JP2004190095A - 軸受部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リン青銅からなる軸受部品に対する切削や転造等の機械加工の加工工程において生じた不要生成物を除去するスマット処理工程に、硫酸と過酸化水素とフッ化物とを含む混合水溶液を用いて、機械加工により生じたバリなどの不要生成物を良好に除去するとともに、防錆処理工程の防錆液として、低級アルコールの溶媒中にチオール基を有するトリアゾール系誘導体を含有するものを採用して、機械加工がなされた後の軸受部品における防錆効果を大幅に改善するようにしたもの。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リン青銅からなる軸受部品に対して適宜の機械加工を施した後に、スマット処理工程または防錆処理工程を施すようにした軸受部品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、軸受装置を構成する軸受部材等の軸受部品として、リン青銅から形成されたものが広く採用されている。このリン青銅からなる軸受部品を製造するにあたっては、切削や転造等の適宜の機械加工が施されることとなるが、例えば動圧軸受装置のような高精度な軸受間隙を必要とするものなどにおいて、上述した加工工程において生じたバリやコンタミ物等の不要生成物を、バレル処理等の機械加工によって除去することが行われている。そして、そのような機械加工の後には、例えばBTA(ベンゾトリアゾール)を主成分とする洗浄剤や防錆剤液を用いた超音波洗浄工程、あるいは脱脂工程等を施すことによって、切削油の除去を行うようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、軸受部品としてリン青銅からなる材料を採用した場合には、リン青銅の強い粘り性から、切削や転造等の機械加工により生じたバリなどの不要生成物を良好に除去することは難しくなっており、従来行われているバレル処理や超音波洗浄のような後工程を経たとしても、微少なバリや、錫・鉛等のコンタミ物が残存することがある。そして、そのような不要生成物が残存したままの軸受部品を、例えば動圧軸受装置の微少間隙を構成するようにしてモータ等の製品に組み込んだ場合には、残存している不要生成物によって円滑な軸受機能が阻害されて、モータロックなどのような障害を招来することもある。
【0004】
一方、軸受部品への防錆処理に関しては、従来から用いられているBTA(ベンゾトリアゾール)のみを単純に採用しただけでは、軸受部品の防錆力が不足することがあり、軸受部品の表面上に酸化による変色や、錆の発生がしばしば認められている。
【0005】
そこで本発明は、リン青銅からなる軸受部品に対する機械加工で生じた不要生成物を容易かつ良好に除去することができるようにした軸受部品の製造方法を提供することを第1の目的とするとともに、機械加工後の防錆処理を容易かつ良好に除去することができるようにした軸受部品の製造方法を提供することを第2の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために本発明にかかる軸受部品の製造方法では、リン青銅からなる軸受部品に対する機械加工の加工工程において生じた不要生成物を除去するスマット処理工程に、硫酸と過酸化水素とフッ化物とを含有する混合水溶液によって上記リン青銅からなる軸受部品の不要生成物を除去する処理工程を含む。
このような構成を有する本発明にかかる軸受部品の製造方法によれば、切削や転造等の機械加工により生じたバリやコンタミ物などの不要生成物が良好に除去されることが確認された。
【0007】
また、上記第2の目的を達成するために本発明にかかる軸受部品の製造方法では、リン青銅からなる軸受部品に対する機械加工の加工工程を施した軸受部品に対して防錆液を塗布する防錆処理工程の防錆液として、低級アルコールの溶媒中にチオール基を有するトリアゾール系誘導体を含有するものを採用するようにしている。
このような構成を有する本発明にかかる軸受部品の製造方法によれば、切削や転造等の機械加工がなされた後の軸受部品における防錆効果が大幅に改善されることが確認された。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明するが、それに先立って、まず本発明にかかる動圧軸受装置を採用した一例としてのハードディスク駆動装置(HDD)の概要を説明しておくこととする。
【0009】
図1に示されている軸回転型のHDD駆動装置の全体は、固定部材としてのステータ組20と、そのステータ組20に対して図示上側から組み付けられた回転部材としてのロータ組30とから構成されている。そのうちステータ組20は、図示を省略した固定基台側にネジ止めされる固定フレーム21を有している。この固定フレーム21は、軽量化を図るためにアルミ系金属材料から形成されているが、当該固定フレーム21の略中央部分に立設するようにして形成された環状の軸受ホルダー22の内周面側には、中空円筒状に形成された軸受部品としての軸受スリーブ(動圧軸受部材)23が、圧入または焼嵌めによって上記軸受ホルダー22に接合されている。この軸受スリーブ23は、小径の孔加工等を容易化するために銅系材料、特に本実施形態ではリン青銅から形成されている。
【0010】
また、前記軸受ホルダー22の外周側取付面には、電磁鋼板の積層体からなるステータコア24が嵌着されているとともに、そのステータコア24に設けられた各突極部には、駆動コイル25がそれぞれ巻回されている。
【0011】
さらに、上記動圧軸受部材としての軸受スリーブ23に設けられた中心孔内には、上述したロータ組30を構成する回転軸31が回転自在に挿入されている。すなわち、上述した軸受スリーブ23の内周壁部に形成された動圧面は、上記回転軸31の外周面に形成された動圧面に対して半径方向に近接して対向するように配置されており、それら両動圧面どうしの微少な対向隙間を含む軸受空間に、軸方向に適宜の間隔をあけて2箇所のラジアル動圧軸受部RB,RBが構成されている。より詳細には、上記ラジアル動圧軸受部RBにおける軸受スリーブ23側の動圧面と、回転軸31側の動圧面とは、数μmの微少対向隙間を介して周状に対向配置されており、その微少対向隙間を含む軸受空間内に、潤滑オイルや磁性流体等の潤滑流体が軸線方向に連続するように注入されている。
【0012】
さらにまた、上記軸受スリーブ23および回転軸31の両動圧面の少なくとも一方側には、例えばへリングボーン形状からなるラジアル動圧発生用溝が、軸線方向に2ブロックに分けられて環状に凹設されており、回転時に、当該ラジアル動圧発生用溝のポンピング作用により図示を省略した潤滑流体が加圧されて動圧を生じ、その潤滑流体の動圧によって、上記回転軸31とともに後述する回転ハブ32が、上記軸受スリーブ23に対してラジアル方向に非接触状態で軸支持される構成になされている。
【0013】
一方、上記回転軸31とともにロータ組30を構成している回転ハブ32は、アルミ材やステンレス材等からなる略カップ状の部材から構成されており、当該回転ハブ32の中心部分に貫通形成された接合穴32aが、上記回転軸31の図示上端部分に対して圧入または焼嵌めによって一体的に接合されている。この回転ハブ32は、図示を省略した磁気ディスク等の記録媒体ディスクを外周部に搭載する略円筒状の胴部32bを有しているとともに、その胴部32bから半径方向外方に張り出して記録媒体ディスクを軸線方向に支持するディスク載置部32cを備えており、図示上方側から被せるように螺子止めされたクランパ(図示省略)による図示上方側からの押圧力によって、上記記録媒体ディスクの固定が行われるようになっている。
【0014】
また、上記回転ハブ32の胴部32bの内周壁面側には、環状の磁性部材からなるヨーク32dを介して環状駆動マグネット32eが取り付けられている。この環状駆動マグネット32eの内周面は、前述したステータコア24における各突極部の外周側の端面に対して環状に近接対向するように配置されているとともに、当該環状駆動マグネット32eの軸方向下端面は、上述した固定フレーム21側に取り付けられた磁気吸引板26と軸方向に対面する位置関係になされており、これら両部材32e,26どうしの間の磁気的吸引力によって、上述した回転ハブ32の全体が軸方向に磁気的に引き付けられ、安定的な回転状態が得られる構成になされている。
【0015】
さらに、前記軸受スリーブ23の図示下端側に設けられた開口部は、カバー23aにより閉塞されており、上述した各ラジアル動圧軸受部RB内の潤滑流体が外部に漏出しないように構成されている。
【0016】
さらにまた、上記軸受スリーブ23の図示上端面と、上述した回転ハブ32の中心側部分における図示下端面とは、軸方向に近接した状態で対向するように配置されており、それら軸受スリーブ23の図示上端面と、回転ハブ32の図示下端面との間の対向隙間を含む軸受空間に、上述したラジアル軸受部RBから連続するスラスト動圧軸受部SBが設けられている。すなわち、上記対向領域を構成している両対向動圧面23,32の少なくとも一方側には、図示を省略したへリングボーン形状、またはスパイラル形状等をなすスラスト動圧発生用溝が形成されており、そのスラスト動圧発生用溝を含む軸方向対向部分がスラスト動圧軸受部SBになされている。
【0017】
このようなスラスト動圧軸受部SBを構成している軸受スリーブ23の図示上端面側の動圧面と、それに近接対向する回転ハブ32の図示下端面側の動圧面とは、数μmの微少隙間を介して軸方向に対向配置されているとともに、その微少隙間からなる軸受空間内に、オイルや磁性流体等の潤滑流体が、上述したラジアル動圧軸受部RBから連続的に充填されていて、回転時に、上述したスラスト動圧発生用溝のポンピング作用によって上記潤滑流体が加圧されて動圧を生じ、その潤滑流体の動圧によって、前記回転軸31および回転ハブ32が、スラスト方向に浮上した非接触状態で軸支持される構成になされている。
【0018】
さらに、上記動圧軸受部材としての軸受スリーブ23の外周壁面によって、毛細管シール部SSからなる流体シール部が画成されている。すなわち、この流体シール部としての毛細管シール部SSは、前述したスラスト動圧軸受部SBを含む軸受空間に対して半径方向外方側から連設されるように設けられており、上記前記軸受スリーブ23の外周壁面と、その軸受スリーブ23の外周壁面と半径方向に対向するように形成された抜け止め部材としてのカウンタープレート34の内周壁面とにより、上記毛細管シール部SSが画成されている。上記カウンタープレート34は、上述した回転ハブ32から軸方向に突出するように設けられたフランジ部32fに固定されたリング状部材からなり、当該カウンタープレート34の内周壁面と、上述した軸受スリーブ23の外周壁面との間の隙間を、図示下方側の開口部に向かって連続的に拡大することによって、テーパ状のシール空間を画成している。そして、上述したスラスト動圧軸受部SB内の潤滑流体が、上記毛細管シール部SSに至るまで連続的に充填されている。
【0019】
またこのとき、上記軸受スリーブ23の図示上端部分には、半径方向外方側に張り出すようにして抜止め鍔部23bが設けられており、その抜止め鍔部23bの一部が、上述したカウンタープレート34の一部に対して軸方向に対向するように配置されている。そして、これら両部材23b,34によって、前記回転ハブ32が軸方向に抜け出すことを防止する構成になされている。
【0020】
ここで、上述した軸受部品としての軸受スリーブ23を製造する工程の一実施形態を説明する。
まず、図2に示されているように、上述した軸受スリーブ23の素材となるリン青銅からなるブランク素材を準備し(ステップ1)、そのブランク素材に対して粗加工を施した後(ステップ2)、コンピュータ数値制御による高精度切削加工などのCNC加工工程を行う(ステップ3)。次いで、軸受スリーブ素材に設けられた中心穴の内周面に対して、動圧発生用溝の加工をボール転造により行った後(ステップ4)、溶剤による超音波洗浄(U−Washing等)にて脱脂を行い(ステップ5)、その上で、動圧発生用溝に関する深さ14μm〜20μmの微少加工を電解加工により行う(ステップ6)。次いで、仮洗浄によって電解液を流してから(ステップ7)、脱脂洗浄を行い(ステップ8)、外観検査によってシミや変色がないことを目視により確認した上で(ステップ9)、以下に説明するような本発明にかかるスマット処理工程を施す(ステップ10)。
【0021】
スマット処理工程は、上述した機械加工等の加工工程において生じたバリや各種のコンタミ付着物などの不要生成物を除去する工程であるが、本実施形態におけるスマット処理工程には、前述したリン青銅からなる軸受スリーブ素材に形成された不要生成物を、硫酸と過酸化水素とフッ化物とを含有する混合水溶液を用いて除去する処理工程を備えている。より具体的には、上記混合水溶液として、硫酸;10〜25重量%、過酸化水素;2〜5重量%、フッ化物;0.8〜2重量%を含有する水溶液(以下、混合水溶液Aという。)を用いており、その混合水溶液A中に、上述したリン青銅からなる軸受スリーブ素材を、20秒ないし40秒、例えば30秒間浸漬する。
【0022】
その後、イオン交換水および超音波洗浄による簡易純粋洗浄を十分に行い(ステップ10)、防錆液を塗布する防錆処理工程を施す(ステップ12)。ここで本実施形態における防錆処理工程の防錆液としては、メチルアルコール等からなる低級アルコール(95重量%)の溶媒中に、例えば図3に示されているような構造のチオール基を有するトリアゾール(BTA)系誘導体等からなる有機複合素環化合物(5重量%)を含有させた防錆液が採用されていて、その防錆液中に、上述したリン青銅からなる軸受スリーブ素材を、2分〜10分の間浸漬する。
【0023】
図2に戻って、上述したような防錆処理の後には、純水洗浄を行い(ステップ13)、次いで、エアーブローを行った後に(ステップ14)、60℃で30分間オーブン内にて乾燥を行い(ステップ15)、最後に、シミ・変色の有無などを目視による外観検査して評価を行う(ステップ16)。
【0024】
以上のように本実施形態では、リン青銅からなる軸受スリーブ素材に対する切削や転造等の機械加工の加工工程において生じたバリやコンタミ物などの不要生成物を除去するスマット処理工程に、硫酸と過酸化水素とフッ化物とを含む混合水溶液を用いたことから、不要生成物が良好に除去されることが確認された。
【0025】
例えば、以下の表1および図4に示されているように、スマット処理後におけるディピング操作によって処理表面を薄く剥がして得たメタルチップ(コンタミ物)の数を、スマット処理における浸漬時間ごとに、メタルチップ径をパラメータとして集計・比較してみたところ、上述した混合水溶液Aによる処理を、20秒以上、40秒以下にわたって行ったときに、従来品に対して大幅に低減されることが判明した。
【0026】
【表1】
【0027】
また、ベンゾトリアゾール(BTA)よりも結合力が強固であってチオール基を有するトリアゾール(BTA)系誘導体を含有する防錆液を使用した場合の防錆効果について、従来において用いられているベンゾトリアゾール(BTA)を使用した場合と比較してみたところ、次の表2のようになった。
【0028】
【表2】
【0029】
この表2の場合では、前工程の酸付着の影響をなくすための中和処理を実施した場合と実施しない場合とに区別して比較しているが、同表に示されているように、従来のベンゾトリアゾールを含有する防錆液を用いた場合、および防錆処理を行わない場合に比して、チオール基を有するトリアゾール系誘導体を含有する防錆液を使用した本実施形態の場合には、錆につながるような酸化による変色を防止する防錆効果が顕著に得られることが判明した。これは、チオール基を有するトリアゾール系誘導体がベンゾトリアゾールと比較してイオン化し易く、金属結合を起こし易いため、リン青銅と強力に結合するからであり、しかも反応速度も速いからである。また、チオール基を有するトリアゾール系誘導体を含有する防錆液を使用した場合、図5に示す構造式を有する防錆被膜がリン青銅からなる軸受部材の表面に形成される。
【0030】
なお、同表における最左端部分には、前述したスマット処理工程の状態が併記されている。混合水溶液Aを使用する場合が本実施形態であり、硝酸を使用してスマット処理を行い中和剤を用いることなくベンゾトリアゾールを含有する防錆液により防錆処理を行った場合のものが従来例である。
【0031】
以上、本発明者によってなされた発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であることはいうまでもない。
【0032】
例えば、上述した実施形態は、ハードディスク駆動用モータ(HDD)の動圧軸受装置に用いられている軸受スリーブ(軸受部材)に対して本発明を適用したものであるが、動圧軸受装置またはモータ以外に用いられる軸受部品に対しても同様に適用することができるものである。
【0033】
また、上述した実施形態では、混合水溶液Aあるいはチオール基を有するトリアゾール系誘導体を含有する防錆液中に、リン青銅からなる軸受部材を浸漬する処理工程であったが、シャワー方式により混合水溶液Aあるいはチオール基を有するトリアゾール系誘導体を含有する防錆液を軸受部材へ噴射する処理工程であってもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明にかかる軸受部品の製造方法は、リン青銅からなる軸受部品に対する切削や転造等の機械加工の加工工程において生じた不要生成物を除去するスマット処理工程に、硫酸と過酸化水素とフッ化物とを含む混合水溶液を用いたことによって、機械加工により生じたバリなどの不要生成物を良好に除去するようにしたものであるから、軸受部品の品質を容易に向上させることができ、軸受装置の信頼性を高めることができる。
【0035】
また、本発明にかかる軸受部品の製造方法は、リン青銅からなる軸受部品に対する切削や転造等の機械加工の加工工程を施した軸受部品に対して防錆液を塗布する防錆処理工程の防錆液として、低級アルコールの溶媒中にチオール基を有するトリアゾール系誘導体を含有するものを採用したことによって、機械加工がなされた後の軸受部品における防錆効果を大幅に改善するようにしたものであるから、軸受部品の品質を容易に向上させることができ、軸受装置の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により製造された動圧軸受装置を有する装置例としてのハードディスク駆動用モータ(HDD)の構造を表した縦断面説明図である。
【図2】図1に表した動圧軸受装置に用いられている軸受スリーブの製造工程を表した工程フロー図である。
【図3】本発明の一実施形態における防錆処理工程に用いる防錆液に含有されているトリアゾール系誘導体の一例を表した構造式である。
【図4】スマット処理を行った後に残留しているメタルチップ数を比較して表した線図である。
【図5】本発明の一実施形態における防錆処理工程に用いる防錆液に軸受部品を浸漬したときに軸受部材の表面に形成される防錆被膜を表した構造式である。
【符号の説明】
20 ステータ組
23 軸受スリーブ(軸受部材)
30 ロータ組
31 回転軸
32 回転ハブ
Claims (7)
- リン青銅からなる軸受部品に対して適宜の機械加工を施す加工工程と、その加工工程において生じた不要生成物を除去するスマット処理工程と、を有する軸受部品の製造方法において、
上記スマット処理工程には、硫酸と過酸化水素とフッ化物とを含有する混合水溶液を用いて上記リン青銅からなる軸受部品の不要生成物を除去する処理工程を含むことを特徴とする軸受部品の製造方法。 - 前記スマット処理工程は、前記混合水溶液中に、前記リン青銅からなる軸受部品を適宜の時間にわたって浸漬する浸漬処理工程を含むことを特徴とする請求項1記載の軸受部品の製造方法。
- 前記浸漬処理工程における浸漬時間を、20秒ないし40秒の間に設定するようにしたことを特徴とする請求項1記載の軸受部品の製造方法。
- リン青銅からなる軸受部品に対して適宜の機械加工を施す加工工程と、その加工工程を施した軸受部品に対して防錆液を塗布する防錆処理工程と、を有する軸受部品の製造方法において、
上記防錆処理工程の防錆液として、低級アルコールの溶媒中にチオール基を有するトリアゾール系誘導体を含有するものを採用するようにしたことを特徴とする軸受部品の製造方法。 - 前記防錆処理工程は、前記防錆液に前記リン青銅からなる軸受部品を適宜の時間にわたって浸漬する浸漬処理工程を含むことを特徴とする請求項1記載の軸受部品の製造方法。
- 前記軸受部品が、軸受流体の動圧を利用した動圧軸受装置の軸受部材であることを特徴とする請求項1または請求項4記載の軸受部品の製造方法。
- リン青銅からなる軸受部品に対して適宜の機械加工を施す加工工程と、その加工工程において生じた不要生成物を除去するスマット処理工程と、そのスマット処理工程を施した軸受部品に対して防錆液を塗布する防錆処理工程とを有する軸受部品の製造方法において、
上記スマット処理工程には、硫酸と過酸化水素とフッ化物とを含有する混合水溶液により、上記リン青銅からなる軸受部品の不要生成物を除去する処理工程を含み、
上記防錆処理工程の防錆液として、低級アルコールの溶媒中にチオール基を有するトリアゾール系誘導体を含有するものを採用するようにしたことを特徴とする軸受部品の製造方法。
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