JP2004191015A - ペレット燃料燃焼装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃焼装置1は、燃焼室2内の下部に設置された燃焼器3に燃焼用空気を供給すると共に、燃焼器3でのペレット燃料の燃焼で発生した燃焼ガスを燃焼室2の上方の排気室8から排気管9を介して排気する強制給排気手段60を備える。燃焼時、給排気手段60の排気ファン62bによる排気量が送気ファン61bによる送気量よりも大にして、燃焼室2内が負圧になるように給排気手段を運転する。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、木質ペレット等のペレット燃料の燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、固体燃料の石炭を燃焼して暖房に使用する暖房機等の燃焼装置が知られている。しかしながら、石炭は炭素分やイオウ分を含んでおり、燃焼させると二酸化炭素やイオウ酸化物が発生し、燃焼ガスに混じって大気中に放出され環境を汚染する。
【0003】
これに対し、おが粉や樹皮などの製材廃材や間伐材、林地残材などの低質材を粉砕圧縮した木質ペレットが知られている。この木質ペレットは、木の成分であるリグニンが溶けて固まる性質を利用して成型したもので、接着剤等を一切使用していない均質かつクリーンな固体燃料であり、植物は成長段階で二酸化炭素を吸収するので、近年、暖房機等の燃料として注目されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
実開昭56−169145号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、燃焼室内の燃焼器で木質ペレット等のペレット燃料を燃焼して発生した火炎や燃焼ガスが燃焼器に燃料を供給する燃料供給路に浸入するのを防止すると共に、燃焼ガスが燃焼室から室外に漏出するのを防止して、ペレット燃料を安全に燃焼することが可能なペレット燃料燃焼装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、燃焼室内の下部に設置された燃焼器に燃焼用空気を供給して、前記燃焼器に供給されたペレット燃料を燃焼すると共に、前記ペレット燃料の燃焼で発生した燃焼ガスを燃焼室外に排出するペレット燃料燃焼装置において、
装置本体に供給手段と排気手段とが個別の駆動源または同一の駆動源で駆動される強制給排気手段を設置し、該強制給排気手段を前記燃焼室内が負圧になるように運転して、前記燃焼用空気の供給と前記燃焼ガスの排気とを行うことを特徴とする。
【0007】
本発明の他の態様では、装置本体に強制排気手段を設置し、該強制排気手段を前記燃焼室内が負圧になるように運転して、前記燃焼用空気の供給と前記排ガスの排気とを行うことを特徴としている。
【0008】
本発明によれば、燃焼室内が負圧になるように強制給排気手段を運転するので、ペレット燃料の燃焼で発生した燃焼ガスが燃焼室から室内へ漏れ出ようとしても、圧力的に燃焼室側へ吸引され気味になっているので、燃焼ガスの室内への漏出を確実に防止できる。また火炎および燃焼ガスが燃焼器の例えば上方にある燃料供給路内や燃焼器下部の灰トレイ室に浸入するのも確実に防止できる。これにより、ペレット燃料を安全に燃焼することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳述する。
【0010】
図1は本発明のペレット燃料燃焼装置の一実施の形態を示す縦断面図で、図の左側が装置の前方向である。図2は該装置の横断面図である。
【0011】
本実施の形態において、ペレット燃料燃焼装置1は、燃焼室2内の下部に設置した燃焼器3でペレット燃料を燃焼して、発生した熱を燃焼室2の周囲等で空気と熱交換して、空気を温風として吹き出す暖房機に構成されている。
【0012】
ペレット燃料燃焼装置1は、前方寄りの位置に燃焼室2を備え、燃焼室2の下方に灰トレイ室6が設けられ、その下方に燃料タンク4が設けられ、燃焼室2の上方に排気室8が設けられている。これら灰トレイ室6、燃焼室2および排気室8の前面を除く周囲は、遮熱板10により間隔を開けて覆われ、周囲に空気通路11が設けられている。また装置1の後部には遮熱板10と間隔を開けて縦方向のスクリューコンベア5が設けられ、その左の位置にはワンモータ・ダブルファン方式の強制給排気手段60が設けられている。装置1は前面上方を除く周囲をキャビネット1Aで覆って密閉されている。
【0013】
燃料タンク4には上部にストーカー41が設けられ、ストーカー41を引き出して人手によりペレット燃料を投入することにより、燃料タンク4にペレット燃料が収容される。燃料タンク4内の下部には、水平に延びるコイル状のばねからなる攪拌部材42が設置されている。攪拌部材42はモータ42aにより回転して、燃料タンク4内の全体のペレット燃料を攪拌して均し、スクリューコンベア5の搬送用パイプ51の入口51aの近くで燃料の層に生じる窪みを埋めながら、燃料を入口51aに安定して供給きるようにしている。
【0014】
スクリューコンベア5は、装置1の後部の幅方向中央位置に配置されており、縦方向の搬送用パイプ51と該パイプ51内に摺接するように配置されたスクリュー52とからなり、上端に取り付けたモータ53でスクリュー52を回転することにより、パイプ51下端の入口51aに供給されたペレット燃料をパイプ51を案内としてスクリュー52の羽根52aにより螺旋状に推進して上方に搬送し、パイプ51の上端手前の出口51bに取り付けられた燃料供給路54に受け渡す。出口51bより上方のスクリューの羽根52bはその他の羽根52aと傾斜を逆に形成して、出口5bより上方でペレット燃料を下方に押し返すことにより、出口5bから燃料供給路54に円滑に排出できるようにしてある。
【0015】
燃料供給路54は先端54a方向に向けて下に傾斜して設置してあり、遮熱板10および燃焼室2の後面を貫通して、先端54aを燃焼室2内の下部に設置された燃焼器3の上方に臨ませている。スクリューコンベア5から受け渡されたペレット燃料は、供給路54内を傾斜により滑り落ち、先端54aから落下して燃焼器3に供給される。ペレット燃料の燃焼による火炎が燃料供給路54内のペレット燃料に火移りするのを防止するために、先端54aは燃焼器3の上方においてやや後側にずらして位置させてある。
【0016】
燃焼器3は、図3および図4に示すように、外箱31内に箱状のバーナ本体32を装着し、バーナ本体32内にロストル33を装着してなっている。ロストル33は、下に内窄まり状の左右の側板33aの下端間に火格子として左右方向の平行なバー33bを形成してなっており、両側板33aはバーナ本体32にペレット燃料を装入するホッパー部を構成している。バーナ本体32は外箱31と間隔を開けて配置して、バーナ本体32の周囲に空気通路32aが形成されており、またバーナ本体32の前後面には燃焼用空気の細孔32bが設けられている。外箱31の後面には燃焼用空気を供給する送気管34が取り付けられている。送気管34は、装置1の後部に設けられた強制給排気手段60の送気ファン室61(図5)に接続されている。
【0017】
外箱31の前面にはセラミックヒータ35を収容した保護管35aが取り付けられ、このセラミックヒータ35の先端はバーナ本体32内に臨んでいる。ロストル33の火格子バー33bの間には灰掻き手段36が設けられている。灰掻き手段36は軸方向に羽根板36aを複数枚設けた2本の羽根車36bを平行に配置してなり、その2本の羽根車36bの羽根36aを火格子バー33bの間に互い違いに挿入している。2本の羽根車36bは一方の羽根車に取り付けたモータ36cにより歯車機構を介して回転される。
【0018】
燃焼室2内の上部には複数本の放熱パイプ7が上下互い違いに2段に設けて、熱交換部を構成している。また灰トレイ室6、燃焼室2および排気室8の周囲は、空気通路11により放熱部を構成している。この空気通路11は排気室8の前方に設けられた温風吹き出し口12に連通している。また上記の放熱パイプ7は一端が空気通路11に開口し、他端が温風吹き出し口12に開口している。吹き出し口12にはルーバー13が取り付けられている。
【0019】
排気室8は底面の後部に設けた開口8aを介して燃焼室2と連通している。この排気室8は、燃焼室2から流入する燃焼ガス中の灰を除去すると共に、燃焼ガスの有する熱を周囲の空気通路11を流れる空気と効率よく熱交換するために、開口8aの前縁から排気室8の上面と間隔を開けた垂直な仕切板8bを立ち上げ、該仕切板8bの上端に前方に延びる水平板8c1を設け、該水平板8c1の前端に排気室8の底面と間隔を開けたバッフル板8cを垂設する。また排気室8の後部の左側の位置に、仕切板8dによって区画することによって、水平板8c1とバッフル板8cとで囲まれた断面L字状の空間内に開口する小室(排出チャンバー)8eを設けた。ガス排気管9の上端9aは小室8eの位置の排気室8の後面に開口される。ガス排気管9は遮熱板10を貫通して後方に延出した後下方に垂下し、給排気手段60の排気ファン室62に接続されている。
【0020】
放熱パイプ7の後方の遮熱板10には対流用送風機14が取り付けられており、対流用送風機14はモータ14aによって回転し、キャビネット1Aの後面に設けた図示しない開口から空気を吸引して空気通路11に送り込み、空気を燃焼室2および排気室8等に周囲に流し、また空気の一部を放熱パイプ7内に流すようになっている。
【0021】
給排気手段60の送気ファン室61内には、図5に示すように、モータ63を備えるモータ室61cが区画され、該モータ室61cはキャビネット1Aの後面に給気口61aを開口し、この給気口61aに図示しない室外の給排気筒が接続されている。排気ファン室62はキャビネット1Aの後面に排気口62aを開口し、排気口62aに図示しない室外の給排気筒が接続されている。送気ファン室61、排気ファン62には、モータ63の軸に連結された送気ファン61b、排気ファン62bが設置されている。送気ファン61b、排気ファン62bは制御装置によりモータ63の回転数を変えて、送気量、排気量を変更して設定可能になっている。また、送気ファン61bと排気ファン62bは、排気ファン62bの能力が大きくなるようにファン寸法を大きくしている。
【0022】
バーナ本体32に供給されたペレット燃料を燃焼するには、まず、給排気手段60のモータ63により送気ファン61b、排気ファン62bを回転して、室外の空気を送気口61aより燃焼用空気として吸い込んで、送気管34を通して外箱31とバーナ本体32との間の空気通路32aに送り込み、バーナ本体32の前後面の細孔32bから供給すると共に、ガス排気管9を介して燃焼室2および排気室8内を吸引して、排気口62aから排気管を通して室外に排気する。そしてこの給排気を続けた状態で、セラミックヒータ35を赤熱してペレット燃料に着火し、ペレット燃料を燃焼する。
【0023】
ペレット燃料の燃焼で発生した火炎および燃焼ガスの熱は、燃焼室2のパイプ7内を流れる空気、および燃焼室2および排気室8等の周囲の空気通路11を流れる空気と熱交換して空気を加温する。加温された空気は装置1前部の吹き出し口12から外部に吹き出される。排気室8内に流入した燃焼ガスに伴う灰は、燃焼ガスがバッフル板8bによって流路を曲げられながら流れることにより燃焼ガスから放出され、灰の混入が少ない燃焼ガスが排ガスとして排気管9に排出され、排気管9から給排気手段60の排気ファン室62を経て、キャビネット1A後面の排気口62aから給排気筒を通って室外に排気される。また火格子バー33b上に堆積した灰は、灰掻き手段36によって掻き落として下の灰トレイ室6内の灰トレイ6aに溜められ、適時外部に取り出して廃棄される。
【0024】
本実施の形態では、上記のペレット燃料を燃焼する際、排気ファン寸法を送気ファン寸法より大きくすることにより、排気ファン62bによる排気量が送気ファン62aによる送気量よりも大になるように、これら排気量および送気量を設定し、燃焼室2内が負圧になるように給排気手段60を運転するようにした。したがって、燃焼ガスが燃焼室2から室内へ漏れ出ようとしても、圧力的に燃焼室2側へ吸引され気味になっているので、燃焼ガスの室内への漏出を確実に防止できる。また火炎および燃焼ガスが燃焼器3の上方にある供給路54内に浸入するのも、灰掻き手段36により灰を灰トレイ室6に落下させるときに灰トレイ室6へ浸入するのも確実に防止できる。これにより、ペレット燃料を安全に燃焼することができる。
【0025】
以上の実施の形態では、燃焼室2内の燃焼器3への燃焼用空気の供給と燃焼室2内の燃焼ガスの排気に、送気ファン61bおよび排気ファン62bを1つのモータ63で駆動する強制給排気手段を用いたが、送気ファンおよび排気ファンをそれぞれ個別のモータで駆動して、燃焼器3に一次燃焼用空気を供給し、燃焼室2内の燃焼ガスを排気するようにしてもよい。そのときは排気ファン寸法を送気ファン寸法より大きくしなくても、排気ファンの回転数を送気ファンの回転数より大きくすることにより、排気ファンの送風能力を大きくして燃焼室内を負圧にすることができる。また送気ファンを設けず排気ファンのみを設け、排気ファンを駆動して燃焼ガスの排気を行い、これによる燃焼室の負圧で燃焼用空気を吸引して供給するようにしてもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のペレット燃料燃焼装置によれば、燃焼室内の燃焼器に木質ペレット等のペレット燃料を供給する供給路内や燃焼器下部の灰トレイ室に火炎や燃焼ガスが浸入するのを防止すると共に、燃焼ガスが燃焼室から室内に漏出するのを防止でき、ペレット燃料を安全に燃焼することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のペレット燃料燃焼装置の一実施の形態を示す縦断面図である。
【図2】図1の燃焼装置の横断面図である。
【図3】図1の燃焼装置の燃焼室内に設けられた燃焼器およびその近傍を示す縦断面図である。
【図4】同じく燃焼器およびその近傍を示す横断面図である。
【図5】図1の燃焼装置に設置された強制給排気手段を示す模式図である。
【符号の説明】
1 燃焼装置
2 燃焼室
3 燃焼器
4 燃料タンク
5 スクリューコンベア
34 送気管
54 燃料供給路
60 強制給排気手段
61a 給気口
61b 送気ファン
62a 排気口
62b 排気ファン
63 モータ
Claims (2)
- 燃焼室内の下部に設置された燃焼器に燃焼用空気を供給して、前記燃焼器に供給されたペレット燃料を燃焼すると共に、前記ペレット燃料の燃焼で発生した燃焼ガスを燃焼室外に排出するペレット燃料燃焼装置において、
装置本体に供給手段と排気手段とが個別の駆動源または同一の駆動源で駆動される強制給排気手段を設置し、該強制給排気手段を前記燃焼室内が負圧になるように運転して、前記燃焼用空気の供給と前記燃焼ガスの排気とを行うことを特徴とするペレット燃料燃焼装置。 - 燃焼室内の下部に設置された燃焼器に燃焼用空気を供給して、前記燃焼器に供給されたペレット燃料を燃焼すると共に、前記ペレット燃料の燃焼で発生した燃焼ガスを燃焼室外に排出するペレット燃料燃焼装置において、
装置本体に強制排気手段を設置し、該強制排気手段を運転して、前記燃焼用空気の供給と前記燃焼ガスの排気とを行うことを特徴とするペレット燃料燃焼装置。
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