JP2004194363A - 駆動装置及びアクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】発熱や環境変化等に対する周波数の安定性等に問題が生じることなく、簡易な構成で、且つ高い精度で駆動電圧の駆動周波数を調整することのできる駆動装置及びアクチュエータを提供する。
【解決手段】発振器702の発振信号を分周比Nで分周する分周器703と、分周器703から出力される信号を逓倍比Mで逓倍する逓倍部704と、速度センサ部500からの速度情報に基づいて、圧電素子100,100’が所定の動作状態となるように分周比N及び逓倍比Mの少なくとも一方を調整する設定部707とを備え、圧電素子100,100’を駆動する駆動電圧の所望の駆動周波数を得るようにした。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電圧の印加による圧電素子の伸縮動作を利用して、被駆動部材を駆動する駆動装置及びアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、交差する複数の圧電素子と、各圧電素子の交差側の端部に取り付けられた変位合成部としてのチップ部材と、上記各圧電素子の反対側の端部を支持する支持部材とを有し、一又は複数の圧電素子に駆動電圧を印加して該圧電素子を振動(変位)させることにより、各圧電素子の変位がチップ部材により合成され、これにより、チップ部材が円運動や楕円運動等の所定の運動を行い、この運動によって駆動対象物を所定の方向に駆動する圧電アクチュエータが広く知られている(特許文献1参照)。
【0003】
一般に、圧電素子は、その構造(弾性率、質量)や電気的特性により決定される固有の共振周波数を有し、交流の駆動電圧の周波数(以下、駆動周波数という)が圧電素子の共振周波数と一致すると、インピーダンスが低下することにより圧電素子の変位が大きく増加する。圧電素子は、その外形寸法に対して変位が小さいため、特に低い駆動電圧で駆動する場合には、この共振現象を利用するのが好ましい。
【0004】
しかしながら、この種の圧電アクチュエータにおいては、特に上記の共振現象を利用して圧電素子を駆動しようとする場合、圧電素子が共振状態となる駆動周波数の範囲が狭く、駆動周波数の設定精度が要求される。また、機械的な付加の変動や発熱、あるいはアクチュエータの周囲の温度等の環境の変化に応じて最適な駆動周波数も変動する。
【0005】
そこで、近年では、例えば、圧電素子に流れる電流を検出して、その検出電流の位相や振幅を所定の値になるように調整する方法や、あるいは、アクチュエータの出力を検出して、その出力を所定の値となるように調整する方法により、リアルタイムで圧電素子に印加する駆動電圧の駆動周波数を最適値に設定する技術が実用化されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−139086号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、圧電素子に所望の駆動周波数の駆動電圧を印加する場合に、従来では、MPU(microprocessor unit)の発振周波数の信号を分周器で分周することで、あるいは電圧制御発振器(VCO,Voltage Controlled Oscillator)等の専用の発振器を用いることで、その駆動周波数の駆動電圧を得るようにしていた。
【0008】
ところが、MPUの発振周波数の信号を単に分周することで所望の駆動周波数の駆動電圧を得る前者の方法では、MPUの発振周波数の信号を生成する発信源を兼用することができるが、圧電素子の制御を行うのに十分なMPUを用いると、比較的低周波で駆動しているため、駆動周波数の調整の幅(以下、調整分解能という)が比較的大きくなる場合がある。この場合、上記発振周波数を高く設定することで、必要な調整分解能を得ることは可能であるが、比較的高い発振周波数で動作するMPUは一般的に高価であるとともに、上記圧電素子の駆動周波数の調整動作以外の動作を行う上ではその性能が過剰である場合も多く、また、サイズも大型化することとなる。
【0009】
また、電圧制御発振器等の専用の発振器を用いることで所望の駆動周波数の駆動電圧を得る後者の方法では、比較的高価な電圧制御発振器を用いると、圧電アクチュエータのコストアップや構成の複雑化を招来し、安価な電圧制御発振器を用いると、当該発振器の発熱や環境変化等に対する周波数の安定性等に問題が生じる。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、発熱や環境変化等に対する周波数の安定性等に問題が生じることなく、簡易な構成で、且つ高い精度で駆動電圧の駆動周波数を調整することのできる駆動装置及びアクチュエータを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、電気機械変換素子と、所定の周波数を有する基準信号を出力する基準信号出力手段と、前記基準信号出力手段から出力される基準信号を所定の分周比で分周する分周手段と、前記分周手段で分周した信号を所定の逓倍比で逓倍し、その周波数で前記電気機械変換素子に交流電圧を印加する逓倍手段と、前記電気機械変換素子が所定の動作状態となるように前記分周比及び逓倍比の少なくとも一方を調整する制御手段とを備えたことを特徴とする駆動装置である。
【0012】
この発明によれば、基準信号出力手段により所定の周波数を有する基準信号が出力されると、分周手段によりその基準信号が所定の分周比で分周される。また、逓倍手段により分周手段で分周した信号が所定の逓倍比で逓倍され、その周波数で前記電気機械変換素子に交流電圧が印加される。そして、制御手段により、前記電気機械変換素子が所定の動作状態となるように前記分周比及び逓倍比の少なくとも一方が調整される。
【0013】
従来のように、基準信号出力手段の周波数fg(以下、発振周波数fgという)の信号を単に分周比Naで分周することで所望の周波数fdaの駆動電圧を得る(以下、電気機械変換素子に印加する交流電圧の周波数を駆動周波数という)ものとすると、駆動周波数fdは、
fda=(1/Na)×fg ・・・(1)
となる。なお、分周比Naは、発振周波数fgに対して所望の駆動周波数fdaに近い値が得られるように決定される。
【0014】
ここで、駆動周波数fdaの調整を式(1)における分周比Naを変化させて行うものとすると、駆動周波数fdaの分解能Δfdaは、式(1)において、Naについて微分を行うことで得られる。すなわち、
Δfda=(−ΔNa/Na)×fg ・・・(2)
となる。
【0015】
式(1)と式(2)とから、
Δfda=(−ΔNa/Na)×fd ・・・(3)
となる。
【0016】
分周比Naを1ずつ変化させる(ΔNa=1)ものとすると、式(3)は、
Δfda=(−1/Na)×fd ・・・(4)
となる。
【0017】
この式(4)によれば、駆動周波数fdaを高い精度で調整可能とすべく該駆動周波数fdaの分解能Δfdaを小さくするには、分周比Naを大きくするか、あるいは発振周波数fgを大きくする必要があるが、分周比Naを大きくした場合には、式(1)から駆動周波数fdaが小さくなり所望の出力が得られなくなる。また、発振周波数fgを大きくする、延いては、比較的高い発振周波数で動作するMPUを採用すると、上述したように、駆動装置のコストアップや大型化を招来するという問題が発生することとなる。
【0018】
これに対し、本発明によれば、分周手段の分周比をNb、逓倍手段の逓倍比をMとすると、基準信号出力手段からの発振周波数fgの信号を、分周手段により分周比Nbで分周し、その信号を逓倍手段により逓倍比Mで逓倍するから、駆動周波数fdbは、
fdb=(M/Nb)×fg ・・・(5)
となる。なお、従来の場合と同様に、分周比Nbは、発振周波数fgに対して所望の駆動周波数fdbに近い値が得られるように決定される。駆動周波数fdbの調整は、式(5)の分周比Nb及び逓倍比Mの少なくとも一方を変化させて行うことができる。
【0019】
今、逓倍比Mを定数とし、駆動周波数fdbの調整を、分周比Naを変化させて行うものとすると、駆動周波数の分解能Δfdbは、上式(5)において、Nbについて微分を行うことで得られる。すなわち、
Δfdb=(−ΔNb/Nb)×M×fg ・・・(6)
となる。
【0020】
式(5)と式(6)とから、
Δfdb=(−ΔNb/Nb)×fd ・・・(7)
となる。
【0021】
分周比Nbを1ずつ変化させる(ΔNb=1)ものとすると、式(7)は、
Δfdb=(−1/Nb)×fd ・・・(8)
となる。
【0022】
この式(8)によれば、駆動周波数fdbの分解能Δfdbは、逓倍比Mに関らず、分周比Nbのみで決定する。
【0023】
式(1)と式(5)とにより、分周比Naと分周比Nbとの関係は、
Nb=M×Na ・・・(10)
となるから、この関係を用いると、式(9)と式(10)とにより、
Δfdb=(−1/M×Na)×fd
=Δfda×(1/M)・・・(9)
となり、分解能Δfdbを、従来の分解能Δfdaよりも逓倍比Mだけ細かく設定することができる。
【0024】
すなわち、電気機械変換素子に印加する交流電圧の周波数を高い精度でリアルタイムに調整することができる。
【0025】
請求項2に記載の発明は、電気機械変換素子と、所定の周波数を有する基準信号を出力する基準信号出力手段と、前記基準信号出力手段から出力される基準信号を、前記電気機械変換素子の共振周波数と略一致する周波数の高調波を含むように所定の分周比で分周し、その周波数で前記電気機械変換素子に交流電圧を印加する分周手段と、前記電気機械変換素子が所定の動作状態となるように前記分周比を調整する制御手段とを備えたことを特徴とする駆動装置である。
【0026】
この発明によれば、基準信号出力手段により所定の周波数を有する基準信号が出力されると、分周手段によりその基準信号が所定の分周比で分周される。その際、上記基準信号は、分周手段により電気機械変換素子の共振周波数と略一致する周波数の高調波を含むように所定の分周比で分周され、その高調波の周波数で前記電気機械変換素子に交流電圧が印加される。また、制御手段により、前記電気機械変換素子が所定の動作状態となるように前記分周比が調整される。
【0027】
このように、基準信号を、電気機械変換素子の共振周波数と略一致する周波数の高調波を含むように所定の分周比で分周し、この高調波の周波数で電気機械変換素子に交流電圧を印加するようにしたので、請求項1に記載の発明のように逓倍手段を設ける場合と同様の精度で、電気機械変換素子に印加する交流電圧の周波数をリアルタイムに調整することができる。
【0028】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の駆動装置において、前記基準信号出力手段は、当該駆動装置に備えられるマイクロコンピュータに発振信号を出力する発振手段であることを特徴とすることを特徴とする。
【0029】
この発明によれば、基準信号を、当該駆動装置に備えられるマイクロコンピュータに発振信号を出力する発振手段から得るようにしたので、電圧制御基準信号出力手段等の専用の基準信号出力手段を用いることで所望の駆動周波数の駆動電圧を得る従来の構成のように、圧電アクチュエータのコストアップや構成の複雑化、及び発熱や環境変化等に対する周波数の安定性等に問題が発生するのを抑制することができる。
【0030】
請求項4に記載の発明は、複数の電気機械変換素子と、前記各電気機械変換素子の基端部を固定する固定部材と、前記複数の電気機械変換素子のうち少なくとも一の電気機械変換素子を駆動する請求項1ないし3のいずれかに記載の駆動装置と、前記各電気機械変換素子の先端部に共通して配設され、前記各電気機械変換素子の変位を合成して所定の運動を行う変位合成部材と、前記変位合成部材を被駆動部材に加圧する加圧部材とを備えてなるアクチュエータである。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明に係る圧電アクチュエータの一実施形態について説明する。
【0032】
図1に示すように、圧電アクチュエータ10は、2つの圧電素子(積層型の第1圧電素子及び第2圧電素子)100,100’と、第1、第2圧電素子100,100’の交差側端部に取り付けられたチップ部材200と、第1、第2圧電素子100,100’の他端部に取り付けられたベース部材300とを備えている。本実施形態に係る圧電アクチュエータ10にあっては、第1圧電素子100及び第2圧電素子100’に駆動電圧を印加して該圧電素子100,100’を振動(変位)させる。これにより、チップ部材200に特定の運動を行わせて一駆動対象のロータRを、回転軸Aを中心として、例えば矢印βの方向に回転駆動するように構成されている。
【0033】
2つの圧電素子(積層型の第1圧電素子及び第2圧電素子)100,100’は略直角に交差させて配置されており、チップ部材200はそれらの交差側端部に接着剤で接合されているとともに、第1圧電素子100及び第2圧電素子100’の他端部は、ベース部材300に接着剤で接合された構成とされている。
【0034】
次に、第1圧電素子100及び第2圧電素子100’の構成について説明する。なお、第1圧電素子100と第2圧電素子100’とは略同様の構成を有するので、第1圧電素子100の構成について説明する。
【0035】
図2は、第1圧電素子100の構成を示す図である。
【0036】
図2に示すように、圧電素子100は、PZT等の圧電特性を示す複数のセラミック薄板101と電極102,103とを交互に積層したものであり、各セラミック薄板101と電極102,103とは接着剤により固定されている。なお、圧電素子100の両端部には、保護層104が設けられている。
【0037】
圧電素子100において、駆動電源Vp(図3参照)を用いて、1つおきに配置された各電極群102,103に、それぞれ信号線105,106を介して所定の電圧が印加された場合、電極102と電極103とに挟まれた各セラミック薄板101には、その積層方向に電界が発生し、その電界は1つおきに同じ方向となる(隣り合う2つのセラミック薄板101の分極方向は逆となる)。
【0038】
駆動電源Vpを用いて交流の駆動電圧(交流信号)を電極102,103に印加すると、その電界に応じて各セラミック薄板101は同方向に伸縮を繰り返し、圧電素子100全体として伸縮を繰り返す。
【0039】
第1圧電素子100と第2圧電素子100’とに、所定の位相差を有する駆動電圧を印加すると、圧電素子100,100’は、所定の位相差をもって振動する。その結果、互いに直交する独立した2つの運動を合成すると、その交点は楕円運動の式(Lissajousの式)に従った軌跡を描くことから、第1圧電素子100と第2圧電素子100’の交点に設けられたチップ部材200は、第1圧電素子100と第2圧電素子100’の振動の振幅を等しくし、上記位相差を所定値にすると、楕円を描く。
【0040】
図1に戻り、加圧機構400は、コイルスプリング410とエアシリンダ等からなる加圧部420とを備え、コイルスプリング410の一端が上記ベース部材300の背面略中央部に取り付けられているとともに、他端が加圧部420に連結され、加圧部420の加圧力がコイルスプリング410を介してロータRに伝達されるようになっている。これにより、ロータRが回転したときには、ロータRとチップ部材200との接触部分において、駆動方向と反対方向に所定の摩擦力が発生するようになっている。
【0041】
速度センサ部500は、ロータRの回転速度を検出するものである。
【0042】
図3は、本実施形態における圧電アクチュエータ10のブロック図である。
【0043】
圧電アクチュエータは、圧電素子100,100’、速度センサ部500、駆動回路部600及び制御部700を有してなる。
【0044】
圧電素子100,100’は、図1に示す第1圧電素子100,第2圧電素子100’にそれぞれ相当するものである。速度センサ部500は、図1に示す速度センサ部500にそれぞれ相当するものである。
【0045】
駆動回路部600は、直流の駆動電圧+Vpが供給される接続点aとグランドに接続される接続点bとの間に並列接続された駆動回路601,602を備える。なお、駆動回路601,602は、略同様の構成を有するので、駆動回路601の構成について説明する。
【0046】
駆動回路600は、電界効果トランジスタの一例としてのMOS−FETであるスイッチング素子Q1と、MOS−FETであるスイッチング素子Q2との直列回路と、MOS−FETであるスイッチング素子Q3と、MOS−FETであるスイッチング素子Q4との直列回路とが並列接続された構成を有する。
【0047】
各スイッチング素子Q1〜Q4に駆動制御信号Sc1,Sc2,Sc3,Sc4を供給する制御部700が、MOSFETドライバ710を介して接続されて構成されている。MOSFETドライバ710は、制御回路700からの信号を駆動電圧Vpより充分高い電圧にレベルシフトする回路である。
【0048】
本実施形態では、スイッチング素子Q1,Q3は、エンハンスメント形のPチャネルMOSFETで構成されている一方、スイッチング素子Q2,Q4は、エンハンスメント型のNチャネルMOSFETで構成されている。したがって、駆動制御信号がハイレベルのときには、スイッチング素子Q1,Q3はオフとなる一方、スイッチング素子Q2,Q4はオンとなる。第1スイッチング素子Q1と第2スイッチング素子Q2との接続点cと、第3スイッチング素子Q3と第4スイッチング素子Q4との接続点dとの間に圧電素子100が接続されてブリッジ回路が構成されている。
【0049】
ブリッジの対角に位置する一対のスイッチング素子を交互にオンオフ制御することで、電源電圧Vpが交番する矩形波電圧に変換され、この矩形波電圧が圧電素子101に印加される。これにより、圧電素子100は伸縮する。本実施形態においては、この矩形波電圧の周波数(以下、駆動周波数fdという)を、後述する分周器703の分周比N及び逓倍部704の逓倍比Mの少なくとも一方に基づいて設定可能に構成したところに特徴を有している。なお、本実施形態では、説明の簡単化のため、逓倍比Mの値を固定し、分周比Nを変化させることで駆動周波数fdを調整するものとする。
【0050】
制御部700は、MPU(microprocessor unit)701、発振器702、分周器703、逓倍部704,指示部705、反転部706及び設定部707を有する。なお、設定部707及び分周器703は、圧電アクチュエータ100のMPU(microprocessor unit)に備えられている。
【0051】
発振器702は、水晶振動子又はセラミック振動子を用いてなり、周波数fgの発振信号を発生し、MPU701に出力するものである。このように、MPU701に発振信号を出力する発振器702の該発振信号から圧電素子100,100’に印加する駆動電圧の周波数を得るようにしたので、電圧制御発振器等の専用の発振器を用いることで所望の駆動周波数の駆動電圧を得る従来の構成のように、圧電アクチュエータのコストアップや構成の複雑化、あるいは周波数の安定性等に問題が発生するのを抑制することができる。
【0052】
分周器703は、発振器702からの信号を、設定部707により設定された分周比Nで分周するものである。
【0053】
逓倍部704は、分周器により分周比Nで分周された信号を逓倍比Mで逓倍するものである。
【0054】
図5は、逓倍部704の構成の一例を示す図である。
【0055】
図5に示すように、逓倍部704は、本実施形態では、トランジスタTrと、トランジスタTrのコレクタ端子と直流電源Vqとの間に接続された共振回路7041と、トランジスタTrのコレクタ端子に接続された波形整形回路7042と、トランジスタTrのベース端子に接続されたコンデンサCbと、トランジスタTrのエミッタ端子とグランドとの間に接続された抵抗rとを備えて構成されている。共振回路7041は、本実施形態では、コンデンサCと抵抗RとインダクタンスLとが並列接続して構成されている。
【0056】
図6は、逓倍部704の各部における信号の波形図である。
【0057】
逓倍部704に図6(a)に示す矩形波信号(分周器703の出力に相当)が入力されると、トランジスタTrのベース端子には、図6(b)に示すように、上記矩形波信号の周波数と同じ周波数で、且つ矩形波信号の印加期間に過渡的に変化する信号が入力される。これにより、トランジスタTrのコレクタ端子には、共振回路7041の各素子C,R,Lの両端に生じる電圧の位相差により、本実施形態では、図6(d)に示すように、上記矩形波信号の3倍の周波数の正弦波信号が出力される。
【0058】
波形整形回路7042は、図6(d)に示すように、トランジスタTrのコレクタ端子から出力される正弦波信号を矩形波信号に波形整形するものである。
【0059】
以上の逓倍部704の構成により、分周器703により分周比Nで分周された信号(周波数をfとする)が逓倍比M(本実施形態ではM=3)で逓倍され、この逓倍後の駆動周波数M×fの駆動電圧が圧電素子100,100’に印加される。
【0060】
図3に戻り、指示部705は、反転部706に対してロータRの回転方向の切替指示を行うものである。
【0061】
反転部706は、指示部705からの指示に基づいて、MOSFETドライバ710の動作を制御することにより、スイッチング素子Q1〜Q8のオンオフを制御してロータRの回転方向を切り替えるものである。
【0062】
設定部707は、速度センサ部500からの速度情報に基づいて、分周器703に対して分周比Nの設定を行うものである。例えば、図4に示すように、分周器703の分周比Nが276のとき、ロータRの回転速度vが最大の回転速度vmとなり、分周比Nが276から離れるにしたがって回転速度vが漸次減少する場合において、現在の回転速度がv1(分周比N=279)であり、上記最大の回転速度vmを目標の回転速度とすると、設定部707は、分周器703の分周比Nを279から276に減少させる。このように、設定部707は、所望の回転速度になるように、分周比Nを変化させて駆動周波数fdを微調整する。
【0063】
その場合に、図4の分周比NとロータRの回転速度vとの関係を示すグラフにおいて、さらに横軸に駆動周波数を設定する(右側ほど駆動周波数が大きくなる)ものとすると、従来では、設定部707が分周器703の分周比Nを1ずつ変化させた場合、課題を解決するための手段で述べた上式(4)(Δfda=(−1/Na)×fd)により、駆動周波数はΔfdaずつ変化する。このため、上記駆動周波数の変化量Δfdaに対応するロータRの回転速度vの変化量Δvaが比較的大きく、ロータRの調整精度が十分とは言えない場合があった。
【0064】
これに対し、本実施形態では、課題を解決するための手段で述べた上式(9)(Δfdb=Δfda×(1/M))により、従来と同等の周波数の発振信号を生成する発振器702を用いても、調整分解能は従来に比してM倍となる。すなわち、設定部707が分周器703の分周比Nを1ずつ変化させた場合、駆動周波数は、従来の調整分解能の幅の1/MであるΔfdbずつ変化するから、この調整分解能に対応するロータRの回転速度vの変化量Δvbは、従来の回転速度の変化量Δvaより小さくなる。
【0065】
したがって、本実施形態の圧電アクチュエータ10は、従来と同等の周波数の信号を発振する発振器を用いて、従来の構成より駆動周波数を高い精度で調整することができ、延いてはロータRの回転速度を高い精度で調整することができる。
【0066】
なお、必要な分解能Δfdbは、例えば予め判明している図4に示す速度特性に基づいて、所望の回転速度の変化量Δvbに対して決定すればよい。
【0067】
以上のように、本実施形態においては、発振器702の発振信号を分周器703により分周比Nで分周した後、その信号を逓倍部704により逓倍比Mで逓倍することで、圧電素子100,100’を駆動する駆動電圧の駆動周波数を得るようにしたので、分解能Δfdbを、従来の分解能ΔfdaよりもM(逓倍比)倍細かく設定することができ、その結果、駆動周波数を高い精度で調整することができる。特に、圧電素子100,100’を共振周波数付近で駆動する場合には、圧電素子100,100’が共振状態となる駆動周波数の範囲が狭く、駆動周波数の設定精度が要求されるため、駆動周波数を高い精度で調整できることは特に有効となる。
【0068】
また、MPU701に発振信号を出力する発振器702の該発振信号から圧電素子100,100’に印加する駆動電圧の周波数を得るようにしたので、従来の構成のように、圧電アクチュエータのコストアップや構成の複雑化、及び発熱や環境変化等に対する周波数の安定性等の問題が発生するのを抑制することができる。
【0069】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、以下の変形形態(1)〜(3)が採用可能である。
【0070】
(1)上記実施形態では、速度センサ部500からの速度情報に基づいて、分周器703に対して分周比Nの変更を行うようにしたが、逓倍部704の逓倍比Mの変更を行うようにしてもよく、あるいは、分周比N及び逓倍比Mの両方を変更するように構成してもよい。逓倍比Mの変更は、抵抗RやコンデンサC等の素子の数などが異なる複数の共振回路7041を逓倍部704に備え、トランジスタTrのコレクタ端子にスイッチ等により択一的に接続可能に構成したり、あるいは、抵抗RやコンデンサC等の素子の数などが異なる共振回路7041をそれぞれ備える逓倍部704を分周器703の出力端子に択一的にスイッチ等により接続可能に構成したりすることで実現できる。
【0071】
(2)上記実施形態では、分周器703及び逓倍部704により所定の駆動周波数の駆動電圧を生成し、この駆動電圧を圧電素子100,100’に印加するように構成したが、これに限られず、矩形波は、基本波である正弦波と複数次の高調波とからなることから、設定部704により、分周器703から出力される矩形波のうち一の高調波の周波数が圧電素子100,100’の共振周波数と略一致するように分周比Nを設定し、上記一の高調波により圧電素子100,100’を共振させると、単に発振器102の発振信号を分周した信号で圧電素子100,100’に駆動電圧の周波数を得る従来の構成に比して高い精度で駆動周波数を設定することができる。この場合、上記一の高調波の次数をmとすると、その高調波の周波数を圧電素子100,100’の共振周波数と略一致させることは、逓倍比mで逓倍していることに相当するので、逓倍部704が不要となる。なお、逓倍部704を設けない代わりに、図3に示す逓倍部704の逓倍比MをM=1に設定してもよい。
【0072】
なお、上記一の高調波の周波数を、圧電素子100,100’の共振周波数と略一致させて該圧電素子100,100’を駆動する場合、圧電素子100,100’の共振周波数と略一致させる高調波の次数mが大きくなるほどその高調波の振幅は低下するため、この低下分を考慮して分周器703の出力信号の振幅(駆動電圧の大きさ)を大きくするとよい。また、駆動電圧のデューティ比に応じて、高調波の含有率や周波数の分布が変化するため、使用する高調波が効率よく含まれるデューティ比を設定するとよい。
【0073】
(3)上記実施形態では、第1圧電素子100及び第2圧電素子100’の両方に駆動電圧を印加してロータRを回転駆動するように構成したが、これに限られず、複数の圧電素子のうち一の圧電素子に駆動電圧を印加して該圧電素子を振動させるとともに、この振動が他の圧電素子に伝達されて該他の圧電素子が振動することにより、各圧電素子の変位が合成部に合成され、所定の運動を行わせるように構成したものにも、本発明は適用可能である。
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、基準信号出力手段により所定の周波数を有する基準信号が出力されると、分周手段によりその基準信号を所定の分周比で分周し、その信号を逓倍手段により所定の逓倍比で逓倍して、その周波数で電気機械変換素子に交流電圧を印加するとともに、制御手段により、電気機械変換素子が所定の動作状態となるように前記分周比及び逓倍比の少なくとも一方を調整するように構成したので、電気機械変換素子に印加する交流電圧の周波数を高い精度でリアルタイムに調整することができる。
【0075】
また、本発明によれば、基準信号出力手段により所定の周波数を有する基準信号が出力されると、分周後の信号が電気機械変換素子の共振周波数と略一致する周波数の高調波を含むように、分周手段により上記基準信号を所定の分周比で分周して、この高調波の周波数で電気機械変換素子に交流電圧を印加するとともに、制御手段により、電気機械変換素子が所定の動作状態となるように前記分周比が調整するように構成したので、請求項1に記載の発明のように逓倍手段を設ける場合と同様の精度で、電気機械変換素子に印加する交流電圧の周波数をリアルタイムに調整することができる。
【0076】
また、本発明によれば、基準信号を当該アクチュエータに備えられるマイクロコンピュータに発振信号を出力する発振手段から得るようにしたので、電圧制御発振器等の専用の発振器を用いることで所望の駆動周波数の駆動電圧を得る従来の構成のように、圧電アクチュエータのコストアップや構成の複雑化、及び発熱や環境変化等に対する周波数の安定性等に問題が発生するのを抑制することができる。
【0077】
また、本発明によれば、複数の電気機械変換素子と、前記各電気機械変換素子の基端部を固定する固定部材と、前記複数の電気機械変換素子のうち少なくとも一の電気機械変換素子を駆動する駆動装置と、前記各電気機械変換素子の先端部に共通して配設され、前記各電気機械変換素子の変位を合成して所定の運動を行う変位合成部材と、前記変位合成部材を被駆動部材に加圧する加圧部材とを備えてアクチュエータを構成する場合に、上記駆動装置を請求項1ないし3のいずれかに記載の駆動装置を用いたので、請求項1ないし3のいずれかに記載の発明による作用を有するアクチュエータを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧電アクチュエータの実施形態を示す図である。
【図2】圧電素子の構成を示す図である。
【図3】本実施形態における圧電アクチュエータのブロック図である。
【図4】ロータの回転速度と分周比及び駆動周波数との関係を示す図である。
【図5】逓倍部の回路構成の一例を示す図である。
【図6】逓倍部の各部における信号の波形図である。
【符号の説明】
10 圧電アクチュエータ
100,100’ 圧電素子
200 チップ部材
500 速度センサ部
600 駆動回路部
700 制御部
701 MPU
702 発振器
703 分周器
704 逓倍部
7041 共振回路
7042 波形整形回路
707 設定部
Q1〜Q4 スイッチング素子

Claims (4)

  1. 電気機械変換素子と、
    所定の周波数を有する基準信号を出力する基準信号出力手段と、
    前記基準信号出力手段から出力される基準信号を所定の分周比で分周する分周手段と、
    前記分周手段で分周した信号を所定の逓倍比で逓倍し、その周波数で前記電気機械変換素子に交流電圧を印加する逓倍手段と、
    前記電気機械変換素子が所定の動作状態となるように前記分周比及び逓倍比の少なくとも一方を調整する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする駆動装置。
  2. 電気機械変換素子と、
    所定の周波数を有する基準信号を出力する基準信号出力手段と、
    前記基準信号出力手段から出力される基準信号を、前記電気機械変換素子の共振周波数と略一致する周波数の高調波を含むように所定の分周比で分周し、その周波数で前記電気機械変換素子に交流電圧を印加する分周手段と、
    前記電気機械変換素子が所定の動作状態となるように前記分周比を調整する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする駆動装置。
  3. 前記基準信号出力手段は、当該駆動装置に備えられるマイクロコンピュータに発振信号を出力する発振手段であることを特徴とする請求項1または2に記載の駆動装置。
  4. 複数の電気機械変換素子と、
    前記各電気機械変換素子の基端部を固定する固定部材と、
    前記複数の電気機械変換素子のうち少なくとも一の電気機械変換素子を駆動する請求項1ないし3のいずれかに記載の駆動装置と、
    前記各電気機械変換素子の先端部に共通して配設され、前記各電気機械変換素子の変位を合成して所定の運動を行う変位合成部材と、
    前記変位合成部材を被駆動部材に加圧する加圧部材とを備えてなるアクチュエータ。
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