JP2004189648A - 抗ウイルス性物質 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フロロタンニンを主成分とする抗ウイルス剤。さらに詳細には、当該フロロタンニンが、エコール、フロロフコフロエコールA、ダイエコールまたは8,8’−バイエコールから選択される1つまたは2つ以上の組み合わせである抗ウイルス剤。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はフロロタンニンを主成分とする抗ウイルス剤に関する。さらに詳細には、エコール(eckol)、フロロフコフロエコールA(phlorofucofuroeckl A)、ダイエコール(dieckol)または8,8’−バイエコール(8,8’−biekcol)から選択されるいずれか1つまたは2つ以上を含むフロロタンニンを主成分とする抗ウイルス剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
人間社会およびそれを取り巻く動植物社会においてウイルス病との闘いは古来より多大な労力と経済的コストを費やし続け、いまだに多くのウイルス病に悩まされ続ける現状がある。
畜産分野では主要なウイルス病対策は予防ワクチンと飼育環境衛生管理の是非にかかっており、水産養殖においてもウイルス病対策の遅れが産業の発展を大いに阻害している。
【0003】
ウイルス病治療薬はヒトにおいてはヘルペス、インフルエンザ、HIV、サイトメガロウイルス病など少数の限られたウイルス病に対してのみであり、世界に蔓延しているウイルス病に対してはほんの一握りにすぎない。これは細菌性疾病用の抗菌剤の種類と数に比較すると極端に少ない。それはウイルスの多様な生態、生活環が抗ウイルス剤の開発を極めて難しいものにしているからである。開発されているウイルス病治療剤はウイルスが増殖する宿主細胞内における核酸合成、転写にかかわる酵素阻害などの局面をターゲットとしたものに集中している。
【0004】
一方、ウイルスは感染の過程で宿主細胞から遊離し、また吸着されるように粒子が露出する過程がある。そのような局面に対しては塩素系消毒剤やヨード剤などが使用されるが、それら既存の薬剤は環境保全、生体への安全性、刺激性、金属腐食、異臭、持続性などの問題を抱えており、実際には適用に限界がある。そのような観点から抗ウイルス剤の探求が未知の天然素材に向けられるところがある。
【0005】
自然界に生する植物には自らを病害微生物から守るために組織内に抗微生物成分を多少なりとも有している。一般に種々の植物からの化学的抽出物において、抗ウイルス作用を有したとする例は多々あるが、残念なことに化学的に物質の特定がされていない段階が殆どである。しかしながら、粗雑な段階の抽出物であれば一般には植物組織を構成する多くの雑多な組成物が混在するので、求める活性の本体が定かでなくなる問題がある。ときにその本体は微量成分であったりもする。
【0006】
例えばポリフェノールはそのような役割を担うものがあると考えられているが、その膨大な種類の中で、どのような植物の、どのような種類のポリフェノールが、またどのような化学構造を有するものが抗ウイルス活性を有するのか実証された例は殆どないのが現状である。数種類のウイルスを用いて茶カテキン等の抗ウイルス作用が示されている程度であり(例えば、非特許文献1参照)、その他の化学的に特定されたポリフェノールについては抗ウイルス作用が報告された例はほとんどない。
【0007】
一方、本発明者らは、褐藻類のクロメ、アラメ、カジメ等からアルコール抽出により得られるポリフェノールの1種であるフロロタンニンが強い抗菌作用を有することを見出し、フロロタンニンを主成分とする抗菌剤について特許出願した(特願2002−83316)。
フロロタンニンの生理作用については、これまで抗酸化作用(例えば、非特許文献2参照)やヒアルロニダーゼ阻害活性(例えば、非特許文献3参照)などが知られていたが、抗ウイルス作用を有することについては全く知られていなかった。
【0008】
【非特許文献1】
岡田文雄、「チャカテキンの植物体内への吸収とウイルスの病斑形成阻害作用」、茶業研究報告、1978年、第48号、p.52−56、
【非特許文献2】
タカシ・ナカムラ(Takashi Nakamura)ら、「褐藻エイセニア・ビシクリスから単離したフロロタンニンの抗酸化活性」(Antioxidant Activity of Phlorotannins Isolated from the Brown Alga Eisenia bicyclis)、フィッシャリーズ・サイエンス(Fisheries Science)、1996年、第62巻、第6号、p.923−926
【非特許文献3】
トシユキ・シバタ(Toshiyuki Shibata)ら、「ヒアルロニダーゼに対する褐藻フロロタンニンの阻害作用」(Inhibitory activity of brown algalphlorotannins against hyaluronidase)、インターナショナル・ジャーナル・オブ・フード・サイエンス・アンド・テクノロジー(International Journal ofFood Science and Technology)、2002年、第37巻、p.703−709
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように、多種多様なウイルスを相手に、各分野で効率的にウイルス病からの健康、経済的被害を解決していくために、さらなる特徴を有した種々の抗ウイルス性物質の発見、抗ウイルス剤の開発が強く求められている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、上記課題を解決すべく、先に抗菌作用を見出したフロロタンニンの生理作用について鋭意研究を重ねた結果、褐藻類のクロメ、カジメ等からアルコール抽出により得られるフロロタンニンが多くのカテゴリーのウイルスに対して強い抗ウイルス活性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。さらに、本発明者らは、フロロタンニンの単離成分の中でもエコール、フロロフコフロエコールA、ダイエコール、8,8’−バイエコールが強い抗ウイルス活性を有することを見出した。
【0011】
本発明はフロロタンニンを主成分とする抗ウイルス剤に関する。本明細書において「フロロタンニン」とは、海藻類、特に褐藻類から抽出して得られるポリフェノール成分の総称をいう。好ましくは、本発明においてフロロタンニンは、エコール、フロロフコフロエコールA、ダイエコールまたは8,8’−バイエコールから選択される1つまたは2つ以上を含有する天然抽出物をいう。
フロロタンニンは海藻類、特に褐藻類のクロメまたはカジメ等を乾燥処理後、アルコール抽出、さらにクロロホルム抽出等を行うことにより得ることができる。
【0012】
本発明のフロロタンニンの具体例であるエコール、フロロフコフロエコールA、ダイエコールまたは8,8’−バイエコールは、単独もしくは適宜混合して使用することができる。これらの各フロロタンニンの構造式を図1に示す。
本発明のフロロタンニンが図1に示す構造を有することから、この構造をもとに化学合成等により合成することも可能であるし、該構造を適宜改変・修飾して化学合成による新たな抗ウイルス剤の開発の出発物質とすることもできる。
【0013】
これまでに知られた多くの抗ウイルス剤が細胞内での核酸合成・転写系に作用することによって抗ウイルス作用を発現するのに対し、本発明のフロロタンニンを主成分とする抗ウイルス剤は、ウイルス粒子に対して直接的に作用し、その感染性を失わせることを特徴とし、それゆえ幅広い抗ウイルススペクトルを有している。本発明のフロロタンニンを主成分とする抗ウイルス剤はまた、エンベロープを有するウイルスに対して一層強い抗ウイルス作用を発現する。
【0014】
上記のように、本発明のフロロタンニンは、様々なカテゴリーに属する病原ウイルスに対して強くかつスペクトルの広い抗ウイルス活性を有する。例えば、本発明のフロロタンニンは、ヘルペスウイルス科、ラブドウイルス科、ブンヤウイルス科、アーテリウイルス科、フラビウイルス科、コロナウイルス科、パラミクソウイルス科、オルビウイルス科、ビルナウイルス科等の多種のウイルスに対して強い抗ウイルス活性を有する。中でも、ヘルペスウイルス科、ラブドウイルス科、ブンヤウイルス科、アーテリウイルス科、フラビウイルス科のウイルスに対して特に強いウイルス活性を示す。本発明のフロロタンニンはまた、供試したウイルスのうちエンベロープを有するウイルスについては全て抗ウイルス活性を示したことから、エンベロープウイルスに対して特に顕著な抗ウイルス活性を有する。
【0015】
本発明のフロロタンニンはまた、クルマエビ類急性ウイルス血症(Penaeid Acute Viremia:PAV)の原因ウイルスであるPRDV(penaeid rod−shaped DNA virus:クルマエビの桿状DNAウイルス:直径111〜152nmの桿状でエンベロープを有する)に対しても強い抗ウイルス活性を有している。クルマエビ類急性ウイルス血症(PAV)は90年代初めに発生して以来、養殖エビ産業の存立、経営に毎年深刻な打撃を与え続けているが、このような病害によるダメージの大きいPAV対策としても本発明のフロロタンニンを適用できることが明らかとなった。
【0016】
さらに、本発明のフロロタンニンは、豚オーエスキー病ウイルス(ADV)に対しても強い抗ウイルス活性を有する。オーエスキー病は養豚業においては産業上非常に重要なウイルス病の一つであり、その病害対策としてはワクチンによる発症予防と養豚環境の衛生管理において多大の労力、経費コストが費やされ続けている。豚オーエスキー病に限らず、産業界、医療社会においてのウイルス病対策はワクチン予防が主であり、周辺の衛生管理対策に膨大なコストを投じている。ここに、このような病害ウイルスに対して生体周辺領域(感染経路)でフロロタンニンとの接触機会を作れば、少なくとも細胞表面もしくは遊離したウイルスは撲滅されると考えられる。
【0017】
上記抗ウイルス作用は、図1に示したフロロタンニンの構造体を有すれば表1に示すような多種のウイルスに対して有効に作用することから、将来的にはこのような物質の化学合成への効率的な道筋を開くものであり、天然抽出物から精製して得たフロロタンニンが新たなタイプの合成抗ウイルス剤の開発に寄与することができる。
【0018】
本発明のフロロタンニンはさまざまな病害ウイルス粒子を直接もしくは吸着段階で作用する特徴を有することから、用途においてはこの特徴を活かすことが効率的であるといえる。すなわち、本発明のフロロタンニンは起因ウイルスに対して強い抗ウイルス活性を有していることから、フロロタンニンを経口的、経皮的、あるいは浸漬等、直接、間接的に接触する機会を設定することで、生物のウイルス病を効果的に感染阻止・抑制ができる。
【0019】
とりわけ、下記実施例7に示すように、日常的にフロロタンニンを体内に摂取した動物においてウイルス病の感染防御が可能であることから、フロロタンニンを経口的に摂取し、常時刺激を受けさせることによりウイルス感染抵抗力を高揚させることができる。従って、本発明のフロロタンニンは、ウイルスに対する直接作用のみならず生体に対して、適切な体内・体表刺激を与える間接的作用としても効果を有する。このように、本発明のフロロタンニンは経口摂取のみならず、呼吸器、体表粘膜、筋肉内等生体への適切な刺激を施すことで、感染・侵入経路の異なるウイルスに対しても一定のウイルス病感染防御対策として活用できる。
【0020】
さらに本発明のフロロタンニンは、以下に記載する安全性試験の結果から明らかなように(実施例9)、高濃度のフロロタンニン添加水を飲用し続けても、あるいは一時に大量に飲み込んでも何ら異常は認められず、生体に安全で、また環境負荷の小さい極めて稀有な抗ウイルス性物質であることがわかっている。したがって、本発明のフロロタンニンは呼吸器系のウイルス病をモデルにした実施例7で日常から経口的に摂取された場合でもウイルス感染防御力が高まることが示されたことと相俟って、フロロタンニンの有効な使用方法の態様として、医薬品のみならず飲食品添加物、飼料添加物などへの応用が可能である。
本発明のフロロタンニンは対象とするウイルス病対策への用法と効率性から、実施例2および3のようにこれらの各成分を適量混合した状態で用いる場合と、さらに効果を極めるための特定の単離フロロタンニンを用いる場合など、その必要性に応じて用途ごとに選択し、組み合わせる使い方ができる。
【0021】
このような基本的、具体的活性から本発明のフロロタンニンは以下の用途に使用できる:
(1)農畜水産愛玩動物分野における各種ウイルス病の防除:使用法としては、例えば、飼料成分、飼料添加剤、飲水混和剤、予防・治療薬・生産環境における殺ウイルス剤、消毒剤、種苗生産管理;
(2)一般生活環境における衛生管理;
(3)医療分野における衛生管理、予防・治療薬;
(4)食品素材、機能性食品・飲料素材;
(5)特定ウイルス病の化学合成による特効薬開発における基本構造物質。
【0022】
【実施例】
以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
《実施例1:フロロタンニン抽出法・種類・性状・成分》
褐藻類のクロメ(Ecklonia kurome)を乾燥して粉砕した。得られたクロメの粉末(水分約10%、800g)をメタノール(2,400 mL)とともに5℃で48時間振とう(90 rev min−1)して抽出した。抽出物を減圧下で濃縮し、メタノール(240 mL)、クロロホルム(480 mL)、水(180 mL)を加え、上層と下層に分かれさせて、上層を酢酸エチル(300 mL)で2回抽出した。酢酸エチル層を減圧下で濃縮したものをフロロタンニン抽出物とした。クロメの粉末からのフロロタンニン抽出物の収量は約3%であった。
【0023】
上記フロロタンニン抽出物は、フロログルシノール(phloroglucinol:2%)、エコール(9%)、フロロフコフロエコールA(28%)、ダイエコール(24%)、8,8’−バイエコール(7%)、その他(30%)で構成されており(図1参照)、ケイ酸カラムクロマトグラフィー(15 mm i.d.×150 cm, Wakogel C−300HG, 和光純薬化学工業)で、クロロホルム:メタノール:水 (80:20:2, v/v)によって各フロロタンニンを分離した。分離した画分が、それぞれエコール、フロロフコフロエコールA、ダイエコール、8,8’−バイエコールの単一成分であることは、薄層クロマトグラフィー(Silica Gel 60 F254, Merck)をクロロホルム:メタノール:水:酢酸 (50:25:4:3, v/v)で展開して確認した。
フロログルシノールは和光純薬化学工業製(水和物、純度98%以上)のものを以下の試験に使用した。
【0024】
《実施例2:フロロタンニンの抗ウイルス活性》
各産業分野において問題となっている代表的なウイルス病の起因ウイルスについて、フロロタンニンの抗ウイルス活性についてウイルス中和法を用いて検討した。
実施方法は各ウイルスの特性に応じた評価用材料(培養細胞、培地等)および判定法(CPE、プラーク等)を適用した。実施例1で調製したフロロタンニン抽出物の濃度の2倍階段希釈系列と100TCID50/mL相当のウイルス液を等量ずつ混合し、1時間反応後にその反応液をそれぞれの評価系(培養細胞、プラーク法等)に一定量ずつ1時間吸着処理し、その後それぞれの培養条件下に培養を行い、接種後7日目(HVTVは5日目)のウイルス力価をCPEまたはプラーク数などを指標に判定し、各評価系において50%有効量(TCID50、プラーク減少等)をプロビット法により求めた。
【0025】
各ウイルスに用いた株化細胞等の種類、判定法等は表1の各欄に示した。なお、反応およびその後の培養温度は、牛呼吸器病ウイルス(BRSV:34℃)、マダイイリドウイルス(IRDV:25℃)、マリンビルナウイルス(MABV:20℃)、伝染性膵臓壊死症ウイルス(IPNV:18℃)、伝染性造血器壊死症ウイルス(IHNV:18℃)とし、その他は37℃で実施した。
【0026】
その結果、フロロタンニンは、供試したウイルスの中で、七面鳥ヘルペスウイルス(HVTV)、豚オーエスキー病ウイルス(ADV)、牛伝染性鼻気管炎ウイルス(IBRV)(いずれもヘルペスウイルス科)、牛流行熱病ウイルス(BEFV)、サケ・マス類の伝染性造血器壊死症ウイルス(IHNV)(いずれもラブドウイルス科)、アカバネ病ウイルス、アイノ病ウイルス(いずれもブンヤウイルス科)、豚の繁殖・呼吸障害症候群ウイルス(PRRSV)(アーテリウイルス科)、日本脳炎ウイルス(JEV)、牛ウイルス性下痢・粘膜病ウイルス(BVDV)(いずれもフラビウイルス科)、牛カスバ病ウイルス(オルビウイルス科)に対して強い抗ウイルス活性を有した。これらのウイルスのほとんどはエンベロープウイルスであった。
【0027】
また、上記ほどではないが、鶏の伝染性咽頭気管炎ウイルス(ILTV)(ヘルペスウイルス科)、鶏の伝染性気管支炎ウイルス(IBV)(コロナウイルス科)、牛呼吸器病ウイルス(BRSV)(パラミクソウイルス科)、牛イバラキ病ウイルス(オルビウイルス科)、サケ・マス類の伝染性膵臓壊死症ウイルス(IPNV)、海産魚マリンビルナウイルス(MABV)(いずれもビルナウイルス科)にも抗ウイルス活性が認められた。なお、イリドウイルス科のマダイイリドウイルス(IRDV)に対しては、本発明のフロロタンニンは抗ウイルス活性を示さなかった。
【0028】
従って、本発明のフロロタンニンはウイルスの各カテゴリーを超えた広い範囲に強い抗ウイルス活性を有するものである。フロロタンニンの有用性においては上記の評価を基本にし、その他のファクターを考慮して、ウイルス病全般に対応した用途あるいは特定のウイルス病対策に用いる用途と効率性、効果の面から用途目的に応じたよく選択された利用ができる。
【0029】
【表1】
【0030】
《実施例3:単離フロロタンニンの抗ウイルス活性》
フロロタンニンを実施例1に記載の方法で単離精製すると5種類の単離フロロタンニンが得られる。これら各単離フロロタンニンはそれぞれ化学構造式が異なるため、このような化学構造の違いが抗ウイルス活性の程度にどのように影響するか検討する必要がある。代表として伝染性造血器壊死症ウイルス(IHNV)、オーエスキー病ウイルス(ADV)および牛呼吸器病ウイルス(BRSV)を用いて各単離フロロタンニンの抗ウイルス活性を調べた(表2)。表2の結果から明らかなように、フロロフコフロエコールA、ダイエコールおよび8,8’−バイエコールが強い抗ウイルス活性を示し、エコールも抗ウイルス活性を示した。しかしながら、フロログルシノールでは効果が認められなかった。
【0031】
【表2】
【0032】
《実施例4:クルマエビ類急性ウイルス血症に対する感染防止効果》
クルマエビ類急性ウイルス血症(PAV)の原因ウイルスであるPRDV(penaeid rod−shaped DNA virus:クルマエビの桿状DNAウイルス)の感染防止効果をフロロタンニンが持つか否かを調べた。
ウイルス液は、平成13年度に熊本県でPAVにより死亡したクルマエビのリンパ様器官を集めて10倍量の滅菌海水でホモジナイズ後、遠心分離(3000 rpm×15 min)で得られた上清を0.45μmのフィルターろ過したものを滅菌海水で106倍に希釈して調製した。なお、このウイルス液を5尾のエビに0.1mL筋肉注射したところ、エビは全て4日以内に死亡し、ウイルス液の感染力が保持されていることを確認した。
【0033】
実施例1で調製した所定濃度のフロロタンニン抽出物の溶液と前述のウイルス液を混合して25℃で1時間放置した。反応時のフロロタンニン濃度は、0mg/L、0.8mg/L、1.6mg/L、3.1mg/L、6.3mg/L、12.5mg/L、25mg/L、50mg/Lの8区を用いた。各区の混合液0.1mLをエビ(n=10)に筋肉注射し、注射後のエビを各区別々の水槽で8日間給餌飼育を行ない死亡率を調べた。その結果、対照区(フロロタンニン0mg/L)のエビが全て死亡したにもかかわらず、フロロタンニン濃度1.6mg/L以上の全ての区が60%以上の生残率であり、フロロタンニンがPRDVの感染防止効果を持つことが確認できた(図2)。したがって、フロロタンニンをこの危害ウイルスがエビに浸襲する過程に与えれば効率的に本ウイルスの被害を防御でき、それらの機会はエビの浸漬、体表、経口(餌料)、注射等を状況に応じて選択できる。なお、フロロタンニンは400mg/Lの濃度で筋肉注射してもエビが死亡しないことを確認した。
【0034】
《実施例5:フロロタンニンの豚オーエスキー病ウイルスに対する有効性》
強毒豚オーエスキー病ウイルス(ADV:YS−81)は豚以外にも感染力があり、マウスなどのげっ歯類に感染すれば死亡することが知られている。そこで、このADVのマウス感染系を用いてフロロタンニンがウイルスの感受性動物に対して実際に有効かどうかを検討した。
【0035】
致死量(10LD50)のADV液とフロロタンニン抽出液(実施例1で調製したもの;各濃度)を試験管内で等量混和後3分および1時間(27℃)にマウス(SPF、ddy系、オス、4週令;以下の実施例においても同規格を使用)腹腔内に0.5mLずつ投与し、7日間生残効果を観察した(1群7〜8匹供試)。その結果、図3に示すように、対照群が全例感染死したのに対して、20〜500mg/Lフロロタンニンと投与前1時間接触させた各群はいずれも100%生残した。また、フロロタンニンは同様に3分間の短時間接触系の場合でも、20mg/Lで50%生残し(その他は100%生残)、ADVのマウス感染死を明らかに阻止した(図3AはフロロタンニンとADVを混和3分後に腹腔内投与した場合、図3Bは混和1時間後に腹腔内投与した場合を示す)。
このように、フロロタンニンは試験管内あるいは生体内外環境において感受性ウイルスと直接接触・共存の機会を作ることで、ウイルス病の感染防御に有効に作用することが示された。
【0036】
《実施例6:フロロタンニンのADV経鼻感染系における有効性》
野外でのオーエスキー病ウイルスは動物の呼吸器系で感染するため、マウス経鼻ルートでフロロタンニンおよびADV投与系を用いて、フロロタンニンの感染防御効果を検討した。供試マウスを軽度にエーテル麻酔後、2000mg/L濃度のフロロタンニン(実施例1で調製したフロロタンニン抽出物)を綿棒に浸し、マウスの鼻孔に塗布(20μL/マウス)後3分にウイルス液(10および1LD50)を同様に塗布し、その後の生残率を7日間観察した(1群7〜8匹)。その結果、図4に示した通り、フロロタンニンは呼吸器系ルートでのマウスADV感染に対して防御効果を示した。この結果はフロロタンニンが生物社会において、一般に起こりうる外界からの同様な感染経路もしくは体表等から感染する感受性ウイルスに対する有効なウイルス病防除手段として適用できることを示唆している。
【0037】
《実施例7:フロロタンニンの経口摂取によるADV感染防御》
日常的にフロロタンニンを体内に摂取した動物において、フロロタンニンによるウイルス病の感染防御が可能かどうかを以下の方法で検討した。即ち、マウス常用の飲水中に実施例1で調製したフロロタンニン抽出物を800、200、および0(PBS)mg/L含有させ、ウイルスの感染3日前から攻撃試験観察終了日までの10日間自由に与え続けたマウスにおいて、実施例6で示したADV経鼻感染系による評価を行った。その結果、図5に示すように、フロロタンニンを与えた場合、フロロタンニン未摂取の場合に比べて明らかに高い生残率が観察された。
【0038】
《実施例8:フロロタンニンのADV感染における予防および治療効果》
フロロタンニンの予防および治療的投与効果を実施例6および7に示すADVのマウス経鼻感染系を用いて検討した。即ち、本系におけるADV感染時の1時間前(−1h)、3分前(直前)を予防的投与、およびADV感染の3分後(直後)、1時間後(+1h)を治療的投与としてフロロタンニン抽出物(実施例1で調製したもの)を投与した試験群、さらに試験管内で同フロロタンニン抽出物とウイルス液を等量混合後直ちに投与(0)した試験群、およびPBS対照群を設けた(1群7〜8匹)。
【0039】
その結果、図6に示すように、フロロタンニンは予防的投与および治療的投与のいずれにおいてもウイルス病に対する感染防御効果が認められた。これら結果は、フロロタンニンをウイルス病流行期の予防薬や治療薬として用いることが可能であることを示している。したがって、フロロタンニンは宿主生物のウイルス病防除に用いる時、実施例7に示す間接効果のみならず、フロロタンニンと対象ウイルスとの接触機会を生体内外で効率的に作りだすことが効果をより鮮明にする傾向にあることを示している。
【0040】
《実施例9:フロロタンニンの安全性》
フロロタンニンは呼吸器系のウイルス病をモデルにした実施例7で日常から経口的に摂取された場合でもウイルス感染防御力が高まることが示された。これはヒトおよび動物が常用する飲食物などを介して適切なフロロタンニン摂取を施すことでウイルス病の予防、治療の一つの効果的手段とすることができることを意味する。そこで、フロロタンニンの哺乳類への安全性を確認する目的で以下の試験を実施した。
【0041】
フロロタンニンを生体に接触もしくは取り込み利用するには様々な形態が考えられる。例えば、飲食物、添加物、化粧品、洗浄除菌剤、消毒剤、医薬、日常生活用品等が考えられるが、まず、生体における安全性について小動物を用いて試験を行った。ICR系雌雄マウス(4週齢)を用いて実施例1で調製したフロロタンニン抽出物を飼育用水に添加し、14日間の自由飲水、および経口投与(単回大量投与)して、その後の健康状態を体重の推移により検討した。
その結果、図7に示すように、雌雄を問わず、高濃度のフロロタンニン添加水を飲用し続けても、あるいは一時に大量に飲み込んでも、いずれの場合も増体重に異常はなかった。また、一般状態においても何ら異常は示さなかった。
【0042】
本実施例で体内に取り込まれたフロロタンニンは14日間の飲水投与では、雄1500mg/kg/day、雌1286mg/kg/day、単回投与では雄168.2mg/kg/day、雌193.7mg/kg/dayに相当し、この摂取量は通常の生活では得られない大量のものであり、生体への実際の応用域において安全性が高いことが示された。
このことは、フロロタンニンを病害ウイルスによる健康阻害や、感染症に対する予防および治療目的に生体内に取り込むことに支障がないことを示すものであり、フロロタンニンの有効な使用方法の態様として、医薬品に加えて飲食品添加物、飼料添加物などへの応用が可能であることを示唆するものである。
【0043】
実施例2から9に示すように、本発明において、フロロタンニンが社会生活上問題になっているウイルス病防除において有効な物質であることが明らかとなった。さらに、本物質の応用においては、対象とするウイルス病の特徴、性状に応じて、当該ウイルス病宿主の体内外域で直接的または間接的に接触する機会を効率よく導き、構築することが不可欠となる。
【0044】
【発明の効果】
上記のように本発明のフロロタンニンは、以下の特徴を有する:
(1)フロロタンニンは海藻の褐藻類クロメ等に含まれる抗ウイルス作用を有する成分の本体である;
(2)フロロタンニンは新たな抗ウイルス性物質として、その化学構造とともに明らかにされた。各単離フロロタンニンのうち4種類の単離フロロタンニン、すなわちエコール、フロロフコフロエコールA、ダイエコールおよび8,8’−バイエコールがそれぞれに抗ウイルス活性を有することが分かった。これらの単離品は用途に応じて2種類以上組み合わせて用いることができる;
(3)これら抗ウイルス活性を有する化学構造体は、将来化学合成等による新たなタイプの抗ウイルス剤開発の方向性・可能性を示唆することに寄与する;
(4)本発明のフロロタンニンは問題となっている宿主生物のウイルス病防除策に新たな解決手段を提供する。本物質は対象ウイルスに直接作用させることでその効果を顕著に現出させる。本物質は細胞遊離ウイルス、細胞吸着段階のウイルスに効率よく作用し、生体への投与法においては対象ウイルス病の感染経路を考慮した注射、経口、経皮、および呼吸器系等を選択することができる;
(5)既存の多くの抗ウイルス剤が細胞内での核酸合成・転写系に作用するのに対し、本発明のフロロタンニンはウイルス粒子に対して直接的に作用し、その感染性を失わせることから、幅広い抗ウイルススペクトルを有する。またエンベロープを有するウイルスにその効果が強い傾向にあることがわかった。さらに本物質は生体に安全で、また環境負荷の小さい極めて稀有な抗ウイルス性物質である;
(6)本発明のフロロタンニンは様々なウイルス(病)のうち、ヘルペスウイルス科、ラブドウイルス科、ブンヤウイルス科、フラビウイルス科、アーテリウイルス科のウイルスに対して特に感受性が高く、特効薬となる素地を有している;
(7)本発明のフロロタンニンはウイルス病に悩まされ、かつ十分な制御が出来ない様々な社会生活において有用である。それは宿主を取り巻く環境衛生管理(公衆衛生・医療、農畜水産業、建築施設)、生活用品、機能性食品・飲料添加素材、産業動物の飼料添加物、植物防疫、および医薬・医薬部外品などに適用できる;
(8)本発明のフロロタンニンは種々のウイルス病対策において、これまでにない新たなタイプのウイルス病防除用材料と手段になる。本物質と既存のウイルス病対策手段とを組み合わせて特徴を活かした相互補完により、今までにない総合的なウイルス病対策を講じることが可能となる。その結果、種々の生物のウイルス病被害およびそれに付随した経済的損失の改善が可能となる;
(9)本発明のフロロタンニンは、とりわけクルマエビ類の急性ウイルス血症の起因ウイルスであるPRDV対策に新たな防除手段として用いることができる。その適用法は状況に応じて経口投与(飼料添加物)、浸漬投与、スプレー投与、もしくは注射法などが効果的である。また、養殖環境における感染源対策として飼育海水・土壌・生息生物付着ウイルス・器材消毒にも用いることができる。このような用法は本物質がPRDVに直接作用させることで抗ウイルス効果があり、かつ海水環境保全との調和も既存の化学消毒剤に比べて優れているからである;
(10)本発明のフロロタンニンはまた、豚のオーエスキー病ウイルス(ADV)に対して新たな防疫手段を提供する。具体的には感染機会を極力抑制するために、養豚飼育環境の消毒、豚への直接噴霧、飲水・飼料添加物、および予防・治療薬としての適用ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各フロロタンニンの構造式を示す図。
【図2】フロロタンニンとRPDVの混和液を投与したクルマエビの生残率の経時変化を示すグラフであり、フロロタンニンのPRDVに対する感染防御効果を示す。
【図3】フロロタンニンのマウスを用いたオーエスキー病ウイルス(ADV)感染防御効果(注射)を示すグラフ。Aは、フロロタンニンとADVを混和3分後に腹腔内投与した場合、Bは、混和1時間後に腹腔内投与した場合をそれぞれ示し、いずれの場合も攻撃ウイルス量は10LD50である。
【図4】フロロタンニンのマウスを用いたオーエスキー病ウイルス(ADV)経鼻感染系における感染防御効果(呼吸器感染)を示すグラフ(攻撃ウイルス量は10LD50)。
【図5】フロロタンニンのマウスを用いたオーエスキー病ウイルス(ADV)感染防御効果(経口摂取)を示すグラフ(攻撃ウイルス量は10LD50)。
【図6】フロロタンニンのマウスを用いたオーエスキー病ウイルス(ADV)感染防御効果(予防・治療的投与)を示すグラフ(経鼻感染7日後;攻撃ウイルス量は10LD50)。
【図7】フロロタンニンを経口摂取したマウスの増体重率を示すグラフ。
Claims (11)
- フロロタンニンを主成分とする抗ウイルス剤。
- 当該フロロタンニンが、エコール、フロロフコフロエコールA、ダイエコールまたは8,8’−バイエコールから選択される1つまたは2つ以上を含む請求項1に記載の抗ウイルス剤。
- 当該フロロタンニンが海藻由来のフロロタンニンである請求項1または2に記載の抗ウイルス剤。
- 当該海藻由来のフロロタンニンが褐藻類のクロメ、またはカジメから選択される海藻に由来するフロロタンニンである請求項3に記載の抗ウイルス剤。
- エンベロープウイルスによるウイルス感染症の治療および予防用である請求項1から4のいずれかに記載の抗ウイルス剤。
- ヘルペスウイルス科、ラブドウイルス科、ブンヤウイルス科、アーテリウイルス科、フラビウイルス科、コロナウイルス科、パラミクソウイルス科、オルビウイルス科またはビルナウイルス科に属するウイルスによるウイルス感染症の治療および予防用である、請求項1から4のいずれかに記載の抗ウイルス剤。
- PRDV(penaeid rod−shaped DNA virus)によるウイルス感染症であるクルマエビ類急性ウイルス血症の治療および予防用である、請求項1から4のいずれかに記載の抗ウイルス剤。
- 豚オーエスキー病の治療および予防用である、請求項1から4のいずれかに記載の抗ウイルス剤。
- 請求項1から8のいずれかに記載の抗ウイルス剤を含有する食品または飲料水。
- 請求項1から8のいずれかに記載の抗ウイルス剤を含有する食品添加物。
- 請求項1から8のいずれかに記載の抗ウイルス剤を含有する動物用飼料添加物。
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