JP2004198160A - 血液中グルコース濃度測定のための分光測定用データ取り込み装置 - Google Patents

血液中グルコース濃度測定のための分光測定用データ取り込み装置 Download PDF

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Abstract

【課題】被測定者に対して苦痛を与えることなく、正確な測定が可能である血液中グルコース濃度測定のためのデータ取り込み装置を提供すること。
【解決手段】近赤外線を含む測定光を発光する発光部(3,4,5)と、その測定光を用いて測定する被測定部位(7)を当接させる当接体(32)と、測定光を貫通させる測定用孔(32a)と、被測定部位(7)の先端へ当接する先端当接部(31b)と、被測定部位(7)を測定用孔(32a)へ向かって押圧する押圧部(33, 33a)と、測定用孔(32a)から露出した被測定部位(7)に測定光が反射した反射光を受光する受光部(9,10)とを備える。校正ユニットは、測定光を反射した反射光が基準値となる校正用物質(36,37)と、その校正用物質(36,37)に対して測定光を照射し且つ反射光を受光部が受光できるように、校正用物質(36,37)と発光部(3,4,5)および受光部(9,10)とを相対的に移動させることができる移動機構(34,35)とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、非侵襲の手法による分光光学的測定技術に関する。更に詳しくは、測定対象から入力されるデータと、そのデータに狂いが生じた場合に校正するためのデータとを入力可能なデータ取り込み装置に関する。
【0002】
【先行技術】
従来の非侵襲の手法による血糖値測定技術は、たとえば、特許文献1に記載されている。ここには、血中のグルコース濃度を非侵襲にて測定可能な測定装置を実現するための技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−202258号公報
【0004】
被測定対象物を指とし、非侵襲にて血液中の成分分析を行う技術については、例えば動脈中の酸素濃度を測定する装置などが提供されている。カシオ社が製品化している「パルスオキシメータ」のカタログには、指を挿入するための開口部が備えられており、その開口部へ人差し指などを挿入し、その指へ赤外線光などを照射し、所望の測定値を算出する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1には、被測定対象物である指を鬱血させて測定する「押圧挟持手段」が提示されているが、鬱血させるのは被測定者に対して苦痛を与えるという欠点がある。
その欠点を補完しつつ特許文献1に記載の技術を実現したプロトタイプによって400人余りの試験を実行したところ、指がずれて測定が不能となる問題が25%ほど発生した。第一の原因は、受光部から指がずれてしまい、反射光に他の光が混在してしまうことなどが考えられる。第二の原因は、測定装置へ供給される電源の電圧不安定や装置の使用時間が長期化することによる発熱などを原因として、入力されるデータに狂いが生じるためである。
【0006】
前述の「パルスオキシメータ」など、指を挿入する構造体については、被測定対象物である指へ測定光を照射し、その反射光を用いての測定であるため、外部からの光の侵入を防ぐため、測定のために挿入した指を視認することができないような構造を採用している。しかし、指が視認できないと、被測定者は不安に駆られることが多い。
【0007】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、被測定者に対して苦痛を与えることなく、正確な測定が可能である血液中グルコース濃度測定のためのデータ取り込み装置を提供することにある。
ここで、請求項1に記載の発明の目的は、被測定者に対して苦痛を与えることなく、正確な測定が可能である血液中グルコース濃度測定のためのデータ取り込み装置を提供することにある。
また、請求項2に記載の発明の目的は、更に、被測定者に対して不安を与えることのない血液中グルコース濃度測定のためのデータ取り込み装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した課題を解決するため、測定ユニットにおける測定校正を行うことができる校正ユニットを備える。
【0009】
(請求項1)
請求項1記載の発明は、被測定部位による測定を行う測定ユニットと、その測定ユニットにおける測定校正を行う校正ユニットとを備えた血液中グルコース濃度測定のための分光測定用データ取り込み装置に係る。
測定ユニットは、近赤外線を含む測定光を発光する発光部(3,4,5)と、 その発光部(3,4,5)から発射される測定光を用いて測定する被測定部位(7)を当接させる当接体(32)と、 その当接体(32)に対して測定光を貫通させる測定用孔(32a)と、 被測定部位(7)の先端へ当接する先端当接部(31b)と、 被測定部位(7)を測定用孔(32a)へ向かって押圧する押圧部(33, 33a)と、 測定用孔(32a)から露出した被測定部位(7)に測定光が反射した反射光を受光する受光部(9,10)とを備える。
校正ユニットは、 測定光を反射した反射光が基準値となる校正用物質(36,37)と、 その校正用物質(36,37)に対して測定光を照射し且つ反射光を受光部が受光できるように、校正用物質(36,37)と発光部(3,4,5)および受光部(9,10)とを相対的に移動させることができる移動機構(34,35)とを備える。
【0010】
(用語説明)
「被測定部位」とは、被測定者の例えば、手指、腕、耳などである。
「校正用物質(36,37)」とは、近赤外線を含む測定光に対して基準となる反射光を反射する物質である。具体的には、例えば、ポリスチレンの片(36)、セラミックの片(37)がある。測定光をポリスチレンの片(36)に照射した反射光がなす波長は明確なピークをなし、測定光をセラミックの片(37) に照射した反射光がなす波長はフラットな波形をなす。このため、フラットな波形を用いてゼロ点調整しつつピークを用いて校正が可能であるので、測定ユニットの校正には適している。
【0011】
「校正用物質(36,37)と発光部(3,4,5)および受光部(9,10)とを相対的に移動させることができる移動機構(34,35)」とは、自動的に移動させる制御部を含むもの、手動にて移動させるととともにその移動タイミングを画面表示や音声にて指示するもの、などがある。前者は、操作が簡単になるという利点がある反面、モータなどの機器が必要となるために発熱や雑音にてデータ入力エラーの原因となる場合があるという欠点がある。
なお、「校正用物質(36,37)と発光部(3,4,5)および受光部(9,10)」は「相対的に移動」させることの趣旨は、測定光を照射して反射光を得る対象を被測定部位と校正用物質とで切り替えることである。したがって、その趣旨を達成するため、後述する実施形態とは逆に、発光部(3,4,5)および受光部(9,10)を移動させることとしてもよいし、測定光を照射する向きを変えたりすることでも、その趣旨を達成できる。
【0012】
(作用)
最初に、被測定者の被測定部位(7)に対して測定準備をする。まず、被測定部位(7)を当接体(32)へ当接させ、被測定部位(7)の先端は先端当接部(31b)へ当接させる。すると、押圧部(33, 33a)が被測定部位(7)を測定用孔(32a)へ向かって押圧する。この状態で被測定部位(7)は固定され、測定用孔(32a)からは押しつけられた被測定部位(7)の一部が突出することとなり、測定中にぶれにくくなる。このため、測定光が漏れたり、反射光の反射位置がずれたりすることを原因とする測定データのエラー発生を極めて少なくすることができる。
続いて、発光部(3,4,5)が近赤外線を含む測定光を測定用孔(32a)に対して発光する。すると、測定用孔(32a)から被測定部位(7)へ照射され、反射した反射光を受光部(9,10)が受光する。こうして、被測定部位(7)からの反射光を受光することができ、血液中グルコース濃度測定を行うための測定データを取得することができる。
【0013】
校正が必要なときには、測定ユニットから被測定者の被測定部位(7)を外す。そして、移動機構(34,35)を用いて校正用物質(36,37)と発光部(3,4,5)および受光部(9,10)とを相対的に移動させ、校正用物質(36,37)を測定用孔(32a)の場所に位置させる。
発光部(3,4,5)が近赤外線を含む測定光を測定用孔(32a)に対して発光する。すると、測定用孔(32a)から校正用物質(36,37)へへ照射され、反射した反射光を受光部(9,10)が受光する。こうして、校正が行われる。
【0014】
(請求項2)
請求項2記載の発明は、請求項1記載の分光測定用データ取り込み装置を限定したものであり、
押圧部(33, 33a)に押圧された被測定部位(7)が視認可能であるように形成した分光測定用データ取り込み装置に係る。
具体的には、被測定部位(例えば指)を隠す部材(31)を透明としたものである。
【0015】
(作用)
押圧部(33, 33a)に押圧された被測定部位(7)が視認可能であるので、被測定部位(7)に対する被測定者の不安が解消される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施の形態及び図面に基づいて、更に詳しく説明する。ここで使用する図面は、図1乃至図7である。図1から図3は、本発明の実施形態における外観や主要部を示す図であり、図4から図7は、ブロック図またはフローチャートである。
【0017】
(図1)
図1には、本発明の実施形態である血液中グルコース濃度測定のための測定用データ取り込み装置について、全体外観を示している。測定装置本体20は、縦長の箱体を成しており、天面にデータ入力部30を備え、そのデータ入力部30へ被測定対象である指を挿入しやすいように、箱体の角を落とした切り欠き部21を形成している。
以下、測定装置本体20の内部構造について、最初に図4から図6を用いて、続いて、図2,図3を用いて説明する。
【0018】
(図4)
図4に示すのは、非侵襲による血液中のグルコース濃度を測定する分光光学的血糖値測定装置の基本構造を示している。
特開2002-202258号に開示される分光光学的血糖値測定装置は、波長範囲0.8〜2.5μmの近赤外光の波長を連続的に微細分割し被測定対象物に照射する近赤外照射手段と、前記近赤外照射手段により照射され前記被測定対象物を透過した光を受光し光電変換する光電変換手段と、前記光電変換手段により光電変換された検出信号に基づいて得られた吸光度スペクトルを解析演算することにより前記被測定対象物内の血液中のグルコース濃度を定量するグルコース濃度算出手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
光源と、前記光源から光が入射され、波長範囲0.8〜2.5μmの近赤外光を出力する音響光学可変振動フィルターと、前記音響光学可変振動フィルターに音響振動を加える高周波振動子と、前記高周波振動子に高周波を印加する高周波発生装置とを備えていてもよい。
また、前記音響光学可変振動フィルターの媒質が、複屈折結晶材料に限定してもよい。
また、光電変換手段が、該被測定対象物を透過した光を受光し、吸光度スペクトルを与える検出信号を供給する受光素子を備えた光電変換装置であることとしてもよい。
また、グルコース濃度算出手段が、前記受光素子からの検出信号が供給される吸光度スペクトル波形解析装置および該吸光度スペクトルをグルコース濃度に換算するグルコース濃度演算装置であるとし、更に、前記吸光度スペクトルにおいて選択される波長が、1.44μm、1.94μmおよび0.8〜2.5μm帯域の少なくとも5個以上の各波長における吸光度に基づく換算値であるとしてもよい。
【0020】
音響光学可変振動フィルタを構成要素とする近赤外分光手段を有する近赤外照射手段は、光源と、その光源から光が入射される音響光学可変振動フィルタと、該音響光学可変振動フィルタに音響振動を加える高周波振動子と、該高周波振動子に高周波を印加する高周波発生装置とから構成されるものである。具体的には、図4に例示するように、高周波電源1、高周波振動子2、音響光学可変振動フィルタ3および光源4とを備えて構成される。
【0021】
高周波発生装置1は、通常使用されるもので特に限定されるものではなく、任意に制御できる高周波の発生能力のあるものであればよい。高周波振動子2は音響光学可変振動フィルタ3に音響振動を与えるものでよく、ピエゾ素子が用いられる。ピエゾ素子に印加する高周波としては、音響光学可変振動フィルターの媒質の種類および性能等にも依存するが、波長範囲0.8〜2.5μmの近赤外光が分光されるように制御すればよく、30〜100MHz、特に30〜80MHzが好ましい。光源4としては、タングステン?ハロゲンランプ等が用いられるが、これに限定されるものではない。
【0022】
音響光学可変振動フィルタ3の媒質は、複屈折結晶分光材料からなるものである。音響光学可変振動フィルタ3においては、音響振動が該複屈折結晶に加えられると周期的な密度の変化が生じ、密度の変化による屈折率の変化が音響振動の方向に波状的に伝搬する。従って、そこへ光が入射されると各波面の屈折率に基づく一部の光線が反射する。各々の行路長の差が生じ、近赤外光が出力されるように設計される。
【0023】
複屈折結晶分光材料としては、特に限定されるものではなく任意に選択することができるが、血中グルコースの測定には波長範囲0.8〜2.5μmの微細分割された照射光の出力可能な複屈折結晶分光材料を選択すればよい。例えば、二酸化テルル(TeO2)、ニオビウム酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3 )、リン化ガリウム(GaP)、モリブデン酸鉛(PbMoO4 )、ゲルマニウム(Ge)、リン化イリジウム(InP)、セレン化ヒ素タリウム(Ti3AsSe3)、石英ガラス(SiO2 )、方解石(CaCO3)、水(H2 O)等を挙げることができるが、近赤外光の波長を微細分割した光が得られるように材料の種類、組成等を制御したものが好ましく、特に二酸化テルルが好ましい。
【0024】
このような複屈折結晶分光材料を用いることにより得られる近赤外光の人体への照射によりグルコースの濃度算出に有効な吸光度スペクトルを形成させることができる。本発明の分光光学的血糖値測定装置に用いる好適な音響光学可変波長フィルターとしては、例えば、米国特許第5120961号明細書および特公表10−512678号公報等に記載されている超音波光学チューナブルフィルター(AOTF)を挙げることができる。また、音響光学可変振動フィルターの温度ドリフトを回避するには特開平10−38690号公報に記載の方法を採用することができる。
【0025】
照射光としては波長0.8〜2.5μmの範囲の近赤外光が好適であり、この範囲より短波長ではグルコースの吸光度測定の信号レベルが微弱となり解析には適さない。一方、この範囲より長波長では吸光が強くなり透過性を欠如するという難点が生ずる。
【0026】
近赤外照射手段において、被測定対象物に照射される波長範囲0.8〜2.5μmの近赤外光の波長を連続的に微細分割した光は、分解能が0.001μm以下の微細な分光であり、波長分解としては1nm以下のものが好ましい。このように微細に分割した光を照射光とすることにより多点計測が可能であり、蛋白とグルコースの結合の形態によりいくつかの変性体として存在し、各々、異なった波長による吸光を生ずる種々の血中グルコースを捉えることができる。この多点計測により、変異体の吸光現象を詳細に捉えることに成功した結果、総合的な解析ができるので血中グルコース濃度の正確な算出が可能となる。計測点数としては、例えば、最低200点、通常、数百点を選択することができる。
【0027】
次に、近赤外照射手段における近赤外光の照射方式について説明する。照射方式として次の三種の方式を挙げることができる。
第1の方式は、前記近赤外光が、被測定対象物に照射され該被測定対象物を透過した光を直接受光素子に集光する透過方式である。
第2の方式は、前記近赤外光が、被測定対象物に照射され該被測定対象物を透過した光を該被測定対象物の背面側に設置された反射板で反射させ前記被測定対象物を再度透過させた光を受光素子に集光する透過反射方式である。
第3の方式は、前記近赤外光を被測定対象物に照射させ、拡散反射した光を受光素子に集光する拡散反射方式である。
【0028】
いずれの方式も採用することができるが、第1の透過方式が装置面および操作上は簡便である。
第1の透過方式は、具体的には図1に示されるように本発明の分光光学的血糖値測定装置の構成中、照射光cが被測定対象物7に照射され透過した光が受光dとして得られる方式である。
被測定対象としては、人体から採取した血液試料、人体の一部、例えば、血流の観察に適した手足の指、耳朶その他毛細血管が存在する部位等を利用することができる。
【0029】
測定対象物7および該測定対象物7を透過した光dを誘導する光ファイバー8、レンズ9および光を受光し、検出信号に光電変換する受光素子10から構成されることが示されている。
受光素子10は、特に限定されるものではないが、例えば、セラミックス基板上に多結晶膜として製作されるものが用いられる。受光材料としては、前記透過光を効率よく集光することができる材質のものを採用することが好ましく、例えば、Pbsを使用することができる。
【0030】
グルコース濃度算出手段は、前記吸光度スペクトルを解析演算してグルコース濃度に換算するものであり、演算電子回路および解析電子回路から構成される。図1で示すように、受光素子10にて得られたアナログ検出信号eが光電変換部11を介してデジタル検出信号fに変換され、スペクトル波形解析を行う演算制御部12に入力され、演算電子回路および解析電子回路にて解析・演算が行なわれる。測定結果および識別結果は、数値表示手段13および数値電信手段14に伝送され、例えば、血糖値測定装置本体のモニターにスペクトルと共に数値および関係情報を表示することができ、また、必要に応じて所定の電子ファイルに伝送し管理することもできる。
【0031】
解析電子回路においては、医学臨床データとして構成された「血液スペクトル・データベース」が蓄積され「血液スペクトル・データベース」には血中グルコース濃度が異なるもの、蛋白とグルコースの結合状態の異なるもの等の多数のスペクトルデータが含まれているので、計測により得られた血液スペクトルをこれらのデータと照合・対比することにより該当するものから血中グルコース濃度の測定結果を得ることができる。また、解析電子回路においては、定量結果に加えて蛋白とグルコースの結合による変異体の所在、レベル等の識別結果を得ることができる。
【0032】
前述の分光光学的血糖値測定装置においては、前記音響光学可変振動フィルターを組み入れており、迅速な計測が可能であり、具体的には数千点/秒程度の計測速度を達成することができる。計測は各波長において数回〜数10回の繰り返し計測を行なって平均値を採取し、また、設定波長範囲を数回〜数10回走査して平均値を採取することにより計測データの確度を高めることができる。
【0033】
(図5)
続いて、図5に基づいて、実施形態における分析結果の出力までを説明する。
大きく3つのプロセスがあり、そのプロセスとは、校正プロセスと、被測定部位による測定を行う測定プロセスと、その測定プロセスに基づく測定値が適正範囲であるか否かを判断する判断プロセスと、その判断プロセスにおいて適正範囲でないと判断された場合に測定校正を行う校正プロセスである。そして、校正プロセスを経た場合には、測定プロセスへ戻るようにしている。
なお、これらの制御プロセスのOSには、TRONを採用している。OSにTRONを採用したことで、MS-DOSを採用していたものと比較して、立ち上がりが素早くなり、安定性も増した。なお、OSとしては、TRON、MS-DOSに限られず、windows、Linuxなどを採用することも可能である。
【0034】
校正プロセスは、立ち上がり時および判断工程にて適正範囲でないと判断された場合に、測定光を反射した反射光が周波数調整の基準値となる校正用物質に対して発光装置から測定光を照射し且つ反射光を受光部が受光できるように、校正用物質と発光部および受光部とを相対的に移動させる移動工程と、校正用物質に対して測定光を照射して反射光を受光する発光受光工程と、その発光受光工程にて受光した反射光に基づいて、分析工程における周波数調整を行う校正工程からなる。
【0035】
測定プロセスは、近赤外線を含む測定光を発光装置から発光する発光工程と、その発光工程にて発射される測定光を用いて被測定部位に測定光が反射した反射光を受光する受光工程とを備える。また、判断プロセスは、受光工程にて受光した反射光を分析する分析工程と、分析工程の分析前データが適正範囲であるか否かを判断する判断工程からなる。判断プロセスにて、適正範囲であると判断されれば分析結果を出力して終了する。適正範囲ではないと判断されれば、校正プロセスを経て測定プロセスへ戻る。
【0036】
判断工程による「分析工程の分析前データが適正範囲でない場合」とは、現実にあり得ないような範囲をいう。測定プロセスにおける受光工程でのデータ異常や、測定プロセスを司るハードウエアの異常またはソフトウエアの暴走などが原因となって、分析前データ(測定プロセスの受光工程において入手した受光データ)が正常値の範囲ではなくなるのである。
なお、判断対称が分析前データではなく、分析結果、すなわち血液中のグルコース濃度としての演算結果であってもよい。
【0037】
このようにすれば、測定プロセスを司るハードウエアの異常またはソフトウエアの暴走などが原因などによって、分析工程の分析前データが適正範囲でなくなるという事態を未然に防ぐことができる。この結果、使用直後のデータ入力異常が減少した。
【0038】
(図6)
図6には、校正部および校正スイッチとOSにTRONを採用した制御部との関係、前述のAOTFを用いた分光分析器と信号入力部や制御部との関係などを、ブロック図にて示している。
図6に示すハードウエアは一体に形成している。すなわち、被測定者がデータを入力するための指当て部、異常が発生した際に校正を実行させるための校正スイッチ、分析結果を表示する表示器などが一体であるので、被測定者にとって使いやすいものとして提供している。そして、データ入力のためのデータ入力部30などを詳しく示すのが、図2,図3である。
【0039】
(図2,図3)
図2および図3中、(a)は、被測定者が測定部位7として手の指を用いた状態を示し、(b)は、校正用物質としてのポリスチレン片36を用いた状態を示し、(c)は、校正用物質としてのセラミック片37を用いた状態を示している。 校正用物質としてのポリスチレン片36は測定光を照射することによって得られる反射光がなす波長が明確なピークを持ち、セラミックの片37は、測定光を照射することによって得られる反射光がなす波長がフラットであるので、測定ユニットの校正に最適である。
【0040】
データ入力部30は、被測定部位7を挿入するカバー部材31と、そのカバー部材31の後方へ延ばされたスライダレール34と、そのスライダレール34に噛み合って手動にて移動するスライダ35とを備えている。このスライダ35には、校正用物質としてのポリスチレン片36とセラミック片37とが組み込まれており、画面表示や音声にて移動タイミングの指示を受け、スライダレール34に沿って移動させる。
スライダレール34およびスライダ35にて形成される移動機構は、発熱や雑音にてデータ入力エラーの原因となるモータなどの機器が必要ないという利点がある。
【0041】
カバー部材31は、透明な熱可塑性樹脂によって形成された筒状をなしており、被測定者が指を入れても内部が見えるので安心感を与えることができる。
また、スライダレール34と反対側(図1における切り欠き部21側)に、指(測定部位7)を入れるための挿入用孔31aを開口している。挿入用孔31aの内部下方には、被測定部位である指を当接させる当接体32が設置され、挿入した指の先端が当接する先端当接部31bが存在する。
当接体32には、測定光を貫通させるための測定用孔32aが設けられている。また、挿入した指を、その測定用孔32a側へ押しつけるため、押さえ用バネ33aに付勢された指押さえ部材33が設置されている。更に、測定用孔32aの下方には、近赤外線を含む測定光を発光する発光部3,4,5と、測定光が反射した反射光を受光する受光部9,10とが設置されている。
【0042】
上述の校正による作用を説明する。
最初に、被測定者の被測定部位7たる手の指に対して測定準備をする。まず、指7を当接体32へ当接させ、指7の先端は先端当接部31bへ当接させる。すると、押さえ用バネ33aに付勢された指押さえ部材33が指7を測定用孔32aへ向かって押圧する。この状態で指7は固定され、測定用孔32aからは押しつけられた指の一部が突出することとなり、測定中にぶれにくくなる。このため、測定光が漏れたり、反射光の反射位置がずれたりすることを原因とする測定データのエラー発生を極めて少なくすることができた。
続いて、発光部3,4,5が近赤外線を含む測定光を測定用孔32aに対して発光する。すると、測定用孔32aから指7へ照射され、反射した反射光を受光部9,10が受光する。こうして、指からの反射光を受光することができ、血液中グルコース濃度測定のための測定データを取得することができる。
【0043】
装置の立ち上げ時、または校正が必要なときには、図示を省略した画面出力から校正の必要性、およびその操作手順が示される。その場合、被測定者は測定ユニットから指を外す。そして、手動による移動機構すなわちスライダレール34およびスライダ35を用いて校正用物質(36,37)と発光部3,4,5および受光部9,10とを相対的に移動させ、校正用物質(ポリスチレン片36とセラミック片37)を測定用孔32aの場所に位置させる。
発光部3,4,5が近赤外線を含む測定光を測定用孔32aに対して発光する。すると、測定用孔32aから校正用物質36,37へへ照射され、反射した反射光を受光部9,10が受光する。こうして、校正が行われる。
【0044】
(図7)
図7は、図4に示すバリエーションである。図4に示す実施形態との相違点は、二点ある。第一の相違点は、図4に示す実施形態にて用いていた光ファイバ6,8を省略している点である。第二の相違点は、図4に示す実施形態では、被測定対象を通過した照射光を受光するものとして示しているが、図7に示す実施形態では、被測定対象を反射した照射光を受光するものとして示している。図7に示す実施形態によっても、血液中グルコース濃度測定のための測定データを取得することができる。
【0045】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、被測定者に対して苦痛を与えることなく、正確な測定が可能である血液中グルコース濃度測定のためのデータ取り込み装置を提供することができた。
また、請求項2に記載の発明によれば、更に、被測定者に対して不安を与えることのない血液中グルコース濃度測定のためのデータ取り込み装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す外観斜視図である。
【図2】実施形態における主要部の断面図である。
【図3】実施形態における主要部の斜視図である。
【図4】本発明の実施形態を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態を示すフローチャートである。
【図6】ハードウエア構成を示すブロック図である。
【図7】図4に示すブロック図のバリエーションである。
【符号の説明】
1 :高周波発生装置 2 :高周波振動子(ピエゾ素子)
3 :音響光学可変フィルタ 4 :光源
5 :集光レンズ 6 :光ファイバ
7 :被測定対象(指) 8 :光ファイバ
9 :集光レンズ 10 :受光素子
11 :光電変換部 12 :演算制御部
13 :表示部 14 :電信部
20 :測定装置本体 21 :切り欠き部
30 :データ入力部
31 :カバー部材 31a:挿入用孔
31b:先端当接部
32 :指支持部 32a:測定用孔
33 :指押さえ部材 33a:押さえ用バネ
34 :スライダレール 35 :スライダ
36 :ポリスチレン片 37 :セラミック片
a :高周波 b :光
c :照射光 d :受光
e :アナログ検出信号 f :デジタル検出信号

Claims (2)

  1. 血液中グルコース濃度測定のためのデータ取り込み装置であって、
    被測定部位による測定を行う測定ユニットと、その測定ユニットにおける測定校正を行う校正ユニットとを備え、
    測定ユニットは、近赤外線を含む測定光を発光する発光部と、 その発光部から発射される測定光を用いて測定する被測定部位を当接させる当接体と、 その当接体に対して測定光を貫通させる測定用孔と、 被測定部位の先端へ当接する先端当接部と、 被測定部位を測定用孔へ向かって押圧する押圧部と、 測定用孔から露出した被測定部位に測定光が反射した反射光を受光する受光部とを備え、
    校正ユニットは、 測定光を反射した反射光が基準値となる校正用物質と、 その校正用物質に対して測定光を照射し且つ反射光を受光部が受光できるように、校正用物質と発光部および受光部とを相対的に移動させることができる移動機構とを備えた分光測定用データ取り込み装置。
  2. 押圧部に押圧された被測定部位が視認可能であるように形成した請求項1記載の分光測定用データ取り込み装置。
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