JP2004194003A - ファクシミリ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】原稿の送信操作から送信完了までの時間を短縮することができるファクシミリ装置の提供を目的とする。
【解決手段】本発明のファクシミリ装置は、処理の開始指示を受け付ける(S13)と、読取/符号化処理(S14)と、分割処理(S21)、メール生成処理(S24)、及びメール送信処理(S26)とを並列処理する。メール生成処理は、原稿(文書)の識別番号を示す”DOCUMENT-ID”、原稿のページ情報を示す”PAGE-NO”、本電子メールが何番目のメールであるか、即ち、電子メールの送信番号を示す”BLOCK”、送信済みの電子メールの送信番号を示す”PREVIOUS”、以降に送信予定の電子メールの送信番号を示す”NEXT”、及び送信予定の電子メールの総数を示す”TOTALBLOCK”から構成される管理情報を含む電子メールを生成する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファクシミリ装置に関し、より具体的にはインターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN(Local Area Network))等の通信ネットワークを介して電子メールとして画像データを送信可能としたいわゆるインターネットファクシミリ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、独自に構築されてきた種々のネットワークを相互に接続した大規模ネットワーク(以下、インターネット)が種々の分野で利用されている。インターネットは、電話網等と異なり、インターネットに接続するまでの費用を負担すれば、日本国内だけでなく外国のコンピュータ等と通信することができる。そこで、画像データを添付した電子メールをインターネットを介して配信することで、通信費用の削減を図ったインターネットファクシミリ装置(以下、ファクシミリ装置)が実用化されている。
【0003】
ところで、電子メールを送信する場合には種々の制限があり、そのひとつに、電子メールのデータサイズの制限がある。従って、送信原稿の画像データが大きく、電子メールが許容データサイズを超過した場合には、たとえ電子メールを送信したとしても、その電子メールの転送が拒否されるため、外部(相手先)装置に受信されることはない。
【0004】
そこで、送信原稿の画像データのデータ量が1メール分として定められているデータ量を超過する場合は、その画像データを分割して複数の電子メールで送信することにより、画像データのデータ量が大きい場合でも電子メールで送信できるファクシミリ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−322501号公報(第1−6頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したファクシミリ装置は、全ての原稿を読み取って画像データに符号化する処理が完了するまで、符号化された画像データを分割する処理と分割された画像データを電子メールにて送信する処理とを待機させねばならず、原稿の読み取りの開始から画像データの送信完了までに時間を要するという問題があった。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、原稿を読み取り、読み取った画像データのデータ量が所定量を超過する都度、原稿の読み取りと並行して、読み取った画像データを分割し、分割された各画像データを各別の電子メールで送信することにより、原稿の読取操作から送信完了までの時間を短縮することができ、加えて、送信する電子メールの送信番号を示す管理情報を電子メールに付与して送信することにより、受信側での電子メールの管理を容易にするファクシミリ装置の提供を目的とする。
【0008】
また本発明は、後続の電子メールが送信されるか否かを示す管理情報を電子メールに付加することより、また、電子メールの総数を示す管理情報を電子メールに付加することにより、受信側での電子メールの管理を容易にするファクシミリ装置の提供を目的とする。
【0009】
更に本発明は、原稿のページ情報を示す管理情報を電子メールに付与することにより、受信側で電子メールに添付された画像データの管理及び原稿画像の復元を容易にするファクシミリ装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係るファクシミリ装置は、原稿を読み取り、読み取った画像データを電子メールで外部装置へ送信するファクシミリ装置において、前記画像データのデータ量が所定量を超過する都度、原稿の読み取りと並行して、前記画像データを分割する手段と、分割された画像データを各別の電子メールで送信する送信手段と、電子メールの送信番号を示す情報を電子メールに付与する手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
第2発明に係るファクシミリ装置は、後続の電子メールが送信されるか否かを示す情報を電子メールに付与する手段を備えることを特徴とする。
【0012】
第3発明に係るファクシミリ装置は、電子メールの総数を示す情報を電子メールに付与する手段を備えることを特徴とする。
【0013】
第4発明に係るファクシミリ装置は、原稿のページ情報を電子メールに付与する手段を備えることを特徴とする。
【0014】
第1発明に係るファクシミリ装置にあっては、原稿を読み取り、読み取った画像データのデータ量が所定量を超過する都度、原稿の読み取りと並行して、画像データを分割し、電子メールの送信番号を示す管理情報を電子メールに付与して、分割された各画像データを各別の電子メールで送信する。これにより、画像データのデータ量が大きい場合でも電子メールで送信できるとともに、原稿を読み取る処理と、各画像データを電子メールに添付して送信する処理とを並列処理できる。更に、その管理情報に基づいて、受信側で電子メールの管理が容易になる。
【0015】
第2発明に係るファクシミリ装置にあっては、後続の電子メールが送信されるか否かを示す情報を電子メールの管理情報に含める。これにより、受信側で電子メールに続きがあるか否かを判断できるため、電子メールの管理が更に容易になる。
【0016】
第3発明に係るファクシミリ装置にあっては、電子メールの総数を示す情報を電子メールの管理情報に含める。これにより、受信側で電子メールの総数を判断できるため、電子メールの管理が更に容易になる。
【0017】
第4発明に係るファクシミリ装置にあっては、原稿のページ情報を電子メールの管理情報に含める。これにより、電子メールに添付された画像データのページ情報が分かるため、同一ページの画像データが分割されて電子メールで送信されてきた際に、そのページ情報に基づいて、受信側で電子メールに添付された画像データの管理及び原稿画像の復元が容易になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本発明に係るファクシミリ装置が接続された態様の通信ネットワーク構成を示す模式図である。1A,1B,1C,1Dは、本発明に係るファクシミリ装置(以下、INFAX)である。なお、INFAX1A,1B,1C,1D(以下、区別が不要な場合にはINFAX1とすることもある)は、公衆電話回線網(以下、PSTN)を用いた従来からのファクシミリ装置としても利用可能であることは言うまでもないので、図においてPSTNとの接続の態様は省略している。
【0020】
LANには、INFAX1A,1B、メールサーバ(以下、MS)3A、パーソナルコンピュータ(以下、PC)2A等が接続されており、これらの装置(INFAX1A,1B、PC2A)は、MS3Aを介して相互に電子メールによる通信(送信、受信)が可能なように構成されている。また、LANはルータ4を介してインターネットINに接続されており、インターネットINにはLANと同様に、INFAX1C,1D、MS3B、PC2B等が接続されており、これらの装置(INFAX1C,1D、PC2B等)は、MS3Bを介して相互に電子メールによる通信が可能なように構成されている。更に、LANに接続された各装置とインターネットINと接続された各装置とは、MS3A,3B、及びルータ4を介して相互に電子メールによる通信が可能な構成とされている。
【0021】
図2は、本発明に係るファクシミリ装置の構成を示すブロック図である。本発明に係るファクシミリ装置であるINFAX1は、CPUで構成された制御部10を備えている。制御部10はバス11を介して読取部12、記録部13、操作部15、LANインターフェイス(以下、LANIF)16、表示部17、ROM18、RAM19、画像メモリ20、モデム21、回線制御部(以下、NCU)22、ハードディスク(以下、HD)23、データ変換部24と接続され、これら各部を制御し、ROM18に予め格納されているコンピュータプログラムに従って種々の機能を実行し、各部と連携して又は単独で本発明における各種の手段(読取/符号化手段,分割手段,メール生成手段,通信接続手段,メール送信手段,メール記憶手段,通信切断手段等)として機能する。
【0022】
読取部12は、制御部10と共に読取/符号化処理を行う読取/符号化手段として動作し、CCD等を利用したスキャナで送信すべき原稿を読み取り、図示しないCODEC等により、例えば白黒2値に変換して符号化された画像データ(符号化データ)を作成して出力し、バス11を介してDRAM等により構成されている画像メモリ20に記憶させる。この際の符号化方式として、1次元符号化方式であるMH(Modified Huffman),2次元符号化方式であるMR(ModifiedREAD),又はMRを一部改良したMMR(Modified Modified READ)等の符号化方式がファクシミリ通信の規格により定められている。なお、CODEC等の符号化部を読取部12とは別個に設けて符号化を行ってもよいことはいうまでもない。
【0023】
記録部13は、電子写真方式等のプリンタ装置であり、他のファクシミリ装置からファクシミリ通信により受信した画像データ、又は通信ネットワークにより受信した画像データをハードコピーとしてプリントアウトして記録する。原稿読み取り時のスキャナ方式としてはADF(Automatic Document Feeder)方式,FBS(Flat Bet Scanner)方式があるがいずれでもよい。
【0024】
操作部15は、INFAX1を操作するために必要な文字キー、テンキー、短縮ダイヤルキー、ワンタッチダイヤルキー、各種のファンクションキー等を備え、入力部をも兼ねる形態としておく。なお、後述する表示部17をタッチパネル方式とすることにより、この操作部15の各種キーの内の一部又は全部を代用することも可能である。
【0025】
LANIF16は、INFAX1(例えばINFAX1A)がLANを介して他のINFAX1(1B)、PC(2A)、MS(3A)と通信を行うためのインターフェイスであり、制御部10と共にメール送信処理を行う際の通信接続手段、メール送信手段、及び通信切断手段として動作する。またルータ(4)を介してインターネットINとも接続され、他のINFAX1(1C、1D)、PC(2B)、MS(3B)と通信を行うこともできる。
【0026】
表示部17は、液晶表示装置(LCD)等の表示装置であり、INFAX1の動作状態を表示し、さらには、送信すべき原稿の画像データ、受信した画像データ等の表示を行う。
【0027】
RAM19は、制御部10によるコンピュータプログラムの実行時に発生する一時的なデータを記憶するもので、例えばDRAM、フラッシュメモリ等により構成される。
【0028】
モデム21は、ファクシミリ通信が可能なファクシミリモデムにより構成されている。モデム21にはNCU22が直接的に接続されており、NCU22は、PSTNに対する接続、又は切断を行い、必要に応じてモデム21をPSTNに接続し、INFAX1と外部とのファクシミリ装置(電子メールによらない従来型のファクシミリ装置)との間のファクシミリ通信の制御を行う。
【0029】
データ変換部24は、制御部10と共に分割処理を行う分割処理手段として動作し、前述したファクシミリ装置規格に従って符号化された原稿の画像データ(符号化データ)のデータ量を監視し、データ量が所定量を超過する都度、画像データ(符号化データ)を分割し、分割された画像データ(符号化データ)を、例えば、TIFF形式、PDF形式の画像フォーマットに変換して電子メールでの送信が可能なデータ構造とする。送信に際して、TIFF形式の画像フォーマットは、例えば、MIME(Multipurpose Internet Mail Extensions)のbase64を利用してバイナリデータからテキストデータへバイナリ/テキスト変換(エンコード)される。なお、受信時には、送信時とは逆の変換(デコード)を行う構成とできることは言うまでもない。
【0030】
また、データ変換部24は、制御部10と共にメール生成処理を行うメール生成手段として動作し、電子メール送信に際して、電子メール発信日時、電子メール発信元、電子メール送信先、及び電子メールの付加的情報等の情報を含む電子メールヘッダ(以下、ヘッダ)、並びにテキストデータに変換された画像データ(TIFFデータ)を付与して電子メールを生成する。
【0031】
HD23は、大容量のメモリであり、画像データの蓄積、電子メールアドレス、ファクシミリ番号、送信先名称、短縮キー対応ファクシミリ番号、電話帳等の記憶を適宜行う。また、HD23は、制御部10と共にメール記憶処理を行うメール記憶手段として動作し、メール生成処理にて送信された電子メールを記憶するとともに、送信した電子メールを外部装置が受信したか否かの情報を受信し、外部装置が電子メールを受信したと判断した場合、又は、HD23に記憶してから所定時間が経過した場合に、HD23に記憶した電子メールを消去する。これにより、外部装置が受信した電子メール、即ち記憶しておく必要のない電子メールを消去し、HD23の空容量を増やすことができる。
【0032】
ここで、データ変換部24にて生成される電子メールの内容について詳述する。図3は、電子メールの内容の一例を示す図である。ヘッダは、”フィールド名”+”:”+”フィールド内容”から構成されており、一部のフィールドでは、”;”で区切り、”パラメータ名”+”=”+”パラメータ内容”から構成されるパラメータでより詳しい情報が付与されている。
【0033】
ヘッダの内、フィールド41は、MIMEで拡張されたフィールドであり、本文が複数の構成要素に分割されていることを示し、そして、”;”で区切ったパラメータ(boundary=)で夫々の分割された構成要素の区切りの情報を示す。即ち、本文の”--=_xxx_=”が夫々の構成要素の始まりを示し、”--=_xxx_=--”が構成要素の終了を示す。なお、分割された各構成要素が、夫々”ヘッダ”+”空行”+”本文”という形式を取る。
【0034】
最初の構成要素は、電子メールの管理情報から構成されている。フィールド42は、本文がテキスト形式のデータであることを示し、そして、”;”で区切ったパラメータ(charset=)で、その文字コードが”us-ascii”であることを示す。フィールド43は、本文のデータ変換形式を示すが、フィールド名”7bit”は、エンコードなしの7ビットのテキストを示す。
【0035】
そして、空行を挟んで、本文44に、文字コード”us-ascii”で電子メールの管理情報が付与されている。管理情報は、原稿(文書)の識別番号を示す”DOCUMENT-ID”、原稿のページ情報を示す”PAGE-NO”、電子メールの送信番号、即ち、本電子メールが何番目のメールであるかを示す”BLOCK”、送信済みの電子メールの送信番号を示す”PREVIOUS”、以降に送信予定の電子メールの送信番号を示す”NEXT”、及び送信予定の電子メールの総数を示す”TOTALBLOCK”から構成されている。ここで、”PAGE-NO”は、原稿のページ番号、そのページの何番目のデータであるかを示す番号、及びそのページの最後のデータであるかを示すフラグの3つの情報から構成されている。例えば、そのページの最後のデータである場合に”0”、最後のデータではない場合に”1”のフラグを立てると規定する。図3の例では、管理情報”PAGE-NO”が”2-3-0”である場合であり、原稿の第”2”ページの第”3”番目のデータが電子メールに添付されており、フラグが”0”であるから原稿の第”2”ページは、”3”つのデータに分割されて送信されていることを示す。なお、管理情報”TOTALBLOCK”は、すべての原稿の読取/符号化処理が終了した場合に、情報として付与すればよく、未終了の場合には、空文字又は”−99”等の予め規定したダミー情報を付与する。
【0036】
次の構成要素は、電子メールに添付される画像データ及びその情報から構成されている。フィールド51は、MIMEで拡張されたフィールドであり、本文がTIFF形式のイメージデータであることを示し、そして、”;”で区切ったパラメータ(name=)でファイル名の情報を示す。フィールド52は、データの変換(バイナリ/テキスト変換)形式がMIME(base64)であることを示す。フィールド53は、データの配置方法が添付ファイルであることを示し、そして、”;”で区切ったパラメータ(filename=)でファイル名の情報を示す。
【0037】
そして、空行を挟んで、本文54に、MIME(base64)によりバイナリ/テキスト変換されたTIFFデータが付与されている。
【0038】
なお、送信した電子メールを外部装置が受信したか否かを判断するには、例えば、図3に示した電子メールのヘッダに”Disposition-Notification-To:(自身のメールアドレス)”のフィールドを追加して電子メールを送信する。そして、受信側は、電子メールを受信した場合に、その旨を示した電子メールを返信するようにしておけばよい。
【0039】
次に、本発明の実施の形態1に係るファクシミリ装置が行う動作を、フローチャートを用いて説明する。図4は、本発明の実施の形態1に係るファクシミリ装置が行う処理手順を示すフローチャートである。
【0040】
利用者により、送信すべき原稿がADF方式又はFBS方式用の原稿台にセット(S11)され、また、読取部12の解像度及び符号化方式等の読取/符号化条件と、送信先のメールアドレス、及び一電子メールに添付する画像データのデータ量を規定した所定量等の送信条件とが操作部15から入力(S12)され、更に、処理の開始指示が操作部15から入力(S13)されると、INFAX1は、後述する読取/符号化処理と、分割処理、通信接続処理、メール生成処理(画像変換処理及びバイナリ/テキスト変換処理を含む)、メール送信処理、及び通信切断処理とを並列処理する。なお、S12は、読取/符号化条件及び送信条件を利用者が夫々入力するのではなく、図5に示すように、読取/符号化条件及び送信条件と関連付けられたニックネーム等の相手先装置の名称をHD23にテーブルとして登録し、この名称を選択するような形態であってもよい。また、相手先装置とデータを送受信する際に、相手先の受信能力等の情報を受信してテーブルを自動更新することが好ましい。
【0041】
そして、INFAX1は、S13にて処理の開始指示を受けると、ADF方式の場合は原稿台の原稿を1枚毎に送り出し、S12にて入力された読取/符号化条件に基づいて、その原稿を読取部12に設けたCCDで読み取り、MH、MR、又はMMR等の符号化方式で符号化された画像データを画像メモリ20に蓄積して記憶する読取/符号化処理(S14)を実行する。
【0042】
一方、INFAX1は、前述した読取/符号化処理(S14)と並行して、画像メモリ20にアクセスして、記憶されている原稿の画像データのデータ量を算出し、算出したデータ量が、所定量を超過する都度、画像データを分割する分割処理(S21)を実行する。そして、分割された画像データをTIFFデータに変換する画像変換処理(S22)を実行し、更に、MIME(base64)により、このTIFFデータ(バイナリデータ)をテキストデータに変換するバイナリ/テキスト変換処理(S23)を実行する。
【0043】
そして、送信データがTIFFデータであることを示す情報と、MIME(base64)によりバイナリ/テキスト変換されたことを示す情報を電子メールのヘッダに付与し、更に、S23にて変換されたテキストデータを電子メールに付与するメール生成処理(S24)を実行する。
【0044】
そして、外部装置(以下、送信先)との間にTCPのセッションを確立(S25)する。そして、SMTPにより電子メールを送信するメール送信処理(S26)を実行する。そして、送信が完了すると、送信した電子メールをHD23に記憶するメール記憶処理(S27)を実行した後、送信先とのTCPのセッションを切断(S28)する。即ち、S25が通信接続処理に、S28が通信切断処理に夫々相当する。
【0045】
そして、全ての電子メールが送信されたか否かを判定(S29)し、全ての電子メールが送信されていないと判定(S29:NO)された場合には、S21へ移行し、S21〜S29の処理を実行する。一方、全ての電子メールが送信されたと判定(S29:YES)された場合には、処理を終了する。
【0046】
次に、本実施形態のファクシミリ装置の動作タイミングについて説明する。図6は、本発明の実施の形態1に係るファクシミリ装置の動作タイミングの状況を説明する説明図である。横軸は時間の経過を示し、同図(a)は読取部12における読取/符号化処理の状況を、(b)は分割処理の状況を、(c)はメール生成処理の状況を、(d)は通信接続処理の状況を、(e)はメール送信処理の状況を、(f)は通信切断処理の状況を夫々示す。
【0047】
原稿送信の開始指示を受け付けると、制御部10は読取部12の動作を制御し、読取部12はスキャナによりnページからなる原稿の第1ページP1から順次、ADF方式により読み取る読取/符号化処理を、原稿の最終ページである第nページPnの読み取りが終了するまで実行する(同図(a))。同図にて、各ページの読取/符号化処理間の時間は、ADF方式による原稿の送り動作に要する時間を示す。
【0048】
また、読取/符号化処理と並行して、読取/符号化処理にて読み取られた画像データ(符号化データ)のデータ量が予め規定した所定量を超過する都度、画像データを分割し、画像データPD1(PD2,…,PDm)にする分割処理を実行する(同図(b))。同図にて、PD1,PD2,…,PDmは、夫々1番目,2番目,…,m番目に分割された画像データ(分割状況)を示す。
【0049】
そして、分割処理にて画像データPD1(PD2,…,PDm)に分割された場合に、画像データPD1(PD2,…,PDm)をTIFFデータに変換する画像変換処理、TIFFデータをテキスト変換するバイナリ/テキスト変換処理、並びに、ヘッダの生成及びテキスト変換された画像データを電子メールに添付して電子メールM1(M2,…,Mm)を生成するメール生成処理を実行する(同図(c))。同図にて、M1,M2,…,Mmは、夫々画像データPD1,PD2,…,PDmから生成される電子メール(生成状況)を示す。
【0050】
そして、メール生成処理にて電子メールM1(M2,…,Mm)が生成された場合に、TCPにて、LANIF16を介して送信先と通信(接続)を確立する通信接続処理を実行する(同図(d))。送信先との通信(接続)を確立するに際しては、通信を開始する通信開始コマンド(例えば、SMTPのHELOコマンド)を送信先へ送信する。同図にて、C1,C2,…,Cmは、夫々電子メールM1,M2,…,Mmの送信に先立つ通信開始コマンドの送信状況を示す。
【0051】
そして、通信接続処理にて送信先と接続が確立された場合に、メール生成処理にて生成された電子メールM1(M2,…,Mm)をLAN上又はインターネット上に送信するメール送信処理を実行する(同図(e))。同図にて、MM1,MM2,…,MMmは、夫々電子メールM1,M2,…,Mmの送信状況を示す。
【0052】
更に、メール送信処理にて電子メールMM1(MM2,…,MMm)の送信が夫々終了する毎に、送信先との接続を切断する通信切断処理を実行する(同図(f))。送信先との接続を解除するに際しては、通信を終了する終了コマンド(例えば、SMTPのQUITコマンド)を送信先へ送信する。同図にて、D1,D2,…,Dmは、夫々電子メールMM1,MM2,…,MMmの送信後に送信される終了コマンドの送信状況を示す。
【0053】
ここで、送信された電子メールMM1,MM2,…,MMmは、夫々が1つの電子メールであり、外部装置は、各電子メールMM1,MM2,…,MMmを別個の電子メールとして受信し、各電子メールMM1,MM2,…,MMmに付与されているヘッダ及び本文に基づいて原稿を再構成させる。
【0054】
従って、原稿から画像データに変換した後に、画像データを分割して各画像データを電子メールで送信する従来のファクシミリ装置と比較すると、本発明に係るファクシミリ装置は、読取/符号化処理と並行して、メール送信のための処理を行うことにより、原稿の読み取りの開始から画像データの送信終了までに要する時間を短縮することができる。
【0055】
また、本発明のファクシミリ装置が送信した電子メールを受信した外部装置は、電子メールに記載されている管理情報を読み取ることにより、添付されている画像データの情報を知ることができる。例えば、管理情報”DOCUMENT-ID”及び”BLOCK”から、電子メールが、どの原稿の何番目のメールであるかを知ることができる。また、管理情報”DOCUMENT-ID”及び”NEXT”から、電子メールが更に送付されてくる予定があるか否かを知ることができる。また、管理情報”DOCUMENT-ID”及び”TOTALBLOCK”から、電子メールの総数を知ることができる。更に、管理情報”DOCUMENT-ID”及び”PAGE-NO”から、同一原稿ページの画像データが複数に分割されて送信された場合に、この情報に基づけば画像の復元(再構成)が容易になる。例えば、管理情報”PAGE-NO”が、”2-3-0”を示す電子メールを受信することで、原稿の第2ページが3つの電子メールに分割されて送信されていることを認識することができ、管理情報”PAGE-NO”が、”2-1-1”,”2-2-1”,”2-3-0”を示す電子メールを抽出し、夫々に添付された画像データから第2ページの原稿画像を復元すればよい。
【0056】
(実施の形態2)
実施の形態1では、INFAX1は、各電子メールの送信前に、送信先との間にTCPのセッションを確立し、各電子メールの送信後に、その都度、送信先とのTCPのセッションを切断する場合について説明したが、本実施の形態では、原稿送信の開始指示を受け付けると、ファクシミリ装置は、送信先との間にTCPのセッションを確立し、全ての電子メールの送信が完了するまで、そのTCPのセッションを維持する。
【0057】
以下、本発明の実施の形態2に係るファクシミリ装置が行う動作を、フローチャートを用いて説明する。図7は、本発明の実施の形態2に係るファクシミリ装置が行う処理手順を示すフローチャートである。
【0058】
INFAX1は、S13にて処理の開始指示を受けると、読取/符号化処理(S14)と並行して、まず、送信先との間にTCPのセッションを確立(S20)する。セッションが確立されると、前述した分割処理(S21)、画像変換処理(S22)、バイナリ/テキスト変換処理(S23)、メール生成処理(S24)、メール送信処理(S26)、及びメール記憶処理(S27)を行う。
【0059】
そして、全ての電子メールが送信されたか否かを判定(S29)し、全ての電子メールが送信されていないと判定(S29:NO)された場合には、そのセッションを維持したまま、S21へ移行し、S21〜S29の処理を実行する。一方、全ての電子メールが送信されたと判定(S29:YES)された場合には、そのセッションを切断(S30)し、処理を終了する。なお、必要であれば、送信先との接続を維持する接続維持コマンド(例えば、SMTPのNOOP(NO OPeration)コマンド)を送信先へ送信してセッションを維持する。このように、適宜、接続維持コマンドを送信先に送信して接続を維持することにより、タイムアウト等の送信エラーの発生を防止できる。その他の処理手順は図4と同様であるので、対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0060】
次に、本実施形態に係るファクシミリ装置の動作タイミングについて説明する。図8は、本発明の実施の形態2に係るファクシミリ装置の動作タイミングの状況を説明する説明図である。本実施形態は、同図(d)の通信接続処理の状況、及び(f)の通信切断処理の状況が実施の形態1と相違する。
【0061】
つまり、メール生成処理にて生成された第1番目の電子メールM1が生成された場合にのみ、通信開始コマンドCを送信し、TCPにて、LANIF16を介して送信先と接続を確立する通信接続処理を実行する(同図(d))。そして、メール生成処理にて生成された電子メールM1(M2,…,Mm)を、LAN上又はインターネット上に送信するメール送信処理を実行する(同図(e))。更に、メール送信処理にて最後の電子メールMMmの送信が終了した場合にのみ、終了コマンドDを送信し、送信先との接続を切断する通信切断処理を実行する(同図(f))。つまり、電子メールMM1,MM2,…,MMm−1の送信が終了した場合には、通信切断処理は実行されない。その他の動作タイミングの状況は図6と同様であるので、対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0062】
即ち、本実施形態に係るファクシミリ装置は、まず送信先とのTCPのセッションを確立し、その後に、その他の種々の処理を行い、全ての電子メールを送信するまで、そのセッションを維持する。従って、各電子メールを送信する毎に、送信先へのセッションの確立及び切断を実行する処理手順と比較して、更に、原稿の読み取りの開始から画像データの送信終了までに要する時間を短縮することができる。
【0063】
なお、各実施形態では、画像データのデータ量が所定量を超過する都度、画像データを分割する場合について説明したが、例えば、図9に示すように、原稿のページ毎に画像データを分割し、分割された各画像データを電子メールに添付して外部装置に送信するようにしてもよい。つまり、読取/符号化処理にて読み取られた画像データ(符号化データ)を、原稿の各ページ毎の画像データPD1(PD2,…,PDn)に分割する分割処理を実行する(同図(b))。同図にて、PD1,PD2,…,PDnは、夫々1番目,2番目,…,n番目に分割された画像データ、即ち、原稿の1ページP1,2ページP2,…,nページPnの画像データを示す。その他の動作タイミングの状況は図6と同様であるので、対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0064】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明のファクシミリ装置によれば、原稿を読み取り、読み取った画像データのデータ量が所定量を超過する都度、原稿の読み取りと並行して、読み取った画像データを分割し、分割された各画像データを電子メールで送信することにより、原稿を読み取る処理と、各画像データを電子メールで送信する処理とを並列処理することができるため、原稿の読み取りの開始から画像データの送信終了までに要する時間を短縮することができる。
【0065】
また本発明のファクシミリ装置によれば、読み取った画像データを分割し、分割された各画像データを各別の電子メールに添付して送信することにより、送信する電子メールの容量を小さくすることができるため、たとえ外部装置が電子メールのデータ量に制限を設けていたとしても、受信を拒絶されることなく、安定して画像データを目的の外部装置に送信することができる。
【0066】
更に本発明のファクシミリ装置によれば、電子メールの送信番号を示す情報、後続の電子メールが送信されるか否かを示す情報、電子メールの総数を示す情報、及び/又は原稿のページ情報を、管理情報として電子メールに付与して送信することにより、受信側での電子メールの管理、即ち、画像データの管理及び原稿画像の復元を容易にする等、優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るファクシミリ装置が接続された態様の通信ネットワーク構成を示す模式図である。
【図2】本発明に係るファクシミリ装置の構成を示すブロック図である。
【図3】電子メールの内容の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係るファクシミリ装置が行う処理手順を示すフローチャートである。
【図5】テーブルの内容の一例を示す模式図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係るファクシミリ装置の動作タイミングの状況を説明する説明図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係るファクシミリ装置が行う処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態2に係るファクシミリ装置の動作タイミングの状況を説明する説明図である。
【図9】分割処理の他の例におけるファクシミリ装置の動作タイミングの状況を説明する説明図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C,1D ファクシミリ装置(INFAX)
2A,2B パーソナルコンピュータ(PC)
3A,3B メールサーバ(MS)
4 ルータ
10 制御部
11 バス
12 読取部
13 記録部
15 操作部
16 LANインターフェイス(LANIF)
17 表示部
18 ROM
19 RAM
20 画像メモリ
21 モデム
22 回線制御部(NCU)
23 ハードディスク(HD)
24 データ変換部
IN インターネット
LAN ローカルエリアネットワーク
PSTN 公衆電話回線網

Claims (4)

  1. 原稿を読み取り、読み取った画像データを電子メールで外部装置へ送信するファクシミリ装置において、前記画像データのデータ量が所定量を超過する都度、原稿の読み取りと並行して、前記画像データを分割する手段と、分割された画像データを各別の電子メールで送信する送信手段と、電子メールの送信番号を示す情報を電子メールに付与する手段とを備えることを特徴とするファクシミリ装置。
  2. 後続の電子メールが送信されるか否かを示す情報を電子メールに付与する手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のファクシミリ装置。
  3. 電子メールの総数を示す情報を電子メールに付与する手段を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のファクシミリ装置。
  4. 原稿のページ情報を電子メールに付与する手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のファクシミリ装置。
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