JP2004198300A - 赤外線式ガス検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被検知ガスについての検知動作の応答性が高く、環境雰囲気の空気の状態を瞬時に把握することができる赤外線式ガス検知装置を提供すること。
【解決手段】本発明の赤外線式ガス検知装置は、赤外線を発生させる赤外線光源と、この赤外線光源から放射される赤外線を被検知ガスが導入されるガスセルを介して受光する焦電型赤外線センサと、この焦電型赤外線センサによる検知信号に基づいて被検知ガスの存在の有無を判別する判別手段とを有してなり、判別手段は、被検知ガスが実質的に存在しない場合に比して、焦電型赤外線式センサによる検知信号の出力のレベルが低下したことを検出することによりガス検出信号を発する機能を有するものとされる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、非分散型赤外線吸収法を利用して被検知ガスの検出を行う赤外線式ガス検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、毒性ガスや可燃性ガスなどを検知して、その検知されたガスの濃度が予め定められた一定の濃度レベル以上であることが検出された場合に警報が発せられるガス検知装置として、例えば、赤外線が検知対象のガスによって吸収されることによる赤外線量の減衰の程度に応じてガス濃度を測定する、非分散型赤外線吸収法を利用した赤外線式ガス検知装置が知られている(例えば特許文献1、特許文献2参照。)。
【0003】
このような赤外線式ガス検知装置においては、例えば、目的とする被検知ガスについてのガス検知が行われるべき対象となる測定ガスが導入されるガスセルと、当該ガスセルの一端側に設けられた、所定の点滅周期で点滅駆動される赤外線光源と、当該ガスセルの他端側に設けられた赤外線センサとを有する検知部を備えており、赤外線光源より放射される赤外線が周期的(断続的)に赤外線センサに供給されることにより持続的な出力信号が得られ、被検知ガスが実質的に存在しない状態における赤外線センサによる出力信号の振幅に対する、被検知ガスの導入によって赤外線センサに受光される赤外線量が低下することによる出力信号の振幅の減少割合に応じて、被検知ガスの濃度が算出される。
【0004】
而して、例えば、赤外線光源それ自体が点滅駆動されることによって赤外線センサによる持続的な出力信号が得られる、上記のような構成の赤外線式ガス検知装置においては、赤外線センサによる出力信号が、被検知ガスの導入により瞬時に大きく振れて擾乱が生じ、この擾乱状態を経て、振幅が一定の大きさ以下の範囲内にある安定状態に至る傾向となる場合があり、このような場合においては、被検知ガスの濃度の検出は、通常、安定した出力信号が得られる状態になってから行われていると共に、擾乱状態における出力信号は、異常信号として例えばソフトウェアなどによって除去されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−013067号公報
【特許文献2】
特開平9−079980号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この為、ガス導入時に生ずることがある擾乱状態における出力信号が除去されるよう設定されている場合には、被検知ガスが導入されてからガス濃度の検出が完了するまでに長時間、具体的には、例えば、赤外線センサによる出力信号が安定するまでの時間(擾乱状態の継続時間)が10秒程度、出力信号が安定化してからガス濃度を算出してその濃度についての判断が完了するまでのガス検知動作に要する時間が20秒程度、合計30秒程度の時間を要し、応答性がよくない、という問題がある。
特に、被検知ガスが毒性の高いガスである場合には、人体に対する危険性が高く、少なくとも被検知ガスの存在有無を瞬時に判別することが必要とされる場合も少なくない。
【0007】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、被検知ガスについてのガス検知動作の応答性が高く、従って、環境雰囲気の空気の状態を瞬時に把握することができる赤外線式ガス検知装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の赤外線式ガス検知装置は、赤外線を発生させる赤外線光源と、この赤外線光源から放射される赤外線を被検知ガスが導入されるガスセルを介して受光する焦電型赤外線センサと、この焦電型赤外線センサによる検知信号に基づいて被検知ガスの存在の有無を判別する判別手段とを有してなり、
判別手段は、被検知ガスが実質的に存在しない場合に比して、焦電型赤外線式センサによる検知信号の出力のレベルが低下したことを検出することによりガス検出信号を発する機能を有することを特徴とする。
【0009】
本発明において、「被検知ガスが実質的に存在しない」とは、環境雰囲気の空気中に含まれる被検知ガスの濃度が0.1ppm以下であることを示す。
【0010】
本発明の赤外線式ガス検知装置は、赤外線を発生させる赤外線光源と、この赤外線光源から放射される赤外線が、被検知ガスが導入されるガスセルを介して、周期的に受光される焦電型赤外線センサと、この焦電型赤外線センサによる検知信号に基づいて被検知ガスの存在の有無を判別する判別手段とを有してなり、
判別手段は、焦電型赤外線センサによる現時点における検知信号に係る出力値と、当該焦電型赤外線センサによる出力信号に係る出力波形における基準周期の半周期前の時点における検知信号に係る出力値とに基づいて中点出力値を算出し、算出される中点出力値が被検知ガスが実質的に存在しない場合における中点出力値のレベルより低下したことを検出することによりガス検出信号を発する機能を有することを特徴とする。
【0011】
本発明の赤外線式ガス検知装置においては、焦電型赤外線センサによる検知信号に係る中点出力値の算出処理が0.01〜10sec間隔毎に行われることが好ましい。
【0012】
また、本発明の赤外線式ガス検知装置は、赤外線を発生させる赤外線光源と、この赤外線光源から放射される赤外線が、被検知ガスが導入されるガスセルを介して、連続して受光される焦電型赤外線センサと、この焦電型赤外線センサによる検知信号に基づいて被検知ガスの存在の有無を判別する判別手段とを有してなり、
判別手段は、焦電型赤外線センサによる検知信号に係る出力値が被検知ガスが実質的に存在しない場合における出力値より低下したことを検出することによりガス検出信号を発する機能を有することを特徴とする。
【0013】
【作用】
上記構成の赤外線式ガス検知装置によれば、目的とする被検知ガスの存在の有無の判別を、被検知ガスが導入されてからきわめて短時間のうちに行うことができるので、ガス検知動作について高い応答性を有するものとなり、従って、例えば環境雰囲気の空気の状態を瞬時に把握することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る赤外線式ガス検知装置の一例における構成の概略を示す説明図である。
この赤外線式ガス検知装置は、検知されるべき被検知ガスについてのガス検知動作を行うガス検知機構10と、例えばガス検知機構10による検知信号などの種々の信号に基づいて、赤外線式ガス警報装置における各構成部に適宜の動作指令信号を発する制御機構20と、被検知ガスを検知することにより警報を発する警報報知機構30とを備えている。
【0015】
ガス検知機構10は、目的とする被検知ガスについてのガス検知が行われるべき対象となる測定ガスが導入される例えば筒状のガスセル11と、このガスセル11の一端側(図1において左端側)に設けられた赤外線光源12と、ガスセル11の他端側(図1において右端側)に赤外線光源12と対向するよう設けられた、光学フィルタ13Bが一端側に設けられてなる赤外線センサユニット13とを有してなる。
ガスセル11には、ガス導入口11Aおよびガス排出口11Bが互いに赤外線光源12の光軸方向(図1において左右方向)に離間して並ぶよう形成されており、この例においては、被検知ガスの流過方向(他端側から一端側に向かう方向)と、図1において矢印で示されている赤外線光源12による赤外線の放射方向とが対向する状態とされている。
【0016】
赤外線光源12は、後述する制御機構20における光源駆動回路21によって、点滅周期が制御された状態で、例えばパルス電流が供給されることにより点滅駆動され、これにより、赤外線が周期的に赤外線センサユニット13に供給される。
赤外線光源12の点滅周期は、赤外線センサユニット13を構成する赤外線センサ13Aによる持続的な検知信号が確実に得られるという理由から、例えば1〜10secとされる。
【0017】
赤外線センサユニット13を構成する赤外線センサ13Aは、焦電型赤外線センサにより構成されており、赤外線光源12からの赤外線が供給される周期を基準周期とする検知信号を出力するものである。
赤外線センサユニット13を構成する光学フィルタ13Bは、被検知ガスのガス分子固有の吸収波長域の赤外線に対してのみ高い透過率を有するものであり、例えばバンドパス・フィルターにより構成されている。
【0018】
制御機構20は、赤外線光源12を所定の周期で点滅駆動させる光源駆動回路21と、赤外線センサ13Aによる検知信号を増幅させる増幅回路22と、赤外線センサ13Aによる検知信号に基づいて被検知ガスの存在の有無を判別する機能を有するCPU23と、ガス警報報知手段が接続されるべきガス警報接点出力端子24と、例えば赤外線センサ13Aによる検知信号に係る出力波形を表示するオシロスコープなどの外部機器が接続されるべき外部出力端子25とを備えており、ガス警報接点出力端子24には、例えば警報報知機構30を構成するガス警報用ブザー31が接続されている。
【0019】
制御機構20におけるCPU23は、例えば環境雰囲気の温度が急激に変化した場合やノイズが発生した場合などの赤外線センサ13Aによる検知信号を異常信号として検知し、故障警報接点出力端子26に接続された、警報報知機構30を構成する故障警報用ブザー32に故障警報信号を発する機能を有する。
【0020】
以上において、被検知ガスの種類は特に限定されるものではなく、例えばCH4 、i−C4 10、CO2 、CO、CF4 、IPA、アセトン、メタノール、エタノール、C3 8 、C2 2 、C5 12、n−C6 14等を例示することができ、目的とする被検知ガスの種類に応じて光学フィルタ13Bを適宜選択すればよい。
【0021】
上記構成の赤外線式ガス検知装置の動作について説明する。
ガス検知動作を行うに際しては、赤外線光源12がその点滅周期が制御された状態で光源駆動回路21によって点滅駆動され、赤外線光源12から放射された赤外線は、赤外線センサユニット13における光学フィルタ13Bにより被検知ガスにより吸収される特定の波長領域以外の赤外線が除去された状態で、赤外線センサ13Aに周期的に受光され、これにより、赤外線センサ13Aにより検出される赤外線量に応じた検知信号が出力され、この赤外線センサ13Aから出力された検知信号は、増幅回路22によって出力電圧値が増幅された後、A/D変換器(図示せず)によりデジタル信号に変換された状態でCPU23に入力され、この状態において、例えば環境雰囲気の空気などの測定ガスがガスセル11内に導入される。
【0022】
図2に示されるように、被検知ガスがガスセル11内に導入された測定ガス中に実質的に存在しない場合においては、赤外線センサ13Aにより検出される特定の波長領域の赤外線量は減少しないので、赤外線センサ13Aによる検知信号に係る出力電圧値は、センサ出力電圧波形(イ)が実質的に同一形状(実質的に同等の大きさの振幅)を有する安定した状態S1にある。ここに、安定状態S1におけるセンサ出力電圧波形(イ)の変動は、ガス検知動作中における微小な温度変化などの被検知ガスが存在すること以外の要因により生ずる出力電圧値の変動の大きさを含むものである。
【0023】
而して、上記構成の赤外線式ガス検知装置においては、制御機構20におけるCPU23によって、赤外線センサ13Aによる検知信号に係る出力電圧値のセンサ出力電圧波形(イ)における中点出力電圧値を算出することが行われる。
具体的には、現時点(a)における出力電圧値Vaと、現時点(a)よりセンサ出力電圧波形(イ)における基準周期の半周期(1/2周期)前の時点(b)における出力電圧値Vbとに基づいて現時点(a)における中点出力電圧値Vcが〔(Va+Vb)/2〕により算出され、この中点出力電圧値の算出処理が所定時間間隔毎に順次に行われる。図2(ロ)は、このようにして得られる中点出力電圧波形を示す。
【0024】
中点出力電圧値の算出処理は、例えば0.01〜10sec間隔毎に行われることが好ましい。これにより、被検知ガスの検知動作を高い信頼性をもって行うことができると共にガス検知動作に係る応答性が大幅に低下することを確実に防止することができる。
【0025】
上述したように、被検知ガスが実質的に存在しない安定状態S1においては、赤外線センサ13Aによる検知信号に係るセンサ出力電圧波形(イ)は、その変動幅が実質的に同等の大きさである安定した状態であるため、算出される中点出力電圧値に係る中点出力電圧波形(ロ)は、その変動幅が一定の大きさの範囲内にある安定した状態となる。
【0026】
そして、被検知ガスがガスセル11内に導入されると、センサ出力電圧波形 (イ)には、安定状態S1における変動とは互いに異なる特異的な変動(信号波形の乱れ)が生じ、中点出力電圧波形(ロ)が乱れた状態となる擾乱状態Tがある程度の時間の間続き、その後、センサ出力電圧値がセンサ出力電圧波形(イ)が同一形状を有する安定した状態S2に至る。
【0027】
従って、被検知ガスの導入前後においてセンサ出力電圧波形(イ)は互いに大きく異なるものであるため、算出される中点出力電圧値が安定状態S1における中点出力電圧レベルVLより低下したことがCPU23によって検知されること、具体的には、算出される中点出力電圧値が予め設定された値を越えて低下したことが検知されることにより、被検知ガスが測定ガス中に存在すると判定されてガス警報信号がガス警報用ブザー31に出力され、これにより、警報が発せられる。ここに、CPU23によってガス検知信号が出力されるべき中点出力電圧値は、通常、被検知ガスの導入によって中点出力電圧値は現時点における中点出力電圧値に対して負側に変動するので、安定状態S1における中点出力電圧レベルVLより低い値のみを設定しておけばよい。
【0028】
以上のように、上記構成の赤外線式ガス検知装置によれば、赤外線センサ13Aによる現時点(例えば図2における(a))における検知信号に係る出力電圧値Vaと、センサ出力電圧波形(イ)に係る基準周期の半周期前の時点(例えば図2における(b))における検知信号に係る出力電圧値Vbとにより中点出力電圧値Vcを算出し、算出される中点出力電圧値Vcが被検知ガスが実質的に存在しない場合における中点出力電圧レベルVLより低下したことを検出することによりガス検出信号が発せられる構成であることにより、被検知ガスについてのガス検知動作、すなわち環境雰囲気の空気中における被検知ガスの存在の有無の判別を、被検知ガスが導入されてからきわめて短時間のうちに行うことができるので、ガス検知動作に対して高い応答性が得られる。
【0029】
すなわち、中点出力電圧値が予め設定された値を逸脱した最初の時点における検知信号を、ガス警報を発する契機として利用しているので、赤外線センサ13Aによる検知信号が無応答状態となる時間が生ずることがなく、環境雰囲気の空気の状態を瞬時に把握することができ、従って、警報によって被検知ガスの存在が報知されることにより、直ちに、適宜の防護手段を講ずることができる。
【0030】
しかも、測定ガス中における被検知ガスの存在の有無の判別が、赤外線センサ13Aによる検知信号に係る出力電圧値ではなく、中点出力電圧値に基づいて行われることにより、ガス検知動作が例えばガス検知動作中における外来ノイズや温度変化などに起因する出力電圧値の誤差が補償された状態で行われるので、高い信頼性が得られる。
【0031】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る赤外線式ガス検知装置は、赤外線光源を常時点灯させた状態で駆動し、赤外線を焦電型赤外線センサ(以下、単に「赤外線センサ」という。)に連続的に受光させて赤外線センサによる検知信号に係るセンサ出力電圧波形における変動幅が実質的に0Vに維持された状態において、被検知ガスの導入によるセンサ出力電圧波形の特異的な変動を検出することによりガス警報信号を発する構成のものであり、基本的な構成は、第1実施形態に係る赤外線式ガス検知装置と同様のものである。以下、図1を参照して説明する。
【0032】
この赤外線式ガス検知装置においては、ガス検知動作を行うに際しては、赤外線光源12が光源駆動回路21によって常時点灯する状態で駆動され、赤外線光源12から放射された赤外線は、赤外線センサユニット13における光学フィルタ13Bによって被検知ガスにより吸収される特定の波長領域以外の赤外線が除去された状態で、赤外線センサ13Aに連続的に受光され、これにより、赤外線センサ13Aにより検知される赤外線量に応じた検知信号が出力され、その後、増幅回路22によって出力電圧値が増幅された状態でCPU23に入力され、この状態において、例えば環境雰囲気の空気などの測定ガスがガスセル11内に導入される。
【0033】
図3に示されるように、ガスセル11内に導入された空気中に被検知ガスが実質的に存在しない場合においては、赤外線センサ13Aにより検出される特定の波長領域の赤外線量は減少しないので、赤外線センサ13Aによる検知信号に係る出力電圧値のセンサ出力電圧波形(ハ)は、その変動幅が実質的に0Vとなる安定した状態S1が維持される。
【0034】
そして、被検知ガスがガスセル11内に導入されると、赤外線センサ13Aによる検知信号に係る出力電圧値が安定状態S1における基準出力電圧値V1に対して負側に大きく変動(基準出力電圧値V1より低下)し、センサ出力電圧波形(ハ)が乱れる擾乱状態Tがある程度の時間の間続き、その後、センサ出力電圧波形(ハ)の変動幅が実質的に0Vとなる安定した状態S2に至る。
【0035】
而して、上記構成の赤外線式ガス検知装置においては、赤外線センサ13Aによる検知信号に係る出力電圧値が被検知ガスが実質的に存在しない場合における基準出力電圧値V1より低下したことがCPU23によって検知されることにより、被検知ガスが測定ガス中に存在すると判定され、ガス警報信号がガス警報用ブザー31に出力され、これにより、警報が発せられる。
【0036】
このような構成の赤外線式ガス検知装置によれば、基本的には、第1実施形態にかかる赤外線ガス検知装置と同様の実用上十分な効果が得られ、しかも、赤外線光源12を点滅駆動させるための駆動手段(光源駆動回路)を設けることが不要であるので、赤外線式ガス検知装置それ自体の構成を簡素化することができると共にガス検知動作以外の動作に係る動作制御プログラムを簡素化することができ、ガス検知動作の応答性が低下することを防止することができる。
【0037】
以上のように、本発明の赤外線式ガス検知装置によれば、環境雰囲気の空気中における被検知ガスの存在有無の判別を、被検知ガスが導入されてからきわめて短時間のうちに行うことができるので、人に対する危険性が高いガスについてのガス検知を行うに際して極めて有用である。
【0038】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の態様に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、CPUによってガス警報信号が出力されるべき、第1実施形態における中点出力電圧値および第2実施形態における出力電圧値は、いずれも、目的とする被検知ガスの種類および濃度、ガス検知動作を行うに際しての測定条件などにより、適宜設定することができる。
また、以上においては、CPUよりのガス検出信号により警報が発せられる構成の赤外線式ガス検知装置について説明したが、本発明を単にガス検知動作の履歴を取得するための測定器などに適用することができる。
【0039】
以下、本発明の効果を確認するために行った実験例について説明する。
<実験例1>
図1に示す構成に従って、試験用の赤外線式ガス検知装置を作製すると共に、外部出力端子にオシロスコープを接続し、赤外線センサによる検知信号をオシロスコープに出力する構成とした。各構成部の具体的な構成は、次に示す通りである。
〔1〕ガスセル;セル長が90mmの円筒状のもの、
〔2〕赤外線光源;0±0.8Aのパルス電流が3.0secの周期で供給されて1.5secの周期で点滅駆動されるもの、
〔3〕赤外線センサ;焦電型赤外線センサ
〔4〕光学フィルタ;下記に示す実験用ガスを構成するガス分子固有の吸収波長域の赤外線を透過するものを適宜選択して用いた。
〔5〕実験用ガス;室内空気に、HFC−134aガスが5030ppm、HFC−32ガスが9990ppm、HFC−41ガスが4.98体積%(vol%)の割合で含有されてなるもの
【0040】
温度27±1℃、相対湿度32±2%の環境条件下において、室内空気を0.8±0.02L/minの流量で10秒間導入した後、実験用ガスを導入し、赤外線センサによる出力電圧値に基づいて中点出力電圧値を1.5sec間隔毎に算出した。ここに、室内空気が導入される安定状態にあるときのガスセンサによる検知信号に係る出力電圧のレベルは2.0Vであり、ガス警報信号が出力されるべき中点出力電圧値を1.9Vとし、算出される中点出力電圧値が設定された値より低下したことが検出された場合にガス警報信号が出力されるよう設定した。
【0041】
以上において、ガスセル内に実験用ガスが導入されてから、ガス警報が発せられるまでに要する時間を計測したところ、実験用ガスを構成する被検知ガスのいずれのものについても、実験用ガスを導入してから約1sec程度経過した時点で、中点出力電圧値が閾値を越えて低下し、ガス警報が発せられることが確認された。
【0042】
<実験例2>
赤外線光源が常時点灯する状態で駆動させると共に、赤外線センサによる検知信号が室内空気のみが導入される安定状態にあるとき基準出力電圧値より0.1V以上低下したことが検出された場合にガス警報信号が出力されるよう設定したことの他は、実験例1と同様の実験を行ったところ、実験用ガスが導入されてから1秒間程度経過した時点でガス警報が発せられることが確認された。
【0043】
【発明の効果】
本発明の赤外線式ガス検知装置によれば、被検知ガスの存在の有無の判別を、被検知ガスが導入されてからきわめて短時間のうちに行うことができるので、ガス検知動作について高い応答性を有するものとなり、従って、例えば環境雰囲気の空気の状態を瞬時に把握することができる。
【0044】
また、本発明の赤外線式ガス検知装置によれば、赤外線センサによる現時点における検知信号に係る出力値と、センサ出力波形における基準周期の半周期前の時点における検知信号に係る出力値とにより中点出力値を算出し、算出される中点出力値が被検知ガスが実質的に存在しない場合における中点出力値のレベルより低下したことを検出することによりガス警報信号が発せられる構成であることにより、検知信号が無応答状態となる時間が生ずることがなく、例えば環境雰囲気の空気中における被検知ガスの存在の有無の判別を、被検知ガスが導入されてからきわめて短時間のうちに行うことができるので、ガス検知動作に対して高い応答性が得られ、これにより、環境雰囲気の空気の状態を瞬時に把握することができる。
しかも、被検知ガスの存在の有無の判別が、赤外線センサによる検知信号に係る出力値ではなく、中点出力値に基づいて行われることにより、ガス検知動作が、例えばガス検知動作中における温度変化などの外来ノイズに起因して生ずる出力値の誤差が補償された状態で、行われるので、高い信頼性が得られる。
【0045】
さらに、本発明の赤外線式ガス検知装置によれば、焦電型赤外線センサによる検知信号に係る出力値が被検知ガスが実質的に存在しない場合における出力値より低下したことが検出されることによりガス検出信号が発せられる構成とされることにより、基本的には、中点出力値に基づいて被検知ガスの存在有無の判別が行われる構成のものと同様の実用上十分な効果が得られ、しかも、赤外線光源を点滅駆動させるための駆動手段を設けることが不要であるので、赤外線式ガス検知装置それ自体の構成を簡素化することができると共に、ガス検知動作以外の動作に係る動作制御プログラムの簡素化を図ることができ、ガス検知動作についての応答性が低下することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る赤外線式ガス検知装置の一例における構成の概略を示す説明図である。
【図2】第1実施形態に係る赤外線式ガス検知装置についての、ガス検知動作中における赤外線センサによる検知信号に係るセンサ出力電圧波形、および当該センサ出力電圧波形に基づいて算出された中点出力電圧波形を、概略的に示す説明図である。
【図3】第2実施形態に係る赤外線式ガス検知装置についてのガス検知動作中における赤外線センサによる検知信号に係るセンサ出力電圧波形を概略的に示す説明図である。
【符号の説明】
10 ガス検知機構
11 ガスセル
11A ガス導入口
11B ガス排出口
12 赤外線光源
13 赤外線センサユニット
13A 赤外線センサ
13B 光学フィルタ
20 制御機構
21 光源駆動回路
22 増幅回路
23 CPU
24 ガス警報接点出力端子
25 外部出力端子
26 故障警報接点出力端子
30 警報報知機構
31 ガス警報用ブザー
32 故障警報用ブザー
VL 中点出力電圧レベル
Va 現時点における出力電圧値
Vb 半周期前の時点における出力電圧値
Vc 現時点における中点出力電圧値
V1 基準出力電圧値

Claims (4)

  1. 赤外線を発生させる赤外線光源と、この赤外線光源から放射される赤外線を被検知ガスが導入されるガスセルを介して受光する焦電型赤外線センサと、この焦電型赤外線センサによる検知信号に基づいて被検知ガスの存在の有無を判別する判別手段とを有してなり、
    判別手段は、被検知ガスが実質的に存在しない場合に比して、焦電型赤外線式センサによる検知信号の出力のレベルが低下したことを検出することによりガス検出信号を発する機能を有することを特徴とする赤外線式ガス検知装置。
  2. 赤外線を発生させる赤外線光源と、この赤外線光源から放射される赤外線が、被検知ガスが導入されるガスセルを介して、周期的に受光される焦電型赤外線センサと、この焦電型赤外線センサによる検知信号に基づいて被検知ガスの存在の有無を判別する判別手段とを有してなり、
    判別手段は、焦電型赤外線センサによる現時点における検知信号に係る出力値と、当該焦電型赤外線センサによる出力信号に係る出力波形における基準周期の半周期前の時点における検知信号に係る出力値とに基づいて中点出力値を算出し、算出される中点出力値が被検知ガスが実質的に存在しない場合における中点出力値のレベルより低下したことを検出することによりガス検出信号を発する機能を有することを特徴とする赤外線式ガス検知装置。
  3. 焦電型赤外線センサによる検知信号に係る中点出力値の算出処理が0.01〜10sec間隔毎に行われることを特徴とする請求項2に記載の赤外線式ガス検知装置。
  4. 赤外線を発生させる赤外線光源と、この赤外線光源から放射される赤外線が、被検知ガスが導入されるガスセルを介して、連続して受光される焦電型赤外線センサと、この焦電型赤外線センサによる検知信号に基づいて被検知ガスの存在の有無を判別する判別手段とを有してなり、
    判別手段は、焦電型赤外線センサによる検知信号に係る出力値が被検知ガスが実質的に存在しない場合における出力値より低下したことを検出することによりガス検出信号を発する機能を有することを特徴とする赤外線式ガス検知装置。
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