JP2004194656A - (1s,4r)−(−)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルエステルの製造法 - Google Patents

(1s,4r)−(−)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルエステルの製造法 Download PDF

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Abstract


【課題】 (1S,4R)−(−)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルエステルの製造法の提供。
【解決手段】 (1S,4R)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルエステルの製造法であって、
(a)シス−シクロペンタ−1−エン−3,5−ジオール、またはラセミ性の、または部分的に分割された4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルエステルを適当なエステル供与体と、Alcaligenes sp.から得たリパーゼの存在下で反応させる工程、
(b)生成物(1S,4R)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルエステルを回収し、精製する工程
を含んでなる方法。この反応は好ましくは温度10℃〜室温で行う。
【選択図】 なし

Description

本発明は、(1S,4R)−(−)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルエステル、好ましくは(1S,4R)−(−)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルアセテートおよび(1S,4R)−(−)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルプロピオネート、およびその誘導体の新規な製造法に関するものである。
(1S,4R)−(−)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルアセテートは、プロスタグランジンおよび他のシクロペンタエノイド製品の製造に非常に有用な合成原料(synthon)であることが確認されている(非特許文献1(M. Nara ら, Tetrahedron 36 (1980) 3161)、非特許文献2(M. Harre ら, Angew. Chemie 94 (1982) 480-496)、非特許文献3(Johnson CR. ら, J. Am. Chem. Soc, 115, 11014-11015, (1993)))。その結果、この材料を製造するための数多くの方法が多年にわたって開示されている。これらの方法の多くが酵素、特にエステラーゼおよびリパーゼ、の選択能力を利用し、好ましい鏡像異性体を認識し、優先的に製造している。
必要とされる化合物への2つの関連する酵素経路が開示されている。第一に、酵素を利用し、Deardorffら(非特許文献4(Tetrahedron Letters 26, (46), pp 5615-5618 (1985)))により開示された方法により容易に製造できるシス−3,5−ジアセトキシシクロペンタ−1−エンを選択的に加水分解することができる。Laumen ら(非特許文献5:Tetrahedron Letters, 25, (51), pp 5875-5878 (1984))は、多くの酵素を精査し、それらの選択性を確認している。特許文献1(US−A−4,618,690明細書)には、ブタ肝臓エステラーゼによる例が開示されているが、そこでは出発シス−3,5−ジアセトキシシクロペンタ−1−エンに対する必要な鏡像異性体の収率86%が得られているが、eeは66%に過ぎない。1回の結晶化でeeを86%に増加させ、その後の再結晶化で恐らくさらに高くすることが可能であるが、これには収率を著しく下げる恐れがある。ブタ肝臓エステラーゼの商業的製剤は変異体の混合物であることは公知であり、単一のクローニングされ、発現した変異体を使用することにより、選択性はさらに高くなるであろう。最近の特許文献2(US−A−6,448,051明細書)には、シス−3,5−ジアセトキシシクロペンタ−1−エンの加水分解で高い選択性を示し、4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルアセテートの必要な鏡像異性体を産生するTrichosporon spの一連の微生物が記載されている。80%を超える収率が記載されているが、この製法は最良の場合で全細胞を細胞バイオマス1部対基質1部の比で使用し、生体変換(biotransformation)における生成物の濃度は1%未満である。このため、並びに場合によりエマルジョン問題を引き起こすことが知られている生物学的水溶液からの生成物抽出の問題のため、量的な収率は低い。上記の製法が化学工場における大規模製造に適しているとは思われない。
酵素を使用してシス−シクロペンタ−1−エン−3,5−ジオール(「シス−ジオール」)を選択的にアセチル化する第二の方法も数多く開示されている。この材料は、簡単なけん化によりシス−3,5−ジアセトキシシクロペンタ−1−エンから容易に製造することができる。この方法に関わる問題の一つは、今日まで確認されている酵素はすべて、シス−ジオールからの(1S,4R)−(−)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルアセテートの形成における選択性が低く、(4S,1R)鏡像異性体も大量に形成されることである。しかし、これらの酵素による(4S,1R)/(1S,4R)−(−)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルアセテート混合物のさらなるエステル化は選択性がはるかに高く、従って、高ee生成物を、副生成物であるシス−3,5−ジアセトキシシクロペンタ−1−エンとの混合物として得ることができる。今日まで発表されている文献では、この混合物はクロマトグラフィーを使用して分離される。次いで無論、シス−3,5−ジアセトキシシクロペンタ−1−エン副生成物を循環使用することができる。Theilのグループは、パンクレアチン/ブタ膵臓リパーゼで広範囲な研究を行っているが、この生体変換用にMucor sp.(社内株)、Pseudomonas sp. (Amano PS)、Lipozyme (Mucor miehi)およびCandida sp. (382)から得た酵素も精査している(非特許文献6(Theil F. ら, Tetrahedron, 47, pp7569-82, (1991))、特許文献3(旧東ドイツ特許公報DD264707明細書)、特許文献4(旧東ドイツ特許公報DD290663明細書)、特許文献5(旧東ドイツ特許公報DD293136明細書)および特許文献6(旧東ドイツ特許公報DD290662各明細書)。Mucor sp.による生体変換では良好な結果がee94%および収率85%で得られているが、この生体触媒材料は、商業的に容易に入手できるものではなく、良好な反応速度を得るには高濃度の酵素が必要であった。例えば、開示されている反応では、反応を4時間で完了させるために、出発物質のシス−シクロペンタ−1−エン−3,5−ジオールに対して5倍量過剰の酵素製剤が必要であった。Jommi G. ら(非特許文献7:Gazetta Chimica, Italiana 118, pp863-864 (1988))およびGhorpade SR. et ら(非特許文献8:Tetrahedron Asymmetry, 10, pp891-899 (1999))も、類似のエステル交換反応でリパーゼを使用する(1S,4R)−(−)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルアセテートへの経路を開示しているが、前者の場合では収率が低く、後者の場合には非常に高い酵素対基質の比が必要であり、経済性に乏しい。Johnson CR ら(非特許文献9:Tetrahedron Letters, 33 (48), pp7287-7290, (1992))は、Candida antartica(タイプB)酵素を使用する生体変換を開示しているが、そこでは単離後、3日間の生体変換から生成物(ee98%)を収率48%で得ている。
US−A−4,618,690明細書 US−A−6,448,051明細書 旧東ドイツ特許公報DD264707明細書 旧東ドイツ特許公報DD290663明細書 旧東ドイツ特許公報DD293136明細書 旧東ドイツ特許公報DD290662明細書 Tetrahedron 36 (1980) 3161 Angew. Chemie 94 (1982) 480-496 J. Am. Chem. Soc, 115, 11014-11015, (1993) Tetrahedron Letters 26, (46), pp 5615-5618 (1985) Tetrahedron Letters, 25, (51), pp 5875-5878 (1984) Tetrahedron, 47, pp7569-82, (1991) Gazetta Chimica, Italiana 118, pp863-864 (1988) Tetrahedron Asymmetry, 10, pp891-899 (1999) Tetrahedron Letters, 33 (48), pp7287-7290, (1992)
上記のことから、この重要な合成原料の製造法を開示する重要な研究および文献が発表されているが、その製造に関して経済的な工業的製法を確立するには、なお障害があることは明らかである。収率が低いか、酵素の必要量が多いか、または容易に入手できないか、あるいは生成物のタイターが低い。さらに、形成されたすべてのシス−3,5−ジアセトキシシクロペンタ−1−エンから(1S,4R)−(−)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルアセテート生成物を分離するためにクロマトグラフィーを大規模に使用することは、幾つかの工程で良好な回収率を得る可能性はあるが、経費がかかり、大きな規模では魅力が無い。本発明の課題は、(1S,4R)−(−)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルエステル、特に(1S,4R)−(−)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルアセテートおよびプロピオネート、を製造するための、経済的で、容易に化学工場規模で実施でき、公知の製法の欠点を解決する方法を提供することである。
本発明は、この課題を解決する、(1S,4R)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルエステルの製造法であって、
(a)シス−シクロペンタ−1−エン−3,5−ジオール、またはラセミ性の、または部分的に分割された4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルエステルを適当なエステル供与体と、Alcaligenes sp.から得たリパーゼの存在下で反応させる工程、
(b)生成物(1S,4R)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルエステルを回収し、精製する工程
を含んでなる方法に関するものである。
驚くべきことに、シス−シクロペンタ−1−エン−3,5−ジオールをエステル交換し、(1S,4R)−(−)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルのアセテートまたはプロピオネートおよびその誘導体を良好な収率並びに高eeで製造する最良の市販リパーゼ酵素製剤の一種がAlcaligenes sp.から製造された製剤であることが分かった。その様な製剤は、名糖産業株式会社(日本国)、から、例えばLipase QL(商品名)または固定化された同等品のLipase QLC(商品名)およびLipase QLG(商品名)として、あるいはRoche Molecular Biochemicals (独国マンハイムD-68305)から、例えば製品Chirazyme L-10(商品名)として、またはEuropa Bioproducts Ltd., (Europa House, 英国ケンブリッジ州 Ely, Wicken, 15-17 North Street)の様な商社を通して、例えばEU032として容易に入手できる。
本発明では、リパーゼは遊離の形態でも、担体材料、例えばセラミック粒子またはケイソウ土(ただし、これらに限定するものではない)、の上に固定化した形態でも使用することができる。また、例えばAlcaligenes sp.選択性リパーゼの精製、添加剤添加、組換え体発現、または発酵媒体に対する修飾により得られたこの酵素の代替処方物も使用できる。
他の酵素に関して記載されている様に、この種から得られるリパーゼは、出発シス−ジオールのエステル交換反応における選択性が比較的乏しく、必要とする(1S,4R)鏡像異性体を(1R,4S)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルアセテートに対して約4:1の比で形成する。しかし、生体変換が進むにつれて、この酵素は、好ましくない鏡像異性体をさらにエステル化してシス−3,5−ジアセトキシシクロペンタ−1−エンを形成する選択性が高くなる。この高選択性は、必要な(1S,4R)鏡像異性体のさらなるエステル化および収率の低下を最少に抑える上で重要である。良好な選択性と共に、この酵素は生体変換条件下で良好な活性を有し、生成物を高い体積濃度で形成することができる。
上記の文献に記載されている様に、この酵素に一連の溶剤系を使用できるが、溶剤として低分子量ケトン、例えばアセトン、イソブチルメチルケトンまたはメチルエチルケトン、を、エステル供与体として酢酸ビニルまたはプロピオン酸ビニルと組み合わせて使用した場合に最適の選択性が得られることが分かった。生体変換は、製造業者により推奨される温度範囲で行うことができるが、低温、例えば10℃〜室温、好ましくは10〜15℃で、酵素の使用量を過度に増加せずに、選択性が改善されることが分かった。
生体変換は(1S,4R)/(1R,4S)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルエステル混合物の分割における選択性が高いので、その様な生体変換を高ee、例えば>90%、より好ましくは>95%ee、に達するまで行い、結晶化での損失を最少に抑えることが明らかに有利である。
生体変換の後、酵素は濾過により非常に簡単に除去することができる。これに関して、濾過助剤、例えばCelite(商品名)、を添加すると容易に除去することができる、あるいは固定化された酵素製剤、例えばLipase QLG(商品名)またはLipase QLC(商品名)を使用することができる。
溶剤をストリッピングした後、残留オイルは典型的には、GC面積百分率で約20〜30%のシス−3,5−ジアセトキシシクロペンタ−1−エンを含む。この汚染物は数回の再結晶により除去できるが、収率が低くなる。しかし、オイルを水溶液に再分散させ、続いてアルカン溶剤、例えばヘプタン、で抽出することにより、シス−3,5−ジアセトキシシクロペンタ−1−エンを優先的に効率良く除去することができる。
水溶液のイオン強度を変えることにより、シス−3,5−ジアセトキシシクロペンタ−1−エンおよび生成物である(1S,4R)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルアセテートのヘプタン相中への分配比率を最適化することができる。水相からの逆抽出は、ジクロロメタン(または他の適当な溶剤)で抽出することにより、容易に達成される。本発明の好ましい例では、生成物を含むオイルを0.2〜0.3Mクエン酸一ナトリウム中に再分散させ、等体積のヘプタンで抽出することによりシス−3,5−ジアセトキシシクロペンタ−1−エンを除去する。シス−3,5−ジアセトキシシクロペンタ−1−エンを効果的に抽出するには、約3回の抽出が必要であるが、最適化に応じてそれより多くても少なくてもよい。次いで生成物を等体積のジクロロメタンで抽出することにより、水相から単離する。良好な抽出には約3回の抽出が必要であるが、抽出はそれより多くても少なくてもよい。水で抽出する工程は、シス−3,5−ジアセトキシシクロペンタ−1−エンの除去に有用であると共に、生体変換/濾過を通して持ち込まれる可能性がある酵素を除去するのに効果的である。これに関して、使用するクエン酸塩溶液より与えられる低いpHは、溶液中に残存しているリパーゼの加水分解活性も停止することが期待される。その様な活性は、この抽出工程の際の生成物のeeおよび収率を下げることがある。
ジクロロメタンまたは類似の適当な溶剤による抽出に続いて、すでに説明した様に、溶剤をストリッピングし、エーテルまたはエーテル:アルカン混合物、例えばジ−イソ−プロピルエーテル:ヘプタン混合物、から結晶化させることにより、生成物が非常に簡単に単離される。
諸例
例1 Alcaligenes sp.リパーゼおよび固定化したCandida antarcticaリパーゼの比較
Candida antarcticaから得た固定化したリパーゼ(Europa Bioproductsから得た#EU085)およびAlcaligenes sp.から得たリパーゼ(Europa Bioproductsから得た#EU032、名糖産業株式会社 Lipase QL(商品名)と同等)を、それらのシス−シクロペンタ−1−エン−3,5−ジオール(「シス−ジオール」)の非対称性エステル交換反応に関して、酢酸ビニルを使用して試験した。
これらの反応はすべてガラスビン(容量約5ml)中、振とう機(260〜280rpm)上で室温で行った。使用量および4時間の生体変換後の結果を表1に示す。生成物の%はGC面積%により計算し、eeは、シクロデキストリンB偏光性カラム−Supelco Beta Dex 120、長さ30m、内径0.25mm、初期温度80℃10分間、昇温速度5℃/分、最終温度160℃16分間、に直接注入することにより、2種類の鏡像異性体の分離により決定する。(1R,4S)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルアセテートの保持時間は28.6分間であり、生成物である(1S,4R)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルアセテートの保持時間は28.9分間である。
Figure 2004194656
例2 様々な溶剤によるAlcaligenes sp.の他の試験
例1に記載する方法と類似の方法を使用し、様々な溶剤を室温における生体変換で試験した。結果を表2に示す。
Figure 2004194656
例3 Alcaligenes sp.リパーゼの固定化した製剤の使用
例1および2に記載する方法と類似の方法を使用し、市販の固定化したAlcaligenes sp.リパーゼ製剤を試験した。Lipase QLC(商品名)は、セラミック粒子上に固定化したリパーゼであり、Lipase QLG(商品名)は、ケイソウ土上に固定化したリパーゼである。結果を表3に示す。
Figure 2004194656
例4 Alcaligenes sp.リパーゼを使用する大規模な生体変換
下記の生体変換を攪拌機を備えた800mlの水ジャケット付きガラス製容器中で設定した。
Lipase QL 1.81g
シス−シクロペンタ−1−エン−3,5−ジオール 36g(少量の異性体を含む)
酢酸ビニル 68ml
アセトン 230ml
温度 13.5℃
345分後にゆっくり攪拌し、粉末を十分に分散させた。GC分析は、
(1S,4R)−(−)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルアセテート75%GC面積%(この3.5%は他の異性体である)、ee96%、および副生成物シス−3,5−ジアセトキシシクロペンタ−1−エン25%を示した。
例5 (1S,4R)−(−)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルアセテートをシス−3,5−ジアセトキシシクロペンタ−1−エンから分離
例4における生体変換から得た物質をストリッピングし、少量の4MNaOHを加えてpH4.1に調節した0.2Mクエン酸一ナトリウム200ml中に入れた(室温)。次いで、この溶液をヘプタン200mlで3回抽出した後、水相をジクロロメタン200mlで3回抽出した。ヘプタンおよびジクロロメタン相の分析により
ヘプタン相: 4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルアセテート 6%(GC面積)
シス−3,5−ジアセトキシシクロペンタ−1−エン 94%
ジクロロメタン相:4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルアセテート 92%(GC面積)(異性体を含む)
シス−3,5−ジアセトキシシクロペンタ−1−エン 5%
ジクロロメタンをストリッピングし、ジイソプロピルエーテル1部とヘプタン0.4部からなる2成分溶剤系から結晶化することにより、(1S,4R)−(−)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルアセテートの結晶を、偏光性GCによるee>99%および>99%純度で得た。この物質のクロロホルム中1%溶液の旋光測定により、−68.5°(λ=589nm)の値が得られた。
例6 シス−シクロペンタ−1−エン−3,5−ジオールから(1S,4R)−(−)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルアセテートの製造
下記の条件を使用して生体変換を設定した。
Lipase QL(商品名) 300mg
シス−シクロペンタ−1−エン−3,5−ジオール 5.53g(98.7%純粋、GC)
酢酸ビニル 10ml
アセトン 35ml
温度10℃で攪拌しながら、6時間後、Celite Hyflo(商品名)1.4gを加え、溶液をさらに5分間攪拌した。次いで、溶液を濾過し、溶剤をストリッピングした。残留オイルに0.25Mクエン酸一ナトリウム35mlを加えた。この溶液をヘプタン35mlで合計3回抽出した。次いで生成物を水相からジクロロメタン35mlで合計3回抽出した。各有機抽出後に相を少量(1ml)の水で逆洗浄し、塩の持ち越しを最少に抑えた。次いで生成物を結晶化し、合計4.93gの(1S,4R)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルアセテートを純度98%、ee>96%で得た(出発材料に対する収率63%)。分析結果も、生成物の約90%がジクロロメタン相中に回収され、約80%のシス−3,5−ジアセトキシシクロペンタ−1−エンがヘプタン相中に除去されたことを示していた。
例7 (1S,4R)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルプロピオネートの製造
酢酸ビニルの代わりにプロピオン酸ビニルを使用することにより、上記の例に記載した方法および酵素を使用して(1S,4R)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルアセテートの代わりに(1S,4R)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルプロピオネートを製造することができる。下記の反応混合物をガラスビン中で振とうしながら室温で設定した。
シス−シクロペンタ−1−エン−3,5−ジオール 65mg
Lipase QL(商品名) 4.9mg
アセトン 0.4ml
プロピオン酸ビニル 0.14ml
様々な時間で採取した試料のGCによる分析で、下記の結果が得られた。
Figure 2004194656
230分後、酵素を遠心分離により除去し、溶剤をストリッピングした。得られたオイルに0.25Mクエン酸一ナトリウム0.5mlを加えた。次いで、プロピオン酸4−プロピオニルオキシ−シクロペンタ−2−エニルエステルをヘプタン0.5mlで抽出することにより除去した。4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルプロピオネートは、メチルtert-ブチルエーテルで抽出することにより水相から単離した。次いで、オイルから溶剤をストリッピングし、4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルプロピオネート96%、プロピオン酸4−プロピオニルオキシ−シクロペンタ−2−エニルエステル4%(GC面積%で)を含む生成物を得た。この物質の、クロロホルム中、c=0.9における旋光測定により、−46°の値が得られた。これをTheil F et al. (Theil F et al., Liebs Ann. Chem., pp195-200, (1991))により(1S,4R)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルプロピオネートに関して報告されているクロロホルム中、c=1における−56.7°の値と比較することにより、配置が確認された。

Claims (9)

  1. (1S,4R)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルエステルの製造法であって、
    (a)シス−シクロペンタ−1−エン−3,5−ジオール、またはラセミ性の、または部分的に分割された4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルエステルを適当なエステル供与体と、Alcaligenes sp.から得たリパーゼの存在下で反応させる工程、
    (b)生成物(1S,4R)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルエステルを回収し、精製する工程
    を含んでなる、方法。
  2. 前記反応が温度10℃〜室温で行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記Alcaligenes sp.リパーゼが遊離の形態または担体材料上に固定された形態で使用される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記反応が、溶剤として低分子量ケトン中で行われる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 溶剤としてアセトン、イソブチルメチルケトンまたはメチルエチルケトンが使用される、請求項4に記載の方法。
  6. エステル供与体として酢酸ビニルまたはプロピオン酸ビニルが使用される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記Alcaligenes sp.リパーゼが、名糖産業株式会社のLipase QL(商品名)またはLipase QLM(商品名)、またはRoche のChirazyme L-10(商品名)であるか、または精製または固定化によりこれらの製剤から得られる材料である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 生体変換がee>95%まで行われる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. (1S,4R)−4−ヒドロキシシクロペンタ−2−エニルエステルを生体触媒の濾過により回収し、溶剤をストリッピングして除去し、残留オイルを水溶液中に再分散させ、アルカン溶剤で抽出することによりシス−3,5−ジアセトキシシクロペンタ−1−エンを除去する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
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