JP2004190986A - 冷蔵庫 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】機械室2の内部の箱体幅方向に圧縮機3を送風機6に対し冷却空気5の下流に並べると共に送風機6から圧縮機3に向けて冷却空気5が吐出されるようにし、送風機6は吸込み開口群13及び凝縮器4とダクトで接続され、送風機6あるいは凝縮器4から圧縮機3へ吐出された冷却空気5の一部が吐出方向だけでなく逆方向にも機械室2の内部を流れて箱体背面の左右角部17の両方に位置する背面カバーの開口10から排出される通風構造とした。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷蔵庫に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に家庭用冷蔵庫の構造は、機能面から考えると、断熱容器及び強度部材の役割を備える箱体・扉部分と、庫内の冷却を行う冷凍サイクルとに大別できる。
【0003】
箱体・扉部分は、主に発泡ウレタン製の断熱材を、主に鋼板製の外箱と合成樹脂製の内箱にて挟むようにして一体化した各々の主構造部分と、庫内を冷凍室、冷蔵室等の貯蔵室に区画するための区画部材と、貯蔵室又は扉内側を細かく区画する内装部材とを備えている。
【0004】
また、冷凍サイクル部は、冷媒を昇圧・循環させる圧縮機、庫外へと冷媒の放熱を行う凝縮器等の庫外に設置される部品と、庫内に設置され冷気冷却を行う蒸発器と、各部品間に冷媒を循環させるための冷媒パイプ等を備えている。
【0005】
多くの冷蔵庫では、凝縮器として箱体の断熱壁内の外表面近くに冷媒パイプを埋め込む形式の自然対流型と、箱体の後方下部に設けた機械室又は箱体底部に設けた通風路に、箱体とは別体の熱交換器を配置した強制対流型とを併用採用している。
【0006】
自然対流型の凝縮器は、簡単な構造であり凝縮器を冷却する送風機と、この送風機を動かす動力とを必要としないものの、庫内への熱侵入が発生すること、及び、冷蔵庫の廃棄時に材料の分離が難しく再資源化対応性が低いという問題がある。
【0007】
それに比べ、強制対流型の凝縮器は、風路の形成、凝縮器を冷却する送風機、この送風機を動かす動力等を必要とするものの、庫内への熱侵入が少なく、再資源化対応性も良好であり、送風機の回転数により放熱量制御ができることから、冷蔵庫の省電力化に有効な可変容量圧縮機に対する適合性が高く、凝縮器の大型化・高性能化による放熱量増大が可能である利点がある。
【0008】
従って、省電力を重視する中・大型の機種では、強制対流型の凝縮器を冷媒の放熱経路の前半に置いて主な放熱を行い、自然対流型の凝縮器を箱体前面、又は側面に配置して、残りの放熱と箱体外表面の凍結防止を行わせるように設計されている。
【0009】
強制対流型の凝縮器を備えた機械室周辺の通風構造の一例としては、特開平8−296946号公報に記載されるような、箱体の後方下部の機械室内において、箱体の幅方向に送風機、凝縮器、圧縮機(または凝縮器、送風機、圧縮機)の順番で配置し、これらの要素の空気流上流に設けた吸込み開口群と、空気流下流に設けた排出開口群とを用いて、放熱用の冷却空気を機械室の内と外とで、吸込み・排出するようにしたものがある。送風機は、箱体幅方向の一方向に冷却空気を吐出するように配置され、吸込み開口群と排出開口群とが箱体幅方向の互に反対側となるように形成されていることから、漏れなどを除き略全ての冷却空気が機械室内を送風機の吐出方向に流れるようになっている。
【0010】
この従来例の凝縮器に対する通風構造は、圧縮機に送風機又は凝縮器を通過した略全ての冷却空気が通風されるので、圧縮機の放熱性能を良好に保つことができる。また、凝縮器又は吸込み開口群に埃が詰まり通風量が減った場合は、高温となる圧縮機の加熱防止のため、ある程度の放熱性能が必要となるが、先に述べた従来の通風構造では、圧縮器が送風機の下流にあり、冷却空気の循環・かき混ぜ等により、輻射と循環空気の対流の作用にて圧縮機の熱がある程度、機械室各部に伝わり、圧縮機の放熱性能に問題は少ない。
【0011】
しかしながら、前述した従来の通風構造は、冷却空気を機械室周辺の箱体幅方向の一方にて吸込み、他方にて排出するものであり、箱体の背面や側面を、冷蔵庫の据付場所の壁面になるべく隙間をあけずに設置する実使用状態にて問題が発生する。
【0012】
冷蔵庫の設置方法は、箱体の背面を設置場所の壁面に接触させてもよいが、側面は少なくとも5mmの隙間をあけるようにしている。このような箱体周囲が壁面にて遮蔽される実使用状態では、機械室の冷却空気が、箱体底面と床面との隙間、箱体側面と壁面との隙間、面取りされた箱体背面の角部と壁面との隙間を流れる。これら機械室外の空間とは、機械室の背面カバーに形成された開口、機械室下面である底板に形成された開口、機械室の底板と箱体下部背面壁の隙間等が吸込み開口群及び排出開口群となって連絡される。
【0013】
また、機械室へ吸込まれる空気は、機械室への吸込み前にて低温であるが、排出時には温められており、吸込みを機械室の下部、箱体底部から、排出を機械室の上部から行うことで空気の流れが円滑になり風量確保が容易となる。
【0014】
即ち、従来の通風構造の場合、冷蔵庫の背面に設けた開口が、冷蔵庫を設置する場所の壁により塞がれてしまうので、箱体幅方向の一方に配置する吸込み開口群では、床面寄りに比較的大きな底板開口、底板と箱体下部背面壁の隙間、箱体背面の面取りを行った幅方向角部に形成できるのに対し、排出開口群では、箱体背面の面取りを行った幅方向角部に設けたものだけであり、その面積比率が吸込み開口群で大きく、排出開口群で小さくなってしまう。
【0015】
また、機械室内で熱交換を行い温かくなった空気は、下方に流れ難いものであるので、周囲が壁面で遮蔽された実使用状態では、排出開口群の面積比率が吸込み開口群に比べ小さいので通風量が限られ、凝縮器の放熱性能をあまり上げることができない。
【0016】
強制対流型の凝縮器を備えた冷蔵庫の、他の例としては、特開平5−172453号公報に示されており、凝縮器を箱体底部に配し、箱体後方下部の機械室内に、箱体の幅方向に送風機と圧縮機とをこの順序で配設し、箱体底部の前方に吸込み開口群を設け、機械室の送風機よりも下流側に排出開口群を設け、送風機は圧縮機に向けて箱体幅方向の一方向に吐出するように配している。
【0017】
この従来の通風構造では、既に述べた従来例と同様に、圧縮機が送風機の下流側にあるため、圧縮機の放熱性能に問題は少ない。また、凝縮器の冷却を行う空気は、箱体底部前方から吸込まれて、箱体低部の凝縮器を通り、次いで機械室を箱体幅方向の一方向に送風機、圧縮機の順に流れ、箱体幅方向の一方に排出する。従って、既に述べた従来例と同様に、周囲が壁面で遮蔽された実使用状態では、排出開口群が原因となり、機械室の冷却空気の通風量が限られ、凝縮器の放熱性能をあまり上げられない。
【0018】
強制対流型の凝縮器を備えた冷蔵庫の、更に他の例としては、特開平9−145228号公報に示されるように、凝縮器を箱体底部に配し、本体後方下部の機械室内に送風機と圧縮機とを箱体幅方向に配置するが、送風機は、箱体の後方に向けて吐出され、箱体底部の前方に吸込み開口群を設け、機械室の箱体幅方向の全幅に排出開口群を設けている。
【0019】
この従来例では、既に述べた2つの従来例とは異なり、圧縮機が送風機の下流にあるが、送風機の吐出方向が箱体後方であり、排出開口群は箱体幅方向の全幅に設けられているので、吐出された空気は、機械室内部に広がって圧縮機には一部の冷却空気しか当たらない。また、凝縮器又は吸込み開口群が埃詰まり等により通風量が減少した場合は、圧縮機が送風機の直接の下流ではなく、冷却空気の循環・かき混ぜ等の効果があまり及ばないことになる。従って、この従来例では、圧縮機の放熱性能に問題がある。一方、この従来例では、既に述べた2つの従来例とは異なり、排出開口群は機械室の箱体幅方向の全幅に設けることができるので、周囲が壁面で遮蔽された実使用状態で有効な箱体背面の幅方向角部の両方を含めて大きな合計面積とすることで、機械室の冷却空気の通風量を多く保ち、凝縮器の放熱性能は上げることが可能である。
【0020】
【特許文献1】
特開平8−296946号公報(第1図、第3図)
【特許文献2】
特開平5−172453号公報(第2図)
【特許文献3】
特開平9−145228号公報(第1図)
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、機械室周辺の冷却空気の通風構造を適正化することにより、箱体が周囲壁に囲まれた実使用状態においても、圧縮機と凝縮器の放熱性能を共に向上できる冷蔵庫を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、開口を設けた箱体の開口開放方向とは逆方向の下部に設けた機械室と、この機械室内に吹出し方向が前記開口の幅方向となるように配置される送風機と、前記機械室内であり前記送風機の下流に配置される圧縮機と、前記機械室を閉塞し設置状態で上下方向となる両側辺を鈍角に折り曲げた背面カバーとを備えた冷蔵庫において、前記背面カバーの両側の折り曲げ部分が、機械室内と機械室外とを連通し上下方向に複数配列された開口を各々備え、前記機械室内に配置され、前記送風機の上流となる折り曲げ部分の開口を前記送風機の吸込み開口とこの吸込み開口よりも上方である前記送風機の排出開口とに区分する上流ダクト部材を備えることにより達成できる。
【0023】
箱体は、断熱構造を有するものであれば特に限定されるものではなく、具体的には、外箱と内箱との間に発泡ウレタンを充填させたもの等を使用することができる。箱体は、扉を設置する開口を備えており、冷蔵庫として使用する際に背面となる側の下部に機械室を設けてある。背面カバーは、上下方向の両側辺を折り曲げてあり、この折り曲げ角度が鈍角となるようにしている。ここで述べる折り曲げ角度は、機械室カバーを設置した状態で機械室側となる面の角度であり、冷蔵庫の背面を壁に接するように設置した際に、背面カバーの上下方向の両側辺が壁に接することがないようにすると共に、冷蔵庫の背面側及び側壁側の両方に壁があるところに設置しても、背面カバーの上下方向の両側辺が壁に接することがないようにしている。即ち、折り曲げ部分に設けた開口が、壁により塞がれないようにしている。
【0024】
冷蔵庫の冷凍サイクルに用いる凝縮器は、送風機の上流、送風機と圧縮機との間、又は、箱体底面に配置することができる。即ち、凝縮器を送風機の上流に配置した場合は、背面カバーに設けられた開口から流入する空気が、凝縮器と熱交換を行い、その後送風機をとおり圧縮機へと吹出される。凝縮器を送風機と圧縮機との間に配置した場合は、背面カバーに設けられた開口から流入する空気が、送風機をとおり凝縮器と熱交換を行った後に圧縮機へと吹出される。凝縮器を箱体底面に配置した場合は、箱体前面に設けた開口から流入した空気が凝縮器と熱交換をした後に、背面カバーの開口から流入した空気と混合されて送風機をとおり、圧縮機へと吹出される。
【0025】
送風機を通る空気の流入口となる開口は、背面カバーのみ設ける必要はなく、前述した箱体前面の底部、機械室の底面等に設けることができる。また、背面カバー設けられた送風機の吸込み開口とこの吸込み開口よりも上方である前記送風機の排出開口との間の距離は、排出開口から排出された空気が、直ちに吸込み開口から吸込まれないように、50mm以上の間隔をあけることが好ましい。
【0026】
機械室内での、送風機上流空間は、送風機下流空間と区画されており、背面カバーの一方に設けた折り曲げ部分下方から吸込まれた空気が、背面カバーの他方に設けた折り曲げ部分、及び、前記一方に設けた折り曲げ部分に設けた開口より排出されるようにしている。そこで、送風機上流空間は、上流ダクト部材、機械室の底面、側壁、奥壁、背面カバー及び送風機により送風機下流空間と区画されるダクトを形成することが好ましい。
【0027】
上記構成を備える冷蔵庫は、機械室内において送風機が箱体開口の幅方向に冷却空気を吐出すると共に、圧縮機が送風機のすぐ下流あるいは間に凝縮器を挟んだ下流にあるので、圧縮機にはほぼ全ての冷却空気が通風され圧縮機の放熱性能を良好に保つことができる。また凝縮器のほこり詰りなどで通風量が減った場合でも、圧縮機が送風機の下流側にあって冷却空気の循環などの効果によりある程度の放熱が行われるため、やはり圧縮機の放熱性能に問題は少ない。更に、背面カバーに設けられる吸込み開口群は、折り曲げ部分の一方の上部が排出用に変わる分だけ減るものの、比較的大きな底板開口や底板と箱体下部背面壁の隙間があるので合計の面積があまり小さくならない。一方で排出開口群は、折り曲げ部分の他方の底板開口や底板と箱体下部背面壁の隙間は変わらずに、箱体が周囲壁に囲まれた実使用状態での排出に効果的な箱体背面の幅方向角部の背面カバー開口が両方となり、合計の面積は従来の技術で示した最初の2つの例よりも大きくできる。従って、従来技術の最初の2つの例で相対的に面積が小さかった排出開口群が大きくなり、実使用状態での機械室の冷却空気の通風量を増やして凝縮器の放熱性能を向上することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
図1乃至図3は、本発明の第1の実施例である冷蔵庫であり、図1は、機械室背面カバーを取り除いた機械室周辺斜視図、図2は、図1に示す機械室周辺の背面図、図3は、周囲壁が存在する場合である図1に示す機械室周辺斜視図である。
【0029】
本実施例の冷蔵庫は、箱体1の後方下部に機械室2を配置し、この機械室2の内部に圧縮機3、凝縮器4、冷却空気5を通風させる送風機6が箱体1の幅方向に並べられ、その並びは、送風機6の上流に凝縮器4を配置し、送風機6の下流に圧縮機3を配置している。機械室2は、箱体1の背面側を背面カバー7、床面側を底板8、箱体1の前面側及び上側を箱体下部背面壁9、幅方向両側を箱体1の側面で囲まれている。そして、背面カバー7には、背面カバー開口10、底板8には底板開口11、底板8と箱体下部背面壁9との間には隙間12が形成され、それらが組み合わされて凝縮器4の上流側に位置する冷却空気の吸込み開口群13と、凝縮器4の下流側に位置する排出開口群14として、機械室2内の冷凍サイクル部品を冷却する冷却空気5の入口及び出口となっている。
【0030】
また、機械室2内、特に吸込み開口群13から流入して、凝縮器4と熱交換を行い、送風機6へと至る冷却空気5の通過する部分は、機械室2内の他の部分と区画するように、上流側ダクト部材15と、除霜水の蒸発皿16、背面カバー7、底板8、箱体下部背面壁9等の要素部材とで区画され、上流ダクトが構成されている。更に、箱体背面の幅方向角部17に相当する背面カバー7の部分にも、背面カバー開口10が形成されており、図面左側となる背面カバー7の送風機6の吐出方向にあるものは排出開口群14として使用され、図面右側となる背面カバー7の送風機6の吐出方向とは逆の方向のものは、下半部が吸込み開口群13、上半部が排出開口群14となるように上流側ダクト部材15等により区画してある。そして、図面右側の幅方向角部17に設けた背面カバー開口10の下半部と、上半部とは、約50mm程離して、背面カバー開口の上・下半部間隔18を設けている。機械室2内部の送風機6の下流には、吐出方向に設けた排出開口群14へと向かう通風路と共に、吐出方向とは逆方向へと向かい、図面右側の幅方向角部17の上半部に設けた背面カバー開口10へとつながる通風路が形成されている。
【0031】
以上説明した第1の実施例では、機械室2内部において、圧縮機3が送風機6の吐出方向のすぐ下流にあり、圧縮機3には略全ての冷却空気5が通風されるので、冷蔵庫の設置状態が周囲の壁面との隙間を大きくして通風量の多い場合はもちろん、周囲を壁面で遮蔽された実使用条件でやや通風量が減る場合であっても、圧縮機3を充分に放熱させることができる。また、凝縮器4又は吸込み開口群13の埃詰まり等で通風量が極端に減った場合でも、送風機6の下流側には局所的に循環する流れ、かき混ぜる流れが形成されて、圧縮機3と冷却空気5の対流作用が起こり、同時に圧縮機3がやや高温になると、圧縮機3自身の輻射の作用も大きくなるので、圧縮機3の加熱を防ぐのに必要な放熱性能を確保できる。
【0032】
また、箱体幅方向の一方(図1乃至図3の右側)に配置した吸込み開口群13は、幅方向角部17の背面カバー開口10の上半部が、排出用に変わる分だけ、吸込み開口群13の面積が減るものの、比較的大きくとれる底板開口11、底板8と箱体下部背面壁9の隙間12もあるので、吸込み開口群の合計面積をそれほど減らすことはない。
【0033】
排出開口群14については、箱体1が周囲壁に囲まれた実使用状態での冷却空気5の排出に効果的な幅方向角部17の背面カバー開口10が、片側は上半部のみとはいえ両方とも使用できるので、合計面積は、従来のものよりも大きくできる。従って、従来のもので相対的に面積が小さかった排出開口群14が大きくなり、実使用状態での機械室2内の冷却空気通風量が増え、凝縮器4の放熱性能を向上させることができる。
【0034】
更に、第1の実施例では、吸込み開口群13と、凝縮器4と、送風機6とを通過する冷却空気5の上流ダクトの一部、又は、全部の壁面が、機械室2の背面カバー7等の要素部品を流用して構成しているので、上流ダクト部材15を少なくすることができ、機械室2内の全体構成が簡略化できる。更に、上・下半部間隔18を設けることにより、熱交換を行った冷却空気5が、下方に迂回して吸込まれることを防止できる。
【0035】
以上述べた第1の実施例に示す冷蔵庫の機械室に関する通風構造の効果を、定量的に確認するため、図1乃至図3に示す冷蔵庫のモデルを作成し、風量試験を実施した。また、同じモデルを使用して機械室内部の流動状態観察も行った。図4は、風量試験結果のグラフを示している。
【0036】
機械室モデルでの風路構造は、図1乃至図3に示すように、幅方向角部の一方の下半部に吸込み開口群13を設け、幅方向角部の他方と共に一方の上半部にも排出開口群14を設け、他の要素部品も図面と同じように配置した。従来の風路構造としては、箱体幅方向の一方の吸込み開口群13のうち、幅方向角部17の背面カバー開口10を上半部まで全て吸込み用とし、送風機6の吐出側からの通風路も変更した。機械室モデルでの吸込み開口群と排出開口群の合計面積の比率は、従来の風路構造では70%:30%、本発明の風路構造では56%:44%であり、後者の方が排出開口群の面積割合が増えて吸込み開口群の値に近くなっている。風量試験は、冷蔵庫の周囲が壁面で遮蔽された実使用状態に近い条件で行い、通風損失として機械室外の吸込み側と排出側の圧力差を、通風量を変えて測定した。
【0037】
図4の風量試験結果からは、従来の風路構造に比べ本発明の風路構造では同一の通風量で通風損失が約20%減少しており、本発明の改良された機械室の通風構造では周囲が壁面で遮蔽された実使用状態で、通風量を増加できることが定量的に確認できた。同時に行った通風状態の観察では、本発明の風路構造で送風機の吐出側から逆方向に向かって幅方向角部の上半部の背面カバー開口に達する流れが現れること、及び、送風機の吐出方向と逆方向の幅方向角部の背面カバー開口同士が、上半部と下半部とで約50mm程度離してあれば周囲が遮蔽された実使用状態であっても冷却空気の迂回がほとんど発生しないことが判明し、本発明で想定したような機械室内部の通風状態を実際に確認できた。
【0038】
図5及び図6は、本発明による第2の実施例の冷蔵庫について、機械室背面カバーを除いた状態の要部斜視図と、機械室背面カバーを除いた状態の背面図である。
【0039】
第2の実施例に示す冷蔵庫は、第1の実施例に示す冷蔵庫と、送風機6と凝縮器4との配置が逆になっている点、送風機6の吐出方向とは逆方向の幅方向角部17において、背面カバー開口10の上半部と下半部の間には、外表面に背面カバー開口10の上・下半部シール部材21が付けられている点が異なるが、他は基本的に同一構造である。
【0040】
第2の実施例では、送風機6と凝縮器4の配置が、第1の実施例と逆になっているとしても、圧縮機3は送風機6の吐出方向の下流にあり、凝縮器4の放熱でやや温度が上がるものの冷却空気5は略全て圧縮機3に通風される。従って、既に説明した第1の実施例の冷蔵庫と同様に、実使用条件や凝縮器4等にほこりが多く付いた場合でも、圧縮機3の周囲に多くの冷却空気5が対流・循環され、圧縮機3の放熱性能を良好に保つことができる。
【0041】
また、機械室2内部の通風構造は基本的に同じなので、既に説明した第1の実施例の冷蔵庫と同様に、送風機6から凝縮器4を通って圧縮機3へ吐出された冷却空気5が、吐出方向と共に逆方向にも流れ、箱体1が周囲壁に囲まれた実使用状態でも冷却空気5の排出が円滑にできる幅方向角部17の両方の背面カバー開口10から排出されるので、実使用状態でも機械室2の冷却空気5の通風量が多くなり、凝縮器4の放熱性能も向上できる。
【0042】
更に、この第2の実施例に示す冷蔵庫でも、第1の実施例にて示した冷蔵庫と同様に、上流ダクトの一部、又は、全部の壁面が機械室の要素部品を流用して構成しており、機械室2の全体構成が簡略化でき、送風機6の吐出方向と逆方向にある幅方向角部17で上・下半部の背面カバー開口10の間に、外表面に背面カバー開口の上・下半部シール材21を設けることで、より確実に冷却空気5の通風量を増やすことができる。
【0043】
図7及び図8は、本発明になる第3の実施例の冷蔵庫について、機械室周辺の機械室背面カバーを除いた状態の要部斜視図と、機械室及び箱体底部周辺の側方断面図を示している。
【0044】
第3の実施例に示す冷蔵庫は、箱体底部22に凝縮器4が置かれ、冷却空気5の吸込み開口群13として、箱体底部22の前側の箱体前方開口23が含まれる点、上流ダクトが箱体前方開口23と凝縮器4と送風機6を他と区画して接続するように箱体底部22から機械室2まで形成される点、そして除霜水の蒸発皿が圧縮機3の上方に移した点が異なるが、その他は既に説明した本発明の第1の実施例に示す冷蔵庫の場合と基本的に同一である。
【0045】
第3の実施例に示す冷蔵庫は、凝縮器4と吸込み開口群13が箱体底部22に配置されているとしても、機械室2の内部において圧縮機3は送風機6の吐出方向のすぐ下流にあり、冷却空気5は略全て圧縮機3に通風される。従って、既に説明した第1の実施例の冷蔵庫と同様に、実使用条件や凝縮器4等にほこりが多く付いた場合でも、圧縮機3の周囲に多くの冷却空気5が対流・循環されるので、圧縮機3の放熱性能を良好に保つことができる。
【0046】
また、機械室2内部の通風構造は、第1の実施例と基本的に同じなので、既に説明した本発明の第1の実施例に示す冷蔵庫と同様に、送風機6から凝縮器4を通って圧縮機3へ吐出された冷却空気5が吐出方向と共に逆方向にも流れ、箱体1が周囲壁に囲まれた実使用状態でも、冷却空気5の排出が円滑にできる幅方向角部17の両方の背面カバー開口10から排出されるので、実使用状態でも機械室2の冷却空気5の通風量が多くなり、凝縮器4の放熱性能を向上できる。
【0047】
更に、第3の実施例に示す冷蔵庫では、第1の実施例に示す冷蔵庫と同様に、上流ダクトの一部又は全部の壁面を機械室の要素部品を流用して構成でき、機械室2の全体構成が簡略化でき、送風機6の吐出方向と逆方向にある箱体背面の幅方向角部17で上・下半部の背面カバー開口10の間に背面カバー開口の上・下半部間隔18をとることで、熱交換された直後の空気を冷却空気として吸込むことを阻止することができる。
【0048】
【発明の効果】
本発明を用いた冷蔵庫は、機械室周辺の冷却空気の通風構造を適正化することにより、箱体が周囲壁に囲まれた実使用状態においても、圧縮機と凝縮器の放熱性能を共に向上できる冷蔵庫を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる第1の実施形態の冷蔵庫についての機械室周辺の機械室背面カバーを除いた状態の要部斜視図である。
【図2】同冷蔵庫についての機械室周辺の機械室背面カバーを除いた状態の背面図である。
【図3】同冷蔵庫についての周囲壁がある場合での機械室周辺の要部斜視図である。
【図4】本発明になる冷蔵庫についての機械室の風量試験結果のグラフである。
【図5】本発明になる第2の実施形態の冷蔵庫についての機械室周辺の機械室背面カバーを除いた状態の要部斜視図である。
【図6】同冷蔵庫についての機械室周辺の機械室背面カバーを除いた状態の背面図である。
【図7】本発明になる第3の実施形態の冷蔵庫についての機械室周辺の機械室背面カバーを除いた状態の要部斜視図である。
【図8】同冷蔵庫についての機械室及び箱体底部周辺の側方断面図である。
【符号の説明】
1…箱体、2…機械室、3…圧縮機、4…凝縮器、5…冷却空気、6…送風機、7…背面カバー、8…底板、9…箱体下部背面壁、10…背面カバー開口、11…底板開口、12…隙間、13…吸込み開口群、14…排出開口群、15…上流ダクト部材、16…蒸発皿、17…幅方向角部、18…上・下半部間隔、21…背面カバー開口の上・下半部シール部材、22…箱体底部、23…箱体前方開口。
Claims (5)
- 開口を設けた箱体の開口開放方向とは逆方向の下部に設けた機械室と、この機械室内に吹出し方向が前記開口の幅方向となるように配置される送風機と、前記機械室内であり前記送風機の下流に配置される圧縮機と、前記機械室を閉塞し設置状態で上下方向となる両側辺を鈍角に折り曲げた背面カバーとを備えた冷蔵庫において、前記背面カバーの両側の折り曲げ部分が、機械室内と機械室外とを連通し上下方向に複数配列された開口を各々備え、前記機械室内に配置され、前記送風機の上流となる折り曲げ部分の開口を前記送風機の吸込み開口とこの吸込み開口よりも上方である前記送風機の排出開口とに区分する上流ダクト部材を備えた冷蔵庫。
- 請求項1において、更に送風機の上流、送風機と圧縮機との間、又は、箱体底面に凝縮器を備えた冷蔵庫。
- 請求項1又は2において、機械室が、その底面に送風機の吸込み開口を備えた冷蔵庫。
- 請求項1乃至3のいずれかにおいて、上流ダクト部材が、機械室の底面、側壁、奥壁、背面カバー及び送風機と共に、送風機へと空気を送るダクトを形成する冷蔵庫。
- 請求項1乃至4のいずれかにおいて、背面カバーに設けられた送風機の吸込み開口とこの吸込み開口よりも上方である前記送風機の排出開口との間の距離が、50mm以上である冷蔵庫。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002361587A JP2004190986A (ja) | 2002-12-13 | 2002-12-13 | 冷蔵庫 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP (1) | JP2004190986A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013019623A (ja) * | 2011-07-13 | 2013-01-31 | Panasonic Corp | 冷蔵庫 |
-
2002
- 2002-12-13 JP JP2002361587A patent/JP2004190986A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013019623A (ja) * | 2011-07-13 | 2013-01-31 | Panasonic Corp | 冷蔵庫 |
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