JP2004196060A - 車両用バッテリの電力消費量監視装置 - Google Patents

車両用バッテリの電力消費量監視装置 Download PDF

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政樹 林
Masaki Yoshino
正樹 芳野
Tomoyuki Funayama
友幸 舟山
Toshinori Aoki
俊徳 青木
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Toyota Motor Corp
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Tokai Rika Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】バッテリの電力消費量を認識可能とし、これをもってバッテリ切れの防止を可能とした車両用バッテリの電力消費量監視装置を提供する。
【解決手段】バッテリから各種電装品への給電経路には、同経路を流れる電流量を検出する電流検出器31が配設されている。算出部15bは、その電流検出器31による検出電流量に基づいてバッテリの電力消費量を算出する。作動制御部15aは、各種電装品に対する電力供給制御を行うとともに、エンジン停止状態において算出部15bによって算出された電力消費量が所定の閾値を超えた際には、報知器20を作動させてその旨を報知させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用バッテリの電力消費量監視装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両に搭載される電装品の増加に伴い、車両用バッテリの電力消費量が増大する傾向にある。このため、例えば比較的電力消費量の多いナビゲーションシステムやエアーコンディショナなどをエンジン停止状態で長時間駆動させていると、バッテリ切れを生じてエンジン始動を行うことが不能になってしまうおそれがある。
【0003】
従来、こうした不都合を解消するために、大容量のバッテリを用いたり、バッテリの電圧を現行の14Vから42Vに変更するとともに一部の電装品の駆動電圧を42Vに変更したりするなどといった対策が講じられている。
【0004】
また従来では、エンジン停止後にバッテリ電圧を検出し、その検出電圧値に基づいてバッテリの残容量を算出し、エンジンを始動させるために必要な電力を該残容量として確保することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−334497号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、こうした対策を講じることによってバッテリ切れを生じにくくすることはできるものの、車両搭乗者(運転者)はどの程度電力を消費し、あとどの程度バッテリに電力が残っているのかを把握することができない。このため、依然としてバッテリ切れを防止することはできない。
【0007】
また、特許文献1に記載の発明では、バッテリの残容量を算出するための算出部(CPU4)が個別に必要となるため、部品点数が増加してコスト高となってしまう。
【0008】
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、バッテリの電力消費量を認識可能とし、これをもってバッテリ切れの防止を可能とした車両用バッテリの電力消費量監視装置を提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、部品点数の増加を防止しつつバッテリの電力消費量を算出することができる車両用バッテリの電力消費量監視装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、バッテリから各種電装品への給電経路に流れる電流量を検出する電流検出手段と、その電流検出手段による検出電流量に基づいてバッテリの電力消費量を算出するとともに、車両の電気系機能ポジションの切換制御を行うことにより前記各種電装品に対する電力の供給を制御する電力供給制御手段とを備えることを要旨とする。
【0011】
請求項2に記載の発明では、バッテリから各種電装品への給電経路に流れる電流量を検出する電流検出手段と、その電流検出手段による検出電流量に基づいてバッテリの電力消費量を算出する電力消費量算出手段と、前記各種電装品に対する電力供給制御を行う電力供給制御手段とを備え、その電力供給制御手段は、エンジン停止状態において前記電力消費量算出手段によって算出された電力消費量が所定の閾値を超えた際には、車両に設けられた報知手段を作動させてその旨を報知させることを要旨とする。
【0012】
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の車両用バッテリの電力消費量監視装置において、前記電力供給制御手段は、前記電力消費量が所定の閾値を超えた際には、所定の電装品に対する電力供給を禁止する機能限定制御を行うことを要旨とする。
【0013】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用バッテリの電力消費量監視装置において、前記電力供給制御手段は、前記電力消費量が所定の閾値を超えた状態でエンジンが駆動された際には、アイドル時におけるエンジン回転数を高めるよう指示する指示信号をエンジン制御部に対して出力してバッテリの充電を促進させる充電促進制御を行うことを要旨とする。
【0014】
以下、本発明の「作用」について説明する。
請求項1に記載の発明によると、各種電装品に対する電力供給制御を行う電力供給制御手段により、バッテリの電力消費量が算出される。つまり、もともと電力供給制御を行うために搭載されている電力供給制御手段にバッテリの電力消費量を算出させるようになっている。このため、該算出したバッテリの電力消費量に基づいて各種電装品に対する電力供給を制限する制御を行わせたり、該電力消費量を報知する制御を行わせたりする際においても、部品点数が増加しない。
【0015】
請求項2に記載の発明によると、バッテリから各種電装品に流れる電流量が電流検出手段によって検出され、その検出電流量に基づくバッテリの電力消費量が電力消費量算出手段によって算出される。そして、その電力消費量が所定の閾値を超えた際には、報知手段によってその旨が報知される。このため、車両搭乗者(運転者)は、該報知によってバッテリの電力消費量をある程度認識することができ、これをもってバッテリの電力残量を認識可能となる。
【0016】
請求項3に記載の発明によると、エンジン停止状態におけるバッテリの電力消費量が所定の閾値を超えた場合には、所定の電装品に対する電力供給が禁止される。このため、バッテリの電力消費量を低減させることができ、バッテリ切れによってエンジンを始動できなくなってしまうといった不都合の発生を抑制することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によると、エンジン停止状態におけるバッテリの電力消費量が所定の閾値を超えた状態でエンジンが駆動された場合には、アイドル時におけるエンジン回転数が高められる。このため、バッテリの充電が促進され、バッテリ切れの発生をより好適に抑制することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる車両用バッテリの電力消費量監視装置を備えたワンプッシュ式エンジン始動・停止制御システムとして具体化した一実施形態を図1及び図2に基づき詳細に説明する。
【0019】
図1に示すように、ワンプッシュ式エンジン始動・停止制御システム1は、携帯機11と、車両2に配設された電力消費量監視装置としての車両制御装置12とを備えている。
【0020】
携帯機11は、所有者(運転者)によって所持され、車両制御装置12と相互通信可能となっている。詳しくは、携帯機11は、車両制御装置12から出力されたリクエスト信号を受信すると、所定のIDコードを含むIDコード信号を自動的に送信する。このIDコード信号は、所定周波数(例えば300MHz)の電波として送信される。
【0021】
車両制御装置12は、送受信部13、照合制御部14、電源制御部15、エンジン制御部16、メータ制御部17及びステアリングロック機構18を備えている。各制御部14〜17は、具体的には図示しないCPU、ROM、RAMからなるCPUユニットによって構成されている。また、電源制御部15は、電力供給制御手段としての作動制御部15a及び電力消費量算出手段としての算出部15bによって構成されている。すなわち、電力供給制御手段及び電力消費算出手段は、電源制御部15によって構成されている。そして、送受信部13は照合制御部14に電気的に接続され、照合制御部14は電源制御部15(作動制御部15a)、エンジン制御部16及びステアリングロック機構18に電気的に接続されている。電源制御部15の作動制御部15aには、算出部15b、エンジン制御部16、メータ制御部17、ステアリングロック機構18、操作スイッチ19及び報知手段としての報知器20が電気的に接続されている。なお、本実施形態において操作スイッチ19はモーメンタリ式の押しボタンスイッチによって構成され、報知器20は車両室内に配設されたブザーやスピーカなどによって構成されている。また、照合制御部14、エンジン制御部16、メータ制御部17及びステアリングロック機構18は、図示しない通信ラインによって電気的に接続されている。
【0022】
送受信部13は、照合制御部14から出力されたリクエスト信号を所定周波数の電波(例えば134kHz)に変調し、その電波を車両室内に出力する。また、送受信部13は、携帯機11から送信されたIDコード信号を受信すると、そのIDコード信号をパルス信号に復調して照合制御部14に対して出力する。
【0023】
照合制御部14は、送受信部13に対してリクエスト信号を間欠的に出力する。また、照合制御部14は、送受信部13からIDコード信号が入力されると、IDコード信号に含まれるIDコードと、自身に予め設定されたIDコードとの比較(IDコード照合)を行う。その結果、それらIDコード同士が一致したときには、照合制御部14はエンジン制御部16に対してロック解除要求信号を出力する。そして、照合制御部14は、エンジン制御部16からロック解除完了信号が入力されると、電源制御部15及びエンジン制御部16に対して始動許可信号を出力する。これに対し、照合制御部14は、各IDコード同士が一致しないときには、電源制御部15及びエンジン制御部16に対して始動禁止信号を出力する。また、照合制御部14は、エンジンが駆動中であることを示すエンジン駆動信号が電源制御部15から入力されると、送受信部13に対するリクエスト信号の出力を停止する。なお、本実施形態において、ロック解除要求信号、ロック解除完了信号、始動許可信号、始動禁止信号及びエンジン駆動信号は、所定ビット数の2値信号パターンによって構成されている。このため、照合制御部14と各制御部15〜17との間の通信経路に短絡や断線などの異常が生じた場合には、各制御部14〜17によってその旨が検知可能になる。
【0024】
また、メータ制御部17は、インストルメントパネルに設けられたコンビネーションメータ類の動作を制御し、作動時には、車速情報などの車両情報信号を電源制御部15に対して出力する。
【0025】
ステアリングロック機構18は、図示しないロック状態検出スイッチ及びアクチュエータを備え、照合制御部14からロック解除要求信号が入力されると、アクチュエータに対してステアリングロックを解除するための駆動信号(アンロック駆動信号)を出力する。これによりアクチュエータは駆動して図示しないロックピンを移動させ、同ロックピンとステアリングシャフトとの係合状態を解除させる。また、ステアリングロック機構18は、電源制御部15からの制御信号やドアカーテシスイッチからの出力信号などに基づき、所定の条件を満たしたときにアクチュエータに対してロックを行うための駆動信号(ロック駆動信号)を出力する。これによりアクチュエータは、同ロックピンとステアリングシャフトとを係合させる。ロック状態検出スイッチは、該ロックピンがステアリングシャフトとの係合状態から完全に解除されたときにON状態となるスイッチである。このため、ステアリングロック機構18は、このロック状態検出スイッチの開閉状態によってステアリングシャフトに対するロックピンの係脱状態を認識可能となっている。そして、ステアリングロック機構18は、ロック状態検出スイッチの開閉状態に基づき、ロックピンの係合解除状態を認識すると照合制御部14に対してロック解除完了信号を出力し、ロックピンの係合状態を認識すると電源制御部15に対してロック信号を出力する。
【0026】
電源制御部15の作動制御部15aには、アクセサリリレー(ACCリレー)21、第1イグニッションリレー(IG1リレー)22、第2イグニッションリレー(IG2リレー)23及びスタータリレー(STリレー)24におけるコイル部L1〜L4の一端が接続されている。詳しくは、作動制御部15aには、図示しないFETなどのスイッチング素子を介して、各リレー21〜24のコイル部L1〜L4の一端が接続されている。また、それらコイル部L1〜L4の他端は接地されている。このため、各リレー21〜24は、作動制御部15aから作動信号(本実施形態ではHレベルの作動信号)が出力されたときに作動する。
【0027】
作動制御部15aは、照合制御部14から始動許可信号が入力されると、エンジン始動許可状態となる。そして、このエンジン始動許可状態において前記操作スイッチ19が押圧操作されて押圧操作信号(本実施形態ではHレベルの信号)が入力されると、作動制御部15aは、その操作スイッチ19の押圧操作態様に応じて、エンジン始動制御及び機能ポジション切換制御を選択的に実行する。なお、本実施形態において作動制御部15aは、押圧操作信号が所定時間以上連続して入力されたとき、すなわち操作スイッチ19が所定時間以上連続して押圧操作されたときに、エンジン始動制御を行うようになっている。また、作動制御部15aは、押圧操作信号の入力時間が該所定時間未満のとき、すなわち操作スイッチ19が短時間だけ押圧操作されたときには、機能ポジション切換制御を行うようになっている。
【0028】
そして、エンジン始動制御時において作動制御部15aは、IG1リレー22、IG2リレー23及びSTリレー24に対して作動信号を出力する。このため、IG1リレー22、IG2リレー23及びSTリレー24が作動し、各リレー22〜24の接点CP2〜CP4がON状態となる。各接点CP2〜CP4の一端は、バッテリ端子に接続されている。また、CP2の他端はエンジン制御部16及びメータ制御部17の電源端子に接続され、CP3の他端はエンジン制御部16の電源端子に接続され、CP4の他端は図示しないエンジンスタータに接続されている。よって、IG1リレー22が作動すると、エンジン制御部16及びメータ制御部17への給電が行われる。そして、STリレー24が作動すると、エンジンスタータが作動する。また、操作スイッチ19から押圧操作信号が入力されたことに伴い、作動制御部15aはエンジン制御部16に対して始動信号を出力する。なお、送受信部13、照合制御部14、電源制御部15、ステアリングロック機構18及び報知器20の電源端子はバッテリに接続されており、各リレー21〜24の作動状態に拘わらず給電されるようになっている。
【0029】
エンジン制御部16は、照合制御部14から始動許可信号が入力されるとともに、作動制御部15aから始動信号が入力されると、燃料噴射制御や点火制御などを行う。そして、エンジン制御部16は、イグニッションパルスやオルタネータ出力などに基づいてエンジンの駆動状態を検出し、エンジンが駆動していると判断したときに作動制御部15aに対して完爆信号を出力する。
【0030】
そして、作動制御部15aは、エンジン制御部16から完爆信号が入力されることによってエンジンが駆動していることを認識し、STリレー24への作動信号の出力を停止して同STリレー24を非作動状態にするとともに、ACCリレー21に対して作動信号を出力する。なお、ACCリレー21の接点CP1の一端はバッテリに接続され、他端はアクセサリ駆動系の各種電装品の電源端子に接続されている。
【0031】
また、作動制御部15aは、エンジンの駆動状態において操作スイッチ19から押圧操作信号が入力されると、ACCリレー21、IG1リレー22及びIG2リレー23に対する作動信号の出力を停止して各リレー21〜23を非作動状態にする。これにより、エンジン制御部16及びメータ制御部17などへの電力供給が停止され、エンジンが停止するとともに機能ポジションがOFF位置に切り換えられる。
【0032】
一方、機能ポジション切換制御時において作動制御部15aは、操作スイッチ19が押圧操作される度毎に、OFF位置→ACC(アクセサリ)位置→ON(イグニッションON)位置→OFF位置(またはACC位置→OFF位置)に機能ポジションを切り換えるようになっている。
【0033】
詳しくは、機能ポジションがOFF位置にある状態で操作スイッチ19が短時間押圧操作されると、作動制御部15aは、ACCリレー21に対してのみ作動信号を出力し、機能ポジションをACC位置に切り換える。また、機能ポジションがACC位置にある状態で操作スイッチ19が短時間押圧操作されると、作動制御部15aは、ACCリレー21に加え、IG1リレー22及びIG2リレー23に対しても作動信号を出力し、機能ポジションをON位置に切り換える。そして、このON位置にある状態で操作スイッチ19が短時間押圧操作されると、作動制御部15aは、各リレー21〜23に対する作動信号を出力停止し、機能ポジションをOFF位置に切り換える。
【0034】
ところで、電源制御部15の算出部15bには、電流検出手段としての電流検出器31が接続されている。この電流検出器31は、バッテリから各種電装品に対する給電経路における最も上流側に配設されており、詳しくは各リレー21〜24、送受信部13、照合制御部14、電源制御部15、ステアリングロック機構18及び報知器20の上流側に配設されている。すなわち、バッテリから各種電装品に対して流れる総電流量が電流検出器31によって検出される。そして、算出部15bは、その検出電流量に基づいてバッテリの電力消費量を算出し、算出した電力消費量を作動制御部15aに対して出力するようになっている。
【0035】
そして、作動制御部15aは、算出部15bから入力された電力消費量とエンジンの駆動状態とに基づき、バッテリの電力消費量監視制御を行うようになっている。そこで、以下、作動制御部15aによって行われる電力消費量監視制御を、図2に示すタイムチャートを用いて説明する。
【0036】
図2にポイントP1で示すように、作動制御部15aは、エンジンの駆動中においては、算出部15bから入力される電力消費量を無効化する。また、前述したように、エンジンの駆動中において作動制御部15aは、ACCリレー21、IG1リレー22及びIG2リレー23に対してHレベルの作動信号を出力し、該リレー21〜23を作動(ON)させている。
【0037】
また、ポイントP2で示すようにエンジンが停止されると作動制御部15aは、算出部15bから入力される電力消費量をモニタし始める。なお、ここでは、機能ポジションがON位置にある状態を示す。このため、ポイントP2で示すように、作動制御部15aは、各リレー21〜23の作動状態を維持する。
【0038】
そして、ポイントP3で示すように、ポイントP2で示したエンジン停止時から所定時間Tが経過して電力消費量が所定の閾値Wbに達すると、作動制御部15aは、ACCリレー21及びIG1リレー22に対する作動信号の出力を停止し、各リレー21,22を非作動(OFF)状態に切り換える。つまり、この状態においては、機能ポジションがON位置にあるにもかかわらず、作動制御部15aはIG2リレー23のみを作動させるように制御する。よって、この状態における車両制御装置12では、送受信部13、照合制御部14、電源制御部15、ステアリングロック機構18及び報知器20に加え、エンジン制御部16に対しては給電される。しかし、アクセサリ駆動系の電装品(ACCリレー21の作動状態で給電される電装品)、第1イグニッション駆動系の電装品(メータ制御部17のようなIG1リレー22の作動状態で給電される電装品)に対しては給電が停止される。このため、エンジン停止状態で電力消費量が閾値Wbを超えた状態においては、エンジンの始動のみが可能となり、カーオーディオ、カーナビゲーションシステム、エアコン、メータ表示などが使用不能状態となる。すなわち、エンジン停止状態で電力消費量が閾値Wbを超えた状態においては、作動制御部15aは、車両電装品の機能限定制御を行う。よって、図2にポイントP4で示すように、電力消費量の傾きが、ポイントP3に達する以前に比べて緩やかになる。
【0039】
また、作動制御部15aは、前記ポイントP3で示すように、電力消費量が所定の閾値Wbを超えた時点で報知器20に対して作動信号を出力し、報知器20を作動させる。そして、作動制御部15aは、所定時間t1が経過した時点で報知器20に対する作動信号の出力を停止する。すなわち、報知器20は、電力消費量が所定の閾値Wbを超えた時点から所定時間t1の間作動するようになっている。このため、車両搭乗者は、バッテリの電力消費量が該閾値Wbを超えた旨を確実に認識することができる。
【0040】
さらに、作動制御部15aは、電力消費量が該閾値Wbを超えた状態でエンジンが再び駆動されると、前記エンジン制御部16に対してアイドル時におけるエンジン回転数を高めるための指示信号(アイドルアップ信号)を出力する。エンジン制御部16は、このアイドルアップ信号が入力されると、アイドル時におけるエンジン回転数を高めて、バッテリの充電を促進させる。すなわち、作動制御部15aは、電力消費量が閾値Wbを超えた状態でエンジンが駆動された際には、アイドル時におけるエンジン回転数を高めさせてバッテリの充電を促進させる充電促進制御を行うようになっている。なお、本実施形態において作動制御部15aは、所定時間を経過した時点でアイドルアップ信号の出力を停止し、通常のエンジン駆動状態に切り換えるようになっている。また、作動制御部15aは、エンジンが駆動されたことを条件として前記ACCリレー21及びIG1リレー22に対して作動信号を出力し、アクセサリ駆動系電装品及び第1イグニッション駆動系電装品に対する給電を再開するようになっている。
【0041】
したがって、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)バッテリから各種電装品に流れる電流量が電流検出器31によって検出され、その検出電流量に基づくバッテリの電力消費量が電源制御部15の算出部15bによって算出される。そして、その電力消費量が所定の閾値Wbを超えると、作動制御部15aから報知器20に対して作動信号が出力され、同報知器20によってその旨が報知される。このため、車両搭乗者(運転者)は、該報知によってバッテリの電力消費量をある程度認識することができ、これをもってバッテリの電力残量を認識することができる。
【0042】
(2)エンジン停止状態におけるバッテリの電力消費量が所定の閾値Wbを超えた場合には、エンジンの始動制御に不要な所定の電装品(ここではアクセサリ駆動系電装品及び第1イグニッション駆動系電装品)に対する電力供給が禁止される。このため、バッテリの電力消費量を低減させることができ、バッテリ切れによってエンジンを始動できなくなってしまうといった不都合の発生を抑制することができる。
【0043】
(3)エンジン停止状態におけるバッテリの電力消費量が所定の閾値Wbを超えた状態でエンジンが駆動された場合には、アイドル時におけるエンジン回転数が高められる。このため、バッテリの充電が促進され、バッテリ切れの発生をより好適に抑制することができる。しかも、エンジン回転数が高められることにより、車両搭乗者(運転者)は、バッテリの電力消費量をある程度認識することができ、これをもってバッテリの電力残量を認識することができる。
【0044】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 前記実施形態において作動制御部15aは、エンジン停止状態におけるバッテリの電力消費量が所定の閾値Wbを超えた場合には、ACCリレー21及びIG1リレー22を非作動状態にして機能限定を行うようになっている。しかし、例えば図3に示すように、アクセサリ駆動系電装品としてのオーディオ類32やシガーソケット33とACCリレー21との間の給電経路にスイッチング素子34,35を設ける。また、第1イグニッション駆動系電装品としてのエアコン36やウインドウ駆動制御装置37とIG1リレー22との間の給電経路にスイッチング素子38,39を設け、作動制御部からの制御信号によってこれらスイッチング素子34,35,38,39を作動制御可能に構成する。そして、エンジン停止状態におけるバッテリの電力消費量が所定の閾値Wbを超えた場合には、これらスイッチング素子34,35,38,39を個別に非作動状態にさせるようにした機能限定制御を作動制御部15aに行わせるようにしてもよい。このようにすれば、アクセサリ駆動系電装品及び第1イグニッション駆動系電装品のうち、機能限定を行う電装品を選択することができる。
【0045】
・ 前記実施形態において作動制御部15aは、エンジン停止状態におけるバッテリの電力消費量が所定の閾値Wbを超えた場合には、ACCリレー21及びIG1リレー22を非作動状態にして機能限定を行うようになっている。しかし、作動制御部15aは、電力消費量が該閾値Wbを超えた場合に、ACCリレー21及びIG1リレー22のうちの一方のみを非作動状態にして機能限定を行うようになっていてもよい。
【0046】
また、作動制御部15aは、こうした機能限定制御を行わないようになっていてもよい。
・ 前記実施形態において作動制御部15aは、エンジン停止状態におけるバッテリの電力消費量が所定の閾値Wbを超えた状態でエンジンが駆動された際には、アイドル時におけるエンジン回転数を高めてバッテリの充電を促進させる充電促進制御を行うようになっている。しかし、作動制御部15aは、こうした充電促進制御を行わないようになっていてもよい。
【0047】
・ 前記実施形態において電源制御部15(作動制御部15a)は、操作スイッチ19の長押しでエンジン始動制御、短押しで機能ポジション切換制御を行うようになっている。しかし、作動制御部15aは、操作スイッチ19の短押しでエンジン始動制御、長押しで機能ポジション切換制御を行うようになっていてもよい。また、操作スイッチ19は、エンジン始動・停止用のスイッチ部と、機能ポジション切換用のスイッチ部とが別体構成となっていてもよい。
【0048】
・ 前記実施形態では、報知手段として、ブザーやスピーカなどの聴覚に作用する報知器20を用いている。しかし、報知手段として、表示や光の点滅などの視覚に作用する報知器(例えばインストルメントパネルなどに設けたインジケータや、ハザードランプなど)を用いてもよい。
【0049】
・ 前記実施形態において、電源制御部15は、作動制御部15a及び算出部15bによって構成され、電力消費量算出手段及び電力供給制御手段として機能するようになっている。しかし、電源制御部15は作動制御部15aのみによって構成され、算出部15bに相当する機能を他の制御部(例えば照合制御部14やエンジン制御部16など)に付加してもよい。すなわち、電力消費量算出手段と電力供給制御手段とを別の制御部によって構成してもよい。
【0050】
・ 前記実施形態において、バッテリの電力消費量が所定の閾値Wbを超えた場合、電源制御部15は、報知器20を作動させるようになっている。しかし、こうした報知器20を省略し、前記機能限定制御や充電促進制御のみを電源制御部15に行わせるようにしてもよい。このようにしても、機能限定されることやエンジンの回転数を高めさせることによって、バッテリの電力消費量を車両搭乗者(運転者)に認識させることができる。
【0051】
・ 前記実施形態においては、電力消費量監視装置を備えたワンプッシュ式エンジン始動・停止制御システム1として具体化している。しかし、電力消費量監視装置は、ワンプッシュ式に限らず、スマートイグニッション機能を有するエンジン始動制御システムや、スマートイグニッション機能を有しない車両に具体化されてもよい。但しこの場合には、前記電源制御部15に相当する電力消費量算出手段及び電力供給制御手段を別途設ける必要がある。
【0052】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1) 請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用バッテリの電力消費量監視装置において、当該電力消費量監視装置は、ワンプッシュ式スマートイグニッション機能を有する車両に搭載され、前記電力消費量算出手段及び前記電力供給制御手段は、スマートイグニッション機構において車両の電気系機能ポジションの切換制御を行う電源制御部によって構成されていること。
【0053】
(2) バッテリから各種電装品への給電経路に流れる電流量を検出する電流検出手段と、その電流検出手段による検出電流量に基づいてバッテリの電力消費量を算出する電力消費量算出手段と、前記各種電装品に対する電力供給制御を行う電力供給制御手段とを備え、前記電力供給制御手段は、前記電力消費量が所定の閾値を超えた状態でエンジンが駆動された際には、アイドル時におけるエンジン回転数を高めるよう指示する指示信号をエンジン制御部に対して出力してバッテリの充電を促進させる充電促進制御を行うことを特徴とする車両用バッテリの電力消費量監視装置。この技術的思想(2)によれば、エンジン回転数が高められることにより、車両搭乗者(運転者)は、バッテリの電力消費量をある程度認識することができ、これをもってバッテリの電力残量を認識することができる。
【0054】
(3) 技術的思想(2)に記載の車両用バッテリの電力消費量監視装置において、前記電力供給制御手段は、前記電力消費量が所定の閾値を超えた際には、所定の電装品に対する電力供給を禁止する機能限定制御を行うこと。
【0055】
(4) バッテリから各種電装品への給電経路に流れる電流量に基づいてバッテリの電力消費量を算出し、その算出された電力消費量が所定の閾値を超えた際に、車両に設けられた報知手段を作動させてその旨を報知させることを特徴とする車両用バッテリの電力消費量監視方法。
【0056】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に記載の発明によれば、部品点数の増加を防止しつつバッテリの電力消費量を算出することができる。
【0057】
請求項2に記載の発明によれば、バッテリの電力消費量を認識することができ、これをもってバッテリ切れの防止を図ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、バッテリの電力消費量を低減させることができ、バッテリ切れによってエンジンを始動できなくなってしまうといった不都合の発生を抑制することができる。
【0058】
請求項4に記載の発明によれば、バッテリの充電を促進させることができ、バッテリ切れの発生をより好適に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のワンプッシュ式エンジン始動・停止制御システムの概略構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態の電力消費量監視態様の一例を示すタイムチャート。
【図3】他の実施形態のワンプッシュ式エンジン始動・停止制御システムの構成の一部を概略的に示すブロック図。
【符号の説明】
1…ワンプッシュ式エンジン始動・停止制御システム、2…車両、12…電力消費量監視装置としての車両制御装置、15…電源制御部、15a…電力供給制御手段としての作動制御部、15b…電力消費量算出手段としての算出部、16…エンジン制御部、20…報知手段としての報知器、31…電流検出手段としての電流検出器。

Claims (4)

  1. バッテリから各種電装品への給電経路に流れる電流量を検出する電流検出手段と、
    その電流検出手段による検出電流量に基づいてバッテリの電力消費量を算出するとともに、車両の電気系機能ポジションの切換制御を行うことにより前記各種電装品に対する電力の供給を制御する電力供給制御手段とを備えることを特徴とする車両用バッテリの電力消費量監視装置。
  2. バッテリから各種電装品への給電経路に流れる電流量を検出する電流検出手段と、
    その電流検出手段による検出電流量に基づいてバッテリの電力消費量を算出する電力消費量算出手段と、
    前記各種電装品に対する電力供給制御を行う電力供給制御手段とを備え、
    その電力供給制御手段は、エンジン停止状態において前記電力消費量算出手段によって算出された電力消費量が所定の閾値を超えた際には、車両に設けられた報知手段を作動させてその旨を報知させることを特徴とする車両用バッテリの電力消費量監視装置。
  3. 前記電力供給制御手段は、前記電力消費量が所定の閾値を超えた際には、所定の電装品に対する電力供給を禁止する機能限定制御を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用バッテリの電力消費量監視装置。
  4. 前記電力供給制御手段は、前記電力消費量が所定の閾値を超えた状態でエンジンが駆動された際には、アイドル時におけるエンジン回転数を高めるよう指示する指示信号をエンジン制御部に対して出力してバッテリの充電を促進させる充電促進制御を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用バッテリの電力消費量監視装置。
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