JP2005188999A - 特定成分の濃度測定装置、特定成分の濃度測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 試料間に個体差が存在する場合でも、安定かつ容易に、試料中に含まれる特定成分の濃度情報を計測できる測定装置を提供すること。
【解決手段】 光源1と、光源1から照射された光を試料6に照射し、試料6から帰還した光を受光し、受光した光を出射するATR素子2と、光源1とATR素子2の間に設置され、光源1からATR素子2に入射する光の入射角度を調節する入射角度制御部7と、ATR素子2から出射した光を検出する光検出部4と、光検出部4において検出した光から試料6の複素屈折率を算出する屈折率算出部と、算出された複素屈折率から、試料6中での深さと電場強度の関係を示す電場分布を算出する電場分布算出部と、基準試料の電場分布が格納されている記憶部と、を備え、前記入射角度制御部7は、算出された電場分布が基準試料の電場分布と一致するように、入射角度を調節する、特定成分の濃度測定装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、生体の血糖値、水分、コレステロール等、試料中の特定成分の濃度情報を試料からの帰還光を測定することにより、光学的に測定するための特定成分の濃度測定装置、特定成分の濃度測定方法に関する。
従来から光学測定装置を用いて、試料、とりわけ生体や溶液中の特定成分を測定する方法が種々提案されている。
例えば、平行に向かい合った一対の反射面を備えた透明な減衰全反射(以下、ATRと略称する)素子に上下の口唇を密着させて血糖値を測定する方法が提案されている。この方法によると、ATR素子であるセレン化亜鉛、シリコン、ゲルマニウム等からなるATRプリズムを口にくわえて、口唇によりATR素子を押さえつけた状態でATR素子に光を入射させ、ATR素子の反射面と口唇の境界で全反射を繰り返してATR素子の外部に出射した光を分析する(例えば、特許文献1参照)。
また、ZnSe光学結晶等からなるATR素子を口唇の粘膜に密着させた後、このATR素子に波長9〜11マイクロメートルのレーザ光を入射させ、ATR素子の内部で多重反射させ、その減衰全反射光、散乱反射光等を分析することにより血糖値や血中エタノール濃度を測定する方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
これらの方法によると、リアルタイムに、かつ、非侵襲的に、グルコース濃度、コレステロール濃度等の特定成分の濃度を測定することができる。これらの方法は、エバネッセント光(いわゆるしみだし光)を定量分析に応用したものである。ATR素子中を進行する光は、ATR素子の反射面と口唇の境界で全反射を繰り返す際にわずかに口唇中に進入し、そこに存在する体液中の成分の影響を受ける。例えば、グルコースには、光の波数が1033、1080cm−1付近において、光の吸収ピークが存在するため、この波数の光を生体に照射した場合、生体中のグルコース濃度に応じて光の吸収量が異なってくる。従って、この生体からの帰還光を測定することにより、体液の各種成分の濃度情報が得られる。ここで濃度情報とは、濃度の絶対値、濃度の時間的変化等を意味する。
特開平9−113439号公報 福島英生、他5名,「血糖値の非侵襲的計測法−光学的ブドウ糖センサの開発−」、BME、社団法人日本エムイー学会、1991年、第5巻、第8号、p.16−21
しかしながら、上記のような従来の光学測定装置においては、光学素子を用いて試料の濃度情報を測定する場合に、試料間の個体差により試料に到達する光の量、および、光の電場分布が試料の深さ方向へ変化することによって、試料中での光路長が変化してしまうため、光の吸収量や、深さ方向の測定位置が変化し、その結果、検出される信号量が大きく変化してしまうため、測定結果にばらつきが生じるといった問題点を有していた。ここでいう試料間の個体差とは、それぞれの試料において、試料の構造、組成等が異なっていることによって試料の複素屈折率が異なっているということを意味している。
一般に、エバネッセント光の測定対象に進入する深さは波長オーダである。このエバネッセント光の進入深さは、エバネッセント光の電場分布を計算することにより、算出できる。このエバネッセント光は、生体の表面から波長オーダの距離の表層組織を透過した後、帰還する。また、エバネッセント光の進入する深さは、試料の複素屈折率と入射角により決定される。試料の複素屈折率は、個体により異なり、複素屈折率が異なることにより、試料中に進入するエバネッセント場の進入深さやエバネッセント場の電場分布が変化する。従って、同じ濃度情報をもつ試料でも、複素屈折率が異なることによりエバネッセント場の進入深さが異なることによって、試料中の光の光路長が異なり、試料の光の吸収量が変化してしまい、定量時の誤差となる。そのため、入射角を変化させることによって試料の個体差によって生じる複素屈折率の変化によるエバネッセント光の進入する深さを最適化することが必要である。ここで複素屈折率とは、実部が屈折率、虚部が消衰係数と呼ばれる物性値であり、特に消衰係数は試料の吸収を意味している。
本発明は、上記の問題点に鑑み、試料間に個体差が存在する場合でも安定かつ容易に、試料中に含まれる特定成分の濃度情報を測定することができる測定装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第1の本発明は、光源と、
前記光源から照射された光を試料に照射し、前記試料から帰還した光を受光し、前記受光した光を出射する光学素子と、
前記光源と前記光学素子の間に設置され、前記光源から前記光学素子に入射する光の入射角度を調節する入射角度制御部と、
前記光学素子から出射した光を検出する光検出部と、
前記検出部において検出した光から前記試料の複素屈折率を算出する屈折率算出部と、
前記算出された複素屈折率から、前記試料中での深さと電場強度の関係を示す電場分布を算出する電場分布算出部と、
基準試料の電場分布が格納されている記憶部と、を備え、
前記入射角度制御部は、前記算出された電場分布が前記基準試料の電場分布と一致するように、前記入射角度を調節する、特定成分の濃度測定装置である。
第2の本発明は、前記光学素子が減衰全反射素子である、第1に記載の特定成分の濃度測定装置である。
第3の本発明は、光源から出射された光の行路上に少なくとも一つの偏光素子を具備している、第1または2に記載の特定成分の濃度測定装置である。
第4の本発明は、前記基準試料の電場分布は、前記基準試料を測定することにより得られる、第1〜3のいずれかに記載の特定成分の濃度測定装置である。
第5の本発明は、光源から照射された光を試料に照射する工程と、
前記試料から帰還した光を受光し、前記受光した光を出射する工程と、
前記光源から前記光学素子に入射する光の入射角度を調節する工程と、
前記光学素子から出射した光を検出する工程と、
前記検出した光から前記試料の複素屈折率を算出する工程と、
前記算出された複素屈折率から、前記試料中での深さと電場強度の関係を示す電場分布を算出する工程と、
基準試料の電場分布が格納されている記憶部と、を備え、
前記算出された電場分布が、記憶部に格納されている基準試料の電場分布と一致するように、前記入射角度を調節する工程と、を備える、特定成分の濃度測定方法である。
本発明の特定成分の濃度測定装置および測定方法は、光源と、前記光源から照射された光を試料に照射し、前記試料から帰還した光を受光し、前記光を出射する光学素子と、前記光源と前記光学素子の間に設置され、前記光源から前記光学素子に入射する光の角度を調節する入射角度制御部と、前記光学素子から出射した光を検出する光検出部と、前記検出部において検出した光から前記試料の複素屈折率を算出する屈折率算出部と、前記算出された複素屈折率から、前記試料中での深さと電場強度の関係を示す電場分布を算出する電場分布算出部と、基準試料の電場分布が格納されている記憶部とを備え、前記入射角度制御部は、前記算出された電場分布と一致するように、前記入射角度を調節することを特徴とする。このようにすると、生体等の試料のように試料間に個体差が存在する場合であっても、試料の複素屈折率から電場分布を計算し、電場分布に応じて最適な入射角を選ぶことにより、安定かつ容易に試料中の特定成分の濃度情報を計測することができる。
ここで、光源としては、測定対象である測定成分の吸収波長の光を発するものであれば用いることができ、例えば、炭化珪素SiCを棒状に焼結したグローバ光源、COレーザ、タングステン灯等があげられる。グルコースのように、波数1033、1080cm−1の赤外域に吸収ピークがあるような物質を計測する場合には、比較的広い波長範囲をカバーすることができ、10ミクロン程度の長波長領域でも良好に発光するという観点から、グローバ光源が好ましい。
光学素子の材料としては、当該分野で公知のものを特に限定なく、用いることができ、例えば、Si、Ge、SiC、ダイアモンド、ZnSe、ZnS及びKrSが挙げられる。ここで、グルコースのように、波数1033、1080cm−1の赤外域に吸収ピークがあるような物質を計測する場合には、約9〜10ミクロンの赤外波長で透過率が高いという観点から、シリコンまたはゲルマニウムであって、ホウ素やリン等の不純物含有量が小さく、抵抗率が100Ωcm以上のものが好ましく、抵抗率が1500Ωcm以上のものがさらに好ましい。さらには、光学素子がATR素子であることが好ましい。
光検出部としては、当該分野で公知のものを特に限定なく、用いることができ、例えば、焦電センサやMCT検出器が挙げられる。
屈折率を算出する工程としては、当該分野で公知の方法を特に限定なく、用いることができ、例えば、試料を2つの異なる入射角で入射された光で試料を測定し、複素屈折率を逆算する方法、P偏光、S偏光の2つの偏光状態で測定し、得られた結果から複素屈折率を逆算する方法、クラマース・クロニッヒの方法、Drubeの方法、エリプソメトリーの方法等があげられる(例えば、鶴田匡夫、「応用物理工学選書1 応用光学I」、株式会社培風館、1990年、p.45−48参照)。さらには、屈折率算出の簡易性からP偏光、S偏光の2つの偏光状態で測定し、得られた結果から複素屈折率を逆算する方法が好ましい。この場合、複素屈折率は、(数1)で算出される。
Figure 2005188999
特定成分としては、光学的に測定可能な物質であればよく、例えば、生体中の血糖値、水分、コレステロール、中性脂肪、乳酸、血中エタノール、体液の各種成分等が挙げられる。
試料としては、光学的に測定可能な物質を含み得るものであればよく、例えば、皮膚、口唇等の生体組織が挙げられる。
濃度情報としては、測定対象である特定成分の濃度の絶対値、成分比及び組成、並びにそれらの時間的変化等が挙げられる。
入射角度制御部としては、当該分野で公知のものを特に限定なく、用いることができる。例えば、光源そのものを、ATR素子を中心として回転させる方法、ガルバノスキャナを用いて入射角を制御する方法等が挙げられる。さらには、装置の簡易性から光源そのものを、ATR素子を中心として回転させる方法が好ましい。
偏光素子としては、当該分野で公知のものを特に限定なく、用いることができ、例えば、ワイヤーグリッド型偏光子、プリズム偏光子、誘電体プリズム偏光 子、フィルム偏光子、反射型偏光子などが挙げられる。さらには、グルコースのように波数1033、1080cm−1の赤外域に吸収ピークがあるような物質を計測する場合には、ワイヤーグリッド型偏光子であることが好ましい。
電場分布を算出する工程としては、当該分野で公知のものを特に限定なく、用いることができる。例えば、計算機を用いて、振幅をフレネルの反射係数、透過係数を用いて算出し、位相項を複素屈折率、波数、入射角から算出する方法、マクスウェルの方程式を解く方法等が挙げられる。さらには、計算の簡易性より、計算機を用いて、振幅をフレネルの反射係数、透過係数を用いて算出し、位相項を複素屈折率、波数、入射角から算出する方法が好ましい。また、ここでいう電場分布とは、試料中に形成される電場の分布を表す。
記憶部としては、当該分野で公知のものを限定なく、用いることができる。例えば、計算機等の記憶装置に記憶させる方法、プリンタ等で紙等に出力する方法等が挙げられる。さらには、電場分布を算出する工程により、複素屈折率を用いることから、計算機等の記憶装置に記憶させる方法が好ましい。
また、基準試料の電場分布を記憶部に記憶させても良いが、基準試料の複素屈折率を記憶させても良い。
入射角度を調節する工程は、電場分布を算出する工程により計算した電場分布により、最適な入射角を決定する工程である。入射角最適化の方法としては、基準試料の複素屈折率から算出した電場分布と、被測定試料の複素屈折率から算出した電場分布を比較するのであるが、比較する方法としては、当該分野で公知の方法を特に限定なく使用することができ、例えば、両者の電場分布の形状、もしくは、電場強度の値が最も近くなる入射角を最適な入射角であると決定する方法が挙げられる。さらには、最小2乗法を用いて、両者の電場分布が各試料中の電場分布形状の差が最小になるような入射角になるときに最適な入射角と決定する。
前記決定した最適な入射角を前記入射角度制御部にフィードバックし、試料を測定する。
また、屈折率を算出する工程から得られた複素屈折率から特定成分の濃度を得てもよい。
以下、本発明の実施例について、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例における特定成分の濃度測定装置および測定方法の構成を示す概略図である。尚、本発明は本実施例に限られるものではない。
本実施例における特定成分の濃度測定装置は、光源1、光学素子であるATR素子2、光検出部4、信号処理手段5、入射角度制御部7、及び光源1とATR素子2の間に設けられた分光手段(図示せず)から構成されている。ここで、光源1としてはSiC光源を、ATR素子2としては波長1.1〜10ミクロンで透明なシリコン単結晶基板を、光検出部4としてはMCT検出器を、信号処理手段5としては計算機を、入射角度制御部7としてはガルバノスキャナを用いた。また、信号処理手段5に屈折率を算出する工程、電場分布を算出する工程、記憶部、および、入射角度を調節する工程を組み込んだ。分光手段を設けたことにより、試料中に含まれる特定成分の吸収の波長依存性を計測することができる。また、本実施例では用いなかったが、干渉計を用いてFT−IR法により測定を行なうと、高感度な測定ができるため好ましい。
次に、本実施例における特定成分の濃度測定装置の動作原理を、図1を用いて説明する。光源1から出射され、ATR素子2に入射した光は、全反射を繰り返しながらATR素子2内を伝搬していく。光は、ATR素子2の界面で全反射するが、この時、光は僅かにATR素子2の外側媒体にしみだす。この光は、エバネッセント波と呼ばれ、波長の数倍程度しみ出すことが知られている。試料6は、試料接触面3に、図1のように配置した。配置された試料中にしみだしたエバネッセント波は、試料の構成成分に応じた量だけ吸収される。試料に吸収された量は光検出部4により検出される。このとき、偏光素子8によって、光の偏光状態をp偏光、s偏光の2つの状態に変え測定する(図2のSt3)。光検出部4により検出されたp偏光、s偏光で測定した2つの信号から、信号処理手段5の屈折率を算出する工程により試料6の複素屈折率が算出される。信号処理手段5の屈折率を算出する工程で算出された複素屈折率から電場分布を算出する工程により計算する(St4)。
このとき、電場分布を計算するときのパラメータである入射角を変更させながら計算しておく。また、あらかじめ記憶部により記憶された複素屈折率から電場分布計算手段により電場分布を計算する。その後、被測定試料の測定により得た電場分布と、あらかじめ記憶部により記憶されている複素屈折率から算出した電場分布を比較する(St6)ことにより入射角度を調節する工程により最適な入射角を決定する。このとき、入射角度を調節する工程では、測定により得た電場分布とあらかじめ記憶部により記憶されている複素屈折率から算出した電場分布を比較し、被測定試料と基準となる試料の電場分布の差が最小の場合、最適な入射角を決定する(St7)のであるが、電場分布の評価方法として最小2乗法を用いた。
ここで、入射角が最適にならなければ(すなわち、被測定試料と基準となる試料の電場分布の差が最小でない場合)、再び、電場分布算出工程にて、入射角を変更し(St5)、電場分布を再計算する。この電場分布の再計算結果を、入射角度を調節する工程にて評価する。この動作を最適な入射角が決定されるまで行う。入射角度を調節する工程により決定された最適な入射角になるように入射角度制御部にフィードバックし、入射角を変更する。入射角を変更した後、再度測定を行い(St8)、濃度情報を得る(St9)。濃度情報は、光検出部4により検出された信号に基づいて算出される。本実施例では、偏光素子8を用いて複素屈折率を算出する方法を用いた。偏光素子8の役割は、複素屈折率を測定するために光の偏光状態を変化させることである。p偏光状態、s偏光状態の2種類の状態で測定し、このとき得られた2つの測定結果から、屈折率を算出する工程により計算し、算出することが可能となる。
このときの処理フローチャートを図2に示す。図2に示すように、ステップSt.1,ステップSt.2を、被測定試料を測定するたびに基準試料を測定しても良いし、ステップSt.1,ステップSt.2はあらかじめ実施しておき、あらかじめ実施されたSt.1、St.2の情報を用いてステップSt.2より後の処理を行ってもよい。
図3に、本発明の一変形例における特定成分の濃度測定装置および測定方法を示す。本一変形例は、図1の構成に偏光素子8を除いたものである。本一変形例で、試料6の複素屈折率を求めるためには、異なる入射角で試料6を測定する必要がある。例えば、最初の測定で45度の入射角で試料6を測定し、次の測定で30度の入射角で試料6を測定する。この2回の測定で得られた結果を用いて計算することにより、試料6の複素屈折率を算出することができる。
図4には、本実施例により算出した試料6の複素屈折率中の屈折率と消衰係数を示した。本実施例では、p偏光、s偏光状態で試料6を測定し、その測定結果を用いて屈折率を算出する工程により求めた。
図5には、基準試料と被測定試料の電場分布を示した。電場分布を決定する要素には、複素屈折率、入射角があるが、複素屈折率は、試料固有の値であるため入射角をパラメータとして用いて電場分布を変えることが必要である。
本発明にかかる特定成分の濃度測定装置、特定成分の濃度測定方法によれば、試料間に個体差が存在する場合であっても、安定かつ容易に、試料中に含まれる特定成分の濃度情報を計測することでき、生体成分の濃度測定装置、測定方法等として有用である。
本発明の一実施例における特定成分の濃度測定装置および測定方法の構成を示す概略図 図1に示す濃度測定装置および濃度測定方法における処理のフローチャート 本発明の一変形例における特定成分の濃度測定装置および測定方法の構成を示す概略図 本発明の屈折率分布算出工程により算出した複素屈折率を示す図 本発明の電場分布算出工程により算出した基準試料と被測定試料の電場分布を示す図
符号の説明
1 光源
2 ATR素子
3 試料接触面
4 光検出部
5 信号処理手段
6 試料
7 入射角度制御部
8 偏光素子

Claims (5)

  1. 光源と、
    前記光源から照射された光を試料に照射し、前記試料から帰還した光を受光し、前記受光した光を出射する光学素子と、
    前記光源と前記光学素子の間に設置され、前記光源から前記光学素子に入射する光の入射角度を調節する入射角度制御部と、
    前記光学素子から出射した光を検出する光検出部と、
    前記検出部において検出した光から前記試料の複素屈折率を算出する屈折率算出部と、
    前記算出された複素屈折率から、前記試料中での深さと電場強度の関係を示す電場分布を算出する電場分布算出部と、
    基準試料の電場分布が格納されている記憶部と、を備え、
    前記入射角度制御部は、前記算出された電場分布が前記基準試料の電場分布と一致するように、前記入射角度を調節する、特定成分の濃度測定装置。
  2. 前記光学素子が減衰全反射素子である、請求項1に記載の特定成分の濃度測定装置。
  3. 光源から出射された光の行路上に少なくとも一つの偏光素子を具備している、請求項1または2に記載の特定成分の濃度測定装置。
  4. 前記基準試料の電場分布は、前記基準試料を測定することにより得られる、請求項1〜3のいずれかに記載の特定成分の濃度測定装置。
  5. 光源から照射された光を試料に照射する工程と、
    前記試料から帰還した光を受光し、前記受光した光を出射する工程と、
    前記光源から前記光学素子に入射する光の入射角度を調節する工程と、
    前記光学素子から出射した光を検出する工程と、
    前記検出した光から前記試料の複素屈折率を算出する工程と、
    前記算出された複素屈折率から、前記試料中での深さと電場強度の関係を示す電場分布を算出する工程と、
    前記算出された電場分布が、記憶部に格納されている基準試料の電場分布と一致するように、前記入射角度を調節する工程と、を備える、特定成分の濃度測定方法。
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