JP2004193707A - 画像読取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】CCDカラーフィルタの経時的な劣化及び蛍光灯の経時的な劣化による色再現性の悪化の両方を同時に補正し、またそれぞれの劣化の進行度合いに合わせた色補正を可能にする。
【解決手段】画像読取装置においてシェーディング板13と、原稿を照射する光源14と、カラーフィルタを備えたCCDセンサ19とを備えた読取手段と、初期状態において読取手段100によりシェーディング板13を読み取った初期値を予め記憶している記憶手段311と、読取手段100によりシェーディング板13を読み取った読取値と記憶手段311に記憶されている初期値とを用いて、光源14及びカラーフィルタの経時的な原因によるそれぞれの劣化度を算出する算出手段312と、算出手段312により算出された光源14及びカラーフィルタの劣化度に応じて、色補正パラメータを選択する色補正手段312とを備えた。
【選択図】 図10

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像読取装置では、光源から照射され、原稿面で反射された光を電気信号に変換して原稿を読み取るCCD(Charge Coupled Devices)センサが利用されている。近年、デジタルカラー複写機などにおいて読み取り速度の高速化が求められ、それに伴いCCDセンサの処理速度も高速化している。これによりCCDセンサの消費電力が増加し、温度上昇量もCCDカラーフィルタの分光感度特性を経時劣化させるまでに至っている。
【0003】
また、原稿に光を照射する光源としては、低消費電力、長寿命という点でハロゲンランプに置き換わり希ガス蛍光灯が採用されている。しかし、蛍光灯は、経時的に発光スペクトル特性が変化するという制約がある。
【0004】
そこで、これらCCDカラーフィルタや蛍光灯の経時的な劣化による色再現性の悪化を防止する各種方法を採用した画像読取装置が提案されている。例えば、ファンを設置してCCDセンサを空冷するとともに、読み取り待機時には読み取り動作時よりも低い電圧をCCDセンサに印加することでCCDカラーフィルタの温度上昇による劣化を防ぐ方法を採用した画像読取装置がある(例えば、特許文献1参照。)。また、スキャナ内部にカラーパッチを取り付けて、カラーパッチの読取値と基準値とのずれを検出することにより、CCDカラーフィルタの分光感度特性やカラーパッチの経時変化による色再現性の悪化を補正する方法を採用した画像読取装置もある(例えば、特許文献2参照。)。さらに、原稿照明ランプの状態変化をCCDセンサからの出力レベルを基に判断し、その出力レベルに応じた色補正パラメータを選択する方法を採用した画像読取装置などがある(例えば、特許文献3参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−228713号公報
【特許文献2】
特開2002−171417号公報
【特許文献3】
特開2001−218072号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1に記載の画像読取装置では、CCDセンサを冷却するためにファンを設置するため、ほこりの侵入を防止するための防塵フィルタも必要となり、かなり高価となる。また、CCDセンサに読み取り待機時と読み取り動作時で異なる電圧を印加したとしてもCCDセンサの温度上昇の防止に著しい効果を示すものではない。さらに、上記特許文献2及び3に記載の画像読取装置では、CCDカラーフィルタの経時的な劣化による分光感度特性の変化量に対する色補正、または光源の経時的な劣化による発光スペクトル特性の変化量に対する色補正のどちらか一方しか行われず、その両方を同時に行うものではなかった。そのため色補正機能としては不十分であった。
【0007】
本発明の目的は、係る問題点を解消し、画像読取装置本体に新たな物理的手段を設けることなく、既存の物理的手段を利用して、CCDカラーフィルタの経時的な劣化による色再現性の悪化及び蛍光灯の経時的な劣化による色再現性の悪化の両方を、それぞれの劣化の進行度合いに合わせて補正することが可能な画像読取装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための具体的手段として、請求項1に係る本発明は、画像読取装置において、シェーディング板と、原稿を照射する光源と、カラーフィルタを備えたCCDセンサとを備えた読取手段と、初期状態において読取手段によりシェーディング板の読み取った初期値を予め記憶している記憶手段と、読取手段によりシェーディング板を読み取った現在の読取値と記憶手段に記憶されている初期値とを用いて、光源及びカラーフィルタの経時的な原因によるそれぞれの劣化度を算出する算出手段と、算出手段により算出された光源及びカラーフィルタの劣化度に応じて、色補正パラメータを選択する色補正手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1の画像読取装置において、記憶手段は、さらに、光源及びカラーフィルタのそれぞれの劣化特性に応じた所定の経過時間ごとのシェーディング板読取値を予め記憶しており、算出手段は、現在の読取値、初期値、並びに、光源及びカラーフィルタのそれぞれの劣化特性に応じた所定の経過時間ごとのシェーディング板読取値を用いて、光源及びカラーフィルタのそれぞれの劣化度を算出することを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項2の画像読取装置において、算出手段は、所定の経過時間ごとの光源の劣化特性に応じたシェーディング板読取値とカラーフィルタの劣化特性に応じたシェーディング板読取値とを掛け合わせて得られた複数の値と、初期値に対する現在の読取値の比とを比較することにより、光源及びカラーフィルタのそれぞれの劣化度を算出することを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項3の画像読取装置において、記憶手段は、さらに、読取手段による累積読取回数を記憶しており、算出手段は、累積読取回数を用いて現在の経過時間を推定し、当該推定された経過時間に基づいて、初期値に対する現在の読取値の比と比較すべき光源及びカラーフィルタのそれぞれの劣化特性に応じた所定の経過時間ごとのシェーディング板読取値の範囲を制限することを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項1の画像読取装置において、光源は蛍光灯からなることを特徴とする。
【0013】
【作用】
上記画像読取装置では、画像読取装置が一般的に備えているシェーディング板の読取値の予め設定された初期値からの変化量を検出することで、CCDカラーフィルタの経時的な劣化による分光感度特性の変化量、及び、光源の経時的な劣化による発光スペクトル特性の変化量を同時に検出し、CCDカラーフィルタによる色再現性の悪化及び光源による色再現性の悪化の両方の補正が可能である。
【0014】
また、上記画像読取装置では、CCDカラーフィルタ及び光源のそれぞれの使用状況、それぞれの劣化特性や劣化速度に対応した色補正が可能となる。
【0015】
したがって、CCDカラーフィルタ及び光源の劣化の進行度合いが大きく異なるために色再現性が変動するのを低減することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る画像読取装置であるデジタルカラー複写機1の概略構成図である。デジタルカラー複写機1は、原稿画像を読み取る読取手段であるイメージリーダ部100と、イメージリーダ部100で読み取った画像データを再現するイメージプリンタ部101を有している。イメージリーダ部100は、原稿11を搭載する原稿ガラス12、シェーディング補正用のシェーディング板13、原稿露光用の光源である蛍光灯14、原稿11からの反射光を折り返す第1ミラー15、第2ミラー16、第3ミラー17、反射光を集光するレンズ18、集光された光を電気信号に変換するCCDセンサ19から構成される。
【0017】
上記イメージリーダ部100の動作について説明する。まず、原稿ガラス12に原稿11を搭載し、蛍光灯14及び第1ミラー15からなる第1スライダーと第2ミラー16及び第3ミラー17からなる第2スライダーを副走査方向に移動させ、シェーディング板13のデータを読み取った後、原稿ガラス12上の原稿11を走査する。
【0018】
図2は、イメージリーダ部100の上面図である。図2に示すように、シェーディング板13は、原稿ガラス12上の原稿11に隣接するように配置されている。
【0019】
図3は、本実施の形態のデジタルカラー複写機1に用いられる読取制御部の回路構成を示すブロック図である。CCDセンサ19は、処理速度を高めるために偶数画素と奇数画素に分離して、レッド (R)、グリーン(G)、ブルー(B)の各色がパラレルに出力される構成となっている。以下R、G、Bはそれぞれレッド、グリーン、ブルーを表し、R0〜R5はR成分の、G0〜G5はG成分の、B0〜B5はB成分のアナログ信号またはデジタル信号を表す。CCDセンサ19により読み取られたR成分のアナログの画像データOSR1(奇数画素)及びOSR2(偶数画素)、G成分のアナログの画像データOSG1及びOSG2、B成分のアナログの画像データOSB1及びOSB2は、アナログ処理部30に入力される。アナログ処理部30では、黒レベルを調整するクランプ調整、アナログ信号の振幅を調整するゲイン調整、また奇数画素と偶数画素の合成処理が行われる。
【0020】
上記クランプ調整、ゲイン調整、合成処理が行われた入力信号R0、G0、B0は、A/D変換部31においてアナログ信号から8ビットのデジタル信号R1、G1、B1に変換され、シェーディング補正部32に出力される。
【0021】
シェーディング補正部32では、光源による原稿の照明むらや、CCDセンサ19の感度むら等によるデジタル信号R1、G1、B1の主走査方向のばらつきが補正される。シェーディング補正が施されたデジタル信号R2、G2、B2は、ライン間補正部33に出力される。
【0022】
CCDセンサ19は、RGB画像データを読み取るためにRGBそれぞれのフォトダイオードアレイが副走査方向に所定の間隔をもって配置されている。ライン間補正部33は、RGB各色の画像データを一旦メモリに格納して所定時間だけ遅延させることで、上記所定の間隔によって生じるずれを補正し、変倍移動処理部34に出力する。
【0023】
変倍移動処理部34は、入力されるRGBの画像データR3、G3、B3に対して、原稿ガラス12上で原稿の存在していない領域や、原稿画像を縮小したために生じる余白領域などの不要領域データの削除、縮小処理、拡大処理を行い、HVC変換部35に出力する。
【0024】
HVC変換部35では、実際に読み取って得られたRGBデータR4、G4、B4と、予め記憶手段である不揮発性メモリ311(図3)に記憶されているRGBデータとに基づいて明度信号及び色差信号を生成し、操作者により設定された濃度調整やカラーバランス調整を行う。調整後のデータは、再びRGBデータR5、G5、B5に逆変換される。また、HVC変換部35では、色差信号から彩度信号Wを生成する。
【0025】
濃度変換部36では、原稿の反射光量に比例して変化するRGBデータR5、G5、B5を、濃度に比例して変化するデータDR、DG、DBに変換し、マスキング演算部37に出力する。
【0026】
マスキング演算部37では、上記濃度に比例して変化するデータDR、DG、DBを以下に示す行列式によりシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)に変換する。以下、C、M、Yはそれぞれシアン、マゼンタ、イエローを表し、C0〜C2はC成分の、M0〜M2はM成分の、Y0〜Y2はY成分の画像データを表す。
【0027】
【数1】
Figure 2004193707
【0028】
ここで、行列式中のa0〜a5、b0〜b5、c0〜c5はそれぞれ色補正パラメータであり、光源とCCDカラーフィルタの劣化度合いに応じた値が適用される。
【0029】
マスキング演算部37でCMYデータに変換されたC0、M0、Y0は、UCR(Under Color Remove)/BP(Black Paint)処理部38においてHVC変換部35が出力する彩度信号Wをもとに墨色成分が抽出され、これをブラック(K)成分の画像データとして扱うBP処理と、上記処理により加えられたK成分の画像データに応じてC、M、Y成分のトナー量を少なくするUCR処理が行われる。以下、Kはブラックを表し、K1、K2はK成分の画像データを表す。
【0030】
領域判別部39は、原稿画像中の文字部分の判別、網点部分の判別、及び、カラー/モノクロ判別を行い、これらの判別結果をMTF補正部310に出力する。
【0031】
MTF補正部310において、上記UCR/BP処理が施されたC1、M1、Y1、K1は、上記領域判別部39の領域判別結果に応じて領域ごとに最も適当なエッジ処理及びスムージング処理が行われ、イメージプリンタ部101へ出力される。
【0032】
図4は、本実施の形態のデジタルカラー複写機1における、原稿に光を照射する白色キセノンランプからなる蛍光灯14の初期状態(図中における▲1▼)、200時間使用後(図中における▲2▼)、1000時間使用後(図中における▲3▼)の発光スペクトル特性である。一般に、蛍光灯は、複数の蛍光体を組み合わせることによって白色を実現しており、その発光スペクトル特性は、複数のピークを有する特性を持つ。このような白色キセノンランプは、一般に3波長タイプと呼ばれ、製造メーカーによって特性が異なるものの、現在白色蛍光灯と呼ばれるものは、このタイプが大半を占める。蛍光体の耐久特性が異なるために、耐久使用後のスペクトルは、Bの波長領域(約455〜492nm)周辺の波長帯の低下が著しい。よって蛍光体の耐久使用後には色再現性の悪化を招く恐れがある。
【0033】
図5は、CCDセンサ19の100℃環境での初期状態(図中における▲1▼)、2500時間使用後(図中における▲2▼)、5000時間使用後(図中における▲3▼)のカラーフィルタの分光感度特性を示す図である。一般に、CCDセンサにおいては、図5に示すように、高温状態が長く続くと、カラーフィルタの分光感度特性が初期状態と比べて変化することが知られている。この変化は、CCDセンサの温度が高いほど早くなる。そのため、CCDセンサ19を高温状態で使用することは、分光感度特性の変化に伴って色再現性の悪化を招く恐れがある。具体的には、初期状態では感度のなかった波長領域にも感度を有するようになり、最終的には彩度が低下してグレーに近くなる色抜け現象となる。
【0034】
図6は、シェーディング板読取値の経時変化を示す図である。ただし、CCDセンサ19のカラーフィルタは、初期状態のままであり、蛍光灯14のみが劣化したと仮定した場合のシェーディング板読取値の経時変化を示す図である。グラフの横軸は、適当な使用回数をもって時間軸に区切った値である。グラフの縦軸は、シェーディング板読取値の出荷時の値を1に規格化した時の読取値との比を表している。つまり、その時間軸における蛍光灯14の劣化度を示す。図4において説明したように、RGと比較してBの感度低下が著しい。
【0035】
図7は、シェーディング板読取値の経時変化を示す図である。ただし、蛍光灯14は、初期状態のままであり、CCDセンサ19のカラーフィルタのみが劣化したと仮定した場合のシェーディング板読取値の経時変化を示す図である。グラフの横軸は、適当な使用回数をもって時間軸に区切った値である。グラフの縦軸は、シェーディング板読取値の出荷時の値を1に規格化した時の読取値との比を表している。つまり、その時間軸におけるCCDセンサ19のカラーフィルタの劣化度を示すものである。
【0036】
尚、本実施の形態におけるデジタルカラー複写機1において、図6、図7に示すような蛍光灯14及びCCDセンサ19のカラーフィルタの劣化特性は、不揮発性メモリ311に予め保存してある。
【0037】
図8は、図6に示す劣化特性を持つ蛍光灯14と図7に示す劣化特性を持つCCDセンサ19のカラーフィルタを使用した場合の、シェーディング板読取値の経時変化例を示した図である。シェーディング板読取値の経時変化の要因は、主に蛍光灯14とCCDセンサ19のカラーフィルタの劣化によるものであるため、図6に示す蛍光灯14の劣化度と、図7に示すCCDセンサ19のカラーフィルタの劣化度を掛け合わせたものである。ただし、図8は、蛍光灯14及びCCDセンサ19のカラーフィルタの同じ時間軸における劣化度を掛け合わせた例である。つまり、蛍光灯14とCCDセンサ19のカラーフィルタが同じ劣化速度で経時劣化した場合の例である。
【0038】
図9は、図6に示す劣化特性を持つ蛍光灯14と図7に示す半分の速度で劣化する劣化特性を持つCCDセンサ19のカラーフィルタを使用した場合の、シェーディング板読取値の経時変化例を示した図である。図8と同様に、同じ時間軸における蛍光灯14とCCDセンサ19のカラーフィルタの劣化度を掛け合わせた例である。つまり、蛍光灯14とCCDセンサ19のカラーフィルタが同じ劣化速度で経時劣化した場合の例である。
【0039】
CCDセンサ19のカラーフィルタ及び蛍光灯14の両者の劣化の進行度合いは、それぞれの部品の持つばらつきや使用環境により個々に異なる。しかし、両者の劣化の進行度合いが異なっても、両者の劣化特性が異なるためにシェーディング板の読取値の経時変化に差が現れる。したがって、シェーディング板の読取値の経時変化を検出することで両者の劣化度合いを推定でき、その状態に応じた色補正を行うことができる。
【0040】
図10を参照しながら本実施の形態におけるデジタルカラー複写機1のCPU312(図3)によって実行される色補正処理について説明する。すなわち、CPU312は、本発明の算出手段及び色補正手段として機能する。尚、係る色補正処理は、任意のタイミングで実施し得る。ただし、CCDセンサ19のカラーフィルタ及び蛍光灯14の経時的な劣化による色再現性の悪化の補正を目的とすることを考慮すれば、必ずしも頻繁に実施する必要はなく、例えば電源投入時の初期化シーケンスにおいて実施すればよい。まず、第1スライダーをシェーディング板13の位置へ移動して蛍光灯14を点灯させ、画像データを取得し、現在のRGBのシェーディング板読取値を求める(ステップS1)。尚、ゲイン調整値は×1.00とする。次に、RGBそれぞれにおいて主走査方向における所定範囲の複数の画素の読取平均値Rm、Gm、Bmを求める(ステップS2)。さらに、不揮発性メモリ311に予め保存されている工場出荷時のシェーディング板の読取平均値である初期値Rs、Gs、Bsと、ステップS2で求めたシェーディング板読取平均値Rm、Gm、Bmとの比Rr、Gr、Brを求める(ステップS3)。ここで、Rr、Gr、Brは以下の式で表される。
【0041】
【数2】
Figure 2004193707
【0042】
以下に、図6に示す劣化特性を持つ蛍光灯14と、図7に示す劣化特性を持つCCDセンサ19のカラーフィルタを使用した場合について説明する。不揮発性メモリ311に保存してある劣化特性、つまり図6、図7に示すシェーディング板読取値の経時変化を基に蛍光灯14及びCCDセンサ19のカラーフィルタのそれぞれの劣化度を求める。まず、図6における蛍光灯14の時間軸0〜7までの8区分に区切られた区間の劣化度と、図7におけるCCDセンサ19のカラーフィルタの時間軸0〜7までの8区分に区切られた区間の劣化度をRGBごとに掛け合わせる。蛍光灯14及びCCDセンサ19のカラーフィルタの劣化の進行速度は、それぞれ使用状況によって異なる可能性があるので、掛け合わせる計算結果はRGBごとに8×8の64通り存在する。
【0043】
具体的に、Bの場合において計算方法を説明する。図6において、Bk0は、時間軸0における蛍光灯14の劣化度を表し、Bk1〜Bk7も同様にそれぞれ時間軸1〜7における蛍光灯14の劣化度を表している。また、図7におけるBf0は、時間軸0におけるCCDセンサ19のカラーフィルタの劣化度を表し、Bf1〜Bf7も同様にそれぞれ時間軸1〜7におけるCCDセンサ19のカラーフィルタの劣化度を表している。蛍光灯14及びCCDセンサ19のカラーフィルタのそれぞれの時間軸における劣化度を掛け合わせるので、計算結果は図11に示すように64通りとなる。
【0044】
次に、RGBごとに64通りの計算結果と、工場出荷時のシェーディング板の読取平均値である初期値Rs、Gs、Bsとシェーディング板読取平均値Rm、Gm、Bmとの比Rr、Gr、Brとを比較して最も誤差の少ない組み合わせを求める。つまり、上記Bの場合においては、Br−Bka(0≦a≦7)×Bfb(0≦b≦7)が最小となる組み合わせを求めることになる。尚、この計算結果とRr、Gr、Brの比率は等価とする。しかし、64通りの計算結果の中には似通った値のものが多数含まれてしまう。その結果、正しい劣化度の組み合わせを求めるのが困難となり、最終的な色補正の精度が下がる原因となる。
【0045】
そこで、色補正の精度を向上させるため、不揮発性メモリ311に保存されている累積スキャン回数を導入する。つまり、累積スキャン回数から蛍光灯14及びCCDセンサ19のカラーフィルタの図6、図7における適当な時間軸の範囲を割り出す。
【0046】
具体的には、まず、不揮発性メモリ311から累積スキャン回数を読み出す(ステップS4)。次に、累積スキャン回数から適当な時間軸の範囲を割り出す変換式を用いて、蛍光灯14及びCCDセンサ19のカラーフィルタの適当な時間軸の範囲を算出する(ステップS5)。例えば、時間軸の始まりの値を求める変換式をINT(累積スキャン回数/10000)−2、時間軸の終わりの値を求める変換式をINT(累積スキャン回数/10000)+2、累積スキャン回数を25000回とすると、求められる時間軸の範囲は蛍光灯14、CCDセンサ19のカラーフィルタ共に0〜4となる。尚、変換式は上記の式に限らず、その他どのような変換式を採用しても良い。
【0047】
上記の時間軸の範囲に基づいて、蛍光灯14及びCCDセンサ19のカラーフィルタの劣化度をそれぞれ掛け合わせる。時間軸の範囲は、蛍光灯14、CCDセンサ19のカラーフィルタ共に0〜4であるので、RGBごとに掛け合わせた計算結果は5×5の25通りとなる。この25通りの計算結果と、上記シェーディング板読取値の初期値Rs、Gs、Bsと平均値Rm、Gm、Bmの比であるRr、Gr、Brとを比較する(ステップS6)。次に、比較の結果、最も誤差の少ない組み合わせをRGBごとに選択する(ステップS7)。ここで、決定した蛍光灯14におけるRGBごとの時間軸の値をそれぞれKr、Kg、Kbとし、CCDセンサ19のカラーフィルタにおけるRGBごとの時間軸の値をそれぞれFr、Fg、Fbとする。
【0048】
RGBごとに時間軸の値が若干異なることがあるため、蛍光灯14、CCDセンサ19のカラーフィルタのそれぞれにおいて、RGBの時間軸の値を平均する(ステップS8)。つまり、蛍光灯14においてINT((Kr+Kg+Kb)/3)、CCDセンサ19のカラーフィルタにおいてINT((Fr+Fg+Fb)/3)を求める。
【0049】
蛍光灯14の時間軸の値及びCCDセンサ19のカラーフィルタの時間軸の値が決定したので、図12の換算表から色補正パラメータのバンクを参照する(ステップS9)。参照されたバンクのパラメータは、マスキング演算部37における行列式を表すものであり、このパラメータに対応する行列式をセットする。例えば、蛍光灯14の時間軸の値が2、CCDセンサ19のカラーフィルタの時間軸の値が3である場合には、パラメータ5に対応する行列式がセットされる。
【0050】
尚、色補正の精度を向上させるための累積スキャン回数を用いない方法として、RGBごとに64通りの計算結果と工場出荷時のシェーディング板の読取平均値である初期値Rs、Gs、Bsとシェーディング板読取平均値Rm、Gm、Bmとの比Rr、Gr、Brの差が所定値以下であるかを判別する方法がある。つまりBの場合、Br−Bka(0≦a≦7)×Bfb(0≦b≦7)≦所定値である場合、Bka(0≦a≦7)×Bfb(0≦b≦7)を1とし、Br−Bka(0≦a≦7)×Bfb(0≦b≦7)≧所定値である場合、Bka(0≦a≦7)×Bfb(0≦b≦7)を0とする。RGに関しても同じように判別を行い、RGB全てが1となる蛍光灯14及びCCDセンサ19のカラーフィルタの劣化度を掛け合わせた計算結果を見つけ出し、それらを蛍光灯14及びCCDセンサ19のカラーフィルタのRGBにおける劣化度とし、対応する時間軸の値を決定する。これより後の処理については累積スキャン回数を用いる場合と同様である。ここで、所定値に関しては実験結果などに基づく値を採用するものとする。
【0051】
尚、本実施の形態において色補正は、マスキング演算部37において、RGBデータをCMYデータに変換する際のパラメータを変化させることで行っているが、他の色補正パラメータによって行っても良い。例えば、RGBデータから均等色空間の一種であるL表色系に変換し、その後、L表色系からCMYデータに変換する場合では、RGBデータからL表色系に変換するパラメータまたはL表色系からCMYデータに変換するパラメータを変化させることで色補正を行っても良い。さらに、RGBデータからCMYデータに変換した後に色補正を行っても良い。その他、色補正の手法については、特に限定されず、周知の種々の手法を採用し得る。
【0052】
尚、本実施の形態における蛍光灯14及びCCDセンサ19のカラーフィルタの劣化度及び対応する時間軸の値を求める計算処理は、CPU312においてソフト処理により行われるが、専用のハードロジック回路によって行われても良い。
【0053】
また、本発明は、デジタルカラー複写機に限定されたものではなく、カラー画像読取装置全般に適用可能であり、例えば、ネットワークスキャナやファクシミリなどにも適用可能である。
【0054】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明に係る画像読取装置では、シェーディング板の読取値の予め設定された初期値からの変化量を検出することで、CCDカラーフィルタの経時的な劣化による分光感度特性及び光源の経時的な劣化による発光スペクトル特性の変化量を同時に検出し、CCDカラーフィルタの経時的な劣化による色再現性の悪化、及び、光源の経時的な劣化による色再現性の悪化の両方の補正が可能である。
【0055】
また、上記画像読取装置では、CCDカラーフィルタ及び光源のそれぞれの使用状況、それぞれの劣化特性や劣化速度に対応した色補正が可能となり、CCDカラーフィルタ及び光源の両者の劣化の進行度合いが大きく異なるために色再現性が悪化するのを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るデジタルカラー複写機1の構成断面図である。
【図2】図1に示すデジタルカラー複写機1のイメージリーダ部100の上面図である。
【図3】本実施の形態に係るデジタルカラー複写機1に用いられる読取制御部の回路構成を示すブロック図である。
【図4】白色キセノンランプからなる蛍光灯14の初期状態、200時間使用後、1000時間使用後の発行スペクトル特性を示す図である。
【図5】CCDセンサ19の100℃環境での初期状態、2500時間使用後、5000時間使用後のカラーフィルタの分光感度特性を示す図である。
【図6】蛍光灯14のみが劣化したと仮定した場合のシェーディング板読取値の経時変化を示す図である。
【図7】CCDセンサ19のカラーフィルタのみが劣化したと仮定した場合のシェーディング板読取値の経時変化を示す図である。
【図8】図6に示す劣化特性を持つ蛍光灯14と図7に示す劣化特性をもつCCDセンサ19のカラーフィルタを使用した場合シェーディング板読取値の経時変化例を示した図である。
【図9】図6に示す劣化特性を持つ蛍光灯14と図7に示す半分の速度で劣化する劣化特性をもつCCDセンサ19のカラーフィルタを使用した場合シェーディング板読取値の経時変化例を示した図である。
【図10】本実施の形態に係る画像読取装置の色補正手順を示すフローチャートを示した図である。
【図11】図6に示す劣化特性を持つ蛍光灯14と図7に示す劣化特性をもつCCDセンサ19のカラーフィルタを使用した場合のブルー(B)のそれぞれの劣化度を掛け合わせた計算結果を示した図である。
【図12】蛍光灯14、CCDセンサ19のカラーフィルタのそれぞれの劣化度における色補正パラメータを示す一覧表を示した図である。
【符号の説明】
1;デジタルカラー複写機
100;イメージリーダ部
101;イメージプリンタ部
11;原稿
12;原稿ガラス
13;シェーディング板
14;蛍光灯
15;第1ミラー
16;第2ミラー
17;第3ミラー
18;レンズ
19;CCDセンサ
30;アナログ処理部
31;A/D変換部
32;シェーディング補正部
33;ライン間補正部
34;変倍移動処理部
35;HVC変換部
36;濃度変換部
37;マスキング演算部
38;UCR/BP処理部
39;領域判別部
310;MTF補正部
311;不揮発性メモリ
312;CPU

Claims (5)

  1. シェーディング板と、原稿を照射する光源と、カラーフィルタを備えたCCDセンサとを備えた読取手段と、
    初期状態において前記読取手段により前記シェーディング板の読み取った初期値を予め記憶している記憶手段と、
    前記読取手段により前記シェーディング板を読み取った現在の読取値と前記記憶手段に記憶されている初期値とを用いて、前記光源及び前記カラーフィルタの経時的な原因によるそれぞれの劣化度を算出する算出手段と、
    前記算出手段により算出された前記光源及び前記カラーフィルタの劣化度に応じて、色補正パラメータを選択する色補正手段と
    を備えたことを特徴とする画像読取装置。
  2. 前記記憶手段は、さらに、前記光源及び前記カラーフィルタのそれぞれの劣化特性に応じた所定の経過時間ごとの前記シェーディング板読取値を予め記憶しており、
    前記算出手段は、前記現在の読取値、前記初期値、並びに、前記光源及び前記カラーフィルタのそれぞれの劣化特性に応じた所定の経過時間ごとの前記シェーディング板読取値を用いて、前記光源及び前記カラーフィルタのそれぞれの劣化度を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 前記算出手段は、前記所定の経過時間ごとの前記光源の劣化特性に応じた前記シェーディング板読取値と前記カラーフィルタの劣化特性に応じた前記シェーディング板読取値とを掛け合わせて得られた複数の値と、前記初期値に対する前記現在の読取値の比とを比較することにより、前記光源及び前記カラーフィルタのそれぞれの劣化度を算出する
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
  4. 前記記憶手段は、さらに、前記読取手段による累積読取回数を記憶しており、
    前記算出手段は、前記累積読取回数を用いて現在の経過時間を推定し、当該推定された経過時間に基づいて、前記初期値に対する前記現在の読取値の比と比較すべき前記光源及び前記カラーフィルタのそれぞれの劣化特性に応じた所定の経過時間ごとの前記シェーディング板読取値の範囲を制限する
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
  5. 前記光源は蛍光灯からなることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
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