JP2004195184A - 遊技機およびシミュレーションゲームプログラム - Google Patents
遊技機およびシミュレーションゲームプログラム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004195184A JP2004195184A JP2003069666A JP2003069666A JP2004195184A JP 2004195184 A JP2004195184 A JP 2004195184A JP 2003069666 A JP2003069666 A JP 2003069666A JP 2003069666 A JP2003069666 A JP 2003069666A JP 2004195184 A JP2004195184 A JP 2004195184A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- bgm
- game
- special symbol
- performance
- special
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Pinball Game Machines (AREA)
- Display Devices Of Pinball Game Machines (AREA)
Abstract
【課題】遊技者が常に意識することなく簡単に大当り予告を認識することができるようにした遊技機およびシミュレーションゲームプログラムを提供する。
【解決手段】保留球がある場合または特別図柄の変動中に始動入賞口6に遊技球が入賞した場合には、特別図柄の変動表示中に演奏されるBGMを、特別図柄の変動表示の終了から次の遊技の変動表示を開始する間も継続して演奏するとともに、通常遊技状態、確変モード時または時短モード時にメインCPU31の判定結果が「大当り」となったときに、継続されるべきBGMを特別図柄の変動開始から任意の時間だけ一時的に中断して「大当り予告」を行う。
【選択図】 図23
【解決手段】保留球がある場合または特別図柄の変動中に始動入賞口6に遊技球が入賞した場合には、特別図柄の変動表示中に演奏されるBGMを、特別図柄の変動表示の終了から次の遊技の変動表示を開始する間も継続して演奏するとともに、通常遊技状態、確変モード時または時短モード時にメインCPU31の判定結果が「大当り」となったときに、継続されるべきBGMを特別図柄の変動開始から任意の時間だけ一時的に中断して「大当り予告」を行う。
【選択図】 図23
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機等において、複数の特別図柄の変動表示に伴ってBGMを流すようにした遊技機およびシミュレーションゲームプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ遊技機に代表される遊技機にあっては、始動入賞口に遊技球が入賞すると特別図柄の変動表示を行う図柄表示装置を備えており、特別図柄が所定の図柄の組合せで停止表示されると、所謂「大当り」となって遊技者にとって有利な「特別遊技状態」に移行するようになっている。また、図柄の変動に応じてBGM(Background Music)を流すことにより、遊技者に図柄変動に伴う期待感を与えるようにしている。
【0003】
一方、パチンコ遊技機には、特別遊技状態に移行する頻度が高くなる予告や特別遊技状態に100%移行する予告を行う「大当り予告」と呼ばれる報知を行うものがあり、この「大当り予告」としては、図柄表示装置に登場するキャラクタを通常のキャラクタと異なるキャラクタにしたり、キャラクタの行動を通常の行動と異なるようにして、視覚的に遊技者に認識させるようにしたものがある(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−210159号公報(請求項1、3頁、図5)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のパチンコ遊技機にあっては、キャラクタによって「大当り予告」を行うようになっているため、遊技者は常に図柄表示装置の画面を注視しなくてはならない。
【0006】
これに代えて、キャラクタが発する台詞等の音声によって「大当り予告」を行うものもあるが、キャラクタが何時、台詞を発するのかを遊技者は把握していないため、常に注意を払わなくてならないという点で画面注視とは変わりがなく、遊技者にとって分かり易い「大当り予告」とは言い難い。
【0007】
そこで本発明は、遊技者が常に意識することなく簡単に大当り予告を認識することができるようにした遊技機およびシミュレーションゲームプログラムを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の遊技機は、上記課題を解決するために、複数の特別図柄を変動表示した後に停止表示する図柄表示手段と、BGM(Background Music)を演奏する演奏手段と、前記特別図柄の変動表示中に始動入賞口に遊技球が入賞したときに前記遊技球を保留球として記憶する記憶手段と、遊技者にとって有利な特別遊技状態とするか否かを判定する判定手段とを備えた遊技機において、前記演奏手段を制御する演奏制御手段を設け、前記演奏制御手段は、前記記憶手段に前記保留球が記憶された状態または前記特別図柄の変動中に前記始動入賞口に遊技球が入賞した場合には、前記図柄表示手段の前記特別図柄の変動表示中に演奏されるBGMを、前記特別図柄の変動表示の終了から次の遊技の変動表示を開始する間も継続して演奏するとともに、前記判定手段の判定結果が遊技者にとって有利な特別遊技状態となったときに、前記特別図柄の変動開始から変動停止までの時間の中の任意の時間だけ前記BGMの演奏を一時的に中断するように前記演奏手段を制御する特徴としている。
【0009】
その場合、保留球があるときや始動入賞口に遊技球が入賞した場合には、特別図柄の変動表示中と変動表示の終了から次の遊技の変動表示を開始するまでの間でBGMの演奏を継続するため、遊技の大半を占めるリーチに発展しない通常変動状態等であっても長い曲をBGMとして使用することができるとともに、曲のイントロばかりが繰り返し演奏されるのを防止することができ、飽きの来ない演出を行うことができる。
【0010】
また、判定手段の判定結果が遊技者にとって有利な特別遊技状態、すなわち、「大当り」となったときに、継続されるべきBGMを特別図柄の変動開始から変動停止までの時間の中の任意の時間だけ一時的に中断するので、遊技者は「大当り予告」を聴覚で認識することができる。したがって、遊技者が常に意識することなく簡単に大当り予告を認識することができる。
【0011】
本発明の遊技機は、上記課題を解決するために、前記演奏制御手段は、特別図柄の変動開始時から任意の時間だけ前記BGMの演奏を一時的に中断するように前記演奏手段を制御することを特徴としている。
【0012】
その場合、判定手段の判定結果が「大当り」となったときに、継続されるべきBGMを特別図柄の変動開始時から任意の時間だけ一時的に中断するので、遊技者は図柄の変動開始時を起点にして「大当り予告」を聴覚で認識することができ、遊技者が常に意識することなくより一層簡単に大当り予告を認識することができる。
【0013】
また、本発明の遊技機は、上記課題を解決するために、前記演奏制御手段は、前記BGMの最後のフレーズが終了すると、所定のフレーズの先頭に戻って前記所定のフレーズの先頭から演奏を継続するように前記演奏手段を制御することを特徴としている。
【0014】
その場合、所定のフレーズ、例えば、サビのフレーズの先頭に戻って演奏を継続するので、BGMのイントロのフレーズばかりが繰り返される等の単調なフレーズが繰り返されるのを防止することができ、遊技を行っている間中、飽きの来ない演出を行うことができる。
【0015】
なお、1フレーズとは旋律の区切りのことであり、聴く側(遊技者)にとって一区切りと感じられる内容のことを示す。
【0016】
また、本発明の遊技機は、上記課題を解決するために、前記演奏制御手段は、前記記憶手段に前記保留球が記憶されていないとともに前記特別図柄が変動表示されていない状態から前記始動入賞口に遊技球が入賞して前記特別図柄の変動が開始されたときに、最初のフレーズから前記BGMの演奏を開始するように前記演奏手段を制御することを特徴としている。
【0017】
その場合、保留球がなく、特別図柄が変動表示されていない状態から始動入賞口に遊技球が入賞して特別図柄が変動表示されたときに、長いBGMの最初のフレーズから演奏を開始するので、特別図柄の変動が一旦途切れた後の特別図柄の変動に対して新たな気持ちで大当たりの期待感を持たせることができる。
【0018】
また、本発明の遊技機は、上記課題を解決するために、前記演奏制御手段は、確変モードまたは時短モードでの遊技中にBGMの演奏を継続するとともに、前記判定手段の判定結果が遊技者にとって有利な特別遊技状態となったときに、前記任意の時間だけ前記BGMの演奏を一時的に中断するように前記演奏手段を制御することを特徴としている。
【0019】
その場合、確変モード時または時短モード時に判定手段の判定結果が「大当り」となったときに、継続されるべきBGMを特別図柄の変動開始時等に一時的に中断するので、遊技者は確変中または時短中に「大当り予告」を聴覚で認識することができる。したがって、遊技者が常に意識することなく簡単に大当り予告を認識することができる。
【0020】
また、本発明のシミュレーションゲームプログラムは、上記課題を解決するために、コンピュータに、複数の特別図柄を変動表示した後に停止表示する図柄表示機能と、BGMを演奏する演奏機能と、前記特別図柄の変動表示中に始動入賞口に遊技球が入賞したときに前記遊技球を保留球として記憶する記憶機能と、遊技者にとって有利な特別遊技状態とするか否かを判定する判定機能と、前記記憶機能で前記保留球が記憶された状態または前記特別図柄の変動中に前記始動入賞口に遊技球が入賞した場合には、前記特別図柄の変動表示中に演奏されるBGMを、前記特別図柄の変動表示の終了から次の遊技の変動表示を開始する間も継続して演奏するとともに、前記判定機能での判定結果が遊技者にとって有利な特別遊技状態となったときに、前記特別図柄の変動開始から変動停止までの時間の中の任意の時間だけ前記BGMの演奏を一時的に中断するように前記演奏機能を制御する演奏制御機能とを実現させることを特徴としている。
【0021】
その場合、上述した各シミュレーションプログラムは、各シミュレーションプログラムをROMカートリッジ、CD−ROM、DVD等の記録媒体に記憶したり、通信衛星等のネットワーク環境下、あるいはインターネット等の通信回線を利用して配布することにより、家庭用ゲーム機等において遊技機と同様に、保留球があるときや始動入賞口に遊技球が入賞した場合には、特別図柄の変動表示中と変動表示の終了から次の遊技の変動表示を開始するまでの間でBGMの演奏を継続するため、遊技の大半を占めるリーチに発展しない通常変動状態等であっても長い曲をBGMとして使用することができるとともに、曲のイントロばかりが繰り返し演奏されるのを防止することができ、飽きの来ない演出を行うことができる。
【0022】
また、判定機能での判定結果が遊技者にとって有利な特別遊技状態、すなわち、「大当り」となったときに、継続されるべきBGMを特別図柄の変動開始から変動停止までの時間の中の任意の時間だけ一時的に中断するので、遊技者は「大当り予告」を聴覚で認識することができる。したがって、遊技者が常に意識することなく簡単に大当り予告を認識することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
図1〜図26は本発明に係る遊技機の一実施形態を示す図であり、本発明をパチンコ遊技機に適用した例を示している。
【0025】
図1は遊技機であるパチンコ遊技機1の正面外観図、図2はパチンコ遊技機1の斜視図であり、このパチンコ遊技機1の遊技部は、前面扉2の上部ガラスの内側に遊技盤3を配置し、その盤面上に各種入賞領域を配設して構成されている。
【0026】
遊技盤3の略中央には、遊技に必要な特別図柄の変動表示および演出アニメーションを含む表示を行う図柄表示手段としての液晶表示装置4が配置されている。
【0027】
遊技盤3の下方には、賞球または貸し球として払い出される遊技球(パチンコ球)を溜めるための上皿21が設けられており、上皿21に排出された遊技球は遊技盤3の裏面側に設けられた発射装置82(図6)に供給される。
【0028】
また、上皿21の下方には、灰皿20、上皿21からの遊技球を排出するための排出口22、排出口22から排出された遊技球を溜めるための下皿23、遊技球を遊技部に向けて発射させる操作手段としての発射ハンドル24が設けられている。
【0029】
また、遊技盤3の上方にはスピーカ25L、25Rが設けられており、このスピーカ25L、25RからはBGMおよび効果音等が出力されるようになっている。
【0030】
また、遊技盤3の略中央には図3にも示すように液晶表示装置4が配置されている。この液晶表示装置4は、画像信号入力に基づいて特別図柄の変動表示および演出アニメーションを含む表示を行うもので、後述の始動入賞口6に遊技球が入賞(「始動入賞」という)することにより画面4aに図3に示す特別図柄の変動表示が開始される。
【0031】
なお、図柄表示手段としては液晶表示装置に限らず、例えば、CRT(陰極線管)、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンス等によって構成しても良く、また、電気的表示装置ではなく、図柄を外周面上に描いた回転リールを配置し可変表示を行うような機械的リール、模型等の動作物等の機械的装置を用いてもよい。
【0032】
そして、この特別図柄の変動表示が、所定の停止態様で停止したとき、「大当り」となり、遊技者にとって有利な後述の「特別遊技状態」に移行する。大当りとなる所定の停止態様は、例えば、画面4aの左側に停止した特別図柄、画面4aの中央に停止した特別図柄および画面4aの右側に停止した特別図柄の3つがいずれも同一態様の図柄の場合で揃った停止態様である。
【0033】
図4は、特別図柄の具体例を示す。図4に示すように、漢数字を示す図柄の”一”〜”九”および文字”次””郎””長”からなる12種類の図柄が特別図柄として設定され、各図柄には、表示制御に必要な”1〜12”のコードナンバーが付されている。なお、この特別図柄は左図柄、中図柄、右図柄共通である。
【0034】
また、大当りとなる停止態様(以下、「大当り停止態様」という)を構成する特別図柄の種類に応じて、上記の「大当り」は「確変大当り」と「通常大当り」に区別される。本実施形態では、図5に示した12種類の特別図柄のうちのコードナンバーが、”3”、”5”、”7”、”10”、”11”、”12”の6種類の特別図柄を「確変図柄」とし、コードナンバーが”1”、”2”、”4”、”6”、”8”、”9”の6種類の特別図柄を「通常図柄」とする。
【0035】
「確変大当り」は、「確変図柄」が揃った「特定停止態様」となったときに発生する。また、「確変大当り」となった場合は、「大当り遊技状態」が終了した後の一般遊技状態において、大当りの発生確率が高い状態となる。他方、「通常大当り」は、「通常図柄」が揃った「非特定停止態様」となったときに発生する。「通常大当り」となった場合は、「大当り遊技状態」が終了した後の一般遊技状態において、大当りの発生確率に変動はない。
【0036】
また、液晶表示装置4の画面4aには、種々のキャラクタが登場するアニメーション等による演出の表示が行われる。本実施形態では、登場物として”森の石松”の画像による演出が行われるようになっており、液晶表示装置4の上方に”森の石松”が描かれている。なお、絵ではなく”森の石松”の人形あるいは”森の石松”が描かれたシールであっても良い。
【0037】
また、液晶表示装置4の下方には、スタートチャッカーと呼ばれる始動入賞口6を構成する普通電動役物5が設けられている。普通電動役物5は、始動入賞口6へ入賞しやすい第1状態と始動入賞口6に入賞しにくい第2状態とに変換可能な可動片6aを有する入賞装置(所謂チューリップ)である。なお、この可動片6aが閉じた第2状態であっても、遊技球が1個程度入賞可能である。そして、遊技球が始動入賞口6に入賞すると、例えば5個の賞球が払い出される。
【0038】
また、液晶表示装置4の左方には普通図柄作動用ゲート7が設けられており、この普通図柄作動用ゲート7に遊技球が通過すると、液晶表示装置4によって普通図柄表示用の「○、×」の画像が交互に点灯されるようになっており、所定時間経過後、「○」の画像のみが点灯されると、普通電動役物5が第1状態に変換される。
【0039】
普通電動役物5の下方には、遊技者にとって有利な「開状態」と遊技者にとって不利な「閉状態」に変換可能な扉開閉式の変動入賞装置からなるアタッカーと呼ばれる大入賞口8が設けられている。大入賞口8は、液晶表示装置4での特別図柄の変動表示が大当り停止態様で停止したときに、所定時間の開状態に維持される。
【0040】
そして、この大入賞口8に遊技球が入賞すると所定個数(例えば15個)の賞球が払い出されるように定められている。前述の特別遊技状態とは、この大入賞口8が開状態となった遊技状態をいい、この特別遊技状態中は、大入賞口8への10球入賞あるいは30秒経過まで開状態が連続する遊技(以下、「大当り遊技」という)を、15回(ラウンド)行えるようになっている。ここで、1回目の大当り遊技を「第1ラウンド」と称し、2回目以降の大当り遊技も同様に、「第2ラウンド」、「第3ラウンド」......と称する。なお、大当り遊技が1ラウンド終了した後、次のラウンドを行うためには、一般的にV入賞口に遊技球が入賞する「V入賞」という所定の条件を満たす必要がある。
【0041】
ここで、大入賞口8は複数の入賞口で構成され、V入賞は、その複数の入賞口のうちの特定の入賞口に遊技球が入賞した場合で、このV入賞の成立条件となる特定の入賞口は、通常、大入賞口8の中央に設けられる。また、大入賞口8の下方には、アウト球を回収するアウト口9が設けられている。
【0042】
また、遊技盤3の左側にはレール10が設置されている。遊技盤3の裏面側に設けられた発射装置82から発射された遊技球は、このレール10に沿って上昇移動し、遊技領域に打ち込まれる。
【0043】
液晶表示装置4の右方には4つの普通図柄記憶LED12が設けられており、液晶表示装置4の上方には保留球記憶LED13a〜13dが設けられている。
【0044】
普通図柄記憶LED12は、普通図柄の変動中に普通図柄作動用ゲート7への遊技球通過がある度に1個ずつ点灯し、その時点での液晶表示装置4の普通図柄表示用の「○、×」の交互の点灯可能回数(4回を限度とする)を遊技者に知らせるものであり、5回目以降の通過はカウントされず無効となる。
【0045】
液晶表示装置4の左右上方には、左風車14および右風車15が設けられており、この左風車14および右風車15は遊技球の流下経路を変更するとともに、遊技球が衝突したときに回転して遊技性を増大させる機能を果している。
【0046】
また、始動入賞口6の左右側には、それぞれ入賞球があると10個の賞球を払出すように定められた一般入賞口16、17、18、19が設けられている。また、遊技盤3の盤面上には、遊技状態に応じて光による演出を行う装飾用のランプ26等が設けられる。
【0047】
図6のブロック図はパチンコ遊技機1の制御部の具体的構成を示す図である。
【0048】
パチンコ遊技機1の遊技動作は、主制御手段としての主制御回路30により制御される。主制御回路30は、演算処理装置としてのCPU(Central Processing Unit)(以下、「メインCPU」という)31、読み出し専用の記憶手段としてのROM(Read Only Memory)(以下、「メインROM」という)32および読み書き可能な記憶手段としてのRAM(Random Access Memory)(以下、「メインRAM」という。)33を主たる構成要素として構成され、これらは一つの回路基板上に配置される。
【0049】
メインRAM33としては、ダイナミック型メモリ(DRAM)が用いられる。主制御回路30に接続された各種センサからの入力信号は、この主制御回路30内のメインCPU31に入力され、メインCPU31は、入力信号に応じた処理をメインROM32に格納されている制御プログラムに従って実行する。
【0050】
さらに、主制御回路30は、全体の遊技制御処理プログラムを定期的(例えば2ms毎)に実行するためのリセット信号を発生する(これを「割込発生」という)リセット用クロックパルス発生回路34および電源が投入されたときに回路についての初期処理を実行するための初期リセット信号を発生する初期リセット回路35を備えている。
【0051】
この主制御回路30には、信号入力手段として、大入賞口8に設けられたV入賞口に遊技球が入賞したことを検出するV・カウントスイッチ28S、大入賞口8のV入賞口を除いた特定入賞口に入賞した遊技球の数を計数するカウントスイッチ29S、一般入賞口16、17に入賞した遊技球を検出する一般入賞球センサ16S、17S、一般入賞口18、19に入賞した遊技球を検出する一般入賞球センサ18S、19S、普通図柄作動用ゲート7を通過した遊技球を検出する通過球センサ7S、始動入賞口6に入賞した遊技球を検出する始動入賞球センサ6S、大入賞口8に入賞した遊技球を検出する大入賞球センサ8S、普通電動役物5、大入賞口8および大入賞口8に設けられ、大入賞口8に入賞する遊技球をV入賞口または特定の入賞口の何れかに振り分けて入賞させるシーソー8aが接続されている。
【0052】
例えば、始動入賞球センサ6Sからの信号が主制御回路30に入力されたとき、メインCPU31は、その入力信号を始動記憶数としてメインRAM33に累積的に記憶し、大当りの有無等の判定処理を行う。そして、それらの判定結果に基づいて生成された液晶表示装置4の表示に関する制御指令(以下、「コマンド」という)を、後述の副制御回路40に向けて送信する。
【0053】
メインROM32には、液晶表示装置4の表示に関する各種の決定に必要なデータが格納されている。例えば、液晶表示装置4で行われる図柄変動の停止結果を大当りとするか否かを判定する際に参照される「大当り判定テーブル」、図柄変動の停止結果が外れのときにリーチを発生させるか否かを判定する際に参照される「リーチ判定テーブル」、特別図柄の最終的な停止態様である確定停止態様を決定する際に参照される「停止図柄決定テーブル」、そして、演出(変動パターン)を選択する際に参照される「変動パターン選択テーブル」等がメインROM32に格納されている。
【0054】
メインCPU31では、各種の乱数カウンタの更新処理を定期的に行い、始動入賞時には、メインCPU31は、これら乱数カウンタのカウント値(以下、「乱数値」という)を読み出し、メインRAM33内に形成される所定の記憶領域に格納する。ここに格納された乱数値は、主制御回路30において行われる各種の判定等に用いられる。
【0055】
図7は、「大当り判定テーブル」を示す。「大当り判定テーブル」は、図柄変動の停止結果を大当りとするか否かの判定に用いられ、メインCPU31は、この判定の際に取り出した大当り判定用乱数カウンタの値(「大当り判定用乱数値」という)をこの大当り判定テーブルに設定された数値範囲と照合し、上記の判定を行う。
【0056】
ここで、「大当り判定用乱数カウンタ」は、メインCPU31内に形成され、”0〜315”の範囲内で定期的に更新される。この図7に示す「大当り判定テーブル」では、外れの判定となる大当り判定用乱数値の数値範囲は”0〜6”または”8〜315”で、大当りの判定となる大当り判定用乱数値の数値範囲は”7”である。また、確率変動中に大当り判定となる大当り判定用乱数値は”7”、”57”、”117”、”217”、”297”の5つである。
【0057】
また、メインCPU31は、始動入賞口6に遊技球が入賞したとき、始動入賞球センサ6Sが遊技球を検出すると、上述した大当り判定の際に取り出した大当り判定用乱数値をメインRAM33の保留球記憶領域に記憶するようになっており、このメインRAM33の保留球記憶領域には最大で4個の大当り判定乱数値が保留球として記憶される。本実施形態では、メインRAM33が記憶手段を構成するとともにメインCPU31が判定手段を構成している。
【0058】
そして、現在行われている特別図柄変動遊技が終了すると、メインRAM33に記憶された大当り判定用乱数値に応じて次の新たな特別図柄変動遊技が保留球の記憶個数分だけ行われ、この遊技は保留球が消化されるまで継続される。
【0059】
また、保留球記憶領域に保留球が記憶されたときに4個の保留球記憶LED13a〜13dの全てが点灯される。なお、保留球LEDは、保留球記憶領域に1つの大当り判定用乱数値が記憶されたときには、左側の保留球記憶LED13aのみが表示され、記憶領域に記憶される大当り判定用乱数値が増えるに連れて左側から右側の保留球記憶領域LEDが順次に点灯される。
【0060】
そして、現在行われている特別図柄変動遊技が終了すると、変動中の大当り判定用乱数値が削除され、大当り判定用乱数値が次に記憶された大当り判定乱数値に移されるとともに右側の保留球記憶LED13が消灯され、この動作は保留球が消化されるまで継続される。そして、変動中の特別図柄に対応する大当り判定用乱数値がメインROM32に格納された大当り判定用テーブルの大当り乱数値と一致すれば、大当りとなる。
【0061】
ここで、メインRAM33に記憶される保留球は4個を上限としており、4個の保留球が記憶されて保留球LEDが全点灯しているときに、以後いくら始動球入賞が発生しても保留球として記憶されずに、それに基づいて大当り判定も行われない。
【0062】
また、パチンコ遊技機1は、主制御回路30とは別の一つの回路基板上に配置された副制御手段としての副制御回路40を備える。この副制御回路40は、主制御回路30と同様に、CPU(以下、「サブCPU」という)41、ROM(以下、「プログラムROM」という)42およびRAM(以下、「ワークRAM」という)43を主たる構成要素として構成される。
【0063】
副制御回路40は、主制御回路30に設けられたシリアル通信用IC50を介して主制御回路30から送信されたコマンドに応じて、液晶表示装置4での図柄変動および演出アニメーションを含んだ表示制御を行う。また、副制御回路40では、液晶表示装置4の表示制御の他に主制御回路30から送信されたコマンドに応じたスピーカ25L、25Rからの音声出力制御と前面扉2および遊技盤3に配置される枠LED、盤面上LED等の発光体(ランプ26と総称する)の動作制御についても行う。
【0064】
主制御回路30から送信されたコマンドに応じた処理を実行する具体的手段として、副制御回路40は、液晶表示装置4を制御するための図柄制御部45、スピーカ25L、25Rを制御するための音声制御部46およびランプ26を制御するためのランプ制御部47を備える。
【0065】
図柄制御部45は、サブCPU41からの指令に基いて液晶表示装置4に表示すべき画像データを生成し、この画像データの表示制御を実行するための手段で構成される。
【0066】
具体的には、図6に示すように、図柄制御部45は、画像データを生成するためのドットデータを格納する画像データROM54、サブCPU41で設定されたパラメータに応じて画像データROM54内のドットデータを読み込み表示すべき画像データを生成するVDP(Video Display Processor)51、VDP51で生成された画像データをRGB信号に変換するD/Aコンバータ52および図柄制御プログラムが異常な処理ルーチンに入ったときにリセット信号を発生する初期リセット回路53を備える。
【0067】
音声制御部46は、音源IC61、AMP62および音声データROM63を備え、音声発生手段としてのスピーカ25L、25RにBGMおよび効果音からなる音声信号を出力する。
【0068】
音源IC61は、サブCPU41からの指令に基づき音声データROM63より所定の音声データを読み込み音声信号を生成する。AMP62は、音源IC61で生成された音声信号をAMP62で増幅してスピーカ25L、25Rに出力する。
【0069】
具体的には、音声データROM63には、図8〜図14に示すBGM(Background Music)が格納されている。このBGMは、図8〜図10に示す通常変動時のBGMと、図11、図12に示す確変用のBGMと、図13、図14に示す時短用のBGMとから構成されている。また、音声データROM63には図示しない大当り遊技時に演奏されるBGMも格納されている。
【0070】
通常変動時のBGMは、12小節で6フレーズからなり、ハーモニカ、バイオリン(ストリングス)、フルート、クラシックギター、ミュートトランペット、アコーディオン、ベースから構成されている。
【0071】
なお、1フレーズとは旋律の区切りのことであり、聴く側(遊技者)にとって一区切りと感じられる内容のことを示し、本実施形態では、図15に示すように6フレーズから構成されている。
【0072】
図15において、通常変動時のBGMは、変動開始から区切り1までの演奏時間が3567msに設定されたAフレーズ、区切り1から区切り2までの演奏時間が5300msに設定されたBフレーズ、区切り2から区切り3までの演奏時間が4133msに設定されたCフレーズ、区切り3から区切り4までの演奏時間が4700msに設定されたDフレーズ、区切り4から区切り5までの演奏時間が3933msに設定されたEフレーズおよび区切り5から区切り6までの演奏時間が5000msに設定されたFフレーズから構成されており、このA〜Fフレーズは図8〜図10の符面でそれぞれAフレーズ〜Fフレーズで示す部分に相当する。
【0073】
なお、このAフレーズ〜Fフレーズの演奏時間はワークRAM43の演奏時間記憶領域に格納されている。
【0074】
また、確変用のBGMは、8小節からなり、ブラス、トランペット、フルート、尺八、トロンボーン、琴、三味線、ベースから構成されている。時短用のBGMは8小節からなり、メロディー、三味線、バイオリン(ストリングス)、ベースから構成されている。
【0075】
なお、時短とは、「確変大当り」の遊技状態が終了した後で非確変である「通常大当り」の遊技状態が終了したときと、確変とならずに「通常大当り」の遊技状態が終了したときの両方、若しくは、「確変大当り」の遊技状態が終了した後で非確変である「通常大当り」の遊技状態が終了したときのみ、「大当たり」の遊技状態の終了後に所定の遊技回数、例えば、100回転だけ特別図柄が短い時間で変動表示を終了し、液晶表示装置4の普通図柄表示用の「○」のみが点灯したときに、可動変6aが通常遊技時よりも長い時間開放されて次回からの特別遊技状態の発生確率が高くなり、持ち玉を減らすことなく遊技を進めることができる有利な遊技状態を言う。
【0076】
また、音声データROM63には効果音が格納されており、この効果音は音声、自然界の音、動物の鳴き声等からなる。
【0077】
また、サブCPU41は、主制御回路30の指令に基づき、液晶表示装置4の特別図柄がリーチ状態になったり、リーチが発展してスーパーリーチ状態になったとき等に効果音を出力するように音声制御部46を制御するようになっている。本実施形態では、音声制御部46が演奏手段を構成している。
【0078】
また、ランプ制御部47は、装飾データROM71およびドライブ回路72を備え、ランプ26の点灯制御を行う。装飾データROM71には、ランプ26の点灯パターンが設定されたランプ演出パターンが格納されており、サブCPU41は、液晶表示装置4の表示内容に応じたランプ動作制御プログラムを作成し、ドライブ回路72を制御してランプ26の点灯制御を行う。
【0079】
また、ランプ制御部47は、主制御回路30からの確変時の送信コマンド、時短時の送信コマンドに基づいてランプ26の点灯制御を行うようになっている。
【0080】
具体的には、主制御回路30のメインCPU31は、図16(a)に示すように、確変時、時短時および非確変時でかつ非時短時である通常遊技時とを区別する信号を大当り遊技の最終ラウンドが終了したときに副制御回路40に送信するようになっている。
【0081】
この信号は、確変時に任意のランプ26を点灯するコマンド信号であるD4、任意のランプ26を消灯するコマンド信号であるD5、時短時に任意のランプと異なるランプ26を点灯するコマンド信号であるD6、任意のランプ26と異なるランプ26を消灯するコマンド信号であるD7から構成されている。
【0082】
サブCPU41は、大当り遊技の最終ラウンドが終了したとき、図16(b)に示すように主制御回路30からコマンド信号D4に引き続いてコマンド信号D6を受信すると、フラグ2をセットしてワークRAM43に格納するようになっている。
【0083】
また、サブCPU41は、大当り遊技の最終ラウンドが終了したとき、主制御回路30から送信信号D5に引き続いてコマンド信号D6を受信すると、フラグ1をセットしてワークRAM43に格納するようになっている。
【0084】
また、サブCPU41は、大当り遊技の最終ラウンドが終了したとき、主制御回路30からコマンド信号D5に引き続いてコマンド信号D7を受信すると、フラグ0をセットしてワークRAM43に格納するようになっている。
【0085】
サブCPU41は、ワークRAM43に格納されたフラグを判別し、フラグが2であれば、確変遊技状態であると判断してランプ制御部47を制御することにより任意のランプ26(確変ランプ)を点灯し、フラグが1であれば、時短遊技状態であると判断してランプ制御部47を制御することにより任意のランプ26と異なるランプ26(時短ランプ)を点灯し、フラグが0であれば確変遊技状態または時短遊技状態が終了したものと判断してランプ制御部47を制御することによりランプ26を消灯するようになっている。
【0086】
本実施形態では、サブCPU41は、主制御回路30からの指令に基づき、メインRAM33に保留球が記憶された状態のとき、または特別図柄の変動中に始動入賞口6に遊技球が入賞した場合には、液晶表示装置4の特別図柄の変動表示中に演奏されるBGMを、特別図柄の変動表示の終了から次の遊技の変動表示を開始する間も継続して演奏するとともに、メインCPU31から大当りであることを示す大当りコマンドが入力したときに、液晶表示装置4による特別図柄の変動開始時から任意の時間だけ通常変動用のBGMの演奏を一時的に中断するように音声制御部46を制御するようになっている。なお、サブCPU41は演奏制御手段を構成している。
【0087】
なお、サブCPU41は、特別図柄の変動開始時から任意の時間だけ通常変動用のBGMの演奏を一時的に中断するのに限らず、特別図柄の変動開始から変動停止までの時間の中の任意の時間だけ通常変動用のBGMの演奏を一時的に中断するようにしても良い。例えば、特別図柄の変動開始から所定時間後から変動停止前の所定時間の間の任意の時間だけBGMの演奏を一時的に中断するような中抜けの演奏中断でも良い。
【0088】
また、本実施形態では、サブCPU41は、確変モードまたは時短モードで遊技中に、メインCPU31から大当りであることを示す大当りコマンドが入力したときに、液晶表示装置4による特別図柄の変動開始時から任意の時間だけ通常変動用のBGMの演奏を一時的に中断するように音声制御部46を制御するようになっている。
【0089】
また、サブCPU41は、メインRAM33に保留球が記憶されていないとともに、液晶表示装置4の特別図柄が変動表示されていない状態から始動入賞口6に遊技球が入賞して特別図柄の変動が開始されたときに、最初のフレーズであるAフレーズから演奏を開始するように音声制御部46を制御するようになっている。
【0090】
また、本実施形態では、サブCPU41は、Aフレーズ〜FフレーズまでBGMを演奏した後、Cフレーズの先頭に戻ってCフレーズ〜Fフレーズを特別図柄の変動が連続して行われている間は繰り返し演奏するように音声制御部46を制御するようになっている。
【0091】
また、サブCPU41は、メインCPU31から送信される遊技状態を示すコマンド信号を受信すると、ワークRAM43にそのコマンド信号に対応したフラグをセットし、大当り遊技が終了したときに、ワークRAM43にセットされたフラグを読み出して音声制御部46を制御することにより遊技状態(フラグ)に応じたBGMを演奏するようになっている。
【0092】
すなわち、通常遊技状態のときには通常変動時のBGMを演奏し、確変遊技状態のときには確変用のBGMを演奏し、さらに、時短遊技状態のときには時短用のBGMを演奏するようになっている。なお、確変用のBGMおよび時短用のBGMは、確変遊技状態および時短遊技状態にあるときに確変遊技状態および時短遊技状態が終了するまで継続して演奏される。
【0093】
次に、図17〜図23、図25に示すフローチャートおよび図24、図26に示すタイミングチャートに基づいて主制御回路30および副制御回路40で行われる制御処理の手順を説明する。
【0094】
主制御回路30では、図17に示す「メイン遊技制御処理」および図18に示す「割込み処理」が行われる。
【0095】
図17に示す「メイン遊技制御処理」では、最初に、メインCPU31は「割込み許可フラグ」をセットする(ステップ[以下、「ST」と略記する]1)。この「割込み許可フラグ」をセットすることにより、後述の「割込み処理」(図18)が実行される。
【0096】
次いで、メインCPU31は、「特別図柄制御処理」を実行し(ST2)、続いて、「普通図柄制御処理」を実行する(ST3)。「特別図柄制御処理」については、図19を参照して後で説明する。メインRAM33内には、上記の割込み許可フラグを含む複数のフラグが格納されており、フラグをセットするとは、それらのフラグの値を”0”から”1”に書き換えることである。
【0097】
上記ST3の普通図柄制御処理では、メインCPU31は、後述の入力信号処理(図18のST9)においてメインRAM33に記憶される通過記憶数の有無をチェックし、通過記憶数が記憶されているときは、後述の普通図柄判定用乱数を読み出して液晶表示装置4の普通図柄表示用の「○、×」画像を遊技者にとって有利な「○」の画像のみが点灯した状態とするかどうかの判定を行う。そして、その判定結果に基づいて液晶表示装置4の普通図柄表示用「○、×」画像の交互の点灯動作を制御する。
【0098】
図18は、「割込み処理」を示すフローチャートで、前記ST1(図17)または後述のST15で「割込み許可フラグ」がセットされていることを条件に、メインCPU31において定期的(例えば3ms毎)に実行される。
【0099】
この「割込み処理」では、メインCPU31は、最初に各レジスタをメインRAM33に退避させる(ST5)。続いて、乱数カウンタの乱数値の更新を行う(ST6)。このST6の処理で乱数値の更新が行われる乱数カウンタは、「大当り判定用乱数カウンタ」、「リーチ判定用乱数カウンタ」、「停止図柄決定用乱数カウンタ」および「変動パターン選択用乱数カウンタ」である。これらの各種乱数カウンタはメインCPU31とメインRAM33とで構成され、このST6の処理では、メインCPU31は、それぞれの乱数カウンタの乱数値を”1”を加算した値に書き換える。
【0100】
これらの各種乱数カウンタには、更新可能な数値範囲が予め定められており、その数値範囲の上限値に達したとき、メインCPU31は、その乱数カウンタのカウンタ値を”0”にリセットする。
【0101】
次いで、メインCPU31は、このメインCPU31に入力される信号を読み込む「入力ポート読込処理」を行い(ST7)、続いて、メインRAM33に格納されている各種コマンドをそのコマンドに応じた各種制御部(図柄制御部45、音声制御部46等)に向けて出力する「コマンド出力処理」を行う(ST8)。本実施形態では、ST8において音声制御部46には、大当りコマンド、BGM制御コマンド、特別図柄の変動コマンドが出力される。
【0102】
次に、メインCPU31は「入力信号処理」を実行する(ST9)。このST9の入力信号処理では、通過球センサ7S、一般入賞球センサ16S〜19S、始動入賞球センサ6S、V・カウントスイッチ28S、カウントスイッチ29S等の各種センサから出力される検出信号の入力の有無がチェックされ、これら検出信号に応じた処理が行われる。
【0103】
次いでメインCPU31は、大当りが発生したときに行われる大入賞口8の扉の開放時間や、表示画面4aに表示する特別ゲームの表示時間等を計時するタイマの更新処理を行い(ST10)、続いて、各種装置から発生されるエラー信号を処理する「異常管理処理」を実行する(ST11)。
【0104】
次いで、メインCPU31は、「ランプ制御処理」を実行し(ST12)、続いて「払出処理」を実行する(ST13)。「ランプ制御処理」では、メインCPU31よりランプ制御部47に制御信号が送られ各種ランプの点灯が制御される。
【0105】
「払出処理」では、メインCPU31は、メインRAM33に払出要求フラグがセットされているかどうか判別し、当該フラグがセットされているとき、その払出要求フラグに応じた制御信号がメインCPU31より払出制御回路80に送られ、払出装置81から賞球として遊技球の払い出しが行われる。
【0106】
次いで、メインCPU31は、ST5でメインRAM33に退避させた各レジスタを復帰きせ(ST14)、最後に「割込み許可フラグ」をセットして(ST15)、この「割込み処理」を終了する。
【0107】
次に、図19を参照して、ST2(図17)の「特別図柄制御処理」の手順について説明する。
【0108】
初めに、メインCPU31は、始動記憶があるかどうか、すなわちメインRAM33内に記憶されている始動記憶数が1以上かどうかを判別する(ST31)。この判別が”YES”のときは、ST33に移り、”NO”のときは、「デモ表示処理」を行う(ST32)。
【0109】
具体的には、メインCPU31は、デモ画面を表示させる制御指令である「デモ表示コマンド」をメインRAM33に格納する。「デモ画面」とは、遊技機の機種名等のデモンストレーションを表示する画面である。この画面では、特別図柄は表示されない。
【0110】
ST33では、読み出した乱数値のうちの大当り判定用乱数値が当り値であるかどうかを判別し、当り値のときは(ST33で”YES”)、ST34に移り、外れ値のときは(ST33で”NO”)、ST36に移る。
【0111】
ST34では、メインCPU31は、読み出した乱数値のうちの停止図柄決定用乱数値に基づいて、特別図柄の停止態様として大当りを示す図柄組み合せのいずれかを決定する。続いて、メインCPU31は、メインROM32内の「変動パターン選択テーブル」を参照し、当り変動パターンの中から1つの変動パターンを選択し(ST35)、ST40に移る。
【0112】
ST36では、メインCPU31は、停止図柄決定用乱数値に基づいて、特別図柄の停止態様として外れを示す図柄組み合せのいずれかを決定する。続いて、メインCPU31は、ST36で決定された図柄組み合せがリーチを構成しているかどうか判別し(ST37)、リーチを構成しているときは(ST37で”YES”)、ST38に移り、リーチを構成していないときは(ST37で”NO”)、ST39に移る。
【0113】
ST38では、メインROM32内の「変動パターン選択テーブル」を参照し、リーチ有り外れ変動パターンの中から1つの変動パターンを選択する。この後、ST40に移る。
【0114】
ST39では、メインROM32内の「変動パターン選択テーブル」を参照し、リーチ無し外れ変動パターンの中から1つの変動パターンを選択する。この後、ST40に移る。
【0115】
ST40では、メインCPU31は、ST34またはST36で決定された特別図柄の停止態様およびST35、ST38またはST39で決定された変動パターンを指定した副制御回路40に対する制御命令である「表示制御コマンド」を生成する(ST40)。この後、この「表示制御コマンド」をメインRAM33内に格納する(ST41)。メインRAM33に格納された表示制御コマンドは、上述のST8(図18)の「コマンド出力処理」で副制御回路40に向けて送信される。
【0116】
次に、メインCPU31は、上述のST33で判別された大当り判定用乱数値が当り値であったか否かを判別し(ST42)、外れ値であったときは(ST42で”NO”)、ST44に移り、当り値であったときは(ST42で”YES”)、「特別遊技処理」を行う(ST43)。
【0117】
この「特別遊技処理」では、メインCPU31は、上述の特別遊技状態中の液晶表示装置4での演出表示や、大当り遊技中の大入賞口8の扉の開閉処理や、スピーカ25L、25Rからの演出音の出音制御等に関する制御指令としての各種コマンドを生成しメインRAM33に格納する。
【0118】
このST42においてメインRAM33に格納されたコマンドについても、ST8(図18)の「コマンド出力処理」でコマンドの種類に応じた各種制御回路に向けて送信される。
【0119】
ST44では、メインCPU31は、「特別図柄制御終了処理」を行い、特別図柄制御処理を終了する。
【0120】
次に、図20〜図23のフローチャートおよび図24に示すタイミングチャートを参照して、副制御回路40のサブCPU41が実行するBGM選択処理、BGM制御処理および消音報知制御処理の手順について説明する。
【0121】
最初に、図20のフローチャートを参照して、副制御回路40のサブCPU41が実行するBGM選択処理の手順について説明する。
【0122】
まず、確変モード(確変遊技状態)か否かを判別する(ST51)。すなわち、主制御回路30から大当り遊技の最終ラウンドが終了したときに送信された送信信号に基づいてワークRAM43にセットしたフラグを参照して確変モードであるか否かを判別する。
【0123】
このとき、フラグが2であれば、主制御回路30からコマンド信号D4、D6が入力されて確変モードに設定されたものと判断して、音声データROM63から確変用のBGMを選択した後(ST55)、選択された確変用のBGMをワークRAM43に格納して(ST54)、今回の処理を終了する。音声制御部46は確変モードが終了するまでこの確変用のBGMを継続して演奏する。
【0124】
一方、ST51で確変モードでない場合には、時短モード(時短遊技状態)であるか否かを判別する(ST52)。すなわち、主制御回路30から大当り遊技の最終ラウンドが終了したときに送信された送信信号に基づいてワークRAM43にセットしたフラグを参照して時短モードであるか否かを判別する。
【0125】
このとき、フラグが1であれば、主制御回路30からコマンド信号D5、D6が入力されて時短モードに設定されたものと判断して、音声データROM63から時短用のBGMを選択した後(ST56)、選択された時短用のBGMをワークRAM43に格納して(ST54)、今回の処理を終了する。音声制御部46は時短モードが終了するまでこの時短用のBGMを継続して演奏する。
【0126】
また、ST52で時短モードでないものと判断した場合には、音声データROM63から通常変動用のBGMを選択した後、選択された通常変動用のBGMをワークRAM43に格納して(ST54)、今回の処理を終了する。音声制御部46は通常遊技時にこの通常変動用のBGMを演奏する。
【0127】
なお、通常変動用のBGMを演奏する際には、保留球がある場合には、変動図柄の変動表示が終了した時点でBGMを一旦停止し、次の遊技で特別図柄の変動表示が行われたときにBGMを継続して演奏する。また、保留球が消化されて変動図柄の変動表示が終了し、所定時間経過後に始動入賞口に遊技球が入賞して特別図柄の変動が開始されると、最初のフレーズからBGMを演奏するようになっている。
【0128】
また、リーチが発生したときには、リーチ内容に応じて音声データROM63に格納された第1のノーマルリーチ用のBGMまたは第2のノーマルリーチ用のBGMの何れか一方を選択してワークRAM43に格納し、音声制御部46により第1のノーマルリーチ用のBGMまたは第2のノーマルリーチ用のBGMの何れか一方を演奏する。
【0129】
図22、図23のフローチャートおよび図24のタイミングチャートに基づいてBGM制御処理を説明する。
【0130】
この処理は、図20のST53で通常変動用のBGMが選択されたときのBGM制御処理である。図21において、まず、副制御回路40に主制御回路30からBGM制御コマンドが入力されると、まず、BGMタイマをワークRAM43の演奏時間記憶領域に格納されたAフレーズ用の規定値(3567ms)にセットする(ST61)。次いで、BGMタイマが”0”になるまでAフレーズを演奏する(ST62)。
【0131】
次いで、特別図柄が変動確定状態(特別図柄の変動停止)で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されているか否かを判別し(ST63)、特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されていない場合には(ST63の”YES”)、BGMの演奏を停止する(ST67)。
【0132】
また、ST62で特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されている場合には(ST63の”NO”)、BGMタイマをワークRAM43の演奏時間記憶領域に格納されたBフレーズ用の規定値(5300ms)にセットする(ST64)。次いで、BGMタイマが”0”になるまでBフレーズを演奏する(ST65)。
【0133】
次いで、特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されているか否かを判別し(ST66)、特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されていない場合には(ST66の”YES”)、BGMの演奏を停止する(ST67)。
【0134】
また、ST66で特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されている場合には(ST66の”NO”)、図22に示すように、BGMタイマをワークRAM43の演奏時間記憶領域に格納されたCフレーズ用の規定値(4133ms)にセットした後(ST68)、BGMタイマが”0”になるまでCフレーズを演奏する(ST69)。
【0135】
次いで、特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されているか否かを判別し(ST70)、特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されていない場合には(ST70の”YES”)、BGMの演奏を停止する(ST67)。
【0136】
また、ST70で特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されている場合には(ST70の”NO”)、BGMタイマをワークRAM43の演奏時間記憶領域に格納されたDフレーズ用の規定値(4700ms)にセットした後(ST71)、BGMタイマが”0”になるまでDフレーズを演奏する(ST72)。
【0137】
次いで、特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されているか否かを判別し(ST73)、特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されていない場合には(ST73の”YES”)、BGMの演奏を停止する(ST67)。
【0138】
また、ST73で特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されている場合には(ST73の”NO”)、BGMタイマをワークRAM43の演奏時間記憶領域に格納されたEフレーズ用の規定値(3933ms)にセットした後(ST74)、BGMタイマが”0”になるまでEフレーズを演奏する(ST75)。
【0139】
次いで、特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されているか否かを判別し(ST76)、特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されていない場合には(ST76の”YES”)、BGMの演奏を停止する(ST67)。
【0140】
また、ST76で特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されている場合には(ST76の”NO”)、BGMタイマをワークRAM43の演奏時間記憶領域に格納されたFフレーズ用の規定値(5000ms)にセットした後(ST77)、BGMタイマが”0”になるまでFフレーズを演奏する(ST78)。
【0141】
次いで、特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されているか否かを判別し(ST79)、特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されていない場合には(ST79の”YES”)、BGMの演奏を停止する(ST67)。
【0142】
また、ST79で特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されている場合には(ST79の”NO”)、BGMタイマをワークRAM43の演奏時間記憶領域に格納されたCフレーズ用の規定値(4133ms)にセットした後(ST68)、ST69以下の処理を特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されていない状態になるまで継続する。なお、図24の▲1▼において、Nフレーズは、保留球が消化されて特別図柄の変動が終了した時点で流れていたフレーズD、E、Fの何れかのフレーズである。
【0143】
次に、図23のフローチャートおよび図24のタイミングチャートに基づいて通常遊技状態における消音報知制御処理を説明する。
【0144】
まず、副制御回路40に主制御回路30から特別図柄の変動コマンドを受信した後(ST81)、主制御回路30から大当りコマンドを受信したか否かを判別し(ST82)、大当りコマンドを受信した場合には、大当り消音報知許可の有無を乱数により抽選する(ST83)。
【0145】
具体的には、ワークRAM43には「大当り消音報知テーブル」が格納されており、サブCPU41が大当りコマンドを受信したときに、「大当り消音報知乱数値」を取得し、この「大当り消音報知乱数値」をワークRAM43に格納された「大当り消音報知テーブル」の乱数値の数値範囲と照合する。
【0146】
ここで、「大当り消音報知乱数値」は、サブCPU41内に形成され、”0〜9999”の範囲内で定期的に更新され、大当り消音報知を行うための乱数値は”0〜499”に設定されている。
【0147】
一方、ST83で特定乱数値、すなわち、大当り消音報知を行う乱数値を取得したか否かを判別し(ST84)、大当り消音報知を行う乱数値を取得した場合には、「大当り」となる遊技の特別図柄の変動開始から所定時間(例えば、2秒)だけBGMの演奏を中断する(ST85)。そして、大当り遊技に移行したときに大当り用のBGMを演奏する。
【0148】
次に、図25のフローチャートおよび図26のタイミングチャートに基づいて確変モードまたは時短モードにおける消音報知制御処理を説明する。なお、確変モードまたは時短モードのときには、図20のST54でワークRAM43に格納された確変用のBGMまたは時短用のBGMを読み出してそのモードに対応するBGMを演奏する。
【0149】
まず、副制御回路40に主制御回路30から特別図柄の変動コマンドを受信した後(ST91)、主制御回路30から大当りコマンドを受信したか否かを判別し(ST92)、大当りコマンドを受信した場合には、大当り消音報知許可の有無を乱数により抽選する(ST93)。
【0150】
一方、ST93で特定乱数値、すなわち、大当り消音報知を行う乱数値を取得しか否かを判別し(ST94)、大当り消音報知を行う乱数値を取得した場合には、確変モードか時短モードで遊技を行っているか否かを判別する(ST95)。
【0151】
ST95で確変モードか時短モードで遊技を行っている場合には、「大当り」となる遊技の特別図柄の変動開始から所定時間(例えば、2秒)だけBGMの演奏を中断する(ST96)。そして、大当り遊技に移行したときに大当り用のBGMを演奏する。
【0152】
このように本実施形態では、保留球がある場合または特別図柄の変動中に始動入賞口6に遊技球が入賞した場合には、特別図柄の変動表示中に演奏されるBGMを、特別図柄の変動表示の終了から次の遊技の変動表示を開始する間も継続して演奏するようにしたので、遊技の大半を占めるリーチに発展しない通常変動状態等であっても長い曲をBGMとして使用することができるとともに、曲のイントロばかりが繰り返し演奏されるのを防止することができ、飽きの来ない演出を行うことができる。これに加えて、特別図柄の変動表示と変動表示の間にBGMが途切れないので連続性のある演出を行うことができる。
【0153】
また、Aフレーズ〜Fフレーズを演奏して保留球が消化されない状態が続くと、Fフレーズの演奏が終了した後、Cフレーズ〜Fフレーズの演奏を繰り返し、保留球が消化されて特別図柄の変動表示が停止されると、BGMの演奏を終了するようにしたので、Cフレーズ〜Fフレーズがサビのフレーズである場合に、BGMのイントロのフレーズばかりが繰り返される単調なフレーズの繰り返しを防止することができ、遊技を行っている間中、飽きの来ない演出を行うことができる。
【0154】
また、保留球が消化されて始動入賞口6に新たに遊技球が入賞せず(すなわち、メインRAM33に保留球が記憶されていない)、特別図柄が変動表示されていない状態から始動入賞口6に遊技球が入賞して特別図柄の変動が開始されたときに、Aフレーズから演奏を開始するようにしたので、特別図柄の変動が一旦途切れた後の特別図柄の変動に対して新たな気持ちで大当たりの期待感を持たせることができる。
【0155】
また、通常遊技状態において、メインCPU31の判定結果が「大当り」となったときにも、継続されるべきBGMを特別図柄の変動開始時から任意の時間だけ一時的に中断するので、遊技者は「大当り予告」を聴覚で認識することができる。したがって、遊技者が常に意識することなく簡単に大当り予告を認識することができる。
【0156】
また、確変モード時または時短モード時にメインCPU31の判定結果が「大当り」となったときにも、継続されるべきBGMを特別図柄の変動開始時を一時的に中断するので、遊技者は確変中または時短中に「大当り予告」を聴覚で認識することができる。したがって、遊技者が常に意識することなく簡単に大当り予告を認識することができる。
【0157】
また、本実施形態のBGMはメロディーを伴うものであるが、これに限らず、高低の変化のない単調な音、例えば、リールの回転(特別図柄の変動)に伴う音を擬似的に擬したものであっても良い。
【0158】
また、このようにリールの回転に伴う擬似音を出力する場合には、特別図柄が変動する毎に擬似音を変えて擬似音に趣向を凝らすようにしても良い。この場合には、例えば、擬似音を1フレーズ〜5フレーズまで用意し(各フレーズに異なる回転擬似音を設定)、保留球の有無や特別図柄の変動の有無に応じて擬似音の開始フレーズを上述のように設定すれば良い。
【0159】
図27は上述したパチンコ遊技機と同様の遊技仕様を有するシミュレーションゲームプログラムであり、ROMカートリッジ、CD−ROM、DVD等の記録媒体に記憶したり、通信衛星等のネットワーク環境下、あるいはインターネット等の通信回線を利用して配布されるものである。
【0160】
図27において、本シミュレーションゲームプログラムは、コンピュータに、複数の特別図柄を変動表示した後に停止表示する図柄表示機能100と、BGMを演奏する演奏機能101と、特別図柄の変動表示中に始動入賞口に遊技球が入賞したときに遊技球を保留球として記憶する記憶機能102と、遊技者にとって有利な特別遊技状態とするか否かを判定する判定機能103と、記憶機能102で保留球が記憶された状態または特別図柄の変動中に始動入賞口に遊技球が入賞した場合には、特別図柄の変動表示中に演奏されるBGMを、特別図柄の変動表示の終了から次の遊技の変動表示を開始する間も継続して演奏するとともに、判定機能103での判定結果が遊技者にとって有利な特別遊技状態となったときに、特別図柄の変動開始から変動停止までの時間の中の任意の時間だけBGMの演奏を一時的に中断するように演奏機能を制御する演奏制御機能104とを実現させるものである。
【0161】
そして、テレビゲームコントローラやパソコン等のコンピュータ105に機能100〜104を実行させるものであり、コンピュータ105の画像モニタ106上に液晶表示装置4、始動入賞口6、大入賞口8等を含めた遊技盤3の全体の画像を写し出すと共に、発射ハンドル24のレバーに変わるキーボード上の特定キーや専用操作ボタン等からなる操作スイッチ107を操作しながら疑似遊技が楽しめるようになっている。
【0162】
この結果、家庭用ゲーム機等において遊技機と同様に、保留球があるときや始動入賞口6に遊技球が入賞した場合には、特別図柄の変動表示中と変動表示の終了から次の遊技の変動表示を開始するまでの間でBGMの演奏を継続するため、遊技の大半を占めるリーチに発展しない通常変動状態等であっても長い曲をBGMとして使用することができるとともに、曲のイントロばかりが繰り返し演奏されるのを防止することができ、飽きの来ない演出を行うことができる。
【0163】
また、判定機能103での判定結果が遊技者にとって有利な特別遊技状態、すなわち、「大当り」となったときに、継続されるべきBGMを特別図柄の変動開始から変動停止までの時間の中の任意の時間だけ一時的に中断するので、遊技者は「大当り予告」を聴覚で認識することができる。したがって、遊技者が常に意識することなく簡単に大当り予告を認識することができる。
【0164】
【発明の効果】
本発明によれば、遊技者が常に意識することなく簡単に大当り予告を認識することができるようにした遊技機およびシミュレーションゲームプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の正面外観図である。
【図2】一実施形態のパチンコ遊技機の斜視図である。
【図3】一実施形態の液晶表示装置の正面外観図である。
【図4】一実施形態の特別図柄を示す図である。
【図5】(a)は一実施形態の確変図柄を示す図、(b)は通常図柄を示す図である。
【図6】一実施形態のパチンコ遊技機の制御部の具体的構成を示すブロックである。
【図7】一実施形態の大当り判定テーブルを示す図である。
【図8】一実施形態の通常BGMの音符を示す図である。
【図9】図8に後続する通常BGMの音符を示す図である。
【図10】図9に後続する通常BGMの音符を示す図である。
【図11】一実施形態の確変用のBGMの音符を示す図である。
【図12】図11に後続する確変用のBGMの音符を示す図である。
【図13】一実施形態の時短用のBGMの音符を示す図である。
【図14】図13に後続する時短用のBGM音符を示す図である。
【図15】一実施形態のBGMの1フレーズの演奏時間、ループ部分の演奏時間、全フレーズの演奏時間を示す図である。
【図16】(a)は一実施形態の主制御回路から副制御回路に送信される信号と信号名(送信コマンド)の関係を示す図、(b)は送信信号、遊技状態、フラグの関係を示す図である。
【図17】一実施形態のメインCPUが実行する制御処理動作の手順を示すフローチャートである。
【図18】一実施形態の割込処理を示すフローチャートである。
【図19】一実施形態の特別図柄制御処理を示すフローチャートである。
【図20】一実施形態のBGM選択処理のフローチャートである。
【図21】一実施形態のBGM制御処理のフローチャートである。
【図22】図21に後続するBGM制御処理のタイミングチャートである。
【図23】一実施形態の通常遊技状態における消音報知制御処理のフローチャートである。
【図24】一実施形態の通常遊技状態における消音報知制御処理のタイミングチャートである。
【図25】一実施形態の確変モードまたは時短モードにおける消音報知制御処理のフローチャートである。
【図26】一実施形態の確変モードまたは時短モードにおける消音報知制御処理のタイミングチャートである。
【図27】本発明に係るシミュレーションゲームプログラムの一実施形態を示す図であり、そのブロック図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機(遊技機)
4 液晶表示装置(図柄表示手段)
31 メインCPU(判定手段)
33 メインRAM(記憶手段)
41 サブCPU(演奏制御手段)
46 音声制御部(演奏手段)
100 図柄表示機能
101 演奏機能
102 記憶機能
103 判定機能
104 演奏制御機能
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機等において、複数の特別図柄の変動表示に伴ってBGMを流すようにした遊技機およびシミュレーションゲームプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ遊技機に代表される遊技機にあっては、始動入賞口に遊技球が入賞すると特別図柄の変動表示を行う図柄表示装置を備えており、特別図柄が所定の図柄の組合せで停止表示されると、所謂「大当り」となって遊技者にとって有利な「特別遊技状態」に移行するようになっている。また、図柄の変動に応じてBGM(Background Music)を流すことにより、遊技者に図柄変動に伴う期待感を与えるようにしている。
【0003】
一方、パチンコ遊技機には、特別遊技状態に移行する頻度が高くなる予告や特別遊技状態に100%移行する予告を行う「大当り予告」と呼ばれる報知を行うものがあり、この「大当り予告」としては、図柄表示装置に登場するキャラクタを通常のキャラクタと異なるキャラクタにしたり、キャラクタの行動を通常の行動と異なるようにして、視覚的に遊技者に認識させるようにしたものがある(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−210159号公報(請求項1、3頁、図5)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のパチンコ遊技機にあっては、キャラクタによって「大当り予告」を行うようになっているため、遊技者は常に図柄表示装置の画面を注視しなくてはならない。
【0006】
これに代えて、キャラクタが発する台詞等の音声によって「大当り予告」を行うものもあるが、キャラクタが何時、台詞を発するのかを遊技者は把握していないため、常に注意を払わなくてならないという点で画面注視とは変わりがなく、遊技者にとって分かり易い「大当り予告」とは言い難い。
【0007】
そこで本発明は、遊技者が常に意識することなく簡単に大当り予告を認識することができるようにした遊技機およびシミュレーションゲームプログラムを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の遊技機は、上記課題を解決するために、複数の特別図柄を変動表示した後に停止表示する図柄表示手段と、BGM(Background Music)を演奏する演奏手段と、前記特別図柄の変動表示中に始動入賞口に遊技球が入賞したときに前記遊技球を保留球として記憶する記憶手段と、遊技者にとって有利な特別遊技状態とするか否かを判定する判定手段とを備えた遊技機において、前記演奏手段を制御する演奏制御手段を設け、前記演奏制御手段は、前記記憶手段に前記保留球が記憶された状態または前記特別図柄の変動中に前記始動入賞口に遊技球が入賞した場合には、前記図柄表示手段の前記特別図柄の変動表示中に演奏されるBGMを、前記特別図柄の変動表示の終了から次の遊技の変動表示を開始する間も継続して演奏するとともに、前記判定手段の判定結果が遊技者にとって有利な特別遊技状態となったときに、前記特別図柄の変動開始から変動停止までの時間の中の任意の時間だけ前記BGMの演奏を一時的に中断するように前記演奏手段を制御する特徴としている。
【0009】
その場合、保留球があるときや始動入賞口に遊技球が入賞した場合には、特別図柄の変動表示中と変動表示の終了から次の遊技の変動表示を開始するまでの間でBGMの演奏を継続するため、遊技の大半を占めるリーチに発展しない通常変動状態等であっても長い曲をBGMとして使用することができるとともに、曲のイントロばかりが繰り返し演奏されるのを防止することができ、飽きの来ない演出を行うことができる。
【0010】
また、判定手段の判定結果が遊技者にとって有利な特別遊技状態、すなわち、「大当り」となったときに、継続されるべきBGMを特別図柄の変動開始から変動停止までの時間の中の任意の時間だけ一時的に中断するので、遊技者は「大当り予告」を聴覚で認識することができる。したがって、遊技者が常に意識することなく簡単に大当り予告を認識することができる。
【0011】
本発明の遊技機は、上記課題を解決するために、前記演奏制御手段は、特別図柄の変動開始時から任意の時間だけ前記BGMの演奏を一時的に中断するように前記演奏手段を制御することを特徴としている。
【0012】
その場合、判定手段の判定結果が「大当り」となったときに、継続されるべきBGMを特別図柄の変動開始時から任意の時間だけ一時的に中断するので、遊技者は図柄の変動開始時を起点にして「大当り予告」を聴覚で認識することができ、遊技者が常に意識することなくより一層簡単に大当り予告を認識することができる。
【0013】
また、本発明の遊技機は、上記課題を解決するために、前記演奏制御手段は、前記BGMの最後のフレーズが終了すると、所定のフレーズの先頭に戻って前記所定のフレーズの先頭から演奏を継続するように前記演奏手段を制御することを特徴としている。
【0014】
その場合、所定のフレーズ、例えば、サビのフレーズの先頭に戻って演奏を継続するので、BGMのイントロのフレーズばかりが繰り返される等の単調なフレーズが繰り返されるのを防止することができ、遊技を行っている間中、飽きの来ない演出を行うことができる。
【0015】
なお、1フレーズとは旋律の区切りのことであり、聴く側(遊技者)にとって一区切りと感じられる内容のことを示す。
【0016】
また、本発明の遊技機は、上記課題を解決するために、前記演奏制御手段は、前記記憶手段に前記保留球が記憶されていないとともに前記特別図柄が変動表示されていない状態から前記始動入賞口に遊技球が入賞して前記特別図柄の変動が開始されたときに、最初のフレーズから前記BGMの演奏を開始するように前記演奏手段を制御することを特徴としている。
【0017】
その場合、保留球がなく、特別図柄が変動表示されていない状態から始動入賞口に遊技球が入賞して特別図柄が変動表示されたときに、長いBGMの最初のフレーズから演奏を開始するので、特別図柄の変動が一旦途切れた後の特別図柄の変動に対して新たな気持ちで大当たりの期待感を持たせることができる。
【0018】
また、本発明の遊技機は、上記課題を解決するために、前記演奏制御手段は、確変モードまたは時短モードでの遊技中にBGMの演奏を継続するとともに、前記判定手段の判定結果が遊技者にとって有利な特別遊技状態となったときに、前記任意の時間だけ前記BGMの演奏を一時的に中断するように前記演奏手段を制御することを特徴としている。
【0019】
その場合、確変モード時または時短モード時に判定手段の判定結果が「大当り」となったときに、継続されるべきBGMを特別図柄の変動開始時等に一時的に中断するので、遊技者は確変中または時短中に「大当り予告」を聴覚で認識することができる。したがって、遊技者が常に意識することなく簡単に大当り予告を認識することができる。
【0020】
また、本発明のシミュレーションゲームプログラムは、上記課題を解決するために、コンピュータに、複数の特別図柄を変動表示した後に停止表示する図柄表示機能と、BGMを演奏する演奏機能と、前記特別図柄の変動表示中に始動入賞口に遊技球が入賞したときに前記遊技球を保留球として記憶する記憶機能と、遊技者にとって有利な特別遊技状態とするか否かを判定する判定機能と、前記記憶機能で前記保留球が記憶された状態または前記特別図柄の変動中に前記始動入賞口に遊技球が入賞した場合には、前記特別図柄の変動表示中に演奏されるBGMを、前記特別図柄の変動表示の終了から次の遊技の変動表示を開始する間も継続して演奏するとともに、前記判定機能での判定結果が遊技者にとって有利な特別遊技状態となったときに、前記特別図柄の変動開始から変動停止までの時間の中の任意の時間だけ前記BGMの演奏を一時的に中断するように前記演奏機能を制御する演奏制御機能とを実現させることを特徴としている。
【0021】
その場合、上述した各シミュレーションプログラムは、各シミュレーションプログラムをROMカートリッジ、CD−ROM、DVD等の記録媒体に記憶したり、通信衛星等のネットワーク環境下、あるいはインターネット等の通信回線を利用して配布することにより、家庭用ゲーム機等において遊技機と同様に、保留球があるときや始動入賞口に遊技球が入賞した場合には、特別図柄の変動表示中と変動表示の終了から次の遊技の変動表示を開始するまでの間でBGMの演奏を継続するため、遊技の大半を占めるリーチに発展しない通常変動状態等であっても長い曲をBGMとして使用することができるとともに、曲のイントロばかりが繰り返し演奏されるのを防止することができ、飽きの来ない演出を行うことができる。
【0022】
また、判定機能での判定結果が遊技者にとって有利な特別遊技状態、すなわち、「大当り」となったときに、継続されるべきBGMを特別図柄の変動開始から変動停止までの時間の中の任意の時間だけ一時的に中断するので、遊技者は「大当り予告」を聴覚で認識することができる。したがって、遊技者が常に意識することなく簡単に大当り予告を認識することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
図1〜図26は本発明に係る遊技機の一実施形態を示す図であり、本発明をパチンコ遊技機に適用した例を示している。
【0025】
図1は遊技機であるパチンコ遊技機1の正面外観図、図2はパチンコ遊技機1の斜視図であり、このパチンコ遊技機1の遊技部は、前面扉2の上部ガラスの内側に遊技盤3を配置し、その盤面上に各種入賞領域を配設して構成されている。
【0026】
遊技盤3の略中央には、遊技に必要な特別図柄の変動表示および演出アニメーションを含む表示を行う図柄表示手段としての液晶表示装置4が配置されている。
【0027】
遊技盤3の下方には、賞球または貸し球として払い出される遊技球(パチンコ球)を溜めるための上皿21が設けられており、上皿21に排出された遊技球は遊技盤3の裏面側に設けられた発射装置82(図6)に供給される。
【0028】
また、上皿21の下方には、灰皿20、上皿21からの遊技球を排出するための排出口22、排出口22から排出された遊技球を溜めるための下皿23、遊技球を遊技部に向けて発射させる操作手段としての発射ハンドル24が設けられている。
【0029】
また、遊技盤3の上方にはスピーカ25L、25Rが設けられており、このスピーカ25L、25RからはBGMおよび効果音等が出力されるようになっている。
【0030】
また、遊技盤3の略中央には図3にも示すように液晶表示装置4が配置されている。この液晶表示装置4は、画像信号入力に基づいて特別図柄の変動表示および演出アニメーションを含む表示を行うもので、後述の始動入賞口6に遊技球が入賞(「始動入賞」という)することにより画面4aに図3に示す特別図柄の変動表示が開始される。
【0031】
なお、図柄表示手段としては液晶表示装置に限らず、例えば、CRT(陰極線管)、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンス等によって構成しても良く、また、電気的表示装置ではなく、図柄を外周面上に描いた回転リールを配置し可変表示を行うような機械的リール、模型等の動作物等の機械的装置を用いてもよい。
【0032】
そして、この特別図柄の変動表示が、所定の停止態様で停止したとき、「大当り」となり、遊技者にとって有利な後述の「特別遊技状態」に移行する。大当りとなる所定の停止態様は、例えば、画面4aの左側に停止した特別図柄、画面4aの中央に停止した特別図柄および画面4aの右側に停止した特別図柄の3つがいずれも同一態様の図柄の場合で揃った停止態様である。
【0033】
図4は、特別図柄の具体例を示す。図4に示すように、漢数字を示す図柄の”一”〜”九”および文字”次””郎””長”からなる12種類の図柄が特別図柄として設定され、各図柄には、表示制御に必要な”1〜12”のコードナンバーが付されている。なお、この特別図柄は左図柄、中図柄、右図柄共通である。
【0034】
また、大当りとなる停止態様(以下、「大当り停止態様」という)を構成する特別図柄の種類に応じて、上記の「大当り」は「確変大当り」と「通常大当り」に区別される。本実施形態では、図5に示した12種類の特別図柄のうちのコードナンバーが、”3”、”5”、”7”、”10”、”11”、”12”の6種類の特別図柄を「確変図柄」とし、コードナンバーが”1”、”2”、”4”、”6”、”8”、”9”の6種類の特別図柄を「通常図柄」とする。
【0035】
「確変大当り」は、「確変図柄」が揃った「特定停止態様」となったときに発生する。また、「確変大当り」となった場合は、「大当り遊技状態」が終了した後の一般遊技状態において、大当りの発生確率が高い状態となる。他方、「通常大当り」は、「通常図柄」が揃った「非特定停止態様」となったときに発生する。「通常大当り」となった場合は、「大当り遊技状態」が終了した後の一般遊技状態において、大当りの発生確率に変動はない。
【0036】
また、液晶表示装置4の画面4aには、種々のキャラクタが登場するアニメーション等による演出の表示が行われる。本実施形態では、登場物として”森の石松”の画像による演出が行われるようになっており、液晶表示装置4の上方に”森の石松”が描かれている。なお、絵ではなく”森の石松”の人形あるいは”森の石松”が描かれたシールであっても良い。
【0037】
また、液晶表示装置4の下方には、スタートチャッカーと呼ばれる始動入賞口6を構成する普通電動役物5が設けられている。普通電動役物5は、始動入賞口6へ入賞しやすい第1状態と始動入賞口6に入賞しにくい第2状態とに変換可能な可動片6aを有する入賞装置(所謂チューリップ)である。なお、この可動片6aが閉じた第2状態であっても、遊技球が1個程度入賞可能である。そして、遊技球が始動入賞口6に入賞すると、例えば5個の賞球が払い出される。
【0038】
また、液晶表示装置4の左方には普通図柄作動用ゲート7が設けられており、この普通図柄作動用ゲート7に遊技球が通過すると、液晶表示装置4によって普通図柄表示用の「○、×」の画像が交互に点灯されるようになっており、所定時間経過後、「○」の画像のみが点灯されると、普通電動役物5が第1状態に変換される。
【0039】
普通電動役物5の下方には、遊技者にとって有利な「開状態」と遊技者にとって不利な「閉状態」に変換可能な扉開閉式の変動入賞装置からなるアタッカーと呼ばれる大入賞口8が設けられている。大入賞口8は、液晶表示装置4での特別図柄の変動表示が大当り停止態様で停止したときに、所定時間の開状態に維持される。
【0040】
そして、この大入賞口8に遊技球が入賞すると所定個数(例えば15個)の賞球が払い出されるように定められている。前述の特別遊技状態とは、この大入賞口8が開状態となった遊技状態をいい、この特別遊技状態中は、大入賞口8への10球入賞あるいは30秒経過まで開状態が連続する遊技(以下、「大当り遊技」という)を、15回(ラウンド)行えるようになっている。ここで、1回目の大当り遊技を「第1ラウンド」と称し、2回目以降の大当り遊技も同様に、「第2ラウンド」、「第3ラウンド」......と称する。なお、大当り遊技が1ラウンド終了した後、次のラウンドを行うためには、一般的にV入賞口に遊技球が入賞する「V入賞」という所定の条件を満たす必要がある。
【0041】
ここで、大入賞口8は複数の入賞口で構成され、V入賞は、その複数の入賞口のうちの特定の入賞口に遊技球が入賞した場合で、このV入賞の成立条件となる特定の入賞口は、通常、大入賞口8の中央に設けられる。また、大入賞口8の下方には、アウト球を回収するアウト口9が設けられている。
【0042】
また、遊技盤3の左側にはレール10が設置されている。遊技盤3の裏面側に設けられた発射装置82から発射された遊技球は、このレール10に沿って上昇移動し、遊技領域に打ち込まれる。
【0043】
液晶表示装置4の右方には4つの普通図柄記憶LED12が設けられており、液晶表示装置4の上方には保留球記憶LED13a〜13dが設けられている。
【0044】
普通図柄記憶LED12は、普通図柄の変動中に普通図柄作動用ゲート7への遊技球通過がある度に1個ずつ点灯し、その時点での液晶表示装置4の普通図柄表示用の「○、×」の交互の点灯可能回数(4回を限度とする)を遊技者に知らせるものであり、5回目以降の通過はカウントされず無効となる。
【0045】
液晶表示装置4の左右上方には、左風車14および右風車15が設けられており、この左風車14および右風車15は遊技球の流下経路を変更するとともに、遊技球が衝突したときに回転して遊技性を増大させる機能を果している。
【0046】
また、始動入賞口6の左右側には、それぞれ入賞球があると10個の賞球を払出すように定められた一般入賞口16、17、18、19が設けられている。また、遊技盤3の盤面上には、遊技状態に応じて光による演出を行う装飾用のランプ26等が設けられる。
【0047】
図6のブロック図はパチンコ遊技機1の制御部の具体的構成を示す図である。
【0048】
パチンコ遊技機1の遊技動作は、主制御手段としての主制御回路30により制御される。主制御回路30は、演算処理装置としてのCPU(Central Processing Unit)(以下、「メインCPU」という)31、読み出し専用の記憶手段としてのROM(Read Only Memory)(以下、「メインROM」という)32および読み書き可能な記憶手段としてのRAM(Random Access Memory)(以下、「メインRAM」という。)33を主たる構成要素として構成され、これらは一つの回路基板上に配置される。
【0049】
メインRAM33としては、ダイナミック型メモリ(DRAM)が用いられる。主制御回路30に接続された各種センサからの入力信号は、この主制御回路30内のメインCPU31に入力され、メインCPU31は、入力信号に応じた処理をメインROM32に格納されている制御プログラムに従って実行する。
【0050】
さらに、主制御回路30は、全体の遊技制御処理プログラムを定期的(例えば2ms毎)に実行するためのリセット信号を発生する(これを「割込発生」という)リセット用クロックパルス発生回路34および電源が投入されたときに回路についての初期処理を実行するための初期リセット信号を発生する初期リセット回路35を備えている。
【0051】
この主制御回路30には、信号入力手段として、大入賞口8に設けられたV入賞口に遊技球が入賞したことを検出するV・カウントスイッチ28S、大入賞口8のV入賞口を除いた特定入賞口に入賞した遊技球の数を計数するカウントスイッチ29S、一般入賞口16、17に入賞した遊技球を検出する一般入賞球センサ16S、17S、一般入賞口18、19に入賞した遊技球を検出する一般入賞球センサ18S、19S、普通図柄作動用ゲート7を通過した遊技球を検出する通過球センサ7S、始動入賞口6に入賞した遊技球を検出する始動入賞球センサ6S、大入賞口8に入賞した遊技球を検出する大入賞球センサ8S、普通電動役物5、大入賞口8および大入賞口8に設けられ、大入賞口8に入賞する遊技球をV入賞口または特定の入賞口の何れかに振り分けて入賞させるシーソー8aが接続されている。
【0052】
例えば、始動入賞球センサ6Sからの信号が主制御回路30に入力されたとき、メインCPU31は、その入力信号を始動記憶数としてメインRAM33に累積的に記憶し、大当りの有無等の判定処理を行う。そして、それらの判定結果に基づいて生成された液晶表示装置4の表示に関する制御指令(以下、「コマンド」という)を、後述の副制御回路40に向けて送信する。
【0053】
メインROM32には、液晶表示装置4の表示に関する各種の決定に必要なデータが格納されている。例えば、液晶表示装置4で行われる図柄変動の停止結果を大当りとするか否かを判定する際に参照される「大当り判定テーブル」、図柄変動の停止結果が外れのときにリーチを発生させるか否かを判定する際に参照される「リーチ判定テーブル」、特別図柄の最終的な停止態様である確定停止態様を決定する際に参照される「停止図柄決定テーブル」、そして、演出(変動パターン)を選択する際に参照される「変動パターン選択テーブル」等がメインROM32に格納されている。
【0054】
メインCPU31では、各種の乱数カウンタの更新処理を定期的に行い、始動入賞時には、メインCPU31は、これら乱数カウンタのカウント値(以下、「乱数値」という)を読み出し、メインRAM33内に形成される所定の記憶領域に格納する。ここに格納された乱数値は、主制御回路30において行われる各種の判定等に用いられる。
【0055】
図7は、「大当り判定テーブル」を示す。「大当り判定テーブル」は、図柄変動の停止結果を大当りとするか否かの判定に用いられ、メインCPU31は、この判定の際に取り出した大当り判定用乱数カウンタの値(「大当り判定用乱数値」という)をこの大当り判定テーブルに設定された数値範囲と照合し、上記の判定を行う。
【0056】
ここで、「大当り判定用乱数カウンタ」は、メインCPU31内に形成され、”0〜315”の範囲内で定期的に更新される。この図7に示す「大当り判定テーブル」では、外れの判定となる大当り判定用乱数値の数値範囲は”0〜6”または”8〜315”で、大当りの判定となる大当り判定用乱数値の数値範囲は”7”である。また、確率変動中に大当り判定となる大当り判定用乱数値は”7”、”57”、”117”、”217”、”297”の5つである。
【0057】
また、メインCPU31は、始動入賞口6に遊技球が入賞したとき、始動入賞球センサ6Sが遊技球を検出すると、上述した大当り判定の際に取り出した大当り判定用乱数値をメインRAM33の保留球記憶領域に記憶するようになっており、このメインRAM33の保留球記憶領域には最大で4個の大当り判定乱数値が保留球として記憶される。本実施形態では、メインRAM33が記憶手段を構成するとともにメインCPU31が判定手段を構成している。
【0058】
そして、現在行われている特別図柄変動遊技が終了すると、メインRAM33に記憶された大当り判定用乱数値に応じて次の新たな特別図柄変動遊技が保留球の記憶個数分だけ行われ、この遊技は保留球が消化されるまで継続される。
【0059】
また、保留球記憶領域に保留球が記憶されたときに4個の保留球記憶LED13a〜13dの全てが点灯される。なお、保留球LEDは、保留球記憶領域に1つの大当り判定用乱数値が記憶されたときには、左側の保留球記憶LED13aのみが表示され、記憶領域に記憶される大当り判定用乱数値が増えるに連れて左側から右側の保留球記憶領域LEDが順次に点灯される。
【0060】
そして、現在行われている特別図柄変動遊技が終了すると、変動中の大当り判定用乱数値が削除され、大当り判定用乱数値が次に記憶された大当り判定乱数値に移されるとともに右側の保留球記憶LED13が消灯され、この動作は保留球が消化されるまで継続される。そして、変動中の特別図柄に対応する大当り判定用乱数値がメインROM32に格納された大当り判定用テーブルの大当り乱数値と一致すれば、大当りとなる。
【0061】
ここで、メインRAM33に記憶される保留球は4個を上限としており、4個の保留球が記憶されて保留球LEDが全点灯しているときに、以後いくら始動球入賞が発生しても保留球として記憶されずに、それに基づいて大当り判定も行われない。
【0062】
また、パチンコ遊技機1は、主制御回路30とは別の一つの回路基板上に配置された副制御手段としての副制御回路40を備える。この副制御回路40は、主制御回路30と同様に、CPU(以下、「サブCPU」という)41、ROM(以下、「プログラムROM」という)42およびRAM(以下、「ワークRAM」という)43を主たる構成要素として構成される。
【0063】
副制御回路40は、主制御回路30に設けられたシリアル通信用IC50を介して主制御回路30から送信されたコマンドに応じて、液晶表示装置4での図柄変動および演出アニメーションを含んだ表示制御を行う。また、副制御回路40では、液晶表示装置4の表示制御の他に主制御回路30から送信されたコマンドに応じたスピーカ25L、25Rからの音声出力制御と前面扉2および遊技盤3に配置される枠LED、盤面上LED等の発光体(ランプ26と総称する)の動作制御についても行う。
【0064】
主制御回路30から送信されたコマンドに応じた処理を実行する具体的手段として、副制御回路40は、液晶表示装置4を制御するための図柄制御部45、スピーカ25L、25Rを制御するための音声制御部46およびランプ26を制御するためのランプ制御部47を備える。
【0065】
図柄制御部45は、サブCPU41からの指令に基いて液晶表示装置4に表示すべき画像データを生成し、この画像データの表示制御を実行するための手段で構成される。
【0066】
具体的には、図6に示すように、図柄制御部45は、画像データを生成するためのドットデータを格納する画像データROM54、サブCPU41で設定されたパラメータに応じて画像データROM54内のドットデータを読み込み表示すべき画像データを生成するVDP(Video Display Processor)51、VDP51で生成された画像データをRGB信号に変換するD/Aコンバータ52および図柄制御プログラムが異常な処理ルーチンに入ったときにリセット信号を発生する初期リセット回路53を備える。
【0067】
音声制御部46は、音源IC61、AMP62および音声データROM63を備え、音声発生手段としてのスピーカ25L、25RにBGMおよび効果音からなる音声信号を出力する。
【0068】
音源IC61は、サブCPU41からの指令に基づき音声データROM63より所定の音声データを読み込み音声信号を生成する。AMP62は、音源IC61で生成された音声信号をAMP62で増幅してスピーカ25L、25Rに出力する。
【0069】
具体的には、音声データROM63には、図8〜図14に示すBGM(Background Music)が格納されている。このBGMは、図8〜図10に示す通常変動時のBGMと、図11、図12に示す確変用のBGMと、図13、図14に示す時短用のBGMとから構成されている。また、音声データROM63には図示しない大当り遊技時に演奏されるBGMも格納されている。
【0070】
通常変動時のBGMは、12小節で6フレーズからなり、ハーモニカ、バイオリン(ストリングス)、フルート、クラシックギター、ミュートトランペット、アコーディオン、ベースから構成されている。
【0071】
なお、1フレーズとは旋律の区切りのことであり、聴く側(遊技者)にとって一区切りと感じられる内容のことを示し、本実施形態では、図15に示すように6フレーズから構成されている。
【0072】
図15において、通常変動時のBGMは、変動開始から区切り1までの演奏時間が3567msに設定されたAフレーズ、区切り1から区切り2までの演奏時間が5300msに設定されたBフレーズ、区切り2から区切り3までの演奏時間が4133msに設定されたCフレーズ、区切り3から区切り4までの演奏時間が4700msに設定されたDフレーズ、区切り4から区切り5までの演奏時間が3933msに設定されたEフレーズおよび区切り5から区切り6までの演奏時間が5000msに設定されたFフレーズから構成されており、このA〜Fフレーズは図8〜図10の符面でそれぞれAフレーズ〜Fフレーズで示す部分に相当する。
【0073】
なお、このAフレーズ〜Fフレーズの演奏時間はワークRAM43の演奏時間記憶領域に格納されている。
【0074】
また、確変用のBGMは、8小節からなり、ブラス、トランペット、フルート、尺八、トロンボーン、琴、三味線、ベースから構成されている。時短用のBGMは8小節からなり、メロディー、三味線、バイオリン(ストリングス)、ベースから構成されている。
【0075】
なお、時短とは、「確変大当り」の遊技状態が終了した後で非確変である「通常大当り」の遊技状態が終了したときと、確変とならずに「通常大当り」の遊技状態が終了したときの両方、若しくは、「確変大当り」の遊技状態が終了した後で非確変である「通常大当り」の遊技状態が終了したときのみ、「大当たり」の遊技状態の終了後に所定の遊技回数、例えば、100回転だけ特別図柄が短い時間で変動表示を終了し、液晶表示装置4の普通図柄表示用の「○」のみが点灯したときに、可動変6aが通常遊技時よりも長い時間開放されて次回からの特別遊技状態の発生確率が高くなり、持ち玉を減らすことなく遊技を進めることができる有利な遊技状態を言う。
【0076】
また、音声データROM63には効果音が格納されており、この効果音は音声、自然界の音、動物の鳴き声等からなる。
【0077】
また、サブCPU41は、主制御回路30の指令に基づき、液晶表示装置4の特別図柄がリーチ状態になったり、リーチが発展してスーパーリーチ状態になったとき等に効果音を出力するように音声制御部46を制御するようになっている。本実施形態では、音声制御部46が演奏手段を構成している。
【0078】
また、ランプ制御部47は、装飾データROM71およびドライブ回路72を備え、ランプ26の点灯制御を行う。装飾データROM71には、ランプ26の点灯パターンが設定されたランプ演出パターンが格納されており、サブCPU41は、液晶表示装置4の表示内容に応じたランプ動作制御プログラムを作成し、ドライブ回路72を制御してランプ26の点灯制御を行う。
【0079】
また、ランプ制御部47は、主制御回路30からの確変時の送信コマンド、時短時の送信コマンドに基づいてランプ26の点灯制御を行うようになっている。
【0080】
具体的には、主制御回路30のメインCPU31は、図16(a)に示すように、確変時、時短時および非確変時でかつ非時短時である通常遊技時とを区別する信号を大当り遊技の最終ラウンドが終了したときに副制御回路40に送信するようになっている。
【0081】
この信号は、確変時に任意のランプ26を点灯するコマンド信号であるD4、任意のランプ26を消灯するコマンド信号であるD5、時短時に任意のランプと異なるランプ26を点灯するコマンド信号であるD6、任意のランプ26と異なるランプ26を消灯するコマンド信号であるD7から構成されている。
【0082】
サブCPU41は、大当り遊技の最終ラウンドが終了したとき、図16(b)に示すように主制御回路30からコマンド信号D4に引き続いてコマンド信号D6を受信すると、フラグ2をセットしてワークRAM43に格納するようになっている。
【0083】
また、サブCPU41は、大当り遊技の最終ラウンドが終了したとき、主制御回路30から送信信号D5に引き続いてコマンド信号D6を受信すると、フラグ1をセットしてワークRAM43に格納するようになっている。
【0084】
また、サブCPU41は、大当り遊技の最終ラウンドが終了したとき、主制御回路30からコマンド信号D5に引き続いてコマンド信号D7を受信すると、フラグ0をセットしてワークRAM43に格納するようになっている。
【0085】
サブCPU41は、ワークRAM43に格納されたフラグを判別し、フラグが2であれば、確変遊技状態であると判断してランプ制御部47を制御することにより任意のランプ26(確変ランプ)を点灯し、フラグが1であれば、時短遊技状態であると判断してランプ制御部47を制御することにより任意のランプ26と異なるランプ26(時短ランプ)を点灯し、フラグが0であれば確変遊技状態または時短遊技状態が終了したものと判断してランプ制御部47を制御することによりランプ26を消灯するようになっている。
【0086】
本実施形態では、サブCPU41は、主制御回路30からの指令に基づき、メインRAM33に保留球が記憶された状態のとき、または特別図柄の変動中に始動入賞口6に遊技球が入賞した場合には、液晶表示装置4の特別図柄の変動表示中に演奏されるBGMを、特別図柄の変動表示の終了から次の遊技の変動表示を開始する間も継続して演奏するとともに、メインCPU31から大当りであることを示す大当りコマンドが入力したときに、液晶表示装置4による特別図柄の変動開始時から任意の時間だけ通常変動用のBGMの演奏を一時的に中断するように音声制御部46を制御するようになっている。なお、サブCPU41は演奏制御手段を構成している。
【0087】
なお、サブCPU41は、特別図柄の変動開始時から任意の時間だけ通常変動用のBGMの演奏を一時的に中断するのに限らず、特別図柄の変動開始から変動停止までの時間の中の任意の時間だけ通常変動用のBGMの演奏を一時的に中断するようにしても良い。例えば、特別図柄の変動開始から所定時間後から変動停止前の所定時間の間の任意の時間だけBGMの演奏を一時的に中断するような中抜けの演奏中断でも良い。
【0088】
また、本実施形態では、サブCPU41は、確変モードまたは時短モードで遊技中に、メインCPU31から大当りであることを示す大当りコマンドが入力したときに、液晶表示装置4による特別図柄の変動開始時から任意の時間だけ通常変動用のBGMの演奏を一時的に中断するように音声制御部46を制御するようになっている。
【0089】
また、サブCPU41は、メインRAM33に保留球が記憶されていないとともに、液晶表示装置4の特別図柄が変動表示されていない状態から始動入賞口6に遊技球が入賞して特別図柄の変動が開始されたときに、最初のフレーズであるAフレーズから演奏を開始するように音声制御部46を制御するようになっている。
【0090】
また、本実施形態では、サブCPU41は、Aフレーズ〜FフレーズまでBGMを演奏した後、Cフレーズの先頭に戻ってCフレーズ〜Fフレーズを特別図柄の変動が連続して行われている間は繰り返し演奏するように音声制御部46を制御するようになっている。
【0091】
また、サブCPU41は、メインCPU31から送信される遊技状態を示すコマンド信号を受信すると、ワークRAM43にそのコマンド信号に対応したフラグをセットし、大当り遊技が終了したときに、ワークRAM43にセットされたフラグを読み出して音声制御部46を制御することにより遊技状態(フラグ)に応じたBGMを演奏するようになっている。
【0092】
すなわち、通常遊技状態のときには通常変動時のBGMを演奏し、確変遊技状態のときには確変用のBGMを演奏し、さらに、時短遊技状態のときには時短用のBGMを演奏するようになっている。なお、確変用のBGMおよび時短用のBGMは、確変遊技状態および時短遊技状態にあるときに確変遊技状態および時短遊技状態が終了するまで継続して演奏される。
【0093】
次に、図17〜図23、図25に示すフローチャートおよび図24、図26に示すタイミングチャートに基づいて主制御回路30および副制御回路40で行われる制御処理の手順を説明する。
【0094】
主制御回路30では、図17に示す「メイン遊技制御処理」および図18に示す「割込み処理」が行われる。
【0095】
図17に示す「メイン遊技制御処理」では、最初に、メインCPU31は「割込み許可フラグ」をセットする(ステップ[以下、「ST」と略記する]1)。この「割込み許可フラグ」をセットすることにより、後述の「割込み処理」(図18)が実行される。
【0096】
次いで、メインCPU31は、「特別図柄制御処理」を実行し(ST2)、続いて、「普通図柄制御処理」を実行する(ST3)。「特別図柄制御処理」については、図19を参照して後で説明する。メインRAM33内には、上記の割込み許可フラグを含む複数のフラグが格納されており、フラグをセットするとは、それらのフラグの値を”0”から”1”に書き換えることである。
【0097】
上記ST3の普通図柄制御処理では、メインCPU31は、後述の入力信号処理(図18のST9)においてメインRAM33に記憶される通過記憶数の有無をチェックし、通過記憶数が記憶されているときは、後述の普通図柄判定用乱数を読み出して液晶表示装置4の普通図柄表示用の「○、×」画像を遊技者にとって有利な「○」の画像のみが点灯した状態とするかどうかの判定を行う。そして、その判定結果に基づいて液晶表示装置4の普通図柄表示用「○、×」画像の交互の点灯動作を制御する。
【0098】
図18は、「割込み処理」を示すフローチャートで、前記ST1(図17)または後述のST15で「割込み許可フラグ」がセットされていることを条件に、メインCPU31において定期的(例えば3ms毎)に実行される。
【0099】
この「割込み処理」では、メインCPU31は、最初に各レジスタをメインRAM33に退避させる(ST5)。続いて、乱数カウンタの乱数値の更新を行う(ST6)。このST6の処理で乱数値の更新が行われる乱数カウンタは、「大当り判定用乱数カウンタ」、「リーチ判定用乱数カウンタ」、「停止図柄決定用乱数カウンタ」および「変動パターン選択用乱数カウンタ」である。これらの各種乱数カウンタはメインCPU31とメインRAM33とで構成され、このST6の処理では、メインCPU31は、それぞれの乱数カウンタの乱数値を”1”を加算した値に書き換える。
【0100】
これらの各種乱数カウンタには、更新可能な数値範囲が予め定められており、その数値範囲の上限値に達したとき、メインCPU31は、その乱数カウンタのカウンタ値を”0”にリセットする。
【0101】
次いで、メインCPU31は、このメインCPU31に入力される信号を読み込む「入力ポート読込処理」を行い(ST7)、続いて、メインRAM33に格納されている各種コマンドをそのコマンドに応じた各種制御部(図柄制御部45、音声制御部46等)に向けて出力する「コマンド出力処理」を行う(ST8)。本実施形態では、ST8において音声制御部46には、大当りコマンド、BGM制御コマンド、特別図柄の変動コマンドが出力される。
【0102】
次に、メインCPU31は「入力信号処理」を実行する(ST9)。このST9の入力信号処理では、通過球センサ7S、一般入賞球センサ16S〜19S、始動入賞球センサ6S、V・カウントスイッチ28S、カウントスイッチ29S等の各種センサから出力される検出信号の入力の有無がチェックされ、これら検出信号に応じた処理が行われる。
【0103】
次いでメインCPU31は、大当りが発生したときに行われる大入賞口8の扉の開放時間や、表示画面4aに表示する特別ゲームの表示時間等を計時するタイマの更新処理を行い(ST10)、続いて、各種装置から発生されるエラー信号を処理する「異常管理処理」を実行する(ST11)。
【0104】
次いで、メインCPU31は、「ランプ制御処理」を実行し(ST12)、続いて「払出処理」を実行する(ST13)。「ランプ制御処理」では、メインCPU31よりランプ制御部47に制御信号が送られ各種ランプの点灯が制御される。
【0105】
「払出処理」では、メインCPU31は、メインRAM33に払出要求フラグがセットされているかどうか判別し、当該フラグがセットされているとき、その払出要求フラグに応じた制御信号がメインCPU31より払出制御回路80に送られ、払出装置81から賞球として遊技球の払い出しが行われる。
【0106】
次いで、メインCPU31は、ST5でメインRAM33に退避させた各レジスタを復帰きせ(ST14)、最後に「割込み許可フラグ」をセットして(ST15)、この「割込み処理」を終了する。
【0107】
次に、図19を参照して、ST2(図17)の「特別図柄制御処理」の手順について説明する。
【0108】
初めに、メインCPU31は、始動記憶があるかどうか、すなわちメインRAM33内に記憶されている始動記憶数が1以上かどうかを判別する(ST31)。この判別が”YES”のときは、ST33に移り、”NO”のときは、「デモ表示処理」を行う(ST32)。
【0109】
具体的には、メインCPU31は、デモ画面を表示させる制御指令である「デモ表示コマンド」をメインRAM33に格納する。「デモ画面」とは、遊技機の機種名等のデモンストレーションを表示する画面である。この画面では、特別図柄は表示されない。
【0110】
ST33では、読み出した乱数値のうちの大当り判定用乱数値が当り値であるかどうかを判別し、当り値のときは(ST33で”YES”)、ST34に移り、外れ値のときは(ST33で”NO”)、ST36に移る。
【0111】
ST34では、メインCPU31は、読み出した乱数値のうちの停止図柄決定用乱数値に基づいて、特別図柄の停止態様として大当りを示す図柄組み合せのいずれかを決定する。続いて、メインCPU31は、メインROM32内の「変動パターン選択テーブル」を参照し、当り変動パターンの中から1つの変動パターンを選択し(ST35)、ST40に移る。
【0112】
ST36では、メインCPU31は、停止図柄決定用乱数値に基づいて、特別図柄の停止態様として外れを示す図柄組み合せのいずれかを決定する。続いて、メインCPU31は、ST36で決定された図柄組み合せがリーチを構成しているかどうか判別し(ST37)、リーチを構成しているときは(ST37で”YES”)、ST38に移り、リーチを構成していないときは(ST37で”NO”)、ST39に移る。
【0113】
ST38では、メインROM32内の「変動パターン選択テーブル」を参照し、リーチ有り外れ変動パターンの中から1つの変動パターンを選択する。この後、ST40に移る。
【0114】
ST39では、メインROM32内の「変動パターン選択テーブル」を参照し、リーチ無し外れ変動パターンの中から1つの変動パターンを選択する。この後、ST40に移る。
【0115】
ST40では、メインCPU31は、ST34またはST36で決定された特別図柄の停止態様およびST35、ST38またはST39で決定された変動パターンを指定した副制御回路40に対する制御命令である「表示制御コマンド」を生成する(ST40)。この後、この「表示制御コマンド」をメインRAM33内に格納する(ST41)。メインRAM33に格納された表示制御コマンドは、上述のST8(図18)の「コマンド出力処理」で副制御回路40に向けて送信される。
【0116】
次に、メインCPU31は、上述のST33で判別された大当り判定用乱数値が当り値であったか否かを判別し(ST42)、外れ値であったときは(ST42で”NO”)、ST44に移り、当り値であったときは(ST42で”YES”)、「特別遊技処理」を行う(ST43)。
【0117】
この「特別遊技処理」では、メインCPU31は、上述の特別遊技状態中の液晶表示装置4での演出表示や、大当り遊技中の大入賞口8の扉の開閉処理や、スピーカ25L、25Rからの演出音の出音制御等に関する制御指令としての各種コマンドを生成しメインRAM33に格納する。
【0118】
このST42においてメインRAM33に格納されたコマンドについても、ST8(図18)の「コマンド出力処理」でコマンドの種類に応じた各種制御回路に向けて送信される。
【0119】
ST44では、メインCPU31は、「特別図柄制御終了処理」を行い、特別図柄制御処理を終了する。
【0120】
次に、図20〜図23のフローチャートおよび図24に示すタイミングチャートを参照して、副制御回路40のサブCPU41が実行するBGM選択処理、BGM制御処理および消音報知制御処理の手順について説明する。
【0121】
最初に、図20のフローチャートを参照して、副制御回路40のサブCPU41が実行するBGM選択処理の手順について説明する。
【0122】
まず、確変モード(確変遊技状態)か否かを判別する(ST51)。すなわち、主制御回路30から大当り遊技の最終ラウンドが終了したときに送信された送信信号に基づいてワークRAM43にセットしたフラグを参照して確変モードであるか否かを判別する。
【0123】
このとき、フラグが2であれば、主制御回路30からコマンド信号D4、D6が入力されて確変モードに設定されたものと判断して、音声データROM63から確変用のBGMを選択した後(ST55)、選択された確変用のBGMをワークRAM43に格納して(ST54)、今回の処理を終了する。音声制御部46は確変モードが終了するまでこの確変用のBGMを継続して演奏する。
【0124】
一方、ST51で確変モードでない場合には、時短モード(時短遊技状態)であるか否かを判別する(ST52)。すなわち、主制御回路30から大当り遊技の最終ラウンドが終了したときに送信された送信信号に基づいてワークRAM43にセットしたフラグを参照して時短モードであるか否かを判別する。
【0125】
このとき、フラグが1であれば、主制御回路30からコマンド信号D5、D6が入力されて時短モードに設定されたものと判断して、音声データROM63から時短用のBGMを選択した後(ST56)、選択された時短用のBGMをワークRAM43に格納して(ST54)、今回の処理を終了する。音声制御部46は時短モードが終了するまでこの時短用のBGMを継続して演奏する。
【0126】
また、ST52で時短モードでないものと判断した場合には、音声データROM63から通常変動用のBGMを選択した後、選択された通常変動用のBGMをワークRAM43に格納して(ST54)、今回の処理を終了する。音声制御部46は通常遊技時にこの通常変動用のBGMを演奏する。
【0127】
なお、通常変動用のBGMを演奏する際には、保留球がある場合には、変動図柄の変動表示が終了した時点でBGMを一旦停止し、次の遊技で特別図柄の変動表示が行われたときにBGMを継続して演奏する。また、保留球が消化されて変動図柄の変動表示が終了し、所定時間経過後に始動入賞口に遊技球が入賞して特別図柄の変動が開始されると、最初のフレーズからBGMを演奏するようになっている。
【0128】
また、リーチが発生したときには、リーチ内容に応じて音声データROM63に格納された第1のノーマルリーチ用のBGMまたは第2のノーマルリーチ用のBGMの何れか一方を選択してワークRAM43に格納し、音声制御部46により第1のノーマルリーチ用のBGMまたは第2のノーマルリーチ用のBGMの何れか一方を演奏する。
【0129】
図22、図23のフローチャートおよび図24のタイミングチャートに基づいてBGM制御処理を説明する。
【0130】
この処理は、図20のST53で通常変動用のBGMが選択されたときのBGM制御処理である。図21において、まず、副制御回路40に主制御回路30からBGM制御コマンドが入力されると、まず、BGMタイマをワークRAM43の演奏時間記憶領域に格納されたAフレーズ用の規定値(3567ms)にセットする(ST61)。次いで、BGMタイマが”0”になるまでAフレーズを演奏する(ST62)。
【0131】
次いで、特別図柄が変動確定状態(特別図柄の変動停止)で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されているか否かを判別し(ST63)、特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されていない場合には(ST63の”YES”)、BGMの演奏を停止する(ST67)。
【0132】
また、ST62で特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されている場合には(ST63の”NO”)、BGMタイマをワークRAM43の演奏時間記憶領域に格納されたBフレーズ用の規定値(5300ms)にセットする(ST64)。次いで、BGMタイマが”0”になるまでBフレーズを演奏する(ST65)。
【0133】
次いで、特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されているか否かを判別し(ST66)、特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されていない場合には(ST66の”YES”)、BGMの演奏を停止する(ST67)。
【0134】
また、ST66で特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されている場合には(ST66の”NO”)、図22に示すように、BGMタイマをワークRAM43の演奏時間記憶領域に格納されたCフレーズ用の規定値(4133ms)にセットした後(ST68)、BGMタイマが”0”になるまでCフレーズを演奏する(ST69)。
【0135】
次いで、特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されているか否かを判別し(ST70)、特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されていない場合には(ST70の”YES”)、BGMの演奏を停止する(ST67)。
【0136】
また、ST70で特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されている場合には(ST70の”NO”)、BGMタイマをワークRAM43の演奏時間記憶領域に格納されたDフレーズ用の規定値(4700ms)にセットした後(ST71)、BGMタイマが”0”になるまでDフレーズを演奏する(ST72)。
【0137】
次いで、特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されているか否かを判別し(ST73)、特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されていない場合には(ST73の”YES”)、BGMの演奏を停止する(ST67)。
【0138】
また、ST73で特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されている場合には(ST73の”NO”)、BGMタイマをワークRAM43の演奏時間記憶領域に格納されたEフレーズ用の規定値(3933ms)にセットした後(ST74)、BGMタイマが”0”になるまでEフレーズを演奏する(ST75)。
【0139】
次いで、特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されているか否かを判別し(ST76)、特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されていない場合には(ST76の”YES”)、BGMの演奏を停止する(ST67)。
【0140】
また、ST76で特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されている場合には(ST76の”NO”)、BGMタイマをワークRAM43の演奏時間記憶領域に格納されたFフレーズ用の規定値(5000ms)にセットした後(ST77)、BGMタイマが”0”になるまでFフレーズを演奏する(ST78)。
【0141】
次いで、特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されているか否かを判別し(ST79)、特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されていない場合には(ST79の”YES”)、BGMの演奏を停止する(ST67)。
【0142】
また、ST79で特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されている場合には(ST79の”NO”)、BGMタイマをワークRAM43の演奏時間記憶領域に格納されたCフレーズ用の規定値(4133ms)にセットした後(ST68)、ST69以下の処理を特別図柄が変動確定状態で、かつメインRAM33の保留球記憶領域に保留球が記憶されていない状態になるまで継続する。なお、図24の▲1▼において、Nフレーズは、保留球が消化されて特別図柄の変動が終了した時点で流れていたフレーズD、E、Fの何れかのフレーズである。
【0143】
次に、図23のフローチャートおよび図24のタイミングチャートに基づいて通常遊技状態における消音報知制御処理を説明する。
【0144】
まず、副制御回路40に主制御回路30から特別図柄の変動コマンドを受信した後(ST81)、主制御回路30から大当りコマンドを受信したか否かを判別し(ST82)、大当りコマンドを受信した場合には、大当り消音報知許可の有無を乱数により抽選する(ST83)。
【0145】
具体的には、ワークRAM43には「大当り消音報知テーブル」が格納されており、サブCPU41が大当りコマンドを受信したときに、「大当り消音報知乱数値」を取得し、この「大当り消音報知乱数値」をワークRAM43に格納された「大当り消音報知テーブル」の乱数値の数値範囲と照合する。
【0146】
ここで、「大当り消音報知乱数値」は、サブCPU41内に形成され、”0〜9999”の範囲内で定期的に更新され、大当り消音報知を行うための乱数値は”0〜499”に設定されている。
【0147】
一方、ST83で特定乱数値、すなわち、大当り消音報知を行う乱数値を取得したか否かを判別し(ST84)、大当り消音報知を行う乱数値を取得した場合には、「大当り」となる遊技の特別図柄の変動開始から所定時間(例えば、2秒)だけBGMの演奏を中断する(ST85)。そして、大当り遊技に移行したときに大当り用のBGMを演奏する。
【0148】
次に、図25のフローチャートおよび図26のタイミングチャートに基づいて確変モードまたは時短モードにおける消音報知制御処理を説明する。なお、確変モードまたは時短モードのときには、図20のST54でワークRAM43に格納された確変用のBGMまたは時短用のBGMを読み出してそのモードに対応するBGMを演奏する。
【0149】
まず、副制御回路40に主制御回路30から特別図柄の変動コマンドを受信した後(ST91)、主制御回路30から大当りコマンドを受信したか否かを判別し(ST92)、大当りコマンドを受信した場合には、大当り消音報知許可の有無を乱数により抽選する(ST93)。
【0150】
一方、ST93で特定乱数値、すなわち、大当り消音報知を行う乱数値を取得しか否かを判別し(ST94)、大当り消音報知を行う乱数値を取得した場合には、確変モードか時短モードで遊技を行っているか否かを判別する(ST95)。
【0151】
ST95で確変モードか時短モードで遊技を行っている場合には、「大当り」となる遊技の特別図柄の変動開始から所定時間(例えば、2秒)だけBGMの演奏を中断する(ST96)。そして、大当り遊技に移行したときに大当り用のBGMを演奏する。
【0152】
このように本実施形態では、保留球がある場合または特別図柄の変動中に始動入賞口6に遊技球が入賞した場合には、特別図柄の変動表示中に演奏されるBGMを、特別図柄の変動表示の終了から次の遊技の変動表示を開始する間も継続して演奏するようにしたので、遊技の大半を占めるリーチに発展しない通常変動状態等であっても長い曲をBGMとして使用することができるとともに、曲のイントロばかりが繰り返し演奏されるのを防止することができ、飽きの来ない演出を行うことができる。これに加えて、特別図柄の変動表示と変動表示の間にBGMが途切れないので連続性のある演出を行うことができる。
【0153】
また、Aフレーズ〜Fフレーズを演奏して保留球が消化されない状態が続くと、Fフレーズの演奏が終了した後、Cフレーズ〜Fフレーズの演奏を繰り返し、保留球が消化されて特別図柄の変動表示が停止されると、BGMの演奏を終了するようにしたので、Cフレーズ〜Fフレーズがサビのフレーズである場合に、BGMのイントロのフレーズばかりが繰り返される単調なフレーズの繰り返しを防止することができ、遊技を行っている間中、飽きの来ない演出を行うことができる。
【0154】
また、保留球が消化されて始動入賞口6に新たに遊技球が入賞せず(すなわち、メインRAM33に保留球が記憶されていない)、特別図柄が変動表示されていない状態から始動入賞口6に遊技球が入賞して特別図柄の変動が開始されたときに、Aフレーズから演奏を開始するようにしたので、特別図柄の変動が一旦途切れた後の特別図柄の変動に対して新たな気持ちで大当たりの期待感を持たせることができる。
【0155】
また、通常遊技状態において、メインCPU31の判定結果が「大当り」となったときにも、継続されるべきBGMを特別図柄の変動開始時から任意の時間だけ一時的に中断するので、遊技者は「大当り予告」を聴覚で認識することができる。したがって、遊技者が常に意識することなく簡単に大当り予告を認識することができる。
【0156】
また、確変モード時または時短モード時にメインCPU31の判定結果が「大当り」となったときにも、継続されるべきBGMを特別図柄の変動開始時を一時的に中断するので、遊技者は確変中または時短中に「大当り予告」を聴覚で認識することができる。したがって、遊技者が常に意識することなく簡単に大当り予告を認識することができる。
【0157】
また、本実施形態のBGMはメロディーを伴うものであるが、これに限らず、高低の変化のない単調な音、例えば、リールの回転(特別図柄の変動)に伴う音を擬似的に擬したものであっても良い。
【0158】
また、このようにリールの回転に伴う擬似音を出力する場合には、特別図柄が変動する毎に擬似音を変えて擬似音に趣向を凝らすようにしても良い。この場合には、例えば、擬似音を1フレーズ〜5フレーズまで用意し(各フレーズに異なる回転擬似音を設定)、保留球の有無や特別図柄の変動の有無に応じて擬似音の開始フレーズを上述のように設定すれば良い。
【0159】
図27は上述したパチンコ遊技機と同様の遊技仕様を有するシミュレーションゲームプログラムであり、ROMカートリッジ、CD−ROM、DVD等の記録媒体に記憶したり、通信衛星等のネットワーク環境下、あるいはインターネット等の通信回線を利用して配布されるものである。
【0160】
図27において、本シミュレーションゲームプログラムは、コンピュータに、複数の特別図柄を変動表示した後に停止表示する図柄表示機能100と、BGMを演奏する演奏機能101と、特別図柄の変動表示中に始動入賞口に遊技球が入賞したときに遊技球を保留球として記憶する記憶機能102と、遊技者にとって有利な特別遊技状態とするか否かを判定する判定機能103と、記憶機能102で保留球が記憶された状態または特別図柄の変動中に始動入賞口に遊技球が入賞した場合には、特別図柄の変動表示中に演奏されるBGMを、特別図柄の変動表示の終了から次の遊技の変動表示を開始する間も継続して演奏するとともに、判定機能103での判定結果が遊技者にとって有利な特別遊技状態となったときに、特別図柄の変動開始から変動停止までの時間の中の任意の時間だけBGMの演奏を一時的に中断するように演奏機能を制御する演奏制御機能104とを実現させるものである。
【0161】
そして、テレビゲームコントローラやパソコン等のコンピュータ105に機能100〜104を実行させるものであり、コンピュータ105の画像モニタ106上に液晶表示装置4、始動入賞口6、大入賞口8等を含めた遊技盤3の全体の画像を写し出すと共に、発射ハンドル24のレバーに変わるキーボード上の特定キーや専用操作ボタン等からなる操作スイッチ107を操作しながら疑似遊技が楽しめるようになっている。
【0162】
この結果、家庭用ゲーム機等において遊技機と同様に、保留球があるときや始動入賞口6に遊技球が入賞した場合には、特別図柄の変動表示中と変動表示の終了から次の遊技の変動表示を開始するまでの間でBGMの演奏を継続するため、遊技の大半を占めるリーチに発展しない通常変動状態等であっても長い曲をBGMとして使用することができるとともに、曲のイントロばかりが繰り返し演奏されるのを防止することができ、飽きの来ない演出を行うことができる。
【0163】
また、判定機能103での判定結果が遊技者にとって有利な特別遊技状態、すなわち、「大当り」となったときに、継続されるべきBGMを特別図柄の変動開始から変動停止までの時間の中の任意の時間だけ一時的に中断するので、遊技者は「大当り予告」を聴覚で認識することができる。したがって、遊技者が常に意識することなく簡単に大当り予告を認識することができる。
【0164】
【発明の効果】
本発明によれば、遊技者が常に意識することなく簡単に大当り予告を認識することができるようにした遊技機およびシミュレーションゲームプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の正面外観図である。
【図2】一実施形態のパチンコ遊技機の斜視図である。
【図3】一実施形態の液晶表示装置の正面外観図である。
【図4】一実施形態の特別図柄を示す図である。
【図5】(a)は一実施形態の確変図柄を示す図、(b)は通常図柄を示す図である。
【図6】一実施形態のパチンコ遊技機の制御部の具体的構成を示すブロックである。
【図7】一実施形態の大当り判定テーブルを示す図である。
【図8】一実施形態の通常BGMの音符を示す図である。
【図9】図8に後続する通常BGMの音符を示す図である。
【図10】図9に後続する通常BGMの音符を示す図である。
【図11】一実施形態の確変用のBGMの音符を示す図である。
【図12】図11に後続する確変用のBGMの音符を示す図である。
【図13】一実施形態の時短用のBGMの音符を示す図である。
【図14】図13に後続する時短用のBGM音符を示す図である。
【図15】一実施形態のBGMの1フレーズの演奏時間、ループ部分の演奏時間、全フレーズの演奏時間を示す図である。
【図16】(a)は一実施形態の主制御回路から副制御回路に送信される信号と信号名(送信コマンド)の関係を示す図、(b)は送信信号、遊技状態、フラグの関係を示す図である。
【図17】一実施形態のメインCPUが実行する制御処理動作の手順を示すフローチャートである。
【図18】一実施形態の割込処理を示すフローチャートである。
【図19】一実施形態の特別図柄制御処理を示すフローチャートである。
【図20】一実施形態のBGM選択処理のフローチャートである。
【図21】一実施形態のBGM制御処理のフローチャートである。
【図22】図21に後続するBGM制御処理のタイミングチャートである。
【図23】一実施形態の通常遊技状態における消音報知制御処理のフローチャートである。
【図24】一実施形態の通常遊技状態における消音報知制御処理のタイミングチャートである。
【図25】一実施形態の確変モードまたは時短モードにおける消音報知制御処理のフローチャートである。
【図26】一実施形態の確変モードまたは時短モードにおける消音報知制御処理のタイミングチャートである。
【図27】本発明に係るシミュレーションゲームプログラムの一実施形態を示す図であり、そのブロック図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機(遊技機)
4 液晶表示装置(図柄表示手段)
31 メインCPU(判定手段)
33 メインRAM(記憶手段)
41 サブCPU(演奏制御手段)
46 音声制御部(演奏手段)
100 図柄表示機能
101 演奏機能
102 記憶機能
103 判定機能
104 演奏制御機能
Claims (6)
- 複数の特別図柄を変動表示した後に停止表示する図柄表示手段と、
BGM(Background Music)を演奏する演奏手段と、
前記特別図柄の変動表示中に始動入賞口に遊技球が入賞したときに前記遊技球を保留球として記憶する記憶手段と、
遊技者にとって有利な特別遊技状態とするか否かを判定する判定手段とを備えた遊技機において、
前記演奏手段を制御する演奏制御手段を設け、
前記演奏制御手段は、前記記憶手段に前記保留球が記憶された状態または前記特別図柄の変動中に前記始動入賞口に遊技球が入賞した場合には、前記図柄表示手段の前記特別図柄の変動表示中に演奏されるBGMを、前記特別図柄の変動表示の終了から次の遊技の変動表示を開始する間も継続して演奏するとともに、前記判定手段の判定結果が遊技者にとって有利な特別遊技状態となったときに、前記特別図柄の変動開始から変動停止までの時間の中の任意の時間だけ前記BGMの演奏を一時的に中断するように前記演奏手段を制御することを特徴とする遊技機。 - 前記演奏制御手段は、特別図柄の変動開始時から任意の時間だけ前記BGMの演奏を一時的に中断するように前記演奏手段を制御することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
- 前記演奏制御手段は、前記BGMの最後のフレーズが終了すると、所定のフレーズの先頭に戻って前記所定のフレーズの先頭から演奏を継続するように前記演奏手段を制御することを特徴とする請求項1または2記載の遊技機。
- 前記演奏制御手段は、前記記憶手段に前記保留球が記憶されていないとともに前記特別図柄が変動表示されていない状態から前記始動入賞口に遊技球が入賞して前記特別図柄の変動が開始されたときに、最初のフレーズから前記BGMの演奏を開始するように前記演奏手段を制御することを特徴とする請求項1〜3何れかに記載の遊技機。
- 前記演奏制御手段は、確変モードまたは時短モードでの遊技中にBGMの演奏を継続するとともに、前記判定手段の判定結果が遊技者にとって有利な特別遊技状態となったときに、前記任意の時間だけ前記BGMの演奏を一時的に中断するように前記演奏手段を制御することを特徴とする請求項1〜4何れかに記載の遊技機。
- コンピュータに、複数の特別図柄を変動表示した後に停止表示する図柄表示機能と、BGMを演奏する演奏機能と、前記特別図柄の変動表示中に始動入賞口に遊技球が入賞したときに前記遊技球を保留球として記憶する記憶機能と、遊技者にとって有利な特別遊技状態とするか否かを判定する判定機能と、前記記憶機能で前記保留球が記憶された状態または前記特別図柄の変動中に前記始動入賞口に遊技球が入賞した場合には、前記特別図柄の変動表示中に演奏されるBGMを、前記特別図柄の変動表示の終了から次の遊技の変動表示を開始する間も継続して演奏するとともに、前記判定機能での判定結果が遊技者にとって有利な特別遊技状態となったときに、前記特別図柄の変動開始から変動停止までの時間の中の任意の時間だけ前記BGMの演奏を一時的に中断するように前記演奏機能を制御する演奏制御機能とを実現させることを特徴とするシミュレーションゲームプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003069666A JP2004195184A (ja) | 2002-10-21 | 2003-03-14 | 遊技機およびシミュレーションゲームプログラム |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002305547 | 2002-10-21 | ||
JP2003069666A JP2004195184A (ja) | 2002-10-21 | 2003-03-14 | 遊技機およびシミュレーションゲームプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004195184A true JP2004195184A (ja) | 2004-07-15 |
Family
ID=32774454
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003069666A Pending JP2004195184A (ja) | 2002-10-21 | 2003-03-14 | 遊技機およびシミュレーションゲームプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004195184A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007222437A (ja) * | 2006-02-24 | 2007-09-06 | Olympia:Kk | 遊技機、プログラム及び記憶媒体 |
JP2009226106A (ja) * | 2008-03-25 | 2009-10-08 | Sankyo Co Ltd | 遊技機 |
JP2011142928A (ja) * | 2009-12-16 | 2011-07-28 | Daito Giken:Kk | 遊技台 |
JP2012228557A (ja) * | 2012-07-26 | 2012-11-22 | Sankyo Co Ltd | 遊技機 |
JP2016064220A (ja) * | 2015-12-21 | 2016-04-28 | 京楽産業.株式会社 | 遊技機 |
JP2017000519A (ja) * | 2015-06-12 | 2017-01-05 | 株式会社藤商事 | 遊技機 |
JP2019013555A (ja) * | 2017-07-07 | 2019-01-31 | サミー株式会社 | ぱちんこ遊技機 |
JP2019013559A (ja) * | 2017-07-07 | 2019-01-31 | サミー株式会社 | ぱちんこ遊技機 |
JP2020000541A (ja) * | 2018-06-28 | 2020-01-09 | 京楽産業.株式会社 | 遊技機 |
-
2003
- 2003-03-14 JP JP2003069666A patent/JP2004195184A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007222437A (ja) * | 2006-02-24 | 2007-09-06 | Olympia:Kk | 遊技機、プログラム及び記憶媒体 |
JP2009226106A (ja) * | 2008-03-25 | 2009-10-08 | Sankyo Co Ltd | 遊技機 |
JP2011142928A (ja) * | 2009-12-16 | 2011-07-28 | Daito Giken:Kk | 遊技台 |
JP2012228557A (ja) * | 2012-07-26 | 2012-11-22 | Sankyo Co Ltd | 遊技機 |
JP2017000519A (ja) * | 2015-06-12 | 2017-01-05 | 株式会社藤商事 | 遊技機 |
JP2016064220A (ja) * | 2015-12-21 | 2016-04-28 | 京楽産業.株式会社 | 遊技機 |
JP2019013555A (ja) * | 2017-07-07 | 2019-01-31 | サミー株式会社 | ぱちんこ遊技機 |
JP2019013559A (ja) * | 2017-07-07 | 2019-01-31 | サミー株式会社 | ぱちんこ遊技機 |
JP2020000541A (ja) * | 2018-06-28 | 2020-01-09 | 京楽産業.株式会社 | 遊技機 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2004188160A (ja) | 遊技機およびシミュレーションゲームプログラム | |
JP2004195185A (ja) | 遊技機およびシミュレーションゲームプログラム | |
JP2004065755A (ja) | 遊技機 | |
JP2004147725A (ja) | 遊技機およびシミュレーションゲームプログラム | |
JP5307562B2 (ja) | 遊技機 | |
JP5968406B2 (ja) | 遊技機 | |
JP2006094975A (ja) | 遊技機、並びにプログラム | |
JP2004195184A (ja) | 遊技機およびシミュレーションゲームプログラム | |
JP2005237536A (ja) | 遊技機 | |
JP2004065861A (ja) | 遊技機 | |
JP2024019321A (ja) | 遊技機 | |
JP2024015311A (ja) | 遊技機 | |
JP2004166904A (ja) | 遊技機およびシミュレーションゲームプログラム | |
JP6063913B2 (ja) | 遊技機 | |
JP2002355363A (ja) | 遊技機、遊技機用プログラム、及び遊技機用プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 | |
JP2019069363A (ja) | 弾球遊技機 | |
JP2009291651A (ja) | 弾球遊技機 | |
JP2008110227A (ja) | 遊技台 | |
JP2007159698A (ja) | パチンコ遊技機 | |
JP2002272917A (ja) | 遊技機 | |
JP2003164611A (ja) | 遊技機 | |
JP2004188161A (ja) | 遊技機およびシミュレーションゲームプログラム | |
JP6653682B2 (ja) | 遊技機 | |
JP2004166729A (ja) | 遊技機 | |
JP2007029392A (ja) | 遊技機 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051028 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080902 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090106 |