JP2004196056A - サイドメンバ構造 - Google Patents

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Abstract

【目的】車両衝突時に発生するキャビンの沈み込みを抑制する。
【構成】フロントサイドメンバ10の移行部30における上位部32、中位部34、下位部36の各断面積の大きさは、中位部34の中央部34Aが最も小さくなっている。また、車両前突時に、フロントサイドメンバ10の移行部30の上位部32と下位部36には、それぞれ反対向きの曲げモーメントM1、M2が負荷されるため、曲げ応力は、相対的に上位部32で大、下位部36で大、中位部34で小となる。従って、フロントサイドメンバ10の移行部30における断面積の大きさと、曲げ応力との関係から、フロントサイドメンバ10の移行部30における上位部32、中位部34、下位部36の各曲げ強度は、上位部32で大、中位部34で小、下位部36で小となっている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はサイドメンバ構造に係り、特に、自動車等の車両のサイドメンバ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車のサイドメンバ構造においては、前後方向に延びてその横断面がほぼU字形状をなす板金製のサイドメンバ(サイドフレームともいう)を設けると共に、このサイドメンバの上面に結合されるフロアパネルを設け、サイドメンバが、後下方に向って延びる傾斜メンバと、この傾斜メンバの後端からほぼ水平に後方に向って延びる水平メンバとを備え、傾斜メンバから水平メンバへの遷移部の上面に直接的に第1補強板を結合させる一方、水平メンバに対応するフロアパネルの部分の上面に第2補強板を設けて、これら水平メンバ、フロアパネル、及び第2補強板を互いに一体的に結合させた構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特許第3321066号明細書
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなサイドメンバ構造においては、サイドメンバが、キャビンの下部に沿って上方から斜め下方に向って屈曲さた移行部を有しており、移行部の上位部、中位部、下位部における各断面形状の大きさと、車両衝突時に移行部の上位部、中位部、下位部に作用する曲げ応力との関係から、車両衝突時の移行部における曲げ強度の相対関係が、中位部が最も大きく、上位部、下位部の順になっている。この結果、車両衝突時には、移行部の上位部または下位部を起点にしてサイドメンバが折れ曲がる。このため、移行部の回転半径が大きくなり、キャビンの沈み込みが大きくなるという不具合がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、車両衝突時に発生するキャビンの沈み込みを抑制できるサイドメンバ構造を提供することが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、サイドメンバがキャビンに沿って上方から斜め下方に向って屈曲された移行部を有するサイドメンバ構造であって、
前記移行部に車両前後方向に沿った圧縮荷重が作用した場合に、前記移行部の上位部における曲げ強度に比べて、前記移行部の中位部の曲げ強度及び前記移行部の下位部の曲げ強度を小さくしたことを特徴とする。
【0007】
従って、車両衝突時に、移行部に車両前後方向に沿った圧縮荷重が作用した場合には、キャビンに沿って上方から斜め下方に向って屈曲されたサイドメンバの移行部の上位部における曲げ強度に比べて、移行部の中位部の曲げ強度及び移行部の下位部の曲げ強度が小さいため、移行部の中位部または下位部を起点にして、サイドメンバの移行部が折れ曲がる。この結果、サイドメンバの移行部の回転半径が、移行部の上位部または下位部を起点にして、サイドメンバの移行部が折れ曲がる場合に比べて小さくなる。このため、車両衝突時に発生するキャビンの沈み込みを抑制できる。
【0008】
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のサイドメンバ構造において、前記移行部の中位部に脆弱部を形成したことを特徴とする。
【0009】
従って、請求項1に記載の内容に加えて、脆弱部を形成することで曲げ強度を小さくした移行部の中位部を中心に、サイドメンバの移行部を確実に折り曲げることができる。
【0010】
請求項3記載の本発明は、請求項1、2の何れか1つに記載のサイドメンバ構造において、前記移行部の上位部と下位部における前記キャビンとの溶接を連続溶接とし、前記移行部の中位部における前記キャビンとの溶接を不連続溶接としたことを特徴とする。
【0011】
従って、請求項1、2の何れか1つに記載の内容に加えて、不連続溶接とすることで曲げ強度を小さくした移行部の中位部を中心に、サイドメンバの移行部を確実に折り曲げることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係るサイドメンバ構造の第1実施形態を図1及び図2に従って説明する。
【0013】
なお、図中矢印FRは車体前方方向を、矢印UPは車体上方方向を、矢印INは車幅内側方向を示す。
【0014】
図1に示される如く、本実施形態のフロントサイドメンバ10は、車両前部の車幅方向両端下部近傍に車両前後方向に沿って左右一対配設されている。また、フロントサイドメンバ10の前部12は、エンジンルーム14内に配設されており、フロントサイドメンバ10の後部16は、キャビン18の床部を構成するフロアパネル部20の下面20Aに沿って車両後方へ延設されている。
【0015】
また、フロントサイドメンバ10の前部12と後部16は上下方向にオフセットしており、フロントサイドメンバ10の前部12と後部16との間は、エンジンルーム14とキャビン18を仕切るダッシュパネル部22の傾斜部22Aのキャビン外側面22Bに沿って、車両前側上方から斜め後側下方に向って屈曲された移行部30となっている。また、フロントサイドメンバ10の移行部30は、車両前方側から上位部32、中位部34、下位部36となっている。
【0016】
図2に示される如く、フロントサイドメンバ10の移行部30の車幅方向に沿った垂直面で切断した断面形状は、上方に開口部を向けたハット状とされており、車幅方向外側フランジ30Aと車幅方向内側フランジ30Bがダッシュパネル部22の傾斜部22Aのキャビン外側面22Bに溶着されている。
【0017】
図1に示される如く、フロントサイドメンバ10の移行部30における上位部32、中位部34、下位部36の各断面の深さ、即ち、車幅方向外側壁部30Cと車幅方向内側壁部30Dの幅H1、H2、H3は、中位部34の中央部34Aにおける断面の深さH2が最も浅く、上位部32の上端部32A及び下位部36の下端部36Aに向って連続的に深くなっている。また、フロントサイドメンバ10の移行部30における上位部32、中位部34、下位部36の各底壁部30Eの幅Wは略一定である。
【0018】
従って、フロントサイドメンバ10の移行部30における上位部32、中位部34、下位部36の各断面積の大きさは、中位部34の中央部34Aにおける断面積が最も小さくなっており、中位部34の中央部34Aが脆弱部としての断面縮小部となっている。
【0019】
また、フロントサイドメンバ10の内周部には、移行部30における下位部36の下端部36Aを跨いで、断面コ字状のリインフォースメント39が、開口部を上方に向けて配設されている。
【0020】
また、車両前突時に発生する車両前後方向に沿った圧縮荷重により、フロントサイドメンバ10の移行部30の上位部32と下位部36には、それぞれ反対向きの曲げモーメントM1、M2が負荷されるため、曲げ応力は、相対的に上位部32で大、下位部36で大、中位部34で小となる。
【0021】
従って、フロントサイドメンバ10の移行部30における上位部32、中位部34、下位部36の各断面積の大きさと、曲げ応力との関係から、車両前突時のフロントサイドメンバ10の移行部30における上位部32、中位部34、下位部36の各曲げ強度は、上位部32で大、中位部34で小、下位部36で小となる。
【0022】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0023】
本実施形態では、車両前突時のフロントサイドメンバ10の移行部30における上位部32、中位部34、下位部36の各曲げ強度は、上位部32で大、中位部34で小、下位部36で小となるため、車両が前突した場合には、移行部30における中位部34の中央部34Aまたは下位部36の下端部36Aを起点にして、サイドメンバ10の移行部30が、図1に二点鎖線で示すように折れ曲がる。
【0024】
この結果、サイドメンバ10における折れ部の回転半径R1が、図3に示される比較例のように、サイドメンバ70の移行部72の上位部72Aまたは下位部72Bにを起点にしてサイドメンバ70の移行部72が折れ曲がる場合の回転半径R2に比べて、小さくなる。このため、車両前突時に発生するキャビン18の前部18Aの沈み込みを抑制できる。
【0025】
次に、本発明のサイドメンバ構造の第2実施形態を図4及び図5に従って説明する。
【0026】
なお、第1実施形態と同一部材に付いては、同一符号を付してその説明を省略する。
【0027】
図4に示される如く、本実施形態では、フロントサイドメンバ10の移行部30における中位部34の中央部34Aに、脆弱部としての断面縮小部である断面内側に凸のビード40が形成されている。
【0028】
図5に示される如く、断面内側に凸のビード40は、底壁部30Eから、車幅方向外側壁部30Cにおける車幅方向外側フランジ30Aの近傍と、車幅方向内側壁部30Dにおける車幅方向内側フランジ30Bの近傍まで連続的に形成されている。
【0029】
また、車両前突時に発生する車両前後方向に沿った圧縮荷重により、フロントサイドメンバ10の移行部30の上位部32と下位部36には、それぞれ反対向きの曲げモーメントM1、M2が負荷されるため、曲げ応力は、相対的に上位部32で大、下位部36で大、中位部34で小となる。
【0030】
従って、フロントサイドメンバ10の移行部30における中位部34に形成したビード40と、曲げ応力との関係から、車両前突時のフロントサイドメンバ10の移行部30における上位部32、中位部34、下位部36の各曲げ強度は、上位部32で大、中位部34で小、下位部36で小となる。
【0031】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0032】
本実施形態では、車両前突時のフロントサイドメンバ10の移行部30における上位部32、中位部34、下位部36の各曲げ強度は、上位部32で大、中位部34で小、下位部36で小となっているため、車両が前突した場合には、サイドメンバ10の移行部30における中位部34のビード40または下位部36の下端部36Aを起点にして、サイドメンバ10の移行部30が、図4に二点鎖線で示すように折れ曲がる。
【0033】
この結果、サイドメンバ10における折れ部の回転半径R1が、図3に示される比較例のように、サイドメンバ70の移行部72の上位部72Aまたは下位部72Bにを起点にしてサイドメンバ70が折れ曲がる場合の回転半径R2に比べて、小さくなる。このため、車両前突時に発生するキャビン18の前部18Aの沈み込みを抑制できる。
【0034】
次に、本発明のサイドメンバ構造の第3実施形態を図6及び図7に従って説明する。
【0035】
なお、第1実施形態と同一部材に付いては、同一符号を付してその説明を省略する。
【0036】
図6に示される如く、本実施形態では、フロントサイドメンバ10の移行部30における中位部34の中央部34Aに、脆弱部としての応力集中手段である断面外側に凸のビード50が形成されている。
【0037】
図7に示される如く、断面外側に凸のビード50は、底壁部30Eから、車幅方向外側壁部30Cにおける車幅方向外側フランジ30Aの近傍と、車幅方向内側壁部30Dにおける車幅方向内側フランジ30Bの近傍まで連続的に形成されている。
【0038】
また、車両前突時に発生する車両前後方向に沿った圧縮荷重により、フロントサイドメンバ10の移行部30の上位部32と下位部36には、それぞれ反対向きの曲げモーメントM1、M2が負荷されるため、曲げ応力は、相対的に上位部32で大、下位部36で大、中位部34で小となる。
【0039】
従って、フロントサイドメンバ10の移行部30における中位部34に形成したビード50と、曲げ応力との関係から、車両前突時のフロントサイドメンバ10の移行部30における上位部32、中位部34、下位部36の各曲げ強度は、上位部32で大、中位部34で小、下位部36で小となる。
【0040】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0041】
本実施形態では、車両前突時のフロントサイドメンバ10の移行部30における上位部32、中位部34、下位部36の各曲げ強度は、上位部32で大、中位部34で小、下位部36で小となっているため、車両が前突した場合には、サイドメンバ10の移行部30における中位部34のビード50または下位部36の下端部36Aを起点にして、サイドメンバ10の移行部30が、図6に二点鎖線で示すように折れ曲がる。
【0042】
この結果、サイドメンバ10における折れ部の回転半径R1が、図3に示される比較例のように、サイドメンバ70の移行部72の上位部72Aまたは下位部72Bにを起点にしてサイドメンバ70が折れ曲がる場合の回転半径R2に比べて、小さくなる。このため、車両前突時に発生するキャビン18の前部18Aの沈み込みを抑制できる。
【0043】
次に、本発明のサイドメンバ構造の第4実施形態を図8及び図9に従って説明する。
【0044】
なお、第1実施形態と同一部材に付いては、同一符号を付してその説明を省略する。
【0045】
図9に示される如く、本実施形態では、フロントサイドメンバ10の移行部30における中位部34においては、車幅方向外側フランジ30Aとダッシュパネル部22との溶着及び車幅方向内側フランジ30Bとダッシュパネル部22との溶着が不連続溶接としてのスポット溶接(溶接点P1)により所定の間隔で溶接されている。
【0046】
一方、フロントサイドメンバ10の移行部30における上位部32と下位部36においては、車幅方向外側フランジ30Aとダッシュパネル部22との溶着及び車幅方向内側フランジ30Bとダッシュパネル部22との溶着が、連続溶接としてのレーザ溶接(溶接線P2)により線溶接されている。
【0047】
また、車両前突時に発生する車両前後方向に沿った圧縮荷重により、フロントサイドメンバ10の移行部30の上位部32と下位部36には、それぞれ反対向きの曲げモーメントM1、M2が負荷されるため、曲げ応力は、相対的に上位部32で大、下位部36で大、中位部34で小となる。
【0048】
従って、フロントサイドメンバ10の移行部30における中位部34のスポット溶接及び上位部32と下位部36のレーザ溶接と、曲げ応力との関係から、車両前突時のフロントサイドメンバ10の移行部30における上位部32、中位部34、下位部36の各曲げ強度は、上位部32で大、中位部34で小、下位部36で小となる。
【0049】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0050】
本実施形態では、車両前突時のフロントサイドメンバ10の移行部30における上位部32、中位部34、下位部36の各曲げ強度は、上位部32で大、中位部34で小、下位部36で小となっているため、車両が前突した場合には、キャビン18に沿って上方から斜め下方に向って屈曲されたサイドメンバ10の移行部30におけるスポット溶接された中位部34の溶接点P1間または下位部36の下端部36Aを起点にして、サイドメンバ10の移行部30が、図8に二点鎖線で示すように折れ曲がる。
【0051】
この結果、サイドメンバ10における折れ部の回転半径R1が、図3に示される比較例のように、サイドメンバ70の移行部72の上位部72Aまたは下位部72Bにを起点にしてサイドメンバ70が折れ曲がる場合の回転半径R2に比べて、小さくなる。このため、車両前突時に発生するキャビン18の前部18Aの沈み込みを抑制できる。
【0052】
次に、本発明のサイドメンバ構造の第5実施形態を図10及び図11に従って説明する。
【0053】
なお、第1実施形態と同一部材に付いては、同一符号を付してその説明を省略する。
【0054】
図11に示される如く、本実施形態では、フロントサイドメンバ10の移行部30における中位部34においては、車幅方向外側フランジ30Aとダッシュパネル部22との溶着及び車幅方向内側フランジ30Bとダッシュパネル部22との溶着が不連続溶接としてのスポット溶接(溶接点P1)により所定の間隔で溶接されている。
【0055】
一方、フロントサイドメンバ10の移行部30における上位部32と下位部36においては、車幅方向外側フランジ30Aとダッシュパネル部22との溶着及び車幅方向内側フランジ30Bとダッシュパネル部22との溶着が連続溶接としてのレーザ溶接(溶接線P2)により線溶接されている。
【0056】
更に、本実施形態では、フロントサイドメンバ10の移行部30における中位部34の中央部34Aに、脆弱部としての応力集中手段である断面外側に凸のビード50が形成されている。
【0057】
また、車両前突時に発生する車両前後方向に沿った圧縮荷重により、フロントサイドメンバ10の移行部30の上位部32と下位部36には、それぞれ反対向きの曲げモーメントM1、M2が負荷されるため、曲げ応力は、相対的に上位部32で大、下位部36で大、中位部34で小となる。
【0058】
従って、フロントサイドメンバ10の移行部30における中位部34のスポット溶接及び上位部32と下位部36のレーザ溶接と、中位部34のビード50と、曲げ応力との関係から、車両前突時のフロントサイドメンバ10の移行部30における上位部32、中位部34、下位部36の各曲げ強度は、上位部32で大、中位部34で小、下位部36で小となる。
【0059】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0060】
本実施形態では、車両前突時のフロントサイドメンバ10の移行部30における上位部32、中位部34、下位部36の各曲げ強度は、上位部32で大、中位部34で小、下位部36で小となっているため、車両が前突した場合には、サイドメンバ10の移行部30におけるスポット溶接され且つビード50が形成された中位部34または下位部36の下端部36Aを起点にして、サイドメンバ10の移行部30が、図10に二点鎖線で示すように折れ曲がる。
【0061】
この結果、サイドメンバ10における折れ部の回転半径R1が、図3に示される比較例のように、サイドメンバ70の移行部72の上位部72Aまたは下位部72Bにを起点にしてサイドメンバ70が折れ曲がる場合の回転半径R2に比べて、小さくなる。このため、車両衝突時に発生するキャビン18の前部18Aの沈み込みを抑制できる。
【0062】
なお、本実施形態では、不連続溶接により所定の間隔で溶接した中位部34に、脆弱部としての応力集中手段である断面外側に凸のビード50を形成したが、これに代えて、不連続溶接により所定の間隔で溶接した中位部34に、脆弱部としての断面内側に凸のビード40を形成しても良い。また、ビード50、40に代えて、不連続溶接により所定の間隔で溶接した中位部34の中央部34Aにおける断面積を最も小さくした構成としても良い。
【0063】
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、フロントサイドメンバ10を矩形閉断面形状としたが、フロントサイドメンバ10の断面形状はこれに限定されず、他の閉断面形状としても良い。
【0064】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明は、サイドメンバがキャビンに沿って上方から斜め下方に向って屈曲された移行部を有するサイドメンバ構造であって、前記移行部に車両前後方向に沿った圧縮荷重が作用した場合に、移行部の上位部における曲げ強度に比べて、移行部の中位部の曲げ強度及び移行部の下位部の曲げ強度を小さくしたため、車両衝突時に発生するキャビンの沈み込みを抑制できるという優れた効果を有する。
【0065】
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のサイドメンバ構造において、移行部の中位部に脆弱部を形成したため、請求項1に記載の効果に加えて、移行部の中位部を中心に、サイドメンバの移行部を確実に折り曲げることができるという優れた効果を有する。
【0066】
請求項3記載の本発明は、請求項1、2の何れか1つに記載のサイドメンバ構造において、移行部の上位部と下位部におけるキャビンとの溶接を連続溶接とし、移行部の中位部におけるキャビンとの溶接を不連続溶接としたため、請求項1、2の何れか1つに記載の内容に加えて、移行部の中位部を中心に、サイドメンバの移行部を確実に折り曲げることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るサイドメンバ構造を示す側断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るサイドメンバ構造を示す車両斜め後方内側から見た斜視図である。
【図3】本発明の比較例に係るサイドメンバ構造を示す側断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るサイドメンバ構造を示す側断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るサイドメンバ構造を示す車両斜め後方内側から見た斜視図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係るサイドメンバ構造を示す側断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係るサイドメンバ構造を示す車両斜め後方内側から見た斜視図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係るサイドメンバ構造を示す側断面図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係るサイドメンバ構造を示す車両斜め後方内側から見た斜視図である。
【図10】本発明の第5実施形態に係るサイドメンバ構造を示す側断面図である。
【図11】本発明の第5実施形態に係るサイドメンバ構造を示す車両斜め後方内側から見た斜視図である。
【符号の説明】
10 フロントサイドメンバ
18 キャビン
20 フロアパネル部
22 ダッシュパネル部
30 フロントサイドメンバの移行部
32 移行部の上位部
34 移行部の中位部
34A 中位部の中央部(脆弱部、断面縮小部)
36 移行部の下位部
40 ビード(脆弱部、断面縮小部)
50 ビード(脆弱部、応力集中手段)

Claims (3)

  1. サイドメンバがキャビンに沿って上方から斜め下方に向って屈曲された移行部を有するサイドメンバ構造であって、
    前記移行部に車両前後方向に沿った圧縮荷重が作用した場合に、前記移行部の上位部における曲げ強度に比べて、前記移行部の中位部の曲げ強度及び前記移行部の下位部の曲げ強度を小さくしたことを特徴とするサイドメンバ構造。
  2. 前記移行部の中位部に脆弱部を形成したことを特徴とする請求項1に記載のサイドメンバ構造。
  3. 前記移行部の上位部と下位部における前記キャビンとの溶接を連続溶接とし、前記移行部の中位部における前記キャビンとの溶接を不連続溶接としたことを特徴とする請求項1、2の何れか1つに記載のサイドメンバ構造。
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