JP2004193020A - 希ガス蛍光ランプ - Google Patents
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Abstract
【課題】希ガス蛍光ランプ光源の長尺化に対し、点灯開始時に必要な印加電圧の低減を図り、点灯回路の小型化を図る。
【解決手段】両端が気密に封止され、内部に少なくともキセノンを含んだ放電媒体3が封入された、透光性気密容器1と前記透光性気密容器1の内側に形成された蛍光体被膜2、その封止した片側端より第1のリード線4が前記透光性気密容器1の内側に貫通しその先端部には内部電極5が装着固定され、前記透光性気密容器1の外側に外部電極6を有する構成の希ガス蛍光ランプにおいて、外部電極6の長さを前記透光性気密容器1とほぼ同じ長さまで短くし、さらに複数本を並列に配置する。さらに複数の線状の外部電極6は片方の端部が、内部電極側と対向する第2のリード線8に電気的に接続され、内部電極近傍に配置される他端は、電気的に開放状態であり複数本の外部電極6は前記電気的接続部分以外は、所定の距離で隔離されていることを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】両端が気密に封止され、内部に少なくともキセノンを含んだ放電媒体3が封入された、透光性気密容器1と前記透光性気密容器1の内側に形成された蛍光体被膜2、その封止した片側端より第1のリード線4が前記透光性気密容器1の内側に貫通しその先端部には内部電極5が装着固定され、前記透光性気密容器1の外側に外部電極6を有する構成の希ガス蛍光ランプにおいて、外部電極6の長さを前記透光性気密容器1とほぼ同じ長さまで短くし、さらに複数本を並列に配置する。さらに複数の線状の外部電極6は片方の端部が、内部電極側と対向する第2のリード線8に電気的に接続され、内部電極近傍に配置される他端は、電気的に開放状態であり複数本の外部電極6は前記電気的接続部分以外は、所定の距離で隔離されていることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電ランプに関し、特にパーソナルコンピューター、カーナビゲーションなどの電子機器に使用される液晶表示装置のバックライト用光源などに適する希ガス蛍光ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、パーソナルコンピューター、カーナビゲーションなどの液晶表示装置のバックライトユニット用光源に使用される蛍光ランプは、水銀が封入された冷陰極蛍光ランプが使用ており、水銀による紫外線によって蛍光体を発光させている。水銀から放射される紫外線の強度は、水銀の蒸気圧に影響され、さらに水銀の蒸気圧は周囲温度に影響される。従って、冷陰極蛍光ランプの輝度は周囲温度の影響を受けやすく、最的温度範囲の40℃〜50℃より周囲温度が低くても、高くても冷陰極蛍光ランプの輝度が低下する。さらに点灯始動後の輝度立ち上り時間も長くなる。
【0003】
一方、水銀の代りにキセノンガスなどの希ガスを封入した希ガス蛍光ランプは、明るさが周囲温度に影響されなく、常に一定の光出力が得られる特長を有している。この特長は情報機器の使用温度範囲における液晶表示部の安定動作と、輝度の瞬時立ち上りを可能とした。さらに、有害物質である水銀を使用しないため、希ガス蛍光ランプ破棄時の処理が容易となり、環境を汚染しない利点がある。
【0004】
従来の希ガス蛍光ランプを、図7・図8を用いて説明する。透光性気密容器1は、ガラス管の両端が封止、成形され内部の放電空間内にはキセノンを主体とする放電媒体3が封入されている。さらに透光性気密容器1には材質が硬質ガラス製で、外径1.2〜10.0mm程度、長さは50〜800mm程度のものが使用される。さらに、透光性気密容器1の内面には、3波長発光形の蛍光体にボレート系化合物、或いはピロ燐酸カルシウム微粒子を結着剤として添加している化合物を被膜とした蛍光体被膜2が形成されている。
【0005】
第1のリード線4は、封着金属のコバールにジュメット線が溶接されており、封着金属のコバール部分が、前記透光性気密容器1の一端から内部に挿入され透光性気密容器1の放電空間に貫通した状態で、気密に封着封止されている。放電空間に貫通している第1のリード線4のコバール部分先端部には、冷陰極となる金属製電極(例えばニッケル)などが、支持固定されて内部電極5として封装されている。もう一方の封止部には第1のリード線と同じように封着金属のコバールにジュメット線が溶接された第2のリード線8は、前記透光性気密容器1の両端の封止により出来上がった、内部放電空間に封入されている放電媒体3の希ガスにコバール部分が接しないように封止部から貫通突出しない状態で植設、固定されていている。
【0006】
さらに前記透光性気密容器1の外壁には導電性材料(例えばニッケル)を用いた外部電極6が1本、前記透光性気密容器1の管軸方向のほぼ全域に密着して巻き回され、前記第2のリード線8側に配置する前記外部電極6の端部は、前記第2のリード線8のジュメット線部に電気的に接続されている。
【0007】
さらに、透光性絶縁材料7には(例えば、透明なフッ素樹脂で出来た熱収縮性チューブ)などが使用されていて、前記外部電極6を巻きつけた前記透光性気密容器1を収縮チューブに挿入し、収縮チューブ全体に熱を加えることで収縮して、巻き回した外部電極の絶縁被覆と前記透光性気密容器1の密着性を強くしている。(例えば特許文献1参照)。
【0008】
上記の構成の希ガス蛍光ランプは前記第1のリード線4を介して前記内部電極5と、前記第2のリード線8を介して前記外部電極6へ、それぞれ電圧供給電線9を通じて、電源(インバータ)10からの高周波の矩形波電圧(例えば:1〜3KV)を印加すると、内部電極5と外部電極6による放電が開始し、透光性気密容器1内で紫外線が放射される。こうして放射された紫外線が、透光性気密容器1内壁面の蛍光体皮膜2によって可視光に変換され、発光効率が良好で、安定した点灯が行なわれる蛍光ランプとして機能する。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−260591号公報(図4)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
内部電極と外部電極との間で放電させる構造の蛍光ランプの場合、陽光柱は内部電極と内部電極近傍部の外部電極との間の放電空間で生起された後、印加電圧を高くしていくと、陽光柱は外部電極が形成される位置のガラス管内壁上に沿ってランプ先端に進展していく。印加電圧を高くすると、陽光柱の長さは次第に長くなり、ランプの先端側の外部電極まで達し、ランプ全域に亘って発光するようになる。ランプ全域に亘って陽光柱(発光)を広げるためには、外部電極の長さに相当する長さの陽光柱を形成する必要がある。
【0011】
上記の希ガス蛍光ランプの構造の場合、外部電極として、1本の金属線をガラス管の周囲に螺旋状に巻きつけた構造であるため、外部電極の総全長はランプの全長の数倍(3〜5倍)以上の長さとなるため、駆動電圧の高電圧化を招いていた。
【0012】
近年、液晶表示装置などの大型化に伴いバックライト用光源である希ガス蛍光ランプも長尺化が要求されている。従来の希ガス蛍光ランプにおいて、ランプの全長に亘って所望の発光を得るためには、図9のランプ長と放電開始時の電源電圧との関係のグラフに示すとおり、印加電圧を大幅に高く設定する必要がある。ランプの印加電圧を高くするには、希ガス蛍光ランプに電圧を供給する電源10(インバータ)の高出力化が必要となり、電源10の回路に使用するトランスの大型化、その他素子の高耐圧化、さらには回路全体の絶縁安全対策を強化する必要があり、電源10(インバータ)の大型化を招く問題が生じる。
【0013】
そこで本発明は、希ガス蛍光ランプの安定点灯に必要な印加電圧の低減を実施し、電源10(インバータ)の高出力化、大型化を実施すること無く、照明装置の大型化、蛍光ランプの長尺化要求に対応した、希ガス蛍光ランプを提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の希ガス蛍光ランプは両端が気密に封止された透光性気密容器と、この透光性気密容器の内側に蛍光体被膜層が形成され、放電媒体として少なくともキセノンガスを封入し、その封止した片側端の内側に第1のリード線を導入封装した内部電極と、前記透光性気密容器の外側に複数本の外部電極が管軸方向に沿ってほぼ直線状に配置されていることを特徴とするものである。
【0015】
さらに、本発明の希ガス蛍光ランプは、透光性気密容器外側に複数本の外部電極が管軸方向にそって設けられ第2のリード線で電気的に接続が行われ、外部電極個々の長さは各々希ガス蛍光ランプの全長に近似した長さまで短く出来、蛍光ランプ全域に発光を広げるために必要な印加電圧を、低くできることを特徴とするものである。
【0016】
さらに、本発明の希ガス蛍光ランプは、内部電極と反対側のガラス管封止部に、前記複数本の外部電極に給電するための第2のリード線が、透光性気密容器に貫通突出しないように植設されていることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の希ガス蛍光ランプの第1の実施形態を図1〜図3を参照して説明する。図1は本発明の希ガス蛍光ランプの構成を示す軸方向側面外観図、図2は図1に示す希ガス蛍光ランプの軸方向断面図、図3は図1に示す希ガス蛍光ランプの管径方向断面図である。
【0018】
硬質ガラス製で外径が1.2〜10.0mm程度、長さが50〜800mm程度のガラス管よりできている透光性気密容器1は、ガラス管の両端が封止され、両端の封止により形成された放電内部空間には、少なくともキセノンを主体とする放電媒体3の希ガスが封入されている。さらに、透光性気密容器1の内側には、3波長発光形の蛍光体にボレート系化合物、或いはピロ燐酸カルシウム微粒子を結着剤として添加した化合物が、蛍光体被膜層2として形成されている。
【0019】
第1のリード線4は、封着金属のコバールにジュメット線が溶接されており、封着金属のコバール部分が、前記透光性気密容器1の一端から内部に挿入され、前記透光性気密容器1の放電空間に貫通した状態で、気密に封着封止されている。
【0020】
放電空間に貫通している前記第1のリード線4のコバール部分先端部には、冷陰極の電極となる金属(例えばニッケル)などが、支持固定され内部電極5として封装されている。
【0021】
もう一方の封止部には前記第1のリード線と同じように、封着金属のコバールにジュメット線が溶接された第2のリード線8が、前記透光性気密容器1の両端を封止することで出来上がった放電空間の前記放電媒体3の希ガスにコバール部分が貫通突出しない状態で植設、固定されていている。
【0022】
さらに前記透光性気密容器1の外側には導電性金属材料(例えばニッケル)の金属線或いは、片面に接着剤が塗布されている細長いシート、接着剤や硬化剤を含んだ導電性ペーストの印刷などによる外部電極6が、前記透光性気密容器1の全長とほぼ同じ長さで管軸方向に対してほぼ水平な状態で設置されている。第2のリード線8側に配置する複数本の外部電極6の端部は、第2のリード線8のジュメット線部に電気的に接続され、他方の端部はそれぞれ所定の間隔を持って、電気的に開放された状態となっている。
【0023】
さらに、前記透光性気密容器1の周方向に配置されている外部電極6を、被覆・固定して保護し安全性の向上を図る、透明性絶縁材料7は、たとえば透光性熱収縮チューブ或いは、透明性ポリイミド樹脂フィルムシート、透明性絶縁樹脂など、適度な耐熱性を有する材料が使用されている。
【0024】
上記の構成の希ガス蛍光ランプは第1のリード線4と第2のリード線8へ電圧供給電線9を通じて電源10(インバータ)からの高周波の矩形電圧を印加すると、内部電極と複数本の外部電極の間に電界が発生し、透光性気密容器1の外側に設けられた外部電極6の位置と、前記透光性気密容器1の内側の同じ位置に、外部電極に沿って陽光柱が形成される。
【0025】
希ガス蛍光ランプ全域に発光を広げるために、印加電圧を高くしていくと、外部電極で生起される陽光柱の長さも、外部電極に沿ってしだいに長くなり、陽光柱に沿って発光部も長くなることで最終的に希ガス蛍光ランプ全域に発光が広がることになる。
【0026】
本発明においては、希ガス蛍光ランプ全域に発光を広げるために必要な印加電圧の低減と印加電圧と陽光柱の長さに関係の大きい、外部電極6の長さを、希ガス蛍光ランプの全長に近似した長さまで短くすることが出来た。
【0027】
従って、希ガス蛍光ランプ全域に発光を広げるために、必要な印加電圧も少なくて済むことが、図9に示すランプ長と放電開始時の電源電圧の関係グラフにおいても確認され、希ガス蛍光ランプの長尺化要求において不可欠と考えられていた電源の大型化、高電圧出力化に対応する各種設計変更の必要性も無く、従来と同じ印加電圧値においても約2倍のランプ長まで点灯可能となった。
【0028】
さらに、外部電極6を複数本、ほぼ並列に配置することにより、透光性気密容器1の内側の同じ位置に、外部電極6と同じ本数の陽光柱が形成できる。外部電極6の本数を調整することで、希ガス蛍光ランプ内に形成できる陽光柱の総量(希ガス蛍光ランプの光量)がコントロール可能となり、従来の外部電極6が螺旋状に巻きつけられた希ガス蛍光ランプとほぼ同等、さらには高光量対応も可能となった。
【0029】
図4は図1に示す本発明の希ガス蛍光ランプの第1の実施形態の変形例であり、ほぼ直線状の外部電極6と蛇行した外部電極6が配置された実施例である。
【0030】
図5・図6は本発明の希ガス蛍光ランプの第2・第3の実施形態を示す外観図である。これらの図においては、図1〜図3に示した希ガス蛍光ランプの構成部分と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略し、以下では異なる構成部分を中心に説明する。
【0031】
第2の実施形態を示す外観図、図5は複数本の線状の外部電極6が、一端部で共通に電気的に接続されるとともに、他端が電気的に開放状態を保ち、透光性気密容器1の周囲に、外部電極6が相互に所定の間隔を維持しつつ非常に疎な螺旋形状で、希ガス蛍光ランプの外壁に巻き付けられている。さらに外部電極6に金属線を用いる場合、透光性気密容器1への螺旋形状巻き付けにより、外部電極6(金属線)の浮きが簡単に抑制され、希ガス蛍光ランプ製造時に起きる外部電極6の浮き、シワなどによる個々の外部電極6間の不要な接続が解消された。
【0032】
第3の実施形態を示す外観図、図6は図1および図4において、透光性気密容器1の管径方向に設けられた外部電極6の装着間隔を、管軸方向にそって一部分方向に外部電極6を設けない、外部電極の開口部11の構造を、外部電極6の装着パターンで実現することで、円周方向の光の放射に指向性を持った、希ガス蛍光ランプの1つの実施例である。さらに、外部電極の開口部11の位置に相当する蛍光体被膜2を部分的に削り取ることで指向性を増した、アパーチャー付き希ガス蛍光ランプも可能となる。それぞれ指向性を持った希ガス蛍光ランプを、照明装置(バックライト)に使用することで、導光板への光入射効率を高めることができる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、希ガス蛍光ランプの外壁管軸方向にそって外面電極を設けることにより外部電極の長さは、前記希ガス蛍光ランプの全長に近似した長さまで短く出来、希ガス蛍光ランプ全域に発光を広げるために必要な印加電圧を低下させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、希ガス蛍光ランプの第1の実施形態を示すランプ側面図である。
【図2】図1に示す、希ガス蛍光ランプの軸方向断面図である。
【図3】図1又は図2に示す、希ガス蛍光ランプの径方向断面図である。
【図4】図4は図1に示す本発明の希ガス蛍光ランプの第1の実施形態の変形例を示すランプ外観図である。
【図5】本発明の、希ガス蛍光ランプの第2の実施形態を示すランプ外観図である。
【図6】本発明の、希ガス蛍光ランプの第3の実施形態を示すランプ外観図である。
【図7】従来の希ガス蛍光ランプの一例を示す側面図である。
【図8】図6に示す希ガス蛍光ランプの軸方向断面図である。
【図9】本発明の希ガス蛍光ランプのランプ長と放電開始時の電源電圧との関係を従来品と比較して示すグラフである。
【符号の説明】
1 透光性気密容器
2 蛍光体被膜層
3 放電媒体(キセノンガス)
4 第1のリード線
5 内部電極(金属製電極)
6 外部電極(導電性材料)
7 透光性絶縁材料
8 第2のリード線
9 電圧供給線
10 電源(インバータ)
11 外部電極の開口部
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電ランプに関し、特にパーソナルコンピューター、カーナビゲーションなどの電子機器に使用される液晶表示装置のバックライト用光源などに適する希ガス蛍光ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、パーソナルコンピューター、カーナビゲーションなどの液晶表示装置のバックライトユニット用光源に使用される蛍光ランプは、水銀が封入された冷陰極蛍光ランプが使用ており、水銀による紫外線によって蛍光体を発光させている。水銀から放射される紫外線の強度は、水銀の蒸気圧に影響され、さらに水銀の蒸気圧は周囲温度に影響される。従って、冷陰極蛍光ランプの輝度は周囲温度の影響を受けやすく、最的温度範囲の40℃〜50℃より周囲温度が低くても、高くても冷陰極蛍光ランプの輝度が低下する。さらに点灯始動後の輝度立ち上り時間も長くなる。
【0003】
一方、水銀の代りにキセノンガスなどの希ガスを封入した希ガス蛍光ランプは、明るさが周囲温度に影響されなく、常に一定の光出力が得られる特長を有している。この特長は情報機器の使用温度範囲における液晶表示部の安定動作と、輝度の瞬時立ち上りを可能とした。さらに、有害物質である水銀を使用しないため、希ガス蛍光ランプ破棄時の処理が容易となり、環境を汚染しない利点がある。
【0004】
従来の希ガス蛍光ランプを、図7・図8を用いて説明する。透光性気密容器1は、ガラス管の両端が封止、成形され内部の放電空間内にはキセノンを主体とする放電媒体3が封入されている。さらに透光性気密容器1には材質が硬質ガラス製で、外径1.2〜10.0mm程度、長さは50〜800mm程度のものが使用される。さらに、透光性気密容器1の内面には、3波長発光形の蛍光体にボレート系化合物、或いはピロ燐酸カルシウム微粒子を結着剤として添加している化合物を被膜とした蛍光体被膜2が形成されている。
【0005】
第1のリード線4は、封着金属のコバールにジュメット線が溶接されており、封着金属のコバール部分が、前記透光性気密容器1の一端から内部に挿入され透光性気密容器1の放電空間に貫通した状態で、気密に封着封止されている。放電空間に貫通している第1のリード線4のコバール部分先端部には、冷陰極となる金属製電極(例えばニッケル)などが、支持固定されて内部電極5として封装されている。もう一方の封止部には第1のリード線と同じように封着金属のコバールにジュメット線が溶接された第2のリード線8は、前記透光性気密容器1の両端の封止により出来上がった、内部放電空間に封入されている放電媒体3の希ガスにコバール部分が接しないように封止部から貫通突出しない状態で植設、固定されていている。
【0006】
さらに前記透光性気密容器1の外壁には導電性材料(例えばニッケル)を用いた外部電極6が1本、前記透光性気密容器1の管軸方向のほぼ全域に密着して巻き回され、前記第2のリード線8側に配置する前記外部電極6の端部は、前記第2のリード線8のジュメット線部に電気的に接続されている。
【0007】
さらに、透光性絶縁材料7には(例えば、透明なフッ素樹脂で出来た熱収縮性チューブ)などが使用されていて、前記外部電極6を巻きつけた前記透光性気密容器1を収縮チューブに挿入し、収縮チューブ全体に熱を加えることで収縮して、巻き回した外部電極の絶縁被覆と前記透光性気密容器1の密着性を強くしている。(例えば特許文献1参照)。
【0008】
上記の構成の希ガス蛍光ランプは前記第1のリード線4を介して前記内部電極5と、前記第2のリード線8を介して前記外部電極6へ、それぞれ電圧供給電線9を通じて、電源(インバータ)10からの高周波の矩形波電圧(例えば:1〜3KV)を印加すると、内部電極5と外部電極6による放電が開始し、透光性気密容器1内で紫外線が放射される。こうして放射された紫外線が、透光性気密容器1内壁面の蛍光体皮膜2によって可視光に変換され、発光効率が良好で、安定した点灯が行なわれる蛍光ランプとして機能する。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−260591号公報(図4)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
内部電極と外部電極との間で放電させる構造の蛍光ランプの場合、陽光柱は内部電極と内部電極近傍部の外部電極との間の放電空間で生起された後、印加電圧を高くしていくと、陽光柱は外部電極が形成される位置のガラス管内壁上に沿ってランプ先端に進展していく。印加電圧を高くすると、陽光柱の長さは次第に長くなり、ランプの先端側の外部電極まで達し、ランプ全域に亘って発光するようになる。ランプ全域に亘って陽光柱(発光)を広げるためには、外部電極の長さに相当する長さの陽光柱を形成する必要がある。
【0011】
上記の希ガス蛍光ランプの構造の場合、外部電極として、1本の金属線をガラス管の周囲に螺旋状に巻きつけた構造であるため、外部電極の総全長はランプの全長の数倍(3〜5倍)以上の長さとなるため、駆動電圧の高電圧化を招いていた。
【0012】
近年、液晶表示装置などの大型化に伴いバックライト用光源である希ガス蛍光ランプも長尺化が要求されている。従来の希ガス蛍光ランプにおいて、ランプの全長に亘って所望の発光を得るためには、図9のランプ長と放電開始時の電源電圧との関係のグラフに示すとおり、印加電圧を大幅に高く設定する必要がある。ランプの印加電圧を高くするには、希ガス蛍光ランプに電圧を供給する電源10(インバータ)の高出力化が必要となり、電源10の回路に使用するトランスの大型化、その他素子の高耐圧化、さらには回路全体の絶縁安全対策を強化する必要があり、電源10(インバータ)の大型化を招く問題が生じる。
【0013】
そこで本発明は、希ガス蛍光ランプの安定点灯に必要な印加電圧の低減を実施し、電源10(インバータ)の高出力化、大型化を実施すること無く、照明装置の大型化、蛍光ランプの長尺化要求に対応した、希ガス蛍光ランプを提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の希ガス蛍光ランプは両端が気密に封止された透光性気密容器と、この透光性気密容器の内側に蛍光体被膜層が形成され、放電媒体として少なくともキセノンガスを封入し、その封止した片側端の内側に第1のリード線を導入封装した内部電極と、前記透光性気密容器の外側に複数本の外部電極が管軸方向に沿ってほぼ直線状に配置されていることを特徴とするものである。
【0015】
さらに、本発明の希ガス蛍光ランプは、透光性気密容器外側に複数本の外部電極が管軸方向にそって設けられ第2のリード線で電気的に接続が行われ、外部電極個々の長さは各々希ガス蛍光ランプの全長に近似した長さまで短く出来、蛍光ランプ全域に発光を広げるために必要な印加電圧を、低くできることを特徴とするものである。
【0016】
さらに、本発明の希ガス蛍光ランプは、内部電極と反対側のガラス管封止部に、前記複数本の外部電極に給電するための第2のリード線が、透光性気密容器に貫通突出しないように植設されていることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の希ガス蛍光ランプの第1の実施形態を図1〜図3を参照して説明する。図1は本発明の希ガス蛍光ランプの構成を示す軸方向側面外観図、図2は図1に示す希ガス蛍光ランプの軸方向断面図、図3は図1に示す希ガス蛍光ランプの管径方向断面図である。
【0018】
硬質ガラス製で外径が1.2〜10.0mm程度、長さが50〜800mm程度のガラス管よりできている透光性気密容器1は、ガラス管の両端が封止され、両端の封止により形成された放電内部空間には、少なくともキセノンを主体とする放電媒体3の希ガスが封入されている。さらに、透光性気密容器1の内側には、3波長発光形の蛍光体にボレート系化合物、或いはピロ燐酸カルシウム微粒子を結着剤として添加した化合物が、蛍光体被膜層2として形成されている。
【0019】
第1のリード線4は、封着金属のコバールにジュメット線が溶接されており、封着金属のコバール部分が、前記透光性気密容器1の一端から内部に挿入され、前記透光性気密容器1の放電空間に貫通した状態で、気密に封着封止されている。
【0020】
放電空間に貫通している前記第1のリード線4のコバール部分先端部には、冷陰極の電極となる金属(例えばニッケル)などが、支持固定され内部電極5として封装されている。
【0021】
もう一方の封止部には前記第1のリード線と同じように、封着金属のコバールにジュメット線が溶接された第2のリード線8が、前記透光性気密容器1の両端を封止することで出来上がった放電空間の前記放電媒体3の希ガスにコバール部分が貫通突出しない状態で植設、固定されていている。
【0022】
さらに前記透光性気密容器1の外側には導電性金属材料(例えばニッケル)の金属線或いは、片面に接着剤が塗布されている細長いシート、接着剤や硬化剤を含んだ導電性ペーストの印刷などによる外部電極6が、前記透光性気密容器1の全長とほぼ同じ長さで管軸方向に対してほぼ水平な状態で設置されている。第2のリード線8側に配置する複数本の外部電極6の端部は、第2のリード線8のジュメット線部に電気的に接続され、他方の端部はそれぞれ所定の間隔を持って、電気的に開放された状態となっている。
【0023】
さらに、前記透光性気密容器1の周方向に配置されている外部電極6を、被覆・固定して保護し安全性の向上を図る、透明性絶縁材料7は、たとえば透光性熱収縮チューブ或いは、透明性ポリイミド樹脂フィルムシート、透明性絶縁樹脂など、適度な耐熱性を有する材料が使用されている。
【0024】
上記の構成の希ガス蛍光ランプは第1のリード線4と第2のリード線8へ電圧供給電線9を通じて電源10(インバータ)からの高周波の矩形電圧を印加すると、内部電極と複数本の外部電極の間に電界が発生し、透光性気密容器1の外側に設けられた外部電極6の位置と、前記透光性気密容器1の内側の同じ位置に、外部電極に沿って陽光柱が形成される。
【0025】
希ガス蛍光ランプ全域に発光を広げるために、印加電圧を高くしていくと、外部電極で生起される陽光柱の長さも、外部電極に沿ってしだいに長くなり、陽光柱に沿って発光部も長くなることで最終的に希ガス蛍光ランプ全域に発光が広がることになる。
【0026】
本発明においては、希ガス蛍光ランプ全域に発光を広げるために必要な印加電圧の低減と印加電圧と陽光柱の長さに関係の大きい、外部電極6の長さを、希ガス蛍光ランプの全長に近似した長さまで短くすることが出来た。
【0027】
従って、希ガス蛍光ランプ全域に発光を広げるために、必要な印加電圧も少なくて済むことが、図9に示すランプ長と放電開始時の電源電圧の関係グラフにおいても確認され、希ガス蛍光ランプの長尺化要求において不可欠と考えられていた電源の大型化、高電圧出力化に対応する各種設計変更の必要性も無く、従来と同じ印加電圧値においても約2倍のランプ長まで点灯可能となった。
【0028】
さらに、外部電極6を複数本、ほぼ並列に配置することにより、透光性気密容器1の内側の同じ位置に、外部電極6と同じ本数の陽光柱が形成できる。外部電極6の本数を調整することで、希ガス蛍光ランプ内に形成できる陽光柱の総量(希ガス蛍光ランプの光量)がコントロール可能となり、従来の外部電極6が螺旋状に巻きつけられた希ガス蛍光ランプとほぼ同等、さらには高光量対応も可能となった。
【0029】
図4は図1に示す本発明の希ガス蛍光ランプの第1の実施形態の変形例であり、ほぼ直線状の外部電極6と蛇行した外部電極6が配置された実施例である。
【0030】
図5・図6は本発明の希ガス蛍光ランプの第2・第3の実施形態を示す外観図である。これらの図においては、図1〜図3に示した希ガス蛍光ランプの構成部分と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略し、以下では異なる構成部分を中心に説明する。
【0031】
第2の実施形態を示す外観図、図5は複数本の線状の外部電極6が、一端部で共通に電気的に接続されるとともに、他端が電気的に開放状態を保ち、透光性気密容器1の周囲に、外部電極6が相互に所定の間隔を維持しつつ非常に疎な螺旋形状で、希ガス蛍光ランプの外壁に巻き付けられている。さらに外部電極6に金属線を用いる場合、透光性気密容器1への螺旋形状巻き付けにより、外部電極6(金属線)の浮きが簡単に抑制され、希ガス蛍光ランプ製造時に起きる外部電極6の浮き、シワなどによる個々の外部電極6間の不要な接続が解消された。
【0032】
第3の実施形態を示す外観図、図6は図1および図4において、透光性気密容器1の管径方向に設けられた外部電極6の装着間隔を、管軸方向にそって一部分方向に外部電極6を設けない、外部電極の開口部11の構造を、外部電極6の装着パターンで実現することで、円周方向の光の放射に指向性を持った、希ガス蛍光ランプの1つの実施例である。さらに、外部電極の開口部11の位置に相当する蛍光体被膜2を部分的に削り取ることで指向性を増した、アパーチャー付き希ガス蛍光ランプも可能となる。それぞれ指向性を持った希ガス蛍光ランプを、照明装置(バックライト)に使用することで、導光板への光入射効率を高めることができる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、希ガス蛍光ランプの外壁管軸方向にそって外面電極を設けることにより外部電極の長さは、前記希ガス蛍光ランプの全長に近似した長さまで短く出来、希ガス蛍光ランプ全域に発光を広げるために必要な印加電圧を低下させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、希ガス蛍光ランプの第1の実施形態を示すランプ側面図である。
【図2】図1に示す、希ガス蛍光ランプの軸方向断面図である。
【図3】図1又は図2に示す、希ガス蛍光ランプの径方向断面図である。
【図4】図4は図1に示す本発明の希ガス蛍光ランプの第1の実施形態の変形例を示すランプ外観図である。
【図5】本発明の、希ガス蛍光ランプの第2の実施形態を示すランプ外観図である。
【図6】本発明の、希ガス蛍光ランプの第3の実施形態を示すランプ外観図である。
【図7】従来の希ガス蛍光ランプの一例を示す側面図である。
【図8】図6に示す希ガス蛍光ランプの軸方向断面図である。
【図9】本発明の希ガス蛍光ランプのランプ長と放電開始時の電源電圧との関係を従来品と比較して示すグラフである。
【符号の説明】
1 透光性気密容器
2 蛍光体被膜層
3 放電媒体(キセノンガス)
4 第1のリード線
5 内部電極(金属製電極)
6 外部電極(導電性材料)
7 透光性絶縁材料
8 第2のリード線
9 電圧供給線
10 電源(インバータ)
11 外部電極の開口部
Claims (5)
- 両端が気密に封止され放電媒体として内部に少なくともキセノンガスを封入した管状の透光性気密容器と、前記透光性気密容器の内壁に形成された蛍光体被膜と、前記透光性気密容器の端部内側に封装した内部電極と、前記透光性気密容器の管軸方向の外壁に沿って一端部が電気的に導通状態に接続されるとともに他端が電気的に開放状態で設けられた複数本の線状の外部電極とを具備したことを特徴とする希ガス蛍光ランプ。
- 前記複数本の外部電極は、前記透光性気密容器の円周方向に平行に所望の間隔で均一に配置されるとともに、前記透光性気密容器の管軸方向にはほぼ直線状に配置されていることを特徴とする請求項1記載の希ガス蛍光ランプ。
- 前記複数本の外部電極は前記透光性気密容器の周囲に、相互に所望の間隔を維持しつつ螺旋状に巻きつけられることを特徴とする請求項1記載の希ガス蛍光ランプ。
- 前記平行に所望の間隔で配置された複数本の外部電極は、前記透光性気密容器の円周方向の一部電極間の間隔が他の電極間の間隔より広く形成されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の希ガス蛍光ランプ。
- 前記複数本の線状の外部電極の電気的導通端側が、前記透光性気密容器の端部においてガラス管内に貫通露出しないように植設されたリード線に接続されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の希ガス蛍光ランプ。
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2002
- 2002-12-12 JP JP2002361359A patent/JP2004193020A/ja active Pending
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