JP2021074526A - 生体情報測定装置、及び生体情報測定方法 - Google Patents

生体情報測定装置、及び生体情報測定方法 Download PDF

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義浩 大場
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Abstract

【課題】生体情報を正確に測定すること。【解決手段】本発明の一態様に係る生体情報測定装置は、プローブ光を射出する光源と、入射される前記プローブ光を被測定物に接触した状態で全反射させる全反射部材と、 前記全反射部材から出射される前記プローブ光の光強度を検出する光強度検出部と、前記光強度に基づき取得される生体情報を出力する生体情報出力部と、前記光強度または前記光強度に基づき取得される前記プローブ光の吸光度を表示させる表示部と、を備える。【選択図】図20

Description

本願は、生体情報測定装置、及び生体情報測定方法に関する。
近年、世界中で糖尿病患者が増加しており、採血を伴わない非侵襲的な血糖値測定が望まれている。 光を用いて血糖値等の生体情報を測定する方法としては、近赤外を用いたもの、中赤外を用いたもの、ラマン分光を用いたもの等、様々な方式が提案されている。このうち、中赤外領域はグルコースの吸収が大きい指紋領域であり、近赤外領域よりも測定の感度を高めることができる。
中赤外領域の光源として量子カスケードレーザ(QCL: Quantum Cascade Laser)等の発光デバイスが利用可能であるが、使用する波長の数だけレーザ光源が必要になる。装置の小型化の観点からは、中赤外領域の波長を数波長に絞ることが望ましい。
このような中赤外領域等の特定波長領域で全反射減衰(ATR:Attenuated Total Reflection)法によりグルコース濃度測定を精度良く行うために、グルコースの吸光ピークの波長(1035cm-1、1080cm-1、1110cm-1)を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この全反射減衰を用いる方法では、被測定物にATRプリズム等の全反射部材を接触させて測定を行うが、この被測定物と全反射部材との接触状態が変動することで、グルコース濃度等の生体情報を正確に測定できない場合がある。
これに対し、被測定物にATRプリズム等の全反射部材を接触させる際に、全反射部材と被測定物の接触面積を調整する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、全反射部材の被測定物への接触の圧力を圧力センサで検出し、圧力が所定の範囲内にある場合に生体情報を取得する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、従来の技術では、全反射部材と被測定物との接触面積又は接触の圧力を調整するため、生体情報を正確に測定できない場合があった。
本発明は、生体情報を正確に測定することを課題とする。
本発明の一態様に係る生体情報測定装置は、プローブ光を射出する光源と、入射される前記プローブ光を被測定物に接触した状態で全反射させる全反射部材と、前記全反射部材から出射される前記プローブ光の光強度を検出する光強度検出部と、前記光強度に基づき取得される生体情報を出力する生体情報出力部と、前記光強度または前記光強度に基づき取得される前記プローブ光の吸光度を表示させる表示部と、を備える。
本発明によれば、生体情報を正確に測定できる。
実施形態に係る血糖値測定装置の全体構成例を示す図である。 ATRプリズムの作用を示す図である。 ATRプリズムの構造を示す斜視図である。 中空ファイバの構造を示す斜視図である。 実施形態に係る処理部のハードウェア構成例のブロック図である。 実施形態に係る処理部の機能構成例を示すブロック図である。 プローブ光の切替動作例を示す図であり、(a)は第1プローブ光を使用する場合、(b)は第2プローブ光を使用する場合、(c)は第3プローブ光を使用する場合である。 実施形態に係る血糖値測定装置の動作例を示すフローチャートである。 3つ以上の段階に変化させたプローブ光強度を示す図であり、(a)は比較例のプローブ光強度、(b)は3つ以上の段階に変化させたプローブ光強度である。 プローブ光の位置ずれ補正例を示す図であり、(a)はプローブ光の断面光強度分布を示す図、(b)は位置ずれ後の(a)の断面光強度分布を示す図、(c)はスペックルを含むプローブ光の断面光強度分布を示す図、(d)は位置ずれ後の(c)の断面光強度分布を示す図である。 ATRプリズムにおける入射面の作用を示す図であり、(a)は入射面が平坦面の場合のプローブ光の全反射を示す図、(b)は入射面が拡散面の場合のプローブ光の全反射を示す図、(c)は拡散面の入射面、(d)凹面の入射面、(e)は凸面の入射面である。 第1,第2中空光ファイバとATRプリズムの相対位置ずれを示す図であり、(a)はATRプリズムが生体に接触していない場合、(b)はATRプリズムの第1全反射面に生体が接触した場合、(c)はATRプリズムの第2全反射面に生体が接触した場合である。 第1,第2中空光ファイバ、ATRプリズムの支持部材を示す図である。 光源駆動電流の一例を示す図であり、(a)は比較例の光源駆動電流、(b)は高周波変調した光源駆動電流である。 第1実施形態に係る血糖値測定装置の構成例を示す図であり、(a)は測定部の構成を示す図、(b)は測定部、カメラ及びディスプレイの配置を示す図である。 圧力センサの構成例の図であり、(a)は圧力センサを1つ設けた場合、(b)は圧力センサをATRプリズムの両端部に設けた場合、(c)は複数の圧力センサを設けた場合である。 ATRプリズムの生体の唇への配置を示す図であり、(a)はATRプリズムが唇に接触する前、(b)は生体がATRプリズムを咥えた状態である。 第1実施形態に係る処理部の機能構成例を示すブロック図である。 光強度と吸光度の表示画面例を示す図である。 接触圧と接触領域の表示画面例を示す図である。 第1実施形態に係る処理部による処理例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る処理部による処理を示すフローチャートの変形例である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一の構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
<実施形態の用語の説明>
(中赤外領域)
中赤外領域とは、2〜14μmの波長領域をいい、特定波長領域の一例である。
(プローブ光)
プローブ光とは、吸光度測定及び生体情報測定のために用いられる光をいう。実施形態では、全反射部材で全反射され、生体により減衰された後、光強度検出部で検出される光に該当する。
(ATR法)
ATR(Attenuated Total Reflection;減衰全反射又は全反射吸収)法とは、被測定物に接触して配置されたATRプリズム等の全反射部材で全反射が起きる際に、全反射面からしみ出した界を利用して被測定物の吸収スペクトルを取得する手法をいう。
(吸光度)
吸光度とは、物体を光が通過した際に光強度がどの程度低下するかを示す無次元量をいう。実施形態では、ATR(Attenuated Total Reflection;減衰全反射又は全反射吸収)法により、全反射面からしみ出した界の生体による減衰が吸光度として測定される。
(血糖値)
血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度をいう。
(検出値)
実施形態では、光強度検出部による検出値を指すものとする。
(波数)
波長λ(μm)と波数k(cm-1)の関係は、k=10000/λである。
以下、ATRプリズム(全反射部材の一例)を用いて測定した吸光度に基づき、血糖値(生体情報の一例)を測定する血糖値測定装置(生体情報測定装置の一例)を例に、実施形態を説明する。
[実施形態]
まず、実施形態に係る血糖値測定装置100について説明する。
実施形態では、生体に接触して設けられた全反射部材に、中赤外領域で波長の異なる複数のプローブ光を入射させ、ATR法に基づいて、複数のプローブ光のそれぞれの吸光度を取得し、取得された吸光度に基づき血糖値を測定する。
<血糖値測定装置100の全体構成例>
図1は、血糖値測定装置100の全体構成の一例を示す図である。図1に示すように、血糖値測定装置100は、測定部1と、処理部2とを備える。
測定部1は、ATR法を行うための光学ヘッドであり、生体で減衰されたプローブ光の検出信号を処理部2に出力する。処理部2はこの検出信号に基づいて、吸光度データを取得し、また吸光度データに基づいて血糖値を取得して出力する処理装置である。
測定部1は、第1光源111と、第2光源112と、第3光源113と、第1シャッタ121と、第2シャッタ122と、第3シャッタ123とを備える。また、第1ハーフミラー131と、第2ハーフミラー132と、カップリングレンズ14と、第1中空光ファイバ151と、ATRプリズム16と、第2中空光ファイバ152と光検出器17とを備える。
処理部2は、生体情報取得部21を備える。測定部1における第1光源111、第2光源112及び第3光源113は、それぞれ処理部2に電気的に接続され、処理部2からの制御信号に応じて中赤外領域のレーザ光を射出する量子カスケードレーザである。
実施形態では、第1光源111は波数1050cm-1のレーザ光を第1プローブ光として射出し、第2光源112は波数1070cm-1のレーザ光を第2プローブ光として射出し、第3光源113は、波数1100cm-1のレーザ光を第3プローブ光として射出する。
波数1050cm-1、1070cm-1及び1100cm-1のレーザ光は、それぞれグルコースの吸光ピークの波数に対応し、これらの波数を利用して吸光度を測定することで、吸光度に基づくグルコース濃度の測定を精度よく行うことができる。
また、第1シャッタ121、第2シャッタ122及び第3シャッタ123は、それぞれ処理部2に電気的に接続され、処理部2からの制御信号に応じて開閉制御される電磁シャッタである。
第1シャッタ121が開放されると、第1光源111からの第1プローブ光は第1シャッタ121を通過して第1ハーフミラー131に到達する。一方、第1シャッタ121が閉鎖されると、第1プローブ光は第1シャッタ121に遮光されて、第1ハーフミラー131に到達しなくなる。
また、第2シャッタ122が開放されると、第2光源112からの第2プローブ光は第2シャッタ122を通過して第1ハーフミラー131に到達する。一方、第2シャッタ122が閉鎖されると、第2プローブ光は第2シャッタ122に遮光されて、第1ハーフミラー131に到達しなくなる。
同様に、第3シャッタ123が開放されると、第3光源113からの第3プローブ光は第3シャッタ123を通過して第2ハーフミラー132に到達する。一方、第3シャッタ123が閉鎖されると、第3プローブ光は第3シャッタ123に遮光されて、第2ハーフミラー132に到達しなくなる。
第1ハーフミラー131及び第2ハーフミラー132は、入射する光の一部を透過し、残りを反射させるための光学素子である。このような光学素子は入射光に対して透過性を有する基板に、入射光の一部を透過し、残りを反射させる光学薄膜を設けて構成できる。
但し、光学薄膜に限定されるものではなく、入射光に対して透過性を有する基板に、入射光の一部を透過し、残りを反射(回折)させる回折構造を形成して構成してもよい。回折構造を利用すると、光吸収を抑制できる点で好適である。
第1ハーフミラー131は、第1シャッタ121を通過した第1プローブ光を透過させ、第2シャッタ122を通過した第2プローブ光を反射させる。また、第2ハーフミラー132は、第1プローブ光と第2プローブ光のそれぞれを透過させ、第3シャッタ123を通過した第3プローブ光を反射させる。
第1ハーフミラー131及び第2ハーフミラー132のそれぞれにおける透過光と反射光の光強度比は略1対1になるように構成することが好ましいが、各光源の射出するプローブ光強度等に応じて、上記の光強度比を調整することもできる。
第1ハーフミラー131又は第2ハーフミラー132を経由した第1〜第3プローブ光は、カップリングレンズ14を介して第1中空光ファイバ151内に導かれ、第1中空光ファイバ151内を伝搬してATRプリズム16の入射面161を介してATRプリズム16内に導光される。
ATRプリズム16は、入射面161から入射される第1〜第3プローブ光を全反射させながら出射面164に向けて伝搬させ、出射面164から出射する光学プリズムである。図1に示すように、ATRプリズム16は、第1全反射面162を生体S(被測定物の一例)に接触させて配置される。
ATRプリズム16内に導光された第1〜第3プローブ光は、第1全反射面162と、第1全反射面162に対向する第2全反射面163のそれぞれで全反射を繰り返し、出射面164を介して第2中空光ファイバ152内に導かれる。
光検出器17は第2中空光ファイバ152により導光された第1〜第3プローブ光は光検出器17に到達する。光検出器17は、中赤外領域の波長の光を検出可能な検出器であり、受光した第1〜第3プローブ光を光電変換して、光強度に応じた電気信号を検出信号として処理部2に出力する。光検出器17は、赤外線用のPD(Photo Diode)やMCT(Mercury Cadmium Telluride)検出素子、ボロメータ等により構成される。ここで、光検出器17は光強度検出部の一例である。なお、以下では、第1〜第3プローブ光を区別しない場合に、単にプローブ光という場合がある。
処理部2は、PC(Persdonal Computer)等の情報処理装置により構築されている。処理部2における生体情報取得部21は、光検出器17の検出信号に基づき、各プローブ光の吸光度データを取得し、またこの吸光度データに基づき、生体の血糖値データを取得して、表示装置や記憶装置、外部サーバ等に出力する。
なお、図1では、測定部1の構成を分かりやすく示すために、測定部1を実線の枠で囲んだが、これらは筐体を示すものではない。ATRプリズム16は筐体内に収納されたものではなく、第1全反射面162、又は第2全反射面163の少なくとも一方を生体の任意の部位に接触させることが可能である。
<ATRプリズム16等の作用、構成>
次に、図2を参照してATRプリズム16の作用を説明する。図2に示すように、測定部1のATRプリズム16は、生体Sに接触して配置される。ATRプリズム16に入射したプローブ光は、それぞれ生体Sの赤外吸光スペクトルに対応する減衰を受ける。減衰を受けたプローブ光は光検出器17で受光され、プローブ光毎に光強度が検出される。検出信号は処理部2に入力され、処理部2は検出信号に基づき、吸光度データ及び血糖値データを取得して出力する。
グルコースの吸収光強度が得られる中赤外領域で、分光による検出を行うには、赤外減衰全反射(ATR)法が有効である。赤外ATR法は、高屈折率のATRプリズム16に赤外光であるプローブ光を入射させ、ATRプリズム16と外界(例えば生体S)の境界面で全反射が起きる際に現れる界の「しみ出し」を利用したものである。ATRプリズム16に被測定物である生体Sが接触した状態で測定を行えば、しみ出した界が生体Sによって吸収される。
プローブ光として2〜12μmの広い波長域の赤外光を用いれば、生体Sの分子振動エネルギーに起因する波長の光が吸収され、ATRプリズム16を透過したプローブ光の対応する波長で光吸収がディップとして現れる。この手法では、ATRプリズム16を透過した検出光のエネルギーを大きく取れるため、微弱なパワーのプローブ光を用いた赤外分光法では特に有利である。
赤外光を用いた場合、ATRプリズム16から生体Sへ光がしみ出す深さはわずか数ミクロン程度であり、深さ数百ミクロン程度に存在する毛細血管までは光が到達しない。しかし、皮膚や粘膜細胞中には血管中の血漿などの成分が組織液(間質液)としてにじみ出ていることが知られている。その組織液中に存在するグルコース成分を検出することで、血糖値の測定が可能となる。
組織液中のグルコース成分の濃度は、毛細血管に近くなるほど大きくなると考えられ、測定の際には常に一定の圧力でATRプリズムを押し付ける。このような押し付けに有利なように、実施形態では、台形の断面をもつ多重反射のATRプリズムを採用する。
ここで、図3は、実施形態に係るATRプリズムの構造を示す斜視図である。図3に示すように、ATRプリズム16は台形型のプリズムである。ATRプリズム16内での多重反射回数が増えるほど、グルコースの検出感度が増す。また、生体Sとの接触面積を大きくとれるため、ATRプリズム16を押圧する圧力の変化による検出値の変動を小さく抑えることができる。ATRプリズム16の底面の長さLは、たとえば24mmである。厚さtは、1.6mm、2.4mmなど、多反射が生じるように薄く設定される。
ATRプリズム16の材料としては、人体に対して毒性がなく、グルコースの吸収帯である波長10μm付近で高い透過特性を示すものが候補となる。一例として、これらの条件を満たす材料の中から、光のしみ出しが大きく、より深部までの検出が可能で、屈折率が2.2のZnS(硫化亜鉛)のプリズムを用いることができる。ZnSは、赤外材料として一般的に利用されているZnSe(セレン化亜鉛)と異なり、発がん性が無いことが示されており、無毒な染料(リトポン)として歯科材料にも利用されている。
一般的なATR測定装置では、ATRプリズムが比較的大型の装置に固定されているため、被測定物となる生体の部位は、指先や前腕部などの体表に制限される。しかし、これらの部位の皮膚は、厚さ20μm程度の角質層で覆われているため、検出されるグルコース濃度が小さくなる。また、角質層は汗や皮脂の分泌状態の影響を受けるため、測定の再現性が制限される。そこで、血糖値測定装置100では赤外光であるプローブ光を低損失で伝送可能な第1中空光ファイバ151及び第2中空光ファイバ152を用い、それぞれの一端をATRプリズム16に当接させて用いる。
第1中空光ファイバ151は、一端がATRプリズム16に当接されることで、ATRプリズム16の入射面161に光学的に接続され、第1中空光ファイバ151からの出射光がATRプリズム16の入射面161に入射されるようになっている。
また、第2中空光ファイバ152は、一端がATRプリズム16に当接されることで、ATRプリズム16の出射面164に光学的に接続され、ATRプリズム16の出射面164からの出射光が第2中空光ファイバ152内に導光されるようになっている。
ATRプリズム16を用いることで、皮膚表面に比較的近いところに毛細血管が存在し、汗や皮脂の影響が少ない耳たぶや、角質が存在しない口腔粘膜での測定が可能になる。
図4は、血糖値測定装置100で用いられる中空光ファイバの構造の一例を示す斜視図である。グルコース測定に用いる比較的波長の長い中赤外光は、石英ガラス光ファイバではガラスに光が吸収されてしまい伝送できない。これまで、特殊な材料を用いた各種の赤外伝送用光ファイバが開発されてきたが、材料に毒性、吸湿性・化学的耐久性などの問題があり、医療分野に利用することは難しかった。
一方、第1中空光ファイバ151及び第2中空光ファイバ152は、ガラス、プラスチック等の無害の材料で形成されたチューブ243の内面に、金属薄膜242と誘電体薄膜241がこの順で配置されている。金属薄膜242は、銀などの毒性の低い材料で形成され、誘電体薄膜241で被覆することで、化学的、機械的耐久性が付与されている。また、中赤外光を吸収しない空気をコア245としているため、広い波長域で中赤外光の低損失伝送が可能となっている。
<処理部2の構成>
次に、処理部2の構成について、図5及び図6を参照して説明する。
図5は、実施形態に係る処理部2のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、処理部2は、CPU(Central Processing Unit)501と、ROM(Read Only Memory)502と、RAM(Random Access Memory)503と、HD(Hard Disk)504と、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505と、ディスプレイ506とを備えている。また、外部機器接続I/F(Interface)508と、ネットワークI/F509と、データバス510と、キーボード511と、ポインティングデバイス512と、DVD−RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514と、メディアI/F516と、光源駆動回路517と、シャッタ駆動回路518と、光検出I/F519と、カメラI/F520と、圧力検出I/Fセンサ521とを備えている。
これらのうち、CPU501は、処理部2全体の動作を制御する。ROM502は、IPL(Initial Program Loader)等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。
HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。
外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、図5に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD−RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD−RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD−RWに限らず、DVD−R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
光源駆動回路517は、第1光源111、第2光源112及び第3光源113のそれぞれと電気的に接続され、制御信号に応じて、これらに赤外光を射出させるための駆動電圧を出力する電気回路である。シャッタ駆動回路518は、第1シャッタ121、第2シャッタ122及び第3シャッタ123のそれぞれと電気的に接続され、制御信号に応じて、これらを開閉駆動させる駆動電圧を出力する電気回路である。
光検出I/F519は、光検出器17の検出信号を取得するためのインターフェースとして機能するA/D(Analog/Digital)変換回路等の電気回路である。またカメラI/F521は、カメラ18により撮像された画像を取得するためのインターフェースとして機能する電気回路である。圧力I/F520は圧力センサ30の検出信号を取得するためのインターフェースとして機能するA/D変換回路等の電気回路である。なお、カメラ18及び圧力センサ30については、図16〜図18を用いて後述する。
次に、図6は実施形態に係る処理部2の機能構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、処理部2は、生体情報取得部21を備える。
また生体情報取得部21は、光源駆動部211と、光源制御部212と、シャッタ駆動部213と、シャッタ制御部214と、光強度取得部215と、データ収録部216と、吸光度出力部217と、生体情報出力部221とを備える。
これらのうち、光源駆動部211の機能は光源駆動回路517等により、シャッタ駆動部213の機能はシャッタ駆動回路518等により、光強度取得部215の機能は光検出I/F519等により、データ収録部216の機能はHD504等により、それぞれ実現される。また、光源制御部212、シャッタ制御部214、吸光度出力部217及び生体情報出力部221の各機能は、CPU501が所定のプログラムを実行すること等により実現される。
光源駆動部211は、光源制御部212から入力される制御信号に基づき駆動電圧を出力して、第1光源111、第2光源112及び第3光源113のそれぞれに赤外光を射出させる。光源制御部212は、制御信号により赤外光の射出タイミングや光強度を制御する。
シャッタ駆動部213は、シャッタ制御部214から入力される制御信号に基づき駆動電圧を出力して、第1シャッタ121、第2シャッタ122及び第3シャッタ123のそれぞれを開閉駆動させる。シャッタ制御部214は、制御信号によりシャッタを開放させるタイミングや期間を制御する。
光強度取得部215は、光検出器17が連続して出力する検出信号を所定周期でサンプリングして取得した光強度の検出値を、データ収録部216に出力する。データ収録部216は、光強度取得部215から入力した検出値を収録する。
吸光度出力部217は、データ収録部216から読み出した検出値に基づき所定の演算処理を実行して吸光度データを取得し、取得した吸光度データを生体情報出力部221に出力する。
但し、吸光度出力部217は、取得した吸光度データを、外部機器接続I/F508を介してPC等の外部装置に出力してもよいし、ネットワークI/F509及びネットワークを通じて外部サーバ等に出力してもよい。また、ディスプレイ506(図5参照)に出力して表示させてもよい。
生体情報出力部221は、吸光度出力部217から入力した吸光度データに基づき所定の演算処理を実行して血糖値データを取得し、取得した血糖値データをディスプレイ506等に出力して表示させる。
但し、生体情報出力部221は外部機器接続I/F508を介して血糖値データをPC等の外部装置に出力してもよいし、ネットワークI/F509及びネットワークを通じて血糖値データを外部サーバ等に出力してもよい。また、血糖値測定の信頼度を併せて出力するように、生体情報出力部221を構成してもよい。
吸光度データから血糖値データを取得するための処理には、特開2019−037752号公報等に開示された技術を適用できるため、ここではさらに詳細な説明を省略する。
<血糖値測定装置100の動作例>
次に、血糖値測定装置100の動作について、図7〜図8を参照して説明する。
(プローブ光の切替動作例)
図7は、プローブ光の切替動作の一例を説明するための図である。(a)は第1プローブ光を使用する場合、(b)は第2プローブ光を使用する場合、(c)は第3プローブ光を使用する場合のそれぞれにおける測定部1の状態を示している。
実施形態では、各光源によるプローブ光のATRプリズム16への入射を各シャッタの開閉で制御するため、吸光度及び血糖値の測定時には、第1光源111、第2光源112及び第3光源113は常時赤外光を射出している。
図7(a)では、第1シャッタ121は制御信号に応答して開放されている。第1光源111が射出した第1プローブ光は、第1シャッタ121を通過し、第1ハーフミラー131及び第2ハーフミラー132のそれぞれを透過して、カップリングレンズ14を介して第1中空光ファイバ151に導光される。その後、第1中空光ファイバ151を伝搬した後に、ATRプリズム16内に入射する。
一方、第2シャッタ122及び第3シャッタ123は、それぞれ閉鎖されているため、第2プローブ光及び第3プローブ光は、ATRプリズム16には入射しない。従って、この状態では、ATRプリズム16での減衰による第1プローブ光の吸光度が測定される。
図7(b)では、第2シャッタ122は制御信号に応答して開放されている。第2光源112が射出した第2プローブ光は、第2シャッタ122を通過し、第1ハーフミラー131で反射され、第2ハーフミラー132を透過して、カップリングレンズ14を介して第1中空光ファイバ151に導光される。その後、第1中空光ファイバ151を伝搬した後に、ATRプリズム16内に入射する。
一方、第1シャッタ121及び第3シャッタ123は、それぞれ閉鎖されているため、第1プローブ光及び第3プローブ光は、ATRプリズム16には入射しない。従って、この状態では、ATRプリズム16での減衰による第2プローブ光の吸光度が測定される。
図7(c)では、第3シャッタ123は制御信号に応答して開放されている。第3光源113が射出した第3プローブ光は、第3シャッタ123を通過し、第2ハーフミラー132で反射され、カップリングレンズ14を介して第1中空光ファイバ151に導光される。その後、第1中空光ファイバ151を伝搬した後に、ATRプリズム16内に入射する。
一方、第1シャッタ121及び第2シャッタ122は、それぞれ閉鎖されているため、第1プローブ光及び第2プローブ光は、ATRプリズム16には入射しない。従って、この状態では、ATRプリズム16での減衰による第3プローブ光の吸光度が測定される。
第1シャッタ121、第2シャッタ122、第3シャッタ123の全てが閉鎖された場合は、第1プローブ光、第2プローブ光及び第3プローブ光は、何れもATRプリズム16に入射せず、光検出器17に到達しなくなる。
このようにして、入射制御部としてのシャッタ制御部214(図6参照)は、各シャッタの開閉を制御して、第1〜第3プローブ光が順次ATRプリズム16に入射する状態と、第1〜第3プローブ光の全てがATRプリズム16に入射しない状態を切り替えることができる。
(血糖値測定装置100の動作例)
図8は、血糖値測定装置100の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS81において、光源制御部212の制御信号に応答して、第1光源111、第2光源112及び第3光源113の全てが赤外光を射出する。但し、この初期の状態では、第1シャッタ121、第2シャッタ122及び第3シャッタ123は、何れも閉鎖している。
続いて、ステップS82において、シャッタ制御部214は、第1シャッタ121を開放させ、第2シャッタ122及び第3シャッタ123を閉鎖させる。
続いて、ステップS83において、データ収録部216は、光強度取得部215が取得した光検出器17による検出値(第1検出値)を収録する。
続いて、ステップS84において、シャッタ制御部214は、第2シャッタ122を開放させ、第1シャッタ121及び第3シャッタ123を閉鎖させる。
続いて、ステップS85において、データ収録部216は、光強度取得部215が取得した光検出器17による検出値(第2検出値)を収録する。
続いて、ステップS86において、シャッタ制御部214は、第3シャッタ123を開放させ、第1シャッタ121及び第2シャッタ122を閉鎖させる。
続いて、ステップS87において、データ収録部216は、光強度取得部215が取得した光検出器17による検出値(第3検出値)を収録する。
続いて、ステップS88において、吸光度出力部217は、第1〜第3検出値に基づき、第1〜第3プローブ光の吸光度データを取得して、生体情報出力部221に出力する。
続いて、ステップS89において、生体情報出力部221は、第1〜第3プローブ光の吸光度データに基づき所定の演算処理を実行して血糖値データを取得し、取得した血糖値データをディスプレイ506(図5参照)に出力して表示させる。
このようにして、血糖値測定装置100は、血糖値データを取得して出力することができる。
なお、実施形態では、電磁シャッタである第1シャッタ121、第2シャッタ122及び第3シャッタ123を制御して、ATRプリズム16へのプローブ光の入射を切り替える例を示したが、これに限定されるものではない。複数の光源のオン(射出)とオフ(不射出)を切り替える制御により、ATRプリズム16へのプローブ光の入射を切り替えてもよい。また、複数の波長の光を射出する1つの光源を用い、波長毎で光源のオンとオフとを切り替えてもよい。
また、実施形態では、プローブ光の一部を透過し、残りを反射させる素子として第1ハーフミラー及び第2ハーフミラーを用いる例を示したが、これに限定されるものではなく、ビームスプリッタや偏光ビームスプリッタ等を用いてもよい。
また、プローブ光を透過する高屈折率材料、たとえばゲルマニウム等は、材料特性上表面反射率が高い。例えば基板の面方向に対し、垂直方向に偏光した光(s偏光)は、基板に対して45度の入射角で入射すると、透過と反射の比がほぼ1:1となる。このことを利用して、ゲルマニウム板を45度の入射角になるよう設置して、ハーフミラーの代わりとすることが出来る。なお裏面でも同様に50%の反射成分があるため、裏面には無反射防止膜を施しておく。
<実施形態に係る各種変形例>
ここで、実施形態における各構成部は、各種の変形が可能であるため、以下において、各種変形例を説明する。
(光検出器17の線形性誤差の影響抑制)
血糖値測定装置100で用いられる光検出器17は、線形性誤差を含む場合があり、光検出器17の線形性誤差は血糖値の測定誤差を生じさせる。そのため、プローブ光強度を予め定めた3つ以上の段階に変化させ、プローブ光強度と光検出器17による検出値とを比較することで線形性誤差の影響を低減させることもできる。
図9は、このように3つ以上の段階に変化させたプローブ光強度の一例を説明する示す図であり、(a)は比較例に係るプローブ光強度を示す図、(b)は3つ以上の段階に変化させたプローブ光強度を示す図である。図9において、斜線ハッチングで示した部分は第1プローブ光強度、格子ハッチングで示した部分は第2プローブ光強度、ハッチングなしで示した部分は第3プローブ光強度を表している。
図9(a)では各プローブ光強度が一定であるのに対し、図9(b)では各プローブ光強度が3つ以上の段階で、段階的に徐々に小さくなっている。光源の駆動電圧又は駆動電流を予め定めた3つ以上の段階(図9(b)では6段階)に変化させることで、射出されるプローブ光強度を3つ以上の段階に変化させることができる。なお、この場合のプローブ光は、シャッタ制御部214によるプローブ光の切替制御周期(例えば、図8のステップS82〜S84までの周期)より短い周期で光強度が変化している。
光検出器17が線形性誤差を含まない場合は、プローブ光強度の変化に対して光検出器17による検出値は線形に変化する。一方、光検出器17が線形性誤差を含む場合は、プローブ光強度の変化に対して光検出器17による検出値が非線形に変化する。
従って、3つ以上の段階に光強度を変化させながらプローブ光を射出し、各段階での光検出器17による検出値を取得して、射出したプローブ光強度データと光検出器17による検出値とを比較して、線形性が確保される光強度範囲を特定する。そして、3つ以上の段階に変化するプローブ光強度のうち、線形性が確保される部分のみを用いて、吸光度及び血糖値を測定する。これにより、光検出器17の線形性誤差の影響を低減させて吸光度及び血糖値を測定できる。
線形性が確保される光強度範囲を特定する動作は、血糖値測定に先立って行ってもよいし、血糖値測定中にリアルタイムで行ってもよい。
また、プローブ光が複数あるのに対して光検出器17は1つであるため、光検出器17の線形性誤差の影響の低減処理は、複数のプローブ光の全てを用いて行わなくてもよく、複数のプローブ光のうちの少なくとも1つを用いて実行すればよい。
(イメージセンサによるプローブ光の検出)
光検出器17は、1つの画素(受光素子)を用いるものに限定されるものではなく、画素がライン状に配列されたライン状のイメージセンサや、画素が2次元に配列されたエリア状のイメージセンサを用いることもできる。
ここで、光検出器17の検出信号は、受光したプローブ光強度の積分値であるため、ATRプリズム16に生体Sが接触した際にATRプリズム16における入射光や出射光の光路が変化すると、変化前後のプローブ光強度が積分されて検出誤差が生じ、正確な吸光度データが得られなくなる場合がある。
図10(a)、(b)は、このようなプローブ光の位置ずれを示しており、領域171は、光検出器17によるプローブ光の受光領域である。プローブ光が図10(b)の白抜き矢印方向にずれると、領域171におけるプローブ光強度分布が変化して、光検出器17による検出信号が変化する。
これに対し、光検出器17にイメージセンサを用いると、イメージセンサで撮像したプローブ光画像からプローブ光の位置ずれ量が分かるため、位置ずれ後のプローブ光の光強度分布の積分値を検出信号とすることで、プローブ光の位置ずれの影響を補正できる。図10(b)の領域172は、位置ずれ後のプローブ光で光強度分布の積分値を取得する領域を示している。
また、プローブ光にレーザ光等の可干渉性(コヒーレント)の光を用いると、プローブ光にスペックルと呼ばれる斑状の細かい光強度分布が重畳される場合がある。図10(c)はスペックルを含むプローブ光の断面光強度分布の一例を示している。174は、スペックル画像に含まれる場合がある光強度の特異点を示し、特異点174は領域173に含まれている。
図10(d)は、図10(c)のプローブ光が白抜き矢印方向に位置ずれした場合を示している。この状態では、特異点174が領域173に含まれなくなり、位置ずれ前後での検出信号の変化が顕著になる。これに対し、プローブ光画像から検出したプローブ光の位置ずれ量に応じて、領域175でのる光強度分布の積分値を検出信号とすることで、より好適にプローブ光の位置ずれの影響を補正できる。
また、イメージセンサ上でのプローブ光強度分布に基づき、生体SとATRプリズム16との接触領域を推定し、測定開始前に予め取得して記憶しておいたATRプリズム16面内の感度分布から、イメージセンサの検出信号に基づく検出値を補正することで、測定のばらつき誤差を低減することも可能になる。
(全反射部材への入射面)
上述した実施形態では、ATRプリズム16の入射面161が平坦面である例を示したが、これに限定されるものではなく、入射面161を拡散面や曲率を有する面等のさまざまな形状にしてもよい。
図11(a)に示すように、入射面161が平坦面であると、ATRプリズム16内でのプローブ光の進行方向は、入射面161への入射角度に従って一様な状態となる。そのため、生体Sが接触するATRプリズム16の全反射面において、領域毎で測定感度が異なる領域依存性が生じる場合がある。
光検出器17の検出信号は、ATRプリズム16に対する生体Sの接触面積の大きさ等、接触状態に依存する。特に、唇や指等の生体Sが被測定物である場合には、接触状態の再現性は低くなりやすいため、測定感度の領域依存性により測定ばらつきが増大する場合がある。
これに対し、 入射面161を拡散面とすることでATRプリズム16内でのプローブ光の進行方向をランダムに異ならせることで、図11(b)に示すように、測定感度の領域依存性を緩和させ、測定ばらつきを低減させることができる。
また入射面161は、図11(c)に示す拡散面のほかにも、図11(d)に示す凹面や、図11(e)に示す凸面にすることもできる。図11(d)の凹面や図11(e)の凸面は曲率を有する入射面の一例である。この場合にも、拡散面と同様にプローブ光の光路を異ならせることができ、測定感度の領域依存性を緩和させて、測定ばらつきを低減させることができる。
なお、ATRプリズム16にプローブ光が入射する前の光路上に拡散板やレンズ等を配置する構成にしても同様の効果が得られるが、この場合、装置の構成部品点数が増えることで組付け誤差による装置間での測定値の差(機差)やコスト高を招く場合がある。ATRプリズム16の入射面161を拡散面や曲面にすると、このような機差やコスト高を押させることができるため、より好適である。
(導光部と全反射部材の支持部)
ATRプリズム16に生体Sが接触する際に、第1中空光ファイバ151及び第2中空光ファイバ152とATRプリズム16との相対位置がずれると、ATRプリズム16に対するプローブ光の入射効率や出射効率が変動し、測定ばらつきが増大する場合がある。
図12は、このような第1中空光ファイバ151及び第2中空光ファイバ152と、ATRプリズム16との相対位置ずれを説明する図である。(a)はATRプリズム16が生体Sに接触していない場合、(b)はATRプリズム16の第1全反射面162に生体Sが接触した場合、(c)はATRプリズム16の第2全反射面163に生体Sが接触した場合をそれぞれ示している。
図12(b)に示すように、生体SがATRプリズム16の第1全反射面162に接触すると、白抜き矢印で示す下方に押圧力が加わり、ATRプリズム16が下方にずれる。その結果、ATRプリズム16'に示した状態になって、第1中空光ファイバ151及び第2中空光ファイバ152とATRプリズム16'との相対位置が変化する。
また、図12(c)に示すように、生体SがATRプリズム16の第2全反射面163に接触すると、白抜き矢印で示す上方に押圧力が加わり、ATRプリズム16が上方にずれる。その結果、ATRプリズム16"に示した状態になって、第1中空光ファイバ151及び第2中空光ファイバ152とATRプリズム16"との相対位置が変化する。
このような相対位置ずれにより、ATRプリズム16に対するプローブ光の入射効率や出射効率が変動する。特に、被測定物が生体である場合は、接触圧を一定に保つことは容易ではないため、相対位置ずれによる測定ばらつきが特に増大しやすくなる。
従って、相対位置ずれを抑制するために、第1中空光ファイバ151及び第2中空光ファイバ152とATRプリズム16は、同一の支持部材により支持することが好ましい。
図13は、第1中空光ファイバ151、第2中空光ファイバ152及びATRプリズム16を支持する部材の構成の一例を説明する図である。図13における導光支持部材153は、第1中空光ファイバ151とATRプリズム16とを一体に支持する部材である。また、出射支持部材154は、第2中空光ファイバ152とATRプリズム16とを一体に支持する部材である。
第1中空光ファイバ151とATRプリズム16とを一体に支持することで、生体SをATRプリズム16に接触させた場合にも、両者は一体に動くため、相対位置ずれは生じない。また、第2中空光ファイバ152とATRプリズム16とを一体に支持することで、生体SをATRプリズム16に接触させた場合にも、両者は一体に動くため、相対位置ずれは生じない。これにより、生体SのATRプリズム16への接触に伴うプローブ光の入射効率及び出射効率の変動を抑制でき、測定ばらつきを低減させることができる。
なお、上述した例では、導光支持部材153と出射支持部材154を別々の部材にするものを示したが、第1中空光ファイバ151、第2中空光ファイバ152及びATRプリズム16を、1つの支持部材で支持する構成にしてもよい。
また、導光部として第1中空光ファイバ151を用いずに、ミラーやレンズ等の光学素子で導光部を構成する場合においても、光学素子とATRプリズム16とを一体に支持することで、上述したものと同様の効果が得られる。
また、導光部だけでなく、第1光源111、第2光源112、第3光源113、光検出器17も、同一の支持部材で一体に支持することで、測定ばらつきを低減できる効果が得られる。
(光源駆動電流の高周波変調)
プローブ光にスペックルが含まれると、スペックルのパターンに応じて光検出器17による検出値が変動して測定ばらつきを増大させる場合がある。このスペックルは、プローブ光の散乱光等が干渉して発生するものであるため、プローブ光の可干渉性を低下させることでスペックルの発生を抑制できる。そのため、実施形態では、光源を駆動する電流に高周波変調成分を重畳させることで、血糖値測定装置に含まれる光源の可干渉性を低下させ、プローブ光のスペックルに起因する吸光度の測定ばらつきを低減させることもできる。
図14は、光源駆動電流の一例を説明する図であり、(a)は比較例に係る光源駆動電流を示し、(b)は高周波変調した光源駆動電流を示している。
光源制御部212(図6参照)は、第1光源111、第2光源112、及び第3光源113のそれぞれに、図14(a)に示すようなパルス状の駆動電流を周期的に出力することで、これらにパルス状のプローブ光を射出させる。
実施形態では、図14(a)のパルス状の駆動電流に高周波変調成分を重畳させて第1光源111、第2光源112、及び第3光源113に出力する。高周波変調成分の波形は、正弦波状であっても矩形状であってもよい。変調周波数には1MHz(メガヘルツ)から数GHz(ギガヘルツ)までの任意のものを選択可能である。
高周波変調成分を重畳させることで、第1光源111、第2光源112、及び第3光源113はそれぞれ擬似的にマルチモードのレーザ光をプローブ光として射出させ、プローブ光の可干渉性を低下させることができる。これにより、可干渉性の低下でプローブ光のスペックルが低減され、スペックルに起因する測定ばらつきが低減される。
[第1実施形態]
次に、第1実施形態に係る血糖値測定装置について説明する。
本実施形態では、被測定物に接触した状態で全反射部材から出射されるプローブ光の光強度に基づき、血糖値情報を出力する。また、測定中のプローブ光の光強度、吸光度、被測定物の全反射部材に対する圧力の情報、又は全反射部材と被測定物との接触画像に基づき生成された全反射部材の全反射面と被測定物との接触領域の情報を表示させる。
プローブ光の光強度、また被測定物が全反射部材に接触する前後での光強度の演算値である吸光度は、全反射部材に対する被測定物の接触領域によって変化する。この要因の一つとして、接触面積が大きいほど、全反射部材界面でしみ出しが起こる領域に被測定物が接触する面積が広く、より多くの光が吸収されることがあげられる。
また、全反射部材の全反射面である向かい合う二つの面が厳密には平行ではなく全反射部材に対するプローブ光の角度が入射時と出射時で変化してしまう場合や、全反射部材中を伝搬するプローブ光が厳密には平行光ではなく発散している場合等では、全反射部材の位置によってしみこみ深さが均一ではなくなる。そのため、より正しく血糖値を推定するためには計測再現性の観点で、接触面積の大きさのみならず、接触する領域を統一して測定することが望ましい。
また、プローブ光の光強度や吸光度は、全反射部材に対する被測定物の圧力(接触圧)によっても変化する。これは、被測定物が生体(例えば唇や指等)のような弾性体である場合に、接触圧によって接触領域の大きさが変化することに加え、接触圧の変化が血液又は間質液等のグルコースを含む体液の流れに影響することで、被測定物内部の組成が変化するためと考えられる。そのため、接触圧を統一して測定することが望ましい。
プローブ光の光強度また吸光度は、被測定物の全反射部材に対する接触圧及び接触領域によって変化するため、上記の接触領域又は接触圧を統一するためのひとつの指標と言える。但し、接触圧又は接触領域を同じであっても、プローブ光の光強度や吸光度は被測定物が全反射部材に接触した直後から経時的に変化する。これは、たとえ接触圧等に変化がなくとも、圧力下で体液の流れが発生し被測定物内部の組成が変化しいくためと考えられる。そのため、光強度が十分に収束した際に収録したデータを、血糖値推定のためのデータとすることで、推定の精度を高めることができる。
また、被測定物の全反射部材に対する接触圧は、例えば被測定物が唇であった場合等にはそもそも弱いことが多い。そのため、検出する信号強度自体も小さく、圧力の検出精度は必ずしも十分とは言えない場合が多い。また、接触領域に関しても、全反射部材からのしみだし光を使う計測原理上、直接、被測定物と全反射部材との間に接触センサを配置することは好ましくない。また、例えばカメラにより間接的に接触領域を推定するとしても、接触領域を推定する精度は必ずしも十分とは言えない場合が多い。
接触圧又は接触領域を表示させ、これらを指標として被検者が接触領域を調整することで計測の再現性を高めることはできる。しかし、上記の観点から、プローブ光の光強度又は吸光度を指標に調整すると、さらなる分解能又は再現性の向上を見込め、血糖値推定精度への効果は大きい。
プローブ光の光強度又は吸光度の分解能は、光検出器からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器の性能で決定されるが、その信号の分解能又は精度は、接触の圧力又は接触領域による分解能又は精度に対して高い場合が多い。
本実施形態では、血糖値測定装置のユーザは、表示されたプローブ光の光強度、吸光度、接触の圧力、又は接触領域に関する情報を視認しながら自身の唇の全反射部材に対する接触のさせ方を調整する。これにより、血糖値測定装置は、被測定物と全反射部材との接触状態の変動が抑制された状態で血糖値を正確に測定可能になる。なお、本実施形態では、プローブ光の光強度、吸光度、接触圧、又は接触領域に関する情報の全てを表示する例を示すが、何れか1つを表示する構成にしてもよい。
また、血糖値測定装置のユーザは、血糖値測定の対象となる被検者や血糖値測定装置を操作する医師や看護師等である。以下ではユーザが被検者である場合を例として説明する。
<血糖値測定装置100aの構成例>
まず、本実施形態に係る血糖値測定装置100aの構成を説明する。図15は血糖値測定装置100aの構成例を示す図であり、(a)は測定部1aの構成を示す図、(b)は測定部1a、カメラ18及びディスプレイ506の配置を示す図である。
図15に示すように、血糖値測定装置100aは測定部1aと、処理部2aと、カメラ18とを備えている。また測定部1aは赤外光源部110を備えている。
なお、赤外光源部110は、図1で記載の全体構成例のように複数の光源を含みシャッタでプローブ光を切り替える構成であってもよいが、これに限定されるものではない。血糖値推定に用いる赤外領域での波長を含むのであれば、様々な波長の光を含む連続スペクトルの光源であってもよいし、波長可変の光源であってもよい。その場合、処理部における吸光度の演算方法の詳細は異なることになるが、例えば連続スペクトルの光源であった場合、一般にフーリエ変換赤外分光法で用いられている演算を用いてプローブ光の吸光度を算出する。
以下において、赤外光源部110は、一例として波長可変の量子カスケードレーザであり、波数1050cm-1のレーザ光を第1プローブ光として射出し、波数1070cm-1のレーザ光を第2プローブ光として射出し、また波数1100cm-1のレーザ光を第3プローブ光として射出する。
換言すると、赤外光源部110は、上述した実施形態(図1参照)における第1光源111、第2光源112及び第3光源113の機能を兼ね備えている。また本実施形態では、赤外光源部110による第1〜第3プローブ光の射出を制御信号で切り替え可能であるため、図1における第1シャッタ121、第2シャッタ122、第3シャッタ123、第1ハーフミラー131及び第2ハーフミラー132等の波長を切り替えるための構成が省略されている。なお、以降では、特に区別しない場合は、第1〜第3プローブ光をプローブ光Pと総称する。
赤外光源部110から射出されたプローブ光Pは入射面161を介してATRプリズム16に入射し、ATRプリズム16に接触した生体Sで減衰された後、出射面164を介してATRプリズム16から出射する。ATRプリズム16から出射されたプローブ光Pは光検出器17に到達し、光強度が検出される。
なお、図15(a)ではプローブ光Pが赤外光源部110からATRプリズム16に直接入射する例を示すが、図1と同様に第1中空光ファイバ151を介してATRプリズム16に入射する構成にすることもできる。また、プローブ光PがATRプリズム16から光検出器17に直接入射する例を示すが、図1と同様に第2中空光ファイバ152を介して光検出器17に入射する構成にすることもできる。
また、図15(b)に示すように、処理部2aは、測定部1a及びカメラ18に電気的に接続されており、測定部1aにより取得された光強度や吸光度、次述する接触圧、カメラ18による撮像画像に基づく各種情報を被検者に対して、ディスプレイ506に視認可能に表示させる。ここでカメラ18は、全反射部材の全反射面と前記被測定物との接触領域の近傍を撮像する撮像部の一例である。
血糖値測定装置100による測定は、被検者が測定部1aにおけるATRプリズム16を口に咥えて、ATRプリズム16の全反射面が被検者の唇に接触した状態で行われる。この際に、ATRプリズム16を口に咥える被検者がディスプレイ506に表示される各種情報を視認しながら自身の唇とATRプリズム16の全反射面との接触状態を調整できるようにしている。
次に、ATRプリズム16に設けられた圧力センサ30(圧力検出部の一例)について説明する。図16は圧力センサ30の構成の一例を示す図であり、(a)は圧力センサ30を1つ設けた場合、(b)は圧力センサ30をATRプリズム16の両端部に設けた場合、(c)は複数(ここでは3つ)の圧力センサ30を設けた場合のそれぞれを示している。
各図に示すように、全反射支持部31は、ATRプリズム16の一側面部(プローブ光の入射面及び出射面以外の面)に接触してATRプリズム16を支持し、また第1全反射面162上に圧力センサ30を載置して圧力センサ30を支持する部材である。
圧力センサ30は、ATRプリズム16、又は圧力センサ30の少なくとも一方に接触して接着等により固定されている。圧力センサ30は、被検者がATRプリズム16を咥えた時に、ATRプリズム16が唇から受ける接触圧を検出するセンサである。圧力センサ30には、静電容量方式センサ、歪ゲージ方式センサ、圧力によって抵抗値の変化する感圧抵抗方式センサ、MEMS技術を利用した圧力センサ等の各種方式のものを適用できる。
図16では、ATRプリズム16の第1全反射面162上のみに圧力センサ30が配置された例を示したが、圧力センサ30は、ATRプリズム16の第1全反射面162、又は第2全反射面163の少なくとも一方に配置できる。
図16(b)のように、ATRプリズム16の両端部付近にそれぞれ圧力センサ30を設けると、比較的咥える力を付与しにくかったり、口の大きさに個人差があったりして接触圧が変動しやすい唇の両端部付近の接触圧を検出できる。また、図16(c)のように、3つの圧力センサ30を設けると、接触圧の分布を検出可能になる。
全反射面上に圧力センサ30を配置すると、圧力センサ30が配置された領域では全反射面から界がしみ出さず、生体Sによる界の減衰作用が得られなくなって、圧力センサ30の配置された領域は測定感度領域ではなくなる。
そのため、ATRプリズム16の両端部付近等の接触領域が変動しやすい領域に圧力センサ30を配置することで、接触領域の変動に起因する吸光度の測定ばらつきを低減させることもできる。
但し、ATRプリズム16における全反射が起こる全ての領域に圧力センサ30を配置すると、ATR法に基づく測定ができなくなるため、全反射が起こる領域の少なくとも一部には圧力センサ30を配置しないようにして、測定感度領域を確保することが好ましい。
図17は、ATRプリズム16及び圧力センサ30の唇への配置例を説明する図であり、(a)は唇に接触する前、(b)は人がATRプリズム16を咥えた状態をそれぞれ示している。
図17から分かるように、被検者の唇に対してATRプリズム16のサイズは小さい。そのため、被検者がATRプリズム16を咥えると、唇はATRプリズム16と全反射支持部31の両方に接触可能な状態になる。従って、図17ではATRプリズム16の全反射面と全反射支持部31の両方に跨るようにして圧力センサ30を配置した例を示したが、全反射支持部31のみに圧力センサ30を配置して固定してもよい。
<処理部2aの機能構成例>
次に、処理部2aの機能構成について説明する。図18は本実施形態に係る処理部2の機能構成の一例を示すブロック図である。図18に示すように、処理部2aは、生体情報取得部21aを備える。
また生体情報取得部21aは、画像取得部218と、接触圧取得部219と、吸光度出力部217aと、吸光度収束度出力部220と、接触圧収束度出力部222と、光強度収束度出力部223と、接触領域出力部224と、差分領域出力部225と、表示部226と、決定部227と、生体情報出力部221aと、計時部228とを備える。
これらのうち、画像取得部218の機能はカメラI/F520等により、接触圧取得部219の機能は圧力検出I/F521等により、表示部226の機能はディスプレイ506等により実現される。また吸光度出力部217a、吸光度収束度出力部220、接触圧収束度出力部222、光強度収束度出力部223、接触領域出力部224、差分領域出力部225、決定部227及び生体情報出力部221aのそれぞれの機能は、CPU501が所定のプログラムを実行すること等により実現される。計時部228は、CPU501のクロックをカウントすること等により実現される。
画像取得部218は、カメラ18が所定周期で連続して出力する、被検者の唇とATRプリズム16との接触画像を取得してデータ収録部216に出力する。データ収録部216は、この接触画像を収録する。
接触圧取得部219は、圧力センサ30が連続して出力する検出信号を所定周期でサンプリングして取得した、被検者の唇とATRプリズム16との接触圧データ(圧力)をデータ収録部216に出力する。データ収録部216はこの接触圧データを収録する。接触圧データは所定期間における接触圧の平均であってもよい。
吸光度出力部217aは、データ収録部216から読み出した検出値に基づき演算で取得した吸光度データ(吸光度)を吸光度収束度出力部220、生体情報出力部221a及び表示部226のそれぞれに出力する。
吸光度収束度出力部220は、吸光度データに基づき演算で取得した吸光度収束度データ(吸光度収束度)を表示部226に出力する。ここで、吸光度収束度とは、所定期間における吸光度平均値に対する吸光度変動幅の比率をいい、取得される吸光度の安定性を表す値である。なお、変動幅は所定期間における吸光度の標準偏差等により算出される。以下における接触圧等の変動幅においても同様である。
接触圧収束度出力部222(圧力収束度出力部)は、データ収録部216から読み出した接触圧データに基づき演算で取得した接触圧収束度データ(圧力収束度)を表示部226に出力する。ここで、接触圧収束度とは、所定期間における接触圧平均値に対する接触圧変動幅の比率をいい、取得される接触圧の安定性を表す値である。
光強度収束度出力部223は、データ収録部216から読み出した光強度の検出値に基づき演算で取得した光強度収束度データ(光強度収束度)を表示部226に出力する。ここで、光強度収束度とは、所定期間における光強度平均値に対する光強度変動幅の比率をいい、取得される光強度の安定性を表す値である。
接触領域出力部224は、データ収録部216から読み出した接触画像に基づき演算で取得した被検者の唇とATRプリズム16の全反射面との接触領域データ(接触領域)を、差分領域出力部225及び表示部226のそれぞれに出力する。
差分領域出力部225は、接触領域と予め定めた目標接触領域との差分領域データ(差分領域)を演算で取得し、これを表示部226に出力する。
表示部226は、吸光度データ、吸光度収束度データ、接触圧収束度データ、光強度収束度データ、接触領域データ及び差分領域データをディスプレイ506に表示させる。
またデータ収録部216から読み出した接触圧データ及び光強度データと、生体情報出力部221から入力した血糖値データと、計時部228から入力した測定終了までの残り時間情報とをそれぞれディスプレイ506に表示させる。
さらに、吸光度データ、吸光度収束度データ、接触圧データ、接触圧収束度データ、光強度データ、光強度収束度データ、接触領域データ、及び差分領域データを決定部227に出力する。
決定部227は、光強度収束度データ、吸光度収束度データ又は接触圧収束度データの少なくとも1つと、接触圧データ及び接触領域データとに基づいて、血糖値の取得開始を決定し、決定結果を生体情報出力部221に出力する。
具体的には、決定部227は、接触圧データPrが所定の接触圧範囲(圧力範囲)内で且つ接触領域データAが所定の接触領域範囲内であり、且つ光強度収束度データIcが所定の光強度閾値Icth以下、吸光度収束度データKcが所定の吸光度閾値Kcth以下、又は接触圧収束度データPcが所定の接触圧閾値Pcth以下の少なくとも1つである場合に、血糖値の取得開始を決定し、決定結果を生体情報出力部221に出力する。
本実施形態では、決定部227は、接触圧データPrが所定の接触圧範囲内、接触領域データAが所定の接触領域範囲内、光強度データIが所定の光強度範囲内、光強度収束度データIcが所定の光強度閾値Icth以下、吸光度データKが所定の吸光度範囲内、吸光度収束度データKcが所定の吸光度閾値Kcth以下、及び接触圧収束度データPcが所定の接触圧閾値Pcth以下の場合に、血糖値の取得開始を決定し、決定結果を生体情報出力部221に出力する。
ここで、所定の光強度範囲内とは、光強度データIが光強度最小値Imin以上で光強度最大値Imax以下の範囲内をいい、所定の接触圧範囲内とは、接触圧データPrが接触圧最小値Pmin以上で接触圧最大値Pmax以下の範囲内をいう。また所定の吸光度範囲内とは、吸光度データKが吸光度最小値Kmin以上で吸光度最大値Kmax以下の範囲内をいい、所定の接触領域範囲内とは、接触領域データ(接触面積)Aが接触領域最小値Amin以上で接触領域最大値Amax以下の範囲内をいう。
生体情報出力部221aは、決定部227が血糖値の取得開始を決定した場合に、吸光度出力部217から入力した吸光度データに基づき演算で取得した血糖値データを表示部226に出力する。
計時部228は、予め定めた測定時間と、測定を開始した時刻とに基づき取得した測定終了までの時間を表示部226に出力する。
<表示部226による表示画面例>
次に、表示部226による表示画面について、図19及び図20を参照して説明する。図19は、光強度と吸光度の表示画面の一例を示す図であり、図20は、接触圧と接触領域の表示画面の一例を示す図である。
図19に示すように、表示画面2260aは、光強度の時間変化を示す光強度グラフ2261を表示し、光強度グラフ2261の右側に光強度情報2262と光強度収束度情報2263を表示する。
また表示画面2260aは、吸光度の時間変化を示す吸光度グラフ2264を表示し、吸光度グラフ2264の右側に吸光度情報2265と吸光度収束度情報2266を表示する。
図19に示す光強度グラフ2261では、時間が早い段階(グラフの左側)ではATRプリズム16と被検者の唇がまだ接触しておらず、周囲の環境光等も光検出器17に入射するため、その分光強度の出力が大きくなっている。その後、ATRプリズム16と被検者の唇が接触したタイミングで、周囲の環境光等が遮られて光強度の出力が大幅に低下している。その後、光強度は徐々に低下し、やがて安定している。
図20に示す吸光度グラフ2264では、ATRプリズム16と被検者の唇がまだ接触していない期間では、プローブ光の光検出器17への入射が少ないため、吸光度が小さくなっている。その後、ATRプリズム16と被検者の唇が接触したタイミングで、プローブ光が増加して吸光度が大幅に増加している。その後、吸光度は徐々に増加し、やがて安定している。
表示画面2260aの上部には測定終了までの残り時間情報2267を表示する。この時間は、時間経過に伴いカウントダウンするように表示される。
また図20に示すように、表示画面2260bは、接触圧の時間変化を示す接触圧グラフ2268を表示し、接触圧グラフ2268の右側に接触圧情報2269と接触圧収束度情報2270を表示する。
表示画面2260bの下部の接触領域マップ2271は、被検者の唇とATRプリズム16の全反射面との接触領域を示すマップである。接触領域マップ2271における格子はマップの画素を表している。
接触領域マップ2271内で、斜線ハッチングの画素で示した接触領域情報2272は、被検者の唇とATRプリズム16の全反射面とが接触している領域を表している。白の画素で示した非接触領域情報2273は、被検者の唇とATRプリズム16の全反射面とが接触していない領域を表している。
また、太線で囲った目標接触領域情報2274は、被検者の唇とATRプリズム16の全反射面との理想的な接触領域であり、予め定められたものである。黒く塗りつぶした差分領域情報2275は、接触領域情報2272と目標接触領域情報2274の差分となる領域であり、目標接触領域情報2274に対する接触領域情報2272のずれを表している。
この接触領域情報2272は、ATRプリズム16を口に咥えた被検者を、カメラ18が被検者の正面から撮像した画像に基づいて生成される。具体的には、接触画像を画像処理して全反射面と唇との間の隙間の有無を検知し、隙間が検知された唇の部分に対応する画像領域を非接触領域情報2273として表示する。また隙間が検知されなかった唇の部分に対応する画像領域を接触領域情報2272として表示する。接触領域に関する奥行方向(図20の接触領域マップ2271における上下方向)の情報は、予め規定した唇の形状に合わせて接触領域情報2272を表示する。
なお、表示画面2260aと表示画面2260bは、ディスプレイ506に同時に表示されてもよいし、表示画面2260aと表示画面2260bの何れか一方が切替可能に表示されてもよい。
表示画面2260aと表示画面2260bにおける各グラフ、マップ及び光強度等の数値データは、予め定めた周期で更新され、最新情報がリアルタイムで表示される。ATRプリズム16と被検者の唇の接触状態が変動すると、光強度、吸光度及び接触圧のグラフや数値、接触領域マップもそれに合わせて変化する。
被検者は、表示画面2260aと表示画面2260bに表示された情報を視認しながらATRプリズム16の咥え方を調整し、表示画面2260a及び2260bに表示された各グラフや数値、接触領域マップが安定するように、自身の唇とATRプリズム16の全反射面との接触を調整できる。
被検者が調整を行った結果、接触圧データPrが所定の接触圧範囲内、接触領域データAが所定の接触領域範囲内、光強度収束度データIcが所定の光強度閾値Icth以下、吸光度収束度データKcが所定の吸光度閾値Kcth以下、及び接触圧収束度データPcが所定の接触圧閾値Pcth以下になると、決定部227は血糖値の取得開始を決定する。換言すると、決定部227は予め定められた安定状態になったタイミングで血糖値の取得開始を決定する。この決定に応答して、生体情報出力部221は、そのタイミングで吸光度出力部217aから入力した吸光度に基づき演算で取得した血糖値を、表示部226に出力する。
<処理部2aによる処理例>
次に、処理部2aによる処理について説明する。図21は処理部2aによる処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS211で、表示部226は、計時部228から入力した測定終了までの時間情報の表示を開始する。
続いて、ステップS212において、データ収録部216は、光強度取得部215が取得した光強度データIを収録する。
続いて、ステップS213において、光強度収束度出力部223は、光強度収束度データIcを取得し、表示部226に出力する。
続いて、ステップS214において、吸光度出力部217aは、吸光度データKを取得し、表示部226に出力する。
続いて、ステップS215において、吸光度収束度出力部220は、吸光度収束度データKcを取得し、表示部226に出力する。
続いて、ステップS216において、データ収録部216は、接触圧取得部219が取得した接触圧データPrを収録する。
続いて、ステップS217において、接触圧収束度出力部222は、接触圧収束度データPcを取得し、表示部226に出力する。
続いて、ステップS218において、データ収録部216は、画像取得部218が取得した接触画像を収録する。
続いて、ステップS219において、接触領域出力部224は、データ収録部216から読み出した接触画像に基づき演算で取得した被検者の唇とATRプリズム16の全反射面との接触領域データAを、差分領域出力部225及び表示部226のそれぞれに出力する。
続いて、ステップS220において、差分領域出力部225は、接触領域データAと、予め定めた目標接触領域との差分領域データAcを演算で取得し、これを表示部226に出力する。
続いて、ステップS221において、表示部226は、光強度データI、光強度収束度データIc、吸光度データK、吸光度収束度データKc、接触圧データPr、接触圧収束度データPc、接触領域データA及び差分領域データAcをそれぞれディスプレイ506に表示させる。また、これらを決定部227に出力する。
続いて、ステップS222において、決定部227は、Imin≦I≦Imax、I≦Icth、Kmin≦K≦Kmax、Kc≦Kcth、Pmin≦P≦Pmax、Pc≦Pcth及びAmin≦A≦Amaxを全て満足するか否かを判定する。
ステップS222において、全て満足すると判定された場合は(ステップS222、Yes)、ステップS223において、表示部226は、「光強度OK」、「吸光度OK」、「接触圧OK」、「接触領域OK」をディスプレイ506に表示させ、処理はステップS224に移行する。一方、全て満足しないと判定された場合は(ステップS222、No)、ステップS212に戻り、ステップS212以降の処理が再度実行される。
続いて、ステップS224において、RAM503等の記憶装置は、その時点での第1〜第3プローブ光のそれぞれの光強度データを保存する。
続いて、ステップS225において、吸光度出力部217aは、RAM503に保存された第1〜第3プローブ光のそれぞれの光強度データに基づき演算で取得した第1〜第3プローブ光のそれぞれの吸光度データを生体情報出力部221aに出力する。
続いて、ステップS226において、生体情報出力部221aは、第1〜第3プローブ光の吸光度データに基づき血糖値データを取得し、表示部226に出力する。
続いて、ステップS227において、表示部226は血糖値データをディスプレイ506に表示させる。
続いて、ステップS228において、表示部226は、計時部228から入力した測定終了までの時間情報の表示を終了する。
このようにして、処理部2aは血糖値を測定する処理を実行することができる。
なお、ステップS212〜S219の処理は、適宜順番を変更してもよいし、ステップS211〜S219の処理が並行して実行されてもよい。
<血糖値測定装置100aの作用効果>
以上説明してきたように、本実施形態では、被検者の唇に接触した状態でATRプリズム16から出射されるプローブ光Pの光強度に基づき、血糖値を出力する。また、表示部は光強度や吸光度に関わる情報を表示させる。また、被検者の唇のATRプリズム16に対する接触圧を検出して接触圧データPrを表示させ、被検者の唇とATRプリズム16との接触画像を撮像して、接触画像に基づき生成されたATRプリズム16の全反射面と被検者の唇との接触領域データAを表示させる。
血糖値測定装置100aのユーザは、表示された、光強度、吸光度に関わる情報、接触圧データPr又は接触領域データAを視認しながら、自身の唇のATRプリズム16に対する接触のさせ方を調整できる。そのため、血糖値測定装置100aは、被検者の唇とATRプリズム16との接触状態の変動が抑制された状態で、血糖値を正確に測定することができる。
また、本実施形態では、光強度収束度データIcと、吸光度収束度データKcと、接触圧収束度データPcの少なくとも1つをさらに表示させる。これにより、光強度データI、吸光度データK、又は接触圧データPrがそれぞれ安定した状態でデータを取得でき、血糖値を正確に測定することができる。
また、本実施形態では、接触圧データPr、接触領域データA、光強度収束度データIc、吸光度収束度データKc及び接触圧収束度データPcに基づき、血糖値の取得開始を決定する。接触圧データPrと接触領域データAだけでなく、光強度収束度データIc、吸光度収束度データKc及び接触圧収束度データPcも用いるため、被検者の唇とATRプリズム16との接触状態が安定したタイミングで、自動的に血糖値の取得を開始することができる。
また、本実施形態では、接触領域データAと、予め定めた目標接触領域との差分領域を表示させる。これにより、理想的な接触状態に対する接触領域データAのずれを被検者に視認させることができ、被検者は調整をより行いやすくなる。
[その他の実施形態]
上述した第1実施形態では、接触圧データPrが所定の接触圧範囲内、接触領域データAが所定の接触領域範囲内、光強度データIが所定の光強度範囲内、光強度収束度データIcが所定の光強度閾値Icth以下、吸光度データKが所定の吸光度範囲内、吸光度収束度データKcが所定の吸光度閾値Kcth以下、及び接触圧収束度データPcが所定の接触圧閾値Pcth以下の場合に、決定部227が血糖値の取得開始を決定する例を示したが、これに限定されるものではない。
決定部227は、接触圧データPrが所定の接触圧範囲内で且つ接触領域データAが所定の接触領域範囲内である場合に、血糖値の取得開始を決定してもよい。或いは、接触圧データPrが所定の接触圧範囲内で且つ接触領域データAが所定の接触領域範囲内であり、且つ光強度収束度データIcが所定の光強度閾値Icth以下、吸光度収束度データKcが所定の吸光度閾値Kcth以下、又は接触圧収束度データPcが所定の接触圧閾値Pcth以下の少なくとも1つである場合に、血糖値の取得開始を決定してもよい。
以上、実施形態について説明してきたが、本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。なお、上述した第1実施形態では、光強度、吸光度、接触圧、又は接触領域の全ての処理が必ずしも必須ではなく、これらのうちの少なくとも1つを処理し、表示するようにしてもよい。この場合、不要な検出器を装置の構成から省略してもよい。
ここで、図22は、吸光度のみを表示する場合の血糖値測定装置の動作の一例を示すフローチャートである。吸光度のみを表示する点を除き、他の動作は図21で示したものと同様であるため、重複した説明を省略する。
実施形態では、生体情報取得部21、駆動制御部23等の機能を1つの処理部2が実現する例を示したが、これに限定されるものではない。これらの機能を別々の処理部により実現してもよいし、生体情報取得部21の機能を複数の処理部に分散させて実現してもよい。また、処理部の機能や、データ収録部216等の記憶装置の機能をクラウドサーバ等の外部装置が実現する構成にすることも可能である。
また、実施形態では、生体情報として血糖値を測定する例を示したが、これに限定されるものではなく、ATR法に基づいて測定できれば、他の生体情報の測定に実施形態を適用することもできる。
また、光源で射出された後や中空光ファイバから出射された後に、プローブ光の一部を分岐させるビームスプリッタ等の光学素子と、分岐された一部のプローブ光強度を検出する検出素子とを設け、プローブ光強度の変動を抑制するように、光源の駆動電圧又は駆動電流をフィードバック制御する構成にしてもよい。これにより、光源の出力変動を抑え、より正確な生体情報の測定が可能になる。
また、血糖値測定装置が1つの光源を備え、1つの光源から1つの波長のプローブ光を射出させて測定する場合にも実施形態を適用可能である。
また、実施形態は、生体情報測定方法も含む。例えば、生体情報測定方法は、プローブ光を射出する工程と、入射される前記プローブ光を被測定物に接触した状態で全反射部材により全反射させる工程と、前記全反射部材から出射される前記プローブ光の光強度を検出する工程と、前記光強度に基づき取得される生体情報を出力する工程と、前記全反射部材に対する前記被測定物の圧力と、前記全反射部材と前記被測定物との接触画像に基づき生成された前記全反射部材の全反射面と前記被測定物との接触領域と、を表示させる工程と、を行う。このような生体情報測定方法により、第1実施形態に係る生体情報測定装置と同様の効果を得ることができる。
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
1、1a 測定部
100、100a 血糖値測定装置(生体情報測定装置の一例)
110 赤外光源部(光源の一例)
16 ATRプリズム
161 入射面
162 第1全反射面
163 第2全反射面
164 出射面
17 光検出器(光強度検出部の一例)
18 カメラ(撮像部の一例)
2、2a 処理部
21、21a 生体情報取得部
211 光源駆動部
212 光源制御部
213 シャッタ駆動部
214 シャッタ制御部
215 光強度取得部
216 データ収録部
217、217a 吸光度出力部
218 画像取得部
219 接触圧取得部
220 吸光度収束度出力部
221、221a 生体情報出力部
222 接触圧収束度出力部
223 光強度収束度出力部
224 接触領域出力部
225 差分領域出力部
226 表示部
2261 光強度グラフ
2262 光強度情報
2263 光強度収束度情報
2264 吸光度グラフ
2265 吸光度情報
2266 吸光度収束度情報
2267 残り時間情報
2268 接触圧グラフ
2269 接触圧情報
2270 接触圧収束度情報
2271 接触領域マップ
2272 接触領域情報
2273 非接触領域情報
2274 目標接触領域情報
2275 差分領域情報
227 決定部
228 計時部
30 圧力センサ(圧力検出部の一例)
501 CPU
506 ディスプレイ
S 生体(被測定物の一例)
P プローブ光
I 光強度データ
Ic 光強度収束度データ
Icth 光強度閾値
Pr 接触圧データ
Pc 接触圧収束度データ
Pcth 接触圧閾値
K 吸光度データ
Kc 吸光度収束度データ
Kcth 吸光度閾値
A 接触領域データ
Ac 差分領域データ
特許5376439号公報 特開平11−188009号公報 特開2015−173935号公報

Claims (15)

  1. プローブ光を射出する光源と、
    入射される前記プローブ光を被測定物に接触した状態で全反射させる全反射部材と、
    前記全反射部材から出射される前記プローブ光の光強度を検出する光強度検出部と、
    前記光強度に基づき取得される生体情報を出力する生体情報出力部と、
    前記光強度、又は前記光強度に基づき取得される前記プローブ光の吸光度を表示させる表示部と、を備える
    生体情報測定装置。
  2. 前記全反射部材に対する前記被測定物の圧力を検出する圧力検出部をさらに備え、
    前記表示部は、前記圧力検出部の出力をさらに表示させる
    請求項1に記載の生体情報測定装置。
  3. 前記全反射部材の全反射面と前記被測定物との接触領域の近傍を撮像する撮像部をさらに備え、
    前記表示部は、前記撮像部が撮像した画像に基づき生成される前記接触領域の情報をさらに表示させる
    請求項1、又は2に記載の生体情報測定装置。
  4. プローブ光を射出する光源と、
    入射される前記プローブ光を被測定物に接触した状態で全反射させる全反射部材と、
    前記全反射部材から出射される前記プローブ光の光強度を検出する光強度検出部と、
    前記光強度に基づき取得される生体情報を出力する生体情報出力部と、
    前記全反射部材に対する前記被測定物の圧力と、前記全反射部材と前記被測定物との接触画像に基づき生成された前記全反射部材の全反射面と前記被測定物との接触領域と、を表示させる表示部と、を備える
    生体情報測定装置。
  5. 前記圧力を検出する圧力検出部と、
    前記接触画像を撮像する撮像部と、をさらに備える
    請求項4に記載の生体情報測定装置。
  6. 前記光強度に基づき取得される前記プローブ光の吸光度を出力する吸光度出力部をさらに備え、
    前記表示部は、前記光強度及び前記吸光度の各情報をさらに表示させる
    請求項4、又は5に記載の生体情報測定装置。
  7. 前記光強度に基づき取得される光強度収束度を出力する光強度収束度出力部と、
    前記光強度に基づき取得される吸光度収束度を出力する吸光度収束度出力部と、
    前記圧力に基づき取得される圧力収束度を出力する圧力収束度出力部の少なくとも1つをさらに備え、
    前記表示部は、前記光強度収束度、前記吸光度収束度又は前記圧力収束度の少なくとも1つをさらに表示させる
    請求項4乃至6の何れか1項に記載の生体情報測定装置。
  8. 前記生体情報出力部は、前記圧力が所定の圧力範囲内で且つ前記接触領域が所定の接触領域範囲内である場合に検出される前記光強度に基づき取得される前記生体情報を出力する
    請求項4乃至7の何れか1項に記載の生体情報測定装置。
  9. 前記圧力及び前記接触領域に基づき、前記生体情報の取得開始を決定する決定部をさらに備える
    請求項4乃至8の何れか1に記載の生体情報測定装置。
  10. 前記生体情報出力部は、
    前記圧力が所定の圧力範囲内で且つ前記接触領域が所定の接触領域範囲内であり、
    且つ前記光強度収束度が所定の光強度閾値以下、前記吸光度収束度が所定の吸光度閾値以下、又は前記圧力収束度が所定の圧力閾値以下の少なくとも1つである場合に検出される前記光強度に基づき取得される前記生体情報を出力する
    請求項7に記載の生体情報測定装置。
  11. 前記光強度収束度、前記吸光度収束度又は前記圧力収束度の少なくとも1つと、前記圧力及び前記接触領域と、に基づき、前記生体情報の取得開始を決定する決定部をさらに備える
    請求項7、又は10に記載の生体情報測定装置。
  12. 前記接触領域と、予め定めた目標接触領域との差分領域を出力する差分領域出力部をさらに備え、
    前記表示部は、前記差分領域をさらに表示させる
    請求項4乃至11の何れか1項に記載の生体情報測定装置。
  13. 前記生体情報は血糖値情報である
    請求項1乃至12の何れか1項に記載の生体情報測定装置。
  14. 前記プローブ光の波数は、1050cm-1、1070cm-1、又は1100cm-1の少なくとも1つを含む
    請求項13に記載の生体情報測定装置。
  15. プローブ光を射出する工程と、
    入射される前記プローブ光を被測定物に接触した状態で全反射部材により全反射させる工程と、
    前記全反射部材から出射される前記プローブ光の光強度を検出する工程と、
    前記光強度に基づき取得される生体情報を出力する工程と、
    前記全反射部材に対する前記被測定物の圧力と、前記全反射部材と前記被測定物との接触画像に基づき生成された前記全反射部材の全反射面と前記被測定物との接触領域と、を表示させる工程と、を行う
    生体情報測定方法。
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