JP7516773B2 - 測定装置、及び測定方法 - Google Patents

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本願は、測定装置、及び測定方法に関する。
近年、世界中で糖尿病患者が増加しており、採血を伴わない非侵襲的な血糖値測定が望まれている。 光を用いて血糖値等の生体情報を測定する方法としては、近赤外を用いたもの、中赤外を用いたもの、ラマン分光を用いたもの等、様々な方式が提案されている。このうち、中赤外領域はグルコースの吸収が大きい指紋領域であり、近赤外領域よりも測定の感度を高めることができる。
中赤外領域の光源として量子カスケードレーザ(QCL:Quantum Cascade Laser)等の発光デバイスが利用可能であるが、使用する波長の数だけレーザ光源が必要になる。装置の小型化の観点からは、中赤外領域の波長を数波長に絞ることが望ましい。
中赤外領域等の特定波長領域で全反射減衰(ATR:Attenuated Total Reflection)法によりグルコース濃度測定を精度良く行うために、グルコースの吸光ピークの波長(1035cm-1、1080cm-1、1110cm-1)を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような測定装置では、装置に含まれる光学部に被検者の唇等の被測定物が接触した際に、被測定物の温度が変化することで吸収スペクトルが変化し、測定の信頼性が低下する場合がある。
これに対し、被測定物の温度を調節するために、被測定物の領域の少なくとも一部の温度を温度調整層によって調節する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献2の技術では、光学部の周辺領域における被測定物の温度を調節するため、全反射部材等の光学部と被測定物との間で温度差が生じる場合がある。その結果、被測定物が接触した際に被測定物の温度が変化することで、測定の信頼性が低下する場合がある。
本発明は、全反射部材と被測定物との間での温度差を抑制することを課題とする。
本発明の一態様に係る測定装置は、生体を被測定物とする測定装置であって、入射されるプローブ光を前記生体に接触した状態で全反射させる全反射部材と、前記全反射部材における前記生体との接触領域の温度を所定温度に上昇させて維持する温度調節部材と、を備え、温度調節部材は、前記生体と前記接触領域が接触される際の前記生体と前記接触領域との温度差を、温度調整されない状態の前記温度差よりも小さくするよう温度調節し、 前記温度調節部材及び前記接触領域は長手方向に長く、前記プローブ光は前記長手方向の一側から前記全反射部材に入射し、前記温度調節部材の前記長手方向における長さは、前記接触領域の前記長手方向の長さに合致する
本発明によれば、全反射部材と被測定物との間での温度差を抑制できる。
実施形態に係る血糖値測定装置の全体構成例を示す図である。 ATRプリズムの作用を示す図である。 ATRプリズムの構造を示す斜視図である。 中空ファイバの構造を示す斜視図である。 実施形態に係る処理部のハードウェア構成例のブロック図である。 実施形態に係る処理部の機能構成例を示すブロック図である。 プローブ光の切替動作例を示す図であり、(a)は第1プローブ光を使用する場合、(b)は第2プローブ光を使用する場合、(c)は第3プローブ光を使用する場合である。 実施形態に係る血糖値測定装置の動作例を示すフローチャートである。 3つ以上の段階に変化させたプローブ光強度を示す図であり、(a)は比較例のプローブ光強度、(b)は3つ以上の段階に変化させたプローブ光強度である。 プローブ光の位置ずれ補正例を示す図であり、(a)はプローブ光の断面光強度分布を示す図、(b)は位置ずれ後の(a)の断面光強度分布を示す図、(c)はスペックルを含むプローブ光の断面光強度分布を示す図、(d)は位置ずれ後の(c)の断面光強度分布を示す図である。 ATRプリズムにおける入射面の作用を示す図であり、(a)は入射面が平坦面の場合のプローブ光の全反射を示す図、(b)は入射面が拡散面の場合のプローブ光の全反射を示す図、(c)は拡散面の入射面、(d)凹面の入射面、(e)は凸面の入射面である。 第1,第2中空光ファイバとATRプリズムの相対位置ずれを示す図であり、(a)はATRプリズムが生体に接触していない場合、(b)はATRプリズムの第1全反射面に生体が接触した場合、(c)はATRプリズムの第2全反射面に生体が接触した場合である。 第1,第2中空光ファイバ、ATRプリズムの支持部材を示す図である。 光源駆動電流の一例を示す図であり、(a)は比較例の光源駆動電流、(b)は高周波変調した光源駆動電流である。 第1実施形態に係る血糖値測定装置の構成例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。 ATRプリズムと唇との接触領域を説明する図である。 第2実施形態に係る血糖値測定装置の構成例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は一方からの斜視図、(d)は他方からの斜視図である。 第2実施形態に係る処理部の機能構成例のブロック図である。 実施形態を適用しない場合の温度センサ出力の時間変化を示す図である。 第2実施形態に係る温度センサ出力の時間変化を示す図である。 第3実施形態に係る血糖値測定装置の構成例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は斜視図である。 第1変形例に係る血糖値測定装置の構成例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。 第2変形例に係る血糖値測定装置の構成例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。 第3変形例に係る血糖値測定装置の構成例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。 第4変形例に係る血糖値測定装置の構成例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。 第5変形例に係る血糖値測定装置の構成例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。 第6変形例に係る血糖値測定装置の構成例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一の構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
<実施形態の用語の説明>
(中赤外領域)
中赤外領域とは、2~14μmの波長領域をいい、特定波長領域の一例である。
(プローブ光)
プローブ光とは、吸光度測定及び生体情報測定のために用いられる光をいう。実施形態では、全反射部材で全反射され、生体により減衰された後、光強度検出部で検出される光に該当する。
(ATR法)
ATR(Attenuated Total Reflection;減衰全反射又は全反射吸収)法とは、被測定物に接触して配置されたATRプリズム等の全反射部材で全反射が起きる際に、全反射面からしみ出した界(エバネッセント波)を利用して被測定物の吸収スペクトルを取得する手法をいう。
(吸光度)
吸光度とは、物体を光が通過した際に光強度がどの程度低下するかを示す無次元量をいう。実施形態では、ATR(Attenuated Total Reflection;減衰全反射又は全反射吸収)法により、全反射面からしみ出した界の生体による減衰が吸光度として測定される。
(血糖値)
血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度をいう。
(検出値)
実施形態では、光強度検出部による検出値を指すものとする。
(波数)
波長λ(μm)と波数k(cm-1)の関係は、k=10000/λである。
以下、ATRプリズム(全反射部材の一例)を用いて測定した吸光度に基づき、血糖値(生体情報の一例)を測定する血糖値測定装置(生体情報測定装置の一例)を例に、実施形態を説明する。
[実施形態]
まず、実施形態に係る血糖値測定装置100について説明する。
実施形態では、生体に接触して設けられた全反射部材に、中赤外領域で波長の異なる複数のプローブ光を入射させ、ATR法に基づいて、複数のプローブ光のそれぞれの吸光度を取得し、取得された吸光度に基づき血糖値を測定する。
<血糖値測定装置100の全体構成例>
図1は、血糖値測定装置100の全体構成の一例を示す図である。図1に示すように、血糖値測定装置100は、測定部1と、処理部2とを備える。
測定部1は、ATR法を行うための光学ヘッドであり、生体で減衰されたプローブ光の検出信号を処理部2に出力する。処理部2はこの検出信号に基づいて、吸光度データを取得し、また吸光度データに基づいて血糖値を取得して出力する処理装置である。
測定部1は、第1光源111と、第2光源112と、第3光源113と、第1シャッタ121と、第2シャッタ122と、第3シャッタ123とを備える。また、第1ハーフミラー131と、第2ハーフミラー132と、カップリングレンズ14と、第1中空光ファイバ151と、ATRプリズム16と、第2中空光ファイバ152と光検出器17とを備える。
処理部2は、吸光度取得部21と、血糖値取得部22とを備える。吸光度測定装置101は、破線で囲って示したように、測定部1と、吸光度取得部21とを含んで構成される。
測定部1における第1光源111、第2光源112及び第3光源113は、それぞれ処理部2に電気的に接続され、処理部2からの制御信号に応じて中赤外領域のレーザ光を射出する量子カスケードレーザである。
実施形態では、第1光源111は波数1050cm-1のレーザ光を第1プローブ光として射出し、第2光源112は波数1070cm-1のレーザ光を第2プローブ光として射出し、第3光源113は、波数1100cm-1のレーザ光を第3プローブ光として射出する。
波数1050cm-1、1070cm-1及び1100cm-1のレーザ光は、それぞれグルコースの吸光ピークの波数に対応し、これらの波数を利用して吸光度を測定することで、吸光度に基づくグルコース濃度の測定を精度よく行うことができる。
また、第1シャッタ121、第2シャッタ122及び第3シャッタ123は、それぞれ処理部2に電気的に接続され、処理部2からの制御信号に応じて開閉制御される電磁シャッタである。
第1シャッタ121が開放されると、第1光源111からの第1プローブ光は第1シャッタ121を通過して第1ハーフミラー131に到達する。一方、第1シャッタ121が閉鎖されると、第1プローブ光は第1シャッタ121に遮光されて、第1ハーフミラー131に到達しなくなる。
また、第2シャッタ122が開放されると、第2光源112からの第2プローブ光は第2シャッタ122を通過して第1ハーフミラー131に到達する。一方、第2シャッタ122が閉鎖されると、第2プローブ光は第2シャッタ122に遮光されて、第1ハーフミラー131に到達しなくなる。
同様に、第3シャッタ123が開放されると、第3光源113からの第3プローブ光は第3シャッタ123を通過して第2ハーフミラー132に到達する。一方、第3シャッタ123が閉鎖されると、第3プローブ光は第3シャッタ123に遮光されて、第2ハーフミラー132に到達しなくなる。
第1ハーフミラー131及び第2ハーフミラー132は、入射する光の一部を透過し、残りを反射させるための光学素子である。このような光学素子は入射光に対して透過性を有する基板に、入射光の一部を透過し、残りを反射させる光学薄膜を設けて構成できる。
但し、光学薄膜に限定されるものではなく、入射光に対して透過性を有する基板に、入射光の一部を透過し、残りを反射(回折)させる回折構造を形成して構成してもよい。回折構造を利用すると、光吸収を抑制できる点で好適である。
第1ハーフミラー131は、第1シャッタ121を通過した第1プローブ光を透過させ、第2シャッタ122を通過した第2プローブ光を反射させる。また、第2ハーフミラー132は、第1プローブ光と第2プローブ光のそれぞれを透過させ、第3シャッタ123を通過した第3プローブ光を反射させる。
第1ハーフミラー131及び第2ハーフミラー132のそれぞれにおける透過光と反射光の光強度比は略1対1になるように構成することが好ましいが、各光源の射出するプローブ光強度等に応じて、上記の光強度比を調整することもできる。
第1ハーフミラー131又は第2ハーフミラー132を経由した第1~第3プローブ光は、カップリングレンズ14を介して第1中空光ファイバ151内に導かれ、第1中空光ファイバ151内を伝搬してATRプリズム16の入射面161を介してATRプリズム16内に導光される。
ATRプリズム16は、入射面161から入射される第1~第3プローブ光を全反射させながら出射面164に向けて伝搬させ、出射面164から出射する光学プリズムである。図1に示すように、ATRプリズム16は、第1全反射面162を生体S(被測定物の一例)に接触させて配置される。
ATRプリズム16内に導光された第1~第3プローブ光は、第1全反射面162と、第1全反射面162に対向する第2全反射面163のそれぞれで全反射を繰り返し、出射面164を介して第2中空光ファイバ152内に導かれる。
光検出器17は第2中空光ファイバ152により導光された第1~第3プローブ光は光検出器17に到達する。光検出器17は、中赤外領域の波長の光を検出可能な検出器であり、受光した第1~第3プローブ光を光電変換して、光強度に応じた電気信号を検出信号として処理部2に出力する。光検出器17は、赤外線用のPD(Photo Diode)やMCT(Mercury Cadmium Telluride)検出素子、ボロメータ等により構成される。ここで、光検出器17は光強度検出部の一例である。なお、以下では、第1~第3プローブ光を区別しない場合に、単にプローブ光という場合がある。
処理部2は、PC(Persdonal Computer)等の情報処理装置により構築されている。処理部2における吸光度取得部21は、光検出器17の検出信号に基づき、各プローブ光の吸光度データを取得して血糖値取得部22に出力する。血糖値取得部22は各プローブ光の吸光度データに基づき、生体の血糖値データを取得する。
なお、図1では、測定部1の構成と吸光度測定装置101に含まれる構成要素を分かりやすく示すために、測定部1を実線の枠で囲み、また吸光度測定装置101を破線の枠で囲ったが、これらは筐体を示すものではない。ATRプリズム16は筐体内に収納されたものではなく、第1全反射面162、又は第2全反射面163の少なくとも一方を生体の任意の部位に接触させることが可能である。
<ATRプリズム16等の作用、構成>
次に、図2を参照してATRプリズム16の作用を説明する。図2に示すように、測定部1のATRプリズム16は、生体Sに接触して配置される。ATRプリズム16に入射したプローブ光は、それぞれ生体Sの赤外吸光スペクトルに対応する減衰を受ける。減衰を受けたプローブ光は光検出器17で受光され、プローブ光毎に光強度が検出される。検出信号は処理部2に入力され、処理部2は検出信号に基づき、吸光度データ及び血糖値データを取得して出力する。
グルコースの吸収光強度が得られる中赤外領域で、分光による検出を行うには、赤外減衰全反射(ATR)法が有効である。赤外ATR法は、高屈折率のATRプリズム16に赤外光であるプローブ光を入射させ、ATRプリズム16と外界(例えば生体S)の境界面で全反射が起きる際に現れる界の「しみ出し」を利用したものである。ATRプリズム16に被測定物である生体Sが接触した状態で測定を行えば、しみ出した界が生体Sによって吸収される。
プローブ光として2~12μmの広い波長域の赤外光を用いれば、生体Sの分子振動エネルギーに起因する波長の光が吸収され、ATRプリズム16を透過したプローブ光の対応する波長で光吸収がディップとして現れる。この手法では、ATRプリズム16を透過した検出光のエネルギーを大きく取れるため、微弱なパワーのプローブ光を用いた赤外分光法では特に有利である。
赤外光を用いた場合、ATRプリズム16から生体Sへ光がしみ出す深さはわずか数ミクロン程度であり、深さ数百ミクロン程度に存在する毛細血管までは光が到達しない。しかし、皮膚や粘膜細胞中には血管中の血漿などの成分が組織液(間質液)としてにじみ出ていることが知られている。その組織液中に存在するグルコース成分を検出することで、血糖値の測定が可能となる。
組織液中のグルコース成分の濃度は、毛細血管に近くなるほど大きくなると考えられ、測定の際には常に一定の圧力でATRプリズムを押し付ける。このような押し付けに有利なように、実施形態では、台形の断面をもつ多重反射のATRプリズムを採用する。
ここで、図3は、実施形態に係るATRプリズムの構造を示す斜視図である。図3に示すように、ATRプリズム16は台形型のプリズムである。ATRプリズム16内での多重反射回数が増えるほど、グルコースの検出感度が増す。また、生体Sとの接触面積を大きくとれるため、ATRプリズム16を押圧する圧力の変化による検出値の変動を小さく抑えることができる。ATRプリズム16の底面の長さLは、たとえば24mmである。厚さtは、1.6mm、2.4mmなど、多反射が生じるように薄く設定される。
ATRプリズム16の材料としては、人体に対して毒性がなく、グルコースの吸収帯である波長10μm付近で高い透過特性を示すものが候補となる。一例として、これらの条件を満たす材料の中から、光のしみ出しが大きく、より深部までの検出が可能で、屈折率が2.2のZnS(硫化亜鉛)のプリズムを用いることができる。ZnSは、赤外材料として一般的に利用されているZnSe(セレン化亜鉛)と異なり、発がん性が無いことが示されており、無毒な染料(リトポン)として歯科材料にも利用されている。
一般的なATR測定装置では、ATRプリズムが比較的大型の装置に固定されているため、被測定物となる生体の部位は、指先や前腕部などの体表に制限される。しかし、これらの部位の皮膚は、厚さ20μm程度の角質層で覆われているため、検出されるグルコース濃度が小さくなる。また、角質層は汗や皮脂の分泌状態の影響を受けるため、測定の再現性が制限される。そこで、血糖値測定装置100では赤外光であるプローブ光を低損失で伝送可能な第1中空光ファイバ151及び第2中空光ファイバ152を用い、それぞれの一端をATRプリズム16に当接させて用いる。
第1中空光ファイバ151は、一端がATRプリズム16に当接されることで、ATRプリズム16の入射面161に光学的に接続され、第1中空光ファイバ151からの出射光がATRプリズム16の入射面161に入射されるようになっている。
また、第2中空光ファイバ152は、一端がATRプリズム16に当接されることで、ATRプリズム16の出射面164に光学的に接続され、ATRプリズム16の出射面164からの出射光が第2中空光ファイバ152内に導光されるようになっている。
ATRプリズム16を用いることで、皮膚表面に比較的近いところに毛細血管が存在し、汗や皮脂の影響が少ない耳たぶや、角質が存在しない口腔粘膜での測定が可能になる。
図4は、血糖値測定装置100で用いられる中空光ファイバの構造の一例を示す斜視図である。グルコース測定に用いる比較的波長の長い中赤外光は、石英ガラス光ファイバではガラスに光が吸収されてしまい伝送できない。これまで、特殊な材料を用いた各種の赤外伝送用光ファイバが開発されてきたが、材料に毒性、吸湿性・化学的耐久性などの問題があり、医療分野に利用することは難しかった。
一方、第1中空光ファイバ151及び第2中空光ファイバ152は、ガラス、プラスチック等の無害の材料で形成されたチューブ243の内面に、金属薄膜242と誘電体薄膜241がこの順で配置されている。金属薄膜242は、銀などの毒性の低い材料で形成され、誘電体薄膜241で被覆することで、化学的、機械的耐久性が付与されている。また、中赤外光を吸収しない空気をコア245としているため、広い波長域で中赤外光の低損失伝送が可能となっている。
<処理部2の構成>
次に、処理部2の構成について、図5及び図6を参照して説明する。
図5は、実施形態に係る処理部2のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、処理部2は、CPU(Central Processing Unit)501と、ROM(Read Only Memory)502と、RAM(Random Access Memory)503と、HD(Hard Disk)504と、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505と、ディスプレイ506とを備えている。また、外部機器接続I/F(Interface)508と、ネットワークI/F509と、データバス510と、キーボード511と、ポインティングデバイス512と、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514と、メディアI/F516と、光源駆動回路517と、シャッタ駆動回路518と、検出I/F519とを備えている。
これらのうち、CPU501は、処理部2全体の動作を制御する。ROM502は、IPL(Initial Program Loader)等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。
HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。
外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、図5に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
光源駆動回路517は、第1光源111、第2光源112及び第3光源113のそれぞれと電気的に接続され、制御信号に応じて、これらに赤外光を射出させるための駆動電圧を出力する電気回路である。シャッタ駆動回路518は、第1シャッタ121、第2シャッタ122及び第3シャッタ123のそれぞれと電気的に接続され、制御信号に応じて、これらを開閉駆動させる駆動電圧を出力する電気回路である。
検出I/F519は、光検出器17の検出信号を取得するためのインターフェースとなるA/D(Analog/Digital)変換回路等の電気回路である。なお、検出I/F519は、光検出器17だけでなく、図5では図示を省略する圧力センサや温度センサ等の各種センサによる検出信号を取得すためのインターフェースとしての機能も有する。
次に、図6は実施形態に係る処理部2の機能構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、処理部2は、吸光度取得部21と、血糖値取得部22とを備える。
また吸光度取得部21は、光源駆動部211と、光源制御部212と、シャッタ駆動部213と、シャッタ制御部214と、データ取得部215と、データ収録部216と、吸光度出力部217とを備える。
これらのうち、光源駆動部211の機能は光源駆動回路517等により、シャッタ駆動部213の機能はシャッタ駆動回路518等により、データ取得部215の機能は検出I/F519等により、データ収録部216の機能はHD504等により、それぞれ実現される。また、光源制御部212、シャッタ制御部214及び吸光度出力部217の各機能は、CPU501が所定のプログラムを実行すること等により実現される。
光源駆動部211は、光源制御部212から入力される制御信号に基づき駆動電圧を出力して、第1光源111、第2光源112及び第3光源113のそれぞれに赤外光を射出させる。光源制御部212は、制御信号により赤外光の射出タイミングや光強度を制御する。
シャッタ駆動部213は、シャッタ制御部214から入力される制御信号に基づき駆動電圧を出力して、第1シャッタ121、第2シャッタ122及び第3シャッタ123のそれぞれを開閉駆動させる。シャッタ制御部214は、制御信号によりシャッタを開放させるタイミングや期間を制御する。ここで、シャッタ制御部は入射制御部の一例である。
データ取得部215は、光検出器17が連続して出力する検出信号を所定周期でサンプリングして取得した光強度の検出値を、データ収録部216に出力する。データ収録部216は、データ取得部215から入力した検出値を収録する。
吸光度出力部217は、データ収録部216から読み出した検出値に基づき所定の演算処理を実行して吸光度データを取得し、取得した吸光度データを血糖値取得部22に出力する。
但し、吸光度出力部217は、取得した吸光度データを、外部機器接続I/F508を介してPC等の外部装置に出力してもよいし、ネットワークI/F509及びネットワークを通じて外部サーバ等に出力してもよい。また、ディスプレイ506(図5参照)に出力して表示させてもよい。
また、血糖値取得部22は、出力部の一例としての生体情報出力部221を備える。生体情報出力部221は、吸光度取得部21から入力した吸光度データに基づき所定の演算処理を実行して血糖値データを取得し、取得した血糖値データをディスプレイ506等に出力して表示させる。
但し、生体情報出力部221は外部機器接続I/F508を介して血糖値データをPC等の外部装置に出力してもよいし、ネットワークI/F509及びネットワークを通じて血糖値データを外部サーバ等に出力してもよい。また、血糖値測定の信頼度を併せて出力するように、生体情報出力部221を構成してもよい。
吸光度データから血糖値データを取得するための処理には、特開2019-037752号公報等に開示された技術を適用できるため、ここではさらに詳細な説明を省略する。
<血糖値測定装置100の動作例>
次に、血糖値測定装置100の動作について、図7~図8を参照して説明する。
(プローブ光の切替動作例)
図7は、プローブ光の切替動作の一例を説明するための図である。(a)は第1プローブ光を使用する場合、(b)は第2プローブ光を使用する場合、(c)は第3プローブ光を使用する場合のそれぞれにおける測定部1の状態を示している。
実施形態では、各光源によるプローブ光のATRプリズム16への入射を各シャッタの開閉で制御するため、吸光度及び血糖値の測定時には、第1光源111、第2光源112及び第3光源113は常時赤外光を射出している。
図7(a)では、第1シャッタ121は制御信号に応答して開放されている。第1光源111が射出した第1プローブ光は、第1シャッタ121を通過し、第1ハーフミラー131及び第2ハーフミラー132のそれぞれを透過して、カップリングレンズ14を介して第1中空光ファイバ151に導光される。その後、第1中空光ファイバ151を伝搬した後に、ATRプリズム16内に入射する。
一方、第2シャッタ122及び第3シャッタ123は、それぞれ閉鎖されているため、第2プローブ光及び第3プローブ光は、ATRプリズム16には入射しない。従って、この状態では、ATRプリズム16での減衰による第1プローブ光の吸光度が測定される。
図7(b)では、第2シャッタ122は制御信号に応答して開放されている。第2光源112が射出した第2プローブ光は、第2シャッタ122を通過し、第1ハーフミラー131で反射され、第2ハーフミラー132を透過して、カップリングレンズ14を介して第1中空光ファイバ151に導光される。その後、第1中空光ファイバ151を伝搬した後に、ATRプリズム16内に入射する。
一方、第1シャッタ121及び第3シャッタ123は、それぞれ閉鎖されているため、第1プローブ光及び第3プローブ光は、ATRプリズム16には入射しない。従って、この状態では、ATRプリズム16での減衰による第2プローブ光の吸光度が測定される。
図7(c)では、第3シャッタ123は制御信号に応答して開放されている。第3光源113が射出した第3プローブ光は、第3シャッタ123を通過し、第2ハーフミラー132で反射され、カップリングレンズ14を介して第1中空光ファイバ151に導光される。その後、第1中空光ファイバ151を伝搬した後に、ATRプリズム16内に入射する。
一方、第1シャッタ121及び第2シャッタ122は、それぞれ閉鎖されているため、第1プローブ光及び第2プローブ光は、ATRプリズム16には入射しない。従って、この状態では、ATRプリズム16での減衰による第3プローブ光の吸光度が測定される。
第1シャッタ121、第2シャッタ122、第3シャッタ123の全てが閉鎖された場合は、第1プローブ光、第2プローブ光及び第3プローブ光は、何れもATRプリズム16に入射せず、光検出器17に到達しなくなる。
このようにして、入射制御部としてのシャッタ制御部214(図6参照)は、各シャッタの開閉を制御して、第1~第3プローブ光が順次ATRプリズム16に入射する状態と、第1~第3プローブ光の全てがATRプリズム16に入射しない状態を切り替えることができる。
(血糖値測定装置100の動作例)
図8は、血糖値測定装置100の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS81において、光源制御部212の制御信号に応答して、第1光源111、第2光源112及び第3光源113の全てが赤外光を射出する。但し、この初期の状態では、第1シャッタ121、第2シャッタ122及び第3シャッタ123は、何れも閉鎖している。
続いて、ステップS82において、シャッタ制御部214は、第1シャッタ121を開放させ、第2シャッタ122及び第3シャッタ123を閉鎖させる。
続いて、ステップS83において、データ収録部216は、データ取得部215が取得した光検出器17による検出値(第1検出値)を収録する。
続いて、ステップS84において、シャッタ制御部214は、第2シャッタ122を開放させ、第1シャッタ121及び第3シャッタ123を閉鎖させる。
続いて、ステップS85において、データ収録部216は、データ取得部215が取得した光検出器17による検出値(第2検出値)を収録する。
続いて、ステップS86において、シャッタ制御部214は、第3シャッタ123を開放させ、第1シャッタ121及び第2シャッタ122を閉鎖させる。
続いて、ステップS87において、データ収録部216は、データ取得部215が取得した光検出器17による検出値(第3検出値)を収録する。
続いて、ステップS88において、吸光度出力部217は、第1~第3検出値に基づき、第1~第3プローブ光の吸光度データを取得して、生体情報出力部221に出力する。
続いて、ステップS89において、生体情報出力部221は、第1~第3プローブ光の吸光度データに基づき所定の演算処理を実行して血糖値データを取得し、取得した血糖値データをディスプレイ506(図5参照)に出力して表示させる。
このようにして、血糖値測定装置100は、血糖値データを取得して出力することができる。
なお、実施形態では、電磁シャッタである第1シャッタ121、第2シャッタ122及び第3シャッタ123を制御して、ATRプリズム16へのプローブ光の入射を切り替える例を示したが、これに限定されるものではない。複数の光源のオン(射出)とオフ(不射出)を切り替える制御により、ATRプリズム16へのプローブ光の入射を切り替えてもよい。また、複数の波長の光を射出する1つの光源を用い、波長毎で光源のオンとオフとを切り替えてもよい。
また、実施形態では、プローブ光の一部を透過し、残りを反射させる素子として第1ハーフミラー及び第2ハーフミラーを用いる例を示したが、これに限定されるものではなく、ビームスプリッタや偏光ビームスプリッタ等を用いてもよい。
また、プローブ光を透過する高屈折率材料、たとえばゲルマニウム等は、材料特性上表面反射率が高い。例えば基板の面方向に対し、垂直方向に偏光した光(s偏光)は、基板に対して45度の入射角で入射すると、透過と反射の比がほぼ1:1となる。このことを利用して、ゲルマニウム板を45度の入射角になるよう設置して、ハーフミラーの代わりとすることが出来る。なお裏面でも同様に50%の反射成分があるため、裏面には無反射防止膜を施しておく。
<実施形態に係る各種変形例>
ここで、実施形態における各構成部は、各種の変形が可能であるため、以下において、各種変形例を説明する。
(光検出器17の線形性誤差の影響抑制)
血糖値測定装置100で用いられる光検出器17は、線形性誤差を含む場合があり、光検出器17の線形性誤差は血糖値の測定誤差を生じさせる。そのため、プローブ光強度を予め定めた3つ以上の段階に変化させ、プローブ光強度と光検出器17による検出値とを比較することで線形性誤差の影響を低減させることもできる。
図9は、このように3つ以上の段階に変化させたプローブ光強度の一例を説明する示す図であり、(a)は比較例に係るプローブ光強度を示す図、(b)は3つ以上の段階に変化させたプローブ光強度を示す図である。図9において、斜線ハッチングで示した部分は第1プローブ光強度、格子ハッチングで示した部分は第2プローブ光強度、ハッチングなしで示した部分は第3プローブ光強度を表している。
図9(a)では各プローブ光強度が一定であるのに対し、図9(b)では各プローブ光強度が3つ以上の段階で、段階的に徐々に小さくなっている。光源の駆動電圧又は駆動電流を予め定めた3つ以上の段階(図9(b)では6段階)に変化させることで、射出されるプローブ光強度を3つ以上の段階に変化させることができる。なお、この場合のプローブ光は、シャッタ制御部214によるプローブ光の切替制御周期(例えば、図8のステップS82~S84までの周期)より短い周期で光強度が変化している。
光検出器17が線形性誤差を含まない場合は、プローブ光強度の変化に対して光検出器17による検出値は線形に変化する。一方、光検出器17が線形性誤差を含む場合は、プローブ光強度の変化に対して光検出器17による検出値が非線形に変化する。
従って、3つ以上の段階に光強度を変化させながらプローブ光を射出し、各段階での光検出器17による検出値を取得して、射出したプローブ光強度データと光検出器17による検出値とを比較して、線形性が確保される光強度範囲を特定する。そして、3つ以上の段階に変化するプローブ光強度のうち、線形性が確保される部分のみを用いて、吸光度及び血糖値を測定する。これにより、光検出器17の線形性誤差の影響を低減させて吸光度及び血糖値を測定できる。
線形性が確保される光強度範囲を特定する動作は、血糖値測定に先立って行ってもよいし、血糖値測定中にリアルタイムで行ってもよい。
また、プローブ光が複数あるのに対して光検出器17は1つであるため、光検出器17の線形性誤差の影響の低減処理は、複数のプローブ光の全てを用いて行わなくてもよく、複数のプローブ光のうちの少なくとも1つを用いて実行すればよい。
(イメージセンサによるプローブ光の検出)
光検出器17は、1つの画素(受光素子)を用いるものに限定されるものではなく、画素がライン状に配列されたライン状のイメージセンサや、画素が2次元に配列されたエリア状のイメージセンサを用いることもできる。
ここで、光検出器17の検出信号は、受光したプローブ光強度の積分値であるため、ATRプリズム16に生体Sが接触した際にATRプリズム16における入射光や出射光の光路が変化すると、変化前後のプローブ光強度が積分されて検出誤差が生じ、正確な吸光度データが得られなくなる場合がある。
図10(a)、(b)は、このようなプローブ光の位置ずれを示しており、領域171は、光検出器17によるプローブ光の受光領域である。プローブ光が図10(b)の白抜き矢印方向にずれると、領域171におけるプローブ光強度分布が変化して、光検出器17による検出信号が変化する。
これに対し、光検出器17にイメージセンサを用いると、イメージセンサで撮像したプローブ光画像からプローブ光の位置ずれ量が分かるため、位置ずれ後のプローブ光の光強度分布の積分値を検出信号とすることで、プローブ光の位置ずれの影響を補正できる。図10(b)の領域172は、位置ずれ後のプローブ光で光強度分布の積分値を取得する領域を示している。
また、プローブ光にレーザ光等の可干渉性(コヒーレント)の光を用いると、プローブ光にスペックルと呼ばれる斑状の細かい光強度分布が重畳される場合がある。図10(c)はスペックルを含むプローブ光の断面光強度分布の一例を示している。174は、スペックル画像に含まれる場合がある光強度の特異点を示し、特異点174は領域173に含まれている。
図10(d)は、図10(c)のプローブ光が白抜き矢印方向に位置ずれした場合を示している。この状態では、特異点174が領域173に含まれなくなり、位置ずれ前後での検出信号の変化が顕著になる。これに対し、プローブ光画像から検出したプローブ光の位置ずれ量に応じて、領域175でのる光強度分布の積分値を検出信号とすることで、より好適にプローブ光の位置ずれの影響を補正できる。
また、イメージセンサ上でのプローブ光強度分布に基づき、生体SとATRプリズム16との接触領域を推定し、測定開始前に予め取得して記憶しておいたATRプリズム16面内の感度分布から、イメージセンサの検出信号に基づく検出値を補正することで、測定のばらつき誤差を低減することも可能になる。
(全反射部材への入射面)
上述した実施形態では、ATRプリズム16の入射面161が平坦面である例を示したが、これに限定されるものではなく、入射面161を拡散面や曲率を有する面等のさまざまな形状にしてもよい。
図11(a)に示すように、入射面161が平坦面であると、ATRプリズム16内でのプローブ光の進行方向は、入射面161への入射角度に従って一様な状態となる。そのため、生体Sが接触するATRプリズム16の全反射面において、領域毎で測定感度が異なる領域依存性が生じる場合がある。
光検出器17の検出信号は、ATRプリズム16に対する生体Sの接触面積の大きさ等、接触状態に依存する。特に、唇や指等の生体Sが被測定物である場合には、接触状態の再現性は低くなりやすいため、測定感度の領域依存性により測定ばらつきが増大する場合がある。
これに対し、 入射面161を拡散面とすることでATRプリズム16内でのプローブ光の進行方向をランダムに異ならせることで、図11(b)に示すように、測定感度の領域依存性を緩和させ、測定ばらつきを低減させることができる。
また入射面161は、図11(c)に示す拡散面のほかにも、図11(d)に示す凹面や、図11(e)に示す凸面にすることもできる。図11(d)の凹面や図11(e)の凸面は曲率を有する入射面の一例である。この場合にも、拡散面と同様にプローブ光の光路を異ならせることができ、測定感度の領域依存性を緩和させて、測定ばらつきを低減させることができる。
なお、ATRプリズム16にプローブ光が入射する前の光路上に拡散板やレンズ等を配置する構成にしても同様の効果が得られるが、この場合、装置の構成部品点数が増えることで組付け誤差による装置間での測定値の差(機差)やコスト高を招く場合がある。ATRプリズム16の入射面161を拡散面や曲面にすると、このような機差やコスト高を押させることができるため、より好適である。
(導光部と全反射部材の支持部)
ATRプリズム16に生体Sが接触する際に、第1中空光ファイバ151及び第2中空光ファイバ152とATRプリズム16との相対位置がずれると、ATRプリズム16に対するプローブ光の入射効率や出射効率が変動し、測定ばらつきが増大する場合がある。
図12は、このような第1中空光ファイバ151及び第2中空光ファイバ152と、ATRプリズム16との相対位置ずれを説明する図である。(a)はATRプリズム16が生体Sに接触していない場合、(b)はATRプリズム16の第1全反射面162に生体Sが接触した場合、(c)はATRプリズム16の第2全反射面163に生体Sが接触した場合をそれぞれ示している。
図12(b)に示すように、生体SがATRプリズム16の第1全反射面162に接触すると、白抜き矢印で示す下方に押圧力が加わり、ATRプリズム16が下方にずれる。その結果、ATRプリズム16'に示した状態になって、第1中空光ファイバ151及び第2中空光ファイバ152とATRプリズム16'との相対位置が変化する。
また、図12(c)に示すように、生体SがATRプリズム16の第2全反射面163に接触すると、白抜き矢印で示す上方に押圧力が加わり、ATRプリズム16が上方にずれる。その結果、ATRプリズム16"に示した状態になって、第1中空光ファイバ151及び第2中空光ファイバ152とATRプリズム16"との相対位置が変化する。
このような相対位置ずれにより、ATRプリズム16に対するプローブ光の入射効率や出射効率が変動する。特に、被測定物が生体である場合は、接触圧を一定に保つことは容易ではないため、相対位置ずれによる測定ばらつきが特に増大しやすくなる。
従って、相対位置ずれを抑制するために、第1中空光ファイバ151及び第2中空光ファイバ152とATRプリズム16は、同一の支持部材により支持することが好ましい。
図13は、第1中空光ファイバ151、第2中空光ファイバ152及びATRプリズム16を支持する部材の構成の一例を説明する図である。図13における導光支持部材153は、第1中空光ファイバ151とATRプリズム16とを一体に支持する部材である。また、出射支持部材154は、第2中空光ファイバ152とATRプリズム16とを一体に支持する部材である。
第1中空光ファイバ151とATRプリズム16とを一体に支持することで、生体SをATRプリズム16に接触させた場合にも、両者は一体に動くため、相対位置ずれは生じない。また、第2中空光ファイバ152とATRプリズム16とを一体に支持することで、生体SをATRプリズム16に接触させた場合にも、両者は一体に動くため、相対位置ずれは生じない。これにより、生体SのATRプリズム16への接触に伴うプローブ光の入射効率及び出射効率の変動を抑制でき、測定ばらつきを低減させることができる。
なお、上述した例では、導光支持部材153と出射支持部材154を別々の部材にするものを示したが、第1中空光ファイバ151、第2中空光ファイバ152及びATRプリズム16を、1つの支持部材で支持する構成にしてもよい。
また、導光部として第1中空光ファイバ151を用いずに、ミラーやレンズ等の光学素子で導光部を構成する場合においても、光学素子とATRプリズム16とを一体に支持することで、上述したものと同様の効果が得られる。
また、導光部だけでなく、第1光源111、第2光源112、第3光源113、光検出器17も、同一の支持部材で一体に支持することで、測定ばらつきを低減できる効果が得られる。
(光源駆動電流の高周波変調)
プローブ光にスペックルが含まれると、スペックルのパターンに応じて光検出器17による検出値が変動して測定ばらつきを増大させる場合がある。このスペックルは、プローブ光の散乱光等が干渉して発生するものであるため、プローブ光の可干渉性を低下させることでスペックルの発生を抑制できる。そのため、実施形態では、光源を駆動する電流に高周波変調成分を重畳させることで、血糖値測定装置に含まれる光源の可干渉性を低下させ、プローブ光のスペックルに起因する吸光度の測定ばらつきを低減させることもできる。
図14は、光源駆動電流の一例を説明する図であり、(a)は比較例に係る光源駆動電流を示し、(b)は高周波変調した光源駆動電流を示している。
光源制御部212(図6参照)は、第1光源111、第2光源112、及び第3光源113のそれぞれに、図14(a)に示すようなパルス状の駆動電流を周期的に出力することで、これらにパルス状のプローブ光を射出させる。
実施形態では、図14(a)のパルス状の駆動電流に高周波変調成分を重畳させて第1光源111、第2光源112、及び第3光源113に出力する。高周波変調成分の波形は、正弦波状であっても矩形状であってもよい。変調周波数には1MHz(メガヘルツ)から数GHz(ギガヘルツ)までの任意のものを選択可能である。
高周波変調成分を重畳させることで、第1光源111、第2光源112、及び第3光源113はそれぞれ擬似的にマルチモードのレーザ光をプローブ光として射出させ、プローブ光の可干渉性を低下させることができる。これにより、可干渉性の低下でプローブ光のスペックルが低減され、スペックルに起因する測定ばらつきが低減される。
[第1実施形態]
次に、第1実施形態に係る血糖値測定装置について説明する。
本実施形態では、入射されるプローブ光を被測定物に接触した状態で全反射させる全反射部材の被測定物との接触領域を、温度調節部材を用いて所定温度に維持することで、全反射部材と被測定物との間での温度差を抑制する。これにより、全反射部材に被検者の唇等の被測定物が接触した際に、被測定物の温度が変化することに起因する吸収スペクトルの変化を抑え、測定信頼性の低下を防ぐ。
<血糖値測定装置100aの構成例>
まず、本実施形態に係る血糖値測定装置100aの構成を説明する。図15は血糖値測定装置100aの構成の一例を説明する図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
図15に示すように、血糖値測定装置100aは測定部1aを備え、測定部1aは第1支持部31と、第2支持部32と、QCL(Quantum Cascade Laser)110と、面状発熱素子18とを備えている。
第1支持部31は、内部が中空の箱状部材311と、箱状部材311の+Z方向側の面に設けられた背板312とを含んで構成されている。なお、箱状部材311及び背板312の材質は特に制限されない。
箱状部材311の内部には、QCL110、第1中空光ファイバ151、第2中空光ファイバ152及び光検出器17が支持されている。なお、図15では、箱状部材311の内部を透視して示している。
箱状部材311は、内部における底板の+Z方向側の面に、光源支持台176と、光検出器支持台177とを固定している。また、光源支持台176はその斜面部分にQCL110を固定し、光検出器支持台177はその斜面部分に光検出器17を固定している。これらの固定は接着剤やネジ等により行うことができる。この点は、以降で「固定」の用語を用いる場合においても同様とする。
QCL110は、波長可変の量子カスケードレーザであり、波数1050cm-1のレーザ光を第1プローブ光として射出し、波数1070cm-1のレーザ光を第2プローブ光として射出し、また波数1100cm-1のレーザ光を第3プローブ光として射出する。
換言すると、QCL110は、上述した実施形態(図1参照)における第1光源111、第2光源112及び第3光源113の機能を兼ね備えている。また本実施形態では、QCL110による第1~第3プローブ光の射出を制御信号で切り替え可能であるため、図1における第1シャッタ121、第2シャッタ122、第3シャッタ123、第1ハーフミラー131及び第2ハーフミラー132等の波長を切り替えるための構成が省略されている。なお、以降では第1~第3プローブ光をプローブ光Pと総称する。
第1中空光ファイバ151は、一端がQCL110に対してプローブ光Pを導光可能に固定され、QCL110によって支持されている。また、第1中空光ファイバ151の長さ方向におけるQCL110に接続する側の一部は、箱状部材311内に収容されている。一方、残りの部分は箱状部材311からATRプリズム16に向けて突き出して、突き出した側の端部に該当する第1中空光ファイバ151の他端が、ATRプリズム16の入射面161に当接している。但し、この他端はATRプリズム16に固定されておらず、ATRプリズム16は第1中空光ファイバ151から離間可能になっている。
第2中空光ファイバ152は、一端が光検出器17に対してプローブ光Pを導光可能に固定され、光検出器17によって支持されている。また、第2中空光ファイバ152の長さ方向における光検出器17に接続する側の一部は、箱状部材311内に収容され、残りの部分は箱状部材311からATRプリズム16に向けて突き出している。突き出した側の端部に該当する第2中空光ファイバ152の他端は、ATRプリズム16の出射面164に当接している。但し、この他端はATRプリズム16に固定されておらず、ATRプリズム16は第2中空光ファイバ152の他端から離間可能になっている。
第2支持部32は、図15(b)に示すように、X方向側からみた形状がL字型である部材であり、アルミ等の熱伝導性の高い金属部材で構成されている。第2支持部32におけるL字の-Z方向側の先端面が箱状部材311の+Z方向側の面に当接している。また、第2支持部32における-Y方向側の面は、背板312の+Y方向側の面に当接している。この状態で、第2支持部32は第1支持部31に固定されている。但し、第2支持部32を第1支持部31に対して着脱可能に構成してもよい。
第2支持部32におけるL字の+Y方向側の先端面は、ATRプリズム16の-Y方向側の面が当接され、ATRプリズム16が固定されている。第2支持部32は、このようにATRプリズム16の側面を固定して、ATRプリズム16を支持している。ここでATRプリズム16の+Z方向側の上面16aは、被測定物としての生体の唇が接触する部分である。
第2支持部32の+Z方向側の面には、面状発熱素子18が固定されている。この面状発熱素子18は、金属薄板に電流が流れて金属薄板の面全体が発熱する発熱素子であり、「温度調節部材」の一例である。面状発熱素子18の発熱は第2支持部32を介して第2支持部32に接触するATRプリズム16に伝熱され、ATRプリズム16を加熱する。なお、面状発熱素子18は発熱するため、安全性を確保するために予め定められた上限温度を超えると電力供給が遮断されるように構成されている。
<面状発熱素子18の作用効果>
次に、面状発熱素子18の作用効果について、図16を参照して説明する。図16はATRプリズム16周辺を+Z方向側から見た上面図であり、ATRプリズム16と唇との接触領域を説明する図である。
図16において、第2支持部32におけるL字の+Y方向側の先端面にATRプリズム16の-Y方向側の面が接触して固定されている。また第2支持部32の+Z方向側の面に接触して面状発熱素子18が固定されている。
面状発熱素子18の発熱は、第2支持部32におけるATRプリズム16と面状発熱素子18の間に介在する伝熱部32aを通ってATRプリズム16の-Y方向側の面を加熱する。この加熱によりATRプリズム16全体の温度が上昇することで、ATRプリズム16の上面16aの温度を上昇させることができる。
ここで、生体の温度(体温)に対し、ATRプリズム16の温度は一般に低い。例えば、唇の温度は体温に対してやや低めの33度~35度程度であるのに対し、ATRプリズム16の温度は外気温に応じた25度程度である。そのため、血糖値測定の際に唇がATRプリズム16の上面16aに接触すると、接触部における唇の温度がATRプリズム16との熱交換によって低下し、吸収スペクトルが変化する場合がある。このような吸収スペクトルの変化は血糖値に基づくものではないため、吸収スペクトルに基づき取得される血糖値にとって測定誤差となり、測定の信頼性を低下させる。
これに対し、本実施形態では、面状発熱素子18による加熱によりATRプリズム16における唇との接触領域の温度を唇と同等の33度以上で35度以下程度に上昇させる。また外気温の変化等によりATRプリズム16の温度が変化する場合に、面状発熱素子18による加熱状態を維持することで、ATRプリズム16における唇との接触領域の温度を唇と同程度の所定温度に維持する。
これにより、接触領域におけるATRプリズム16と唇との温度差を抑制でき、プリズム16の上面16aに接触した時の唇の温度低下を抑制できる。この結果、唇の温度低下に起因する測定誤差を防ぎ、測定の信頼性低下を防ぐことができる。
上記の所定温度は33度以上で35度以下が好適であり、34度が特に好適である。但し、この33度以上で35度以下や34度の数値は、厳密な一致を要求するものではなく、一般に誤差と認められる程度の差は許容される。
また、ATRプリズム16を外気温より加熱することで、ATRプリズム16を唇で咥えた際の呼気による結露等の影響を低減できるため、これによっても測定の信頼性を高めることができる。
ここで、図16に縦線ハッチングで示した接触領域165は、ATRプリズム16と唇との接触領域を示し、接触長さ166は接触領域165のX方向の長さを示している。また発熱長さ181は面状発熱素子18のX方向の長さを示している。
この発熱長さ181は接触長さ166に合致させることが好ましい。こうすることで、面状発熱素子18によるATRプリズム16のX方向における加熱ムラを抑制できる。これにより、X方向におけるATRプリズム16の接触領域165の温度を均一に所定温度に維持でき、ATRプリズム16の上面16aと唇との温度差をより正確に抑制できる。
但し、唇のATRプリズム16への接触の仕方が変動して接触長さ166が変動したり、生体の個人差で接触長さ166は変動したりする場合がある。そのため、発熱長さ181と接触長さ166の厳密な合致を要求するものではなく、同程度であればよい。
ここで、X方向は「長手方向」の一例である。また接触長さ166は「接触領域の長手方向の長さ」の一例であり、発熱長さ181は「温度調節部材の長手方向における長さ」の一例である。
また図16において、発熱中心182は面状発熱素子18のX方向における中心位置を示し、接触中心167は接触領域165のX方向における中心位置を示している。この発熱中心182と接触中心167をX方向において揃える(一致させる)ことが好ましい。このようにすることで、上述したものと同様に、X方向におけるATRプリズム16の接触領域165の温度を均一に所定温度に維持でき、ATRプリズム16の上面16aと唇との温度差をより正確に抑制できる。
但し、上述した接触長さ166と同様に、発熱中心182と接触中心167の厳密な一致を要求するものではなく、発熱中心182と接触中心167とが所定の位置関係であればよい。
ここで、発熱中心182は「温度調節部材の長手方向における中間位置」の一例であり、接触中心167は「接触領域の長手方向における中間位置」の一例である。また、発熱中心182と接触中心167がX方向において揃った位置関係は、「所定の位置関係」の一例である。
なお、図16では接触領域165がATRプリズム16の上面16aの長手方向における一部である例を示したが、上面16aの長手方向の全部を接触領域165として、このX方向の長さに合わせて面状発熱素子18の長手方向の長さを決定してもよい。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る血糖値測定装置100bについて説明する。
本実施形態では、ATRプリズム16の温度検出値に基づき、面状発熱素子18を制御することで、ATRプリズム16における唇との接触領域をより正確に所定温度に維持する。
<血糖値測定装置100bの構成>
ここで図17は、血糖値測定装置100bの構成の一例を説明する図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は+X及び+Z方向からATRプリズム周辺を見た斜視図、(d)は+X及び-Z方向からATRプリズム周辺を見た斜視図である。
図17に示すように、血糖値測定装置100bは、測定部1bと、処理部2bとを備えている。また測定部1bは温度センサ19を備えている。
温度センサ19は、熱電対、サーミスタ又は測温抵抗体等で構成された小型センサであり、第2支持部32におけるATRプリズム16に接触する面に設けられた凹部内に嵌るように設けられている。この温度センサ19はATRプリズム16の-Y方向側の面の一部に接触してATRプリズム16の温度を検出し、電気的に接続された処理部2bに対して温度検出値を出力できる。この温度センサ19は、「温度検出部」の一例である。
ここで、上述したように第2支持部32の+Z方向側の面には面状発熱素子18が設けられている。換言すると、温度センサ19と面状発熱素子18は同一の保持部材によって保持されている。こうすることで、装置構成を簡略化するとともに、面状発熱素子18の保持部材を介してATRプリズム16の温度を制御する場合に、温度センサ19で保持部材の温度を精度よく検出できるようになっている。このような第2支持部32は、「保持部材」の一例である。
次に、図18は処理部2bの機能構成の一例を説明するブロック図である。図18に示すように、処理部2bは、温度制御部23を備えている。温度制御部23の機能は、図5のCPU501が所定のプログラムを実行すること等により実現できる。
温度制御部23は、温度センサ19から入力した温度検出値に基づき、面状発熱素子18を制御する機能を備える。より具体的には、温度制御部23は、温度センサ19から入力した温度検出値に基づき、面状発熱素子18に制御信号を出力して面状発熱素子18の発熱を制御する。これにより接触領域におけるATRプリズム16と唇との温度差を抑制するようにATRプリズム16の接触領域165(図16参照)の温度を制御する。温度制御部23による制御にはPID(Proportional Integral Differential)制御方式等を適用できる。
<温度制御例>
次に、処理部2bによる温度制御結果の一例を、図19及び図20を参照して説明する。図19及び図20は、温度センサ19による出力の時間変化を示している。図19は、本実施形態を適用しない場合のものであり、図20は本実施形態を適用した場合のものである。また図19及び図20における時刻t1は、ATRプリズム16の上面16aに唇が接触を開始したタイミングを示している。時刻t1以降の時刻では、ATRプリズム16の上面16aに唇が接触し続けている。
図19に示すように、時刻t1直後の時間領域401では温度センサ19の出力が低下し、その後、時間領域402で出力が安定している。時刻t1直後は、接触領域165でATRプリズム16と唇との間で温度差があり、相互に熱が移動することで、温度センサ19の出力変化が大きくなる。その後は、ATRプリズム16と唇との間での熱の移動が収まることで、出力が安定する。
時間領域401では、唇におけるATRプリズム16との接触領域も温度が変化するため、これに伴って吸収スペクトルが変化し、血糖値の測定誤差が大きくなる。
一方、図20におけるグラフT(t)は、ATRプリズム16における接触領域165の温度が35度になるように制御した場合の温度センサ出力の時間変化を示している。同様に、グラフT(t)は、接触領域165の温度が34度になるように制御した場合、グラフT(t)は、接触領域165の温度が33度になるように制御した場合の温度センサ出力の時間変化をそれぞれ示している。
グラフT(t)~グラフT(t)の何れにおいても、本実施形態を適用しない場合と比較して、時刻t1直後における温度センサ出力の時間変化が抑制されている。従って、時刻t1の直後から測定誤差を抑制して血糖値測定が行えることが分かる。特に、接触領域165の温度が34度になるように制御した場合のグラフT(t)では、ほぼ温度センサ出力が変化していない。従って、接触領域165の温度が34度になるように制御すると、特に好適であることが分かる。
<処理部2bの作用効果>
以上説明したように、本実施形態では、温度センサ19によるATRプリズム16の温度検出値に基づき、温度制御部23が面状発熱素子18を制御することで、ATRプリズム16における唇との接触領域を、より正確に所定温度に維持することができる。これにより、接触領域におけるATRプリズム16と唇との温度差を抑制し、ATRプリズム16の上面16aに接触した時の唇の温度低下を抑制できる。その結果、唇の温度低下に起因する測定誤差を防ぎ、測定の信頼性低下を防ぐことができる。
また本実施形態では、温度センサ19と面状発熱素子18を同一の保持部材により保持する。これにより血糖値測定装置100bの装置構成を簡略化するとともに、面状発熱素子18の保持部材を介してATRプリズム16の温度を制御する場合に、温度センサ19によって保持部材の温度を精度よく検出できる。
なお、上述した例では、温度センサ19がATRプリズム16に接触して温度検出する例を示したが、これに限定されるものではない。ATRプリズム16の接触領域165の温度を検出できれば、温度センサ19をATRプリズム16に必ずしも接触させなくてもよく、また温度センサ19を任意の位置に配置してもよい。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る血糖値測定装置100cについて説明する。
本実施形態では、血糖値測定で唇をATRプリズム16に接触させた際に、発熱している面状発熱素子18に唇が接触することを防止し、安全に血糖値測定を行えるようにする。
図21は、血糖値測定装置100cの構成の一例を説明する図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は+X及び+Z方向からATRプリズム周辺を見た斜視図である。図21に示すように、血糖値測定装置100cは、接触防止部材183を備えている。
接触防止部材183は、面状発熱素子18の+X方向側に壁183a、面状発熱素子18の-X方向側に壁183b、面状発熱素子18の+Y方向側に壁183cのそれぞれが配置されるように、壁183a,183b,183cが一体化された構造に形成されている。これらの壁183a,183b,183cの高さ(Z方向における長さ)は面状発熱素子18の高さより高くなっている。従って、+Z方向側からATRプリズム16の上面16aに唇を近づけた際にも、面状発熱素子18に唇が接触することはない。
このように接触防止部材183における壁183a,183b,183cが、面状発熱素子18の周囲の空間への進入を防止するためのスペーサとして機能することで、唇をATRプリズム16に接触させた際に、発熱している面状発熱素子18に唇が接触することを防止できるようになっている。これにより、血糖値測定を安全に行うことができる。
[各種変形例]
以下に、実施形態の各種変形例を説明する。
まず、図22は、第1変形例に係る血糖値測定装置100dの構成の一例を説明する図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。図22に示すように、血糖値測定装置100dは測定部1dを備え、測定部1dは面状発熱素子18aを備えている。面状発熱素子18aは、3つの発熱部231,232,233から構成されている。発熱部231,232,233のそれぞれは、X方向における異なる位置に配置され、第2支持部32の+Z方向側の面に固定されている。
このように、複数の小さい発熱部231,232,233をX方向の異なる位置に配置して面状発熱素子18aを構成することで、X方向におけるATRプリズム16の温度差を低減させることができる。
また発熱部が小さくなることで、ATRプリズム16に唇が接触した直後の温度変化に対して、より短時間で温度を制御目標値に戻すことが可能になる。
さらに、血糖値測定装置100dが動作モードとしてスリープモードを備える場合に、短時間で且つ少ないオーバーシュートでスリープモードから血糖値測定装置100dを復帰させ、制御目標値に追従させることが可能になる。
ここで、スリープモードとは、血糖値測定装置100dにおいて消費電力を削減した低消費電力の動作モードをいう。例えば、予め定められた時間内にデータや信号の入力がない場合等に、血糖値測定装置100dへの電力供給を停止させることで、血糖値測定装置100bの動作モードをスリープモードに移行させることができる。
次に、図23は、第2変形例に係る血糖値測定装置100eの構成の一例を説明する図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。図23に示すように、血糖値測定装置100eは測定部1eを備え、測定部1eは面状発熱素子18bを備えている。面状発熱素子18bは、第2支持部32のL字における+Y方向側でATRプリズム16の-Y方向側の面に接触する面に設けられた凹部に嵌るようにして固定されている。
このように、面状発熱素子は、ATRプリズム16を加熱して接触領域165の温度を所定温度に維持できれば、任意の位置に固定されてもよい。また、面状発熱素子がATRプリズム16に接触する構成であってもよい。
次に、図24は、第3変形例に係る血糖値測定装置100fの構成の一例を説明する図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。図24に示すように、血糖値測定装置100fは、第1中空光ファイバ151及び第2中空光ファイバ152を何れも備えない構成にしている。QCL110から射出されたプローブ光は第1中空光ファイバ151等の導光部材を介することなくATRプリズム16に入射する。またATRプリズム16から出射されたプローブ光は第2中空光ファイバ152等の導光部材を介することなく光検出器17に入射する。このように血糖値測定装置100fを構成することもできる。
次に、温度センサに係る変形例を、図25~図27を参照して説明する。
まず、図25は、第4変形例に係る血糖値測定装置100gの構成の一例を説明する図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。図25に示すように、血糖値測定装置100gは、測定部1gを備え、測定部1gは温度センサ19aを備えている。温度センサ19aは、ATRプリズム16の+Y方向側の面に固定されている。
また、図26は、第5変形例に係る血糖値測定装置100hの構成の一例を説明する図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。図26に示すように、血糖値測定装置100hは、測定部1hを備え、測定部1hは温度センサ19bを備えている。温度センサ19bは、ATRプリズム16の-X方向側の端部付近で、ATRプリズム16の-Z方向側の面に固定されている。
また、図27は、第6変形例に係る血糖値測定装置100iの構成の一例を説明する図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。図27に示すように、血糖値測定装置100iは、測定部1iを備え、測定部1iは温度センサ19cを備えている。温度センサ19cは、被検物の温度を非接触で検出可能な放射温度計等の温度センサである。
このように、温度センサの配置は各種変形が可能であり、また非接触式の温度センサを適用することも可能である。
以上、実施形態について説明してきたが、本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
上述した実施形態では、面状発熱素子18を温度調節部材の一例として説明したが、ATRプリズム16の上面16aの温度を「所定温度」に維持できるものであれば、温度調節部材は面状発熱素子18に限定されるものではない。セラミックヒータやハロゲンヒータ等の他の発熱素子であってもよい。ATRプリズム16の近傍に配置できるように小型の発熱素子であると好適である。
また外気温が高くATRプリズム16の温度が唇の温度より高い場合には、発熱素子に代えて冷却素子を温度調節部材として設けてもよい。この冷却素子にはペルチェ素子等が挙げられる。また発熱素子と冷却素子を組み合わせて温度調節を行ってもよいし、ペルチェ素子の発熱機能と冷却機能の両方を利用して温度調節を行うこともできる。
また、実施形態では、血糖値を測定する例を示したが、これに限定されるものではなく、ATR法に基づいて測定できれば、他の生体情報の測定や、生体情報以外の測定においても実施形態を適用できる。またATRプリズム16に唇を接触させる例を示したが、唇以外の部位をATRプリズム16に接触させて測定を行ってもよい。
生体の場合には、面状発熱素子18等の温度調節部材によって維持する接触領域の「所定温度」を生体の体温や33~35度の温度にしたが、生体以外の被測定物の場合には、「所定温度」を被測定物の表面近傍の温度に設定することができる。
また実施形態では、吸光度取得部21、血糖値取得部22、温度制御部23等の機能を1つの処理部2が実現する例を示したが、これに限定されるものではない。これらの機能を別々の処理部により実現してもよいし、吸光度取得部21及び血糖値取得部22の機能を複数の処理部に分散させて実現してもよい。また、処理部の機能や、データ収録部216等の記憶装置の機能をクラウドサーバ等の外部装置が実現する構成にすることも可能である。
また、光源で射出された後や中空光ファイバから出射された後に、プローブ光の一部を分岐させるビームスプリッタ等の光学素子と、分岐された一部のプローブ光強度を検出する検出素子とを設け、プローブ光強度の変動を抑制するように、光源の駆動電圧又は駆動電流をフィードバック制御する構成にしてもよい。これにより、光源の出力変動を抑え、より正確な生体情報の測定が可能になる。
また、血糖値測定装置が1つの光源を備え、1つの光源から1つの波長のプローブ光を射出させて測定する場合にも実施形態を適用可能である。
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
1、1a 測定部
100、100a 血糖値測定装置(生体情報測定装置の一例)
101 吸光度測定装置
110 QCL(光源の一例)
111 第1光源(光源の一例)
112 第2光源(光源の一例)
113 第3光源(光源の一例)
121 第1シャッタ
122 第2シャッタ
123 第3シャッタ
131 第1ハーフミラー
132 第2ハーフミラー
14 カップリングレンズ
151 第1中空光ファイバ
152 第2中空光ファイバ
153 導光支持部材
154 出射支持部材
16 ATRプリズム
16a 上面
161 入射面
162 第1全反射面
163 第2全反射面
164 出射面
165 接触領域
166 接触長さ
167 接触中心
17 光検出器(光強度検出部の一例)
176 光源支持台
177 光検出器支持台
18 面状発熱素子(温度調節部材の一例)
181 発熱長さ
182 発熱中心
183 接触防止部材
19 温度センサ(温度検出部の一例)
2 処理部
21 吸光度取得部
211 光源駆動部
212 光源制御部
213 シャッタ駆動部
214 シャッタ制御部
215 データ取得部
216 データ収録部
217 吸光度出力部
22 血糖値取得部
221 生体情報出力部(出力部の一例)
23 温度制御部
31 第1支持部
311 箱状部材
312 背板
32 第2支持部
32a 伝熱部
S 生体(被測定物の一例)
P プローブ光
(t) グラフ(接触領域の温度を35度にする場合)
(t) グラフ(接触領域の温度を34度にする場合)
(t) グラフ(接触領域の温度を33度にする場合)
特許5376439号公報 特許4772408号公報

Claims (11)

  1. 生体を被測定物とする測定装置であって、
    入射されるプローブ光を前記生体に接触した状態で全反射させる全反射部材と、
    前記全反射部材における前記生体との接触領域の温度を所定温度に上昇させて維持する温度調節部材と、を備え、
    温度調節部材は、前記生体と前記接触領域が接触される際の前記生体と前記接触領域との温度差を、温度調整されない状態の前記温度差よりも小さくするよう温度調節し、
    前記温度調節部材及び前記接触領域は長手方向に長く、前記プローブ光は前記長手方向の一側から前記全反射部材に入射し、
    前記温度調節部材の前記長手方向における長さは、前記接触領域の前記長手方向の長さに合致する
    測定装置。
  2. 前記プローブ光を射出する光源と、
    前記全反射部材から出射される前記プローブ光の光強度を検出する光強度検出部と、
    前記光強度に基づき取得される測定値を出力する出力部と、を備える
    請求項1に記載の測定装置。
  3. 前記温度調節部材は、前記全反射部材の温度を調節することで、前記接触領域を前記所定温度に維持する
    請求項1、又は2に記載の測定装置。
  4. 前記温度調節部材の前記長手方向における中間位置と、前記接触領域の前記長手方向における中間位置は、所定の位置関係で配置されている
    請求項1乃至の何れか1項に記載の測定装置。
  5. 前記所定温度は、前記被測定物の表面近傍の温度である
    請求項1乃至の何れか1項に記載の測定装置。
  6. 前記所定温度は、前記被測定物としての前記生体の体温である
    請求項1乃至の何れか1項に記載の測定装置。
  7. 前記所定温度は、33度以上で35度以下である
    請求項1乃至の何れか1項に記載の測定装置。
  8. 前記全反射部材の温度を検出する温度検出部と、
    前記温度検出部による検出値に基づき、前記温度調節部材を制御する温度制御部と、を備える
    請求項1乃至の何れか1項に記載の測定装置。
  9. 前記温度検出部と、前記全反射部材と、を保持する保持部材を備える
    請求項に記載の測定装置。
  10. 前記温度調節部材と前記被測定物との接触を防止するための接触防止部材を備える
    請求項1乃至の何れか1項に記載の測定装置。
  11. 生体を被測定物とする測定方法であって、
    温度調節部材により、全反射部材の接触領域の温度を所定温度に上昇させて維持し、生体と前記接触領域との温度差を、温度調整されない状態の前記温度差よりも小さくするよう温度調節するステップと、
    温度調節された前記接触領域に前記生体を接触させるステップと、
    前記接触領域に前記生体を接触させた状態でプローブ光を入射するステップと、を備え
    前記温度調節部材及び前記接触領域は長手方向に長く、前記プローブ光は前記長手方向の一側から前記全反射部材に入射し、
    前記温度調節部材の前記長手方向における長さは、前記接触領域の前記長手方向の長さに合致する
    測定方法。
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