JP2004196220A - ワイヤーハーネスの固定構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】クリップなしでも経時劣化による隙間により発生する打音を防止すると共に、コルゲートチューブや樹脂カバー等の保護材を不要することでコスト削減を図りつつ、ワイヤーハーネスの組付け性も向上させたワイヤーハーネスの固定構造を提供する。
【解決手段】アッパーパネル部材2とロアーパネル部材4とを内部に空間4を有して嵌合して構成されるインストルメントパネル1に対し、アッパーパネル部材2とロアーパネル部材3との間にワイヤーハーネス15を配設し、このワイヤーハーネス15は、アッパーパネル部材2に、ロアーパネル部材3側に突出した突起部18を形成し、アッパーパネル部材2とロアーパネル部材3とを嵌合する時に、突起部18とロアーパネル部材3の内側面とにより挟持されることでインストルメント1内に固定される。
【選択図】 図2
【解決手段】アッパーパネル部材2とロアーパネル部材4とを内部に空間4を有して嵌合して構成されるインストルメントパネル1に対し、アッパーパネル部材2とロアーパネル部材3との間にワイヤーハーネス15を配設し、このワイヤーハーネス15は、アッパーパネル部材2に、ロアーパネル部材3側に突出した突起部18を形成し、アッパーパネル部材2とロアーパネル部材3とを嵌合する時に、突起部18とロアーパネル部材3の内側面とにより挟持されることでインストルメント1内に固定される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば車両用のインストルメントパネルにワイヤーハーネを固定するための構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在におけるワイヤーハーネスの固定構造としては、ワイヤーハーネスをダクトにクリップで固定するものやステアリングメンバーにクリップで固定するもの等が主流であるが、ダクトやステアリングメンバーにクリップで固定する場合には、周辺部品、特に金属製部品との間隔を確保するのが困難なことから、ワイヤーハーネスにコルゲートチューブや樹脂カバー等の保護材で覆う必要がある。しかも、上記の様にクリップでワイヤーハーネスを固定するのは、経時劣化により隙間が生じてしまい、車体振動等によりワイヤーハーネスと被固定部材側とで打音が発生するのを防止するためであるが、このようにクリップを必要とする分、部品点数が増加せざるを得ない。
【0003】
この点、後者のクリップの省略を図ったワイヤーハーネスの固定構造としては、インストルメントパネルを上面側の表皮と下面側の基材との2つのパーツで構成し、基材にハーネス収納溝を設け、この溝内にワイヤーハーネスを配設し、表皮と基材との空間に液状の発泡材を充填しこの発泡材を成形化することで、表皮と発泡材との間にワイヤーハーネスを埋設する構造が既に公知である(例えば、特許文献1を参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−88578出願公開公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した特許文献に示すように、ワイヤーハーネスを表皮と基材との間に保持するために発泡材を充填した構造では、空調装置全体の重量が発泡材の充填量分増加し、また、多量に発泡材を用いることにより空調装置全体の製造コストの削減という目的も十分に達成することができない。
【0006】
そこで、この発明は、クリップなしでも経時劣化による隙間により発生する打音を防止すると共に、コルゲートチューブや樹脂カバー等の保護材を不要することでコスト削減を図りつつ、ワイヤーハーネスの組付け性も向上させたワイヤーハーネスの固定構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るワイヤーハーネスの固定構造は、アッパーパネル部材とロアーパネル部材とを内部に空間を有して嵌合して構成されるインストルメントパネルに対し、前記アッパーパネル部材とロアーパネル部材との間にワイヤーハーネスを配設し、このワイヤーハーネスは前記アッパーパネル部材と前記ロアーパネル部材とを嵌合する時に固定されることを特徴とするものである(請求項1)。そして、このワイヤーハーネスの固定は、前記アッパーパネル部材に、前記ロアーパネル部材側に突出した突起部を形成し、前記アッパーパネル部材と前記ロアーパネル部材とを嵌合する時に、前記突起部と前記ロアーパネル部材の内側面とにより前記ワイヤーハーネスが挟持されることで行われるようにしても良い(請求項2)。また、前記アッパーパネル部材に、前記ロアーパネル部材側に突出した突起部を形成し、前記ロアーパネル部材に、前記突起部と対峙して開口した孔部を形成して、この孔部上に前記ワイヤーハーネスを渡らせ、前記アッパーパネル部材と前記ロアーパネル部材とを嵌合する時に、ワイヤーハーネスが突起部で孔部内に押されて、前記突起部とこの突起部に対しワイヤーハーネスの長手方向両側の孔部周縁部位とにより前記ワイヤーハーネスが保持されることで行われるようにしても良い(請求項3)。この孔部としては、ロアーパネル部材を貫通した孔部や、ロアーパネル部材を貫通していない凹状の孔部が挙げられる。
【0008】
これにより、アッパーパネル部材とロアーパネル部材とを嵌合する際に、クリップなしでワイヤーハーネスの固定が同時に行われるので、ワイヤーハーネスの組付け性が向上し、クリップの省略による部品点数の削減、軽量化がなされ、更には工数も減少する。また、ワイヤーハーネスは、アッパーパネル部材とロアーパネル部材との間に配設されるので、周辺部品、特に金属製部品や電装部品との間隔を確保しなくても良いことから、他の電装部品とのコネクタ接続性が向上し、しかも、ワイヤーハーネスをコルゲートチューブや樹脂カバー等の保護材で覆う必要もないので、コストの低減や省略された保護材分の軽量化もなされる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面により説明する。
【0010】
図1から図3において、この発明に係るインストルメントパネル1の内部にワイヤーハーネス15を配設し、固定する構造の一例が示されている。
【0011】
このうち、インストルメントパネル1は、アッパーパネル部材2とロアーパネル部材3とから少なくとも構成されるもので、この実施形態では、アッパーパネル部材2とロアーパネル部材3とを嵌合することで、図2に示されるようにこれらアッパーパネル部材2とロアーパネル部材3との間に、ワイヤーハーネス15の径寸法以上の幅の空間4を有している。
【0012】
ロアーパネル部材3は、図3に示される様に、フロントガラス側の中央において、図示しない空調ユニットのデフ吹出通路と連通したデフ吹出口5が形成されると共に、このデフ吹出口5の両側にはインストルメントパネル1のサイド側に開口した図示しないサイドデフ吹出口とダクトを介して連通する開口部6、6が形成されている。
【0013】
また、ロアーパネル部材3は、助手席側近傍において、エアバッグ装置を取り付けるエアバッグ取付開口部7が形成され、運転席側近傍において、計器類、特にその表示部を取り付けるための計器取付開口部8とステアリングコラムを取り付けるためのステアリングコラム取付開口部9とが形成されている。更に、前記エアバッグ取付開口部7に対し車幅方向の中央部位側には、ナビゲーション装置等の電装品を取り付ける電装品取付開口部10が形成されている。
【0014】
更に、ロアーパネル部材3は、この実施形態では、サイドデフのダクトを形成するためのダクト形成用開口部11を有しており、このダクト形成用開口部11は、一辺がデフ吹出口5と連通すると共に、この連通部位から一方はエアバッグ取付開口部7の周縁に沿って略L字状に曲折した後、インストルメントパネル1の助手席近傍にまで達し、他方は計器取付開口部8を形成する隆起部の周縁に沿って略L字状に曲折した後、インストルメントパネル1の運転席近傍にまで達している。
【0015】
アッパーパネル部材2は、ロアーパネル部材3と嵌合した際に、当該ロアーパネル部材3のデフ吹出口5と連通する吹出グリル12が形成されていると共に、図示しないがその内側面から並行した2つの壁状の突起部が突出形成されており、この突起部はロアーパネル部材3と嵌合した際に、ダクト形成用開口部11の開口周縁部位と突当して、サイドデフダクトの上方側部位を少なくとも構成する。
【0016】
ワイヤーハーネス15は、この実施形態では、図3に示される様に、ロアーパネル部材3の内側を助手席方向に延び、エアバッグ取付開口部7から上方に引き出された後、ロアーパネル部材3のダクト形成用開口部11とエアバッグ取付開口部7、電装品取付開口部10との間の上面を車幅方向に沿って引き回され、運転手席側に形成された図示しない開口部より再度ロアーパネル部材3の内側に入ると共に、ロアーパネル部材3の上面を車幅方向に沿って引き回される途中で分岐して電装品取付開口部10よりロアーパネル部材3の内側に入るように配設されており、分岐した各々の先端部位にはコネクタ16が取り付けられている。
【0017】
そして、このワイヤーハーネス15の固定は、図2に示される様に、アッパーパネル部材2に形成した突起部18を用いて行われる。この突起部18は、図1、図3に示される様に、ワイヤーハーネス15がロアーパネル部材3のダクト形成用開口部11とエアバッグ取付開口部7、電装品取付開口部10との間の上面を車幅方向に沿って引き回された部位に沿って1つ以上(この実施形態では3つ)形成されている。そして、この突起部18は、図2に示される様に、ワイヤーハーネス15側に当該ワイヤーハーネス15の側方周面と略同じ曲率で湾曲した略半円状の湾曲面18aを有しており、車体の振動等によってもロアーパネル部材3の面との打音が発生しないように、ワイヤーハーネス15を保持することができる。
【0018】
尚、ロアーパネル部材3の内側面には、図2に示される様に、ワイヤーハーネス15の径方向のずれを防止し位置決めを容易にするための突起部20と、アッパーパネル部材2の突起部18の位置決めを容易にする等のための突起部21とが形成されるようにしても良い。
【0019】
以上のような構成によれば、アッパーパネル部材2とロアーパネル部材3とを嵌合した際に、突起部18とロアーパネル部材3の内側面とでワイヤーハーネス15が挟持されるので、ワイヤーハーネス15を、インストルメントパネル1内に固定することができる。
【0020】
そして、ワイヤーハーネス15の固定構造としては、図1から図3に示す構造に必ずしも限定されるものではなく、図4及び図5に示されるような構造であっても良い。即ち、ロアーパネル部材3に対し、アッパーパネル部材2の突起部18と対峙して開口した孔部23を形成して、この孔部23上に前記ワイヤーハーネス15を渡らせる。孔部23は、この実施形態では、ロアーパネル部材3を貫通した貫通孔であるが、必ずしもこれに限らず、十分な深度を有するのであれば、凹部状の窪溝であっても良い。そして、突起部18のロアーパネル部材3への突出寸法は、嵌合時に孔部23の開口上縁と湾曲面18aとが略同位になるような長さとする。更に、突起部18の湾曲面18aは、図5(a)に示される様に、インストルメントパネル15の表面を傷つけないように、インストルメントパネル15側に若干膨出したものとなっている。尚、先の実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0021】
以上の構成によれば、アッパーパネル部材2とロアーパネル部材3とを嵌合した際に、ワイヤーハーネス15が突起部18で孔部23内に押されて、突起部23とこの突起部23に対しワイヤーハーネス15の長手方向両側の孔部23周縁部位とによりワイヤーハーネス15が3点保持されるので、ワイヤーハーネス15を、インストルメントパネル1内に固定することができる。
【0022】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、アッパーパネル部材とロアーパネル部材とを嵌合するのと同時にワイヤーハーネスの固定も行われ、しかも、ワイヤーハーネスの固定としては、例えばアッパーパネル部材の突起部とロアーパネル部材の面若しくはアッパーパネル部材の突起部とロアーパネル部材の孔部の周縁部位とで保持される等により行われるので、ワイヤーハーネスの組付け性が相対的に向上する。
【0023】
また、この発明によれば、ワイヤーハーネスの固定をクリップ等の別部品を用いずに行うことができると共に、ワイヤーハーネスを、アッパーパネル部材とロアーパネル部材との間に配設するため、周辺部品、特に金属製部品や電装部品と近接して配置しても、ワイヤーハーネスにコルゲートチューブや樹脂カバー等の保護材で覆う必要がないので、工数、部品点数の削減による製造コストの低減や、クリップ及び保護材の省略による軽量化を図ることが可能である。
【0024】
更に、この発明によれば、ワイヤーハーネスは、アッパーパネル部材とロアーパネル部材との間に配設されるので、周辺部品、特に金属製部品や電装部品との間隔を確保しなくても良いことから、ワイヤーハーネスの引き回し等のレイアウト性が向上し、ワイヤーハーネスの先端のコネクタを他の電装部品近傍に対し事前に配置可能であるので、当該他の電装部品との接線作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明に係るワイヤーハーネスのアッパーパネル部材とロアーパネル部材との間にワイヤーハーネスを配設し固定した状態を示す概略説明図である。
【図2】図2は、この発明に係るワイヤーハーネスのアッパーパネル部材とロアーパネル部材との間にワイヤーハーネスを配設し固定した状態を示す断面図である。
【図3】図3は、図1のワイヤーハーネスの固定状態に対しアッパーパネル部材が分離した状態を示す概略説明図である。
【図4】図4は、この発明の他の実施形態におけるワイヤーハーネスの固定状態に対しアッパーパネル部材が分離した状態を示す概略説明図である。
【図5】図5(a)は、ワイヤーハーネスの固定状態を示す要部拡大断面図であり、図5(b)は、図5(a)のA−A線断面図であり、図5(c)は、図5(b)に対しロアーパネル部材のワイヤーハーネスが配された側に対し反対側から見た状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 インストルメントパネル
2 アッパーパネル部材
3 ロアーパネル部材
4 空間
15 ワイヤーハーネス
18 突起部
18a 湾曲面
23 孔部
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば車両用のインストルメントパネルにワイヤーハーネを固定するための構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在におけるワイヤーハーネスの固定構造としては、ワイヤーハーネスをダクトにクリップで固定するものやステアリングメンバーにクリップで固定するもの等が主流であるが、ダクトやステアリングメンバーにクリップで固定する場合には、周辺部品、特に金属製部品との間隔を確保するのが困難なことから、ワイヤーハーネスにコルゲートチューブや樹脂カバー等の保護材で覆う必要がある。しかも、上記の様にクリップでワイヤーハーネスを固定するのは、経時劣化により隙間が生じてしまい、車体振動等によりワイヤーハーネスと被固定部材側とで打音が発生するのを防止するためであるが、このようにクリップを必要とする分、部品点数が増加せざるを得ない。
【0003】
この点、後者のクリップの省略を図ったワイヤーハーネスの固定構造としては、インストルメントパネルを上面側の表皮と下面側の基材との2つのパーツで構成し、基材にハーネス収納溝を設け、この溝内にワイヤーハーネスを配設し、表皮と基材との空間に液状の発泡材を充填しこの発泡材を成形化することで、表皮と発泡材との間にワイヤーハーネスを埋設する構造が既に公知である(例えば、特許文献1を参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−88578出願公開公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した特許文献に示すように、ワイヤーハーネスを表皮と基材との間に保持するために発泡材を充填した構造では、空調装置全体の重量が発泡材の充填量分増加し、また、多量に発泡材を用いることにより空調装置全体の製造コストの削減という目的も十分に達成することができない。
【0006】
そこで、この発明は、クリップなしでも経時劣化による隙間により発生する打音を防止すると共に、コルゲートチューブや樹脂カバー等の保護材を不要することでコスト削減を図りつつ、ワイヤーハーネスの組付け性も向上させたワイヤーハーネスの固定構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るワイヤーハーネスの固定構造は、アッパーパネル部材とロアーパネル部材とを内部に空間を有して嵌合して構成されるインストルメントパネルに対し、前記アッパーパネル部材とロアーパネル部材との間にワイヤーハーネスを配設し、このワイヤーハーネスは前記アッパーパネル部材と前記ロアーパネル部材とを嵌合する時に固定されることを特徴とするものである(請求項1)。そして、このワイヤーハーネスの固定は、前記アッパーパネル部材に、前記ロアーパネル部材側に突出した突起部を形成し、前記アッパーパネル部材と前記ロアーパネル部材とを嵌合する時に、前記突起部と前記ロアーパネル部材の内側面とにより前記ワイヤーハーネスが挟持されることで行われるようにしても良い(請求項2)。また、前記アッパーパネル部材に、前記ロアーパネル部材側に突出した突起部を形成し、前記ロアーパネル部材に、前記突起部と対峙して開口した孔部を形成して、この孔部上に前記ワイヤーハーネスを渡らせ、前記アッパーパネル部材と前記ロアーパネル部材とを嵌合する時に、ワイヤーハーネスが突起部で孔部内に押されて、前記突起部とこの突起部に対しワイヤーハーネスの長手方向両側の孔部周縁部位とにより前記ワイヤーハーネスが保持されることで行われるようにしても良い(請求項3)。この孔部としては、ロアーパネル部材を貫通した孔部や、ロアーパネル部材を貫通していない凹状の孔部が挙げられる。
【0008】
これにより、アッパーパネル部材とロアーパネル部材とを嵌合する際に、クリップなしでワイヤーハーネスの固定が同時に行われるので、ワイヤーハーネスの組付け性が向上し、クリップの省略による部品点数の削減、軽量化がなされ、更には工数も減少する。また、ワイヤーハーネスは、アッパーパネル部材とロアーパネル部材との間に配設されるので、周辺部品、特に金属製部品や電装部品との間隔を確保しなくても良いことから、他の電装部品とのコネクタ接続性が向上し、しかも、ワイヤーハーネスをコルゲートチューブや樹脂カバー等の保護材で覆う必要もないので、コストの低減や省略された保護材分の軽量化もなされる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面により説明する。
【0010】
図1から図3において、この発明に係るインストルメントパネル1の内部にワイヤーハーネス15を配設し、固定する構造の一例が示されている。
【0011】
このうち、インストルメントパネル1は、アッパーパネル部材2とロアーパネル部材3とから少なくとも構成されるもので、この実施形態では、アッパーパネル部材2とロアーパネル部材3とを嵌合することで、図2に示されるようにこれらアッパーパネル部材2とロアーパネル部材3との間に、ワイヤーハーネス15の径寸法以上の幅の空間4を有している。
【0012】
ロアーパネル部材3は、図3に示される様に、フロントガラス側の中央において、図示しない空調ユニットのデフ吹出通路と連通したデフ吹出口5が形成されると共に、このデフ吹出口5の両側にはインストルメントパネル1のサイド側に開口した図示しないサイドデフ吹出口とダクトを介して連通する開口部6、6が形成されている。
【0013】
また、ロアーパネル部材3は、助手席側近傍において、エアバッグ装置を取り付けるエアバッグ取付開口部7が形成され、運転席側近傍において、計器類、特にその表示部を取り付けるための計器取付開口部8とステアリングコラムを取り付けるためのステアリングコラム取付開口部9とが形成されている。更に、前記エアバッグ取付開口部7に対し車幅方向の中央部位側には、ナビゲーション装置等の電装品を取り付ける電装品取付開口部10が形成されている。
【0014】
更に、ロアーパネル部材3は、この実施形態では、サイドデフのダクトを形成するためのダクト形成用開口部11を有しており、このダクト形成用開口部11は、一辺がデフ吹出口5と連通すると共に、この連通部位から一方はエアバッグ取付開口部7の周縁に沿って略L字状に曲折した後、インストルメントパネル1の助手席近傍にまで達し、他方は計器取付開口部8を形成する隆起部の周縁に沿って略L字状に曲折した後、インストルメントパネル1の運転席近傍にまで達している。
【0015】
アッパーパネル部材2は、ロアーパネル部材3と嵌合した際に、当該ロアーパネル部材3のデフ吹出口5と連通する吹出グリル12が形成されていると共に、図示しないがその内側面から並行した2つの壁状の突起部が突出形成されており、この突起部はロアーパネル部材3と嵌合した際に、ダクト形成用開口部11の開口周縁部位と突当して、サイドデフダクトの上方側部位を少なくとも構成する。
【0016】
ワイヤーハーネス15は、この実施形態では、図3に示される様に、ロアーパネル部材3の内側を助手席方向に延び、エアバッグ取付開口部7から上方に引き出された後、ロアーパネル部材3のダクト形成用開口部11とエアバッグ取付開口部7、電装品取付開口部10との間の上面を車幅方向に沿って引き回され、運転手席側に形成された図示しない開口部より再度ロアーパネル部材3の内側に入ると共に、ロアーパネル部材3の上面を車幅方向に沿って引き回される途中で分岐して電装品取付開口部10よりロアーパネル部材3の内側に入るように配設されており、分岐した各々の先端部位にはコネクタ16が取り付けられている。
【0017】
そして、このワイヤーハーネス15の固定は、図2に示される様に、アッパーパネル部材2に形成した突起部18を用いて行われる。この突起部18は、図1、図3に示される様に、ワイヤーハーネス15がロアーパネル部材3のダクト形成用開口部11とエアバッグ取付開口部7、電装品取付開口部10との間の上面を車幅方向に沿って引き回された部位に沿って1つ以上(この実施形態では3つ)形成されている。そして、この突起部18は、図2に示される様に、ワイヤーハーネス15側に当該ワイヤーハーネス15の側方周面と略同じ曲率で湾曲した略半円状の湾曲面18aを有しており、車体の振動等によってもロアーパネル部材3の面との打音が発生しないように、ワイヤーハーネス15を保持することができる。
【0018】
尚、ロアーパネル部材3の内側面には、図2に示される様に、ワイヤーハーネス15の径方向のずれを防止し位置決めを容易にするための突起部20と、アッパーパネル部材2の突起部18の位置決めを容易にする等のための突起部21とが形成されるようにしても良い。
【0019】
以上のような構成によれば、アッパーパネル部材2とロアーパネル部材3とを嵌合した際に、突起部18とロアーパネル部材3の内側面とでワイヤーハーネス15が挟持されるので、ワイヤーハーネス15を、インストルメントパネル1内に固定することができる。
【0020】
そして、ワイヤーハーネス15の固定構造としては、図1から図3に示す構造に必ずしも限定されるものではなく、図4及び図5に示されるような構造であっても良い。即ち、ロアーパネル部材3に対し、アッパーパネル部材2の突起部18と対峙して開口した孔部23を形成して、この孔部23上に前記ワイヤーハーネス15を渡らせる。孔部23は、この実施形態では、ロアーパネル部材3を貫通した貫通孔であるが、必ずしもこれに限らず、十分な深度を有するのであれば、凹部状の窪溝であっても良い。そして、突起部18のロアーパネル部材3への突出寸法は、嵌合時に孔部23の開口上縁と湾曲面18aとが略同位になるような長さとする。更に、突起部18の湾曲面18aは、図5(a)に示される様に、インストルメントパネル15の表面を傷つけないように、インストルメントパネル15側に若干膨出したものとなっている。尚、先の実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0021】
以上の構成によれば、アッパーパネル部材2とロアーパネル部材3とを嵌合した際に、ワイヤーハーネス15が突起部18で孔部23内に押されて、突起部23とこの突起部23に対しワイヤーハーネス15の長手方向両側の孔部23周縁部位とによりワイヤーハーネス15が3点保持されるので、ワイヤーハーネス15を、インストルメントパネル1内に固定することができる。
【0022】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、アッパーパネル部材とロアーパネル部材とを嵌合するのと同時にワイヤーハーネスの固定も行われ、しかも、ワイヤーハーネスの固定としては、例えばアッパーパネル部材の突起部とロアーパネル部材の面若しくはアッパーパネル部材の突起部とロアーパネル部材の孔部の周縁部位とで保持される等により行われるので、ワイヤーハーネスの組付け性が相対的に向上する。
【0023】
また、この発明によれば、ワイヤーハーネスの固定をクリップ等の別部品を用いずに行うことができると共に、ワイヤーハーネスを、アッパーパネル部材とロアーパネル部材との間に配設するため、周辺部品、特に金属製部品や電装部品と近接して配置しても、ワイヤーハーネスにコルゲートチューブや樹脂カバー等の保護材で覆う必要がないので、工数、部品点数の削減による製造コストの低減や、クリップ及び保護材の省略による軽量化を図ることが可能である。
【0024】
更に、この発明によれば、ワイヤーハーネスは、アッパーパネル部材とロアーパネル部材との間に配設されるので、周辺部品、特に金属製部品や電装部品との間隔を確保しなくても良いことから、ワイヤーハーネスの引き回し等のレイアウト性が向上し、ワイヤーハーネスの先端のコネクタを他の電装部品近傍に対し事前に配置可能であるので、当該他の電装部品との接線作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明に係るワイヤーハーネスのアッパーパネル部材とロアーパネル部材との間にワイヤーハーネスを配設し固定した状態を示す概略説明図である。
【図2】図2は、この発明に係るワイヤーハーネスのアッパーパネル部材とロアーパネル部材との間にワイヤーハーネスを配設し固定した状態を示す断面図である。
【図3】図3は、図1のワイヤーハーネスの固定状態に対しアッパーパネル部材が分離した状態を示す概略説明図である。
【図4】図4は、この発明の他の実施形態におけるワイヤーハーネスの固定状態に対しアッパーパネル部材が分離した状態を示す概略説明図である。
【図5】図5(a)は、ワイヤーハーネスの固定状態を示す要部拡大断面図であり、図5(b)は、図5(a)のA−A線断面図であり、図5(c)は、図5(b)に対しロアーパネル部材のワイヤーハーネスが配された側に対し反対側から見た状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 インストルメントパネル
2 アッパーパネル部材
3 ロアーパネル部材
4 空間
15 ワイヤーハーネス
18 突起部
18a 湾曲面
23 孔部
Claims (3)
- アッパーパネル部材とロアーパネル部材とを内部に空間を有して嵌合して構成されるインストルメントパネルに対し、前記アッパーパネル部材とロアーパネル部材との間にワイヤーハーネスを配設し、このワイヤーハーネスは前記アッパーパネル部材と前記ロアーパネル部材とを嵌合する時に固定されることを特徴とするワイヤーハーネスの固定構造。
- 前記アッパーパネル部材に、前記ロアーパネル部材側に突出した突起部を形成し、前記アッパーパネル部材と前記ロアーパネル部材とを嵌合する時に、前記突起部と前記ロアーパネル部材の内側面とにより前記ワイヤーハーネスが挟持されることを特徴とする請求項1に記載のワイヤーハーネスの固定構造。
- 前記アッパーパネル部材に、前記ロアーパネル部材側に突出した突起部を形成し、前記ロアーパネル部材に、前記突起部と対峙して開口した孔部を形成して、この孔部上に前記ワイヤーハーネスを渡らせ、前記アッパーパネル部材と前記ロアーパネル部材とを嵌合する時に、ワイヤーハーネスが突起部で孔部内に押されて、前記突起部とこの突起部に対しワイヤーハーネスの長手方向両側の孔部周縁部位とにより前記ワイヤーハーネスが保持されることを特徴とする請求項1に記載のワイヤーハーネスの固定構造。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009197989A (ja) * | 2008-02-25 | 2009-09-03 | Calsonic Kansei Corp | パネル部品取付部構造 |
JP2011020615A (ja) * | 2009-07-17 | 2011-02-03 | Mitsubishi Motors Corp | 車両のインストルメントパネル |
-
2002
- 2002-12-20 JP JP2002369855A patent/JP2004196220A/ja active Pending
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