JP2004197016A - 異方導電性接着剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】LCDとTCPとの接続や、TCPとPCBとの接続などの微細回路同士の電気的接続において、特に低温短時間での接続も可能で、かつ熱時での接着性、接続信頼性、に優れる加熱硬化型異方導電性接着剤を提供する。
【解決手段】樹脂組成物中に導電性粒子を分散してなる異方導電性接着剤において、該樹脂組成物が、ラジカル重合性樹脂、有機過酸化物、熱可塑性エラストマー、リン酸エステルからなり、かつ、該熱可塑性エラストマーに分子量10,000〜100,000のフェノキシ樹脂が含まれる異方導電性接着剤である。
【解決手段】樹脂組成物中に導電性粒子を分散してなる異方導電性接着剤において、該樹脂組成物が、ラジカル重合性樹脂、有機過酸化物、熱可塑性エラストマー、リン酸エステルからなり、かつ、該熱可塑性エラストマーに分子量10,000〜100,000のフェノキシ樹脂が含まれる異方導電性接着剤である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、LCD(液晶ディスプレイ)とTCP(テープキャリヤパッケージ)との接続や、TCPとPCB(プリント回路基板)との接続などの微細な回路同士の電気的接続に使用される異方導電性接着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、LCDとTCP、あるいはTCPとPCBの接続など、各種微細回路接続の必要性が飛躍的に増大してきており、その接続方法として接着性樹脂中に導電性粒子を分散させた異方導電性接着剤が使用されてきている。この方法は、接続したい部材間に異方導電性接着剤を挟み加熱加圧することにより、面方向の隣接端子間では電気的絶縁性を保ち、上下の端子間では電気的に導通させるものである。
【0003】
このような用途に異方導電性接着剤が多用されてきたのは、被着体の耐熱性がないことや微細な回路では隣接端子間で電気的にショートしてしまうなど半田付けなどの従来の接続方法が適用できないことが理由である。
特に最近ではLCDモジュールの大画面化、高精細化、狭額縁化が急速に進み、これに伴って接続ピッチの微細化や接続の細幅化も急速に進んできた。
【0004】
そのため、たとえば、LCDとTCP接続においては、接続時の加熱によるTCPの伸びのために接続パターンずれが生じたり、接続部が細幅のため接続時の温度でLCD内部の部材が熱的影響を受けるなどの問題が生じてきた。また、TCPとPCBの接続においては、PCBが長尺化してきたため接続時の加熱によりPCBとLCDが反り、TCPの配線が断線するという問題も生じてきた。
これらの問題を解決するため、十分な接続信頼性を保ちながら、より低温かつ短時間での接続が可能な異方導電性接着剤が求められている。
【0005】
異方導電接着剤は、熱可塑タイプのものと熱硬化タイプのものに分類されるが、最近では熱可塑タイプのものより、信頼性に優れたエポキシ樹脂系の熱硬化タイプのものが広く用いられている。
【0006】
しかし、これらエポキシ樹脂系の熱硬化タイプの異方導電接着剤はその硬化反応性から、保存安定性と樹脂の硬化性を両立させるため150〜200℃の温度で30秒前後加熱、硬化することが必要とされ、たとえば150℃以下の温度では実用的な接続時間で樹脂を硬化させることは困難であった。
【0007】
更に、保存安定性については、例えば、BF3アミン錯体、ジシアンジアミド、有機酸ヒドラジド、イミダゾール化合物等の潜在性硬化剤を配合した系を用いたもの等が提案されているが、保存安定性に優れるものは硬化に長時間または高温を必要とし、低温・短時間で硬化できるものは逆に保存安定性に劣るといった問題がありいずれも一長一短があった。
【0008】
前記問題点に加えて、熱硬化タイプの異方導電性接着剤を用いた微細な回路同士の接続作業性において、一度接続したものを位置ずれ等の原因により、被接続部材を破損または損傷せずに剥離して再度接合(所謂リペア)したいという要求が多くでてきている。しかし殆どの熱硬化タイプの異方導電性接着剤は、高接着力、高信頼性といった長所がある反面、リペアの容易性という一見矛盾する要求に対しては対応が極めて難しく、満足するものは得られていない。
【0009】
低温接続を可能とする異方導電性接着剤としては、カチオン重合性物質とスルホニウム塩とを配合した接着性樹脂中に導電性粒子を分散させたものが特許文献1に記載されており、またエポキシ樹脂等と4−(ジアルキルアミノ)ピリジン誘導体に導電性粒子を分散させたものが特許文献2において提案されているが、接着剤樹脂の保存性や被接続回路端子の腐食等の問題があり実用には至っていない。
【0010】
これらの問題を解決し、低温速硬化性と保存安定性との両立、及び接続信頼性とリペア性との両立を可能とする異方導電性接着剤として、ラジカル重合性樹脂、有機過酸化物、熱可塑性エラストマー、及びマレイミド樹脂からなる接着剤成分に導電性粒子を分散させた熱硬化型異方導電性接着剤が提案されたが、接着性の不足から、硬化性、作業性、接着性、接続信頼性等の全てをバランス良く満足する樹脂系は得られていなかった。
【0011】
そのため、より低温・短時間で接続でき、かつ接着性や接続信頼性及び保存安定性、リペア性等に優れる異方導電性接着剤の要求が強くなっており、そのような要求に対して、熱可塑性エラストマーとして式(6)で表されるフェノキシ樹脂と式(7)で表されるポリオールとを併用することも試みられた。しかし、これらの熱可塑性エラストマーを適用した接着剤樹脂系においては、低温・短時間接続時の接着性向上に一定の効果が得られたものの、より高温条件下で且つ被接着部に掛かる応力が高い場合において、その雰囲気温度での接着剤樹脂の熱時強度が不足し、接続信頼性が低下するという問題があった。
【0012】
【化6】
R1〜R8は−Hあるいは−CH3などの1価の有機基
Rは−C2H4−、−C3H6−、−CH2CH(CH3)−
−C4H8−、−C5H10−、−C6H12−
−C2H4−O−CO−C5H10−などの2価の有機基
nは1以上の整数
【0013】
【化7】
但し、R:−C2H4−、−C3H6−、−C4H8−、−C5H10−、
−C6H12−、 −C2H4− CO−CH2−
などの2価の有機基
n:1以上の整数
【0014】
【特許文献1】
特開平7−90237号公報
【特許文献2】
特開平4−189883号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術のこのような問題に鑑みて種々の検討の結果なされたものであり、その目的とするところは、LCDとTCPとの接続や、TCPとPCBとの接続などの微細回路同士の電気的接続において、特に低温短時間での接続も可能で、かつ、接着性、接続信頼性、保存安定性、リペア性にも優れる加熱硬化型異方導電性接着剤を提供しようとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ラジカル重合性樹脂、有機過酸化物及び熱可塑性エラストマーからなる樹脂組成物中に導電性粒子を分散してなる異方導電性接着剤において、熱可塑性エラストマーが式(1)で表される分子量10,000〜100,000のフェノキシ樹脂である異方導電性接着剤である。
【0017】
【化8】
式(1)中のXは、式(2),式(3),式(4)で表されるものであり、それぞれの割合をAmol%,Bmol%,Cmol%とするとB≧10、且つ、A+B≧50、且つ、A+B+C=100を満たす。
式(1)中のYは、水素原子あるいは式(5)の何れかであり、m≧25である。
【0018】
【化9】
式(2)中のR1、R2、R3、R4は、水素原子,フッ素原子,臭素原子,炭素数1〜4のアルキル基より選ばれるものであり、R1、R2、R3、R4は同一であっても異なっていても良い。
【0019】
【化10】
【0020】
【化11】
式(4)中のR5、R6、R7、R8は、水素原子,フッ素原子,臭素原子,炭素数1〜4のアルキル基より選ばれるものであり、R5、R6、R7、R8は同一であっても異なっていても良い。また、Zは−CH2−、−C(CH3)2−、−O−、−SO2−の何れかであり、nは0又は1である。
【0021】
【化12】
また、上記の異方導電性接着剤を用いて、電子・電機部品の電気的な接合が行われた機器であり、更に、該電子・電機部品が半導体装置、プリント回路基板、液晶ディスプレイ、テープキャリヤパッケージである電子機器である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について説明する。
式(1)で表されるフェノキシ樹脂は、高い凝集力を持った強靭で延性のある熱可塑性樹脂であり、極性のある被着体との濡れや結合を高める水酸基を有するため優れた接着性を有すると同時に、分子中に極めて耐熱性の高い骨格(フルオレン骨格)を有するため、比較的高温条件下で且つ被接着部に掛かる応力が高い箇所への適用において、従来の異方導電性接着剤では得られなかった高い熱時接着強度及び高い接続信頼性が発現することを見いだした。
【0023】
式(1)以外のフェノキシ樹脂では、耐熱性・耐湿性と密着性の両立が困難で、式(1)で表されるフェノキシ樹脂のみが種々の被着体に対して十分な接続性を得ることが出来る。
【0024】
本発明に用いられる式(1)で表されるフェノキシ樹脂の分子量は、10,000〜100,000である。分子量が10,000未満であると、熱可塑性エラストマーとしての性質が失われ造膜性を示さなくなることや、異方導電性接着剤とした場合の流動性が大きく十分な接続信頼性が得られない。
また、分子量が100,000を越えると溶剤に対する溶解性が悪くなることや、異方導電性接着剤とした場合の流動性が極めて低下し、通常の圧着条件では十分な接続信頼性が得られない。
【0025】
本願発明の式(1)で表されるフェノキシ樹脂のXは、式(2)、(3)、(4)で表される3種の化合物からなる。 式(1)中のXは、式(2),(3),(4)で表されるが、それぞれの割合をAmol%,Bmol%,
Cmol%とするとB≧10、且つ、A+B≧50、且つ、A+B+C=100である。B<10であると耐熱性・信頼性に関与するフルオレン骨格が不足し、異方導電性接着剤とした場合の耐熱性・信頼性が不足する。また、A+B<50であると同様の理由で異方導電性接着剤とした場合の耐熱性・信頼性が不足する。
【0026】
式(2)中のR1、R2、R3、R4は、水素原子,フッ素原子,臭素原子,炭素数1〜4のアルキル基より選ばれるものであり、異方導電性接着剤とした場合の耐熱・耐湿性や密着性を考慮して決定される。また、R1、R2、R3、R4は同一であっても異なっていても良い。
【0027】
式(4)中のR5、R6、R7、R8は、水素原子,フッ素原子,臭素原子,炭素数1〜4のアルキル基より選ばれるものであり、また、Zは−CH2−、−C(CH3)2−、−O−、−SO2−の何れかである。R5、R6、R7、R8は、異方導電性接着剤とした場合の耐熱・耐湿性や密着性を考慮して決定されものであり、R5、R6、R7、R8は同一であっても異なっていても良い。
【0028】
本発明に用いられる式(1)で表されるフェノキシ樹脂は、例えば、二価フェノール類とエピクロルヒドリンとの反応による方法、または、二価フェノール類のジグリシジルエーテルと二価フェノール類の付加重合反応よる方法等があるが、本発明に用いられるフェノキシ樹脂は製法によって左右されるものではない。
【0029】
二価フェノール類とエピクロルヒドリンの反応の場合、ハイドロキノン又は2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノンと9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、及びビスフェノールA、ビスフェノールF、臭素化ビスフェノールA等が挙げられるが特に限定されるものではない。これらの、ビスフェノール類は単独でも、または、2種類以上混合しても良い。この際、ハイドロキノン又は2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン及び9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの配合量は50mol%以上である。50mol%未満であると、異方導電性接着剤とした時の耐熱性・信頼性および密着性が不足する。
二価フェノール類とエピクロルヒドリンの反応は、二価フェノール類1.000molとエピクロルヒドリン0.985〜1.015molとを非反応性溶媒中で、アルカリ金属水酸化物の存在化で行われるのが一般的であるが、特に限定されるものではない。また、反応は分子量が10,000〜1000,000の範囲になるようにエピクロルヒドリンの縮合反応を制御する必要がある。分子量を10,000〜100,000の範囲に制御するために、反応温度は50〜150℃の範囲で行うことが好ましく、反応圧力は、通常常圧である。
【0030】
非反応性溶媒としては、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、シクロヘキサノン等が挙げられるが、特に限定されるものではなく単独、あるいは、2種類以上混合して用いても良い。
【0031】
二価フェノール類のジグリシジルエーテルと二価フェノール類の反応の場合、式(8)で表される二価フェノール類のジグリシジルエーテル及び/または式(9)で表される二価のフェノール類のジグリシジルエーテルをアミン系、イミダゾール系、トリフェニルフォスフィン、フォスフォニウム塩系の触媒存在下で、ハイドロキノンや2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン及び9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン及び式(10)で表される二価フェノール類1.000molと0.950〜1.050molの範囲で反応させることにより製造される。
【0032】
この際、ハイドロキノン又は2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン及び9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの配合量は50mol%以上である。50mol%未満であると、異方導電性接着剤とした時の耐熱性・信頼性および密着性が不足する。
【0033】
【化13】
【0034】
式(8)中のR1、R2、R3、R4は、水素原子,フッ素原子,臭素原子,炭素数1〜4のアルキル基より選ばれるものであり、R1、R2、R3、R4は同一であっても異なっていても良い。また、Yは−CH2−、−C(CH3)2−、−O−、−SO2−の何れかである。mは、0または1であり、nは0より大きい整数である。
【0035】
【化14】
式(9)中のnは0より大きい整数である。
【0036】
【化15】
式(10)中のR5、R6、R7、R8は、水素原子,フッ素原子,臭素原子,炭素数1〜4のアルキル基より選ばれるものであり、R5、R6、R7、R8は同一であっても異なっていても良い。また、Zは−CH2−、−C(CH3)2−、−O−、−SO2−の何れかであり、nは0又は1である。
【0037】
また、分子量を10,000〜100,000の範囲に制御するために、反応温度は50〜150℃の範囲で行うことが好ましく、反応圧力は、通常常圧である。
本発明で用いられる熱可塑性エラストマーとしては、(1)式に表されるフェノキシ樹脂を用いるほかに特に制限はなく、樹脂の流れ性や作業性、その他の成分として、例えばポリイミド樹脂、ポリブタジエン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ナイロン、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、ポリメチルメタクリレート樹脂などを併用することも可能である。
【0038】
本発明で用いられるラジカル重合性樹脂としては、特に限定されるものではなく、分子中に一個以上の炭素−炭素二重結合を有し、ラジカル重合可能なものであればよく、これを単独、あるいは二種以上混合して用いてよい。具体的にラジカル重合可能なものとしては、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、やウレタンアクリレート樹脂等のアクリレート類、マレイミド樹脂、フェノール性水酸基を有する(メタ)アクリロイル化フェノールノボラック樹脂などが挙げられる。中でも硬化性と保存性、硬化物の耐熱性、耐湿性、耐薬品性を兼ね備えたビニルエステル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂を好適に用いることができる。
【0039】
また、硬化性、加熱時の流動性、作業性を改良するため、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、ペンタエリスリトールジアリレートモノステアレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどのアクリレート類やスチレンなどの各種モノマー類や一般的な反応性希釈剤で希釈して使用することができる。
更に、保存性を確保するために、予めキノン類、多価フェノール類、フェノール類等の重合禁止剤を添加することも可能である。
【0040】
本発明で用いられる有機過酸化物としては特に限定されるものではなく、例えば、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等が挙げられる。
【0041】
これらの過酸化物は単独で、あるいは硬化性をコントロールするために二種以上の有機過酸化物を混合して用いることができる。また、保存性を改良するために各種重合禁止剤を予め添加しておくことも可能である。さらに樹脂への溶解作業を容易にするため溶剤等に希釈して用いることもできる。本発明で用いられる有機過酸化物の種類や配合量は、各過酸化物を配合した場合の、接着剤の硬化性と保存性との兼ね合いで決定される。
【0042】
本発明に用いられる導電性粒子は、導電性を有するものであれば特に制限するものではなく、ニッケル、鉄、銅、アルミニウム、錫、鉛、クロム、コバルト、銀、金など各種金属やそれらの合金、または金属酸化物、カーボン、グラファイト、ガラスやセラミック、プラスチック粒子の表面に導電物をコートしたもの等が適用できる。これらの導電性粒子の粒径や材質、配合量は、接続したい回路の端子間隔や端子形状、回路素材の厚みや材質等によって適切なものを選ぶことができる。
【0043】
更に、本発明の異方導電性接着剤中には、必要に応じてカップリング剤を適量添加してもよい。カップリング剤を添加する目的は、異方導電性接着剤の接着界面の接着性を改質し、接着強度や耐熱性、耐湿性を向上し接続信頼性を向上するものである。カップリング剤としては、特にシラン系カップリング剤を好適に添加使用することができ、例えば、エポキシシラン系、メルカプトシラン系、アクリルシラン系(例えば、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等)を用いることができる。
【0044】
本発明によれば、ラジカル重合性樹脂、有機過酸化物、熱可塑性エラストマー、からなる樹脂組成物中に導電性粒子を分散してなる異方導電性接着剤を用いて加熱硬化接続する際、該熱可塑性エラストマー中に(1)式に表されるフェノキシ樹脂が含まれることにより、比較的高温条件下で且つ被接着部に掛かる応力が高い箇所への適用において、優れた接着力と接続信頼性が得られる。また極めて低温かつ短時間で接続可能であり、接着性、接続信頼性、保存安定性、リペア性に優れた異方導電性接着剤が得られる。
【0045】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。
実施例、比較例で用いた物質を表1にまとめた。
<実施例1>
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、ハイドロキノン、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:180g/eq)をそれぞれ40mol%、40mol%、20mol%の配合比で、メチルイソブチルケトン溶媒中、120℃、12時間常圧で反応した。得られたフェノキシ樹脂(Mw:50,000)のメチルイソブチルケトン溶液を再沈法により固形化したものを
100重量部、式(11)に示すビニルエステル樹脂120重量部、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート4重量部を、300重量部のメチルエチルケトン中に溶解させ、樹脂成分溶液を得た。この樹脂成分溶液中に、平均粒径5μmのNi/Auメッキポリスチレン粒子1重量部を均一分散させた後、離型処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾燥後の厚さが45μmになるように溶液を流延・乾燥した後、スリットして幅2mmの異方導電性接着剤のフィルムを得た。
【0046】
<実施例2〜5>
表2に示される配合量、条件で実施例1と同様にして、それぞれ異方導電性接着剤のフィルムを得た。
<実施例6>
ハイドロキノンの代わりに、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノンを用いた以外は実施例1と同様にして異方導電性接着剤を得た。
<実施例7>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂の代わりに、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量:165g/eq)を用いた以外は、実施例1と同様にして異方導電性接着剤を得た。
【0047】
<実施例8>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂の代わりに、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:10,000g/eq、臭素含有率:25%)を用いた以外は、実施例1と同様にして異方導電性接着剤を得た。
<実施例9〜17>
表2、3に示す配合割合、条件で実施例1と同様にして異方導電性接着剤を得た。
【0048】
<比較例1>
式(10)に示すビスフェノールA型フェノキシ樹脂(Mw:50,000)を100重量部、式(11)に示すビニルエステル樹脂120重量部、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート4重量部を、300重量部のメチルエチルケトン中に溶解させ、樹脂成分溶液を得た。この樹脂成分溶液中に、平均粒径5μmのNi/Auメッキポリスチレン粒子1重量部を均一分散させた後、離型処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾燥後の厚さが45μmになるように溶液を流延・乾燥した後、スリットして幅2mmの異方導電性接着剤のフィルムを得た。
【0049】
<比較例2>
9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、ハイドロキノン、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ等量:180g/eq)を、それぞれ40mol%、40mol%、20mol%の配合比で、メチルイソブチルケトン溶媒中、100℃、3時間常圧で反応を行った。こうして得られたフェノキシ樹脂(Mw:5,000)のメチルイソブチルケトン溶液を再沈等の方法により固形化したものを100重量部、式(11)に示すビニルエステル樹脂120重量部、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート4重量部を、300重量部のメチルエチルケトン中に溶解させ、樹脂成分溶液を得た。この樹脂成分溶液中に、平均粒径5μmのNi/Auメッキポリスチレン粒子1重量部を均一分散させた後、離型処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾燥後の厚さが45μmになるように溶液を流延・乾燥した後、スリットして幅2mmの異方導電性接着剤のフィルムを得た。
<比較例3〜7>
表4に示す配合割合、条件で比較例1と同様にして異方導電性接着剤を得た
【0050】
<評価>
評価サンプルの作製は以下のとおり行った。
被着体は銅箔/ポリイミド=25/75μmに0.5μmの錫メッキを施したTCP(ピッチ0.3mm、端子数60本)と0.8mm厚の4層板((FR−4)内層・外層銅箔18μmフラッシュ金メッキPCB(ピッチ0.30mm、端子数60本))を用い、圧着条件は、150℃、3MPa、15秒の条件で圧着し、評価サンプルを得た。
【0051】
<接着強度評価方法>
上記圧着条件で接着した評価サンプルを用いて、常温及び80℃雰囲気下で90度剥離試験による評価を行った。
<接続信頼性評価方法>
接着したサンプルを用いて、初期の接続抵抗を測定すると共に、同様のサンプルを用いてTCP端部へ100gの錘を下げ、PCBから90゜に引き剥がすような荷重を掛けて80℃雰囲気中に100時間放置後、接続抵抗値を測定した。接続抵抗値を測定できないものについては導通不良(OPEN)とした。
評価結果を表2〜表4にまとめた。
【0052】
【表1】
【0053】
【化16】
【0054】
【化17】
【0055】
【化18】
【0056】
【化19】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】
【発明の効果】
本発明の異方導電性接着剤を用いることにより、低温かつ短時間で接続可能であり、特に高温雰囲気下での接着性、接続信頼性に優れ、保存安定性、リペア性にも優れた異方導電性接着剤が得られる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、LCD(液晶ディスプレイ)とTCP(テープキャリヤパッケージ)との接続や、TCPとPCB(プリント回路基板)との接続などの微細な回路同士の電気的接続に使用される異方導電性接着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、LCDとTCP、あるいはTCPとPCBの接続など、各種微細回路接続の必要性が飛躍的に増大してきており、その接続方法として接着性樹脂中に導電性粒子を分散させた異方導電性接着剤が使用されてきている。この方法は、接続したい部材間に異方導電性接着剤を挟み加熱加圧することにより、面方向の隣接端子間では電気的絶縁性を保ち、上下の端子間では電気的に導通させるものである。
【0003】
このような用途に異方導電性接着剤が多用されてきたのは、被着体の耐熱性がないことや微細な回路では隣接端子間で電気的にショートしてしまうなど半田付けなどの従来の接続方法が適用できないことが理由である。
特に最近ではLCDモジュールの大画面化、高精細化、狭額縁化が急速に進み、これに伴って接続ピッチの微細化や接続の細幅化も急速に進んできた。
【0004】
そのため、たとえば、LCDとTCP接続においては、接続時の加熱によるTCPの伸びのために接続パターンずれが生じたり、接続部が細幅のため接続時の温度でLCD内部の部材が熱的影響を受けるなどの問題が生じてきた。また、TCPとPCBの接続においては、PCBが長尺化してきたため接続時の加熱によりPCBとLCDが反り、TCPの配線が断線するという問題も生じてきた。
これらの問題を解決するため、十分な接続信頼性を保ちながら、より低温かつ短時間での接続が可能な異方導電性接着剤が求められている。
【0005】
異方導電接着剤は、熱可塑タイプのものと熱硬化タイプのものに分類されるが、最近では熱可塑タイプのものより、信頼性に優れたエポキシ樹脂系の熱硬化タイプのものが広く用いられている。
【0006】
しかし、これらエポキシ樹脂系の熱硬化タイプの異方導電接着剤はその硬化反応性から、保存安定性と樹脂の硬化性を両立させるため150〜200℃の温度で30秒前後加熱、硬化することが必要とされ、たとえば150℃以下の温度では実用的な接続時間で樹脂を硬化させることは困難であった。
【0007】
更に、保存安定性については、例えば、BF3アミン錯体、ジシアンジアミド、有機酸ヒドラジド、イミダゾール化合物等の潜在性硬化剤を配合した系を用いたもの等が提案されているが、保存安定性に優れるものは硬化に長時間または高温を必要とし、低温・短時間で硬化できるものは逆に保存安定性に劣るといった問題がありいずれも一長一短があった。
【0008】
前記問題点に加えて、熱硬化タイプの異方導電性接着剤を用いた微細な回路同士の接続作業性において、一度接続したものを位置ずれ等の原因により、被接続部材を破損または損傷せずに剥離して再度接合(所謂リペア)したいという要求が多くでてきている。しかし殆どの熱硬化タイプの異方導電性接着剤は、高接着力、高信頼性といった長所がある反面、リペアの容易性という一見矛盾する要求に対しては対応が極めて難しく、満足するものは得られていない。
【0009】
低温接続を可能とする異方導電性接着剤としては、カチオン重合性物質とスルホニウム塩とを配合した接着性樹脂中に導電性粒子を分散させたものが特許文献1に記載されており、またエポキシ樹脂等と4−(ジアルキルアミノ)ピリジン誘導体に導電性粒子を分散させたものが特許文献2において提案されているが、接着剤樹脂の保存性や被接続回路端子の腐食等の問題があり実用には至っていない。
【0010】
これらの問題を解決し、低温速硬化性と保存安定性との両立、及び接続信頼性とリペア性との両立を可能とする異方導電性接着剤として、ラジカル重合性樹脂、有機過酸化物、熱可塑性エラストマー、及びマレイミド樹脂からなる接着剤成分に導電性粒子を分散させた熱硬化型異方導電性接着剤が提案されたが、接着性の不足から、硬化性、作業性、接着性、接続信頼性等の全てをバランス良く満足する樹脂系は得られていなかった。
【0011】
そのため、より低温・短時間で接続でき、かつ接着性や接続信頼性及び保存安定性、リペア性等に優れる異方導電性接着剤の要求が強くなっており、そのような要求に対して、熱可塑性エラストマーとして式(6)で表されるフェノキシ樹脂と式(7)で表されるポリオールとを併用することも試みられた。しかし、これらの熱可塑性エラストマーを適用した接着剤樹脂系においては、低温・短時間接続時の接着性向上に一定の効果が得られたものの、より高温条件下で且つ被接着部に掛かる応力が高い場合において、その雰囲気温度での接着剤樹脂の熱時強度が不足し、接続信頼性が低下するという問題があった。
【0012】
【化6】
R1〜R8は−Hあるいは−CH3などの1価の有機基
Rは−C2H4−、−C3H6−、−CH2CH(CH3)−
−C4H8−、−C5H10−、−C6H12−
−C2H4−O−CO−C5H10−などの2価の有機基
nは1以上の整数
【0013】
【化7】
但し、R:−C2H4−、−C3H6−、−C4H8−、−C5H10−、
−C6H12−、 −C2H4− CO−CH2−
などの2価の有機基
n:1以上の整数
【0014】
【特許文献1】
特開平7−90237号公報
【特許文献2】
特開平4−189883号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術のこのような問題に鑑みて種々の検討の結果なされたものであり、その目的とするところは、LCDとTCPとの接続や、TCPとPCBとの接続などの微細回路同士の電気的接続において、特に低温短時間での接続も可能で、かつ、接着性、接続信頼性、保存安定性、リペア性にも優れる加熱硬化型異方導電性接着剤を提供しようとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ラジカル重合性樹脂、有機過酸化物及び熱可塑性エラストマーからなる樹脂組成物中に導電性粒子を分散してなる異方導電性接着剤において、熱可塑性エラストマーが式(1)で表される分子量10,000〜100,000のフェノキシ樹脂である異方導電性接着剤である。
【0017】
【化8】
式(1)中のXは、式(2),式(3),式(4)で表されるものであり、それぞれの割合をAmol%,Bmol%,Cmol%とするとB≧10、且つ、A+B≧50、且つ、A+B+C=100を満たす。
式(1)中のYは、水素原子あるいは式(5)の何れかであり、m≧25である。
【0018】
【化9】
式(2)中のR1、R2、R3、R4は、水素原子,フッ素原子,臭素原子,炭素数1〜4のアルキル基より選ばれるものであり、R1、R2、R3、R4は同一であっても異なっていても良い。
【0019】
【化10】
【0020】
【化11】
式(4)中のR5、R6、R7、R8は、水素原子,フッ素原子,臭素原子,炭素数1〜4のアルキル基より選ばれるものであり、R5、R6、R7、R8は同一であっても異なっていても良い。また、Zは−CH2−、−C(CH3)2−、−O−、−SO2−の何れかであり、nは0又は1である。
【0021】
【化12】
また、上記の異方導電性接着剤を用いて、電子・電機部品の電気的な接合が行われた機器であり、更に、該電子・電機部品が半導体装置、プリント回路基板、液晶ディスプレイ、テープキャリヤパッケージである電子機器である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について説明する。
式(1)で表されるフェノキシ樹脂は、高い凝集力を持った強靭で延性のある熱可塑性樹脂であり、極性のある被着体との濡れや結合を高める水酸基を有するため優れた接着性を有すると同時に、分子中に極めて耐熱性の高い骨格(フルオレン骨格)を有するため、比較的高温条件下で且つ被接着部に掛かる応力が高い箇所への適用において、従来の異方導電性接着剤では得られなかった高い熱時接着強度及び高い接続信頼性が発現することを見いだした。
【0023】
式(1)以外のフェノキシ樹脂では、耐熱性・耐湿性と密着性の両立が困難で、式(1)で表されるフェノキシ樹脂のみが種々の被着体に対して十分な接続性を得ることが出来る。
【0024】
本発明に用いられる式(1)で表されるフェノキシ樹脂の分子量は、10,000〜100,000である。分子量が10,000未満であると、熱可塑性エラストマーとしての性質が失われ造膜性を示さなくなることや、異方導電性接着剤とした場合の流動性が大きく十分な接続信頼性が得られない。
また、分子量が100,000を越えると溶剤に対する溶解性が悪くなることや、異方導電性接着剤とした場合の流動性が極めて低下し、通常の圧着条件では十分な接続信頼性が得られない。
【0025】
本願発明の式(1)で表されるフェノキシ樹脂のXは、式(2)、(3)、(4)で表される3種の化合物からなる。 式(1)中のXは、式(2),(3),(4)で表されるが、それぞれの割合をAmol%,Bmol%,
Cmol%とするとB≧10、且つ、A+B≧50、且つ、A+B+C=100である。B<10であると耐熱性・信頼性に関与するフルオレン骨格が不足し、異方導電性接着剤とした場合の耐熱性・信頼性が不足する。また、A+B<50であると同様の理由で異方導電性接着剤とした場合の耐熱性・信頼性が不足する。
【0026】
式(2)中のR1、R2、R3、R4は、水素原子,フッ素原子,臭素原子,炭素数1〜4のアルキル基より選ばれるものであり、異方導電性接着剤とした場合の耐熱・耐湿性や密着性を考慮して決定される。また、R1、R2、R3、R4は同一であっても異なっていても良い。
【0027】
式(4)中のR5、R6、R7、R8は、水素原子,フッ素原子,臭素原子,炭素数1〜4のアルキル基より選ばれるものであり、また、Zは−CH2−、−C(CH3)2−、−O−、−SO2−の何れかである。R5、R6、R7、R8は、異方導電性接着剤とした場合の耐熱・耐湿性や密着性を考慮して決定されものであり、R5、R6、R7、R8は同一であっても異なっていても良い。
【0028】
本発明に用いられる式(1)で表されるフェノキシ樹脂は、例えば、二価フェノール類とエピクロルヒドリンとの反応による方法、または、二価フェノール類のジグリシジルエーテルと二価フェノール類の付加重合反応よる方法等があるが、本発明に用いられるフェノキシ樹脂は製法によって左右されるものではない。
【0029】
二価フェノール類とエピクロルヒドリンの反応の場合、ハイドロキノン又は2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノンと9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、及びビスフェノールA、ビスフェノールF、臭素化ビスフェノールA等が挙げられるが特に限定されるものではない。これらの、ビスフェノール類は単独でも、または、2種類以上混合しても良い。この際、ハイドロキノン又は2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン及び9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの配合量は50mol%以上である。50mol%未満であると、異方導電性接着剤とした時の耐熱性・信頼性および密着性が不足する。
二価フェノール類とエピクロルヒドリンの反応は、二価フェノール類1.000molとエピクロルヒドリン0.985〜1.015molとを非反応性溶媒中で、アルカリ金属水酸化物の存在化で行われるのが一般的であるが、特に限定されるものではない。また、反応は分子量が10,000〜1000,000の範囲になるようにエピクロルヒドリンの縮合反応を制御する必要がある。分子量を10,000〜100,000の範囲に制御するために、反応温度は50〜150℃の範囲で行うことが好ましく、反応圧力は、通常常圧である。
【0030】
非反応性溶媒としては、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、シクロヘキサノン等が挙げられるが、特に限定されるものではなく単独、あるいは、2種類以上混合して用いても良い。
【0031】
二価フェノール類のジグリシジルエーテルと二価フェノール類の反応の場合、式(8)で表される二価フェノール類のジグリシジルエーテル及び/または式(9)で表される二価のフェノール類のジグリシジルエーテルをアミン系、イミダゾール系、トリフェニルフォスフィン、フォスフォニウム塩系の触媒存在下で、ハイドロキノンや2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン及び9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン及び式(10)で表される二価フェノール類1.000molと0.950〜1.050molの範囲で反応させることにより製造される。
【0032】
この際、ハイドロキノン又は2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン及び9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの配合量は50mol%以上である。50mol%未満であると、異方導電性接着剤とした時の耐熱性・信頼性および密着性が不足する。
【0033】
【化13】
【0034】
式(8)中のR1、R2、R3、R4は、水素原子,フッ素原子,臭素原子,炭素数1〜4のアルキル基より選ばれるものであり、R1、R2、R3、R4は同一であっても異なっていても良い。また、Yは−CH2−、−C(CH3)2−、−O−、−SO2−の何れかである。mは、0または1であり、nは0より大きい整数である。
【0035】
【化14】
式(9)中のnは0より大きい整数である。
【0036】
【化15】
式(10)中のR5、R6、R7、R8は、水素原子,フッ素原子,臭素原子,炭素数1〜4のアルキル基より選ばれるものであり、R5、R6、R7、R8は同一であっても異なっていても良い。また、Zは−CH2−、−C(CH3)2−、−O−、−SO2−の何れかであり、nは0又は1である。
【0037】
また、分子量を10,000〜100,000の範囲に制御するために、反応温度は50〜150℃の範囲で行うことが好ましく、反応圧力は、通常常圧である。
本発明で用いられる熱可塑性エラストマーとしては、(1)式に表されるフェノキシ樹脂を用いるほかに特に制限はなく、樹脂の流れ性や作業性、その他の成分として、例えばポリイミド樹脂、ポリブタジエン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ナイロン、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、ポリメチルメタクリレート樹脂などを併用することも可能である。
【0038】
本発明で用いられるラジカル重合性樹脂としては、特に限定されるものではなく、分子中に一個以上の炭素−炭素二重結合を有し、ラジカル重合可能なものであればよく、これを単独、あるいは二種以上混合して用いてよい。具体的にラジカル重合可能なものとしては、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、やウレタンアクリレート樹脂等のアクリレート類、マレイミド樹脂、フェノール性水酸基を有する(メタ)アクリロイル化フェノールノボラック樹脂などが挙げられる。中でも硬化性と保存性、硬化物の耐熱性、耐湿性、耐薬品性を兼ね備えたビニルエステル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂を好適に用いることができる。
【0039】
また、硬化性、加熱時の流動性、作業性を改良するため、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、ペンタエリスリトールジアリレートモノステアレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどのアクリレート類やスチレンなどの各種モノマー類や一般的な反応性希釈剤で希釈して使用することができる。
更に、保存性を確保するために、予めキノン類、多価フェノール類、フェノール類等の重合禁止剤を添加することも可能である。
【0040】
本発明で用いられる有機過酸化物としては特に限定されるものではなく、例えば、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等が挙げられる。
【0041】
これらの過酸化物は単独で、あるいは硬化性をコントロールするために二種以上の有機過酸化物を混合して用いることができる。また、保存性を改良するために各種重合禁止剤を予め添加しておくことも可能である。さらに樹脂への溶解作業を容易にするため溶剤等に希釈して用いることもできる。本発明で用いられる有機過酸化物の種類や配合量は、各過酸化物を配合した場合の、接着剤の硬化性と保存性との兼ね合いで決定される。
【0042】
本発明に用いられる導電性粒子は、導電性を有するものであれば特に制限するものではなく、ニッケル、鉄、銅、アルミニウム、錫、鉛、クロム、コバルト、銀、金など各種金属やそれらの合金、または金属酸化物、カーボン、グラファイト、ガラスやセラミック、プラスチック粒子の表面に導電物をコートしたもの等が適用できる。これらの導電性粒子の粒径や材質、配合量は、接続したい回路の端子間隔や端子形状、回路素材の厚みや材質等によって適切なものを選ぶことができる。
【0043】
更に、本発明の異方導電性接着剤中には、必要に応じてカップリング剤を適量添加してもよい。カップリング剤を添加する目的は、異方導電性接着剤の接着界面の接着性を改質し、接着強度や耐熱性、耐湿性を向上し接続信頼性を向上するものである。カップリング剤としては、特にシラン系カップリング剤を好適に添加使用することができ、例えば、エポキシシラン系、メルカプトシラン系、アクリルシラン系(例えば、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等)を用いることができる。
【0044】
本発明によれば、ラジカル重合性樹脂、有機過酸化物、熱可塑性エラストマー、からなる樹脂組成物中に導電性粒子を分散してなる異方導電性接着剤を用いて加熱硬化接続する際、該熱可塑性エラストマー中に(1)式に表されるフェノキシ樹脂が含まれることにより、比較的高温条件下で且つ被接着部に掛かる応力が高い箇所への適用において、優れた接着力と接続信頼性が得られる。また極めて低温かつ短時間で接続可能であり、接着性、接続信頼性、保存安定性、リペア性に優れた異方導電性接着剤が得られる。
【0045】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。
実施例、比較例で用いた物質を表1にまとめた。
<実施例1>
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、ハイドロキノン、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:180g/eq)をそれぞれ40mol%、40mol%、20mol%の配合比で、メチルイソブチルケトン溶媒中、120℃、12時間常圧で反応した。得られたフェノキシ樹脂(Mw:50,000)のメチルイソブチルケトン溶液を再沈法により固形化したものを
100重量部、式(11)に示すビニルエステル樹脂120重量部、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート4重量部を、300重量部のメチルエチルケトン中に溶解させ、樹脂成分溶液を得た。この樹脂成分溶液中に、平均粒径5μmのNi/Auメッキポリスチレン粒子1重量部を均一分散させた後、離型処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾燥後の厚さが45μmになるように溶液を流延・乾燥した後、スリットして幅2mmの異方導電性接着剤のフィルムを得た。
【0046】
<実施例2〜5>
表2に示される配合量、条件で実施例1と同様にして、それぞれ異方導電性接着剤のフィルムを得た。
<実施例6>
ハイドロキノンの代わりに、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノンを用いた以外は実施例1と同様にして異方導電性接着剤を得た。
<実施例7>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂の代わりに、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量:165g/eq)を用いた以外は、実施例1と同様にして異方導電性接着剤を得た。
【0047】
<実施例8>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂の代わりに、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:10,000g/eq、臭素含有率:25%)を用いた以外は、実施例1と同様にして異方導電性接着剤を得た。
<実施例9〜17>
表2、3に示す配合割合、条件で実施例1と同様にして異方導電性接着剤を得た。
【0048】
<比較例1>
式(10)に示すビスフェノールA型フェノキシ樹脂(Mw:50,000)を100重量部、式(11)に示すビニルエステル樹脂120重量部、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート4重量部を、300重量部のメチルエチルケトン中に溶解させ、樹脂成分溶液を得た。この樹脂成分溶液中に、平均粒径5μmのNi/Auメッキポリスチレン粒子1重量部を均一分散させた後、離型処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾燥後の厚さが45μmになるように溶液を流延・乾燥した後、スリットして幅2mmの異方導電性接着剤のフィルムを得た。
【0049】
<比較例2>
9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、ハイドロキノン、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ等量:180g/eq)を、それぞれ40mol%、40mol%、20mol%の配合比で、メチルイソブチルケトン溶媒中、100℃、3時間常圧で反応を行った。こうして得られたフェノキシ樹脂(Mw:5,000)のメチルイソブチルケトン溶液を再沈等の方法により固形化したものを100重量部、式(11)に示すビニルエステル樹脂120重量部、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート4重量部を、300重量部のメチルエチルケトン中に溶解させ、樹脂成分溶液を得た。この樹脂成分溶液中に、平均粒径5μmのNi/Auメッキポリスチレン粒子1重量部を均一分散させた後、離型処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾燥後の厚さが45μmになるように溶液を流延・乾燥した後、スリットして幅2mmの異方導電性接着剤のフィルムを得た。
<比較例3〜7>
表4に示す配合割合、条件で比較例1と同様にして異方導電性接着剤を得た
【0050】
<評価>
評価サンプルの作製は以下のとおり行った。
被着体は銅箔/ポリイミド=25/75μmに0.5μmの錫メッキを施したTCP(ピッチ0.3mm、端子数60本)と0.8mm厚の4層板((FR−4)内層・外層銅箔18μmフラッシュ金メッキPCB(ピッチ0.30mm、端子数60本))を用い、圧着条件は、150℃、3MPa、15秒の条件で圧着し、評価サンプルを得た。
【0051】
<接着強度評価方法>
上記圧着条件で接着した評価サンプルを用いて、常温及び80℃雰囲気下で90度剥離試験による評価を行った。
<接続信頼性評価方法>
接着したサンプルを用いて、初期の接続抵抗を測定すると共に、同様のサンプルを用いてTCP端部へ100gの錘を下げ、PCBから90゜に引き剥がすような荷重を掛けて80℃雰囲気中に100時間放置後、接続抵抗値を測定した。接続抵抗値を測定できないものについては導通不良(OPEN)とした。
評価結果を表2〜表4にまとめた。
【0052】
【表1】
【0053】
【化16】
【0054】
【化17】
【0055】
【化18】
【0056】
【化19】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】
【発明の効果】
本発明の異方導電性接着剤を用いることにより、低温かつ短時間で接続可能であり、特に高温雰囲気下での接着性、接続信頼性に優れ、保存安定性、リペア性にも優れた異方導電性接着剤が得られる。
Claims (2)
- ラジカル重合性樹脂、有機過酸化物及び熱可塑性エラストマーからなる樹脂組成物中に導電性粒子を分散してなる異方導電性接着剤において、熱可塑性エラストマーが式(1)で表される分子量10,000〜100,000のフェノキシ樹脂であることを特徴とする異方導電性接着剤。
式(1)中のYは、水素原子あるいは式(5)の何れかであり、m≧25である。
- 請求項1記載の異方導電性接着剤を用いて、電子・電機部品の電気的な接合が行われたことを特徴とする電子機器。
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KR100714794B1 (ko) | 2005-07-26 | 2007-05-04 | 새한미디어주식회사 | 저온 속경화형 이방성 도전 필름, 및 그 제조방법 |
JP2010126694A (ja) * | 2008-11-28 | 2010-06-10 | Nagase Chemtex Corp | 縮環構造含有フェノキシ樹脂 |
US9790405B2 (en) | 2008-10-04 | 2017-10-17 | Threebond Fine Chemical Co., Ltd. | Photocurable adhesive composition |
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2002
- 2002-12-20 JP JP2002369535A patent/JP2004197016A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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