JP7466817B1 - 分析装置 - Google Patents

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JP7466817B1
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祐樹 津田
周作 林
敬太 宮川
浩一 秋山
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Abstract

本開示の分析装置(100A,100B,100C)は、光学媒質(30)と、第1光源(10)と、第2光源(20)と、第1光路調整機構(11)と、検出器(40)とを備える。光学媒質は、測定対象物が接触する接触面(30a)を有する。第1光源は、プローブ光(L1)を発生させる。第2光源は、励起光(L2)を発生させる。プローブ光は、光学媒質に入射され、接触面の反射位置(P)で反射され、かつ光学媒質から出射される。励起光は、光学媒質に入射され、かつ接触面の照射領域(R)に照射される。反射位置は、照射領域と重なる。第1光路調整機構は、反射位置を照射領域の範囲内で変化させるように、光学媒質に入射される前のプローブ光の光路を調整する。検出器は、光学媒質から出射されるプローブ光を検出する。

Description

本開示は、分析装置に関する。
特表2017-519214号公報(特許文献1)には、測定装置が記載されている。特許文献1に記載の測定装置では、励起光及びプローブ光を用いて、測定対象物に対して非侵襲方式の測定を行う。
特表2017-519214号公報
測定物の表面には、凹凸がある。特許文献1に記載の測定装置では、測定対象物の表面にある凹凸に起因して、測定の安定性に欠ける。本開示は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。より具体的には、本開示は、表面に凹凸がある測定対象物に対して安定した測定が可能な分析装置を提供するものである。
本開示の分析装置は、光学媒質と、第1光源と、第2光源と、第1光路調整機構と、検出器とを備える。光学媒質は、測定対象物が接触する接触面を有する。第1光源は、プローブ光を発生させる。第2光源は、励起光を発生させる。プローブ光は、光学媒質に入射され、接触面の反射位置で反射され、かつ光学媒質から出射される。励起光は、光学媒質に入射され、かつ接触面の照射領域に照射される。反射位置は、照射領域と重なる。第1光路調整機構は、反射位置を照射領域の範囲内で変化させるように、光学媒質に入射される前のプローブ光の光路を調整する。検出器は、光学媒質から出射されるプローブ光を検出する。
本開示の分析装置によると、表面に凹凸がある測定対象物に対して安定した測定が可能である。
分析装置100Aの模式図である。 上面30a側から見た光学媒質30の平面図である。 分析装置100Aの動作を示す工程図である。 分析装置100Aの効果を説明する第1模式図である。 分析装置100Aの効果を説明する第2模式図である。 分析装置100Bの模式図である。 分析装置100Cの模式図である。
実施の形態1.
実施の形態1に係る分析装置を説明する。実施の形態1に係る分析装置を、分析装置100Aとする。
(分析装置100Aの構成)
以下に、分析装置100Aの構成を説明する。
図1は、分析装置100Aの模式図である。図1に示されているように、分析装置100Aは、光源10と、光路調整機構11と、光源20と、光学チョッパ21と、光路調整機構22と、光学媒質30と、検出器40と、ロックインアンプ50と、演算部60とを有している。
光源10は、プローブ光L1を発生させる。プローブ光L1は、例えば、レーザ光である。プローブ光L1の波長は、光学媒質30を透過可能な波長である。好ましくは、プローブ光L1は、可視光又は近赤外光である。ここで、可視光とは、波長が380nm以上770nm以上の範囲内にある光である。近赤外光とは、波長が780nm以上2500nm以下の範囲内にある光である。
プローブ光L1は、光路調整機構11を経由して、光学媒質30に入射する。光路調整機構11は、光学媒質30に入射される前のプローブ光L1の光路を調整する。光路調整機構11は、光学媒質30への入射角度を一定に保ったまま、プローブ光L1の光路を調整可能であることが好ましい。光路調整機構11は、例えば、一対のミラー11a及びミラー11bで構成されている。ミラー11a及びミラー11bは、例えば、手動又は自動で位置や角度の調整が可能である。
光路調整機構11は、ミラー11a及びミラー11bで構成される場合に限られるものではない。例えば、光路調整機構11は、ミラーを用いることなく光源10の出射部に可動部を設け、当該可動部を動かすことでプローブ光L1の角度や位置を調整してもよい。
光源20は、励起光L2を発生させる。励起光L2は、例えば、レーザ光である。励起光L2の波長は、光学媒質30を透過可能であり、かつ測定対象物O中の測定対象成分の指紋スペクトルに対応する波長である。励起光L2は、波長が互いに異なる複数の光が含まれていてもよい。複数の光の波長のうちの一部は、測定対象成分の指紋スペクトルに対応している。複数の光の波長のうちの残部は、測定対象成分で吸収されない波長になっている。測定対象成分で吸収されない波長の光は、参照波長として使用される。励起光L2に含まれている波長の数は、4以上であってもよい。
励起光L2は、例えば、赤外光である。ここで、赤外光とは、波長が780nm以上1mm以下の範囲内にある光である。励起光L2の波長は、例えば、8μm以上10μm以下の範囲内にある。光源20は、例えば、量子カスケードレーザである。なお、量子カスケードレーザは、広帯域のレーザ光を発生させることが可能である。
励起光L2は、光学チョッパ21及び光路調整機構22を経由して、光学媒質30に入射される。励起光L2は、光路調整機構22を通る前に、光学チョッパ21を通る。光路調整機構22は、光学チョッパ21を通過した後であって光学媒質30に入射される前の励起光L2の光路を調整する。
光学チョッパ21は、励起光L2を特定の周波数成分で強度変調する。光学チョッパ21は、ブレードを有している。光学チョッパ21は、ブレードの回転で周期的に励起光L2を遮断することにより、励起光L2を強度変調する。光学チョッパ21による変調周波数は、例えば5Hz以上100Hz以下である。
光路調整機構22は、光学媒質30に入射される前の励起光L2の光路を調整する。光路調整機構22は、光学媒質30への入射角度を一定に保ったまま、励起光L2の光路を調整可能であることが好ましい。光路調整機構22は、例えば、一対のミラー22a及びミラー22bで構成されている。ミラー22a及びミラー22bは、例えば、手動又は自動で位置や角度の調整が可能である。光路調整機構22は、ミラー22a及びミラー22bで構成される場合に限られるものではない。例えば、光路調整機構22は、ミラーを用いることなく光源20の出射部に可動部を設け、当該可動部を動かすことで励起光L2の角度や位置を調整してもよい。
光学媒質30は、上面30aと、底面30bと、側面30c及び側面30dとを有している。上面30aは、測定対象物O(図1中において点線で示されている)が接触する接触面である。つまり、測定対象物Oは光学媒質30上に配置され、光学媒質30は測定台として機能する。測定対象物Oは、例えば、指、手首等の被験者の身体の一部である。底面30bは、上面30aの反対面である。側面30cは、上端において上面30aに連なっており、下端において底面30bに連なっている。側面30dは、側面30cの反対面である。側面30dは、上端において上面30aに連なっており、下端において底面30bに連なっている。
光学媒質30の構成材料は、プローブ光L1及び励起光L2に対する透過率が高い材料である。光学媒質30の構成材料の具体例としては、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、ゲルマニウム(Ge)、シリコン(Si)、カルコゲナイドガラス等が挙げられる。これらの材料は、赤外線に対する透過率が高い。光学媒質30の構成材料は、温度により屈折率が変化する。
プローブ光L1は、側面30cから光学媒質30に入射される。プローブ光L1は、光学媒質30に入射される際、側面30cにおいて屈折される。光学媒質30に入射されたプローブ光L1は、上面30a(測定対象物Oとの接触面)において、反射(全反射)される。プローブ光L1が反射される上面30aの位置を反射位置Pとする(図2参照)。上面30aにおいて反射されたプローブ光L1は、側面30dから出射される。プローブ光L1は、光学媒質30から出射される際、側面30dにおいて屈折される。なお、プローブ光L1の光学媒質30内での光路は、後述する屈折率変化領域30eを通ればよく、光学媒質30内で2回以上全反射されてもよく、上面30a近傍を上面30aと平行に近い角度で通過してもよい。
励起光L2は、底面30bから光学媒質30に入射される。励起光L2は、光学媒質30を通過して上面30aから出射され、測定対象物Oに達する。励起光L2が照射される上面30aの領域を、照射領域Rとする(図2参照)。励起光L2が照射されることで、照射領域Rの近傍において光学媒質30の温度が上昇する。上記のとおり、光学媒質30の構成材料の屈折率は温度により変化するため、励起光L2が上面30aに照射されている際、照射領域Rの近傍には、屈折率変化領域30eが形成されることになる。
図2は、上面30a側から見た光学媒質30の平面図である。図2に示されているように、反射位置Pは、平面視において、照射領域Rと重なっている。すなわち、反射位置Pは、照射領域R内にある。照射領域Rの幅、すなわち上面30aに照射される励起光L2のビーム径は、屈折率変化領域30eにおける屈折率を高める観点から、例えば100μm以下である。反射位置Pにおけるプローブ光L1のビーム径は、上面30aに照射される励起光L2のビーム径(照射領域Rの幅)よりも小さくなっている。反射位置Pにおけるプローブ光L1のビーム径は、例えば、50μm以下である。
反射位置Pは、光路調整機構11がプローブ光L1の光路を変化させることにより、調整される。照射領域Rの位置は、光路調整機構22が励起光L2の光路を変化させることにより、調整される。但し、反射位置P及び照射領域Rの位置の調整は、反射位置Pが照射領域R内にある状態を維持して行われる。
検出器40は、光学媒質30から出射されるプローブ光L1を検知する。より具体的には、検出器40は、検出器40に照射されるプローブ光L1の位置を検知する。図1に示されているように、プローブ光L1は、上面30aに励起光L2が照射されていない場合に、図1中の点線矢印で示される光路上を進む。上記のとおり、上面30aに励起光L2が照射されている場合には屈折率変化領域30eが形成されるため、屈折率変化領域30eにおける屈折率の変化の勾配により、プローブ光L1の光路は、図中の実線矢印で示されているように変化される。検出器40は、このような光路の変化に起因する検出器40上におけるプローブ光L1の照射位置の変化を検知する。また、検出器40は、検出器40上におけるプローブ光L1の照射位置に対応する信号を出力する。検出器40は、例えば、4分割フォトダイオードで構成されている。
ロックインアンプ50は、検出器40から出力された信号を読み取る。ロックインアンプ50は、光学チョッパ21に接続されており、光学チョッパ21のブレードの回転に同期して検出器40から出力された信号を読み取る。そのため、ロックインアンプ50は、励起光L2の変調周波数成分と同期している検出器40から出力された信号を読み取ることになる。演算部60は、ロックインアンプ50が読み取った信号を取得し、当該信号に対する演算を行う。
光学チョッパ21で励起光L2を周波数がfとなるように変調すると、測定信号は、変調された励起光L2と周波数及び位相が等しく、変調された励起光L2と振幅が異なる信号となる。そのため、励起光L2と測定信号とを乗算すると、2fの周波数成分と直流成分とから構成される信号となる。そのため、ローパスフィルタで上記の直流成分のみを計測対象とすれば、ノイズ成分を除去して高精度の測定が可能である。
(分析装置100Aの動作)
以下に、分析装置100Aの動作を説明する。
図3は、分析装置100Aの動作を示す工程図である。図3に示されているように、分析装置100Aの動作は、静置工程S1と、位置調整工程S2と、測定工程S3とを有している。静置工程S1では、光学媒質30(上面30a)上に、測定対象物Oが静置される。静置工程S1の後には、位置調整工程S2が行われる。
位置調整工程S2では、第1に、光源10及び光源20がそれぞれプローブ光L1及び励起光L2を発生させる。この際、光学チョッパ21も動作されることにより、励起光L2が強度変調される。すなわち、この際、励起光L2が測定対象物Oに照射されている状態と励起光L2が測定対象物に照射されていない状態とが繰り返されることになる。励起光L2が測定対象物Oに照射されていない状態を第1状態とし、励起光L2が測定対象物Oに照射されていない状態を第2状態とする。光学チョッパ21により励起光L2が強度変調されているため、第1状態及び第2状態は、周期的に繰り返される。
励起光L2が光学媒質30を通って測定対象物Oに照射されると、測定対象物Oの内部で吸収される。その結果、測定対象物Oには、吸収熱が発生する。上記の吸収熱は、光学媒質30に伝搬される。上記の吸収熱が光学媒質30に伝搬されると、屈折率変化領域30eが形成される。上記の吸収熱の伝搬により光学媒質30には温度勾配が生じるため、屈折率変化領域30eでは、屈折率の勾配がある。そのため、第2状態では、プローブ光L1が、光学媒質30に入射される際及び光学媒質30から出射される際に加えて、屈折率変化領域30eを通過する際にも屈折されることになる。
他方で、第1状態では、励起光L2が測定対象物Oに照射されないため、光学媒質30に屈折率変化領域30eが形成されない。そのため、第1状態では、プローブ光L1が、光学媒質30に入射される際及び光学媒質30から出射される際のみに屈折されることになる。その結果、プローブ光L1が照射される検出器40上の位置は、第1状態と第2状態とで変化することになる。第1状態においてプローブ光L1が照射される検出器40上の位置を第1位置とし、第2状態においてプローブ光L1が照射される検出器40上の位置を第2位置とする。検出器40は第1位置と第2位置との差に基づく信号を出力し、当該信号はロックインアンプ50で読み取られて演算部60で処理される。
位置調整工程S2では、第2に、励起光L2の光路を固定した上で、光路調整機構11がプローブ光L1の光路を調整する。この調整は、第1位置と第2位置との差が最大になるように行われる。位置調整工程S2では、第3に、プローブ光L1の光路を固定した上で、光路調整機構22が励起光L2の光路を調整する。この調整は、第1位置と第2位置との差が最大となるように行われる。上記のようなプローブ光L1の光路の調整及び励起光L2の光路の調整は、複数回繰り返されてもよい。プローブ光L1の光路の調整及び励起光L2の光路の調整は、照射領域Rと測定対象物Oの表面との接触面積が最大となるように行われてもよい。位置調整工程S2の後には、測定工程S3が行われる。
測定工程S3では、光源20が、励起光L2として、測定対象物O中の測定対象成分の指紋スペクトルに対応した波長の光を発生させる。このような励起光L2が照射されている状態で、ロックインアンプ50は第1位置と第2位置との差に基づく信号を読み取り、演算部60は当該信号に基づく演算を行う。測定対象成分が血液中の糖であるとすると、励起光L2は、測定対象物Oの表面付近にある間質液中の糖に吸収される。間質液中の成分は血液中の成分と連動して変化するため、間質液中の糖の割合と血液中の糖の割合(すなわち、血糖値)との間には相関がある。そして、間質液中の糖の割合により励起光L2の糖への吸収、すなわち測定対象物Oにおける発熱量が変化し、それに伴って第1位置と第2位置との差も変化する。そのため、励起光L2が照射されている状態で第1位置と第2位置との差に基づく信号の演算が行われることにより、間質液中の糖の割合、ひいては血糖値の測定が可能となる。
なお、測定対象成分は、血糖値に限られない。測定対象成分は、間質液中に含まれているタンパク質、アミノ酸、糖類、脂肪酸、ホルモン、神経伝達物質等であってもよい。すなわち、分析装置100Aは、各種の生体情報の測定に適用可能である。測定対象成分による吸収の周波数をfとし、測定対象物Oの熱拡散係数をαとすると、測定対象物Oにおいて発生した熱の熱拡散長は、(α/π・f)1/2で表される。そのため、光学チョッパ21の変調周波数が5Hz以上100Hz以下に設定されれば、測定対象物Oの表面から数十μmの深さにある間質液の測定が可能である。
(分析装置100Aの効果)
以下に、分析装置100Aの効果を説明する。
図4Aは、分析装置100Aの効果を説明する第1模式図である。図4Bは、分析装置100Aの効果を説明する第2模式図である。図4A及び図4Bに示されているように、測定対象物Oの表面には、凹凸が存在している。測定対象物Oの表面に存在している凹凸は、測定対象物Oが人体の皮膚である場合、例えば指紋、汗腺等である。上記の凹凸の深さ、幅及び周期は、数十μmから数百μm程度である。指紋の例では、上記の凹凸の深さが20μmから50μm程度であり、上記の凹凸の周期や幅が300μmから500μm程度である。測定対象物Oには、ある程度の弾力性がある。そのため、測定対象物Oの表面は、凸部において光学媒質30(上面30a)に密着する。他方で、測定対象物Oの表面は、凹部において光学媒質30に密着しない。すなわち、測定対象物Oの表面は、光学媒質30との間に空気が存在することになる。
測定対象物Oの表面と光学媒質30との間に空気が存在すると、励起光L2が光学媒質30と空気との界面及び空気と測定対象物Oの表面の双方において反射されやすくなるため、励起光L2の測定対象物Oへの入射効率が低下する。すなわち、励起光L2の照射に起因して測定対象物Oに発生する熱量が低下する。また、空気の熱伝導率は低く、測定対象物Oの表面にある凹部の深さは数十μm以上であるため、励起光L2の照射に起因して測定対象物Oに発生する熱は、測定対象物Oの表面の凹部から光学媒質30に伝達されがたい。その結果、光学媒質30と測定対象物Oの表面との間に空気が存在する場合、屈折率変化領域30eにおける屈折率の勾配が小さくなる。
照射領域Rと対向している測定対象物Oの表面に凹部が存在していると、屈折率変化領域30eが形成されがたくなり、第2状態においてプローブ光L1が屈折率変化領域30eで十分に屈折せず、第2位置と第1位置との差が小さくなる。上記のとおり、照射領域Rの幅は数百μm程度と小さいため、測定対象物O中の測定対象成分の組成が同一でも、光学媒質30上における測定対象物Oの位置が少しずれるだけで、照射領域Rと対向している測定対象物Oの表面における凹部の存在状態が変わり、測定結果が著しく変化してしまうことになる。より具体的には、照射領域Rと対向している測定対象物Oの表面の位置が少しずれるだけで、信号の値が1桁以上減少することがある。また、被験者は、このような数十μmから数百μm程度の位置ずれを意図的に制御することが困難である。
この点、分析装置100Aでは、測定対象物O中の測定対象成分の測定に先立って、第1位置と第2位置との差が最大となるように、照射領域Rの位置及び反射位置Pの調整が行われる。励起光L2の照射に伴う励起光L2の強度あたりの測定対象物Oにおける発熱は一定である。そのため、照射領域Rと測定対象物Oの表面との間の接触面積が大きくなるほど、屈折率変化領域30eにおいてプローブ光L1が屈折されやすくなり、第2位置と第1位置との差が大きくなる。すなわち、第1位置と第2位置との差が大きくなることは、照射領域Rと測定対象物Oの表面との間の接触面積が大きくなっていることを意味する。このように、分析装置100Aによると、照射領域Rと測定対象物Oの表面との接触状態が良好になるような位置において測定が行われていることになり、表面に凹凸のある測定対象物Oに対して安定した測定が可能である。
実施の形態2.
実施の形態2に係る分析装置を説明する。実施の形態2に係る分析装置を、分析装置100Bとする。ここでは、分析装置100Aと異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
(分析装置100Bの構成)
以下に、分析装置100Bの構成を説明する。
図5は、分析装置100Bの模式図である。図5に示されているように、分析装置100Bは、光源10と、光路調整機構11と、光源20と、光学チョッパ21と、光路調整機構22と、光学媒質30と、検出器40と、ロックインアンプ50と、演算部60とを有している。この点に関して、分析装置100Bの構成は、分析装置100Aの構成と共通している。
分析装置100Bは、ビーム径調整機構23をさらに有している。ビーム径調整機構23は、例えば、光路調整機構22と光学媒質30との間に配置されている。ビーム径調整機構23は、レンズを有しており、当該レンズの位置を励起光L2の光路上において変化させることにより照射領域Rの大きさを変化させる。
ビーム径調整機構23は、位置調整工程S2が行われている際、照射領域R(上面30aにおける励起光L2のビーム径)を第1範囲とする。ビーム径調整機構23は、測定工程S3が行われている際、照射領域Rを第2範囲とする。第2範囲は、第2範囲よりも小さい。第1範囲の幅及び第2範囲の幅は、例えば、それぞれ500μm及び100μmである。これらの点に関して、分析装置100Bの構成は、分析装置100Aの構成と異なっている。
(分析装置100Bの効果)
以下に、分析装置100Bの効果を説明する。
位置調整工程S2では、照射領域Rの範囲内で最適な反射位置Pの位置となるように調整を行うため、照射領域Rが大きいほど、反射位置Pの調整を行いやすい。他方で、照射領域Rが小さいほど、すなわち、照射領域Rにおいて励起光L2が集光されているほど、屈折率変化領域30eの温度勾配、ひいては屈折率の勾配が大きくなり、励起光L2の屈折が大きくなって第2位置と第1位置との差が大きくなる。そのため、ビーム径調整機構23が第1範囲よりも第2範囲が小さくなるように照射領域Rを調整することにより、測定位置の調整を容易にしつつ、測定精度を高めることが可能となる。
実施の形態3.
実施の形態3に係る分析装置を説明する。実施の形態3に係る分析装置を、分析装置100Cとする。ここでは、分析装置100Aと異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
(分析装置100Cの構成)
以下に、分析装置100Cの構成を説明する。
図6は、分析装置100Cの模式図である。図6に示されているように、分析装置100Cは、光源10と、光路調整機構11と、光源20と、光学チョッパ21と、光路調整機構22と、光学媒質30と、検出器40と、ロックインアンプ50と、演算部60とを有している。この点に関して、分析装置100Cの構成は、分析装置100Aの構成と共通している。
分析装置100Cは、観察機構70をさらに有している。観察機構70は、測定対象物Oの表面と光学媒質30との界面を観察可能である。観察機構70の具体例としては、例えば、プローブ光L1及び励起光L2の少なくとも一方に対して感度を有するカメラである。これらの点に関して、分析装置100Cの構成は、分析装置100Aの構成と異なっている。
(分析装置100Cの効果)
以下に、分析装置100Cの効果を説明する。
分析装置100Cでは、位置調整工程S2において光学媒質30と測定対象物Oの表面との接触状態を観察機構70により観察することができるため、測定箇所における接触面積を見積もること、すなわち測定箇所における接触状態を確認しながら位置調整工程S2を行うことが可能である。観察機構70がプローブ光L1及び励起光L2の少なくとも一方に感度を有する場合、測定位置を容易に判別可能となる。
(付記)
本開示の諸態様を、付記としてまとめて記載する。
<付記1>
光学媒質と、
第1光源と、
第2光源と、
第1光路調整機構と、
検出器とを備え、
前記光学媒質は、測定対象物が接触する接触面を有し、
前記第1光源は、プローブ光を発生させ、
前記第2光源は、励起光を発生させ、
前記プローブ光は、前記光学媒質に入射され、前記接触面の反射位置で反射され、かつ前記光学媒質から出射され、
前記励起光は、前記光学媒質に入射され、かつ前記接触面の照射領域に照射され、
前記反射位置は、前記照射領域と重なり、
前記第1光路調整機構は、前記反射位置を前記照射領域の範囲内で変化させるように、前記光学媒質に入射される前の前記プローブ光の光路を調整し、
前記検出器は、前記光学媒質から出射される前記プローブ光を検出する、分析装置。
<付記2>
第2光路調整機構をさらに備え、
前記第2光路調整機構は前記照射領域の位置を変化させる、付記1に記載の分析装置。
<付記3>
前記第1光路調整機構及び前記第2光路調整機構は、前記励起光が照射されている状態で、前記反射位置及び前記照射領域の位置をそれぞれ変化させる、付記2に記載の分析装置。
<付記4>
前記第1光路調整機構は、前記励起光が前記照射領域に照射されている状態で、前記検出器において検出される前記プローブ光の強度が最大となるように、前記反射位置を変化させる、付記2又は付記3に記載の分析装置。
<付記5>
ビーム径調整機構をさらに備え、
前記ビーム径調整機構は、前記第1光路調整機構及び前記第2光路調整機構がそれぞれ前記反射位置及び前記照射領域の位置を変化させている際に前記照射領域の範囲を第1範囲とし、かつ前記測定対象物に対する測定が行われている際に前記照射領域の範囲を前記第1範囲よりも小さい第2範囲とする、付記3に記載の分析装置。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。この出願の範囲は上記の説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
10 光源、11 光路調整機構、11a,11b ミラー、20 光源、21 光学チョッパ、22 光路調整機構、22a,22b ミラー、23 ビーム径調整機構、30 光学媒質、30a 上面、30b 底面、30c,30d 側面、30e 屈折率変化領域、40 検出器、50 ロックインアンプ、60 演算部、70 観察機構、100A,100B,100C 分析装置、L1 プローブ光、L2 励起光、O 測定対象物、P 反射位置、R 照射領域、S1 静置工程、S2 位置調整工程、S3 測定工程。

Claims (5)

  1. 光学媒質と、
    第1光源と、
    第2光源と、
    第1光路調整機構と、
    検出器とを備え、
    前記光学媒質は、測定対象物が接触する接触面を有し、
    前記第1光源は、プローブ光を発生させ、
    前記第2光源は、励起光を発生させ、
    前記プローブ光は、前記光学媒質に入射され、前記接触面の反射位置で反射され、かつ前記光学媒質から出射され、
    前記励起光は、前記光学媒質に入射され、かつ前記接触面の照射領域に照射され、
    前記反射位置は、前記照射領域と重なり、
    前記第1光路調整機構は、前記反射位置を前記照射領域の範囲内で変化させるように、前記光学媒質に入射される前の前記プローブ光の光路を調整し、
    前記検出器は、前記光学媒質から出射される前記プローブ光を検出する、分析装置。
  2. 第2光路調整機構をさらに備え、
    前記第2光路調整機構は、前記照射領域の位置を変化させる、請求項1に記載の分析装置。
  3. 前記第1光路調整機構及び前記第2光路調整機構は、前記励起光が照射されている状態で、前記反射位置及び前記照射領域の位置をそれぞれ変化させる、請求項2に記載の分析装置。
  4. 前記第1光路調整機構は、前記励起光が前記照射領域に照射されている状態で、前記検出器において検出される前記プローブ光の強度が最大となるように、前記反射位置を変化させる、請求項2又は請求項3に記載の分析装置。
  5. ビーム径調整機構をさらに備え、
    前記ビーム径調整機構は、前記第1光路調整機構及び前記第2光路調整機構がそれぞれ前記反射位置及び前記照射領域の位置を変化させている際に前記照射領域の範囲を第1範囲とし、かつ前記測定対象物に対する測定が行われている際に前記照射領域の範囲を前記第1範囲よりも小さい第2範囲とする、請求項3に記載の分析装置。
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