JP2004192505A - 認証システム及びサービス提供システム - Google Patents
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Abstract
【課題】不特定多数の人間がいる環境でも第三者の盗み見やなりすましのできない安全性の高い個人認証システム及び公衆情報端末の活用を可能にする安全性と簡便性を兼ね備えたサービスシステムの提供。
【解決手段】サーバ及びネットワークを介して前記サーバと接続したコンピュータ装置を利用者が利用する際に、利用者のアクセスを管理する認証システムであって、サーバが、前記コンピュータ装置を介した利用者からのアクセス要求に対し、アクセス許可のためのパスワードを設定して利用者の携帯端末に送信し、前記コンピュータ装置を介して前記パスワードを受け取ったときにアクセスを許可する認証システム、並びにこの認証システムを含むサービス提供システム。
【選択図】 図1
【解決手段】サーバ及びネットワークを介して前記サーバと接続したコンピュータ装置を利用者が利用する際に、利用者のアクセスを管理する認証システムであって、サーバが、前記コンピュータ装置を介した利用者からのアクセス要求に対し、アクセス許可のためのパスワードを設定して利用者の携帯端末に送信し、前記コンピュータ装置を介して前記パスワードを受け取ったときにアクセスを許可する認証システム、並びにこの認証システムを含むサービス提供システム。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、認証システム及びこれを利用したサービス提供システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネットの普及に伴い、各種のオンラインサービスが発展しつつある。また、コンピュータの低価格化や高帯域ネットワークの普及も進んでいる。このようにインフラが整備された現状からすれば、公共の場(例えば、図書館等の公的施設やコンビニエンスストア等の商業施設)でもインターネットが幅広く利用されてよいはずであるが、現実にはコンビニエンスストア設置のサービスマシン(「コンビニ端末」あるいはより広い意味で「キオスク端末」(例えば、経済産業省商務情報政策局情報経済課「電子契約法について」参照)とも呼ばれるが、以下では「公衆情報端末」という。)でさえ、バンキングサービス以外の稼働率は低く、一部の例外を除いて赤字状態となっている。
【0003】
一方、現代人は、寸断された時間を何かをして埋めようとする傾向が強いことは従来観察されるところである(例えば、駅や交通機関内での携帯メール)。この点からすれば、コンビニエンスストアの利用者が、来店時に何か新たな情報を得ようという意欲は旺盛なはずであるが、上述のように、現状はそのようにはなっていない。
【0004】
これは、現在の公衆情報端末利用が、ニーズに見合ったサービスを提供していないためと考えられる。
【0005】
一つの問題としては、セキュリティの問題があるであろう。公共の場でパスワードを必要とするサイトに接続した場合、コンピュータに残った記録から第三者がパスワードを盗用する危険は高い。第三者が容易にはシステムファイルを操作できない場合でも、利用者が入力操作を行なう際、第三者にパスワード等を盗み見られる可能性がある。従って、利用者は公衆端末においては個人情報の入力を忌避する傾向がある。
【0006】
セキュリティが十分に確保できないという条件から、提供されるサービスは極めて一般的なものに限定され、これがさらに利用者の利用意欲を殺ぐ。つまり、現状では、利用者は自分の嗜好とは関係のない多数の項目の中から所望の項目を探したり、アクセスの都度、いろいろな情報を入力しなければならず、このプロセスは極めて煩瑣である。ウエブサイトの構築においては「8秒ルール」(目的画面が8秒経っても表示されないと、アクセスしてきたユーザが待ちきれずに、他のサイトに行ってしまうという経験則)が重要とされている。つまり、利用者は短時間で所望(あるいは興味を惹く)情報を得られないサービスは利用したがらない。現状では、アクセス開始からそうした情報まで短時間で簡単な操作で到達することは難しい。
【0007】
また、公衆情報端末の商品販売メニューでは、エンターテインメント性が乏しいことも挙げられるであろう。公衆情報端末でも占いコーナーのようなものはあるが、これは商品やサービスの販売とは関係のない付随的サービスである。しかし、ウインドーショッピングという言葉に代表されるように、本来、商品選択はそれ自体がエンターテインメントである。現在の公衆情報端末では、商品選択が本来有しているエンターテインメント性が活かされていない。
【0008】
従って、セキュリティ面での問題を解決し、個人情報を保護しつつ利用者一人一人に適した、かつエンターテインメント性をも有するサービスを、公衆情報端末で提供するシステムが望まれている。
【0009】
複数の人間が利用し得るコンピュータについて、セキュリティ確保を図る技術として、特許文献1に記載のシステムが挙げられる。これは、利用者のPHS端末の電話番号とパスワード及びリモート接続IDを予めサーバに登録し、このパスワードとリモート接続IDを前記利用者に通知しておくものである。利用者がPHSからサーバに向けてこのパスワードとリモート接続IDを発信することにより、サーバは電話番号とパスワードを受け、これらを予め登録してある前記電話番号及びパスワードと比較する。これらが一致するときは、一時的なパスワードを前記利用者のPHS端末に発行し、これを用いて利用者が前記パーソナルコンピュータを用いて接続要求を行なうものである。
【0010】
この方法によれば、コンピュータに入力するパスワード自体は一時的なものであるため、仮に盗み見られても、第三者に盗用される心配がない。しかし、PHSでパスワードを入力して認証サーバにアクセスし、その結果、得られた一時的パスワードをコンピュータに入力してアクセス認証を受けるというのはいかにも迂遠であり、公衆情報端末での使用に適したものではない。また、この発明は予め認証サーバへの登録が必要である。さらに、使用するコンピュータが特定されており、社内や学内LANのようにしか適用できない。
【0011】
セキュリティ確保の別の方法としては、ICカード等のカードを用いるものがある。これは既に様々なものが提案されているが(例えば、特許文献2)、この他にも特許文献3はカードや携帯端末にIDメディアなるディスクを装着した認証手段を提案している。しかし、こうしたシステムは、カードのみによる場合は紛失や盗難の危険があり、パスワードを併用したとしても、通常のパスワード入力と同様の問題がある。
【0012】
一方、インターネットを使ったオーダーシステムとしては、特許文献4には、三次元スキャナを使って利用者像を取り込み、各種コーディネートを行なう方法が提案されている。しかし、これは、大掛かりな装置が必要であり、また、公衆情報端末との組み合わせを提案したものではない。
このように、公衆情報端末におけるセキュリティと利用性をともに高める方法は従来提案されていない。
【0013】
【特許文献1】
特開2000−10927
【特許文献2】
特開2002−158655
【特許文献3】
特開2000−402718
【特許文献4】
特開2000−293945
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、公衆情報端末等のコンピュータ装置において簡易かつ安全にアクセスすることを可能にする認証システム、及びこの認証システムを用いた公衆情報端末によるサービス提供方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、従来の方法では、セキュリティまたは簡便さの点で問題であった認証方法について、携帯電話と一時的パスワードとの組み合わせを応用することにより解決し、さらに、これを用いればより現実的で多彩な、しかも利用者一人一人に特化したサービスを提供し得ることを見出し本発明を完成するに至った。
【0016】
具体的には、本発明は以下の認証システム及びサービス提供システムを提供する。
[1] サーバ及びネットワークを介して前記サーバと接続したコンピュータ装置を利用者が利用する際に利用者のアクセスを制御する認証システムであって、サーバが、前記コンピュータ装置を介した利用者からのアクセス要求に対し、アクセス許可のためのパスワードを設定して利用者の携帯端末に送信し、前記コンピュータ装置を介して前記パスワードを受け取ったときにアクセスを許可する認証システム。
[2] 利用者の携帯端末が有する個人識別情報を前記コンピュータ装置を介して受け取り、サーバまたは他のコンピュータが有する個人情報データベースにアクセスして、個人情報データベースに前記個人識別情報と一致するデータが存在するか否かを調査し、該当データがあるときは前記利用者にそのデータを関連付ける前記1に記載の認証システム。
[3] 携帯端末が有する個人識別情報が無線経路により前記コンピュータ装置に伝達される前記1または2に記載の認証システム。
【0017】
[4] 無線経路がブルートゥース規格に適合するものである前記3に記載の認証システム。
[5] 前記1〜4のいずれかに記載の認証システムを備えたシステムにおいて、利用者からの要求に応じてサーバまたはサーバを介して接続するコンピュータにより保持されたプログラムを実行し、その結果を前記コンピュータ装置に送信するサービス提供システム。
[6] コンピュータ装置が不特定多数の利用し得る環境に置かれているものである前記5に記載のサービス提供システム。
【0018】
[7] 顧客からのサービス要求内容に応じたアプリケーションサービスプロバイダに接続してサービスを提供する前記6に記載のサービス提供システム。
[8] 提供されるサービスが、オンラインによる商品販売及びそれに付随する商品の紹介や商品選択の支援、オンラインバンキング、オンラインによる宿泊施設若しくは交通手段の予約及びそれに付随する宿泊若しくは旅行プランの紹介やこれらの商品選択の支援、公共機関による各種証明書の発行及びサービスの予約、オンラインによるチケット販売及びそれに付随する商品の紹介や商品選択の支援を含む前記5〜7のいずれかに記載のサービス提供システム。
【0019】
[9] 提供されるサービスが、オンラインによる商品販売及びそれに付随する商品の紹介や商品選択の支援を含み、利用者の登録情報またはその場で撮影した利用者の写真に合わせて商品を表示し、利用者の指定する条件に応じて提示する商品の種類や表示の背景画面や色を変更する前記8に記載のサービス提供システム。
[10] 商品が下着、服飾品及び装飾品であり、利用者の体型に合わせて寸法直しデータを生成し、利用者が注文を確定したときは、メーカーまたはメーカーと寸法直し業者にデータを送信し、これにより、利用者の体型に適合するように商品を製造または寸法直しして商品を利用者に販売する前記9に記載のサービス提供システム。
【0020】
[11] 商品が商品登録者によって前記アプリケーションサービスプロバイダまたはこれに接続するコンピュータに登録され、登録された商品の中から利用者の要求に応じて商品を提示する前記8〜10のいずれかに記載のサービス提供システム。
[12] 商品登録者が対象利用者層と商品の推奨度を指定し、該当する利用者層に対して前記推奨度に応じて商品を提示する前記8〜11のいずれかに記載のサービス提供システム。
[13] 提供されるサービスが、車両盗難防止サービスであり、利用者からの車両盗難通知により、該当車両に搭載したコンピュータに指示して、その運行を不可能ないし困難にする前記5〜7のいずれかに記載のサービス提供システム。
【0021】
(1)認証システム
図1に本発明の認証システムを説明した模式図を示す。
図1(a)において、利用者1はコンピュータ装置2を介してサーバ3にアクセスしようとしている。なお、利用者1は携帯端末4を所持しているものとする(図1(c)参照)。また、以下、コンピュータ装置2としては、公衆情報端末を例にとって説明するが、適当な伝送路5(一般的には電話線であるが、無線でもよい。)を介してサーバ3に接続しているパーソナルコンピュータやゲーム機器等でもよい。
【0022】
従来のシステムでは、利用者1はコンピュータ装置2の入力装置、例えば、タッチパネルやキーボード、テンキー等を操作して表示部に示されたメニューから所望の項目を選択していた。ここで、パスワードが必要な場合は、予め登録してあるIDとパスワードを入力していた。
【0023】
本発明のシステムでは、利用者1はコンピュータ装置2を利用しようとする際に、コンピュータ装置2に携帯端末4の識別情報を入力する。携帯端末4の識別情報は携帯電話やPHSであればその電話番号、あるいは一般に携帯端末のメールアドレスである。これはタッチパネルやキーボード、テンキー等を操作して行なってもよいし、例えば、携帯端末の自己プロファイル表示機能等によって携帯端末の画面に表示し、これをコンピュータ装置2の読み取り部にかざすことにより入力してもよいし、携帯端末4から赤外線や無線によって入力してもよい。
【0024】
このように入力された携帯端末4の識別情報(以下、端末番号という。)は、コンピュータ装置2の識別番号とともに、コンピュータ装置2から伝送路5を介してサーバ3に送られる(図1(b))。コンピュータ装置2の識別番号は、伝送路5としてインターネットを利用する場合は、コンピュータ装置2のIPアドレスやMACアドレスでよいが、専用線で接続されている場合等は設置者が任意に設定した番号でもよい。サーバ3では、これにより利用者1を特定する手掛かりを得るとともにアクセス要求が出されたコンピュータ装置2を特定し、アクセス許可のための暗証番号を生成する。
【0025】
次いで、サーバ3は、取得した端末番号を用いて携帯端末4に暗証番号を送信する(図1(c))。
利用者1は、携帯端末4に表示された暗証番号をコンピュータ装置2に入力する(図1(d))。入力は端末番号の入力同様、各種の方法のいずれかで行なうことができる。
【0026】
入力された暗証番号はコンピュータ装置2からその識別番号とともにサーバ3に送られる(図1(e))。
サーバ3では、送られてきたコンピュータ装置2の識別番号と暗証番号を先に特定したコンピュータ装置2の識別情報及び送信した暗証番号と照合し、これらが一致すればアクセスを許可する(図1(f))。
【0027】
ここで用いる暗証番号は、一時的に設定されるものであり、所定の時間が経過するか、利用者1が例えば操作終了ボタンを押せば破棄される。従って、その後に別の利用者が利用する場合は別の暗証番号が設定される。暗証番号の形式は特に限定されないが、利用者1が手作業でコンピュータ装置2に入力する場合は、簡便さを考慮して3〜6桁程度、好ましくは4桁の英数字である。光学的読み取りや無線、赤外線等による場合はより多くの桁数としてもよい。
【0028】
ここに説明したプロセスから理解されるように、本発明の認証システムにおいては、利用者情報が予めサーバに登録されている必要はない。従って、利用者は事前登録の手間を掛けずに公衆情報端末を利用することができる。しかし、利用者は端末番号により特定されているので、アクセスにおける利用者の挙動を記録してこれを蓄積し、次回、同じ端末番号からのアクセスがあった際に以前のアクセスでの利用者挙動を利用すれば、利用者に即した情報を提示することが可能になる。これにより、利用者がトップメニューから所望の情報にメニューを辿ったり、興味のない情報を提示されることがなくなる。
【0029】
なお、端末番号そのもので認証する場合(図1の(c)〜(e)のステップがない場合)との違いは、端末番号そのもので認証する場合は、端末番号を偽造して「なりすまし」が可能な点である。すなわち、端末番号は、上記の通り、端末のプロファイル情報等から読み取られるが、この場合、プロファイル情報等を変更することは必ずしも困難なことではない。例えば、携帯電話番号を画面に表示してコンピュータ装置2に提示する場合、その携帯電話の所有者(A)以外の者が自らの携帯電話にAの携帯電話の番号を貼り付けたり、あるいはAの携帯電話の番号を表示させることは容易である。本発明では、携帯端末による受信というステップを含むが、これを他の携帯端末で行なうことは困難である。従って、携帯端末の盗難の場合を除き第三者によるなりすましの心配はない。
【0030】
上記の説明では、(a)から(f)に至るステップが段階的に進行する態様を示したが、これらのステップは自動的に一連のプロセスとして進行するものでもよい。例えば、利用者がコンピュータ装置2においてスタートボタンを押すと、「あなたの携帯電話を挿入口に差し込んでください」というようなメッセージが表示され、利用者が携帯電話を所定のアダプターに差し込むとコンピュータ装置2が携帯端末4の端末番号を取得して、以後、一連のステップが進行し、図1(c)でサーバから送られてきた暗証番号は、利用者の手を経ることなくそのままコンピュータ装置2に取り込まれ、自動的にアクセス認証が行なわれるようにしてもよい。
【0031】
あるいは、利用者がコンピュータ装置2においてスタートボタンを押すと、「あなたの携帯電話からアクセスしてください」というようなメッセージが表示され、利用者が携帯電話に所定の操作を施すとコンピュータ装置2との相互接続状態となり、以後、上記と同様に自動アクセス認証が行なわれる。ここでいう相互接続状態としては、典型的にはブルートゥースのアドホック接続等が挙げられるが、同様の機能を果たすものであれば特にこれに限定されない。
【0032】
プロセスが自動的に進行する場合、利用者は携帯電話を所定の位置に置く、あるいは携帯電話の所定の番号を押すという極めて簡単な操作のみで厳密な認証が行なわれることになる。
【0033】
なお、ここに挙げたプロセスは種々、変更が可能である。例えば、図1(c)のステップにおいて、サーバは携帯端末4とコンピュータ装置2の両方に暗証番号を送信し、携帯端末4からコンピュータ装置2に暗証番号が入力された時点で認証がなされるものでもよい。
【0034】
また、上記のように、携帯端末自体が盗まれた場合は第三者によるなりすましが想定され得るが、本発明では他の個人識別情報と組み合わせてもよい。このような他の個人識別情報とは、IDや固定式パスワード、指紋その他の個人認証方式が挙げられる。
【0035】
上記の説明から理解されるように、本発明は任意のアクセス認証に利用することができる。ここでは公衆情報端末等、コンピュータが表示画面等を備え、情報へのアクセス認証を例として説明したが、例えば、ゲートやドアの開閉等や金庫、保管庫の開閉、自動車や自転車の開閉等の物理的なアクセスコントロールに対するアクセス認証にも用いることができる。この場合、コンピュータ装置2はそれぞれの機器に内蔵されたものである。
【0036】
(2)サービス提供システム
上記の認証システムを備えたシステムでは、サーバ3またはサーバ3を介して接続するコンピュータにより保持されたプログラムを実行し、その結果を前記コンピュータ装置2に送信することにより多彩なサービスを提供することができる。このようなサービスは、アクセスしてきた個人を特定し、その登録情報あるいは過去のアクセス挙動からターゲットに対して最適化されたものとして提供することができる。
【0037】
その一例は、コンピュータ装置を用いた服飾品の注文システムである。このシステムは、一般に、商品のデータベース、商品検索メニュー及び注文処理を含む利用者用のインタフェース並びに検索エンジンを含む。
【0038】
一般に服飾品の選択では、(i)趣味に合っていること、(ii)TPOに合っていること、(iii)体型に合っていること、(iv)価格が適当な範囲であることが必要である。
【0039】
このうち、(iv)は従来のシステムでも見られるものであるが、(i)は一般に言語で自分の趣味・嗜好を表現すると漠然としたものとなり、商品検索メニューを自然言語選択方式としたり、選択ツリー構造としても効率的な商品選択の手助けにならないことが多い。また、データベースに多数の服飾品を登録すればその中に適したものが見つかる可能性は高まるが、選択範囲が広がれば広がるほど最適品を選び出すことが困難になる。従って、商品を色彩学的に分類し、その商品が含むデザイン要素等を分析的に記録しておき、一方、利用者の過去の選択行動等のデータの蓄積から利用者の趣味・嗜好を分析してマッチングを行なう方法が有効である。このようなマッチング手法は、ファジイ工学や人工知能研究の成果として種々提案されており、本発明でもそれらを利用することができる。本発明のシステムでは認証を簡単かつ高いセキュリティで行なうことにより利用者のアクセスを促進し、これにより利用者の行動パターンを集積することができるので、迅速に利用者の趣味・嗜好にマッチした商品を提示でき、利用者の商品選択を支援することができる。
【0040】
好ましくは、本発明の服飾品の注文システムは、利用者の顔や全身像を取り込み(これは前述のコンピュータ装置2にカメラを取り付けて行なってもよい。)、利用者の顔や全身像を切り出し、希望商品、例えば、帽子や髪止め、イヤリングやピアス、眼鏡やサングラス、ネックレスやチョーカー、ジャケット、シャツ、ワンピース、ネクタイ、スカーフ、スカート、パンツ、ストッキング、靴下、靴やブーツ等を要素として利用者の選択に応じて合成して画像として表示する。この際、合成が自然に行なわれるように、利用者の顔や全身像からその水平、垂直軸に対する傾斜角度を計算して、利用者の正立像(利用者の正面からの姿)を推定し、得られた利用者の正立像に応じて各要素の寸法を縮小、増大する。また、前記傾斜角に応じて各要素の形状を写像変換する。さらに必要であれば色調や明度を調整して画面全体としての一体性が保持されるようにする。こうした計算手法や画像処理手法は既知のものを用いることができる。
【0041】
また、趣味嗜好がクリアできてもTPOが問題となる場合もあるが、本発明では、図2に示すように、利用者が商品を身に付けた状態で、TPOとしての環境(背景)画像を取り替えて提示する服飾シミュレーション(仮想試着)システムを含む。従来、服飾シミュレーションシステムとしては眼鏡を取り替えたり、美容院で髪型を変えたりするものが知られているが、これらはいわゆるTPOとの関連付けを持つものではない。図2では、(a)は避暑地のイメージないしは休暇におけるリラックスした雰囲気、(b)は都会のイメージないしは仕事場におけるより緊張感のある雰囲気を例として示しているが、この他にも、例えば、夜会や結婚式等のドレスアップしたフォーマルな雰囲気、公園や家庭等のカジュアルな雰囲気等の種々のTPOを提示する。このように、利用者の選択に応じて環境(背景)画像を変更することにより最適の服装をシミュレーションする。
【0042】
なお、こうしたシミュレーションは、単に商品選択の支援機能として働くだけでなく、それ自体、エンターテインメント機能を有することが注意されるべきである。言わば着せ替え遊びである。例えば、ファミリーレストラン等に本システムを設置すれば、順番待ちの時間に娯楽性を持たせることができることになる。
【0043】
シミューレーションは、コンピュータ装置2において行なっても良いが、好ましくはサーバサイドで実行し、これをコンピュータ装置2において表示する。図1においてサーバ3は、現実には複数のコンピュータを模式的に表わしたものであり、データベースやアプリケーション実行サーバを含む。商品提供者は特定の商品登録サイトに商品を登録し、これがデータベースに取り込まれて上記シミュレーションに供される。
【0044】
以上のプロセスフローを図3に改めて流れ図として示した。図3に示すように、好ましくはコンピュータ装置2で撮影された利用者画像は、利用者が選択した商品の種類Ti(iは添え字。Tiは、具体的には、上に挙げた帽子やジャケット等である。)とともにシステムに取り込まれる。ここで、端末番号に対応する利用者の情報、特に、利用者の嗜好パラメータPiが取り込まれる。ここで、利用者の嗜好パラメータとは、過去の選択履歴で示された好みの色相、明度、彩度、デザインタイプ等である。デザインタイプは、数値化が難しいが、例えば、ネクタイで言えば、無地、レジメンタル(斜め縞)、チェック(格子縞)、水玉、小紋柄(幾何学模様の散らし)、文字の反復模様、絵柄の反復模様、ペイズリー柄、流動紋、その他の柄等として不規則性を基準にした数値、最大幅と最小幅の比、剣先の開き角等を挙げることができる。これらの中から適当な初期範囲幅δiを用いて下限値と上限値を定め、その範囲での該当商品を選択する。該当商品がない場合は、範囲幅δiを拡大して再度検索を行なう。かくして商品がヒットした場合は、利用者画像の正立像を計算し、撮影面に対する傾斜角度や体型に見合った補正、色調補正をして利用者画像と合成(利用者像上の不要な要素は削除する。)し、選択されたTPOを背景としてコンピュータ装置2に表示する。ここで、画像合成プロセスと商品選択プロセスは並列で処理してもよい。また、商品選択プロセスは複数の商品Ti(例えば、帽子とジャケット)について繰り返し行ない得るようにしてもよい。この場合、合計金額を表示することが好ましい。
【0045】
また、図4には、これまでに説明してきた本発明の服飾品注文システムの構成例を示した。これは構成例を模式的に表わしたものであり現実にはファイアウォール等が適宜設置される。図中、「認証サーバ」は、サーバ3の機能のうちアクセス処理や認証を含むものである。認証サーバにはコンピュータ装置Cが複数台接続される。これらは例えば公衆情報端末である。
【0046】
認証サーバはアプリケーションサービスプロバイダ(ASP)サーバに接続しており、商品登録者(アパレルメーカーやブティック等)が登録した商品はASP側で処理されてデータベースとして蓄積される。登録情報は、商品の種類や寸法、画像データ、その他の特徴、価格等である。図中の「データベース」は、一般には複数のデータベースからなり、端末番号で特定される過去の利用者の挙動も利用者情報データベースとして含まれる。
【0047】
図4は本発明の別の特徴をも表わしている。すなわち、ASPサーバには寸法直し業者も接続しており、利用者が望む場合は、寸法直しも同時に指示される。寸法直しのためには、利用者に対して身体各部の数値を入力させてもよいし、前記の撮影画像に基づき体型を分析して最適サイズを導出してもよい。例えば、撮影の際に複数方向から撮影が行なわれるようにカメラを設置しておき、さらに好ましくは体重測定も行なえるようにしておき、これらの撮影画像及びデータと季節要因(例えば、夏服か冬服か)等から必要な寸法を算出し、利用者に確認を求めることも可能である。あるいは、事前に登録するか、前回のデータを利用してもよい。
【0048】
従って、ここに説明した服飾品注文システムによれば、利用者は、楽しみながら、趣味嗜好に合い、目的とするTPOに合致し、さらに体型に合った服飾品を入手することができる。
【0049】
また、これまでの説明では、商品登録者は単に商品データを登録するものとしているが、いわゆるお薦め商品を指定することができるようにしてもよい。お薦め商品としては、在庫整理のための低価格見切り品や、顧客へのアピールのための限定販売品、あるいは生活提案型商品等の分類を設け、商品登録者が提示を望む利用者対象を指定する。例えば、低価格見切り品は過去のアクセス挙動から推定される低価格品愛好者に提示し、優良顧客には生活提案型商品、その他の顧客には優良低価格品を紹介する。また、それぞれの推奨度を指数化し、利用者の特性に合った商品をも提示することにより、需要者サイドだけでなく供給者サイドの希望条件も実現できる。
【0050】
上記の商品販売システムは、本発明の認証システムと組み合わせることにより最もその効果を高めることができるが、例えば、家庭のコンピュータなど、非公衆環境のコンピュータから通常の認証方式に従ってアクセスできるようにしてもよい。
【0051】
また、以上の説明では、システムが当然に利用者情報を集積するものとしているが、プライバシー保護上必要であれば、利用者履歴の記録について利用者の許諾を得るステップを別に設けてもよい。
【0052】
本発明のサービス提供システムは、ここに挙げた服飾品販売システムの他にも様々な態様を含む。例えば、提供されるサービスが、上記以外の商品販売及びそれに付随する商品の紹介や商品選択の支援、オンラインバンキング、オンラインによる宿泊施設若しくは交通手段の予約及びそれに付随する宿泊若しくは旅行プランの紹介やこれらの商品選択の支援、公共機関による各種証明書の発行及びサービスの予約、オンラインによるチケット販売及びそれに付随する商品の紹介や商品選択の支援等でもよく、これらを組み合わせた総合的なサービス提供システムとしてもよい。
【0053】
本発明のサービス提供システムは、別の態様として、車両盗難防止サービスシステムも提供できる。
本発明のサービス提供システムでは、予め利用者が車両番号と認証のための端末番号等の個人情報をシステムに登録し、かつ、所有車両の車両制御システム等に緊急停止装置を組み込む。
【0054】
例えば、運転者が離れたすきに車両が盗まれた場合、運転者は認証のための端末を持ってコンビニエンスストア等の公衆情報端末設置場所に駆け込み、前記の認証システムによって認証を受け、車両停止指示をサーバに発する。サーバ側では車両に対し緊急停止信号を発信し、これにより車両を停止させる。
【0055】
緊急停止システムは、例えば、警報音に続けて「この車はあと90秒後にハザードを点滅し緊急停止します。安全に停車可能な場所に直ちに移動してください。」等の警報メッセージとともに所定時間経過後にエンジン停止装置を起動させる。あるいは、当該車両が盗難車であることを周囲に認知させる手段、例えば、「この車両は盗難車です」という音声を車外に発したり、そのような表示を外部に向けて表示する。または、対向車両や後続車両の運行に危険を招かない範囲において、ヘッドライトやハザードランプを点滅させるなどの方法でもよい。こうしたシステムは車両制御システムに受信装置を組み込むか接続することにより実現できる。
【0056】
緊急停止システムの作動によって、車両は機械的に、または、運転者の操作により、あるいは、異常を検知した警察により強制的に停止させられる。これにより車両盗難を防止することができる。
本発明のシステムでは、こうした措置を迅速に行なうことができるので車両盗難防止システムとして極めて有効である。
【0057】
上記の車両盗難防止システムは、本発明の認証システムと組み合わせることにより最もその効果を高めることができるが、例えば、オフィスや家庭のコンピュータなど、非公衆環境のコンピュータから通常の認証方式に従ってアクセスできるようにしてもよい。
【0058】
以上、本発明の認証システム、サービス提供システムを詳細に説明してきたが、本発明のシステムは、これまでに説明してきた態様に対して種々の変形や修正が可能である。例えば、携帯端末によるアクセス認証に加え、さらにパスワード認証を加えてもよい。これにより携帯端末盗難時に第三者が悪用することを防止できる。
【0059】
なお、本発明でいう不特定多数の利用し得る環境は、例えば、デパート、コンビニエンスストア、飲食店、スーパーマーケット、その他の商店、オフィスビル、銀行、遊戯施設、運動場、劇場、駅、空港、宿泊施設、国または地方公共団体の役場、図書館、またはその他の公共施設を含む。
【0060】
【発明の効果】
本発明の認証システムは、携帯電話等を利用するため事前登録等の特別な手順を必要とせず、高い信頼性で本人確認をすることができる。また、利用のつどパスワードが設定されるので第三者による悪用を防止できる。さらに例えばブルートゥース等の無線接続機能と併用すれば、認証プロセスを自動化することが可能であり、利用者に負担を掛けることがない。また、本発明のサービス提供システムは、高信頼性で簡便な認証システムを利用するため、コンビニエンスストアやファミリーレストラン等の不特定多数の利用する環境でも利用が可能であり、サービス提供内容を利用者個人の趣味嗜好に合わせたものとし、個人情報とのリンクが容易である。従って、利用者としては、嗜好、寸法、利用目的に合った商品を確実に入手できる。このように、サービスの提供が利用者個人に適合したものであるため、利用者は、羅列された商品を見るだけではなく、実際に試着等を擬似体験してみようという積極的応答を示し、これに見合うように服飾シミュレーション(仮想試着)機能を付加すれば、実用性とともにエンターテインメント性をも持たせることができる。また、本発明の認証提供システムは、迅速な認証を可能にするので、車両盗難防止システムのような迅速性を有するサービスにも適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の認証システムの流れを模式的に表わした説明図。
【図2】本発明の服飾注文システムを構成するシミュレーションシステムの利用画面を模式的に表わした説明図。
【図3】本発明による服飾注文システムの流れを模式的に表わした流れ図。
【図4】本発明による服飾注文システムを模式的に表わしたブロック図。
【符号の説明】
1 利用者
2 コンピュータ装置
3 サーバ
4 携帯端末
5 伝送路
【発明の属する技術分野】
本発明は、認証システム及びこれを利用したサービス提供システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネットの普及に伴い、各種のオンラインサービスが発展しつつある。また、コンピュータの低価格化や高帯域ネットワークの普及も進んでいる。このようにインフラが整備された現状からすれば、公共の場(例えば、図書館等の公的施設やコンビニエンスストア等の商業施設)でもインターネットが幅広く利用されてよいはずであるが、現実にはコンビニエンスストア設置のサービスマシン(「コンビニ端末」あるいはより広い意味で「キオスク端末」(例えば、経済産業省商務情報政策局情報経済課「電子契約法について」参照)とも呼ばれるが、以下では「公衆情報端末」という。)でさえ、バンキングサービス以外の稼働率は低く、一部の例外を除いて赤字状態となっている。
【0003】
一方、現代人は、寸断された時間を何かをして埋めようとする傾向が強いことは従来観察されるところである(例えば、駅や交通機関内での携帯メール)。この点からすれば、コンビニエンスストアの利用者が、来店時に何か新たな情報を得ようという意欲は旺盛なはずであるが、上述のように、現状はそのようにはなっていない。
【0004】
これは、現在の公衆情報端末利用が、ニーズに見合ったサービスを提供していないためと考えられる。
【0005】
一つの問題としては、セキュリティの問題があるであろう。公共の場でパスワードを必要とするサイトに接続した場合、コンピュータに残った記録から第三者がパスワードを盗用する危険は高い。第三者が容易にはシステムファイルを操作できない場合でも、利用者が入力操作を行なう際、第三者にパスワード等を盗み見られる可能性がある。従って、利用者は公衆端末においては個人情報の入力を忌避する傾向がある。
【0006】
セキュリティが十分に確保できないという条件から、提供されるサービスは極めて一般的なものに限定され、これがさらに利用者の利用意欲を殺ぐ。つまり、現状では、利用者は自分の嗜好とは関係のない多数の項目の中から所望の項目を探したり、アクセスの都度、いろいろな情報を入力しなければならず、このプロセスは極めて煩瑣である。ウエブサイトの構築においては「8秒ルール」(目的画面が8秒経っても表示されないと、アクセスしてきたユーザが待ちきれずに、他のサイトに行ってしまうという経験則)が重要とされている。つまり、利用者は短時間で所望(あるいは興味を惹く)情報を得られないサービスは利用したがらない。現状では、アクセス開始からそうした情報まで短時間で簡単な操作で到達することは難しい。
【0007】
また、公衆情報端末の商品販売メニューでは、エンターテインメント性が乏しいことも挙げられるであろう。公衆情報端末でも占いコーナーのようなものはあるが、これは商品やサービスの販売とは関係のない付随的サービスである。しかし、ウインドーショッピングという言葉に代表されるように、本来、商品選択はそれ自体がエンターテインメントである。現在の公衆情報端末では、商品選択が本来有しているエンターテインメント性が活かされていない。
【0008】
従って、セキュリティ面での問題を解決し、個人情報を保護しつつ利用者一人一人に適した、かつエンターテインメント性をも有するサービスを、公衆情報端末で提供するシステムが望まれている。
【0009】
複数の人間が利用し得るコンピュータについて、セキュリティ確保を図る技術として、特許文献1に記載のシステムが挙げられる。これは、利用者のPHS端末の電話番号とパスワード及びリモート接続IDを予めサーバに登録し、このパスワードとリモート接続IDを前記利用者に通知しておくものである。利用者がPHSからサーバに向けてこのパスワードとリモート接続IDを発信することにより、サーバは電話番号とパスワードを受け、これらを予め登録してある前記電話番号及びパスワードと比較する。これらが一致するときは、一時的なパスワードを前記利用者のPHS端末に発行し、これを用いて利用者が前記パーソナルコンピュータを用いて接続要求を行なうものである。
【0010】
この方法によれば、コンピュータに入力するパスワード自体は一時的なものであるため、仮に盗み見られても、第三者に盗用される心配がない。しかし、PHSでパスワードを入力して認証サーバにアクセスし、その結果、得られた一時的パスワードをコンピュータに入力してアクセス認証を受けるというのはいかにも迂遠であり、公衆情報端末での使用に適したものではない。また、この発明は予め認証サーバへの登録が必要である。さらに、使用するコンピュータが特定されており、社内や学内LANのようにしか適用できない。
【0011】
セキュリティ確保の別の方法としては、ICカード等のカードを用いるものがある。これは既に様々なものが提案されているが(例えば、特許文献2)、この他にも特許文献3はカードや携帯端末にIDメディアなるディスクを装着した認証手段を提案している。しかし、こうしたシステムは、カードのみによる場合は紛失や盗難の危険があり、パスワードを併用したとしても、通常のパスワード入力と同様の問題がある。
【0012】
一方、インターネットを使ったオーダーシステムとしては、特許文献4には、三次元スキャナを使って利用者像を取り込み、各種コーディネートを行なう方法が提案されている。しかし、これは、大掛かりな装置が必要であり、また、公衆情報端末との組み合わせを提案したものではない。
このように、公衆情報端末におけるセキュリティと利用性をともに高める方法は従来提案されていない。
【0013】
【特許文献1】
特開2000−10927
【特許文献2】
特開2002−158655
【特許文献3】
特開2000−402718
【特許文献4】
特開2000−293945
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、公衆情報端末等のコンピュータ装置において簡易かつ安全にアクセスすることを可能にする認証システム、及びこの認証システムを用いた公衆情報端末によるサービス提供方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、従来の方法では、セキュリティまたは簡便さの点で問題であった認証方法について、携帯電話と一時的パスワードとの組み合わせを応用することにより解決し、さらに、これを用いればより現実的で多彩な、しかも利用者一人一人に特化したサービスを提供し得ることを見出し本発明を完成するに至った。
【0016】
具体的には、本発明は以下の認証システム及びサービス提供システムを提供する。
[1] サーバ及びネットワークを介して前記サーバと接続したコンピュータ装置を利用者が利用する際に利用者のアクセスを制御する認証システムであって、サーバが、前記コンピュータ装置を介した利用者からのアクセス要求に対し、アクセス許可のためのパスワードを設定して利用者の携帯端末に送信し、前記コンピュータ装置を介して前記パスワードを受け取ったときにアクセスを許可する認証システム。
[2] 利用者の携帯端末が有する個人識別情報を前記コンピュータ装置を介して受け取り、サーバまたは他のコンピュータが有する個人情報データベースにアクセスして、個人情報データベースに前記個人識別情報と一致するデータが存在するか否かを調査し、該当データがあるときは前記利用者にそのデータを関連付ける前記1に記載の認証システム。
[3] 携帯端末が有する個人識別情報が無線経路により前記コンピュータ装置に伝達される前記1または2に記載の認証システム。
【0017】
[4] 無線経路がブルートゥース規格に適合するものである前記3に記載の認証システム。
[5] 前記1〜4のいずれかに記載の認証システムを備えたシステムにおいて、利用者からの要求に応じてサーバまたはサーバを介して接続するコンピュータにより保持されたプログラムを実行し、その結果を前記コンピュータ装置に送信するサービス提供システム。
[6] コンピュータ装置が不特定多数の利用し得る環境に置かれているものである前記5に記載のサービス提供システム。
【0018】
[7] 顧客からのサービス要求内容に応じたアプリケーションサービスプロバイダに接続してサービスを提供する前記6に記載のサービス提供システム。
[8] 提供されるサービスが、オンラインによる商品販売及びそれに付随する商品の紹介や商品選択の支援、オンラインバンキング、オンラインによる宿泊施設若しくは交通手段の予約及びそれに付随する宿泊若しくは旅行プランの紹介やこれらの商品選択の支援、公共機関による各種証明書の発行及びサービスの予約、オンラインによるチケット販売及びそれに付随する商品の紹介や商品選択の支援を含む前記5〜7のいずれかに記載のサービス提供システム。
【0019】
[9] 提供されるサービスが、オンラインによる商品販売及びそれに付随する商品の紹介や商品選択の支援を含み、利用者の登録情報またはその場で撮影した利用者の写真に合わせて商品を表示し、利用者の指定する条件に応じて提示する商品の種類や表示の背景画面や色を変更する前記8に記載のサービス提供システム。
[10] 商品が下着、服飾品及び装飾品であり、利用者の体型に合わせて寸法直しデータを生成し、利用者が注文を確定したときは、メーカーまたはメーカーと寸法直し業者にデータを送信し、これにより、利用者の体型に適合するように商品を製造または寸法直しして商品を利用者に販売する前記9に記載のサービス提供システム。
【0020】
[11] 商品が商品登録者によって前記アプリケーションサービスプロバイダまたはこれに接続するコンピュータに登録され、登録された商品の中から利用者の要求に応じて商品を提示する前記8〜10のいずれかに記載のサービス提供システム。
[12] 商品登録者が対象利用者層と商品の推奨度を指定し、該当する利用者層に対して前記推奨度に応じて商品を提示する前記8〜11のいずれかに記載のサービス提供システム。
[13] 提供されるサービスが、車両盗難防止サービスであり、利用者からの車両盗難通知により、該当車両に搭載したコンピュータに指示して、その運行を不可能ないし困難にする前記5〜7のいずれかに記載のサービス提供システム。
【0021】
(1)認証システム
図1に本発明の認証システムを説明した模式図を示す。
図1(a)において、利用者1はコンピュータ装置2を介してサーバ3にアクセスしようとしている。なお、利用者1は携帯端末4を所持しているものとする(図1(c)参照)。また、以下、コンピュータ装置2としては、公衆情報端末を例にとって説明するが、適当な伝送路5(一般的には電話線であるが、無線でもよい。)を介してサーバ3に接続しているパーソナルコンピュータやゲーム機器等でもよい。
【0022】
従来のシステムでは、利用者1はコンピュータ装置2の入力装置、例えば、タッチパネルやキーボード、テンキー等を操作して表示部に示されたメニューから所望の項目を選択していた。ここで、パスワードが必要な場合は、予め登録してあるIDとパスワードを入力していた。
【0023】
本発明のシステムでは、利用者1はコンピュータ装置2を利用しようとする際に、コンピュータ装置2に携帯端末4の識別情報を入力する。携帯端末4の識別情報は携帯電話やPHSであればその電話番号、あるいは一般に携帯端末のメールアドレスである。これはタッチパネルやキーボード、テンキー等を操作して行なってもよいし、例えば、携帯端末の自己プロファイル表示機能等によって携帯端末の画面に表示し、これをコンピュータ装置2の読み取り部にかざすことにより入力してもよいし、携帯端末4から赤外線や無線によって入力してもよい。
【0024】
このように入力された携帯端末4の識別情報(以下、端末番号という。)は、コンピュータ装置2の識別番号とともに、コンピュータ装置2から伝送路5を介してサーバ3に送られる(図1(b))。コンピュータ装置2の識別番号は、伝送路5としてインターネットを利用する場合は、コンピュータ装置2のIPアドレスやMACアドレスでよいが、専用線で接続されている場合等は設置者が任意に設定した番号でもよい。サーバ3では、これにより利用者1を特定する手掛かりを得るとともにアクセス要求が出されたコンピュータ装置2を特定し、アクセス許可のための暗証番号を生成する。
【0025】
次いで、サーバ3は、取得した端末番号を用いて携帯端末4に暗証番号を送信する(図1(c))。
利用者1は、携帯端末4に表示された暗証番号をコンピュータ装置2に入力する(図1(d))。入力は端末番号の入力同様、各種の方法のいずれかで行なうことができる。
【0026】
入力された暗証番号はコンピュータ装置2からその識別番号とともにサーバ3に送られる(図1(e))。
サーバ3では、送られてきたコンピュータ装置2の識別番号と暗証番号を先に特定したコンピュータ装置2の識別情報及び送信した暗証番号と照合し、これらが一致すればアクセスを許可する(図1(f))。
【0027】
ここで用いる暗証番号は、一時的に設定されるものであり、所定の時間が経過するか、利用者1が例えば操作終了ボタンを押せば破棄される。従って、その後に別の利用者が利用する場合は別の暗証番号が設定される。暗証番号の形式は特に限定されないが、利用者1が手作業でコンピュータ装置2に入力する場合は、簡便さを考慮して3〜6桁程度、好ましくは4桁の英数字である。光学的読み取りや無線、赤外線等による場合はより多くの桁数としてもよい。
【0028】
ここに説明したプロセスから理解されるように、本発明の認証システムにおいては、利用者情報が予めサーバに登録されている必要はない。従って、利用者は事前登録の手間を掛けずに公衆情報端末を利用することができる。しかし、利用者は端末番号により特定されているので、アクセスにおける利用者の挙動を記録してこれを蓄積し、次回、同じ端末番号からのアクセスがあった際に以前のアクセスでの利用者挙動を利用すれば、利用者に即した情報を提示することが可能になる。これにより、利用者がトップメニューから所望の情報にメニューを辿ったり、興味のない情報を提示されることがなくなる。
【0029】
なお、端末番号そのもので認証する場合(図1の(c)〜(e)のステップがない場合)との違いは、端末番号そのもので認証する場合は、端末番号を偽造して「なりすまし」が可能な点である。すなわち、端末番号は、上記の通り、端末のプロファイル情報等から読み取られるが、この場合、プロファイル情報等を変更することは必ずしも困難なことではない。例えば、携帯電話番号を画面に表示してコンピュータ装置2に提示する場合、その携帯電話の所有者(A)以外の者が自らの携帯電話にAの携帯電話の番号を貼り付けたり、あるいはAの携帯電話の番号を表示させることは容易である。本発明では、携帯端末による受信というステップを含むが、これを他の携帯端末で行なうことは困難である。従って、携帯端末の盗難の場合を除き第三者によるなりすましの心配はない。
【0030】
上記の説明では、(a)から(f)に至るステップが段階的に進行する態様を示したが、これらのステップは自動的に一連のプロセスとして進行するものでもよい。例えば、利用者がコンピュータ装置2においてスタートボタンを押すと、「あなたの携帯電話を挿入口に差し込んでください」というようなメッセージが表示され、利用者が携帯電話を所定のアダプターに差し込むとコンピュータ装置2が携帯端末4の端末番号を取得して、以後、一連のステップが進行し、図1(c)でサーバから送られてきた暗証番号は、利用者の手を経ることなくそのままコンピュータ装置2に取り込まれ、自動的にアクセス認証が行なわれるようにしてもよい。
【0031】
あるいは、利用者がコンピュータ装置2においてスタートボタンを押すと、「あなたの携帯電話からアクセスしてください」というようなメッセージが表示され、利用者が携帯電話に所定の操作を施すとコンピュータ装置2との相互接続状態となり、以後、上記と同様に自動アクセス認証が行なわれる。ここでいう相互接続状態としては、典型的にはブルートゥースのアドホック接続等が挙げられるが、同様の機能を果たすものであれば特にこれに限定されない。
【0032】
プロセスが自動的に進行する場合、利用者は携帯電話を所定の位置に置く、あるいは携帯電話の所定の番号を押すという極めて簡単な操作のみで厳密な認証が行なわれることになる。
【0033】
なお、ここに挙げたプロセスは種々、変更が可能である。例えば、図1(c)のステップにおいて、サーバは携帯端末4とコンピュータ装置2の両方に暗証番号を送信し、携帯端末4からコンピュータ装置2に暗証番号が入力された時点で認証がなされるものでもよい。
【0034】
また、上記のように、携帯端末自体が盗まれた場合は第三者によるなりすましが想定され得るが、本発明では他の個人識別情報と組み合わせてもよい。このような他の個人識別情報とは、IDや固定式パスワード、指紋その他の個人認証方式が挙げられる。
【0035】
上記の説明から理解されるように、本発明は任意のアクセス認証に利用することができる。ここでは公衆情報端末等、コンピュータが表示画面等を備え、情報へのアクセス認証を例として説明したが、例えば、ゲートやドアの開閉等や金庫、保管庫の開閉、自動車や自転車の開閉等の物理的なアクセスコントロールに対するアクセス認証にも用いることができる。この場合、コンピュータ装置2はそれぞれの機器に内蔵されたものである。
【0036】
(2)サービス提供システム
上記の認証システムを備えたシステムでは、サーバ3またはサーバ3を介して接続するコンピュータにより保持されたプログラムを実行し、その結果を前記コンピュータ装置2に送信することにより多彩なサービスを提供することができる。このようなサービスは、アクセスしてきた個人を特定し、その登録情報あるいは過去のアクセス挙動からターゲットに対して最適化されたものとして提供することができる。
【0037】
その一例は、コンピュータ装置を用いた服飾品の注文システムである。このシステムは、一般に、商品のデータベース、商品検索メニュー及び注文処理を含む利用者用のインタフェース並びに検索エンジンを含む。
【0038】
一般に服飾品の選択では、(i)趣味に合っていること、(ii)TPOに合っていること、(iii)体型に合っていること、(iv)価格が適当な範囲であることが必要である。
【0039】
このうち、(iv)は従来のシステムでも見られるものであるが、(i)は一般に言語で自分の趣味・嗜好を表現すると漠然としたものとなり、商品検索メニューを自然言語選択方式としたり、選択ツリー構造としても効率的な商品選択の手助けにならないことが多い。また、データベースに多数の服飾品を登録すればその中に適したものが見つかる可能性は高まるが、選択範囲が広がれば広がるほど最適品を選び出すことが困難になる。従って、商品を色彩学的に分類し、その商品が含むデザイン要素等を分析的に記録しておき、一方、利用者の過去の選択行動等のデータの蓄積から利用者の趣味・嗜好を分析してマッチングを行なう方法が有効である。このようなマッチング手法は、ファジイ工学や人工知能研究の成果として種々提案されており、本発明でもそれらを利用することができる。本発明のシステムでは認証を簡単かつ高いセキュリティで行なうことにより利用者のアクセスを促進し、これにより利用者の行動パターンを集積することができるので、迅速に利用者の趣味・嗜好にマッチした商品を提示でき、利用者の商品選択を支援することができる。
【0040】
好ましくは、本発明の服飾品の注文システムは、利用者の顔や全身像を取り込み(これは前述のコンピュータ装置2にカメラを取り付けて行なってもよい。)、利用者の顔や全身像を切り出し、希望商品、例えば、帽子や髪止め、イヤリングやピアス、眼鏡やサングラス、ネックレスやチョーカー、ジャケット、シャツ、ワンピース、ネクタイ、スカーフ、スカート、パンツ、ストッキング、靴下、靴やブーツ等を要素として利用者の選択に応じて合成して画像として表示する。この際、合成が自然に行なわれるように、利用者の顔や全身像からその水平、垂直軸に対する傾斜角度を計算して、利用者の正立像(利用者の正面からの姿)を推定し、得られた利用者の正立像に応じて各要素の寸法を縮小、増大する。また、前記傾斜角に応じて各要素の形状を写像変換する。さらに必要であれば色調や明度を調整して画面全体としての一体性が保持されるようにする。こうした計算手法や画像処理手法は既知のものを用いることができる。
【0041】
また、趣味嗜好がクリアできてもTPOが問題となる場合もあるが、本発明では、図2に示すように、利用者が商品を身に付けた状態で、TPOとしての環境(背景)画像を取り替えて提示する服飾シミュレーション(仮想試着)システムを含む。従来、服飾シミュレーションシステムとしては眼鏡を取り替えたり、美容院で髪型を変えたりするものが知られているが、これらはいわゆるTPOとの関連付けを持つものではない。図2では、(a)は避暑地のイメージないしは休暇におけるリラックスした雰囲気、(b)は都会のイメージないしは仕事場におけるより緊張感のある雰囲気を例として示しているが、この他にも、例えば、夜会や結婚式等のドレスアップしたフォーマルな雰囲気、公園や家庭等のカジュアルな雰囲気等の種々のTPOを提示する。このように、利用者の選択に応じて環境(背景)画像を変更することにより最適の服装をシミュレーションする。
【0042】
なお、こうしたシミュレーションは、単に商品選択の支援機能として働くだけでなく、それ自体、エンターテインメント機能を有することが注意されるべきである。言わば着せ替え遊びである。例えば、ファミリーレストラン等に本システムを設置すれば、順番待ちの時間に娯楽性を持たせることができることになる。
【0043】
シミューレーションは、コンピュータ装置2において行なっても良いが、好ましくはサーバサイドで実行し、これをコンピュータ装置2において表示する。図1においてサーバ3は、現実には複数のコンピュータを模式的に表わしたものであり、データベースやアプリケーション実行サーバを含む。商品提供者は特定の商品登録サイトに商品を登録し、これがデータベースに取り込まれて上記シミュレーションに供される。
【0044】
以上のプロセスフローを図3に改めて流れ図として示した。図3に示すように、好ましくはコンピュータ装置2で撮影された利用者画像は、利用者が選択した商品の種類Ti(iは添え字。Tiは、具体的には、上に挙げた帽子やジャケット等である。)とともにシステムに取り込まれる。ここで、端末番号に対応する利用者の情報、特に、利用者の嗜好パラメータPiが取り込まれる。ここで、利用者の嗜好パラメータとは、過去の選択履歴で示された好みの色相、明度、彩度、デザインタイプ等である。デザインタイプは、数値化が難しいが、例えば、ネクタイで言えば、無地、レジメンタル(斜め縞)、チェック(格子縞)、水玉、小紋柄(幾何学模様の散らし)、文字の反復模様、絵柄の反復模様、ペイズリー柄、流動紋、その他の柄等として不規則性を基準にした数値、最大幅と最小幅の比、剣先の開き角等を挙げることができる。これらの中から適当な初期範囲幅δiを用いて下限値と上限値を定め、その範囲での該当商品を選択する。該当商品がない場合は、範囲幅δiを拡大して再度検索を行なう。かくして商品がヒットした場合は、利用者画像の正立像を計算し、撮影面に対する傾斜角度や体型に見合った補正、色調補正をして利用者画像と合成(利用者像上の不要な要素は削除する。)し、選択されたTPOを背景としてコンピュータ装置2に表示する。ここで、画像合成プロセスと商品選択プロセスは並列で処理してもよい。また、商品選択プロセスは複数の商品Ti(例えば、帽子とジャケット)について繰り返し行ない得るようにしてもよい。この場合、合計金額を表示することが好ましい。
【0045】
また、図4には、これまでに説明してきた本発明の服飾品注文システムの構成例を示した。これは構成例を模式的に表わしたものであり現実にはファイアウォール等が適宜設置される。図中、「認証サーバ」は、サーバ3の機能のうちアクセス処理や認証を含むものである。認証サーバにはコンピュータ装置Cが複数台接続される。これらは例えば公衆情報端末である。
【0046】
認証サーバはアプリケーションサービスプロバイダ(ASP)サーバに接続しており、商品登録者(アパレルメーカーやブティック等)が登録した商品はASP側で処理されてデータベースとして蓄積される。登録情報は、商品の種類や寸法、画像データ、その他の特徴、価格等である。図中の「データベース」は、一般には複数のデータベースからなり、端末番号で特定される過去の利用者の挙動も利用者情報データベースとして含まれる。
【0047】
図4は本発明の別の特徴をも表わしている。すなわち、ASPサーバには寸法直し業者も接続しており、利用者が望む場合は、寸法直しも同時に指示される。寸法直しのためには、利用者に対して身体各部の数値を入力させてもよいし、前記の撮影画像に基づき体型を分析して最適サイズを導出してもよい。例えば、撮影の際に複数方向から撮影が行なわれるようにカメラを設置しておき、さらに好ましくは体重測定も行なえるようにしておき、これらの撮影画像及びデータと季節要因(例えば、夏服か冬服か)等から必要な寸法を算出し、利用者に確認を求めることも可能である。あるいは、事前に登録するか、前回のデータを利用してもよい。
【0048】
従って、ここに説明した服飾品注文システムによれば、利用者は、楽しみながら、趣味嗜好に合い、目的とするTPOに合致し、さらに体型に合った服飾品を入手することができる。
【0049】
また、これまでの説明では、商品登録者は単に商品データを登録するものとしているが、いわゆるお薦め商品を指定することができるようにしてもよい。お薦め商品としては、在庫整理のための低価格見切り品や、顧客へのアピールのための限定販売品、あるいは生活提案型商品等の分類を設け、商品登録者が提示を望む利用者対象を指定する。例えば、低価格見切り品は過去のアクセス挙動から推定される低価格品愛好者に提示し、優良顧客には生活提案型商品、その他の顧客には優良低価格品を紹介する。また、それぞれの推奨度を指数化し、利用者の特性に合った商品をも提示することにより、需要者サイドだけでなく供給者サイドの希望条件も実現できる。
【0050】
上記の商品販売システムは、本発明の認証システムと組み合わせることにより最もその効果を高めることができるが、例えば、家庭のコンピュータなど、非公衆環境のコンピュータから通常の認証方式に従ってアクセスできるようにしてもよい。
【0051】
また、以上の説明では、システムが当然に利用者情報を集積するものとしているが、プライバシー保護上必要であれば、利用者履歴の記録について利用者の許諾を得るステップを別に設けてもよい。
【0052】
本発明のサービス提供システムは、ここに挙げた服飾品販売システムの他にも様々な態様を含む。例えば、提供されるサービスが、上記以外の商品販売及びそれに付随する商品の紹介や商品選択の支援、オンラインバンキング、オンラインによる宿泊施設若しくは交通手段の予約及びそれに付随する宿泊若しくは旅行プランの紹介やこれらの商品選択の支援、公共機関による各種証明書の発行及びサービスの予約、オンラインによるチケット販売及びそれに付随する商品の紹介や商品選択の支援等でもよく、これらを組み合わせた総合的なサービス提供システムとしてもよい。
【0053】
本発明のサービス提供システムは、別の態様として、車両盗難防止サービスシステムも提供できる。
本発明のサービス提供システムでは、予め利用者が車両番号と認証のための端末番号等の個人情報をシステムに登録し、かつ、所有車両の車両制御システム等に緊急停止装置を組み込む。
【0054】
例えば、運転者が離れたすきに車両が盗まれた場合、運転者は認証のための端末を持ってコンビニエンスストア等の公衆情報端末設置場所に駆け込み、前記の認証システムによって認証を受け、車両停止指示をサーバに発する。サーバ側では車両に対し緊急停止信号を発信し、これにより車両を停止させる。
【0055】
緊急停止システムは、例えば、警報音に続けて「この車はあと90秒後にハザードを点滅し緊急停止します。安全に停車可能な場所に直ちに移動してください。」等の警報メッセージとともに所定時間経過後にエンジン停止装置を起動させる。あるいは、当該車両が盗難車であることを周囲に認知させる手段、例えば、「この車両は盗難車です」という音声を車外に発したり、そのような表示を外部に向けて表示する。または、対向車両や後続車両の運行に危険を招かない範囲において、ヘッドライトやハザードランプを点滅させるなどの方法でもよい。こうしたシステムは車両制御システムに受信装置を組み込むか接続することにより実現できる。
【0056】
緊急停止システムの作動によって、車両は機械的に、または、運転者の操作により、あるいは、異常を検知した警察により強制的に停止させられる。これにより車両盗難を防止することができる。
本発明のシステムでは、こうした措置を迅速に行なうことができるので車両盗難防止システムとして極めて有効である。
【0057】
上記の車両盗難防止システムは、本発明の認証システムと組み合わせることにより最もその効果を高めることができるが、例えば、オフィスや家庭のコンピュータなど、非公衆環境のコンピュータから通常の認証方式に従ってアクセスできるようにしてもよい。
【0058】
以上、本発明の認証システム、サービス提供システムを詳細に説明してきたが、本発明のシステムは、これまでに説明してきた態様に対して種々の変形や修正が可能である。例えば、携帯端末によるアクセス認証に加え、さらにパスワード認証を加えてもよい。これにより携帯端末盗難時に第三者が悪用することを防止できる。
【0059】
なお、本発明でいう不特定多数の利用し得る環境は、例えば、デパート、コンビニエンスストア、飲食店、スーパーマーケット、その他の商店、オフィスビル、銀行、遊戯施設、運動場、劇場、駅、空港、宿泊施設、国または地方公共団体の役場、図書館、またはその他の公共施設を含む。
【0060】
【発明の効果】
本発明の認証システムは、携帯電話等を利用するため事前登録等の特別な手順を必要とせず、高い信頼性で本人確認をすることができる。また、利用のつどパスワードが設定されるので第三者による悪用を防止できる。さらに例えばブルートゥース等の無線接続機能と併用すれば、認証プロセスを自動化することが可能であり、利用者に負担を掛けることがない。また、本発明のサービス提供システムは、高信頼性で簡便な認証システムを利用するため、コンビニエンスストアやファミリーレストラン等の不特定多数の利用する環境でも利用が可能であり、サービス提供内容を利用者個人の趣味嗜好に合わせたものとし、個人情報とのリンクが容易である。従って、利用者としては、嗜好、寸法、利用目的に合った商品を確実に入手できる。このように、サービスの提供が利用者個人に適合したものであるため、利用者は、羅列された商品を見るだけではなく、実際に試着等を擬似体験してみようという積極的応答を示し、これに見合うように服飾シミュレーション(仮想試着)機能を付加すれば、実用性とともにエンターテインメント性をも持たせることができる。また、本発明の認証提供システムは、迅速な認証を可能にするので、車両盗難防止システムのような迅速性を有するサービスにも適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の認証システムの流れを模式的に表わした説明図。
【図2】本発明の服飾注文システムを構成するシミュレーションシステムの利用画面を模式的に表わした説明図。
【図3】本発明による服飾注文システムの流れを模式的に表わした流れ図。
【図4】本発明による服飾注文システムを模式的に表わしたブロック図。
【符号の説明】
1 利用者
2 コンピュータ装置
3 サーバ
4 携帯端末
5 伝送路
Claims (13)
- サーバ及びネットワークを介して前記サーバと接続したコンピュータ装置を利用者が利用する際に利用者のアクセスを制御する認証システムであって、サーバが、前記コンピュータ装置を介した利用者からのアクセス要求に対し、アクセス許可のためのパスワードを設定して利用者の携帯端末に送信し、前記コンピュータ装置を介して前記パスワードを受け取ったときにアクセスを許可する認証システム。
- 利用者の携帯端末が有する個人識別情報を前記コンピュータ装置を介して受け取り、サーバまたは他のコンピュータが有する個人情報データベースにアクセスして、個人情報データベースに前記個人識別情報と一致するデータが存在するか否かを調査し、該当データがあるときは前記利用者にそのデータを関連付ける請求項1に記載の認証システム。
- 携帯端末が有する個人識別情報が無線経路により前記コンピュータ装置に伝達される請求項1または2に記載の認証システム。
- 無線経路がブルートゥース規格に適合するものである請求項3に記載の認証システム。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の認証システムを備えたシステムにおいて、利用者からの要求に応じてサーバまたはサーバを介して接続するコンピュータにより保持されたプログラムを実行し、その結果を前記コンピュータ装置に送信するサービス提供システム。
- コンピュータ装置が不特定多数の利用し得る環境に置かれているものである請求項5に記載のサービス提供システム。
- 顧客からのサービス要求内容に応じたアプリケーションサービスプロバイダに接続してサービスを提供する請求項6に記載のサービス提供システム。
- 提供されるサービスが、オンラインによる商品販売及びそれに付随する商品の紹介や商品選択の支援、オンラインバンキング、オンラインによる宿泊施設若しくは交通手段の予約及びそれに付随する宿泊若しくは旅行プランの紹介やこれらの商品選択の支援、公共機関による各種証明書の発行及びサービスの予約、オンラインによるチケット販売及びそれに付随する商品の紹介や商品選択の支援を含む請求項5〜7のいずれかに記載のサービス提供システム。
- 提供されるサービスが、オンラインによる商品販売及びそれに付随する商品の紹介や商品選択の支援を含み、利用者の登録情報またはその場で撮影した利用者の写真に合わせて商品を表示し、利用者の指定する条件に応じて提示する商品の種類や表示の背景画面や色を変更する請求項8に記載のサービス提供システム。
- 商品が下着、服飾品及び装飾品であり、利用者の体型に合わせて寸法直しデータを生成し、利用者が注文を確定したときは、メーカーまたはメーカーと寸法直し業者にデータを送信し、これにより、利用者の体型に適合するように商品を製造または寸法直しして商品を利用者に販売する請求項9に記載のサービス提供システム。
- 商品が商品登録者によって前記アプリケーションサービスプロバイダまたはこれに接続するコンピュータに登録され、登録された商品の中から利用者の要求に応じて商品を提示する請求項8〜10のいずれかに記載のサービス提供システム。
- 商品登録者が対象利用者層と商品の推奨度を指定し、該当する利用者層に対して前記推奨度に応じて商品を提示する前記8〜11のいずれかに記載のサービス提供システム。
- 提供されるサービスが、車両盗難防止サービスであり、利用者からの車両盗難通知により、該当車両に搭載したコンピュータに指示して、その運行を不可能ないし困難にする請求項5〜7のいずれかに記載のサービス提供システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002361955A JP2004192505A (ja) | 2002-12-13 | 2002-12-13 | 認証システム及びサービス提供システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002361955A JP2004192505A (ja) | 2002-12-13 | 2002-12-13 | 認証システム及びサービス提供システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004192505A true JP2004192505A (ja) | 2004-07-08 |
Family
ID=32760536
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002361955A Withdrawn JP2004192505A (ja) | 2002-12-13 | 2002-12-13 | 認証システム及びサービス提供システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004192505A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4719793B2 (ja) * | 2006-03-20 | 2011-07-06 | 富士通株式会社 | 接続装置、接続方法および接続プログラム |
KR101160745B1 (ko) | 2005-02-23 | 2012-06-28 | 삼성전자주식회사 | 콘솔 게임기와 연동하기 위한 이동통신 단말기 및 그 방법 |
JP2013186490A (ja) * | 2012-03-05 | 2013-09-19 | Toshiba Tec Corp | 試着装置及び試着プログラム |
JP2017204207A (ja) * | 2016-05-13 | 2017-11-16 | 株式会社リコー | 情報処理システム、ログイン方法、情報処理装置及びプログラム |
-
2002
- 2002-12-13 JP JP2002361955A patent/JP2004192505A/ja not_active Withdrawn
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