JP2004196996A - 独立気泡成形体用樹脂組成物及び独立気泡成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】均一な気泡径の独立気泡が形成された独立気泡成形体が得られる独立気泡成形体用樹脂組成物を提供することである。
【解決手段】本発明は主たる発泡剤として化学発泡剤ではなく熱膨張性マイクロカプセル及び熱膨張済みマイクロカプセルを含有する。また、ニトリル系モノマー成分70重量%以上、ニトリル系モノマー成分に占めるアクリロニトリルの割合が40〜85重量%であり、非ニトリル系モノマー成分30重量%以下からなり架橋剤を含有するビニル系モノマーを重合して形成されたシェルポリマーに、シェルポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤が内包された熱膨張性マイクロカプセルであって、揮発性膨張剤に占める分岐鎖状または環状の構造をとる揮発性膨張剤の割合が30重量%以上である熱膨張性マイクロカプセルを含有するエチレン・α―オレフィン共重合体である。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は主たる発泡剤として化学発泡剤ではなく熱膨張性マイクロカプセル及び熱膨張済みマイクロカプセルを含有する。また、ニトリル系モノマー成分70重量%以上、ニトリル系モノマー成分に占めるアクリロニトリルの割合が40〜85重量%であり、非ニトリル系モノマー成分30重量%以下からなり架橋剤を含有するビニル系モノマーを重合して形成されたシェルポリマーに、シェルポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤が内包された熱膨張性マイクロカプセルであって、揮発性膨張剤に占める分岐鎖状または環状の構造をとる揮発性膨張剤の割合が30重量%以上である熱膨張性マイクロカプセルを含有するエチレン・α―オレフィン共重合体である。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は軽量性、断熱性、クッション性などに優れた独立気泡成形体が得られる成形用樹脂組成物に関する。更に、詳しくは、射出成形、ブロー成形、カレンダー成形等で成形できる独立気泡成形体用樹脂組成物に関する。
【0001】
【従来の技術】
【0002】
プラスチック発泡体は、遮熱、断熱、遮音、吸音、防振、軽量などに優れている。このようなプラスチック発泡体は、クッション材として汎用されている。クッション材としては、例えば、化学発泡剤を用いて加熱発泡させた発泡ポリウレタン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリ塩化ビニル等の発泡樹脂層にポリ塩化ビニル、オレフィン系熱可塑性エラストマーなどからなる樹脂シートかファブリックを表皮材として貼り合わせた複合発泡体が使用されていた。
また、表皮材を用いず、化学発泡剤を含有した熱可塑性エラストマーをキャビティームーブ法により射出発泡成形した表皮付き成形体も提案されている。
【0003】
しかしながら、化学発泡剤を用いた成形用樹脂組成物は発泡しなかったり、射出発泡成形機内で発泡剤が急激に分解するなど取り扱いが難しく、樹脂の種類によっては十分な発泡倍率を得ることができず成形体として所望の硬度を得ることが困難な場合があった。
一方、特許文献1には、化学発泡剤を含有するエチレン・α−オレフィン共重合体のマスターバッチペレットを用いることにより、樹脂の種類を問わず硬度や発泡率が高く均一な気泡が形成された射出発泡成形体が得られると記載されている。しかしながら、化学発泡剤を使用しているため次のような問題を抱えていた。
【0004】
すなわち、化学発泡剤を使用すると、分解ガスと同時に発泡残さが生じ、残さは成形体に残る為、残さが成形体の接着性能に影響を与えることがあった。また、化学発泡剤を使用すると、全てが独立気泡とならず、どうしても連続気泡が生じてしまい気密性が非常に高い発泡成形体を得ることが難しいといった問題点があった。
これに対して、特許文献2には、化学発泡剤にかえて熱膨張性マイクロカプセルをポリオレフィンあるいはスチレン樹脂に含有させた発泡樹脂マスターバッチが記載させている。しかしながら、実施例で挙げられているような市販の熱膨張性マイクロカプセルでは低温で発泡を開始できるとともに、高温に加熱しても膨張済みマイクロカプセルが再び収縮しないような使用温度範囲の広い熱膨張性マイクロカプセルはなかった。したがって、熱膨張性マイクロカプセルを用いた発泡体では独立気泡を一定の大きさをすることが難しく均一な独立気泡が形成された独立気泡成形体を得ることが難しかった。また、ポリプロピレンやスチレンなどの成形材料では140℃をこえる温度に加熱して発泡させることができるが、エチレン・α―オレフィン共重合体を含有するオレフィン樹脂など低温で発泡させたい成形材料に適した熱膨張性マイクロカプセルは存在しなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−178372号公報
【特許文献2】
特開平11−343362号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、均一な独立気泡が形成された独立気泡成形体を与える独立気泡成形体用樹脂組成物、及びこれにより得られた独立気泡成形体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は主たる発泡剤として化学発泡剤ではなく熱膨張性マイクロカプセルおよび熱膨張済みマイクロカプセルを含有する。なお、熱膨張済みマイクロカプセルとは、事前に加熱して発泡させた熱膨張性マイクロカプセルのことである。
【0008】
熱膨張性マイクロカプセルと熱膨張済みマイクロカプセルは同じ種類であっても異なっていてもよい。また、熱膨張済みマイクロカプセルは低比重となるため飛散しやすく取り扱いやすくするため、表面に炭酸カルシウム等の無機粉末を付着させたマイクロカプセルや、樹脂組成物を構成する任意の成分に含浸させて用いることが好ましい。
【0009】
なお、本発明の独立気泡成形体用樹脂組成物は、熱膨張性マイクロカプセルおよび熱膨張済みマイクロカプセルを主たる発泡剤とするが、少量であれば化学発泡剤を併用しても構わない。好ましくは、化学発泡剤は発泡剤の合計重量の10重量%以下であることが好ましい。
【0010】
本発明の熱膨張性マイクロカプセルは、ニトリル系モノマー成分50重量%以上、非ニトリル系モノマー成分50重量%以下からなり架橋剤を含有するビニル系モノマーを重合して形成されたシェルポリマーに、シェルポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤が内包された熱膨張性マイクロカプセルであることが好ましい。
【0011】
また、より好ましくはニトリル系モノマー成分60重量%以上、非ニトリル系モノマー成分40重量%以下からなり架橋剤を含有するビニル系モノマーを重合して形成されたシェルポリマーに、シェルポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤が内包された熱膨張性マイクロカプセルであって、ビニル系モノマー成分に占めるα−メチルスチレンの割合が10重量%以下であって、発泡開始温度が140℃以上であり、180℃で1分間加熱したときの発泡倍率が6倍以上、200℃で2分間加熱したときの発泡倍率が2倍以上である。
【0012】
更に、より好ましくはニトリル系モノマー成分80重量%以上、非ニトリル系モノマー成分20重量%以下からなり架橋剤を含有するビニル系モノマーを重合して形成されたシェルポリマーに、シェルポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤が内包された熱膨張性マイクロカプセルであって、ビニル系モノマー成分に占めるα−メチルスチレンの割合が1〜5重量%からなり、160℃で1分間加熱したときの発泡倍率が2倍以上である。すなわち、低温において速やかに熱膨張させることができ特に好ましい。
【0013】
また、エチレン・α―オレフィン共重合体を樹脂マトリクスとし、少なくとも熱膨張性マイクロカプセルを含有する樹脂組成物である場合は、低温で熱膨張性マイクロカプセルを発泡させることができるので、より好ましくはニトリル系モノマー成分70重量%以上、ニトリル系モノマー成分に占めるアクリロニトリルの割合が40〜85重量%であり、非ニトリル系モノマー成分30重量%以下からなり架橋剤を含有するビニル系モノマーを重合して形成されたシェルポリマーに、シェルポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤が内包された熱膨張性マイクロカプセルであって、揮発性膨張剤に占める分岐鎖状または環状の構造をとる揮発性膨張剤の割合が30重量%以上である。これにより、低温で発泡させることができるだけでなく、高温に加熱されてもいったん膨張したマイクロカプセルが再び収縮してしまう、いわゆる「へたり」を小さくすることができる。
【0014】
本発明に使用するニトリル系モノマーとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、フマロニトリルまたはこれらの任意の混合物等があげられるが、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルが特に好ましい。なお、ビニル系モノマーに占めるニトリル系モノマーの割合は少なくとも50重量%以上である。50重量%未満では耐溶剤性が低くまた高温で十分な熱膨張性が得られない。
【0015】
非ニトリル系モノマーは、スチレン、α- メチルスチレン、酢酸ビニル、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル等が挙げられる。モノマー成分にしめる非ニトリル系モノマーの割合は50重量%以下である。
【0016】
なお、非ニトリル系モノマーはα−メチルスチレンを含むことが好ましい。ビニル系モノマーに占めるα−メチルスチレンの割合は10重量%以下であることが好ましい。より好ましくは1〜5重量%、さらに好ましくは1〜3重量%である。また、シェルポリマーの軟化点を調整する目的でα−メチルスチレンとともに酢酸ビニルモノマーを併用してもよい。
【0017】
架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、トリアクリルホルマール、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、メタクリル酸アリル、ジメタクリル酸1, 3−ブチルグリコール、トリアリルイソシアネート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等が挙げられる。オリゴマー状の架橋剤としては数平均分子量200〜600のポリオキシエチレンジアクリレート、数平均分子量200〜600のポリオキシエチレンジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート等が挙げられる。なお、モノマー成分100重量部に対する架橋剤の好ましい割合は0.1〜1重量部である。
【0018】
熱膨張性マイクロカプセルのシェルポリマーは、架橋剤を含むビニル系モノマーを重合させることにより得られる。なお、重合にあたって必要に応じて重合開始剤を配合してもよい。重合開始剤としては特に限定されないが、ビニル系モノマーに可溶な油溶性重合開始剤が特に好ましい。例えば、過酸化ジアルキル、過酸化ジアシル、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、アゾ化合物などが挙げられる。
【0019】
マイクロカプセル内に包含される揮発性膨張剤はシェルポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる物質であり、低沸点有機溶剤が好適である。例えば、エタン、エチレン、プパン、プロペン、n −ブタン、イソブタン、ブテン、イソブテン、n −ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n −へキサン、ヘプタン、石油エーテルなどの低分子量炭化水素;CCL3F 、CCl2F2、CClF3 、CClF2 −CCl2F2等のクロロフルオロカーボン;テトラメチルシラン、トリメチルエチルシラン、トリメチルイソプロピルシラン、トリメチル−n −プロピルシランなどのテトラアルキルシランなどが挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、イソブタン、n −ブタン、n −ペンタン、イソペンタン、n −へキサン、石油エーテル、およびこれらの二種以上の混合物が好ましい。また、加熱により熱分解してガス状になる熱分解型化合物であってもよい。
【0020】
本発明で用いられる揮発性膨張剤は、分岐鎖状または環状の構造をとる揮発性膨張剤を30重量%以上含有してもよい。好ましくは50重量%以上、より好ましくは80重量%以上である。分岐鎖状または環状の構造を取る揮発性膨張剤とは、例えばイソブタン、イソペンタン、ネオペンタン、イソヘキサン、シクロヘキサン、2,2−ジメチルヘキサンなどの、かさ高い立体構造を有する揮発性膨張剤である。分岐鎖状または環状の構造を有する揮発性膨張剤の割合が30重量%より少ないと、シェルポリマーの組成によっては高温に加熱されたマイクロカプセルが再び収縮してしまう「へたり」が生じやすくなる。
【0021】
シェルポリマーに揮発性膨張剤を内包させる方法は特に限定されない。好適な方法としては、例えば特公昭42−26524 号公報に記載のように、ビニル系モノマーと架橋剤の混合物に揮発性膨張剤および重合開始剤を加えた油性混合液を、分散安定剤等を含む水性媒体中に分散させて懸濁重合させる方法があげられる。
【0022】
懸濁重合は、通常、分散安定剤を含有する水性分散媒体中で行われる。分散安定剤としては、例えば、シリカ、リン酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化第二鉄、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、蓚酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウムなどが挙げられる。この他に補助安定剤、例えば、ジエタノールアミンと脂肪族ジカルボン酸の縮合生成物、尿素とホルムアルデヒドとの縮合生成物、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ゼラチン、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ジオクチルスルホサクシネート、ソルビタンエステル、各種乳化剤等を使用することができる。分散安定剤は、ビニル系モノマー100重量部に対して、0.1〜20重量部の割合で使用することが好ましい。
【0023】
熱膨張性マイクロカプセル及び/又は熱膨張済みマイクロカプセルは樹脂組成物に1〜50重量%含有されていることが好ましい。
【0024】
本発明の独立気泡成形体用樹脂組成物における樹脂マトリクスとしては、特に限定されないが、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、エチレン・α−オレフィン共重合体などがあげられる。中でもエチレン・α−オレフィン共重合体が特に好ましい。例えばデュポン・ダウエラストマー・ジャパン社製の「エンゲージ」が挙げられる。
エチレン・α−オレフィン共重合体は単独で使用してもよいが、ポリプロピレン樹脂と混合して用いてもよい。エチレン・α−オレフィン共重合体はポリプロピレンへの分散性に優れ、EPゴムよりもポリプロピレンのモジュラス性能を高めることができる。したがって、ポリプロポレンとエチレン・α−オレフィン共重合体を樹脂マトリクスとする場合は、薄肉化しやすい樹脂組成物となる。なお、エチレン・α−オレフィン共重合体は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0025】
エチレン・α−オレフィン共重合体のDSCによる最高融解ピーク温度Tm(℃)は、60〜100℃が好ましく、60〜80℃がより好ましい。前記Tmが100℃を越えると、得られた樹脂組成物を加工しにくくなることがある。
【0026】
エチレン・α−オレフィン共重合体は、他のオレフィン系熱可塑性エラストマーと混合して用いてもよい。前記発泡性マスターバッチにおける、前記エチレン・α−オレフィン共重合体の含有量としては、発泡性のみを考慮すると、60〜100重量%、より好ましくは80〜100重量%が好ましく、100重量%が特に好ましい。しかし、エチレン・α−オレフィン共重合体100重量%では耐熱性や強度に劣るため、車輛用内装材のように耐熱性や強度が要求される用途の場合は、前記三井化学社製の「ミラストマー」シリーズ、住友化学社製の「住友TPEサントプレーン」シリーズ、エイイーエス社製の「サントプレーン」シリーズなど耐熱性のあるEPDM架橋ゴムやポリプロピレンを含有した一般的に「TPO」と呼ばれるオレフィン系熱可塑性エラストマーを適宜配合することが好ましい。
【0027】
耐熱性や強度を付与するためには、他のオレフィン系熱可塑性エラストマーのDSCによる最高融解ピーク温度Tm(℃)は、130〜170℃が好ましくは、130〜160℃がより好ましい。前記DSCによる最高融解ピーク温度が130℃を下回ると、耐熱性を十分に高めることが難しい。また、170℃を超えると柔軟性に乏しく硬くなることがある。
【0028】
本発明の独立気泡成形体用樹脂組成物には、必要に応じて化学発泡剤が含有されていてもよい。化学発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)等のアゾ化合物、N,N' −ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)等のニトロソ化合物、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、ヒドラゾジカルボンアミド(HDCA)等のヒドラジン誘導体、バリウムアゾジカルボキシレート(Ba/AC)等のアゾ化合物、炭酸水素ナトリウム等の重炭酸塩等が挙げられ、その中でも、アゾ化合物、ヒドラジン誘導体、重炭酸塩などが挙げられる。
【0029】
熱膨張性マイクロカプセルや熱膨張済みマイクロカプセルを成形装置内の樹脂と溶融混練しても良いが、予め樹脂と混練しておきマスターバッチ化することがより好ましい。本発明の独立気泡成形体用樹脂組成物は、射出成形、ブロー成形、カレンダー成形等、種々の成形方法で成形することができる。
【0030】
また、本発明の独立気泡成形体用樹脂組成物は発泡性マスターバッチとして用いてもよい。すなわち、熱膨張性マイクロカプセルなどの発泡材を除く樹脂や各種添加剤等の材料をあらかじめ混練しておき、所定温度まで加熱した後、熱膨張マイクロカプセルなどの発泡材を添加して、さらに混練した混練物を、ペレット形状に成形した発泡性マスターバッチであることが好ましい。より具体的には、同方向2軸押出機にあらかじめ混練しておいた他の原材料と共に熱膨張性マイクロカプセルなどの発泡剤を直接投入し、ペレタイザーにて所望の大きさに切断することによりペレット形状の発泡性マスターバッチを得ることができる。また、バッチ式の混練機で混練した後、造粒機で造粒することによりペレット形状の発泡性マスターバッチを製造してもよい。混練機としては、熱膨張性マイクロカプセルを破壊することなく混練できる点で、加圧ニーダー、バンバリーミキサーが特に好ましい。
【0031】
本発明の独立気泡成形体は、樹脂マトリクスの種類により軟質あるいは硬質発泡体となる。
【0032】
軟質発泡体となる樹脂としては、オレフィン系、ウレタン系、あるいはスチレン系の熱可塑性エラストマーが挙げられる。さらに、オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、デュポン・ダウエラストマージャパン社製の「エンゲージ」シリーズ、三井化学社製の「ミラストマー」シリーズ、住友化学社製の「住友TPEサントプレーン」シリーズ、エイイーエス社製の「サントプレーン」シリーズ等が挙げられる。スチレン系エラストマーとしては、三菱化学社製の「ラバロン」シリーズ等が挙げられる。また、これらの樹脂を所望の加工性や硬さに合わせて混合して使用してもよい。
【0033】
硬質発泡体となる樹脂としては、モンテルポリオレフィンズカンパニー社製のホモポリプロピレン樹脂「PF814」、グランドポリマー社製ランダムポリプロピレン樹脂「B230」「J704」、三井化学社製高密度ポリエチレン「3300F」が挙げられる。また、これらの樹脂は混合して使用してもよい。
【0034】
また、生分解性樹脂であってもよく、例えば、酢酸セルロース(P-CA)系とポリカプロラクトン(P-H 、P-HB)系のダイセル化学工業社の「セルグリーン」シリーズ、三井化学のポリ乳酸「LACEA 」、などが挙げられる。それらは熱特性に応じて単独もしくは併用して用いても構わない。
【0035】
本発明の独立気泡成形体はさらに2 次製品、3 次製品に加工されていてもよい。例えば、本発明の独立気泡成形体の表面に表皮材を張り合わせた複合成形体であってもよい。なお、表皮材としては、レザー、樹脂フィルム、織布、および不織布などが挙げられる。これらの表皮材は射出成形時に同時に成形しても、得られた成形体に接着剤で接着しても良い。
【0036】
また、本革や石や木等から転写した凹凸を付したシリコーンスタンパを用いて、表面により皮目や木目模様等の意匠を伴った表皮層を設けてもよい。
【0037】
なお、軟質樹脂層であるとクッション性に優れ、硬質発泡層であると硬質発泡樹脂が骨材となり、剛性の高い発泡成形体が得られる。
【0038】
また、表皮材上にクッション性のある軟質発泡層を設け、さらにこの上に、骨材となる硬質発泡層を設けた3層構成の複合成形体としてもよい。
【0039】
また、リサイクル等の観点から、発泡層と表皮層は同系統の熱可塑性エラストマーとすることが好ましい。
【0040】
(作用)
本発明の独立気泡成形体用樹脂組成物は、熱膨張済みマイクロカプセルを含有しており、あらかじめ膨張させた熱膨張済みマイクロカプセルは粒径が揃いやすいことから樹脂組成物中に均一な独立気泡を形成させることができる。
また、含有されている熱膨張性マイクロカプセルは独立気泡を形成するとともに樹脂組成物を発泡させることから、本発明の独立気泡成形体用樹脂組成物は、均一な独立気泡が形成された成形体が得られる。なお、膨張開始温度が高い熱膨張性マイクロカプセルとすることにより高温に加熱されても、熱膨張性マイクロカプセルが収縮しにくいため特に均一な独立気泡が形成させることができる。
また、エチレン・α―オレフィン共重合体とともに、特定の熱膨張性マイクロカプセルを用いることによって均一な独立気泡が形成された成形体が得られる。
【0041】
【実施例】
実施例1
(熱膨張性マイクロカプセルの作製)
下記組成の油性混合液をホモジナイザーで攪拌混合して分散安定剤を含む水系分散液に懸濁させた後、窒素置換した20Lの加圧重合器内に入れ0.2M Pa に加圧しながら60℃で20時間反応させた。ついで、ろ過と水洗いを繰り返したのち乾燥させて平均粒径が18μmの熱膨張性マイクロカプセルを得た。
(油性混合液の組成)
アクリロニトリル 2125重量部
メタクリロニトリル 980重量部
α−メチルスチレン 30重量部
酢酸ビニル 30重量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 6重量部
n−ペンタン 800重量部
アゾビスイソブチロニトリル 20重量部
得られた熱膨張性マイクロカプセルをエチレン/酢酸ビニル共重合体エマルジョンに加えた発泡性樹脂組成物を紙基材に薄くコーティングしたあと、140℃に加熱して熱膨張済みマイクロカプセルによる樹脂表面の荒れが生じるか観察した。また、発泡開始温度以上の任意の温度で加熱し各加熱条件における発泡性樹脂組成物の発泡倍率(発泡前後の塗膜厚の増加倍率)を測定した。
発泡性樹脂組成物の発泡倍率を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
実施例2
(熱膨張性マイクロカプセルの作製)
下記組成の油性混合液をホモジナイザーで攪拌混合して分散安定剤を含む水系分散液に懸濁させた後、窒素置換した20Lの加圧重合器内に入れ0.2M Pa に加圧しながら60℃で20時間反応させた。ついで、ろ過と水洗いを繰り返したのち乾燥させて熱膨張性マイクロカプセルを得た。
(油性混合液の組成)
アクリロニトリル 51重量%
メタクリロニトリル 45重量%
酢酸ビニル 3重量%
メタクリル酸メチル 1重量%
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 0.17重量部
イソペンタン 250重量部
t−ブチルパーオキシビバレート 1重量部
ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート 0.3重量部
(発泡開始温度、膨張性及び高温での「へたり」の評価)
TAインスツルメンツ社製 熱機械分析装置 2940 型(2940 TMA)を使用し熱膨張性マイクロカプセル250μgを直径7mm深さ1mmの円筒状のアルミ容器に入れ、上から0.1Nの力を加えた状態で80℃から220℃まで5℃/分の昇温速度で加熱して加圧端子の垂直方向における変位量を測定した。測定により120〜130℃の間で変位が観測され始めた。したがって、発泡開始温度は120〜130℃の間であることがわかった。
さらに、170℃における変位量は300μm以上あり変位量が大幅に低下することはなく顕著な「へたり」は見られなかった。
【0044】
(発泡性マスターバッチペレットの作製)
デュポン・ダウエラストマー・ジャパン社製「EG8440」を60重量部、デュポン・ダウエラストマー・ジャパン社製「EG8200」を40重量部と滑材としてエチレンビスステアリン酸アマイド0.2重量部をバンバリーミキサーで混練し、約140℃になったところで熱膨張性マイクロカプセル15重量部を添加し、さらに30秒間混練した。混練物をフィーダールーダー式のペレタイザーに投入し、ペレット形状の発泡性マスターバッチを得た。
【0045】
発泡性マスターバッチ9重量部と共に部分架橋タイプのオレフィン系エラストマーである三井化学社製「ミラストマー5030N 」を70重量部と、デュポン・ダウエラストマー・ジャパン社製「EG8200」30重量部を、成形機でシート形状に成形した。なお、得られた樹脂シートの独立気泡の割合は顕微鏡観察で観察して求めた。また、クッション性の良否は指でシートを押し込んだ時の跳ね返りの感触から判断した。また、発泡倍率は以下の計算式から算出した。
発泡倍率=(発泡後の樹脂シートの厚さ)/ (発泡前の樹脂シートの厚さ)
【0046】
また、発泡後の樹脂シートにレザー調の塩化ビニル樹脂製表皮材を貼りつけた後、表皮材と発泡層とを反対方向に引っぱり接着性を評価した。
【0047】
比較例1
熱膨張性マイクロカプセルの代わりに化学発泡剤として永和化成社製スパンセル「DS#25 」15重量部を用い、発泡促進剤として旭電化工業社製「NA- 11」0.1重量部と、発泡遅延剤としてチバスペシャルティケミカルズ社製「チヌビン326」0.5重量部を添加したこと以外は実施例1と同様にした。
【0048】
実施例1及び2、比較例1の評価結果を表2に示した。
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】
本発明の独立気泡成形体は、熱膨張性マイクロカプセルによって成形体中に均一な気泡径の独立気泡を形成させることができる。したがって、気密性が高く、高い断熱性を持ちクッション性に優れた独立気泡成形体を得ることができる。
本発明は軽量性、断熱性、クッション性などに優れた独立気泡成形体が得られる成形用樹脂組成物に関する。更に、詳しくは、射出成形、ブロー成形、カレンダー成形等で成形できる独立気泡成形体用樹脂組成物に関する。
【0001】
【従来の技術】
【0002】
プラスチック発泡体は、遮熱、断熱、遮音、吸音、防振、軽量などに優れている。このようなプラスチック発泡体は、クッション材として汎用されている。クッション材としては、例えば、化学発泡剤を用いて加熱発泡させた発泡ポリウレタン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリ塩化ビニル等の発泡樹脂層にポリ塩化ビニル、オレフィン系熱可塑性エラストマーなどからなる樹脂シートかファブリックを表皮材として貼り合わせた複合発泡体が使用されていた。
また、表皮材を用いず、化学発泡剤を含有した熱可塑性エラストマーをキャビティームーブ法により射出発泡成形した表皮付き成形体も提案されている。
【0003】
しかしながら、化学発泡剤を用いた成形用樹脂組成物は発泡しなかったり、射出発泡成形機内で発泡剤が急激に分解するなど取り扱いが難しく、樹脂の種類によっては十分な発泡倍率を得ることができず成形体として所望の硬度を得ることが困難な場合があった。
一方、特許文献1には、化学発泡剤を含有するエチレン・α−オレフィン共重合体のマスターバッチペレットを用いることにより、樹脂の種類を問わず硬度や発泡率が高く均一な気泡が形成された射出発泡成形体が得られると記載されている。しかしながら、化学発泡剤を使用しているため次のような問題を抱えていた。
【0004】
すなわち、化学発泡剤を使用すると、分解ガスと同時に発泡残さが生じ、残さは成形体に残る為、残さが成形体の接着性能に影響を与えることがあった。また、化学発泡剤を使用すると、全てが独立気泡とならず、どうしても連続気泡が生じてしまい気密性が非常に高い発泡成形体を得ることが難しいといった問題点があった。
これに対して、特許文献2には、化学発泡剤にかえて熱膨張性マイクロカプセルをポリオレフィンあるいはスチレン樹脂に含有させた発泡樹脂マスターバッチが記載させている。しかしながら、実施例で挙げられているような市販の熱膨張性マイクロカプセルでは低温で発泡を開始できるとともに、高温に加熱しても膨張済みマイクロカプセルが再び収縮しないような使用温度範囲の広い熱膨張性マイクロカプセルはなかった。したがって、熱膨張性マイクロカプセルを用いた発泡体では独立気泡を一定の大きさをすることが難しく均一な独立気泡が形成された独立気泡成形体を得ることが難しかった。また、ポリプロピレンやスチレンなどの成形材料では140℃をこえる温度に加熱して発泡させることができるが、エチレン・α―オレフィン共重合体を含有するオレフィン樹脂など低温で発泡させたい成形材料に適した熱膨張性マイクロカプセルは存在しなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−178372号公報
【特許文献2】
特開平11−343362号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、均一な独立気泡が形成された独立気泡成形体を与える独立気泡成形体用樹脂組成物、及びこれにより得られた独立気泡成形体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は主たる発泡剤として化学発泡剤ではなく熱膨張性マイクロカプセルおよび熱膨張済みマイクロカプセルを含有する。なお、熱膨張済みマイクロカプセルとは、事前に加熱して発泡させた熱膨張性マイクロカプセルのことである。
【0008】
熱膨張性マイクロカプセルと熱膨張済みマイクロカプセルは同じ種類であっても異なっていてもよい。また、熱膨張済みマイクロカプセルは低比重となるため飛散しやすく取り扱いやすくするため、表面に炭酸カルシウム等の無機粉末を付着させたマイクロカプセルや、樹脂組成物を構成する任意の成分に含浸させて用いることが好ましい。
【0009】
なお、本発明の独立気泡成形体用樹脂組成物は、熱膨張性マイクロカプセルおよび熱膨張済みマイクロカプセルを主たる発泡剤とするが、少量であれば化学発泡剤を併用しても構わない。好ましくは、化学発泡剤は発泡剤の合計重量の10重量%以下であることが好ましい。
【0010】
本発明の熱膨張性マイクロカプセルは、ニトリル系モノマー成分50重量%以上、非ニトリル系モノマー成分50重量%以下からなり架橋剤を含有するビニル系モノマーを重合して形成されたシェルポリマーに、シェルポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤が内包された熱膨張性マイクロカプセルであることが好ましい。
【0011】
また、より好ましくはニトリル系モノマー成分60重量%以上、非ニトリル系モノマー成分40重量%以下からなり架橋剤を含有するビニル系モノマーを重合して形成されたシェルポリマーに、シェルポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤が内包された熱膨張性マイクロカプセルであって、ビニル系モノマー成分に占めるα−メチルスチレンの割合が10重量%以下であって、発泡開始温度が140℃以上であり、180℃で1分間加熱したときの発泡倍率が6倍以上、200℃で2分間加熱したときの発泡倍率が2倍以上である。
【0012】
更に、より好ましくはニトリル系モノマー成分80重量%以上、非ニトリル系モノマー成分20重量%以下からなり架橋剤を含有するビニル系モノマーを重合して形成されたシェルポリマーに、シェルポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤が内包された熱膨張性マイクロカプセルであって、ビニル系モノマー成分に占めるα−メチルスチレンの割合が1〜5重量%からなり、160℃で1分間加熱したときの発泡倍率が2倍以上である。すなわち、低温において速やかに熱膨張させることができ特に好ましい。
【0013】
また、エチレン・α―オレフィン共重合体を樹脂マトリクスとし、少なくとも熱膨張性マイクロカプセルを含有する樹脂組成物である場合は、低温で熱膨張性マイクロカプセルを発泡させることができるので、より好ましくはニトリル系モノマー成分70重量%以上、ニトリル系モノマー成分に占めるアクリロニトリルの割合が40〜85重量%であり、非ニトリル系モノマー成分30重量%以下からなり架橋剤を含有するビニル系モノマーを重合して形成されたシェルポリマーに、シェルポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤が内包された熱膨張性マイクロカプセルであって、揮発性膨張剤に占める分岐鎖状または環状の構造をとる揮発性膨張剤の割合が30重量%以上である。これにより、低温で発泡させることができるだけでなく、高温に加熱されてもいったん膨張したマイクロカプセルが再び収縮してしまう、いわゆる「へたり」を小さくすることができる。
【0014】
本発明に使用するニトリル系モノマーとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、フマロニトリルまたはこれらの任意の混合物等があげられるが、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルが特に好ましい。なお、ビニル系モノマーに占めるニトリル系モノマーの割合は少なくとも50重量%以上である。50重量%未満では耐溶剤性が低くまた高温で十分な熱膨張性が得られない。
【0015】
非ニトリル系モノマーは、スチレン、α- メチルスチレン、酢酸ビニル、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル等が挙げられる。モノマー成分にしめる非ニトリル系モノマーの割合は50重量%以下である。
【0016】
なお、非ニトリル系モノマーはα−メチルスチレンを含むことが好ましい。ビニル系モノマーに占めるα−メチルスチレンの割合は10重量%以下であることが好ましい。より好ましくは1〜5重量%、さらに好ましくは1〜3重量%である。また、シェルポリマーの軟化点を調整する目的でα−メチルスチレンとともに酢酸ビニルモノマーを併用してもよい。
【0017】
架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、トリアクリルホルマール、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、メタクリル酸アリル、ジメタクリル酸1, 3−ブチルグリコール、トリアリルイソシアネート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等が挙げられる。オリゴマー状の架橋剤としては数平均分子量200〜600のポリオキシエチレンジアクリレート、数平均分子量200〜600のポリオキシエチレンジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート等が挙げられる。なお、モノマー成分100重量部に対する架橋剤の好ましい割合は0.1〜1重量部である。
【0018】
熱膨張性マイクロカプセルのシェルポリマーは、架橋剤を含むビニル系モノマーを重合させることにより得られる。なお、重合にあたって必要に応じて重合開始剤を配合してもよい。重合開始剤としては特に限定されないが、ビニル系モノマーに可溶な油溶性重合開始剤が特に好ましい。例えば、過酸化ジアルキル、過酸化ジアシル、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、アゾ化合物などが挙げられる。
【0019】
マイクロカプセル内に包含される揮発性膨張剤はシェルポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる物質であり、低沸点有機溶剤が好適である。例えば、エタン、エチレン、プパン、プロペン、n −ブタン、イソブタン、ブテン、イソブテン、n −ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n −へキサン、ヘプタン、石油エーテルなどの低分子量炭化水素;CCL3F 、CCl2F2、CClF3 、CClF2 −CCl2F2等のクロロフルオロカーボン;テトラメチルシラン、トリメチルエチルシラン、トリメチルイソプロピルシラン、トリメチル−n −プロピルシランなどのテトラアルキルシランなどが挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、イソブタン、n −ブタン、n −ペンタン、イソペンタン、n −へキサン、石油エーテル、およびこれらの二種以上の混合物が好ましい。また、加熱により熱分解してガス状になる熱分解型化合物であってもよい。
【0020】
本発明で用いられる揮発性膨張剤は、分岐鎖状または環状の構造をとる揮発性膨張剤を30重量%以上含有してもよい。好ましくは50重量%以上、より好ましくは80重量%以上である。分岐鎖状または環状の構造を取る揮発性膨張剤とは、例えばイソブタン、イソペンタン、ネオペンタン、イソヘキサン、シクロヘキサン、2,2−ジメチルヘキサンなどの、かさ高い立体構造を有する揮発性膨張剤である。分岐鎖状または環状の構造を有する揮発性膨張剤の割合が30重量%より少ないと、シェルポリマーの組成によっては高温に加熱されたマイクロカプセルが再び収縮してしまう「へたり」が生じやすくなる。
【0021】
シェルポリマーに揮発性膨張剤を内包させる方法は特に限定されない。好適な方法としては、例えば特公昭42−26524 号公報に記載のように、ビニル系モノマーと架橋剤の混合物に揮発性膨張剤および重合開始剤を加えた油性混合液を、分散安定剤等を含む水性媒体中に分散させて懸濁重合させる方法があげられる。
【0022】
懸濁重合は、通常、分散安定剤を含有する水性分散媒体中で行われる。分散安定剤としては、例えば、シリカ、リン酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化第二鉄、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、蓚酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウムなどが挙げられる。この他に補助安定剤、例えば、ジエタノールアミンと脂肪族ジカルボン酸の縮合生成物、尿素とホルムアルデヒドとの縮合生成物、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ゼラチン、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ジオクチルスルホサクシネート、ソルビタンエステル、各種乳化剤等を使用することができる。分散安定剤は、ビニル系モノマー100重量部に対して、0.1〜20重量部の割合で使用することが好ましい。
【0023】
熱膨張性マイクロカプセル及び/又は熱膨張済みマイクロカプセルは樹脂組成物に1〜50重量%含有されていることが好ましい。
【0024】
本発明の独立気泡成形体用樹脂組成物における樹脂マトリクスとしては、特に限定されないが、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、エチレン・α−オレフィン共重合体などがあげられる。中でもエチレン・α−オレフィン共重合体が特に好ましい。例えばデュポン・ダウエラストマー・ジャパン社製の「エンゲージ」が挙げられる。
エチレン・α−オレフィン共重合体は単独で使用してもよいが、ポリプロピレン樹脂と混合して用いてもよい。エチレン・α−オレフィン共重合体はポリプロピレンへの分散性に優れ、EPゴムよりもポリプロピレンのモジュラス性能を高めることができる。したがって、ポリプロポレンとエチレン・α−オレフィン共重合体を樹脂マトリクスとする場合は、薄肉化しやすい樹脂組成物となる。なお、エチレン・α−オレフィン共重合体は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0025】
エチレン・α−オレフィン共重合体のDSCによる最高融解ピーク温度Tm(℃)は、60〜100℃が好ましく、60〜80℃がより好ましい。前記Tmが100℃を越えると、得られた樹脂組成物を加工しにくくなることがある。
【0026】
エチレン・α−オレフィン共重合体は、他のオレフィン系熱可塑性エラストマーと混合して用いてもよい。前記発泡性マスターバッチにおける、前記エチレン・α−オレフィン共重合体の含有量としては、発泡性のみを考慮すると、60〜100重量%、より好ましくは80〜100重量%が好ましく、100重量%が特に好ましい。しかし、エチレン・α−オレフィン共重合体100重量%では耐熱性や強度に劣るため、車輛用内装材のように耐熱性や強度が要求される用途の場合は、前記三井化学社製の「ミラストマー」シリーズ、住友化学社製の「住友TPEサントプレーン」シリーズ、エイイーエス社製の「サントプレーン」シリーズなど耐熱性のあるEPDM架橋ゴムやポリプロピレンを含有した一般的に「TPO」と呼ばれるオレフィン系熱可塑性エラストマーを適宜配合することが好ましい。
【0027】
耐熱性や強度を付与するためには、他のオレフィン系熱可塑性エラストマーのDSCによる最高融解ピーク温度Tm(℃)は、130〜170℃が好ましくは、130〜160℃がより好ましい。前記DSCによる最高融解ピーク温度が130℃を下回ると、耐熱性を十分に高めることが難しい。また、170℃を超えると柔軟性に乏しく硬くなることがある。
【0028】
本発明の独立気泡成形体用樹脂組成物には、必要に応じて化学発泡剤が含有されていてもよい。化学発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)等のアゾ化合物、N,N' −ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)等のニトロソ化合物、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、ヒドラゾジカルボンアミド(HDCA)等のヒドラジン誘導体、バリウムアゾジカルボキシレート(Ba/AC)等のアゾ化合物、炭酸水素ナトリウム等の重炭酸塩等が挙げられ、その中でも、アゾ化合物、ヒドラジン誘導体、重炭酸塩などが挙げられる。
【0029】
熱膨張性マイクロカプセルや熱膨張済みマイクロカプセルを成形装置内の樹脂と溶融混練しても良いが、予め樹脂と混練しておきマスターバッチ化することがより好ましい。本発明の独立気泡成形体用樹脂組成物は、射出成形、ブロー成形、カレンダー成形等、種々の成形方法で成形することができる。
【0030】
また、本発明の独立気泡成形体用樹脂組成物は発泡性マスターバッチとして用いてもよい。すなわち、熱膨張性マイクロカプセルなどの発泡材を除く樹脂や各種添加剤等の材料をあらかじめ混練しておき、所定温度まで加熱した後、熱膨張マイクロカプセルなどの発泡材を添加して、さらに混練した混練物を、ペレット形状に成形した発泡性マスターバッチであることが好ましい。より具体的には、同方向2軸押出機にあらかじめ混練しておいた他の原材料と共に熱膨張性マイクロカプセルなどの発泡剤を直接投入し、ペレタイザーにて所望の大きさに切断することによりペレット形状の発泡性マスターバッチを得ることができる。また、バッチ式の混練機で混練した後、造粒機で造粒することによりペレット形状の発泡性マスターバッチを製造してもよい。混練機としては、熱膨張性マイクロカプセルを破壊することなく混練できる点で、加圧ニーダー、バンバリーミキサーが特に好ましい。
【0031】
本発明の独立気泡成形体は、樹脂マトリクスの種類により軟質あるいは硬質発泡体となる。
【0032】
軟質発泡体となる樹脂としては、オレフィン系、ウレタン系、あるいはスチレン系の熱可塑性エラストマーが挙げられる。さらに、オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、デュポン・ダウエラストマージャパン社製の「エンゲージ」シリーズ、三井化学社製の「ミラストマー」シリーズ、住友化学社製の「住友TPEサントプレーン」シリーズ、エイイーエス社製の「サントプレーン」シリーズ等が挙げられる。スチレン系エラストマーとしては、三菱化学社製の「ラバロン」シリーズ等が挙げられる。また、これらの樹脂を所望の加工性や硬さに合わせて混合して使用してもよい。
【0033】
硬質発泡体となる樹脂としては、モンテルポリオレフィンズカンパニー社製のホモポリプロピレン樹脂「PF814」、グランドポリマー社製ランダムポリプロピレン樹脂「B230」「J704」、三井化学社製高密度ポリエチレン「3300F」が挙げられる。また、これらの樹脂は混合して使用してもよい。
【0034】
また、生分解性樹脂であってもよく、例えば、酢酸セルロース(P-CA)系とポリカプロラクトン(P-H 、P-HB)系のダイセル化学工業社の「セルグリーン」シリーズ、三井化学のポリ乳酸「LACEA 」、などが挙げられる。それらは熱特性に応じて単独もしくは併用して用いても構わない。
【0035】
本発明の独立気泡成形体はさらに2 次製品、3 次製品に加工されていてもよい。例えば、本発明の独立気泡成形体の表面に表皮材を張り合わせた複合成形体であってもよい。なお、表皮材としては、レザー、樹脂フィルム、織布、および不織布などが挙げられる。これらの表皮材は射出成形時に同時に成形しても、得られた成形体に接着剤で接着しても良い。
【0036】
また、本革や石や木等から転写した凹凸を付したシリコーンスタンパを用いて、表面により皮目や木目模様等の意匠を伴った表皮層を設けてもよい。
【0037】
なお、軟質樹脂層であるとクッション性に優れ、硬質発泡層であると硬質発泡樹脂が骨材となり、剛性の高い発泡成形体が得られる。
【0038】
また、表皮材上にクッション性のある軟質発泡層を設け、さらにこの上に、骨材となる硬質発泡層を設けた3層構成の複合成形体としてもよい。
【0039】
また、リサイクル等の観点から、発泡層と表皮層は同系統の熱可塑性エラストマーとすることが好ましい。
【0040】
(作用)
本発明の独立気泡成形体用樹脂組成物は、熱膨張済みマイクロカプセルを含有しており、あらかじめ膨張させた熱膨張済みマイクロカプセルは粒径が揃いやすいことから樹脂組成物中に均一な独立気泡を形成させることができる。
また、含有されている熱膨張性マイクロカプセルは独立気泡を形成するとともに樹脂組成物を発泡させることから、本発明の独立気泡成形体用樹脂組成物は、均一な独立気泡が形成された成形体が得られる。なお、膨張開始温度が高い熱膨張性マイクロカプセルとすることにより高温に加熱されても、熱膨張性マイクロカプセルが収縮しにくいため特に均一な独立気泡が形成させることができる。
また、エチレン・α―オレフィン共重合体とともに、特定の熱膨張性マイクロカプセルを用いることによって均一な独立気泡が形成された成形体が得られる。
【0041】
【実施例】
実施例1
(熱膨張性マイクロカプセルの作製)
下記組成の油性混合液をホモジナイザーで攪拌混合して分散安定剤を含む水系分散液に懸濁させた後、窒素置換した20Lの加圧重合器内に入れ0.2M Pa に加圧しながら60℃で20時間反応させた。ついで、ろ過と水洗いを繰り返したのち乾燥させて平均粒径が18μmの熱膨張性マイクロカプセルを得た。
(油性混合液の組成)
アクリロニトリル 2125重量部
メタクリロニトリル 980重量部
α−メチルスチレン 30重量部
酢酸ビニル 30重量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 6重量部
n−ペンタン 800重量部
アゾビスイソブチロニトリル 20重量部
得られた熱膨張性マイクロカプセルをエチレン/酢酸ビニル共重合体エマルジョンに加えた発泡性樹脂組成物を紙基材に薄くコーティングしたあと、140℃に加熱して熱膨張済みマイクロカプセルによる樹脂表面の荒れが生じるか観察した。また、発泡開始温度以上の任意の温度で加熱し各加熱条件における発泡性樹脂組成物の発泡倍率(発泡前後の塗膜厚の増加倍率)を測定した。
発泡性樹脂組成物の発泡倍率を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
実施例2
(熱膨張性マイクロカプセルの作製)
下記組成の油性混合液をホモジナイザーで攪拌混合して分散安定剤を含む水系分散液に懸濁させた後、窒素置換した20Lの加圧重合器内に入れ0.2M Pa に加圧しながら60℃で20時間反応させた。ついで、ろ過と水洗いを繰り返したのち乾燥させて熱膨張性マイクロカプセルを得た。
(油性混合液の組成)
アクリロニトリル 51重量%
メタクリロニトリル 45重量%
酢酸ビニル 3重量%
メタクリル酸メチル 1重量%
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 0.17重量部
イソペンタン 250重量部
t−ブチルパーオキシビバレート 1重量部
ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート 0.3重量部
(発泡開始温度、膨張性及び高温での「へたり」の評価)
TAインスツルメンツ社製 熱機械分析装置 2940 型(2940 TMA)を使用し熱膨張性マイクロカプセル250μgを直径7mm深さ1mmの円筒状のアルミ容器に入れ、上から0.1Nの力を加えた状態で80℃から220℃まで5℃/分の昇温速度で加熱して加圧端子の垂直方向における変位量を測定した。測定により120〜130℃の間で変位が観測され始めた。したがって、発泡開始温度は120〜130℃の間であることがわかった。
さらに、170℃における変位量は300μm以上あり変位量が大幅に低下することはなく顕著な「へたり」は見られなかった。
【0044】
(発泡性マスターバッチペレットの作製)
デュポン・ダウエラストマー・ジャパン社製「EG8440」を60重量部、デュポン・ダウエラストマー・ジャパン社製「EG8200」を40重量部と滑材としてエチレンビスステアリン酸アマイド0.2重量部をバンバリーミキサーで混練し、約140℃になったところで熱膨張性マイクロカプセル15重量部を添加し、さらに30秒間混練した。混練物をフィーダールーダー式のペレタイザーに投入し、ペレット形状の発泡性マスターバッチを得た。
【0045】
発泡性マスターバッチ9重量部と共に部分架橋タイプのオレフィン系エラストマーである三井化学社製「ミラストマー5030N 」を70重量部と、デュポン・ダウエラストマー・ジャパン社製「EG8200」30重量部を、成形機でシート形状に成形した。なお、得られた樹脂シートの独立気泡の割合は顕微鏡観察で観察して求めた。また、クッション性の良否は指でシートを押し込んだ時の跳ね返りの感触から判断した。また、発泡倍率は以下の計算式から算出した。
発泡倍率=(発泡後の樹脂シートの厚さ)/ (発泡前の樹脂シートの厚さ)
【0046】
また、発泡後の樹脂シートにレザー調の塩化ビニル樹脂製表皮材を貼りつけた後、表皮材と発泡層とを反対方向に引っぱり接着性を評価した。
【0047】
比較例1
熱膨張性マイクロカプセルの代わりに化学発泡剤として永和化成社製スパンセル「DS#25 」15重量部を用い、発泡促進剤として旭電化工業社製「NA- 11」0.1重量部と、発泡遅延剤としてチバスペシャルティケミカルズ社製「チヌビン326」0.5重量部を添加したこと以外は実施例1と同様にした。
【0048】
実施例1及び2、比較例1の評価結果を表2に示した。
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】
本発明の独立気泡成形体は、熱膨張性マイクロカプセルによって成形体中に均一な気泡径の独立気泡を形成させることができる。したがって、気密性が高く、高い断熱性を持ちクッション性に優れた独立気泡成形体を得ることができる。
Claims (9)
- 熱膨張性マイクロカプセルおよび熱膨張済みマイクロカプセルを含有することを特徴とする独立気泡成形体用樹脂組成物。
- 前記熱膨張性マイクロカプセルが、ニトリル系モノマー成分50重量%以上、非ニトリル系モノマー成分50重量%以下からなり架橋剤を含有するビニル系モノマーを重合して形成されたシェルポリマーに、シェルポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤が内包された熱膨張性マイクロカプセルであることを特徴とする請求項1記載の独立気泡成形体用樹脂組成物。
- 熱膨張性マイクロカプセルが、ニトリル系モノマー成分60重量%以上、非ニトリル系モノマー成分40重量%以下からなり架橋剤を含有するビニル系モノマーを重合して形成されたシェルポリマーに、シェルポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤が内包された熱膨張性マイクロカプセルであって、ビニル系モノマー成分に占めるα−メチルスチレンの割合が10重量%以下であって、発泡開始温度が140℃以上であり、180℃で1分間加熱したときの発泡倍率が6倍以上、200℃で2分間加熱したときの発泡倍率が2倍以上であることを特徴とする請求項1記載の独立気泡成形体用樹脂組成物。
- 熱膨張性マイクロカプセルが、ニトリル系モノマー成分80重量%以上、非ニトリル系モノマー成分20重量%以下からなり架橋剤を含有するビニル系モノマーを重合して形成されたシェルポリマーに、シェルポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤が内包された熱膨張性マイクロカプセルであって、ビニル系モノマー成分に占めるα−メチルスチレンの割合が1〜5重量%からなり、160℃で1分間加熱したときの発泡倍率が2倍以上であることを特徴とする請求項1記載の独立気泡成形体用樹脂組成物。
- エチレン・α―オレフィン共重合体を樹脂マトリクスとし、少なくとも熱膨張性マイクロカプセルを含有する樹脂組成物であって、熱膨張性マイクロカプセルが、ニトリル系モノマー成分70重量%以上、ニトリル系モノマー成分に占めるアクリロニトリルの割合が40〜85重量%であり、非ニトリル系モノマー成分30重量%以下からなり架橋剤を含有するビニル系モノマーを重合して形成されたシェルポリマーに、シェルポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤が内包された熱膨張性マイクロカプセルであって、揮発性膨張剤に占める分岐鎖状または環状の構造をとる揮発性膨張剤の割合が30重量%以上であることを特徴とする請求項1記載の独立気泡成形体用樹脂組成物。
- 熱膨張性マイクロカプセル及び/又は熱膨張済みマイクロカプセルが合計1〜50重量%含有されていることを特徴とする請求項1〜5に記載の独立気泡成形体用樹脂組成物。
- 請求項1〜6に記載の独立気泡成形体用樹脂組成物より得られることを特徴とする独立気泡成形体。
- 熱膨張性マイクロカプセルおよび熱膨張済みマイクロカプセルを含有する軟質あるいは硬質樹脂を発泡させた発泡樹脂層の表面に表皮材が積層されていることを特徴とする表皮付き独立気泡成形体。
- 請求項5に記載の独立気泡成形体用樹脂組成物を発泡させた発泡樹脂層の表面に表皮材が積層されていることを特徴とする表皮付き独立気泡成形体。
【0000】
Priority Applications (1)
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JP2006282899A (ja) * | 2005-04-01 | 2006-10-19 | Sekisui Chem Co Ltd | 独立気泡成形体用樹脂組成物及び独立気泡成形体 |
JP2011074282A (ja) * | 2009-09-30 | 2011-04-14 | Sekisui Chem Co Ltd | 熱膨張性マイクロカプセル |
JP2011225688A (ja) * | 2010-04-19 | 2011-11-10 | Kinugawa Rubber Ind Co Ltd | 熱可塑性エラストマー発泡組成物およびウェザーストリップ |
JP2015021066A (ja) * | 2013-07-19 | 2015-02-02 | 松本油脂製薬株式会社 | マスターバッチ |
CN108913051A (zh) * | 2018-09-05 | 2018-11-30 | 惠州瑞德新材料科技股份有限公司 | 一种膨胀解粘胶带及制作方法 |
-
2002
- 2002-12-19 JP JP2002368621A patent/JP2004196996A/ja active Pending
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