JP2004190787A - 摩擦ローラ式変速機付き電動機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】摩擦ローラ式変速機付き電動機(1)は、回転可能に設けられた出力軸(8)と、当該出力軸(8)の回転軸線に対して自身の回転軸線を偏心した状態で出力軸(8)の周囲に回転可能に設けられた外輪(21)と、当該外輪(21)に設けられ、該外輪(21)と同心に回転可能な電動機軸(5)と、外輪(21)の内周面および出力軸(8)の外周面間に介在され、外輪(21)および出力軸(8)との係合状態によって回転伝達の断接を行なうガイドローラ(23)と、を備える摩擦ローラ式変速機(20)を有する。外輪(21)の外周面上に駆動用磁石(4)が設けられるとともに、該駆動用磁石(4)の外周面に近接して当該駆動用磁石(4)と同心にステータ(3)が配置される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば高速回転する機械装置、特に超高速回転研削盤や超高速旋盤等に好適に使用される摩擦ローラ式変速機付き電動機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から変速機を備えた電動機は知られている(例えば、特許文献1参照)。図2は、特許文献1で開示されている減速機付き電動機(即ち、減速機付きモータ)を示す縦断面図である。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−322584号公報(第2〜3頁、第1図)
【0004】
図2に示されるように、減速機37を備えた電動機30は電動機部30aを有し、該電動機部30aは、ステータ鉄芯32と、該ステータ鉄芯32に巻回された駆動コイル31と、電動機軸33に連結されたロータ34と、該ロータ34の内周面に設けられた駆動用永久磁石35と、を備えている。そして電動機軸33には、減速機37の歯車(即ち、ギア)36を介して出力軸38が連結されており、電動機軸33および出力軸38は、図2中、左右方向に沿って略平行に配置されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の減速機付き電動機30は、減速機37が単純に電動機部30aと軸方向に直列に連結される構成であるため、減速機付き電動機30ユニット全体として軸方向に長くなってしまい、薄型化が困難であるという問題があった。更に、減速機付き電動機30では減速機37に歯車36を用いているため、比較的大きな騒音があり、その上、回転ムラの低減が困難であるという問題があった。
【0006】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、摩擦ローラ式変速機を備えて騒音および回転ムラの低減を図りつつ、ユニット全体の軸方向の長さを短縮することができ、これにより薄型化を図ることができる摩擦ローラ式変速機付き電動機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明に係る摩擦ローラ式変速機付き電動機は、請求項1に記載したように、
回転可能に設けられた出力軸と、
前記出力軸の回転軸線に対して自身の回転軸線を偏心した状態で前記出力軸の周囲に回転可能に設けられた外輪と、
前記外輪に設けられ、当該外輪と同心に回転可能な電動機軸と、
前記外輪の内周面および前記出力軸の外周面間に介在され、前記外輪および前記出力軸との係合状態によって回転伝達の断接を行なうガイドローラと、
を備える摩擦ローラ式変速機を有し、
前記外輪の外周面上に駆動用磁石が設けられるとともに、前記駆動用磁石の外周面に近接して当該駆動用磁石と同心にステータが配置されていることを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、摩擦ローラ式変速機の外輪(即ち、ロータ)の外周面上に駆動用磁石が設けられるとともに、該駆動用磁石の外周面に近接して当該駆動用磁石と同心にステータが配置されているので、摩擦ローラ式変速機が電動機のロータ内周側に配置されることとなり、摩擦ローラ式変速機として働く部分と電動機として働く部分とが軸方向にオーバーラップされた構造となる。よって、請求項1に記載の発明によれば、騒音および回転ムラの低減を図りつつ、ユニット全体の軸方向の長さを短縮することができ、これにより薄型化を図れる摩擦ローラ式変速機付き電動機を提供することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る摩擦ローラ式変速機付き電動機(即ち、摩擦ローラ式変速機付きモータ)の一実施形態を示す縦断面図、そして図2は図1のII矢視図(但し、摩擦ローラ式変速機の部分のみを取り出して示した図)である。
【0010】
図1に示されるように、摩擦ローラ式変速機20を備えた電動機1は、ハウジング2内に、ステータ鉄芯3bおよび当該ステータ鉄芯3bに巻回された駆動コイル3aを有するステータ3、および駆動用永久磁石(駆動用磁石)4を有している。駆動用永久磁石4は、後述する摩擦ローラ式変速機20の外輪(即ち、ロータ)21の外周面上に固定される。ステータ3は、駆動用永久磁石4と同心にハウジング2の内周面上に固定され且つ、駆動用永久磁石4の外周面に近接しながらも所定間隔あくように配置される。
【0011】
ハウジング2には、摩擦ローラ式変速機20の外輪21と一体に形成された電動機軸(即ち、低速側軸)5が、一対の低速側転がり軸受6を介して回転自在に支持されている。また、図1においてハウジング2の左側に固定される仕切り板7には、出力軸(即ち、高速側軸)8が、一対の高速側転がり軸受9を介して回転自在に支持されている。
【0012】
また、図1に示されるように、外輪21の外周面における駆動用永久磁石4の左側には、MR素子用磁石11が設けられている。当該MR素子用磁石11は、対向配置されたMR素子(即ち、Magneto Resistive素子:磁気抵抗素子)12、および仕切り板7に固定された状態でMR素子12に電気的に接続されたプリント基板13とともに、磁気式ロータリエンコーダ10を構成しており、これにより出力軸8の回転制御が可能となっている。
【0013】
摩擦ローラ式変速機20において、外輪21は、電動機軸5の回転軸線を出力軸8の回転軸線に対して偏心した状態で、出力軸8の周囲に回転可能に設けられる。図2に示すように、外輪21と出力軸8との間に形成された環状空間22には、一対の固定ガイドローラ23および一個の可動ガイドローラ25が、仕切り板7に周方向に等間隔配置された三個のピン24を中心として、それぞれ回転可能に支持されている。
【0014】
すなわち、各固定ガイドローラ23および可動ガイドローラ25はそれぞれ、外輪21の内周面および出力軸8の外周面間に介在され、それらの外周面が外輪21の内周面および出力軸8の外周面に係合されるとともに、外輪21および出力軸8との係合状態によって回転伝達の断接が行なわれるように配置されている。また、可動ガイドローラ25は、環状空間22の円周方向に微小変位可能であり、バネ等の押圧部材26によって環状空間22の狭い領域に向けて付勢される。
【0015】
次に、本実施形態の作用を説明する。
本実施形態の摩擦ローラ式変速機付き電動機1では、摩擦ローラ式変速機20の外輪21の外周面に、駆動用永久磁石4が設けられるとともに、ステータ3が、駆動用永久磁石4の外周面に近接しながら駆動用永久磁石4と同心に設けられるので、摩擦ローラ式変速機20が駆動用永久磁石4内周側に配置されることとなり、摩擦ローラ式変速機20として働く部分と電動機1として働く部分とが軸方向にオーバーラップされた構造(換言すれば、摩擦ローラ式変速機20および電動機1それぞれの幾つかの構成要素が軸方向と交差する方向に沿って並べられた構造)となる。
【0016】
このような摩擦ローラ式変速機付き電動機1では、ステータ3への通電により、駆動用永久磁石4が固定された外輪21が所定方向に回転し、この回転に伴い電動機軸5が外輪21と同方向に回転される。そして、電動機軸5の回転力およびバネ26の付勢力によって、摩擦ローラ式変速機20の可動ガイドローラ25が環状空間22の狭い領域に向けて、外輪21の内周面と出力軸8との間に食い込むように微小変位される。これにより、電動機軸5の回転が、可動ガイドローラ25および各固定ガイドローラ23を介して出力軸8に増速して伝達され、出力軸8が高速で正回転駆動される。即ち、本実施形態の場合、摩擦ローラ式変速機20は摩擦ローラ式増速機として働く。
【0017】
一方、出力軸8側からの回転は、摩擦ローラ式変速機20により遮断され、電動機軸5側に伝達されない。すなわち出力軸8の逆回転に伴って、摩擦ローラ式変速機20の可動ガイドローラ25が、バネ26の付勢力に抗して環状空間22の広い領域に微小変位され、外輪21の内周面と出力軸8との間に食い込まない状態となる。これにより、出力軸8から電動機軸5への回転伝達は遮断される。
【0018】
以上のように、本実施形態によれば、断面コの字状の外輪21により画成された内部空間に摩擦ローラ式変速機20の複数のガイドローラ(23等)、ピン24、および出力軸8の基端部、等が配置され、すなわち、摩擦ローラ式変速機20が電動機1の駆動用永久磁石4内周側に配置されるので、ユニット全体の軸方向の長さを短縮することができ、これにより薄型化を図ることができる。また、本実施形態によれば、摩擦ローラ式変速機20を備えていることから、ギヤを用いた場合と比較して騒音を低減することができるとともに、固定ガイドローラ23および可動ガイドローラ25の真円度等の機械的精度を管理することにより、回転ムラを確実に抑制することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、摩擦ローラ式変速機の外輪(即ち、ロータ)の外周面上に駆動用磁石が設けられるとともに、該駆動用磁石の外周面に近接して当該駆動用磁石と同心にステータが配置されているので、摩擦ローラ式変速機が電動機のロータ内周側に配置されることとなり、摩擦ローラ式変速機として働く部分と電動機として働く部分とが軸方向にオーバーラップされた構造となる。よって、騒音および回転ムラの低減を図りつつ、ユニット全体の軸方向の長さを短縮することができ、これにより薄型化を図れる摩擦ローラ式変速機付き電動機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る摩擦ローラ式変速機付き電動機の一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】図1のII矢視図(但し、摩擦ローラ式変速機の部分のみを取り出して示した図)である。
【図3】特許文献1で開示されている減速機付き電動機を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 摩擦ローラ式変速機付き電動機
2 ハウジング
3 ステータ
4 駆動用磁石
5 電動機軸
6 低速側転がり軸受
7 仕切り板
8 出力軸
9 高速側転がり軸受
10 磁気式ロータリエンコーダ
11 MR素子用磁石
12 MR素子
13 プリント基板
20 摩擦ローラ式変速機
21 外輪
22 環状空間
23 固定ガイドローラ
24 ピン
Claims (1)
- 回転可能に設けられた出力軸と、
前記出力軸の回転軸線に対して自身の回転軸線を偏心した状態で前記出力軸の周囲に回転可能に設けられた外輪と、
前記外輪に設けられ、当該外輪と同心に回転可能な電動機軸と、
前記外輪の内周面および前記出力軸の外周面間に介在され、前記外輪および前記出力軸との係合状態によって回転伝達の断接を行なうガイドローラと、
を備える摩擦ローラ式変速機を有し、
前記外輪の外周面上に駆動用磁石が設けられるとともに、前記駆動用磁石の外周面に近接して当該駆動用磁石と同心にステータが配置されていることを特徴とする摩擦ローラ式変速機付き電動機。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2002359492A JP2004190787A (ja) | 2002-12-11 | 2002-12-11 | 摩擦ローラ式変速機付き電動機 |
Publications (2)
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JP2004190787A5 JP2004190787A5 (ja) | 2005-11-10 |
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Country Status (1)
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2002
- 2002-12-11 JP JP2002359492A patent/JP2004190787A/ja active Pending
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KR101970395B1 (ko) * | 2016-03-31 | 2019-04-18 | 가부시키가이샤 도요다 지도숏키 | 증속기 |
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