WO2005027746A1 - グルコース濃度測定方法及びグルコース濃度測定装置 - Google Patents

グルコース濃度測定方法及びグルコース濃度測定装置 Download PDF

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Masahiko Shioi
Shinji Uchida
Kiyoko Ooshima
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Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
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    • A61B5/145Measuring characteristics of blood in vivo, e.g. gas concentration, pH value; Measuring characteristics of body fluids or tissues, e.g. interstitial fluid, cerebral tissue
    • A61B5/14532Measuring characteristics of blood in vivo, e.g. gas concentration, pH value; Measuring characteristics of body fluids or tissues, e.g. interstitial fluid, cerebral tissue for measuring glucose, e.g. by tissue impedance measurement

Abstract

 所定の赤外光を試料に入射させることにより試料の内部において反射した光又は試料を透過した光について光の強度を測定し、測定した光の強度を演算処理してグルコース濃度を求める。演算処理においては、試料中の標的物質であるグルコースの濃度を反映する光の強度である第1の強度と、試料中の妨害物質であるタンパク質の濃度を反映する光の強度である第2の強度とを算出し、所定の補正式を用いて第2の強度に基づいて第1の強度を補正すると共に、所定の検量式を用いて補正を行った第1の強度をグルコース濃度に換算する。

Description

糸田 » ダルコース濃度測定方法及びグルコース濃度測定装置 技術分野
本発明は、 被検試料を光学的に測定することによって血糖値を測定する、 ダル コース濃度測定方法及びグルコース濃度測定装置に関する。 背景技術
従来から光学的測定装置を用いて、 生体や溶液中の特定成分を測定する種々の 方法が提案されている。 特に非侵襲で生体中の血糖 (グルコース) の濃度を測定 する方法は、 糖尿病の治療等において実用化が期待されており、 平行に向かい合 つた一対の反射面を備える透明な減衰全反射素子 (以下、 ATR素子と略称する。 ) を用いる方法が提案されている。
例えば、 セレン化亜鉛 (Zn S e) 、 シリコン又はゲルマニウム等からなる A TR素子を口にくわえ、 口唇を ATR素子の反射面に密着させた状態で ATR素 子に光を人射させる。 ATR素子に入射した光は、 ATR素子の反射面と口唇と の境界において全反射を繰り返しながら ATR素子内を進行し、 AT R素子から 出射される。 この ATR素子から出射された光を分析することにより血中のダル コースの濃度を非侵襲で測定する方法が提案されている (特開平 9— 1 1 343 9号公報を参照。 ) 。
また、 Z n S e結晶等からなる ATR素子を口唇の粘膜に密着させた後、 この ATR素子に波長 9〜1 1 mのレーザ光を入射させ、 ATR素子の内部で多重 反射させ、 その減衰全反射光、 散乱反射光等を分析することによって、 血中ダル コース濃度や血中エタノール濃度を測定する方法が提案されている (福島英生、 他 5名, 「血糖値の非侵襲的計測法一光学的ブドウ糖センサの開発—」 、 B M E、 社団法人日本ェムィ一学会、 1 9 9 1年、 第 5卷、 第 8号、 p . 1 6— 2 1を参 照 、
これらの方法は、 エバネッセント光 (いわゆる、 しみだし光) を定量分析に応 用したものであり、 リアルタイムに且つ非侵襲的に、 被検試料中のグノレコースの 濃度をはじめコレステロール濃度やその他の生体成分の濃度を測定することがで きる。
所定の角度で A T R素子の一端に入射させた光は、 A T R素子の反 I 面と反射 面の上に密着させた被検試料との境界面において全反射を繰り返しながら、 A T R素子の内部を進行し、 他端から射出される。 境界面において光が全反射する際 に、 境界面からわずかにしみだすェパネッセント波が発生し、 A T R素子の表面 に密着させた被検試料中に進入する。 被検試料中に侵入したエバネッセント波の うち特定の波数の光は、 被検試料中に含まれる成分により吸収される。 例えば、 グルコースの場合には、 波数が 1 0 3 3 c m-1付近の光が被検試料中のグルコ一 スの濃度に応じて特異的に吸収されて減衰する。 このため、 波数が 1 0 3 3 c m 一1の光が A T R素子を通過する際の減衰を測定することにより、 試料中のダルコ ース濃度の絶対値や濃度の時間的変化等の情報を得ることができる。
しかしながら、 生体試料中には、 グルコースによる波数が 1 0 3 3 c m— 1の光 の吸収に干渉する成分が含まれている。 従って、 従来のグルコースが特異的に吸 収する波数の光のみを光学的に測定する方法及び装置によりグルコース濃度を測 定した場合には、 これらの干渉成分により妨害を受けるため測定値に大きな誤差 を生じてしまうという問題がある。
また、 これらの干渉成分の生体試料中における含有量は、 被検試料間の個体差 によって異なるばかりでなく、 生体の代謝に伴レ、経時的にも変化するため一律に 誤差を補正することはできないという問題がある。 発明の開示
本発明は、 前記従来の問題を解決し、 生体試料中に含まれる妨害物質の影響を 受けることなく安定かつ容易に、 被検試料中の血液成分を測定することができる グルコース濃度測定装置及びグルコース濃度測定方法を実現できるようにするこ とを目的とする。
前記目的を達成するため、 本発明はグルコース濃度測定方法を、 標的物質であ るグルコースについて光の吸収を測定する際に妨害物質であるタンパク質につい ても光の吸収を同時に測定し、 測定したタンパク質の光の吸収に基づいてグノレコ ースの濃度を補正する構成とする。
具体的に、 本発明に係るグルコース濃度測定方法は、 所定の赤外光を試料に入 射させることにより前記試料において反射した光又は前記試料を透過した光につ いて光の強度を測定する測定工程と、 測定工程で得られた光の強度を演算処理し てグルコースの濃度を求める演算処理工程とを備え、 演算処理工程は、 光の強度 のうち試料中の標的物質であるグルコースの濃度を反映する第 1の強度を、 光の 強度のうち試料中の妨害物質であるタンパク質の濃度を反映する第 2の強度に基 づいて補正する補正工程と、 捕正を行った第 1の強度に基づいてグルコースの濃 度を算出する算出工程とを含むことを特徴とする。
本発明のグルコース濃度測定方法によれば、 タンパク質の濃度を反映する光の 強度である第 2の強度に基づいてグルコースの濃度を反映する光の強度である第 1の強度を補正するため、 試料中に含まれるタンパク質による妨害の影響を排除 することができる。 従って、 生体試料中の正確なグルコースの濃度を安定に測定 することが可能となる。
本発明のグルコース濃度測定方法において、 第 1の強度は、 グルコースのピラ ン環の振動エネルギーに由来する赤外吸収のピークが存在する第 1の波数領竑に 含まれる第 1の波数における光の強度であり、 第 2の強度は、 タンパク質のアミ ド基の振動エネルギーに由来する赤外吸収のピークが存在する第 2の波数領域に 含まれる第 2の波数における光の強度であることが好ましい。 このような構成と することにより試料中のタンパク質以外の外乱要因の影響をほとんど受けること なくグルコースによる光の吸収を測定することができる。
本発明のグルコース濃度測定方法において、 第 1の波数領域は、 上限が 1 1 3 8 c m— 1であり且つ下限が 1 0 1 6 c m— 1であることが好ましい。 また、 上限が 1 0 9 0 c m— 1であり且つ下限が 1 0 1 6 c m— 1であっても、 上限が 1 0 6 0 c m一1であり且つ下限が 1 0 1 6 c m— 1であってもよい。 このような波数領域は、 グルコースに対する特異性が高く、 また生体に対する透過性が高いため、 精度良 く生体試料についてグルコース測定を行うことができる。
本発明のグルコース濃度測定方法において、 第 2の波数領域は、 上限が 1 5 6
0 c m— 1であり且つ下限が 1 4 8 0 c m— 1であることが好ましい。 また、 上限が
1 4 3 0 c m—1であり且つ下限が 1 3 7 0 c m—1であってもよい。 このよ うな波 数領域は、 タンパク質に対する特異性が高く、 また生体に対する透過性が高いた め、 測定に対してタンパク質が与える影響を正確に算出することが可能となる。 本発明のグルコース濃度測定方法において、 第 1の波数は、 グルコースのエー テル C O伸縮及びアルコール C O H伸縮に基づく赤外吸収のピークの波数である ことが好ましく、 第 1の波数は 1 0 3 3 c m一1であることが好ましい。
本発明のグルコース濃度測定方法において、 第 1の波数は、 グルコースの C H 変角に基づく赤外吸収のピークの波数であることが好ましく、 第 1の波数は 1 0 7 6 c m一1であることが好ましい。
本発明のグルコース濃度測定方法において、 第 2の波数は、 タンパク質の C N 伸縮と N H面内変角の混成モードに基づく赤外吸収のピークの波数であることが 好ましく、 第 2の波数は、 1 5 3 1 c m— 1であっても、 1 3 9 4 c m— 1であって もよい。 このように生体の透過性が高い中赤外領域の波数の光を用いて測定を行 うことにより、 非侵襲で生体組織を直接測定することが可能となる。
本発明のグルコース濃度測定方法において、 測定工程は、 所定の波数の領域に ついて、 光の強度を測定することにより光の強度を赤外吸収スぺクトルとして得 る工程であり、 第 1の強度及び第 2の強度は、 それぞれ赤外吸収スペク トルを第 1の波数領域においてベースライン補正して求めた第 1の波数における光の強度 及ぴ赤外吸収スぺクトルを第 2の波数領域においてベースライン補正して求めた 第 2の波数における光の強度であることが好ましい。 このような構成とすること により、 散乱光等の影響を排除できるので、 正確な測定が可能となる。
本発明のグルコース濃度測定方法において、 測定工程は、 所定の波数の領域に ついて、 光の強度を測定することにより光の強度を赤外吸収スぺクトルとして得 る工程であり、 第 1の強度及び第 2の強度は、 それぞれ赤外吸収スペク トルの第 1の波数領域におけるピークの面積及び赤外吸収スぺク トルの第 2の波数領域に おけるピークの面積であることが好ましい。 このような構成とすることにより、 外乱因子の影響を排除して、 より正確な測定を行うことができる。
本発明のグルコース濃度測定方法は、 既知量のグルコース及び既知量のタンパ ク質を含む基準試料について、 基準試料中のグルコース濃度を反映する第 1の基 準強度と、 基準試料中のタンパク質濃度を反映する第 2の基準強度とをそれぞれ 測定し、 測定した第 1の基準強度と第 2の基準強度との差又は比に基づいて、 第 1の強度に対して妨害物質が与える影響を補正する補正式を求める補正式算出ェ 程をさらに備え、 補正工程においては補正式を用いることが好ましい。 このよう な構成とすることにより、 妨害物質であるタンパク質の影響を確実に補正するこ とができる。
本発明のグルコース濃度測定方法において、 補正式算出工程は、 測定工程の直 前に行うことが好ましい。 このような構成とすることにより、 補正の精度を高く することができる。
本発明のグルコース濃度測定方法は、 補正式算出工程を行った後、 測定工程及 び演算処理工程を順次 2回以上繰り返すことが好ましい。 このような構成とする ことにより、 効率良く測定を行うことが可能となる。
本発明のグルコース濃度測定方法において、 測定工程は、 減衰全反射プリズム を用いて光の強度を測定する工程であることが好ましい。 このような構成とする ことにより、 非侵襲で生体試料を容易に測定することが可能となる。
本発明のグルコース濃度測定方法において、 測定工程は、 透過光を用いて光の 強度を測定する工程であることが好ましい。 このような構成とすることにより、 測定感度を高めることができる。
本発明のグルコース濃度測定方法において、 試料は、 生体試料であり、 生体を 非侵襲で測定することが好ましい。 このような構成とすることにより、 被験者の 負担を軽くすることができると共に、 リアルタイムで生体成分の変化を追跡する ことが可能となる。
本発明に係るグルコース濃度測定装置は、 光源と、 光源から出射された光を試 料に入射させる光学素子部と、 試料において反射した光又は試料を透過した光に ついて光の強度を検出する検出器と、 検出器において検出された光の強度を演算 処理して試料中のグルコース濃度を求める演算手段とを備え、 演算手段は、 検出 された光の強度に基づいて、 標的物質であるグルコースの濃度を反映する光の強 度である第 1の強度と、 妨害物資であるタンパク質の濃度を反映する光の強度で ある第 2の強度とを演算することにより、 第 1の強度に対して妨害物質が与える 影響を補正する機能と、 補正をした第 1の強度を演算することによりグルコース の濃度の算出を行う機能とを有することを特徴とする。
本発明のグルコース濃度測定装置によれば、 あらかじめ設定した補正式に従つ て第 1の強度と第 2の強度とを演算することにより、 第 1の強度に対して妨害物 質が与える影響を補正する機能を有しているため、 試料中に含まれる妨害物質で あるタンパク質の影響を排除することができ、 正確なグルコースの濃度を安定し て測定することが可能となる。
本発明のグルコース濃度測定装置におい T、 第 1の強度は、 グルコースのビラ ン環の振動エネルギーに由来する赤外吸収のピークが存在する第 1の波数領域に 含まれる第 1の波数における光の強度であり、 第 2の強度は、 タンパク質のアミ ド基の振動エネルギーに由来する赤外吸収のピークが存在する第 2の波数領域に 含まれる第 2の波数における光の強度であることが好ましい。
本発明のグルコース濃度測定装置において、 第 1の波数領域は、 上限が 1 1 3 8 c m-1であり且つ下限が 1 0 1 6 c m— 1であっても、 上限が 1 0 9 0 c m—1で あり且つ下限が 1 0 1 6 c nT1であっても、 上限が 1 0 6 0 c m— 1であり且つ下 限が 1 0 1 6 c m— 1であってもよい。 このような波数領域は、 グルコースに対す る特異性が高く、 また生体に対する透過性が高いため、 精度良く生体試料につい てグルコース測定を行うことができる。
本発明のグルコース濃度測定装置において、 第 2の波数領域は、 上限が 1 5 6 0 c m— 1であり且つ下限が 1 4 8 0 c m— 1であっても、 上限が 1 4 3 0 c m— 1で あり且つ下限が 1 3 7 0 c m— 1であってもよレ、。 このような波数領域は、 タンパ ク質に対する特異性が高く、 また生体に対する透過性が高いため、 測定に対して タンパク質が与える影響を正確に算出することが可能となる。
本発明のグルコース濃度測定装置は、 光の強度を所定の波数領域において測定 することにより赤外吸収スぺクトルを得る手段をさらに有し、 第 1の強度及び第 2の強度は、 それぞれ赤外吸収スぺクトルを第 1の波数領域においてベースライ ン補正して算出した第 1の波数における光の強度及び赤外吸収スぺクトルを第 2 の波数領域においてベースライン補正して算出した第 2の波数における光の強度 であることが好ましい。 このような構成とすることにより、 散乱等の影響を排除 することができる。
また、 この場合において、 赤外吸収スペク トルを得る手段は、 フーリエ変換赤 外分光器であることが好ましい。
本発明のグルコース濃度測定装置は、 光の強度を所定の波数領域において測定 することにより赤外吸収スぺクトルを得る手段をさらに有し、 第 1の強度及び第 2の強度は、 それぞれ赤外吸収スぺク トルの第 1の波数領域におけるピークの面 積及び赤外吸収スぺク トルの第 2の波数領域におけるピークの面積であることが 好ましい。 このような構成とすることにより、 感度を高くすることができる。 また、 この場合において、 赤外吸収スペク トルを得る手段は、 フーリエ変換赤 外分光器であることが好ましい。
本発明のグルコース濃度測定装置において、 光学素子部は、 表面に試料を保持 することができる減衰全反射プリズムを含んでいることが好ましい。 このような 構成とすることにより、 生体試料について非侵襲で測定することが可能となる。 本発明のグルコース濃度測定装置において、 光学素子部は、 表面に試料を保持 することができ、 且つ、 表面に複数の溝部が形成されたプリズムを含み、 プリズ ムは、 試料を溝部を含むプリズムの表面に接触させることにより、 試料のうち溝 部を埋める部分に光源からの光を入射させることが好ましい。 このような構成と することにより、 正確な光路長により測定することができるため、 光路長の補正 をする必要がなく、 正確な測定を行うことができる。
本発明によれば、 生体試料中に含まれる妨害物質の影響を受けることなく安定 かつ容易に、 被検試料中の血液成分を測定することができるグルコース濃度測定 装置及びグルコース濃度測定方法を実現できる。 図面の簡単な説明
図 1はタンパク質の吸光スぺクトルの一例を示すグラフである。 図 2は 1033 cm一1の波数における光の強度とグルコース濃度との相関を 示すグラフの一例である。
図 3は 1033 cm一1の波数における光の強度とグルコース濃度との相関を 示すグラフの一例である。
図 4は 1033 cm一1の波数における光の強度とグルコース濃度との相関を 示すグラフの一例である。
図 5は 1 531 cm一1の波数における光の強度とタンパク質濃度との相関を 示すグラフの一例である。
図 6は 1 531 cm一1の波数における光の強度とタンパク質濃度との相関を 示すグラフの一例である。
図 7は 1 1 38 c m―1〜 1 01 6 c m—1の波数領域における吸収スぺク トル のタンパク質濃度依存性を示すグラフである。
図 8は 1033 cm一1の波数における光の強度とタンパク質濃度との相関を 示すグラフである。
図 9は本発明の第 1の実施形態に係るグルコース濃度測定方法を示すフロー チヤ一トである。
図 10は本発明の第 1の実施形態に係るグルコース濃度測定方法における補 正式算出工程の原理を示すグラフである。
図 1 1は本発明の第 2の実施形態に係るグルコース濃度測定装置の概略を示 すプロック図である。
図 1 2 (a) 及ぴ (b) は本発明の第 2の実施形態に係るグルコース濃度測 定装置による測定結果の一例を示すグラフであり、 図 1 2 (a) は補正前の第 1 の強度をグルコース濃度に対してプロットしたグラフであり、 図 1 2 (b) は補 正後の第 1の強度をグルコース濃度に対してプロットしたグラフである。
図 13 (a) 及び (b) は本発明の第 2の実施形態に係るグルコース濃度測 定装置による測定結果の一例を示すグラフであり、 (a) は補正前の第 1の強度 をグルコース濃度に対してプロットしたグラフであり、 (b) は補正後の第 1の 強度をグルコース濃度に対してプロットしたグラフである。
図 1 4 (a) 及び (b) は本発明の第 2の実施形態に係るグルコース濃度測 定装置による測定結果の一例を示すグラフであり、 (a) は補正前の第 1の強度 をグルコース濃度に対してプロットしたグラフであり、 (b) は捕正後の第 1の 強度をグルコース濃度に対してプロットしたグラフである。
図 1 5 (a) 及び (b) は本発明の第 2の実施形態に係るグルコース濃度測 定装置による測定結果の一例を示すグラフであり、 (a) は捕正前の第 1の強度 をグルコース濃度に対してプロットしたグラフであり、 (b) は補正後の第 1の 強度をグルコース濃度に対してプロットしたグラフである。
図 1 6 (a) 及び (b) は本発明の第 2の実施形態の第 1変形例に係るダル コース濃度測定装置による測定結果の一例を示すグラフであり、 (a) は補正を 行わずにグルコース濃度を求めた場合の測定結果であり、 (b) は捕正を行って ダルコース濃度を求めた場合の測定結果である。
図 1 7は本発明の第 2の実施形態の第 2変形例に係るグルコース濃度測定装 置の概略を示すプロック図である。 発明を実施するための最良の形態
第 1の実施形態
本発明に係る第 1の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。 ま ず、 本発明のグルコース濃度測定方法の原理について説明する。 一般に、 試料中 の標的成分の濃度は、 試料中の標的成分が特異的に吸収する第 1の波数における 光の吸収から求めることができる。 しかし、 試料中に含まれる妨害物質の影響を 受ける場合には、 妨害物質の影響を補正する必要がある。 一方、 妨害物質の影響 は、 妨害物質の濃度に比例するため、 妨害物質が特異的に吸収する第 2の波数に おける光の吸収を用いて試料中の妨害物質の濃度を求めることにより、 妨害物質 の影響を捕正することができる。
本実施形態においては、 標的成分はグルコースであり、 グルコースの濃度を反 映する第 1の波数として、 上限を 1 1 3 8 c m—1とし下限を 1 0 1 6 c m一1とす る波数領域に含まれる吸収ピークの波数を用いる。 この 1 1 3 8 。!!!—1〜 0 1 6 c m-1の波数領域に含まれる吸収ピークは、 グルコースのピラン環の振動エネ ルギ一に由来する吸収ピークであると考えられ、 グルコースに対して特異性が高 い。 具体的にはエーテルの C _ O伸縮及ぴアルコールの C— O H伸縮が重なり合 つた吸収ピークであると考えられる 1 0 3 3 c πΓ1付近における吸収ピークの波 数を用いることが好ましい。
このような赤外領域の光を用いることにより、 皮膚等の生体組織における光の 吸収が小さくなるため、 手指や口唇を直接サンプルとして非侵襲で血液中のグノレ コースの濃度を測定することが可能となる。 また、 1 0 3 3 c m一1付近における 吸収ピークは、 グルコースに対する特異性が高く且つ非常に吸光係数が大きいた め、 グルコース測定の感度を高くすることが可能となる。
しかし、 1 1 3 8 c m l 0 1 6 c m—1付近の吸収は試料中に共存するタン パク質の影響を受ける。 図 1はタンパク質溶液の吸収スぺクトルの一例を示して いる。 なお、 測定に用いたタンパク質はアルブミンであり、 濃度は健常人の血中 濃度である 6 g Z d 1である。 図 1に示すように、 タンパク質の溶液は 1 0 3 3 c m—1付近に吸収を有している。 従って、 試料溶液中にタンパク質が含まれてい る場合にはグルコース濃度の測定が妨害される。
タンパク質は、 血液中に最も多く含まれる生体成分であり、 生体試料中には必 ず高濃度で含まれるため、 妨害の影響が大きい。 また、 濃度の個体差及び時間変 化が大きな成分であるため、 一律に補正することは不可能であり、 各試料ごとに 質の濃度に応じて補正を行う必要がある。
タンパク質の濃度を反映する第 2の波数には、 1 5 6 0 :!!!—1〜 4 8 0 c m 一1の波数領域又は 1 5 6 0 c m―1〜 1 4 8 0 c trT1の波数領域に出現するいずれ かの赤外吸収のピークの波数を用いればよく、 例えば 1 5 3 1 c m— 1付近又は 1 3 4 9 c m— 1付近に出現する吸収ピークの波数を第 2の波数として用いればよい。 これらの波数領域の吸収ピークはタンパク質のアミド結合に由来して生じる吸 収ピークであり、 C一 N伸縮と N— H面内変角の混成モードであると考えられ、 タンパク質に対する特異性が高く且つ吸光係数も大きいため、 タンパク質の濃度 測定に適している。
光の吸収は、 最も単純には測定波数において測定された吸光度を直接用いれば よい。 しかし、 吸収スぺクトルの波形を考慮して吸収された光の強度を算出する ことにより、 さらに正確な値を得ることができる。
例えば、 まず所定の波数領域において連続して光の強さである吸光度を測定し 吸収スぺクトル得る。 得られた吸収スぺクトルのうち光の強さが極小となる 2点 を選ぴ、 選んだ 2点間を結んだ線をベースラインとして、 光の強さの実測値から ベースラインの値を差し引いた値を光の強度とする。 このようなベースライン捕 正を行うことにより、 測定サンプルや測定装置の状態によって生じる光の強さの ばらつきを補正することができる。
また、 ベースラインと吸収スぺクトルの曲線とにより囲まれた部分の面積を積 分により求め、 この面積の値を光の強度としてもよく、 その他の既知の手法を用 いてもよい。
具体的には、 グルコースの濃度を反映する第 1の強度を求める場合にはダルコ ースのピラン環に由来すると考えられる一連の吸収ピークが存在する領域である、 1 1 3 8。!!!^〜丄 0 1 6 c m—1の波数領域の吸収スぺクトルの波形を考慮して、 ベースライン補正又は面積積分等を行えばよい。 一般的にベースライン補正又は面積積分等を行う波数領域を広く取ることによ り感度を高めることが可能となる。 し力 し、 現実の試料中にはグルコース以外に も種々の微量成分が含まれており、 捕正に用いる波数領域を広くするとこれらの 微量成分の影響を受けるため、 グルコース濃度の測定誤差が大きくなる恐れがあ る。 従って、 測定精度が問題となる場合には、 1090。!!!^〜丄 01 6 cm一1 又は 1 060。 —1〜 01 6 c m—1の波数領域における吸収スぺクトルを用い てベースライン補正又は面積積分等を行うことによりグルコースに対する選択性 をより高くすることが可能である。
図 2〜図 4は濃度が既知のグルコースの水溶液について 1033 cm— 1におけ る強度を測定した結果のプロットを示しており、 図 2は 1 138。!!! 〜丄 01 6 c m—1の波数領域、 図 3は 1 090 c —1〜 101 6 c m—1の波数領域、 図 4 は 1060 c m―1〜 101 6 c m_1の波数領域の吸収スぺクトルによりベースラ イン補正を行っている。 いずれの場合にも、 グルコース濃度と第 1の強度との間 には良好な 1次の相関関係が認められる。
また、 タンパク質の濃度を反映する第 2の強度を求める場合には、 例えば、 第 2の波数を 1 531 c m— 1とした場合には 1 560 c m一1〜 1480 c m— 1の波 数領域の吸収スぺク トルを用い、 第 2の波数を 1 349 cm— 1とした場合には 1 430。!!!—1〜 370 c m—1の波数領域における吸収スぺク トルを用いてベー スライン補正等を行えばょレ、。
図 5及ぴ図 6は、 濃度が既知のタンパク質の水溶液について第 2の強度を測定 した結果のプロットを示している。 図 5は 1 560
Figure imgf000015_0001
l 480 c m— 1の波 数領域の吸収スぺクトルによりベースライン補正を行って求めた 1 53 1 cm—1 の波数における強度を示しており、 図 6は 1430 cm—1〜l 370 c m— 1の波 数領域の吸収スぺクトルによりベースライン補正を行って求めた 1 394 cm—1 の波数における強度を示している。 いずれの場合にも、 タンパク質濃度と強度と の間には良好な 1次の相関関係が認められる。
次に、 試料中に共存するタンパク質がグルコース濃度の測定に与える影響につ いて説明する。 図 7は濃度が既知のグルコース水溶液にさまざまな量のタンパク 質を添加した場合における 10 16 cm—1から 1 1 38 cm— 1の波数領域におけ る吸収スペクトルを示したものである。 なお、 図 7において各スペクトルに対し て波数が 101 6 cm一1における強度と、 波数が 1 1 38 cm一1における強度と を結ぶ直線をベースラインとしてベースライン補正を行っている。
図 7に示すように、 タンパク質の濃度が高くなるに従いスぺクトル全体が嵩上 げされ、 1033 cm— 1付近のピークにおける強度の値が上昇している。 これは、 共存するタンパク質により吸収スぺクトル全体のバックグラウンドが上昇するこ とによる。 従って、 タンパク質を含む溶液中のグルコース濃度を正確に測定する ためには、 得られた第 1の強度から溶液中に含まれるタンパク質によるパックグ ラウンドを差し引く補正をする必要がある。
図 8は図 7の各スぺクトルについて 1033 c m—1付近のピークにおける強度 をタンパク質濃度に対してプロットしたものである。 図 8に示すように 1 033 c m— 1付近のピークにおける強度はタンパク質の濃度とも比例関係にあるため、 溶液中のタンパク質の濃度が判れば第 1の強度を補正し、 正確なグルコース濃度 を算出することができる。
先に述べたように溶液中のタンパク質の濃度は第 2の強度から求めることがで きるため、 式 (1) に示すような補正式により第 1の強度を捕正することができ る。
Ac l=Al - f l XA2+ f 2 - · '式 (1)
但し Ac 1は補正後の第 1の強度、 A 1は第 1の強度、 A 2は第 2の強度、 f 1及ぴ f 2は補正係数である。
こうして得られた補正後の第 1の強度 Ac 1は、 タンパク質によるバックダラ ゥンドの影響が排除されているため、 グルコース濃度と比例する。 従って、 補正 後の第 1の強度 A c 1をグルコースの水溶液を用いて求めた 1次の検量式に代入 すれば、 グルコース濃度の値に換算することができる。 このようにすることによ り、 溶液中のタンパク質によるバックグラウンドの影響が排除し、 正確なダルコ ース濃度を測定することが可能となる。 また、 補正式と検量式を組み合わせた式 (2) を用いれば、 第 1の強度の補正とグルコース濃度への換算を同時に行うこ とができる。
C g=Al X F l— A2 XF 2+F 3 · · '式 (2)
但し C gはグルコース濃度、 F l、 F 2及び F 3は換算係数である。
以下に、 本実施形態のグルコース濃度測定方法の具体例について示す。 図 9は、 本実施形態のダルコース濃度測定方法を表すフローチャートである。
まず、 図 9 (a) に示すように、 まず、 基準試料測定ステップにおいて、 換算 係数 F l、 換算係数 F 2、 換算係数 F 3を算出する。 基準試料としては、 ダルコ ース濃度及びタンパク質の濃度が既知のヒト血漿等を用いればよい。 基準試料測 定ステップは図 9 (b) に示すように、 まず、 基準試料について所定の波数領域 における吸収スぺク トルを測定する。 本実施形態においては、 1016 cm―1〜 1 138 c m— 1及び 1480 c m―1〜 1 560 c m_1の波数領域における吸収ス ぺクトルを測定する。
次に、 測定した吸収スぺクトルを元にベースライン補正等を行い第 1の波数に おける第 1の強度と第 2の波数における第 2の強度を算出する。 本実施形態にお いては、 第 1の波数として 1033 cm— 1付近のピークの波数を用い、 第 2の波 数として 1 5 3 1 cm— 1付近のピークの波数を用いる。 また、 第 1の強度は 10 1 6 c m―1〜 1 1 38 c m—1の波数領域のスぺクトルによりベースライン補正を 行い、 第 2の強度は 1480 c m_1〜 1 560 c m_1の波数領域のスぺクトルに よりベースライン捕正を行うことにより求める。 次に、 算出した第 1の強度と第 2の強度及び既定のグルコース濃度, 質濃度とから式 (2) に示した換算係数 F l、 換算係数 F 2及び換算係数 F 3を 求める。 具体的には、 表 1及ぴ図 10を参照しながら説明する。
表 1は基準試料であるグルコース濃度及びタンパク質濃度が既知の N o 1〜 N o 9の 9種類のヒト血漿について、 第 1の強度及び第 2の強度を測定した結果を 示しており、 図 10は表 1に示した第 1の強度をグルコース濃度に対してプロッ トしたものである。 なお、 No l〜No 9の基準試料のうち No l〜No 3、 N o 4〜No 6及ぴ No 7〜No 9はそれぞれタンパク質濃度が等しい。
表 1に示すようにタンパク質濃度が等しい試料 No 1〜試料 No 3、 試料 No 4〜試料 No 6及ぴ試料 No 7〜試料 No 9はそれぞれ第 2の強度がほぼ等しい c また、 図 10に示すように試料 No 1〜試料 No 3の各プロットを通る直線、 試料 No 4〜試料 No 6の各プロットを通る直線及び試料 No 7〜試料 No 9の 各プロットを通る直線の傾きは互いにほぼ等しくなる。
表 1 基準試料の測定結果の一例
Figure imgf000018_0001
さらに、 各直線の切片の値と第 2の強度の値との間には比例関係が成り立つ c 従って、 グルコース濃度 C g、 第 1の強度 A 1及ぴ第 2の強度 A 2との間には、 以下に示す式 (3) 関係式が成り立つ。
Al = a XC g + b XA2 + c · · '式 (3)
但し a、 b及ぴ cは定数であり、 例えば、 図 10に示す例の場合には aは 5. 7 X 10-6、 bは 0. 0095、 cは一 0. 001 3となる。
さらに、 式 (3) を式 (2) のように変形すると、 換算係数 F l、 換算係数 F 2及ぴ換算係数 F 3はそれぞれ l/a、 b/a及ぴ cZaとなる。 以上のように して求めた換算係数 F 1、 換算係数 F 2及び換算係数 F 3を含む補正式を記憶さ せた後、 試料測定ステップを行う。
試料測定ステップは図 9 (c) に示すように、 まず、 グルコース濃度が未知の 被検試料について吸収スペク トルの測定を行う。 次に、 測定した吸収スペク トル を元に第 1の強度及ぴ第 2の強度を算出する。 なお、 第 1の強度及び第 2の強度 を算出するまでの工程は基準試料測定ステツプと同じである。
次に、 得られた第 1の強度及び第 2の強度を補正式である式 (2) に代入する ことにより、 第 1の強度を第 2の強度により補正し且つ被検試料におけるダルコ ース濃度を求める。 この際に換算係数 F l、 換算係数 F 2及び換算係数 F 3には、 基準試料測定ステツプにおいてあらかじめ求めた値を用いる。
なお、 続いて、 異なる被検試料についての測定を行う際には、 基準試料測定ス テツプにおいて求めた補正式をそのまま用い試料測定ステップのみを繰り返して 行う。 また、 図 9 (d) に示すように新たに基準試料測定ステップを行い補正式 を再度求めてから試料測定ステツプを行ってもよい。
また、 本実施形態においては濃度の異なる 9種類の基準試料を測定することに より補正式を求める例を示したが、 少なくとも 3種類の基準試料を測定すれば補 正式を求めることができる。
また、 本実施形態においては補正式の換算係数 F 1、 換算係数 F 2及び換算係 数 F 3を基準試料測定ステップにおいて一度に求める例を示したが、 換算係数 F 1のみを求める検量線測定ステップを基準試料測定ステップよりも前に別に設け、 検量線測定ステップにおいて求めた換算係数 F 1を用いてもよい。 この場合、 換 算係数 F 1はタンパク質濃度に依存しないため、 タンパク質を含まないダルコ一 ス溶液を測定することにより算出できる。
さらに、 換算係数 F 1を事前に求めておくことにより、 基準試料測定ステップ において換算係数 F 2及び換算係数 F 3を求めるために測定する基準試料を 1種 類にすることができる。 また、 すべての換算係数又はいくつかの換算係数を定数 としてあらかじめ設定した値を用いることも可能である。 .
また、 本実施形態においては、 補正式と換算式とをひとつにして、 第 1の強度 の補正とグルコース濃度への換算とを一度に行う例を示したが、 補正式と換算式 とを別け、 補正とグルコース濃度への換算とを別々のステップにおいて行っても 良い。
以上説明したように、 本発明の第 1の実施形態に係るグルコース濃度測定方法 においては、 グルコースの濃度を反映する第 1の波数における第 1の強度を、 グ ルコースの濃度測定の妨害物質となるタンパク質の濃度を反映する第 2の波数に おける第 2の強度により補正することができる。
このため、 被検試料中に含まれるタンパク質の濃度が個体差又は代謝等により 変動しても影響を受けることなく、 安定かつ容易に、 被検試料中のグルコースの 濃度を正確に測定することができる。 また、 減衰全反射素子等と組み合わせるこ とにより非侵襲で生体中のグルコース濃度を直接測定することが可能となる。 なお、 本実施形態において第 1の波数として 1 0 3 3 c m— 1付近のピークの波 数を用いたが、 C 1—H変角に基づく吸収であると考えられる 1 0 7 6 c m— 1付 近のピークの波数を用いてもよい。
また、 第 2の波数として 1 5 3 1 c u 1付近のピークの波数を用いたが、 1 3 9 4 c m—1付近のピークの波数を用いてもよい。
本実施形態においては、 連続した吸収スぺクトルを測定してベースライン補正 を行う例を示したが、 第 1の波数及び第 2の波数と共に、 あらかじめ設定した 1 つの波数又は 2つ以上の波数について強度の値を測定し、 この値を用いてベース ライン補正を行ってもよい。 第 2の実施形態
以下に、 第 2の実施形態について図面を参照しながら説明する。 図 1 1は、 本 実施形態のグルコース濃度測定装置の構成を示す概略図である。
図 1 1に示すように、 光源 1から射出された光ビーム 1 0を、 光路中に設けら れた分光手段 8を経て光学素子部である試料セル 1 1の減衰全反射素子 (以下、 A T R素子と称する) 2に一端から入射させる。 A T R素子 2に入射させた光ビ ーム 1 0は、 A T R素子 2の内部を全反射を繰り返しながら進行し、 他端から射 出される。 射出された光は、 焦電センサ等の光強度検出器 4に入射し、 光の強度 に応じた電気的信号に変換され、 演算処理手段 5に入力される。 A T R素子 2に 入射させる光の波数を連続的に変化させることにより、 所定の波数領域における 吸収スぺクトルを電気的信号として得ることができる。
なお、 分光手段 8は光ビーム 1 0のうち特定の波数の光のみを選択的に透過さ せるものであり、 グレーティング等を用いることができる。 また、 分光手段 8に 代えて干渉計を用い、 光強度検出器 4において検出された光の強度をフーリェ変 換することにより、 吸収スペク トルを得てもよい。 このような、 フーリエ変換赤 外分光 (F T— I R ) 法を用いた場合には、 高感度な測定行うことが可能となる。 光ビーム 1 0が A T R素子 2の表面において全反射する際には、 A T R素子 2 の表面から低屈折率の媒質側 (本実施形態では A T R素子 2の外側) に向けて、 波長の数倍程度の深さにまで浸透する電磁場であるエバネッセント波が形成され る。
A T R素子 2の上面は、 試料接触面 3となっており被検試料 6を密着させてい る。 このため、 A T R素子 2の表面に発生したェパネッセント波は、 被検試料 6 によって影響を受ける。 従って、 被検試料 6との界面において全反射を繰り返し て A T R素子 2から射出された光ビーム 1 0 (以下、 帰還光と称する) において 特定の波数の光は、 被検試料 6に含まれる成分の濃度に応じて敏感に減衰され、 光の強度が変動する。
帰還光の強度の変化は光強度検出器 4により検出され、 さらに帰還光の強度に 応じた電気的信号に変換される。 本実施形態の装置においては分光手段 8を備え ているため、 所定の波数領域における吸収スぺクトルとして電気的信号を得るこ とができる。
光ビーム検出手段 4において変換された電気的信号は、 演算処理手段 5に入力 され、 演算処理される。 演算処理手段 5は、 電気的信号として入力された吸収ス ぺクトルからグルコースの濃度を反映する第 1の波数の光における第 1の強度と、 タンパク質の濃度を反映する第 2の波数の光における第 2の強度を算出する機能 を有する。
本実施形態においては第 1の実施形態と同様に、 第 1の波数としてはダルコ一 スのピラン環に由来すると考えられる 1 0 3 3 c m一1付近の吸収ピークにおける 波数を用い、 第 2の波数としては、 タンパク質のアミ ド結合に由来すると考えら れる 1 5 3 1 c m—1付近の赤外吸収のピークにおける波数を用いる。 また、 第 1 の強度の算出においては、 1 1 3 8 c m―1〜 1 0 1 6 c πΤ1の波数領域の吸収ス ぺクトルの波形に基づいてベースライン補正を行う。 同様に、 第 2の強度の算出 においては、 1 5 6 0 c m―1〜 1 4 8 0 c m_ 1の波数領域の吸収スぺク トルの波 形に基づいてベースライン補正を行う。
また、 演算処理手段 5は、 基準試料の測定結果に基づいて第 1の強度に試料中 のタンパク質が与える影響を補正する、 例えば第 1の実施形態において示した式 ( 1 ) のような補正式を算出して記憶する機能と、 第 1の強度をグルコース濃度 に換算する換算式を算出して記憶する機能とを有している。 さらに、 被検試料を 測定することにより得られた第 1の強度と第 2の強度とを、 記憶している補正式 及び換算式に代入することによりグルコース濃度を算出する機能を有している。 第 1の強度と第 2の強度との相関関係は、 第 1の実施形態において示したよう に、 既知の濃度のグルコース及ぴタンパク質を含む基準試料を測定することによ り求める。 この場合において、 第 1の強度を第 2の強度により補正する捕正式と、 補正後の第 1の強度をグルコース濃度に換算する換算式とは、 同時に求める構成 であっても、 別々に求める構成であってもよい。
また、 被検試料の測定により得られた第 1の強度の補正と換算とを順に行う構 成であっても、 同時に行う構成であってもよい。 さらに、 記憶させた補正式及び 換算式は、 いずれも繰り返し使用しても、 毎回新たに算出しなおしてもよい。 本実施形態のダルコース濃度測定装置を用いて、 被検試料のグルコース濃度を 測定した例を図 1 2に示す。 図 1 2 ( a ) は、 未補正の第 1の強度をグルコース 濃度に対してプロットした結果を示しており、 図 1 2 ( b ) は、 第 1の強度及び 第 2の強度を式 (1 ) 代入して補正した第 1の強度をグルコース濃度に対してプ ロットした結果を示している。 なお、 被検試料には、 グルコースォキシダーゼ法 (酵素法) を用いた臨床検査用グルコース濃度測定装置によりグルコース濃度を あらかじめ測定したヒト血漿を用いた。
図 1 2 ( a ) に示すように、 補正前のプロットはばらつきが大きく、 酵素法に より求めたグルコース濃度との相関に乏しい。 これは、 試料血漿中に含まれるタ ンパク質の影響を受けているためであると考えられる。 一方、 第 2の強度により 補正した後のプロットは、 きれいな直線関係を示し、 酵素法により求めたダルコ ース濃度との間に良好な相関関係が認められた。 本実施形態のグルコース濃度測定装置において用いる光源 1には、 測定対象で あるグルコースの吸収波長の光を発するものであれば用いることができ、 例えば、 S i Cを棒状に焼結したグローバ光源、 C O 2レーザ、 タングステン灯等を用い ることができる。 グルコースのように、 波数 1 0 3 3 c m— 1又は 1 0 8 0 c m—1 などの赤外域に吸収ピークがあるような物質を測定する場合には、 比較的広い波 長範囲を力パーすることができ、 1◦ミクロン程度の長波長領域でも良好に発光 するという観点から、 グローバ光源が好ましい。
A T R素子 2の材料としては、 シリコン、 ゲルマニウム、 S i C、 ダイアモン ド、 Z n S e、 Z n S及ぴ K r S等の公知の材料のうちいずれかを用いればよい。 グルコースのように、 波数 1 0 3 3 c m— 1又は 1 0 7 6 c m—1付近の赤外域に吸 収ピークがあるような成分を計測する場合には、 約 9ミクロン〜 1 0ミクロンの 赤外波長で透過率が高いという観点から、 シリコン又はゲルマニウムを用いれば よい。 さらに、 ホウ素やリン等の不純物含有量が小さいものが好ましく、 抵抗率 が 1 0 0 Ω c m以上のものがより好ましく、 抵抗率が 1 5 0 0 Ω c m以上のもの がさらに好ましい。
光ビーム検出手段 4としては、 当該分野で公知のものを用いることができる。 例えば、 焦電センサや M C T検出器 (量子型検出器の一種である H g C d T e検 出器) が挙げられる。
また、 演算処理手段 5は、 グルコースの濃度を反映する第 1の強度の測定に用 いる波数領域及びタンパク質の濃度を反映する第 2の強度の測定に用いる波数領 域が、 外乱、 内部反射角の変化等により変動した場合に変動量を補償するような 構成としてもよい。 具体的には、 得られたスペク トルの 2階微分を計算し、 2階 微分スぺクトルが極大を示す波数を得られたスぺクトル上の極小であるとして、 2階微分スぺクトルが極大を示した 2つの波数を用いてベースライン補正を行う。 このようにしてベースライン補正を行うと、 取得したスぺク トルの極小位置にお いて正確にベースライン補正をすることができるため非常に好ましい。 なお、 本実施形態においては第 1の波数に 1 0 3 3 cm-1を用い、 第 2の波数 に 1 5 3 1 cm—1を用いたが、 それぞれグルコースの濃度及ぴタンパク質の濃度 を反映する波数であれば他の波数を用いてもよい。 また、 ベースライン補正に用 いる波数領域もこれに合わせて変更してよい。
図 1 3 (a) 及ぴ図 1 3 (b) は強度の算出に用いる波数を変更した例を示す。 この場合には、 第 1の波数を 1 0 3 3 cm-1とし、 1 0 6 0 c m―1〜 1 0 1 6 c m一1の波数領域の吸収スペク トルを用いてベースライン補正を行った。 また、 第 2の波数は 1 5 3 1 c m"1とし、 1 5 60 c m一1〜 1 4 8 0 c m—1の波数領域の 吸収スペク トルを用いてベースライン補正を行った。 図 1 3 (a) は第 1の強度 をグルコース濃度に対して直接プロットしたグラフであり、 図 1 3 (b) は第 1 の強度を式 (1) により補正した後にグルコース濃度に対してプロットしたグラ フである。 このような波数を用いた場合においても、 式 (1) により補正を行う ことにより、 グルコース濃度と第 1の強度との間に良い相関が認められた。
図 1 4 (a) 及ぴ図 1 4 ( b ) は、 第 1の波数を 1 0 7 6 c πΓ1とし、 1 0 9 0 cm^ l 0 1 6 c m—1の波数領域の吸収スぺクトルを用いてベースライン補 正を行い、 第 2の波数は 1 5 3 1 c m一1とし、 1 5 6 0 c m -1〜 1 480 c m一1 の波数領域の吸収スぺク トルを用いてベースライン補正を行った例を示す。 図 1 4 (a) は第 1の強度をグルコース濃度に対して直接プロットしたグラフであり、 図 1 4 (b) は第 1の強度を式 (1) により補正した後にグルコース濃度に対し てプロットしたグラフである。 このような波数を用いた場合においても、 式 (1 ) により補正を行うことにより、 グルコース濃度と第 1の強度との間に良い相関 が認められた。
図 1 5 (a) 及び図 1 5 ( b ) は、 第 1の波数を 1 0 3 3 c in—1とし、 1 0 6 0。!!!—1〜 0 1 6 c m—1の波数領域の吸収スぺクトルを用いてベースライン補 正を行い、 第 2の波数は 1 3 9 4 c m— 1とし、 1 4 3 0 c m―1〜 1 3 7 0 c m一1 の波数領域の吸収スぺクトルを用いてベースライン補正を行った例を示す。 図 1 5 ( a ) は第 1の強度をグルコース濃度に対して直接プロットしたグラフであり、 図 1 5 ( b ) は第 1の強度を式 (1 ) により補正した後にグルコース濃度に対し てプロットしたグラフである。 このような波数を用いた場合においても、 式 (1 ) により補正を行うことにより、 グルコース濃度と第 1の強度との間に良い相関 が認められた。
また、 A T R素子 2の内部反射角が変化すると、 試料に照射される光の特性が 変化してしまうため、 吸収ピークが出現する波数がずれる場合がある。 この場合 には、 吸収ピークの波数のずれに応じて、 第 1の波数及び第 2の波数等をずらす ことが好ましい。
さらに、 本実施形態の装置は、 連続したスペク トルとして赤外吸収を測定する 構成としたが、 第 1の波数、 第 2の波数及び補正に用いる波数をあらかじめ設定 し、 設定した特定の波数についてのみ赤外吸収を測定する構成であってもよい。 第 2の実施形態の第 1変形例
以下に、 第 2の実施形態の第 1変形例について図面を参照しながら説明する。 第 2の実施形態においては、 溶液の試料を測定する例を示したが、 本変形例にお いては非侵襲で生体試料を測定する例について説明する。
本変形例においては、 図 1 1に示すグルコース濃度測定装置の試料セル 1 1の 試料接触面 3に被験者の口唇の粘膜を接触させグルコース濃度を測定する。 また、 本変形例においては比較のために、 各被験者の血液中のグルコース濃度をあらか じめ通常の酵素法を用いた臨床検査用グルコース濃度測定装置により測定した。 図 1 6 ( a ) 及ぴ図 1 6 ( b ) は、 本変形例における生体試料の測定結果を示し ており、 横軸は酵素法により測定した血液中のグルコース濃度であり、 縦軸は本 変形例のダルコース濃度測定装置により非侵襲で測定したダルコース濃度である。 なお、 図 1 6 (a) は、 捕正を行わず第 1の強度から直接グルコース濃度を算出 した場合の結果を示し、 図 16 (b) は第 1の強度を第 2の強度により補正して グルコース濃度を算出した場合の結果を示している。
本変形例においては、 第 1の波数には 1076 cm— 1を用い、 第 1の強度を算 出する際には 1090 c から 1016 c m—1の波数領域のスぺクトルに基づ いてベースライン補正を行った。 また、 第 2の波数には 1 53 1 cm—1を用い、 第 2の強度を算出する際には 1 560 cm l 480 c m—1の波数領域のスぺ クトルに基づいてベースライン補正を行った。
図 16 (a) に示すように、 第 1の強度のみから直接グルコース濃度を求めた 場合には、 酵素法とのずれが大きく正確なグルコース濃度を求めることができな レ、。 一方、 第 1の強度を第 2の強度により補正をしてグルコース濃度を算出した 場合には、 図 1 6 (b) に示すように酵素法と良い相関を示し正確なグルコース 濃度が求められている。
以上のように、 本変形例のグルコース濃度測定装置及び測定方法によれば、 非 侵襲で正確なグルコース濃度の測定を行うことができる。 第 2の実施形態の第 2変形例
以下に、 第 2の実施形態の第 2変形例について図面を参照しながら説明する。 図 1 7は、 本実施形態のグルコース濃度測定装置の構成を示す概略図である。 図 1 7に示すように、 第 2の実施形態においては試料セル 1 1を AT R素子に より形成したが、 本変形例においては、 山と谷が繰り返される複数の並行した溝 を表面に備えたプリズム 1 2により形成しており、 プリズム 1 2の溝部を試料接 触面 3としている。
本変形例のグルコース濃度測定装置においては、 光源 1から射出され、 分光手 段 8を経てプリズム 1 2の一端から入射された光ビーム 1 0は、 プリズム 1 2に 設けられた溝部の各谷を横切るように進行する。 このため、 各谷が埋まるように 試料を配置することにより、 試料に光ビーム 1 0を透過させることができる。 試 料を透過した光ビーム 1 0の強度を第 2の実施形態と同様に光強度検出器 4によ り電気信号に変換し、 演算処理装置 5によつて演算処理を行う。
なお、 図 1 7には液体の試料を測定する例を示しているが、 微細な溝部に密着 させることにより生体試料を非侵襲で直接測定することができる。
本変形例に構成によれば、 試料を透過した光を用いて測定を行うため、 高感度 の測定を行うことができる。 また、 試料のうち谷を埋める部分のみを光が透過す るため、 試料中を光が通る光路長は溝部の形状により機械的に決定され、 各サン プルにおいて常に一定となる。 従って、 形状や大きさに個体差がある口唇や手指 等の生体試料を用いて非侵襲で測定を行う際に、 光路長の捕正をする必要がなく、 簡便に正確な測定を行うことができる。
なお、 プリズム 1 2は、 A T R素子と同じくシリコン、 ゲルマニウム、 S i C、 ダイァモンド、 Z n S e、 Z n S及び K r S等の公知の材料のうちいずれかを用 いることができ、 グルコースのように、 波数 1 0 3 3 c m—1又は 1 0 7 6 c m一1 付近の赤外域に吸収ピークがあるような成分を計測する場合には、 約 9ミクロン 〜1 0ミクロンの赤外波長で透過率が高いという観点から、 シリコン又はゲルマ 二ゥムを用いればよい。 さらに、 ホウ素やリン等の不純物含有量が小さいものが 好ましく、 抵抗率が 1 0 Ο Ω c m以上のものがより好ましく、 抵抗率が 1 5 0 0 Ω c m以上のものがさらに好ましい。

Claims

請求の範囲 . 所定の赤外光を試料に入射させることにより前記試料において反射した光又 は前記試料を透過した光について光の強度を測定する測定工程と、 前記測定ェ 程で得られた前記光の強度を演算処理してグルコースの濃度を求める演算処理 工程とを備え、
前記演算処理工程は、 前記光の強度のうち試料中の標的物質であるダルコ一 スの濃度を反映する第 1の強度を、 前記光の強度のうち試料中の妨害物質であ るタンパク質の濃度を反映する第 2の強度に基づいて補正する補正工程と、 前記補正を行つた前記第 1の強度に基づいてグルコースの濃度を算出する算 出工程とを含むグルコース濃度測定方法。
. 請求項 1において、
前記第 1の強度は、 グルコースのピラン環の振動エネルギーに由来する赤外 吸収のピークが存在する第 1の波数領域に含まれる第 1の波数における前記光 の強度であり、
前記第 2の強度は、 タンパク質のアミド基の振動エネルギーに由来する赤外 吸収のピークが存在する第 2の波数領域に含まれる第 2の波数における前記光 の強度であるグルコース濃度測定方法。
. 請求項 2において、
前記第 1の波数領域は、 上限が 1 1 3 8 c m— 1であり且つ下限が 1 0 1 6 c m一1であるグルコース濃度測定方法。
. 請求項 2において、
前記第 1の波数領域は、 上限が 1 0 9 0 c m— 1であり且つ下限が 1 0 1 6 c m一1であるグルコース濃度測定方法。
. 請求項 2において、 前記第 1の波数領域は、 上限が 1060 c m—1であり且つ下限が 1016 cm 一1であるダルコース濃度測定方法。
6. 請求項 2において、
前記第 2の波数領域は、 上限が 1 560 c m— 1であり且つ下限が 1480 c m一1であるグルコース濃度測定方法。
7. 請求項 2において、
前記第 2の波数領域は、 上限が 1430 c m— 1であり且つ下限が 1 370 c m一1であるグルコース濃度測定方法。
8. 請求項 2において、
前記第 1の波数は、 グルコースのエーテル CO伸縮及ぴアルコール COH伸 縮によって生じる赤外吸収のピークの波数であるグルコース濃度測定方法。
9. 請求項 8において、
前記第 1の波数は 1033 c m—1であるグルコース濃度測定方法。
10. 請求項 2において、
前記第 1の波数は、 グルコースの CH変角によって生じる赤外吸収のピーク の波数であるグルコース濃度測定方法。
1 1. 請求項 10において、
前記第 1の波数は 1076 c m—1であるグルコース濃度測定方法。
1 2. 請求項 2において、
前記第 2の波数は、 タンパク質の C N伸縮と N H面内変角の混成モードに基 づく赤外吸収のピークの波数であるグルコース濃度測定方法。
1 3. 請求項 1 2において、
前記第 2の波数は、 1 53 1 cm— 1であるグルコース濃度測定方法。
14. 請求項 1 2において、
前記第 2の波数は、 1394 c m—1であるグルコース濃度測定方法。
5 . 請求項 2において、
前記測定工程は、 所定の波数の領域について、 前記光の強度を測定すること により前記光の強度を赤外吸収スぺクトルとして得る工程であり、
前記第 1の強度及ぴ前記第 2の強度は、 それぞれ前記赤外吸収スぺクトルを 前記第 1の波数領域においてベースライン補正して求めた第 1の波数における 前記光の強度及ぴ前記赤外吸収スぺクトルを前記第 2の波数領域においてべ一 スライン補正して求めた第 2の波数における前記光の強度であるグルコース濃 度測定方法。
6 . 請求項 2において、
前記測定工程は、 所定の波数の領域について、 前記光の強度を測定すること により前記光の強度を赤外吸収スぺクトルとして得る工程であり、
前記第 1の強度及び前記第 2の強度は、 それぞれ前記赤外吸収スぺク トルの 前記第 1の波数領域におけるピークの面積及び前記赤外吸収スぺクトルの前記 第 2の波数領域におけるピークの面積であるグルコース濃度測定方法。
7 . 請求項 1において、
既知量のグルコース及び既知量のタンパク質を含む基準試料について、 前記基準試料中のグルコース濃度を反映する前記光の強度である第 1の基準 強度と、 前記基準試料中のタンパク質濃度を反映する前記光の強度である第 2 の基準強度とをそれぞれ測定し、
測定した前記第 1の基準強度と前記第 2の基準強度との差又は比に基づいて、 前記第 1の強度に対して前記妨害物質が与える影響を補正する補正式を求め る補正式算出工程をさらに備え、
前記補正工程においては前記補正式を用いて補正を行うグルコース濃度測定 方法。
8 . 請求項 1 7において、 前記補正式算出工程は、 前記測定工程の直前に行うグルコース濃度測定方法。 9 . 請求項 1 7において、
前記補正式算出工程を行った後、 前記測定工程及び前記演算処理工程を順次 2 回以上繰り返すグルコース濃度測定方法。
0 . 請求項 1において、
前記測定工程は、 減衰全反射プリズムを用いて前記強度を測定する工程であ るグルコース濃度測定方法。
1 . 請求項 1において、
前記測定工程は、 透過光を用いて前記強度を測定する工程であるグルコース 濃度測定方法。
2 . 請求項 1において、
前記試料は、 生体試料であり、 生体を非侵襲で測定するグルコース濃度測定 方法。
3 . 光源と、 前記光源から出射された光を試料に入射させる光学素子部と、 前 記試料において反射した光又は前記試料を透過した光について光の強度を検出 する検出器と、 前記検出器において検出された前記光の強度を演算処理して前 記試料中のグルコース濃度を求める演算手段とを備え、
前記演算手段は、 検出された前記光の強度に基づいて、 標的物質であるダル コースの濃度を反映する前記光の強度である第 1の強度と、 妨害物資であるタ ンパク質の濃度を反映する前記光の強度である第 2の強度とを演算することに より、 前記第 1の強度に対して前記妨害物質が与える影響を補正する機能と、 前記補正をした前記第 1の強度を演算することによりグルコースの濃度の算 出を行う機能とを有しているグルコース濃度測定装置。
4 . 請求項 2 3において、
前記第 1の強度は、 グルコースのピラン環の振動エネルギーに由来する赤外 吸収のピークが存在する第 1の波数領域に含まれる第 1の波数における前記光 の強度であり、
前記第 2の強度は、 タンパク質のアミ ド基の振動エネルギーに由来する赤外 吸収のピークが存在する第 2の波数領域に含まれる第 2の波数における前記光 の強度であるグルコース濃度測定装置。
25. 請求項 24において、
前記第 1の波数領域は、 上限が 1 1 38 c m—1であり且つ下限が 1 01 6 c m一1であるグルコース濃度測定装置。
26. 請求項 24において、
前記第 1の波数領域は、 上限が 1090 c m—1であり且つ下限が 1 01 6 c m一1であるグルコース濃度測定装置。
27. 請求項 24において、
前記第 1の波数領域は、 上限が 1060 c m— 1であり且つ下限が 1 01 6 c m一1であるグルコース濃度測定装置。
28. 請求項 24において、
前記第 2の波数領域は、 上限が 1 560 c m—1であり且つ下限が 1480 c m一1であるグルコース濃度測定装置。
29. 請求項 24において、
前記第 2の波数領域は、 上限が 1430 c m— 1であり且つ下限が 1 370 c m一1であるグルコース濃度測定装置。
30. 請求項 24において、
前記光の強度を所定の波数領域において検出することにより赤外吸収スぺク トルを得る手段をさらに有し、
前記第 1の強度及び前記第 2の強度は、 それぞれ前記赤外吸収スぺク トルを 前記第 1の波数領域においてベースライン補正して算出した前記第 1の波数に おける前記光の強度及び前記赤外吸収スぺクトルを前記第 2の波数領域におい てベースライン補正して算出した前記第 2の波数における前記光の強度である グルコース濃度測定装置。
1 . 請求項 3 0において、
前記赤外吸収スぺクトルを得る手段は、 フーリエ変換赤外分光器であるダルコ ース濃度測定装置。
2 . 請求項 2 4において、
前記光の強度を所定の波数領域において測定することにより赤外吸収スぺク トルを得る手段をさらに有し、
前記第 1の強度及び前記第 2の強度は、 それぞれ前記赤外吸収スぺクトルの 前記第 1の波数領域におけるピークの面積及ぴ前記赤外吸収スぺク トルの前記 第 2の波数領域におけるピークの面積であるグルコース濃度測定装置。
3 . 請求項 3 2において、
前記赤外吸収スぺクトルを得る手段は、 フーリエ変換赤外分光器であるダルコ ース濃度測定装置。
4 . 請求項 2 3において、
前記光学素子部は、 表面に前記試料を保持することができる減衰全反射プリ ズムを含んでいるグルコース濃度の測定装置。
5 . 請求項 2 3において、
前記光学素子部は、 表面に前記試料を保持することができ、 且つ、 前記表面 に複数の溝部が形成されたプリズムを含み、
前記プリズムは、 前記試料を前記溝部を含む前記プリズムの表面に接触させ ることにより、 前記試料のうち前記溝部を埋める部分に前記光源からの光を入 射させるグルコース濃度の測定装置。
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