子線装置の空間電荷制限条件の領域を説明するための図である。
【図4】(100)方位の単結晶La6カソードを1800°Kで動作したときの電子銃電流をウェーネルトバイアスで変えてシュミレーションしたときの電子線の輝度を示すグラフである。
【図5】半導体デバイス製造プロセスを示すフローチャートである。
【図6】図5の半導体デバイス製造プロセスのうちリソグラフィープロセスを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1a 電子銃
1 La6単結晶のカソード
2 ウェーネルト電極
3 アノード兼静電レンズ上部電極
4 機械的軸合わせ機構
5 静電レンズ中央電極
6 静電レンズ下部電極
7 ウォーブラ電源
8 成形開口板
8a 成形開口
9 縮小レンズ
10 静電偏向器
11 走査制御電源
12 電磁偏向器
13 静電偏向器
14 対物レンズ
15 欠陥検出モードでの2次電子の偏向方向
16 検出器
17 欠陥レビューモードで検出されない2次電子の軌道
18 欠陥レビューモードで検出される2次電子の軌道
19 試料
20 負電源
21 A/Dコンバータ
22 画像形成回路
23 計算機
30 電子銃
31 カソード
32 グラファイトヒータ
33 絶縁硝子
34 機械的軸合わせ機構
35 シールドリング
36 アノード
37 ウォーブラ電源
38 成形開口への軸合わせ電極
39 成形開口板
39a 成形開口
40 成形開口への軸合わせ電極
41 縮小レンズ
42 NA開口板
42a NA開口
43 静電偏向器
44 対物レンズ
45 静電偏向器
46 走査制御電源
47 試料
48 検出器
49 A/Dコンバータ
50 画像形成回路
51 CPU
52 ウェーネルト電極

Claims (5)

  1. 負の電圧が印加された試料に、1次電子線を低いエネルギーにして照射し、該試料から放出された2次電子線を分離器で1次電子線から分離するように偏向させ、該2次電子線を検出することにより画像形成することが可能な電子線装置において、
    前記分離器は、前記試料から所定範囲の方向に放出された2次電子線のみを検出可能に偏向させるための偏向量を少なくとも1つ有し、
    前記分離器を前記偏向量に設定した状態で前記試料の画像を形成することにより立体的なSEM像を得ることを可能とする、電子線装置。
  2. 負の電圧が印加された試料に、1次電子線を低いエネルギーにして照射し、該試料から放出された2次電子線を検出して画像形成する、電子線装置において、
    前記試料から放出された2次電子線のうち特定の方向へ放出された2次電子線の検出効率を低くすることにより、立体的なSEM像を得ることを特徴とする、電子線装置。
  3. 熱電子放出カソードを有する電子銃から放出される電子線を細く絞って試料上を走査し、該試料から放出された2次電子の検出効率に放出方位角依存性を持たせることにより、立体的なSEM像を得る電子線装置において、
    前記電子銃を空間電荷制限条件で動作させることを特徴とする、電子線装置。
  4. 熱電子放出カソードを有する電子銃から放出された電子線を細く絞って試料上を走査し、該試料から放出される2次電子の検出効率に方位角依存性を持たせることにより、立体的なSEM像を得る電子線装置において、
    前記電子銃は、輝度がラングミュア制限より一桁以上高輝度になる条件で動作されることを特徴とする、電子線装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子線装置を用いて、ウェーハプロセス途中又は少なくとも1つのウェーハプロセス終了後のウェーハの欠陥候補の分類を行うことを特徴とする、デバイス製造方法。
JP2002369950A 2002-12-20 2002-12-20 電子線装置及び該装置を用いたデバイス製造方法 Pending JP2004200111A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002369950A JP2004200111A (ja) 2002-12-20 2002-12-20 電子線装置及び該装置を用いたデバイス製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002369950A JP2004200111A (ja) 2002-12-20 2002-12-20 電子線装置及び該装置を用いたデバイス製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004200111A true JP2004200111A (ja) 2004-07-15
JP2004200111A5 JP2004200111A5 (ja) 2005-05-19

Family

ID=32766028

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002369950A Pending JP2004200111A (ja) 2002-12-20 2002-12-20 電子線装置及び該装置を用いたデバイス製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004200111A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009110971A (ja) * 2006-07-26 2009-05-21 Mamoru Nakasuji 電子線装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009110971A (ja) * 2006-07-26 2009-05-21 Mamoru Nakasuji 電子線装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8368016B1 (en) Electron beam apparatus and a device manufacturing method by using said electron beam apparatus
US6476390B1 (en) Method and apparatus for inspecting integrated circuit pattern using a plurality of charged particle beams
US7189979B2 (en) Electron gun
TWI694480B (zh) 帶電粒子束裝置、帶電粒子束支配裝置和操作帶電粒子束裝置的方法
JP2007265931A (ja) 検査装置及び検査方法
US7235799B2 (en) System and method for evaluation using electron beam and manufacture of devices
US7361600B2 (en) Semiconductor manufacturing apparatus having a built-in inspection apparatus and a device manufacturing method using said manufacturing apparatus
US7227141B2 (en) Electron beam apparatus
US7132301B1 (en) Method and apparatus for reviewing voltage contrast defects in semiconductor wafers
JP2006277996A (ja) 電子線装置及び該装置を用いたデバイス製造方法
JP2004200111A (ja) 電子線装置及び該装置を用いたデバイス製造方法
JPH11242941A (ja) 走査電子顕微鏡
JP4068003B2 (ja) 電子線装置
JP2001283763A (ja) フィルター、電子線装置及びこれらの装置を用いたデバイス製造方法
JP2003187733A (ja) 電子線装置及びこの装置を用いたデバイス製造方法
JP3995479B2 (ja) 電子線装置及びその電子線装置を用いたデバイスの製造方法
JP2004214044A (ja) 電子線装置及び電子線装置を用いた半導体デバイス製造方法
JP4050504B2 (ja) 電子線装置及び該装置を用いたデバイス製造方法
JP3895992B2 (ja) 電子線装置及び該装置を用いた半導体デバイス製造方法
JP3907943B2 (ja) 欠陥検査方法及びその方法を用いたデバイス製造方法
JP4230280B2 (ja) 欠陥検査方法及びその検査方法を用いたデバイス製造方法
JP2005158642A (ja) パターンを評価する方法及びデバイス製造方法
JP2005085618A (ja) 電子線装置及び該装置を用いたデバイス製造方法
JP2006066181A (ja) 電子線装置及びそれを用いたデバイス製造方法
JP2006278028A (ja) 電子線装置及び該装置を用いたデバイス製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040712

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040712

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050701

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060302

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060705