JP2004197549A - 構造物のアンカー構造、構造物のアンカー構造に用いる制振装置及び転がり支承装置 - Google Patents

構造物のアンカー構造、構造物のアンカー構造に用いる制振装置及び転がり支承装置 Download PDF

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Abstract

【課題】嵩張らず、安価で、振動吸収性能と基礎パッキン材としての機能を兼ね備えた構造物のアンカー構造の提供
【解決手段】この構造物のアンカー構造1は、住宅の土台6(構造物の上部構造)と基礎コンクリート7(下部構造)との間の制振層8において、複数の転がり支承装置3を略均等に住宅の上部構造の鉛直荷重を支持するように配設するとともに、複数の制振装置5を、住宅の上部構造の捩じれ振動を抑制するように配設している。地震時においては、上下の硬質板10、11のせん断方向の振動に伴って、硬球体2は硬質板10、11との間で滑ることなく転動する。制振装置5は、地震時には、上下の硬質板21、22のせん断方向の振動に伴って、制振部材4がせん断方向に変形しながら、せん断方向の振動を吸収するとともに、上部構造の捩じれ振動も抑制することができる。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、構造物の上部構造と下部構造との間に装着され、下部構造の上に上部構造を固定する構造物のアンカー構造に関するものであって、嵩張らず、住宅の基礎部の通気用の基礎パッキン材としての機能を兼ね、また高性能の振動吸収性能を安価に得ることができる構造物のアンカー構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
住宅などの軽量構造物は、一般に布基礎とも言われる基礎コンクリート101の上に建築されている。基礎コンクリート101(下部構造)の上に建築物(構造物)の土台103(上部構造)を固定する場合は、例えば、図12に示すように、L字状のアンカーボルト102の下部を基礎コンクリート101に埋設し、アンカーボルト102の上部を土台103に貫通させ、その土台103の上面に突出した部分をワッシャ104、ナット105で固定していた。
【0003】
しかし、単に土台103を基礎101の上に固定しただけでは、大型車の通行により生じる交通振動が、基礎コンクリート101から土台103にそのまま伝わるため、図13に示すように、土台103と基礎コンクリート101の間にゴム板100を挟んで、交通震動を緩和するものがあった。しかし、この場合でも、アンカーボルト102が土台103と基礎コンクリート101をしっかりと連結しており、アンカーボルト102を介して基礎コンクリート101から土台103に震動がそのまま伝わるため、震動はさほど緩和されず、十分な免震効果は得られなかった。
【0004】
なお、このようなゴム板100は、住宅の基礎部の通気用の基礎パッキン材としての機能を備えている。すなわち、ゴム板100を、基礎コンクリート101と住宅の土台103との間に所定の間隔を開けて複数配設することにより、土台103と基礎コンクリート101との間に生じた隙間から基礎コンクリート101の内部の換気が行え、基礎コンクリート101内の空気の流れが良くなる。また、基礎コンクリート101と土台103との縁を切ることにより、基礎コンクリート101が吸った水分を土台103に伝えないという作用がある。
【0005】
この種の基礎パッキン材の一般的な技術水準を示す公知文献としては、下記の特許文献1が知られている。
【0006】
また、ダンプカーなどの大型の自動車による振動や鉄道車両の通行に伴う交通振動や地震による振動を吸収する制振機能を兼ね備えた基礎パッキン材としては、上下の硬質板の間に円形の穴を有する復元用のゴム材を配設し、ゴム材の穴の中に硬球体を転動可能に配設した転がり支承構造を備えたものが下記の特許文献2に提案されている。
【0007】
【特許文献1】特開2001−355350号公報
【特許文献2】特開2000−110403号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特許文献1に記載されている基礎パッキン材は、構造物の上部構造と下部構造の間にゴム材を挟んだだけであり、地震やダンプカーなどの大型の自動車による振動や鉄道車両の通行に伴う交通振動を吸収する制振機能が十分でなかった。
【0009】
また、特許文献2に記載されている基礎パッキン材は、一定の制振効果は期待できるものの、構造上、設置時に硬球体がゴム材の穴の中央に位置していることが保証されていない。このため、硬球体がゴム材の穴の内周面に接した状態で配設されている可能性があり、このような場合には振動時に硬球体がすぐにゴム材に乗り上げてしまう。本発明者らの知見によれば、ゴム材に硬球体が乗り上げると、硬球体が乗り上げた位置でゴム材が破損する場合があるので、十分な制振効果を得ることができない。
【0010】
また、積層ゴムとオイルダンパーを組み合わせた免震装置はよく知られているが、積層ゴムやオイルダンパーは大きく、設置コストや設置スペースが嵩み、一般住宅などの比較的小さな構造物には不経済であり、あまり普及していない。
【0011】
そこで、本発明は、嵩張らず、安価で、振動吸収性能と基礎パッキン材としての機能を兼ね備えた構造物のアンカー構造を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る構造物のアンカー構造は、上下の第1硬質板の中央部に硬球体を位置決めした状態で配設した複数の転がり支承装置を、構造物の上部構造の鉛直荷重を支持するように、構造物の下部構造と上部構造との間に分散させて配設するとともに、高減衰ゴムの上下端面に第2硬質板をそれぞれ取り付けた複数の制振装置を、前記構造物の上部構造の捩じれ振動を抑制するように、構造物の下部構造と上部構造との間に分散させて配設したことを特徴としている。
【0013】
この構造物のアンカー構造は、構造物の上部構造と下部構造の縁が切られているので、上述した特許文献1に記載されたアンカー構造に比べても、より高度な制振機能を得ることができる。また、転がり支承装置と制振装置を別々の構成要素にして構造物の下部構造と上部構造との間に配設しているので、特許文献2に記載されたアンカー構造と異なり、硬球体が制振用のゴム材に乗り上げるなどの不具合は生じない。また、転がり支承装置については、上下の第1硬質板の中央部に硬球体を位置決めした状態で配設しているので、硬球体の転動幅を広く確保することができる。また、転がり支承装置と制振装置を別々の構成要素にして構造物の下部構造と上部構造との間に配設しているので、転がり支承装置と制振装置の設置数、設置位置についての自由度が高く、制振装置を構造物の上部構造の捩じれ振動を抑制するように配設することが可能になるので、より高度な制振性能を得ることができる。
【0014】
このように、本発明に係る構造物のアンカー構造によれば、嵩張らず、安価で、振動吸収性能と基礎パッキン材としての機能を兼ね備えているので、特に一般住宅のような比較的小さな構造物に適用できる。
【0015】
なお、複数の転がり支承装置が構造物の上部構造の鉛直荷重を略均等に支持するように分散させて配設するとよく、また、制振装置には鉛直荷重が掛からないようにするとよい。
【0016】
また、転がり支承装置に代えて、複数の滑り支承装置を、構造物の上部構造の鉛直荷重を支持するように、構造物の下部構造と上部構造との間に分散させて配設してもよい。この場合、滑り支承装置には、例えば、上下の第3硬質板の間に滑動体を配設したものを採用することができる。
【0017】
また、制振装置は、具体的には構造物の上部構造と下部構造との間の制振層の偏心率が3%以内になるように配設することにより、構造物の上部構造の捩じれ振動を効果的に抑制することができる。
【0018】
高減衰ゴムのせん断弾性率は、高減衰ゴムの高さに対して±25%以下の振幅領域において100N/cm以上で、かつ、高減衰ゴムの高さに対して±150%以上の振幅領域において40N/cm以下であることが望ましい。このような特性を有する弾性材料を用いることにより、風や交通振動などの微小な振動に対しては、高減衰ゴムのせん断変形を抑制し、地震のように大きな加速度(慣性力)を伴う大きな揺れに対しては、高減衰ゴムが大きなせん断変形を行うようになる。すなわち、高減衰ゴムが風や交通振動に対するトリガーとして機能する。
【0019】
また、高減衰ゴムに用いられている弾性材料の損失係数tanδは0.3以上であることが望ましい。これにより、高性能な振動吸収性能を発揮することができる。
【0020】
また、高減衰ゴムは、基材ゴム100重量部に対し、シリカを105重量部以上150重量部以下の割合で配合するとともに、減衰性能を向上させる樹脂を配合することにより、損失係数tanδが0.3以上で、かつ、限界変形が高さの4倍以上にしたものを採用するとよい。この場合、基材ゴムを天然ゴムとし、減衰性能を向上させる樹脂として少なくともクマノン・インデン樹脂を配合することが好ましい。
【0021】
また、60年相当の熱老化促進による劣化を与えた後、周波数2Hzで実験を行った際に、せん断弾性率Gおよび/又は損失係数tanδの変化率が30%以内である弾性材料を高減衰ゴムに用いることにより、制振装置に必要な性能を長期間確保することができる。
【0022】
第1硬質板又は第3硬質板の硬さをHRC20以上にすることにより、硬球体の転動面又は滑動体の滑動面が凹むのを抑えることができ、ヒステリシスループに負勾配が発生するのを抑制することができ、効果的な制振機能を持たせることができる。第1硬質板又は第3硬質板は、冷間圧延加工により加工硬化させることにより、HRC20以上の硬さを安価に確保することができる。また、第1硬質板又は第3硬質板を冷間圧延加工により加工硬化させたものは、熱処理により硬度を向上させた場合に比べて第1硬質板又は第3硬質板に歪が生じないのでより平坦な転動面(滑動面)が得られ、硬球体のより滑らかな転動を確保することができる。
【0023】
また、硬球体の硬さをHRC20以上にすることにより、硬球体が凹むのを抑えることができ、ヒステリシスループでの負勾配の発生を抑制して、効果的な制振機能を持たせることができる。硬球体は、転動加工により加工硬化させることにより、HRC20以上の硬さと所要の真球度を安価に確保することができる。
【0024】
また、第1硬質板が、硬球体が位置決めされる所定の位置を中心とし、かつ、硬球体の直径の2倍の距離を半径とする円を含む前記硬球体の転動面を備えていることにより、長周期化を図ることができる。前記制振装置のせん断変形量を、高減衰ゴムの破断限界又は降伏限界以下に規制するストッパを設けるとよい。このストッパにより、高減衰ゴムをゴムの破断限界又は降伏限界内でせん断変形させることができるので、地震時に高減衰ゴムが破断するのを防止できる。なお、一般的には、ゴムのせん断方向の破断限界又は降伏限界は、ゴムの高さの4倍程度のせん断変形量とされているので、これを考慮して高減衰ゴムのせん断変形を高減衰ゴムの高さの4倍程度(又は、高減衰ゴムの高さの4倍に安全率を考慮したせん断変形量)に規制するストッパを設けるとよい。
【0025】
また、転がり支承装置は、上下の第1硬質板の間に取り付けた軟質弾性体からなる筒状体に内接させて、硬球体を上下の第1硬質板の中央部に位置決めしたものでもよい。このような軟質弾性体は、硬球体の転動を出来る限り妨げないものであることが望ましい。例えば、硬球体の転動に伴って簡単に破壊されるものでもよい。軟質弾性体に用いる弾性材料には、例えば、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)などの合成ゴム発泡体や、軟質ウレタンフォームやポリスチレン発泡体やポリエチレン発泡体を採用することができる。
【0026】
また、転がり支承装置は、前記硬球体を前記上下の第1硬質板の中央部に接着して位置決めしてもよい。
【0027】
また、転がり支承装置の上下の第1硬質板又は前記滑り支承装置の上下の第3の硬質板、及び、制振装置の上下の第2硬質板が、硬球体、滑動体又は高減衰ゴムを取り付けた中央部を挟んだ両側にそれぞれボルト締結部を備えており、片側の第1ボルト締結部が両側のボルト締結部を結ぶ直線に沿ってボルトを装着・離脱可能なボルト装着用の切欠きを有し、かつ、反対側の第2ボルト締結部が前記直線に略直交する方向に沿ってボルトを装着・離脱可能なボルト装着用の切欠きを有していることを特徴としている。これにより、設置時の取り付けや竣工後の取り外しや取り付け作業が容易になる。
【0028】
この場合、第2ボルト締結部の切欠きを、第1ボルト締結部の所定のボルト締結位置を中心とし、所定のボルトピッチを半径とする円弧に添って形成したことが望ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る構造物のアンカー構造を図面に基づいて説明する。
【0030】
この構造物のアンカー構造1は、図1、図2に示す硬球体2を用いた複数の転がり支承装置3と、図3、図4に示す高減衰ゴムからなる制振部材4を用いた複数の制振装置5を、住宅の土台6(構造物の上部構造)と基礎コンクリート7(下部構造)との間の制振層8に配設したものであり、地震時の振動を吸収する制振機能と、基礎パッキン材としての機能を兼ね備えている。
【0031】
転がり支承装置3は、図1に示すように、硬球体2と、円筒形状の収容部材9と、硬球体2及び収容部材9を上下に挟む硬質板10、11を備え、収容部材9の中に硬球体2を入れ、収容部材9の下端に、上下の硬質板10、11をそれぞれ接着したものである。なお、収容部材9は上端を接着せずに、下端を下側の硬質板11に接着したものでもよい。
【0032】
この硬球体2は、所要の硬さと真球度を備えた直径40mmの球体であり、略球形に粗加工した鋼材に転動加工を施して製造したものである。転動加工は、略球形に粗加工した鋼材を研磨板で上下に挟み、研磨板間で転動させて鋼材の表面の歪を除去しながら、球形に整形するものである。硬球体2は、転動加工により加工硬化が生じて硬さが増す。この転動加工によれば、S15Cなどの安価な鋼材を用いて、HRC20以上の硬さと、高度な真球度を備えた硬球体を得ることができ、硬球体2の部品コストを安くすることができる。
【0033】
収容部材9は、例えば、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)などの耐候性に優れた合成ゴム発泡体や、軟質ウレタンフォームやポリスチレン発泡体やポリエチレン発泡体などの軟質弾性材料からなるスポンジ状の円筒形状の部材である。収容部材9の内径は、硬球体2の直径と同じか、硬球体2の直径よりも少し小さくなっている。また、収容部材9の高さは、硬球体2の高さと略同じになっている。
【0034】
硬質板10、11は、図2に示すように、所要の硬さと平面度を備えた5mm厚の略ひし形の板状部材であり、中央部に収容部材9を接着して硬球体2を中央に位置決めしている。硬質板10、11には、硬球体2を位置決めする位置を中心として、硬球体2の直径の2倍の距離を半径とする円を含む転動面を備えている。
【0035】
この硬質板10、11は、板状素材に冷間圧延加工を施して製造している。冷間圧延加工は、板状素材を圧延ローラで挟みながら引き抜くものであり、熱処理を施すことがないので歪が生じることがなく、これにより所要の平面度を確保することができる。また加工硬化により所要の硬さを得ることができる。この冷間圧延加工によれば、SUS304などの鋼材を用いて、HRC20以上、より好ましくはHRC25以上の硬質板10、11を得ることができる。
【0036】
中央部に収容部材9を接着して硬球体2を中央に位置決めしている。この硬質板10、11は、硬球体2を位置決めする位置を中心として、硬球体2の直径(40mm)の2倍(80mm)の距離を半径とする円よりも大きい転動面を備えており、この転がり支承装置3は、硬球体2を位置決めする位置を中心として、硬球体2が直径の2倍以上の距離を転動することができるようになっている。
【0037】
上下の硬質板10、11の両側には、アンカーボルト13、14を締結するボルト締結部15、16を設けている。片側の第1ボルト締結部15には両側のボルト締結部15、16を結ぶ直線Lに沿って切欠き17を形成しており、反対側の第2ボルト締結部16には両側のボルト締結部15、16を結ぶ直線に直交する方向に沿って切欠き18を形成している。第2ボルト締結部16の切欠き18は、詳しくは、第1ボルト締結部15の所定の締結位置(例えば、設計上のボルト締結位置O)を中心とし、所定のボルトピッチ(例えば、設計上のボルトピッチP)を半径とする円弧Cに沿って形成している。
【0038】
各ボルト締結部15、16の切欠き17、18の幅は、アンカーボルト13、14の直径よりも少し大きくなっており、切欠き17、18に沿ってアンカーボルト13、14を装着・離脱させることができるようになっている。また、切欠き17、18は、施工時の誤差を許容できるように、設計上のボルト締結位置よりも深く形成している。
【0039】
この転がり支承装置3を施工するときは、図5に示すように、切欠き17、18に沿って第1ボルト締結部15に片側のアンカーボルト13に装着し、図中の2点鎖線で示すように、転がり支承装置3を回動させて切欠き17に沿って反対側のアンカーボルト14を第2ボルト締結部16に装着する。そして、図1に示すように、ナット19で転がり支承装置3を固定する。
【0040】
この構造物のアンカー構造1においては、図6に示すように、住宅の土台6(構造物の上部構造)と基礎コンクリート7(下部構造)との間の制振層8において、各転がり支承装置3が略均等に上部構造の鉛直荷重を支持するように、基礎コンクリート7の上に複数の転がり支承装置3を配設する。なお、この転がり支承装置3は、一つで約1.5tonf(約15kN)の荷重を支持することが可能である。
【0041】
この転がり支承装置3は、硬球体2は硬質板10、11に点接触で支持されているが、硬質板10、11が所要の硬さと平面度を備えており、かつ、硬球体2も所要の硬さと真球度を備えているので、上下の硬質板10、11間に鉛直方向の圧縮荷重が掛かった状態でも、硬球体2および硬質板10、11に凹みがほとんど生じない。このため、地震により、上下の硬質板10、11がせん断方向に振動したときには、硬球体2は上下の硬質板10、11から摩擦力を受けて、上下の硬質板10、11の間で収容部材9を変形又は破損させながら滑ることなく転動する。このとき硬球体2に掛かる力が大きいので、収容部材9は簡単に変形又は破損し、地震時の硬球体2の転動に対しては大きな抵抗にならない。
【0042】
他方、制振装置5は、図3、図4に示すように、高減衰ゴム製の高減衰ゴムからなる円柱形状の制振部材4と、制振部材4を上下に挟む硬質板21、22と、ゴム製の被覆材23を備え、制振部材4の上端及び下端にそれぞれ硬質板21、22を加硫接着し、制振部材4の外周面をゴム製の被覆材23で被覆したものである。
【0043】
この制振部材4は、高さが40mmの高減衰ゴムであり、上下の硬質板23は、厚さが約5mmの鋼板プレートである。なお、この制振部材4には、製造工程上の理由から中央に穴があるが、制振装置4は完全な中実の部材でもよい。
【0044】
制振部材4は、詳しくは、せん断弾性率が、制振部材4の高さに対して±25%以下の振幅領域において100N/cm以上で、かつ、高減衰ゴムの高さに対して±150%以上の振幅領域において40N/cm以下のものであることが望ましい。制振部材4に、このような特性を有する弾性材料を用いることにより、風や交通振動などの微小な振動に対しては、制振部材4のせん断変形を抑制することができ、かつ、地震のように大きな加速度(慣性力)を伴う大きな揺れに対しては、制振部材4が大きなせん断変形を行うようになる。すなわち、制振装置5が、それ自体、風や交通振動に対するトリガーとして機能を備えたものになる。
【0045】
また、制振装置5に用いられている高減衰の弾性材料は、損失係数tanδが0.3以上、より好ましくは0.5以上であることが望ましい。ここで、ゴム材料の動的特性を複素弾性率で表現した場合、実数部分を貯蔵弾性率G1、虚数部分を損失弾性率G2といい、貯蔵弾性率G1と損失弾性率G2の比を損失係数tanδという(損失係数tanδ=貯蔵弾性率G1/損失弾性率G2)。
【0046】
損失係数tanδは、制振材料の制振特性の評価指標の一つである。すなわち、制振材料は、振動応答系に減衰があると、その応力・歪み線図(あるいは荷重・変位線図)は履歴曲線(ヒステリシスループ)を描くのであるが、損失係数tanδは、1サイクルで消費されるエネルギと貯蔵される最大エネルギの比に比例する量で、等価減衰定数の約2倍の値に対応する。従って、損失係数tanδが大きいほど減衰性の高い材料になる。
【0047】
また、制振部材4には、60年相当の熱老化促進による劣化を与えた後、周波数2Hzで実験を行った際に、せん断弾性率Gおよび/又は損失係数tanδの変化率が30%以内であるゴム材料を用いると良い。すなわち、一般住宅の耐用年数は50年〜60年程度であるから、少なくともその間、制振装置5に必要な性能を確保することができる。後記表1に、制振部材4に用いるゴム材料の好適な配合例を示す。なお、表1中、phrは、配合剤の質量をゴム100部に対する部数で示すときに用いる記号である。
【0048】
制振装置5に用いる硬質板21、22には、大きな荷重が掛からないので、通常の歪のない鋼板プレートを用いることができる。この実施形態では、SUS304の鋼板プレートを用いている。
【0049】
なお、硬質板21、22は、図4に示すように、転がり支承装置3の硬質板10、11(図2参照)と同様の略ひし形の板状部材であり、中央部に制振部材4を接着している。上下の硬質板21、22の両側には、転がり支承装置3の硬質板10、11と同様に、アンカーボルト24、25を締結するボルト締結部26、27を設けている。片側の第1ボルト締結部26には両側のボルト締結部26、27を結ぶ直線Lに沿って切欠き28を形成しており、反対側の第2ボルト締結部27には両側のボルト締結部26、27を結ぶ直線に直交する方向に沿って切欠き29を形成している。第2ボルト締結部27の切欠き29は、詳しくは、第1ボルト締結部26の所定の締結位置(例えば、設計上のボルト締結位置O)を中心とし、所定のボルトピッチ(例えば、設計上のボルトピッチP)を半径とする円弧Cに沿って形成している。
【0050】
各ボルト締結部26、27の切欠き28、29の幅は、アンカーボルト24、25の直径よりも少し大きくなっており、切欠き28、29に沿ってアンカーボルト24、25を装着・離脱させることができるようになっている。また、切欠き28、29は、施工時の誤差を許容できるように、設計上のボルト締結位置よりも深く形成している。
【0051】
この制振装置5を施工するときは、図5に示す転がり支承装置3と同様に、切欠き28に沿って第1ボルト締結部26に片側のアンカーボルト24に装着し、制振装置5を回動させて切欠き29に沿って反対側のアンカーボルト25を第2ボルト締結部27に装着する。そして、図3に示すように、ナット30で制振装置5を固定する。
【0052】
また、制振部材4の外周面を被覆する被覆材23の材質には、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)などの耐候性材料を用いるとよい。
【0053】
制振装置5は、構造物の上部構造の捩じれ振動を抑制するように配設する。具体的には、構造物の上部構造と下部構造との間の制振層の偏心率が3%以内になるように配設する。なお、構造物の上部構造と下部構造との間の制振層の偏心率は、後記式1により算出する。また、制振装置4のせん断変形量を、制振部材4の高さの4倍以下に規制するストッパ(図示省略)を設けるとよい。このストッパにより、制振部材4をゴムの破断限界又は降伏限界内でせん断変形させることができるので、地震時に制振装置4が破断するのを防止できる。なお、変形規制時の衝撃を緩和するため、ストッパは弾性的な緩衝部材を採用することが望ましい。
【0054】
図6は、住宅の下部構造としての基礎コンクリート7に、この構造物のアンカー構造1の転がり支承装置3と制振装置5を設置した設置例を示している。
【0055】
この構造物のアンカー構造1は、図6に示すように、住宅の土台6(構造物の上部構造)と基礎コンクリート7(下部構造)との間の制振層8において、複数の転がり支承装置3を略均等に住宅の上部構造の鉛直荷重を支持するように配設するとともに、複数の制振装置5を、住宅の上部構造の捩じれ振動を抑制するように配設している。住宅の上部構造の鉛直荷重は、転がり支承装置3によって支承されており、制振装置5には、ほとんど鉛直荷重が掛かっていない。
【0056】
転がり支承装置3の硬球体2は、収容部材9により硬質板の中央に位置決めしているので、運搬時や施工時に硬球体2の位置がずれることはない。施工後は、硬球体2と硬質板10、11との間に鉛直方向に約15KNの力が掛かっているので、硬質板10、11との間で滑ることなく硬球体2の位置がずれることはない。地震時においては、上下の硬質板10、11のせん断方向の振動に伴って、硬球体2は硬質板10、11との間で滑ることなく転動する。このとき、上下の硬質板10、11と硬球体2がそれぞれ所要の硬さを備えているので、それぞれ接触面での変形量が少なく、硬球体2は滑らかに転動する。このためヒステリシスループに負勾配は生じない。
【0057】
制振装置5は、地震時には、上下の硬質板21、22のせん断方向の振動に伴って、制振部材4がせん断方向に変形しながら、せん断方向の振動を吸収するとともに、上部構造の捩じれ振動も抑制することができる。
【0058】
この構造物のアンカー構造1は、硬球体2が滑らかに転動するので、ヒステリシスループに負勾配は生じず、また、制振装置5によって、せん断方向の振動を吸収するとともに、上部構造の捩じれ振動も抑制することができるので、高度な振動吸収性能を発揮することができる。
【0059】
このように、この構造物のアンカー構造1は、地震動などを吸収する振動吸収機能を備えており、転がり支承装置3や制振装置5は、それぞれ積層ゴムやオイルダンパーに比べてかなり小型かつ安価であり、極めて低コストに設置できる。また、基礎コンクリートの上に分散して配設した複数の転がり支承装置により、上部構造の鉛直荷重を分配して支持しているので、住宅の土台や基礎コンクリートに大きな集中荷重が掛からない。このため、住宅の土台や基礎コンクリートを補強する必要もない。
【0060】
また、この構造物のアンカー構造は、転がり支承装置3や制振装置5の高さをそれぞれ50mm程度にすることができ、嵩張らず、住宅の基礎コンクリート部分の通気性を良くする基礎パッキン材としての機能も兼ね備えたものにすることができる。
【0061】
また、この構造物のアンカー構造1は、転がり支承装置3と制振装置5を別々の構成要素にして基礎コンクリート7と住宅の土台6との間に配設しているので、特許文献2に記載されているものと比べても、転がり支承装置3と制振装置5の設置数、設置位置についての自由度が高く、転がり支承装置3と制振装置5を上述したように各機能に応じた位置に設置することができる。これにより、設置コストを安くすることができ、また高度な制振性能を得ることができる。
【0062】
また、この構造物のアンカー構造1は、転がり支承装置3と制振装置5を別々の構成要素にして基礎コンクリート7と住宅の土台6との間に配設しているので、特許文献2に記載されているもののように、硬球体2が制振用のゴム材に乗り上げるなどの不具合は生じることはない。
【0063】
また、転がり支承装置3については、収容部材9により上下の硬質板10、11の中央部に硬球体2を位置決めした状態で配設しており、その周りに制振部材4が無いので、硬球体2の転動幅を広く確保することができる。これにより、より高度な振動吸収性能を得ることができる。
【0064】
また、制振装置5のせん断方向の振動吸収性能は、制振部材4の材質が同じであれば、制振部材4のせん断断面積に基因するところが大きい。この制振装置5は、制振部材4に硬球体2を収容する穴が無いので、外径寸法が同じものを比べれば、特許文献2に記載されているものに比べて振動吸収性能が良く、より少ない個数で同等の振動吸収性能を発揮することができる。また、この制振装置5は、制振部材4が円柱形状であるので、水平方向の揺れに対して均一な振動吸収性能を発揮する。
【0065】
以下、制振装置に用いる高減衰ゴムの実施例を説明する。
【0066】
制振装置に用いる高減衰ゴムは、損失係数tanδが0.3以上で、かつ、限界変形(高減衰ゴムの水平反力の低下が発現する水平変形量)が高減衰ゴムの高さの4倍以上になる性状を備えるものであることが好ましい。すなわち、制振装置に用いる高減衰ゴムには、硬度内な減衰性能と変形性能を同時に備えたゴム組成物を用いるのが良い。
【0067】
このような性状を備える高減衰ゴムを製造するため、高減衰ゴムは、シリカを、基材ゴム100重量部に対し、105重量部以上150重量部以下の割合で配合するとともに、減衰性能を向上させる樹脂を配合するとよい。また、高減衰ゴムの引張限界強度は0.5N/mm以上であることが好ましく、また高減衰ゴムの水平変形−水平反力の特性は、バイリニアループと良く一致することが好ましい。また、高減衰ゴムの歪み依存性、繰り返し依存性、温度依存性、速度依存性はそれぞれ小さいことが好ましい。
【0068】
基材ゴムとしては、天然ゴムの他、合成ゴムでも良く、合成ゴムとしては、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム等を用いることができ、1種類を使用しても良いし、2種類以上の混合物を使用してもよい。
【0069】
シリカは、基材ゴムに配合すると、優れた高減衰性と弾性率の温度依存性の少ないものが得られる。このため、基材ゴム100重量部に対し、シリカを105重量部以上の割合で配合することが好ましい。しかし、シリカの配合量が基材ゴムの量に対して多すぎると、混練や押出などにおいて加工性が悪くなったり、限界変形が低下したりする。このようなシリカ配合による不具合は、シラン化合物を配合することによって、或いは、シラン化合物によってシリカの表面を処理したシリカを配合することによって、ある程度緩和することができる。また、更に高い減衰性能を得るため、減衰性能を向上させる樹脂を配合している。
【0070】
配合又は表面処理に用いるシラン化合物には、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクタデシルメチルジメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、オクタメチルシクロテトラシラザン、ノナメチルトリシラザン、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、ジメチルブチルクロロシラン、ジメチルオクタデシルクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、トリフェニルクロロシラン、トリ−n−プロピルクロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、n−ブチルジメチルクロロシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン、tert−ブチルジフェニルクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン、クロロメチルトリメチルシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、ジフェニールシランジオール、トリクロロエチルシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジクロロシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジクロロシラン、オクタデシルジメチルクロロシラン、オクタデシルメチルジクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、トリ−n−ブチルクロロシラン、トリデカフルオロオクチルトリクロロシラン、トリエチルクロロシラン等が挙げられる。シラン化合物は、5〜40phrの範囲で配合すると良い。また、シリカの表面処理方法は、例えば、シリカに、上記シラン化合物を添加し、100〜200℃に加熱、撹拌し、シリカとシラン化合物を縮合反応させて行うと良い。
【0071】
また、減衰性能を向上させるために配合する樹脂は、表1中、粘着性付与剤として記載されており、例えば、クマロン・インデン樹脂、芳香族系樹脂、芳香族・脂肪族混合系樹脂、ロジン系樹脂、シクロペンタジエン系樹脂などが挙げられる。中でも、クマロン・インデン樹脂を用いるのが好適である。また、これらの樹脂は、温度や歪みや繰り返し変形などに対して、ゴムの力学特性を変化させる性質がある。このため、温度などに対する依存性が少なくなるように、1又は複数種の樹脂を選択して用いると良い。粘着性付与剤の配合量は、基材ゴム100重量部に対して5〜50重量部程度であるのが好ましい。
【0072】
また、高減衰ゴムは、経年的な性能劣化が制振装置の機能を損なわせないように、60年後の各力学特性値の経年変化率が±30%以内であることが好ましく、より好ましくは20%以内であることが好ましい。高減衰ゴムの経年的な性能劣化については、60年相当の熱老化促進による劣化を与えた後、周波数2Hzで実験を行った際のせん断弾性率Gおよび/又は損失係数tanδの変化率で評価するとよい。
【0073】
老化防止剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどのイミダゾール類;フェニル−α−ナフチルアミン、N,N′−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミンなどのアミン類;ジ−t−ブチル−p−クレゾール、スチレン化フェノールなどのフェノール類などが挙げられる。老化防止剤の配合量は、基材ゴム100重量部に対して1.5〜5重量部程度が好ましい。
【0074】
このようなゴム組成物には上記以外にも例えば、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤、シリカ以外の補強剤、充填剤、軟化剤、可塑剤、その他、各種の添加剤を添加してもよい。
【0075】
上記のうち加硫剤としては、例えば、硫黄、有機含硫黄化合物、有機過酸化物などが挙げられ、このうち有機含硫黄化合物としては、例えば、N,N′−ジチオビスモルホリンなどが挙げられ、有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシドなどが挙げられる。
【0076】
また加硫促進剤としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィドなどのチウラム系加硫促進剤;ジブチルジチオカーバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカーバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカーバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカーバミン酸テルルなどのジチオカーバミン酸類;2−メルカプトベンゾチアゾール、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのチアゾール類;トリメチルチオ尿素、N,N′−ジエチルチオ尿素などのチオウレア類などの有機促進剤や、あるいは消石灰、酸化マグネシウム、酸化チタン、リサージ(PbO)などの無機促進剤が挙げられる。
【0077】
加硫促進助剤としては、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸などの脂肪酸や、あるいは亜鉛華などの金属酸化物などが挙げられる。
【0078】
加硫遅延剤としては、例えば、サリチル酸、無水フタル酸、安息香酸などの芳香族有機酸;N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノン、N−ニトロソフェニル−β−ナフチルアミンなどのニトロソ化合物などが挙げられる。
【0079】
上記加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤および加硫遅延剤は、その合計の配合量が、基材ゴム100重量部に対して2〜10重量部程度であるのが好ましい。
【0080】
シリカ以外の補強剤としては主にカーボンブラックが使用される他、ケイ酸塩系のホワイトカーボン、亜鉛華、表面処理沈降性炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、クレーなどの無機補強剤や、あるいはクマロン・インデン樹脂、フェノール樹脂、ハイスチレン樹脂(スチレン含有量の多いスチレン−ブタジエン共重合体)などの有機補強剤も使用できる。
【0081】
また充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー、硫酸バリウム、珪藻土などが挙げられる。上記シリカ以外の補強剤および/または充てん剤の配合量は、基材ゴム100重量部に対して5〜50重量部程度が好ましい。
【0082】
また軟化剤としては、例えば、脂肪酸(ステアリン酸、ラウリン酸など)、綿実油、トール油、アスファルト物質、パラフィンワックスなどの、植物油系、鉱物油系、および合成系の各種軟化剤が挙げられる。軟化剤の配合量は、基材ゴム100重量部に対して10〜100重量部程度が好ましい。
【0083】
また可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジルフォスフェートなどの各種可塑剤が挙げられる。可塑剤の配合量は、基材ゴム100重量部に対して5〜20重量部程度が好ましい。
【0084】
なお、一般的には、ゴムに高減衰性能を発現させる手段として、▲1▼減衰性能の大きな基材ゴム(ハイスチレンSBR、ブチルゴム(IIR)、ポリノルボルネン等)を使用したり、▲2▼粘着付与材(クロマン・インデン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂等)を使用したり、▲3▼カーボンブラック、シリカ等の充填剤を使用したりすると良いが、本発明に係るアンカー構造に用いる制振装置は、幅広い使用温度領域で安定した性能を維持することが望まれる。
【0085】
このため、大変形に耐え得る機械的特性を持ち、かつ、温度依存性の小さい天然ゴムを基材ゴムとし、これに通常よりも多量のシリカを配合(天然ゴム100重量部に対し、105重量部以上150重量部以下の割合で配合)して減衰性能を付与し、シラン化合物を用いてシリカの多量配合による加工性の低下を改善し、加えて、粘着付与剤を加工性や温度依存性を考慮しつつ選択的に配合した高減衰ゴムを用いることが好ましい(表1)。粘着付与剤としては、加工性や温度依存性を調整する上でクマノン・インデン樹脂が優れており、加工性や温度依存性を考慮してクマノン・インデン樹脂に他の樹脂を組み合わせて配合するとよい。例えば、クマノン・インデン樹脂(商品名:エスクロンG90、新日鐵化学株式会社製)と、ジシクロペンタジエン系樹脂(商品名:ECR260、トーネックス株式会社製)の2種類の樹脂を併用するとよい。
【0086】
以上、本発明の一実施形態に係る構造物のアンカー構造を説明したが、本発明は上記に限定されるものではない。
【0087】
例えば、転がり支承装置については、硬球体の位置決め手段は、上記に限定されず、例えば、下側の硬質板の中央部にお碗形の湾曲形状を有する窪みを形成することにより、設置時に重力の作用により硬球体が硬質板の中央部に位置するようにしてもよい。また、転がり支承装置3’は、図7に示すように、硬球体2を位置決めする収容部材31の上端32及び下端33の内径を硬球体2の直径よりも大きくし、かつ、収容部材31の内周面の高さ方向の中央部を内径側に突出させ、その頂部34を硬球体2に接触させて硬球体2を収容部材31の内部の中央に位置決めするようにしてもよい。この場合、地震時に、振幅の小さい範囲では収容部材31が完全に硬球体2に緩衝しないので、硬球体2の転動がよりスムーズになる。なお、図7において、同一の構成部材・部位には、図1と同一の符号を付している。
【0088】
また、図示は省略するが、転がり支承装置は、硬球体を硬質板の中央に接着して位置決めしてもよい。この場合、構造物の上部構造と下部構造との間に設置すると、硬球体に大きな圧縮荷重が掛かるので、地震などの揺れが生じると、上下の硬質板が相対的に応じて接着が外れて硬球体が転動する。また、硬球体には大きな鉛直荷重が掛かっているので、接着剤は硬球体の転動にほとんど影響を与えない。
【0089】
また、上述した転がり支承装置に代えて、滑り支承装置を用いても良い。滑り支承装置は、周知の滑り支承装置を適用することができる。以下に、住宅の土台(上部構造)と基礎コンクリート(下部構造)との間に設置するのに好適な滑り支承装置の例を挙げる。なお、上述したものと同一の部材、部位には、同一の符号を付している。
【0090】
図8、図9に示す第1例に係る滑り支承装置40は、上下の硬質板10、11の向かい合う面に、それぞれ滑り支承材41、42を取り付けたものである。上下の硬質板10、11については、上述した転がり支承装置40の硬質板10、11と同様のものを用いることができる。上下の滑り支承材41、42は、重なり合う面がそれぞれ滑り面43、44になっている。
【0091】
また、図10、図11に示す第2例に係る滑り支承装置50は、上下の硬質板10、11の向かい合う面を滑り面51、52にするとともに、滑り面51、52の周囲に滑動領域を画定するストッパ壁53を設け、上下の硬質板10、11の間に滑動体54を挟んだ状態で配設するしたものである。
【0092】
第1例として示した滑り支承装置40の滑り支承材41、42の滑り面43、44、第2例として示した滑り支承装置50の上下の硬質板10、11の向かい合う滑り面51、52及び滑動体54の上下の滑り面55、56は、例えば、両方の対向面に、研磨加工又は樹脂コーティングなどの表面処理を施したものでも良いし、或いは一方の対向面を表面加工し、他方の対向面に低摩擦材料を固着したものでも良い。具体的には、ポリアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂(ナイロン6、ナイロン66)等の自己潤滑性及び耐磨耗性に優れ、且つ硬質なプラスチックであったり、硬質なプラスチックにガラス繊維、カーボン繊維、アスベスト、炭酸カルシウム、マイカ(雲母)、ウィスカー等の各種無機質充填材、又は二硫化モリブデン、カーボン粉末、グラファイトの様な固体潤滑材を混入させたものであったり、ステンレスの様な金属板又は合成樹脂板にポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂をコーティングした、或いは表裏面を平滑面としたセラミックスとしても良い。
【0093】
【表1】
Figure 2004197549
【0094】
【式1】
Figure 2004197549
【0095】
【発明の効果】
本発明に係る構造物のアンカー構造によれば、構造物の上部構造と下部構造の縁が切られているので、より高度な制振機能を得ることができる。
【0096】
また、転がり支承装置又は滑り支承装置と、制振装置を別々の構成要素にして構造物の下部構造と上部構造との間に配設しているので、硬球体が制振用のゴム材に乗り上げるなどの不具合は生じない。また、転がり支承装置又は滑り支承装置と、制振装置を別々の構成要素にして構造物の下部構造と上部構造との間に配設しているので、転がり支承装置と制振装置の設置数、設置位置についての自由度が高く、制振装置を構造物の上部構造の捩じれ振動を抑制するように配設することが可能になるので、より高度な制振性能を得ることができる。
【0097】
また、嵩張らず、安価で、高性能の振動吸収性能と基礎パッキン材としての機能を兼ね備えているので、特に一般住宅のような比較的小さな構造物に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る構造物のアンカー構造の転がり支承装置を示す縦断面図。
【図2】本発明の一実施形態に係る構造物のアンカー構造の転がり支承装置の平面図。
【図3】本発明の一実施形態に係る構造物のアンカー構造の制振装置を示す縦断面図。
【図4】本発明の一実施形態に係る構造物のアンカー構造の制振装置の平面図。
【図5】転がり支承装置の施工工程を示す平面図。
【図6】本発明の一実施形態に係る構造物のアンカー構造の設置例を示す平面図。
【図7】転がり支承装置の変形例を示す縦断面図。
【図8】滑り支承装置の第1例を示す縦断面図。
【図9】第1例の滑り支承装置の滑動状態を示す縦断面図。
【図10】滑り支承装置の第2例を示す縦断面図。
【図11】第2例の滑り支承装置の滑動状態を示す縦断面図。
【図12】従来の住宅の上部構造のアンカー構造を示す図。
【図13】基礎パッキン材を示す図。
【符号の説明】
1 構造物のアンカー構造
2 硬球体
3 転がり支承装置
4 制振部材(高減衰ゴム)
5 制振装置
6 住宅の土台
7 基礎コンクリート(布基礎)
8 制振層
9 収容部材
10、11 硬質板(第1硬質板)
13、14 アンカーボルト
15 第1ボルト締結部
16 第2ボルト締結部
17、18 切欠き
21、22 硬質板(第2硬質板)
23 被覆材
24、25 アンカーボルト
26 第1ボルト締結部
27 第2ボルト締結部
28、29 切欠き

Claims (28)

  1. 上下の第1硬質板の中央部に硬球体を位置決めした状態で配設した複数の転がり支承装置を、構造物の上部構造の鉛直荷重を支持するように、構造物の下部構造と上部構造との間に分散させて配設するとともに、
    高減衰ゴムの上下端面に第2硬質板をそれぞれ取り付けた複数の制振装置を、前記構造物の上部構造の捩じれ振動を抑制するように、構造物の下部構造と上部構造との間に分散させて配設したことを特徴とする構造物のアンカー構造。
  2. 構造物の下部構造と上部構造との間に複数の滑り支承装置を、構造物の上部構造の鉛直荷重を支持するように、構造物の下部構造と上部構造との間に分散させて配設するとともに、
    高減衰ゴムの上下端面に第2硬質板をそれぞれ取り付けた複数の制振装置を、前記構造物の上部構造の捩じれ振動を抑制するように、構造物の下部構造と上部構造との間に分散させて配設したことを特徴とする構造物のアンカー構造。
  3. 前記滑り支承装置が、上下の第3硬質板の間に滑動体を配設したものであることを特徴とする請求項2に記載の構造物のアンカー構造。
  4. 前記構造物の上部構造と下部構造との間の制振層の偏心率が3%以内になるように前記制振装置を配設したことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の構造物のアンカー構造。
  5. 前記高減衰ゴムのせん断弾性率が、高減衰ゴムの高さに対して±25%以下の振幅領域において100N/cm以上で、かつ、高減衰ゴムの高さに対して±150%以上の振幅領域において40N/cm以下であることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の構造物のアンカー構造。
  6. 前記高減衰ゴムの損失係数tanδが0.3以上であることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の構造物のアンカー構造。
  7. 前記高減衰ゴムは、基材ゴム100重量部に対し、シリカを105重量部以上150重量部以下の割合で配合するとともに、減衰性能を向上させる樹脂を配合することにより、損失係数tanδが0.3以上にし、かつ、限界変形が高さの4倍以上にしたものであることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の構造物のアンカー構造。
  8. 前記基材ゴムを天然ゴムとし、減衰性能を向上させる樹脂として少なくともクマノン・インデン樹脂を配合したことを特徴とする請求項7に記載の構造物のアンカー構造。
  9. 前記高減衰ゴムが、60年相当の熱老化促進による劣化を与えた後、周波数2Hzで実験を行った際に、せん断弾性率Gおよび/又は損失係数tanδの変化率が30%以内であることを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の構造物のアンカー構造。
  10. 前記第1硬質板又は第3硬質板の硬さが、HRC20以上であることを特徴とする請求項1、3から9の何れかに記載の構造物のアンカー構造。
  11. 前記第1硬質板又は第3硬質板が冷間圧延加工により加工硬化させたものであることを特徴とする請求項10に記載の構造物のアンカー構造。
  12. 前記硬球体の硬さが、HRC20以上であることを特徴とする請求項1、4から11の何れかに記載の構造物のアンカー構造。
  13. 前記硬球体が転動加工により加工硬化させたものであることを特徴とする請求項12に記載の構造物のアンカー構造。
  14. 前記第1硬質板が、硬球体が位置決めされる所定の位置を中心とし、かつ、前記硬球体の直径の少なくとも2倍以上の距離を半径とする円を前記硬球体の転動面を備えていることを特徴とする請求項1、4から13の何れかに記載の構造物のアンカー構造。
  15. 前記転がり支承装置が、前記上下の第1硬質板の間に配設した軟質弾性体からなる筒状体に内接させて、前記硬球体を前記上下の第1硬質板の中央部に位置決めしたものであることを特徴とする請求項1、4から14の何れかに記載の構造物のアンカー構造。
  16. 前記転がり支承装置が、前記硬球体を前記上下の第1硬質板の中央部に接着して位置決めしたものであることを特徴とする請求項1、4から15の何れかに記載の構造物のアンカー構造。
  17. 前記制振装置のせん断変形量を、高減衰ゴムの破断限界又は降伏限界以下に規制するストッパを備えていることを特徴とする請求項1から16の何れかに記載の構造物のアンカー構造。
  18. 前記転がり支承装置の上下の第1硬質板又は前記滑り支承装置の上下の第3の硬質板、及び、制振装置の上下の第2硬質板が、硬球体、滑動体又は高減衰ゴムを取り付けた中央部を挟んだ両側にそれぞれボルト締結部を備えており、片側の第1ボルト締結部が両側のボルト締結部を結ぶ直線に沿ってボルトを装着・離脱可能なボルト装着用の切欠きを有し、かつ、反対側の第2ボルト締結部が前記直線に略直交する方向に沿ってボルトを装着・離脱可能なボルト装着用の切欠きを有していることを特徴とする請求項1、3から17の何れかに記載の構造物のアンカー構造。
  19. 前記第2ボルト締結部の切欠きを、第1ボルト締結部の所定のボルト締結位置を中心とし、所定のボルトピッチを半径とする円弧に添って形成したことを特徴とする請求項18に記載の構造物のアンカー構造。
  20. 前記転がり支承装置又は滑り支承装置、及び、制振装置が、構造物の基礎コンクリートの上に配設されていることを特徴とする請求項1から19の何れかに記載の構造物のアンカー構造。
  21. 転がり支承装置又は滑り支承装置と共に構造物の上部構造と下部構造との間に配設される、高減衰ゴムの上下端面に硬質板をそれぞれ取り付けた制振装置において、
    前記高減衰ゴムは、基材ゴム100重量部に対し、シリカを105重量部以上150重量部以下の割合で配合するとともに、減衰性能を向上させる樹脂を配合することにより、損失係数tanδが0.3以上にし、かつ、限界変形が高さの4倍以上にしたものであることを特徴とする制振装置。
  22. 前記基材ゴムを天然ゴムとし、減衰性能を向上させる樹脂として少なくともクマノン・インデン樹脂を配合したことを特徴とする請求項21に記載の制振装置。
  23. 前記制振装置の上下の硬質板が、高減衰ゴムを取り付けた中央部を挟んだ両側にそれぞれボルト締結部を備えており、片側の第1ボルト締結部が両側のボルト締結部を結ぶ直線に沿ってボルトを装着・離脱可能なボルト装着用の切欠きを有し、かつ、反対側の第2ボルト締結部が前記直線に略直交する方向に沿ってボルトを装着・離脱可能なボルト装着用の切欠きを有していることを特徴とする請求項21又は22に記載の制振装置。
  24. 前記第2ボルト締結部の切欠きを、第1ボルト締結部の所定のボルト締結位置を中心とし、所定のボルトピッチを半径とする円弧に添って形成したことを特徴とする請求項23に記載の制振装置。
  25. 制振装置と共に構造物の上部構造と下部構造との間に配設される、上下の硬質板の中央部に硬球体を位置決めした状態で配設した転がり支承装置において、
    前記上下の硬質板の間に配設した軟質弾性体からなる筒状体に内接させて、前記硬球体を前記上下の硬質板の中央部に位置決めしたことを特徴とする転がり支承装置。
  26. 制振装置と共に構造物の上部構造と下部構造との間に配設される、上下の硬質板の中央部に硬球体を位置決めした状態で配設した転がり支承装置において、
    前記硬球体を前記上下の硬質板の中央部の所定位置に接着することにより位置決めしたことを特徴とする転がり支承装置。
  27. 前記転がり支承装置の上下の硬質板が、硬球体を取り付けた中央部を挟んだ両側にそれぞれボルト締結部を備えており、片側の第1ボルト締結部が両側のボルト締結部を結ぶ直線に沿ってボルトを装着・離脱可能なボルト装着用の切欠きを有し、かつ、反対側の第2ボルト締結部が前記直線に略直交する方向に沿ってボルトを装着・離脱可能なボルト装着用の切欠きを有していることを特徴とする請求項25又は26に記載の転がり支承装置。
  28. 前記第2ボルト締結部の切欠きを、第1ボルト締結部の所定のボルト締結位置を中心とし、所定のボルトピッチを半径とする円弧に添って形成したことを特徴とする請求項27に記載の転がり支承装置。
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