JP2004191367A - トロンビン試薬及び検査試薬キット - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、安定化されたトロンビン含有検査試薬および該検査試薬キットを提供することを課題とする。
【解決手段】トロンビンと抗トロンビン作用を有する阻害剤を含有する検査試薬であって、該阻害剤が抗トロンビン作用を有するプロテアーゼ拮抗剤であり、好適には、該阻害剤が、ベンザミジン、p−アミノベンザミジン、m−アミノベンザミジン、フェニルグアニジン、アルガトロバン、メシル酸ガベキサート、メシル酸ナファモスタットから選択される検査試薬。また本発明の検査試薬は、カルシウムイオン、有機酸、界面活性剤、およびタンパク質から選択される1または2以上のトロンビン安定化機能を有する化合物を含有することもできる。本検査試薬は、凝固能検査試薬、特にフイブリノゲン定量用試薬として有用である。

Description

本発明は、安定化されたトロンビン含有組成物(トロンビン試薬)及び検査試薬キットに関する。さらに詳しくは、臨床検査の分野、特にフイブリノゲン定量において用いられる安定化されたトロンビン試薬及び検査試薬キットに関する。
フィブリノゲンをフィブリンに変換する酵素であるトロンビンは血液凝固反応過程で非常に重要な役割をしている。臨床検査の分野においては、トロンビンを用いてフィブリノゲン濃度を測定したり、トロンビン阻害物質の活性、例えば、アンチトロンビン活性、ヒルジンの活性、さらに化学合成阻害剤の活性を測定するために多く用いられている。
しかしながら、一般にトロンビンは不安定であるため、長期間保存する場合には通常凍結乾燥処理を施して保存していた。その他、トロンビンを安定化させる試みは現在まで数多く行われてきた。
特開昭56−39782号公報 特開昭56−68607号公報 特開昭60−112721号公報 特開昭63−192723号公報 特開昭64−40433号公報 特開平1−93536号公報 特開平2−53732号公報 特開平4−320683号公報 特開平7−33799号公報 特開平7−165604号公報 特開平9−328436号公報 特開平10−52267号公報 特公昭58−26956号公報 特公平3−76292号公報 特公平7−64747号公報 特公平8−13750号公報
しかし、これらはいずれもトロンビンの安定化方法として完全なものではなく、とりわけ臨床検査診断薬に用いるには十分な安定性を示すには至っていない。
本発明の目的は、安定化されたトロンビン含有組成物(トロンビン試薬)及び検査試薬キットを提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、トロンビンはトロンビン自身により分解されて不安定化されることに着目し、抗トロンビン活性を有する阻害剤を適量添加することにより、トロンビンに対する安定化効果を示すことを見出した。さらに他の安定化剤との併用でより一層の効果を達成することを見出し本発明を完成した。
すなわち本発明は、
「1.トロンビンと抗トロンビン作用を有する阻害剤を含有する検査試薬。
2.前項1に記載の阻害剤が、抗トロンビン作用を有するプロテアーゼ拮抗剤である検査試薬。
3.前項1に記載の阻害剤が、ベンザミジン、p−アミノベンザミジン、m−アミノベンザミジン、フェニルグアニジン、アルガトロバン、メシル酸ガベキサート、メシル酸ナファモスタットから選択される一以上の阻害剤である検査試薬。
4.前項1に記載の阻害剤が、ベンザミジンまたはその誘導体である検査試薬。
5.前項1に記載の阻害剤を、0.1〜30mM含有する検査試薬。
6.トロンビンを10〜500U/mL含有する前項5の検査試薬。
7.カルシウムイオン、有機酸、界面活性剤、およびタンパク質から選択される1または2以上のトロンビン安定化機能を有する化合物を含有する前項1の検査試薬。
8.検査試薬が、凝固能検査試薬である前項1に記載の検査試薬。
9.凝固能検査試薬が、フイブリノゲン定量用試薬である前項8に記載の検査試薬。
10.検体希釈用緩衝液とトロンビン試薬を含む検査試薬キットであって、トロンビン試薬はトロンビンおよび抗トロンビン作用を有する阻害剤を含むことを特徴とする検査試薬キット。
11.前項10に記載の阻害剤が、抗トロンビン作用を有するプロテアーゼ拮抗剤である検査試薬キット。
12.前項10に記載の阻害剤が、ベンザミジン、p−アミノベンザミジン、m−アミノベンザミジン、フェニルグアニジン、アルガトロバン、メシル酸ガベキサート、メシル酸ナファモスタットから選択される一以上の阻害剤である検査試薬キット。
13.前項10に記載の阻害剤が、ベンザミジンまたはその誘導体である検査試薬キット。
14.前項10に記載の阻害剤を0.1〜30mM含有する検査試薬キット。
15.トロンビンを10〜500U/mL含有する前項14の検査試薬キット。
16.トロンビン試薬が、カルシウムイオン、有機酸、界面活性剤、およびタンパク質から選択される1または2以上のトロンビン安定化機能を有する化合物を含有する前項10の検査試薬キット。
17.検査試薬キットが、凝固能検査試薬キットである前項10に記載の検査試薬キット。
18.凝固能検査試薬キットが、フイブリノゲン定量用試薬キットである前項17に記載の検査試薬キット。」からなる。
以上説明したように、本発明のトロンビン阻害剤、具体的にはベンザミジンまたはその誘導体の添加によりトロンビンが安定化され、さらに有機酸の補助添加により一層の安定化効果が得られた。かくして、本発明のトロンビンの安定化方法および該安定化方法により得られたトロンビン含有組成物(トロンビン試薬)は、従来にない安定化されたトロンビン試薬を提供するものであり、極めて有用な臨床検査用試薬及びキットを提供するものである。
(トロンビン)
本発明の検査試薬(トロンビン試薬)に含有されるトロンビンは、動物由来、ヒト血漿由来、または遺伝子工学的手法で調製されたもののいずれであってもよい。トロンビン試薬は液状品であっても、凍結品であっても、乾燥品であってもよく、製剤中に含まれるトロンビン含量は、その活性が目的とする活性値に調整されていればよく、特に限定されない。
(阻害剤)
本発明において、抗トロンビン作用を有する阻害剤とは、例えば抗トロンビン作用を有するプロテアーゼ拮抗阻害剤が挙げられ、具体的にはベンザミジン(塩酸塩)、p−アミノベンザミジン、m−アミノベンザミジン、フェニルグアニジン、アルガトロバン、メシル酸ガベキサート、メシル酸ナファモスタット等が挙げられ、特にベンザミジンおよびその誘導体を適用することが好ましい。
阻害剤は、トロンビン試薬中に0.1〜30mM、好ましくは0.1〜20mM、より好ましくは2.5〜15mM含有させることができる。トロンビン試薬に含まれるトロンビン濃度は特に限定されないが、実用的にはトロンビン活性が10〜500U/mL、好ましくは50〜200U/mLのものが使用される。
安定化剤としての上記阻害剤は単独で使用することもできるが、他の公知の安定化剤と組み合わせて使用することもできる。組合せ可能な他の安定化剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、カルシウムイオン、有機酸、界面活性剤、タンパク質等を使用することができる。
カルシウムイオンの具体例として塩化カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、グルクロン酸カルシウム、酒石酸カルシウム等の水溶性のカルシウム化合物が例示される。これらカルシウム化合物は1種類または2種以上を組み合わせて選択し使用することができる。カルシウム化合物のトロンビンに対する安定化有効量は、安定性を向上させる量であれば良く、特に限定されないが、例えばトロンビン試薬中の濃度が5mM〜100mMであることが好適で、より好ましくは10mM〜50mMである。
有機酸の具体例としてギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルコン酸、乳酸、グルクロン酸、グリコール酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、グルタル酸、アミノ酢酸、アミノカプロン酸等を例示することができる。これらの有機酸は、遊離酸またはその塩のどちらを用いても良い。また、1種もしくは2種以上を組み合わせて選択し使用することができる。
有機酸の添加量はトロンビン試薬の安定性を向上させる量であれば良く、特に限定されないが、例えばトロンビン試薬中の濃度が10mM〜500mMであることが好適で、より好ましくは50mM〜200mMである。
界面活性剤の具体例としては、陰イオン性界面活性剤として、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、ドデシル−N−サルコシン酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸ナトリウム等が、陽イオン性界面活性剤として、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラデシルアンモニウムブロミド、ドデシルピリジニウムクロリド等が、両イオン性界面活性剤として、3−[(3−コラミドプピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホン酸(CHAPS)、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(CHAPSO)、パルミトイルリゾレシチン、ドデシル−N−ベタイン、ドデシル−β−アラニン等が、非イオン性界面活性剤として、オクチルグルコシド、ペプチルチオグルコシド、デカノイル−N−メチルグルカミド、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンへプタメチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンイソオクチルフェニルエーテル(トライトンXシリーズ)、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、スクロース脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトールエステル(Tweenシリーズ)を例示することができる。
これら界面活性剤のうち非イオン性界面活性剤が特に好ましく用いられる。また、これら界面活性剤は1種もしくは2種類以上を組み合わせて選択し用いることができる。
界面活性剤の添加量は、トロンビン試薬の安定性を向上させる量であれば良く、特に限定されないが、例えばトロンビン試薬中の濃度が0.001〜1重量/容量%であることが好適で、より好ましくは0.005〜0.1重量/容量%で用いることができる。
タンパク質の具体例としては、アルブミン、ゼラチン、グロブリンを例示することができるが、これらタンパク質は1種もしくは2種以上を組み合わせて選択し用いることができる。
タンパク質の添加量は、トロンビン試薬の安定性を向上させる量であれば良く、特に限定されないが、例えばトロンビン試薬中の濃度が0.05〜10重量/容量%であることが好適で、より好ましくは0.1〜5重量/容量%で用いることができる。
上記、トロンビンの安定化に用いる上記阻害剤やその他の安定化剤は、トロンビンの溶液状態での保存時、乾燥状態での保存時、凍結状態での保存時および乾燥品を溶解もしくは凍結品を融解した時等の、トロンビンの酵素活性への影響を考慮して選択され、用いられる。さらに阻害剤を単独で使用する場合も、他と安定化剤とともに組み合わせて使用する場合においても、トロンビンの液状品にあっては液状品中に含有させ、乾燥品または凍結品にあっては最終的に液状になしたときに安定化効果が発揮されるように調整し含有させる。
(トロンビン試薬)
本発明のトロンビン試薬は、トロンビンに、少なくとも上記阻害剤を含有してなる。さらにこれらに加えて、緩衝剤、トロンビン安定化機能を有する他の安定化剤、並びに測定再現性を向上させるために、高分子多糖類、および合成高分子類から選択された1種または2種以上を組み合わせて含有することもできる。
緩衝剤の具体例としては、pH4〜9の範囲に緩衝能をもつ緩衝剤を適宜選択して用いる。例えば、クエン酸、リン酸、酢酸、イミダゾール、GTA、HEPES、MOPS、BIS−TRIS、TRIS、MOPSO、ADA、MES等から1種もしくは2種以上を組み合わせて選択し用いることができる。これら緩衝剤の添加量は、緩衝能を有する量であれば特に限定されないが、例えばトロンビン試薬中の濃度が5〜1000mMであることが好適で、より好ましくは50〜500mMである。
高分子多糖類の具体例としては、デキストラン40、デキストラン70、デキストラン200,000、デキストラン500,000、フィコール等を例示することができる。また、これら高分子多糖類は1種もしくは2種以上を組み合わせて選択し用いることができる。これら高分子多糖類の添加量は、再現性を向上させる量であれば特に限定されないが、例えばトロンビン試薬中の濃度が0.1〜10重量/容量%であることが好適で、より好ましくは0.3〜3重量/容量%である。
合成高分子類の具体例としては、ポリビニルアルコール500、ポリビニルアルコール1500、ポリビニルアルコール2000、ポリエチレングリコール1500、ポリエチレングリコール2000、ポリエチレングリコール4000、ポリエチレングリコール6000、ポリエチレングリコール8000、ポリエチレングリコール20000およびポリビニルピロリドン等を挙げることができる。これら合成高分子類は1種もしくは2種以上を組み合わせて選択し用いることができる。これら合成高分子類の添加量は、再現性を向上させる量であれば特に限定されないが、例えばトロンビン試薬中の濃度が0.1〜10重量/容量%であることが好適で、より好ましくは0.3〜3重量/容量%である。
また、トロンビン試薬は液状品、凍結品または乾燥品であってもよく、さらに乾燥品は精製水または緩衝液を添加することにより溶解される。
またトロンビン試薬には適当な防腐剤を添加してもよい。防腐剤としては、シプロフロキサシン、プロピオン酸もしくは安息香酸ナトリウム等の中から1種もしくは2種以上を組み合わせて選択し用いることができる。また、必要に応じて塩化ナトリウム等の塩や、アミノ酸、糖等の一般的な安定化剤等を含ませることもある。
上記に記載の濃度は、溶液品中の濃度を記載しているが、乾燥品等は使用時に溶解したときの濃度を記載している。
(検査試薬キット)
検査試薬キットは、少なくとも検体及び標準液を希釈するための検体希釈用緩衝液並びに上記のトロンビン試薬を含む。検体希釈用緩衝液としては、MES、Bis−Tris、ADA、PIPES、ACES、MOPSO、BES、MOPS、TES、HEPES、DIPSO、TAPSO、POPSO、HEPPSO、EPPS、Tricine、Bicine、TAPS、CHES、CAPSO、CAPSなどのグッド緩衝液、バルビタール緩衝液を挙げることができる。
(凝固能検査試薬)
本発明の検査試薬または検査試薬キットは凝固能検査試薬、特にフィブリノゲンの定量用試薬に使用することができる。具体的には標準液を検体希釈用緩衝液で5倍、10倍、20倍に希釈する(希釈倍率は適宜調整することが可能である)。次に各希釈標準液0.2mLを37℃で3分間加温し、予め37℃に加温した検査試薬またはトロンビン試薬の0.1mLを加え、凝固時間を測定する。次に各々の希釈標準液の測定値をグラフにプロットする。血漿検体を検体希釈用緩衝液で10倍希釈し(希釈倍率は適宜調整することが可能である)、希釈検体を同様に測定し、得られた凝固時間をもとに、グラフから濃度を求めることができる。
また、本発明の検査試薬または検査試薬キットはトロンビン阻害物質の活性、例えば、アンチトロンビン活性、ヒルジンの活性、さらには化学合成阻害剤の活性を測定するのに用いることもできる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
トロンビン試薬(国際試薬社製)に下記に示す濃度になるようにベンザミジン塩酸塩を添加した。なお、本トロンビン試薬は、200U/mLのトロンビンと酢酸および乳酸カルシウムを含有する緩衝液とからなるpH6.0の溶液である。

No.1:トロンビン溶液(ベンザミジン無添加)
No.2:No.1に、5mMベンザミジン塩酸塩となるように添加
No.3:No.1に、10mMベンザミジン塩酸塩となるように添加

上記試料について、37℃で0、1、2、4および8週間保存したときの各トロンビン残存活性を測定した。測定方法は、日本薬局方に従った。測定結果を図1に示した。その結果、ベンザミジンを加えない系(No.1)では8週間経過後、トロンビン活性は50%以下に低下したが、ベンザミジン塩酸塩を加えた系(No.2、No.3)では、約75%以上のトロンビン活性が残存していた。
(実施例2)
実施例1のNo.1に記載のトロンビン溶液を実施例1に示す緩衝液で希釈し、トロンビン活性が100U/mLとなるように調製し、下記に示す濃度になるようにベンザミジン塩酸塩を添加した場合のトロンビン安定化効果を調べた。

No.4:トロンビン溶液(100U/mL、ベンザミジン無添加)
No.5:No.4に、2.5mMベンザミジン塩酸塩となるように添加
No.6:No.4に、5mMベンザミジン塩酸塩となるように添加

上記試料について、実施例1と同様に各試料についてのトロンビン残存活性を測定した。測定結果を図2に示した。その結果、ベンザミジンを加えない系(No.4)では8週間経過後にトロンビン活性は50%以下に低下したが、ベンザミジン塩酸塩を加えた系では、約75%以上のトロンビン活性が残存していた。
(実施例3)
実施例1のNo.1に記載のトロンビン溶液を実施例1に示す緩衝液で希釈し、トロンビン活性が100U/mL、120U/mL、150U/mLおよび200U/mLとなるように調製し、各々にベンザミジン塩酸塩を0、2.5mM、5.0mM、7.5mM、10.0mM、12.5mMおよび15.0mMになるように添加し、37℃で8週間保存した場合のトロンビン安定化効果を調べた。
測定結果を図3に示した。その結果、各濃度のトロンビン含有溶液において、ベンザミジン濃度を加えない系では50%以下に低下したが、ベンザミジン塩酸塩を2.5mM加えた系では約70%以上、7.5mM加えた系では80%以上のトロンビン活性が残存していた。
(実施例4)
実施例1のNo.1に記載のトロンビン溶液を実施例1に示す緩衝液で希釈し、トロビン活性が100U/mLおよび200U/mLとなるように調製し、各々にベンザミジン塩酸塩を0、0.1mM、1.0mM、5.0mM、10.0mM、20.0mMおよび30.0mMになるように添加し、37℃で7、14および21日間保存した場合のトロンビンの安定化効果を調べた。
測定結果を図4および図5に示した。その結果、各濃度のトロンビン含有溶液において、ベンザミジン塩酸塩を添加することにより、トロンビンが安定することが確認された。
(実施例5)
検査試薬キット
検査試薬キットとして、凝固能検査試薬キットである、フィブリノゲン定量用試薬キットの実施例を示す。
フィブリノゲン濃度が判明している標準液をTC緩衝液(国際試薬社製、検体希釈用緩衝液に相当)で5倍、10倍、20倍に希釈する(希釈倍率は適宜調整することが可能である)。次に各希釈標準液0.2mLを37℃で3分間加温し、予め37℃に加温したトロンビン試薬(国際試薬社製、10mMのベンザミジンとなるようにベンザミジン塩酸塩を添加)の0.1mLを加え、凝固時間を測定する。次に各々の希釈標準液の測定値をグラフにプロットする。血漿検体をTC緩衝液で10倍希釈し(希釈倍率は適宜調整することが可能である)、希釈検体を同様に測定し、得られた凝固時間をもとに、グラフからフィブリノーゲン濃度を求めることができる。
トロンビン活性が200U/mLとなるように調製した溶液について、各濃度のベンザミジンを添加した場合の安定化効果を示す図である。(実施例1) トロンビン活性が100U/mLとなるように調製した溶液について、各濃度のベンザミジンを添加した場合の安定化効果を示す図である。(実施例2) 各濃度のトロンビン含有溶液に各濃度のベンザミジンを添加した場合の安定化効果を示す図である。(実施例3) トロンビン活性が100U/mLとなるように調製した溶液について、ベンザミジン塩酸塩を0、0.1〜30.0mMのベンザミジンを添加した場合の安定化効果を示す図である。 トロンビン活性が200U/mLとなるように調製した溶液について、ベンザミジン塩酸塩を0、0.1〜30.0mMのベンザミジンを添加した場合の安定化効果を示す図である。
符号の説明
No.1:トロンビン活性200U/mL、ベンザミジン無添加
No.2:トロンビン活性200U/mL、ベンザミジン5mM
No.3:トロンビン活性200U/mL、ベンザミジン10mM
No.4:トロンビン活性100U/mL、ベンザミジン無添加
No.5:トロンビン活性100U/mL、ベンザミジン2.5mM
No.6:トロンビン活性100U/mL、ベンザミジン5mM

Claims (18)

  1. トロンビンと抗トロンビン作用を有する阻害剤を含有する検査試薬。
  2. 請求項1に記載の阻害剤が、抗トロンビン作用を有するプロテアーゼ拮抗剤である検査試薬。
  3. 請求項1に記載の阻害剤が、ベンザミジン、p−アミノベンザミジン、m−アミノベンザミジン、フェニルグアニジン、アルガトロバン、メシル酸ガベキサート、メシル酸ナファモスタットから選択される一以上の阻害剤である検査試薬。
  4. 請求項1に記載の阻害剤が、ベンザミジンまたはその誘導体である検査試薬。
  5. 請求項1に記載の阻害剤を、0.1〜30mM含有する検査試薬。
  6. トロンビンを10〜500U/mL含有する請求項5の検査試薬。
  7. カルシウムイオン、有機酸、界面活性剤、およびタンパク質から選択される1または2以上のトロンビン安定化機能を有する化合物を含有する請求項1の検査試薬。
  8. 検査試薬が、凝固能検査試薬である請求項1に記載の検査試薬。
  9. 凝固能検査試薬が、フイブリノゲン定量用試薬である請求項8に記載の検査試薬。
  10. 検体希釈用緩衝液とトロンビン試薬を含む検査試薬キットであって、トロンビン試薬はトロンビンおよび抗トロンビン作用を有する阻害剤を含むことを特徴とする検査試薬キット。
  11. 請求項10に記載の阻害剤が、抗トロンビン作用を有するプロテアーゼ拮抗剤である検査試薬キット。
  12. 請求項10に記載の阻害剤が、ベンザミジン、p−アミノベンザミジン、m−アミノベンザミジン、フェニルグアニジン、アルガトロバン、メシル酸ガベキサート、メシル酸ナファモスタットから選択される一以上の阻害剤である検査試薬キット。
  13. 請求項10に記載の阻害剤が、ベンザミジンまたはその誘導体である検査試薬キット。
  14. 請求項10に記載の阻害剤を0.1〜30mM含有する検査試薬キット。
  15. トロンビンを10〜500U/mL含有する請求項14の検査試薬キット。
  16. トロンビン試薬が、カルシウムイオン、有機酸、界面活性剤、およびタンパク質から選択される1または2以上のトロンビン安定化機能を有する化合物を含有する請求項10の検査試薬キット。
  17. 検査試薬キットが、凝固能検査試薬キットである請求項10に記載の検査試薬キット。
  18. 凝固能検査試薬キットが、フイブリノゲン定量用試薬キットである請求項17に記載の検査試薬キット。
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