JP2004198301A - 赤外線式ガス検出器および赤外線式ガス検知装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】赤外線式ガス検出器10は、点滅方式で動作される赤外線光源12と、赤外線光源からの赤外線を、検査対象ガスが導入されるガスセル11を介して受光し、表面電荷状態に基づく電気信号を出力する焦電型赤外線センサ13とを備え、赤外線光源は、点灯時間が要電荷平衡化時間よりも小さく、かつ消灯時間が要電荷平衡化時間よりも十分に大きくなる状態で点滅され、赤外線光源の点灯状態終了時点における焦電型赤外線センサ出力値と、赤外線光源の消灯状態における平衡期間内の選ばれた時点における焦電型赤外線センサ出力値との差異に基づいて検出対象ガスの濃度測定を行う。赤外線式ガス検知装置は、前記赤外線式ガス検出器を備えている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、赤外線式ガス検出器および赤外線式ガス検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、二酸化炭素ガス、一酸化炭素ガス、メタンガス、ブタンガス、イソブタンガス、プロパンガス、フロンガスなどのガスを検出するガス検出器の一種として、検査対象ガスが導入されるガスセルと、当該ガスセルの一端側に設けられた赤外線を発生する赤外線光源と、当該ガスセルの他端側に設けられた赤外線センサとを備えてなり、赤外線が検査対象ガス中に存在する検出対象ガス(以下、「被検出ガス」ともいう。)によって吸収され、その吸収量が被検出ガスの濃度と比例関係にあることを利用することによって被検出ガスの濃度を測定する赤外線式ガス検出器が知られている。
【0003】
赤外線センサとしては、赤外線を受光することにより、その表面における表面電荷状態が変化し、この表面電荷状態に基づく電気信号を出力する焦電型赤外線センサが好適に用いられている。
【0004】
このような焦電型赤外線センサを備えてなる赤外線式ガス検出器としては、焦電型赤外線センサが微分型の検出特性を有するものであって連続して出力を得るためには、当該焦電型赤外線センサに対して赤外線を断続的に供給する必要があることから、例えばチョッパ、シャッタなどの機械的なセクタによって焦電型赤外線センサに向かって赤外線光源から放射される赤外線を周期的にチョッピングする構成のものが用いられている。
このような機械的なセクタを備えてなる構成の赤外線式ガス検出器においては、ガス検出動作中において、常時、赤外線光源を点灯状態とし、また、セクタを駆動状態とする必要があることから、消費電力が大きくなる。
【0005】
然るに、赤外線式ガス検出器においては、特に、例えば携帯型のものなどに対して低消費電力化の要請があることから、このような場合には、通常、点灯状態と消灯状態とが繰り返される点滅方式で動作される赤外線光源を備えたものが用いられている。
このような点滅方式の赤外線光源を備えてなる構成の赤外線式ガス検出器は、ガス検出動作中において赤外線光源が常時点灯状態とされず、また、赤外線光源の点滅周期に伴って焦電型赤外線センサに対して断続的に赤外線が供給されることから、機械的なセクタを設ける必要もなくなるため、機械的なセクタを備えてなる赤外線式ガス検出器に比して、その消費電力が小さくなる。
【0006】
しかしながら、点滅方式の赤外線光源を備えてなる構成の赤外線式ガス検出器においては、図3に示すように、焦電型赤外線センサによって赤外線が供給される周期(図3において(イ)で表される周期)を周期成分とする電気信号(図3において(ロ))が出力され、この電気信号における赤外線光源が点灯状態にある場合における点灯出力ピーク値p1 と、消灯状態にある場合におけるの消灯出力ピーク値p2 との差異に基づいて被検出ガスの濃度測定が行われることから、シャープな点灯出力ピークおよび消灯出力ピークを有する安定した出力を得、高い精度でガス検出を行うために、点灯時間t1 および消灯時間t2 の各々を、焦電型赤外線センサの表面電荷状態が平衡化するために要する要電荷平衡化時間よりも小さくすると共に、通常、点灯時間t1 と消灯時間t2 とを同一の大きさとしていることから、赤外線光源に係る消費電力が大きく、この赤外線光源に係る消費電力の赤外線式ガス検出器の総消費電力に対する割合が70%程度と高いことから、要請を十分に満足する低消費電力化が図られていない。
【0007】
また、このような赤外線式ガス検出器においては、単に赤外線光源の印加電圧を小さくすることによっては、赤外線光源に係る消費電力を十分に小さくすることができないことから、要請を満足するような低消費電力化を図ることができず、あるいは、単にガス検出動作中における赤外線光源の駆動時間に対する点灯時間の割合を小さくすることによっては、焦電型赤外線センサから安定した出力が得られなくなる、という問題がある。
【0008】
【特許文献1】
特許第3305634号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、優れたガス検出性能を有すると共に、低消費電力化を図ることができる赤外線式ガス検出器を提供することにある。
また、発明の他の目的は、信頼性の高いガス検知を行うと共に、低消費電力化を図ることができる赤外線式ガス検知装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の赤外線式ガス検出器は、点灯状態と消灯状態とが繰り返される点滅方式で動作される赤外線光源と、当該赤外線光源から放射された赤外線を、検査対象ガスが導入されるガスセルを介して受光し、表面電荷状態に基づく電気信号を出力する焦電型赤外線センサとを備え、
赤外線光源は、点灯時間が焦電型赤外線センサの表面電荷状態が平衡化するために要する要電荷平衡化時間よりも小さく、かつ消灯時間が要電荷平衡化時間よりも十分に大きくなる状態で点滅され、
赤外線光源の点灯状態終了時点における焦電型赤外線センサの出力値と、当該赤外線光源の消灯状態における要電荷平衡化時間経過時点から消灯状態終了時点までの間の平衡期間内における選ばれた時点の焦電型赤外線センサの出力値との差異に基づいて検査対象ガス中の検出対象ガスの濃度測定を行うことを特徴とする。
【0011】
本発明の赤外線式ガス検出器においては、赤外線光源の消灯時間が、点灯時間の2倍以上であることが好ましい。
【0012】
本発明の赤外線式ガス検出器においては、少なくとも赤外線光源を駆動するための光源駆動回路およびその制御回路に対する投入電力を、消灯時間内において低減させることができる。
【0013】
本発明の赤外線式ガス検知装置は、上記の赤外線式ガス検出器を備えていることを特徴とする。
【0014】
【作用】
本発明の赤外線式ガス検出器によれば、赤外線光源が、点灯時間が要電荷平衡化時間よりも小さく、かつ消灯時間が要電荷平衡化時間よりも十分に大きくなる状態で点滅されることにより、ガス検出動作中において、赤外線光源が消灯状態にある時間の割合が点灯状態にある時間の割合よりも大きくなることから、当該赤外線光源を点灯状態とするために駆動する構成部材を休止状態とする時間を大きくすることによって赤外線光源に係る消費電力を小さくし、かつ検出対象ガスの濃度測定処理を行う構成部材を一定時間休止状態とすることができると共に、点灯状態および消灯状態の各々における特定の時点の焦電型赤外線センサの出力値に基づいて検出対象ガスの濃度測定が行われることから、ガス検出性能に実用上の弊害を伴うことなく低消費電力化を図ることができる。
従って、本発明の赤外線式ガス検出器によれば、優れたガス検出性能が得られると共に、低消費電力化を図ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の赤外線式ガス検出器を示す説明用図である。
この赤外線式ガス検出器10は、例えば二酸化炭素ガスなどの赤外線吸収性能を有するガスを被検出ガス(検出対象ガス)とする赤外線式ガス検出器であって、検査対象ガスを導入するためのガス導入口11Aおよびガス排出口11Bを有するガスセル11と、当該ガスセル11の一端側(図1において左端側)に設けられ、点灯状態と消灯状態とが繰り返される点滅方式で動作されることによって赤外線を発生する赤外線光源12と、ガスセル11の他端側(図1において右端側)に設けられ、赤外線光源12から放射される赤外線をガスセル11を介して受光する焦電型赤外線センサ13とを備えている。
この図の例において、16は、被検出ガスが吸収する赤外線に対してのみ高い透過率を有するバンドパスフィルターである。また、21は光源駆動回路、22はCPU、23は増幅回路であり、24はセンサ用バイアス電圧印加回路である。
【0016】
焦電型赤外線センサ13は、当該焦電型赤外線センサ13を構成する焦電体による焦電効果を利用する微分型の検出特性を有し、赤外線を断続的に受光することによって連続して出力を得ることができるものであり、赤外線光源12の点滅周期に伴って周期的に供給される赤外線を受光することにより、その表面における表面電荷状態が変化し、この表面電荷状態に基づいて、赤外線が供給される周期を周期成分とする電気信号(以下、「センサ出力信号」ともいう。)を出力する。
この焦電型赤外線センサ13には、センサ用バイアス電圧印加回路24の他に、増幅回路(図示せず)が接続されており、この増幅回路には、センサ出力信号に基づいて濃度信号を発信する機能を有する、例えば平滑回路などを含むガス濃度変換回路が接続されている。
【0017】
焦電型赤外線センサ13における焦電体は、自発分極を示す強誘電体素子であって、赤外線光源12から放射される光を受光し、その受光した赤外線量に応じて温度変化を生じ、この温度変化による表面電荷状態の変化を焦電効果にてとらえるものである。
【0018】
ここに、赤外線光源12の点滅状態に変化が生じることによって非平衡状態となった焦電型赤外線センサ13の表面電荷状態は、その点滅状態環境下において、要電荷平衡化時間を要して平衡化されることとなる。
【0019】
具体的に、焦電型赤外線センサ13の表面電荷状態が平衡化するために要する要電荷平衡化時間とは、赤外線光源12が消灯状態から点灯状態に移行すること、または赤外線式ガス検出器10が駆動されて赤外線光源12が点灯状態となることによって焦電型赤外線センサ13に対する光の照射が開始されることに伴って当該焦電型赤外線センサ13の表面電荷状態に変化が生じて非平衡状態となった場合、および赤外線光源12が点灯状態から消灯状態に移行することによって焦電型赤外線センサ13に対する光の照射が停止されることに伴って焦電型赤外線センサ13の表面電荷状態に変化が生じて非平衡状態となった場合において、平衡化に要する時間をいう。
【0020】
赤外線光源12としては、例えばタングステンランプなどの小型の白熱ランプを好適に用いることができる。
この赤外線光源12は、パルス状に電源を供給する光源駆動回路21に接続されており、この光源駆動回路21からのパルス電源信号の周期に従って点滅し、この点滅周期にて焦電型赤外線センサ13に向かって光を放射する。
【0021】
赤外線光源12は、点灯時間が要電荷平衡化時間よりも小さく、かつ消灯時間が要電荷平衡化時間よりも十分に大きくなる状態で点滅されている。
【0022】
点灯時間が要電荷平衡化時間以上である場合には、焦電型赤外線センサ13からのセンサ出力信号に、交流電流増幅のため、シャープな点灯出力ピークが得られず、実用上必要とされるガス検出能力が得られない。
また、消灯時間が要電荷平衡化時間以下である場合には、ガス検出動作中における点灯状態にある時間の割合が大きくなり、十分な低消費電力化を図ることができない。
【0023】
具体的に、点灯時間は、要電荷平衡化時間の0.5倍以下、特に0.1〜0.5倍であることが好ましく、一方、消灯時間は、要電荷平衡化時間の1.5倍以上、特に2〜5倍であることが好ましい。
【0024】
また、赤外線光源12の消灯時間は、点灯時間の2倍以上、特に5〜10倍以上であることが好ましい。
消灯時間が点灯時間の2倍以上であることにより、赤外線式ガス検出器10の低消費電力化を確実に図ることができる。
【0025】
赤外線光源12の点滅条件としては、具体的に、焦電型赤外線センサ13の要電荷平衡化時間が2秒間である場合には、点灯時間が1秒間であり、消灯時間が9秒間であることが好ましい。
【0026】
ここに、赤外線光源12は、被検出ガスの種類にもよるが、赤外線式ガス検出器10において10秒〜24時間に1回の割合でガス検出が行われる態様に対応するよう点滅するものであってもよい。
【0027】
このような構成を有する赤外線式ガス検出器10によれば、ガス検出動作中において、赤外線光源12から、例えば図2において(イ)で表される点滅周期によって赤外線が放射され、この放射された赤外線は、ガスセル11内を通過し、バンドパスフィルター16を介して焦電型赤外線センサ13に照射される。このようにして焦電型赤外線センサ13には、赤外線光源12の点滅周期に伴って赤外線が周期的に供給される。
図2において、t1 は点灯時間を示し、t2 は消灯時間を示す。
【0028】
そして、焦電型赤外線センサ13からは、当該焦電型赤外線センサ13に赤外線が供給される周期を周期成分とする、図2(ロ)に示すようなセンサ出力信号が出力され、赤外線光源12の点灯終了時点T1 における焦電型赤外線センサ13の出力値と、当該赤外線光源12の消灯状態における要電荷平衡化時間(図2(ロ)においてT1 からT2 までの間の時間)を経過した時点(要電荷平衡化時間経過時点)T2 から消灯終了時点T3 までの平衡期間内における選ばれた時点の焦電型赤外線センサ13の出力値との差異(以下、「出力値差異」ともいう。)に基づいて被検出ガスの濃度測定が行われる。
ここに、赤外線光源12の消灯時間t2 (図2(ロ)においてT1 からT3 までの間の時間)における、要電荷平衡化時間経過時点T2 から消灯終了時点T3 までの間の時間においては、焦電型赤外線センサ13は平衡状態となっている。
【0029】
具体的に、焦電型赤外線センサ13からのセンサ出力信号は、増幅回路によって増幅された後、ガス濃度変換回路に入力し、このガス濃度変換回路においては、通常、被検出ガスが存在しない状態におけるセンサ出力信号の出力値差異を基準とし、ガス検出動作中に得られるセンサ出力信号の出力値差異の増減の変化割合に基づき濃度信号を発信する。
【0030】
この濃度信号は、検査対象ガス中に存在する被検出ガスによって吸収される赤外線量が当該被検出ガスの濃度と比例関係にあることを利用し、ガスセル11内に導入された被検出ガスが赤外線を吸収することによって減少する焦電型赤外線センサ13へ入射する赤外線の減少割合に基づいて算出される被検出ガスの濃度を示す信号である。
【0031】
以上の赤外線式ガス検出器10によれば、赤外線光源12の点灯時間t1 が要電荷平衡化時間よりも小さく、消灯時間t2 が要電荷平衡化時間よりも十分に大きくなるよう制御されることにより、ガス検出動作中において、赤外線光源12が消灯状態にある時間の割合が点灯状態にある時間の割合よりも大きくなることから、当該赤外線光源12を点灯状態とするために駆動する光源駆動回路21および当該光源駆動回路21を制御するための制御回路であるCPU22と増幅回路23を休止状態とする時間を大きくすることができると共に、赤外線光源12が消灯状態である期間(図2(ロ)におけるT1 の直後からT3 の直前までの間の期間)において、当該焦電型赤外線センサ13からのセンサ出力信号を処理する増幅回路およびガス濃度変換回路を一定時間休止状態とすることができるため、低消費電力化を図ることができる。
【0032】
また、点灯終了時点T1 に係る焦電型赤外線センサ13の出力値および平衡期間内における選ばれた時点に係る焦電型赤外線センサ13の出力値に基づいて被検出ガスの濃度測定が行われることから、従来の赤外線式ガス検出器に係る点灯出力ピーク値と消灯出力値との差異に基づいて被検出ガスの濃度を測定する手法とは異なり、消灯時間が要電荷平衡化時間よりも大きいことに起因して赤外線光源12が消灯状態にある場合の焦電型赤外線センサ13の出力の変化が緩慢となってシャープな消灯出力ピークを得ることができなくとも、高い精度でガス検出を行うことができるため、ガス検出性能に実用上の弊害を伴うことなく低消費電力化を図ることができる。
従って、赤外線式ガス検出器10によれば、弊害を伴うことなく、消灯時間内において、赤外線光源12を駆動するための光源駆動回路21およびその制御回路に対する投入電力を低減することにより、赤外線式ガス検出器10の総消費電力に対する割合の高い赤外線光源12に係る消費電力を小さくすることができるため、優れたガス検出性能が得られると共に、低消費電力化を図ることができる。
【0033】
以上のような赤外線式ガス検出器10は、その消費電力を小さくすることができることから、例えば携帯型のもの、駆動源として太陽電池を利用する構成のものなどに好適に用いることができる。
【0034】
以上、本発明の赤外線式ガス検出器について具体的に説明したが、本発明は以上の例に限定されるものではなく、点滅方式で動作される赤外線光源が特定の点滅状態で点滅され、点灯状態および消灯状態の各々における特定時点の焦電型赤外線センサの出力値に基づいて被検出ガスの濃度測定が行われる構成のものであれば、その構成部材としては種々のものを用いることができる。
例えば赤外線式ガス検出器は、低消費電力化の観点から、赤外線光源の印加電圧の基準値を0Vとすることが好ましいが、例えば0.5−2.5Vのように0V以外の電圧を基準値とするものであってもよい。
【0035】
このような本発明の赤外線式ガス検出器は、例えば、二酸化炭素ガス、一酸化炭素ガス、メタンガス、ブタンガス、イソブタンガス、プロパンガス、フロンガスなどのガスを検知対象ガス(以下、「被検知ガス」ともいう。)とし、その検知した被検知ガスの濃度が予め定められた一定の濃度以上である場合に警報を発するよう構成された赤外線式ガス検知装置における検知部として好適に用いられる。
【0036】
上記の赤外線式ガス検出器を備えていることを特徴とする本発明の赤外線式ガス検知装置は、具体的な構成の一例として、赤外線式ガス検出器を検知部として有し、当該赤外線式ガス検出器におけるガス濃度変換回路に接続された、ガス濃度変換回路から発信される濃度信号などの種々の信号に基づいて、各構成部に適宜の指令信号を発信する機能を有するマイクロコンピュータと、当該マイクロコンピューターに接続された、検知部において検知された被検知ガス濃度を示すための濃度表示手段および被検知ガス濃度が一定のレベル以上の濃度を示したときにガス検知信号を発するガス警報機構とが設けられてなるものである。
【0037】
このような構成の赤外線式ガス検知装置においては、赤外線式ガス検出器によって得られる濃度信号が一定のレベルである危険濃度レベルを超えた場合には、例えばマイクロコンピュータからの指令信号に基づいてガス警報機構からガス検知信号が発せられる。
【0038】
本発明の赤外線式ガス検知装置によれば、優れたガス検出性能を有すると共に、低消費電力化を図ることができるガス検出器を備えてなるものであるため、信頼性の高いガス検知を行うと共に、低消費電力化を図ることができる。
【0039】
以下、本発明の作用効果を確認するために行った実験について説明する。
【0040】
〔実験例1〕
図1の構成に従い、イソブタンガスを被検出ガスとし、ガスセルと、点滅方式で動作されるタングステンランプよりなる赤外線光源と、要電荷平衡化時間が2秒間である焦電型赤外線センサと、被検出ガスであるイソブタンガスが吸収する赤外線に対してのみ高い透過率を有するバンドパスフィルターとを備えてなる赤外線式ガス検出器(以下、「赤外線式ガス検出器(1)」ともいう。)を作製した。
【0041】
作製した赤外線式ガス検出器(1)において、赤外線光源は、点灯時間が1秒間、消灯時間が9秒間となるよう制御されて点滅され、また、被検出ガスの濃度測定は、赤外線光源の点灯終了時点における焦電型赤外線センサの出力値と、消灯終了時点における焦電型赤外線センサの出力値との差異に基づいて行われる。
【0042】
また、赤外線光源が、点灯時間および消灯時間がともに0.5秒間となるよう制御されて点滅され、また、被検出ガスの濃度測定が、赤外線光源が点灯状態にある場合における焦電型赤外線センサの点灯出力ピーク値と、消灯状態にある場合における焦電型赤外線センサの消灯出力ピーク値との差異に基づいて行われること以外は赤外線式ガス検出器(1)と同様の構成を有する赤外線式ガス検出器(以下、「赤外線式ガス検出器(2)」ともいう。)を作製した。
【0043】
作製した赤外線式ガス検出器(1)および赤外線式ガス検出器(2)の各々において、赤外線光源を印加電圧2Vの条件で点灯させることによってガス検出動作を連続して30日間にわたって行うガス検出テストを行ったところ、これらの赤外線式ガス検出器によって実用上問題のない精度の検出結果が得られた。
また、赤外線式ガス検出器(1)と赤外線式ガス検出器(2)との消費電力を確認したところ、赤外線式ガス検出器(1)の赤外線光源に係る消費電力は、赤外線式ガス検出器(2)の消費電力の1/5倍であり、更に、赤外線式ガス検出器全体の総消費電力は120mW、一方、赤外線式ガス検出器(2)の総消費電力1400mWであり、赤外線式ガス検出器(1)の総消費電力は、赤外線式ガス検出器(2)の総消費電力の約1/10倍となっていた。
【0044】
以上の結果から、本発明に係る赤外線式ガス検出器(1)によれば、優れたガス検出性能が得られると共に、低消費電力化を図ることができることが確認された。
【0045】
【発明の効果】
本発明の赤外線式ガス検出器によれば、赤外線光源が、点灯時間が要電荷平衡化時間よりも小さく、かつ消灯時間が要電荷平衡化時間よりも十分に大きくなる状態で点滅されることにより、ガス検出動作中において、赤外線光源が消灯状態にある時間の割合が点灯状態にある時間の割合よりも大きくなることから、当該赤外線光源を点灯状態とするために駆動する構成部材を休止状態とする時間を大きくすることによって赤外線光源に係る消費電力を小さくし、かつ検出対象ガスの濃度測定処理を行う構成部材を一定時間休止状態とすることができると共に、点灯状態および消灯状態の各々における特定の時点の焦電型赤外線センサの出力値に基づいて検出対象ガスの濃度測定が行われることから、ガス検出性能に実用上の弊害を伴うことなく低消費電力化を図ることができる。
従って、本発明の赤外線式ガス検出器によれば、優れたガス検出性能が得られると共に、低消費電力化を図ることができる。
【0046】
また、本発明の赤外線式ガス検知装置によれば、上記の赤外線式ガス検出器を備えているため、信頼性の高いガス検知を行うと共に、低消費電力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の赤外線式ガス検出器を示す説明用図である。
【図2】図1の赤外線式ガス検出器におけるガス検出動作中の具体的な焦電型赤外線センサに対する赤外線供給周期の例と、焦電型赤外線センサから発信される電気信号の例を示す説明図である。
【図3】従来の赤外線式ガス検出器におけるガス検出動作中の具体的な焦電型赤外線センサに対する赤外線供給周期の例と、焦電型赤外線センサから発信される電気信号の例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 赤外線式ガス検出器
11 ガスセル
11A ガス導入口
11B ガス排出口
12 赤外線光源
13 焦電型赤外線センサ
16 バンドパスフィルター
21 光源駆動回路
22 CPU
23 増幅回路
24 センサ用バイアス電圧印加回路
Claims (4)
- 点灯状態と消灯状態とが繰り返される点滅方式で動作される赤外線光源と、当該赤外線光源から放射された赤外線を、検査対象ガスが導入されるガスセルを介して受光し、表面電荷状態に基づく電気信号を出力する焦電型赤外線センサとを備え、
赤外線光源は、点灯時間が焦電型赤外線センサの表面電荷状態が平衡化するために要する要電荷平衡化時間よりも小さく、かつ消灯時間が要電荷平衡化時間よりも十分に大きくなる状態で点滅され、
赤外線光源の点灯状態終了時点における焦電型赤外線センサの出力値と、当該赤外線光源の消灯状態における要電荷平衡化時間経過時点から消灯状態終了時点までの間の平衡期間内における選ばれた時点の焦電型赤外線センサの出力値との差異に基づいて検査対象ガス中の検出対象ガスの濃度測定を行うことを特徴とする赤外線式ガス検出器。 - 赤外線光源の消灯時間が、点灯時間の2倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線式ガス検出器。
- 少なくとも赤外線光源を駆動するための光源駆動回路およびその制御回路に対する投入電力を、消灯時間内において低減させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の赤外線式ガス検出器。
- 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の赤外線式ガス検出器を備えていることを特徴とする赤外線式ガス検知装置。
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