JP2004189412A - セグメントスプレッダロールの調整機構および調整方法ならびにワインダ設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】ボー量の調整を精度よく、簡単に行えるセグメントスプレッダロールの調整機構と調整方法およびワインダ設備。
【構成】親巻きロールから紙を巻き戻しスリッタで所定の幅にスリットし、紙幅方向に直列の複数の分割ロールからなるセグメントスプレッダロールを経由してシッピングロールを製造するワインダ設備におけるセグメントスプレッダロールの調整機構であって、各分割ロールを支持するハウジングを紙送り方向に移動可能に支持する複数のプレートと、プレートを紙送り方向に移動可能に支持しフレーム上に固定されるガイドと、プレートとガイドの間に装着されプレートをガイドに対して紙送り方向に移動および固定する調整ボルトと、フレームに固定されピストン先端がプレートにピン支持されたリンク手段を介してハウジングに連動しハウジングをプレートに対して移動させるシリンダとを備えてなるように構成した。
【選択図】 図2
【構成】親巻きロールから紙を巻き戻しスリッタで所定の幅にスリットし、紙幅方向に直列の複数の分割ロールからなるセグメントスプレッダロールを経由してシッピングロールを製造するワインダ設備におけるセグメントスプレッダロールの調整機構であって、各分割ロールを支持するハウジングを紙送り方向に移動可能に支持する複数のプレートと、プレートを紙送り方向に移動可能に支持しフレーム上に固定されるガイドと、プレートとガイドの間に装着されプレートをガイドに対して紙送り方向に移動および固定する調整ボルトと、フレームに固定されピストン先端がプレートにピン支持されたリンク手段を介してハウジングに連動しハウジングをプレートに対して移動させるシリンダとを備えてなるように構成した。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抄紙機で連続的に抄造され、所定の径に巻き取られた広幅の親巻きロールから巻き戻した紙を、スリッタで所定の巾にスリットして、シッピングロールを製造するワインダ設備において、スリットされた紙の巾方向の分離性を向上させるために巻き取りドラム直前に設けられるセグメントスプレッダロールの調整機構とそれを備えたワインダ設備、およびセグメントスプレッダロールの調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7および図8に基づき、一般的なツードラムワインダ設備を説明する。図7は一般的なツードラムワインダ設備(例えば、特許文献1参照)の構成概要立面図であり、図8は図7中A−A矢視平面図である。
【0003】
図7、8において、53は親巻きロールであり、図示しない抄紙機で所定の幅に連続的に抄造された紙51を、リールスプール52に巻き取り、大径で広幅の親巻きロール53が製造される。
【0004】
親巻きロール53はアンワインダ装置54にセットされ、親巻きロール53の紙51は巻き戻されながら、リードインロール55を経由して、スリッタ56において所定の巾にスリットされる。
【0005】
所定の巾にスリットされた紙51は各種ガイドロールを経て、ツードラムワインダ58の直前に設けられたセグメントスプレッダロール57を経由して、ツードラムワインダ58上にセットされたコア59に所定の径に達するまで巻き取られて、シッピングロール60が製造される。
【0006】
ツードラムワインダ58は、同方向に同期回転駆動される第1ドラム58aと第2ドラム58bを水平平行軸に配しており、コア59は両ドラム58a、58b上に載置されて、両ドラムの回転につれて回転し、紙51は第1ドラム58aと第2ドラム58bの間を下から第1ドラムの外周周りに上りコア59の外周周りに移って巻き取られる。
【0007】
ここで、セグメントスプレッダロール57は、スリッタ56でスリットされた紙51の紙巾方向の分離性を向上させ、シワ入り等の不具合を防止するために設けられているものである。
【0008】
図9は、図8におけるセグメントスプレッダロール57を取り出し、同方向で示すセグメントスプレッダロールの平面図であり、セグメントスプレッダロール57は、適当な軸長を有する分割ロール61を紙幅方向Yに複数個直列に連結して構成され、全体として、図9に強調して示すように、紙51の紙送り方向X下流に向けて凸の弓形の形状になるように、個々の分割ロール61の軸端を一定の方向に適当量の変位a(以下ボー量と呼ぶ)を与え、全体としての弓形形状に調整するようになっている。
【0009】
以下、図10、図11に基づき、従来のセグメントスプレッダロールの調整機構と調整方法を説明する。図10は、図9中B−B矢視による従来のセグメントスプレッダロールの調整機構の拡大断面図である。図10に示すように、各分割ロール61は、軸63の両端部においてベアリング64を介して、ロール部65が回転自在に取付けられており、軸63の軸端は、球面ブッシュ66を介して、ハウジング67によって支持されている。さらに、各ハウジング67はそれぞれ、フレーム70に固定されたガイド68に沿って紙送り方向に摺動可能に取付けられたプレート69に固定されている。
【0010】
また、図11は、図10中C−C矢視図であり、図11に示すように、フレーム70に固定されたガイド68の一方の端に設けられたブラケット71に、ピン72によって回動自在にピン支持されたリンク73の一方の先端は、リンク74によってハウジング67とピン接合されており、リンク73の他方の先端はフレーム70に固定されたシリンダ75のピストン先端75aとピン接合されているリンク機構が構成されている。
【0011】
したがって、ハウジング67は上記リンク機構を介してピストン先端75aと連動しており、シリンダ75の伸縮によって、リンク73がピン72周りに回動し、リンク74を介してハウジング67をガイド68に従って前後移動させ、ハウジング67に支持された分割ロール61はガイド68に沿って紙送り方向の前後方向に移動する。
【0012】
そして、各分割ロール61について、各々のシリンダ75を適当に作動させて図9に示すように、全体として適当な弓形の形状になるように各ボー量aを調節する構成になっている。
【0013】
【特許文献1】
特開平8−268607号公報(3頁、図2)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のセグメントスプレッダロールの調整機構とそれによる調整方法においては、各分割ロール61のボー量aの調節は、紙51の分割数、即ちシッピングロール60の巾、紙質、湿度および運転速度等により、その都度行う必要があり、また、ボー量aを0.1mmの精度のレベルで調整しないと紙51にシワ入り等が生じる。
【0015】
そのため、従来、シリンダ75のみでボー量aを調節するには、精度的に十分でなく、多大な労力と時間を要しており、また、紙51のシワ入り等の不具合を完全に排除することが困難であった。したがってかかる従来のセグメントスプレッダロールの調整機構を備えたワインダ設備は、稼働効率の低下、製品品質上の問題の恐れがあった。
【0016】
本発明はかかる従来のセグメントスプレッダロールの調整機構と調整方法の問題を解消し、ボー量aの調整を精度よく、簡単に行えるセグメントスプレッダロールの調整機構および調整方法ならびにワインダ設備を提供することを課題とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その第1の手段として、親巻きロールから紙を巻き戻しスリッタで所定の幅にスリットし、紙幅方向に直列の複数の分割ロールからなるセグメントスプレッダロールを経由してシッピングロールを製造するワインダ設備におけるセグメントスプレッダロールの調整機構であって、前記各分割ロールを支持するハウジングを紙送り方向に移動可能に支持する複数のプレートと、同プレートを同紙送り方向に移動可能に支持しフレーム上に固定されるガイドと、前記プレートと前記ガイドの間に装着され同プレートを同ガイドに対して前記紙送り方向に移動および固定する調整ボルトと、同フレームに固定されピストン先端が前記プレートにピン支持されたリンク機構を介して前記ハウジングに連動し同ハウジングを前記プレートに対して移動させるシリンダとを備えてなることを特徴とするセグメントスプレッダロールの調整機構を提供する。
【0018】
第1の手段によれば、その構成により、セグメントスプレッダロールのボー量の調整を一次的にはシリンダで大合せで設定し、二次的に調整ボルトで微調整する、二段調整が可能であり、ボー量の調整を精度よく、短時間に簡単に行なうことができる。
【0019】
(2)第2の手段としては、第1の手段のセグメントスプレッダロールの調整機構において、前記複数のプレートは前記紙幅方向の中央部に位置するプレートから側端部に位置するプレートへ順次厚さを減じたものとしてなることを特徴とするセグメントスプレッダロールの調整機構を提供する。
【0020】
第2の手段によれば、第1の手段の作用に加え、紙面に垂直な方向の各分割ロールの表面位置を調整でき、ボー量の調整に加え、紙面の押込み量を紙幅方向中央部で大きく、側端部で小さくできる。
【0021】
(3)また、第3の手段として、第1の手段または第2の手段のセグメントスプレッダロールの調整機構を備えてなることを特徴とするワインダ設備を提供する。
【0022】
第3の手段によれば、ワインダ設備は、第1の手段または第2の手段の作用により、セグメントスプレッダロールのボー量の設定が短時間で正確に行える。
【0023】
(4)第4の手段として、第1の手段または第2の手段のセグメントスプレッダロールの調整機構を用い、予め前記シリンダで前記各分割ロールのボー量を一次的に設定したのち、ついで前記調整ボルトで前記各分割ロールのボー量を二次的に微調整することを特徴とするセグメントスプレッダロールの調整方法を提供する。
【0024】
第4の手段によれば、ワインダ設備において、第1の手段または第2の手段の作用により、セグメントスプレッダロールのボー量を二段調整で、先ずシリンダで大合せで設定し、調整ボルトで微調整するので、ボー量の設定が精度よく、短時間にできる。特に第2の手段のセグメントスプレッダロールの調整機構を用いた場合、調整が容易となり、調整範囲が広がる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1から図6に基づき、本発明の実施の一形態に係るセグメントスプレッダロールの調整機構および調整方法ならびにワインダ設備を説明する。図1は、図7中D−D矢視による本実施の形態のセグメントスプレッダロールの構成概要立面図である。図2は図1中E−E矢視拡大図であり、本実施の形態のセグメントスプレッダロールの調整機構としての各分割ロールのボー量の調整機構を示す。図3は図2中F−F矢視拡大断面図である。図4は、図1から図3に示した実施の形態中、プレートの周辺の構成を示す斜視図、図5は、図4中G矢視による斜視図であり、図6は複数のプレートの厚さの関係の説明図である。
【0026】
セグメントスプレッダロールの調整機構以外の本実施の形態のワインダ設備は、図7に示すものと同様であり、親巻きロール53をアンワインダ装置54にセットし、紙51を巻き戻しながらスリッタ56において所定の紙幅にスリットし、セグメントスプレッダロール57を経由して、ツードラムワインダ58上でシッピングロール60を製造するシステム構成は従来技術と変更ないため、説明を省略し、従来例と異なるセグメントスプレッダロールの調整機構を主に以下説明する。
【0027】
図1に示すように、セグメントスプレッダロール1は紙幅方法Yに直列の複数の分割ロール2からなり、各分割ロール2はハウジング3によって連結されて回転自在に支持されている。各ハウジング3は、セグメントスプレッダロール1の軸方向に適当な間隔を保って立設された架台18に取付けられた調整ボルト19によって垂直方向の高さが調整可能に設けられたフレーム20上に下記のように配設されている。
【0028】
図2および図3に示すように、ハウジング3はその座面3aが、プレート4上に密着して支持されており、座面3a部に設けられた紙送り方向Xの長穴3bを挿通したボルト17が、ハウジング3がプレート上を紙送り方向Xに摺動可能な適切なクリアランスを形成するようにプレート4に締結されている。摺動可能なクリアランスを形成するためには、ボルト17を所定の段高さを有する段付ボルトとしたり、または図示しないが座面3a部との間に適切なクリアランスを与える押え板をボルト17で締結する等、適宜の手段によってよい。
【0029】
さらにプレート4はフレーム20に固定されたガイド5に嵌合し、プレート4の側縁部のフランジ4aは、ガイド5にボルト22によって締結された押え板21によって適切なクリアランスで押さえ込まれて、ガイド5に沿って紙送り方向X前後に摺動可能に支持されている。
【0030】
分割ロール2は、軸63の両端部において、ベアリング64を介して回転自在に取付けられたロール部65を備え、軸63の軸端において球面ブッシュ66を介してハウジング3によって支持されている。
【0031】
また、図2、図4、図5に示すように、プレート4の一方の端部に溶接4b等によって固定されたブラケット6は、リンク7の中頃をピン8によって回動自在にピン支持している。そして、リンク7の一方の端部はフレーム20に固定されたシリンダ75のピストン先端75aとピン接合されており、他方の端部はリンク9の一端にピン10で接合し、リンク9の他端はピン11によってハウジング3に回動自在にピン接合されるリンク機構が形成されている。
【0032】
従って、ハウジング3は、プレート4に支持されたリンク機構を介して、ピストン先端75aに連動しており、シリンダ75によってプレート4に対して紙送り方向Xで前後移動できるようになっている。
【0033】
ガイド5の両端に設けられた座12、13には調整ボルト14、15が装着され、その先端が紙送り方向でプレート4に当接するようになっており、調整ボルト14、15を相互に出し入れして、プレート4をガイド5に対して紙送り方向Xで前後に移動でき、また、調整ボルト14、15によってガイド5に対してプレート4の紙送り方向Xの移動を固定することができる。
【0034】
なお、座12とそれに装着された調整ボルト14は、図4に示すように、ブラケット6やリンク7との干渉を避けて、紙幅方向Yのオフセットbを有して配置されている。
【0035】
すなわち、調整ボルト14、15によってプレート4をガイド5に対して固定した状態でシリンダ75を操作すれば、リンク7等の上記リンク機構によってハウジング3をプレート4に対して(また、ガイド5に対して)紙送り方向Xで前後移動でき、一次的な調整段階として、ボー量aはハウジング3に固定された目盛盤16によって、ガイド5に固定された座13の基準位置からの変位量を読み取ることで知ることができる。
【0036】
さらにシリンダ75を停止して調整ボルト14、15を相互に出し入れすれば、プレート4がガイド5に対して紙送り方向Xで移動し、その結果プレート4に固定されたブラケット6のピン8の位置がガイド5に対して移動するので、プレート4上に摺動可能に密着支持されたハウジング3をリンク7等の上記リンク機構によって、ガイド5に対して紙送り方向Xで前後移動でき、調整ボルト14、15によって分割ロール2のボー量a(図6参照)を微調整できる。
【0037】
そして、二次的な微調整段階として、ボー量aはハウジング3に固定された目盛盤16によって、座13の基準位置からの変位量を読み取ることで知ることができる。
【0038】
なお、図6に強調して模式的に示すように、本実施の形態において、紙幅方向Yに複数配されるプレート4は、紙幅方向Yの中央部に位置するプレート4’から側端部に位置するプレート”へ順次厚さtを減じたものとしてもよい。
【0039】
その様にすることによって、紙面に垂直な方向Zの各分割ロール2の表面位置を調整でき、ボー量aの調整に加え、紙面の押込み量を紙幅方向Y中央部で大きく、側端部で小さくできるので、セグメントスプレッダロールの分離機能の調整をより容易にでき、また調整範囲をさらに広げることができる。
【0040】
以上のような本実施の形態のセグメントスプレッダロールの調整機構においては、従来シリンダ75のみでボー量aを調節する場合、精度的に十分でなく、多大な労力と時間を要したことに対し、ボー量aの調整を一次的にはシリンダ75で大合せで設定し、二次的に、調整ボルト14、15で微調整する、二段調整が可能であり、ボー量aの調整を精度よく、簡単に行なうことができるものとなる。
【0041】
まず、図1に示すように、調整ボルト19を適当に調整してセグメントスプレッダロール1が水平に組立てられていることを確認する。次いで、図2に示すように、各々の分割ロール2のボー量aを調整するために、調整ボルト14、15によってプレート4をガイド5に対して固定した状態でシリンダ75を操作し、ハウジング3をプレート4に対して紙送り方向Xで移動させ、目盛盤16を見ながら、一次的にボー量a(第9図参照)を設定する。
【0042】
しかるのち、二次的な微調整段階として、シリンダ75は停止した状態で、図2、図4、図5に示すガイド5とプレート4の間に装着された調整ボルト14、15を相互に出し入れして、プレート4をガイド5に対して移動させ、その結果プレート4上に摺動可能に密着支持されたハウジング3を、ガイド5に対して紙送り方向Xで前後移動させ、ガイド5に対するハウジング3の移動量を目盛盤16によって確認しながら、微調整を行ない正確なボー量aを決め、ボー量a調整を完了する。
【0043】
以上により、本実施の形態のセグメントスプレッダロールの調整機構と調整方法によれば、各分割ロール2について短時間に簡単に、正確なボー量aを設定することができ、紙51のシワ入り等の不具合を防ぐことができ、調整工数の低減が可能となる。
【0044】
また、本実施の形態のセグメントスプレッダロールの調整機構を備えたワインダ設備は、ボー量aの設定が短時間で正確に行えるので、稼働効率、製品品質が向上するものとなる。
【0045】
なお、図6に示すように、本実施の形態のセグメントスプレッダロールの調整機構の紙幅方向Yに複数配されるプレート4を、紙幅方向Yの中央部に位置するプレート4’から側端部に位置するプレート”へ順次厚さtを減じたものとした場合は、紙面に垂直な方向Zの各分割ロール2の表面位置が調整され、ボー量aの調整に加え、紙面の押込み量を紙幅方向Y中央部で大きく、側端部で小さくできるので、セグメントスプレッダロールの分離機能の調整がより容易となり、また調整範囲をさらに広げることができる。
【0046】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲でその具体的構造、構成に種々の変更を加えてもよいことは言うまでもない。
【0047】
【発明の効果】
(1)請求項1の発明によれば、セグメントスプレッダロールの調整機構を、親巻きロールから紙を巻き戻しスリッタで所定の幅にスリットし、紙幅方向に直列の複数の分割ロールからなるセグメントスプレッダロールを経由してシッピングロールを製造するワインダ設備におけるセグメントスプレッダロールの調整機構であって、前記各分割ロールを支持するハウジングを紙送り方向に移動可能に支持する複数のプレートと、同プレートを同紙送り方向に移動可能に支持しフレーム上に固定されるガイドと、前記プレートと前記ガイドの間に装着され同プレートを同ガイドに対して前記紙送り方向に移動および固定する調整ボルトと、同フレームに固定されピストン先端が前記プレートにピン支持されたリンク機構を介して前記ハウジングに連動し同ハウジングを前記プレートに対して移動させるシリンダとを備えてなるように構成したので、セグメントスプレッダロールのボー量の調整を一次的にはシリンダで大合せで設定し、二次的に調整ボルトで微調整する、二段調整が可能であり、ボー量の調整を精度よく、短時間に簡単に行なうことができるものとなり、紙のシワ入り等の不具合が生じることを防ぐことができる。
【0048】
(2)請求項2の発明によれば、請求項1に記載のセグメントスプレッダロールの調整機構において、前記複数のプレートは前記紙幅方向の中央部に位置するプレートから側端部に位置するプレートへ順次厚さを減じたものとしてなるように構成したので、請求項1の発明の効果に加え、紙面に垂直な方向の各分割ロールの表面位置を調整でき、ボー量の調整に加え、紙面の押込み量を紙幅方向中央部で大きく、側端部で小さくできるので、セグメントスプレッダロールの分離機能の調整をより容易にでき、また調整範囲をさらに広げることができる。
【0049】
(2)請求項3の発明によれば、ワインダ設備を、請求項1または請求項2に記載のセグメントスプレッダロールの調整機構を備えてなるように構成したので、請求項1または請求項2の発明の効果により、ワインダ設備は、セグメントスプレッダロールのボー量の設定が短時間で正確に行えるので、稼働効率、製品品質が向上するものとなる。
【0050】
(4)請求項4の発明によれば、セグメントスプレッダロールの調整方法を、請求項1または請求項2に記載のセグメントスプレッダロールの調整機構を用い、予め前記シリンダで前記各分割ロールのボー量を一次的に設定したのち、ついで前記調整ボルトで前記各分割ロールのボー量を二次的に微調整するように構成したので、ワインダ設備において、セグメントスプレッダロールのボー量を二段調整で、先ずシリンダで大合せで設定し、調整ボルトで微調整するため、請求項1または請求項2の発明の効果により、ボー量の設定が精度よく、短時間にでき、調整工数の低減が可能となり、紙のシワ入り等の不具合が生じることも防ぐことができる。とくに、請求項2に記載のセグメントスプレッダロールの調整機構を用いた場合は、ボー量の調整に加え、紙面に垂直な方向の各分割ロールの表面位置を調整でき、紙面の押込み量を紙幅方向中央部で大きく、側端部で小さくできるので、セグメントスプレッダロールの分離機能の調整をより容易にでき、また調整範囲をさらに広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図7中D−D矢視による、本発明の実施の一形態に係るセグメントスプレッダロールの構成概要立面図である。
【図2】図1中E−E矢視拡大図であり、本実施の形態のセグメントスプレッダロールの調整機構としての各分割ロールのボー量aの調整機構を示す。
【図3】図2中F−F矢視拡大断面図である。
【図4】図1から図3に示した実施の形態中、プレートの周辺の構成を示す斜視図である。
【図5】図4中G矢視による斜視図である。
【図6】複数のプレートの厚さの関係の説明図である。
【図7】一般的なツードラムワインダ設備の構成概要立面図である。
【図8】図7中A−A矢視平面図である。
【図9】図8におけるセグメントスプレッダロールの各分割ロールのボー量を強調して示す平面図である。
【図10】図9中B−B矢視による従来のセグメントスプレッダロールの調整機構の拡大断面図である。
【図11】図10中C−C矢視図である。
【符号の説明】
1 セグメントスプレッダロール
2 分割ロール
3 ハウジング
3a 座面
3b 長穴
4 プレート
5 ガイド
6 ブラケット
7 リンク
8 ピン
9 リンク
12、13 座
14、15 調整ボルト
16 目盛盤
18 架台
19 調整ボルト
20 フレーム
21 押え板
51 紙
52 リールスプロール
53 親巻きロール
54 アンワインダ装置
55 リードインロール
56 スリッタ
58 ツードラムワインダ
59 コア
60 シッピングロール
63 軸
64 ベアリング
65 ロール部
66 球面ブッシュ
75 シリンダ
75a ピストン先端
【発明の属する技術分野】
本発明は、抄紙機で連続的に抄造され、所定の径に巻き取られた広幅の親巻きロールから巻き戻した紙を、スリッタで所定の巾にスリットして、シッピングロールを製造するワインダ設備において、スリットされた紙の巾方向の分離性を向上させるために巻き取りドラム直前に設けられるセグメントスプレッダロールの調整機構とそれを備えたワインダ設備、およびセグメントスプレッダロールの調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7および図8に基づき、一般的なツードラムワインダ設備を説明する。図7は一般的なツードラムワインダ設備(例えば、特許文献1参照)の構成概要立面図であり、図8は図7中A−A矢視平面図である。
【0003】
図7、8において、53は親巻きロールであり、図示しない抄紙機で所定の幅に連続的に抄造された紙51を、リールスプール52に巻き取り、大径で広幅の親巻きロール53が製造される。
【0004】
親巻きロール53はアンワインダ装置54にセットされ、親巻きロール53の紙51は巻き戻されながら、リードインロール55を経由して、スリッタ56において所定の巾にスリットされる。
【0005】
所定の巾にスリットされた紙51は各種ガイドロールを経て、ツードラムワインダ58の直前に設けられたセグメントスプレッダロール57を経由して、ツードラムワインダ58上にセットされたコア59に所定の径に達するまで巻き取られて、シッピングロール60が製造される。
【0006】
ツードラムワインダ58は、同方向に同期回転駆動される第1ドラム58aと第2ドラム58bを水平平行軸に配しており、コア59は両ドラム58a、58b上に載置されて、両ドラムの回転につれて回転し、紙51は第1ドラム58aと第2ドラム58bの間を下から第1ドラムの外周周りに上りコア59の外周周りに移って巻き取られる。
【0007】
ここで、セグメントスプレッダロール57は、スリッタ56でスリットされた紙51の紙巾方向の分離性を向上させ、シワ入り等の不具合を防止するために設けられているものである。
【0008】
図9は、図8におけるセグメントスプレッダロール57を取り出し、同方向で示すセグメントスプレッダロールの平面図であり、セグメントスプレッダロール57は、適当な軸長を有する分割ロール61を紙幅方向Yに複数個直列に連結して構成され、全体として、図9に強調して示すように、紙51の紙送り方向X下流に向けて凸の弓形の形状になるように、個々の分割ロール61の軸端を一定の方向に適当量の変位a(以下ボー量と呼ぶ)を与え、全体としての弓形形状に調整するようになっている。
【0009】
以下、図10、図11に基づき、従来のセグメントスプレッダロールの調整機構と調整方法を説明する。図10は、図9中B−B矢視による従来のセグメントスプレッダロールの調整機構の拡大断面図である。図10に示すように、各分割ロール61は、軸63の両端部においてベアリング64を介して、ロール部65が回転自在に取付けられており、軸63の軸端は、球面ブッシュ66を介して、ハウジング67によって支持されている。さらに、各ハウジング67はそれぞれ、フレーム70に固定されたガイド68に沿って紙送り方向に摺動可能に取付けられたプレート69に固定されている。
【0010】
また、図11は、図10中C−C矢視図であり、図11に示すように、フレーム70に固定されたガイド68の一方の端に設けられたブラケット71に、ピン72によって回動自在にピン支持されたリンク73の一方の先端は、リンク74によってハウジング67とピン接合されており、リンク73の他方の先端はフレーム70に固定されたシリンダ75のピストン先端75aとピン接合されているリンク機構が構成されている。
【0011】
したがって、ハウジング67は上記リンク機構を介してピストン先端75aと連動しており、シリンダ75の伸縮によって、リンク73がピン72周りに回動し、リンク74を介してハウジング67をガイド68に従って前後移動させ、ハウジング67に支持された分割ロール61はガイド68に沿って紙送り方向の前後方向に移動する。
【0012】
そして、各分割ロール61について、各々のシリンダ75を適当に作動させて図9に示すように、全体として適当な弓形の形状になるように各ボー量aを調節する構成になっている。
【0013】
【特許文献1】
特開平8−268607号公報(3頁、図2)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のセグメントスプレッダロールの調整機構とそれによる調整方法においては、各分割ロール61のボー量aの調節は、紙51の分割数、即ちシッピングロール60の巾、紙質、湿度および運転速度等により、その都度行う必要があり、また、ボー量aを0.1mmの精度のレベルで調整しないと紙51にシワ入り等が生じる。
【0015】
そのため、従来、シリンダ75のみでボー量aを調節するには、精度的に十分でなく、多大な労力と時間を要しており、また、紙51のシワ入り等の不具合を完全に排除することが困難であった。したがってかかる従来のセグメントスプレッダロールの調整機構を備えたワインダ設備は、稼働効率の低下、製品品質上の問題の恐れがあった。
【0016】
本発明はかかる従来のセグメントスプレッダロールの調整機構と調整方法の問題を解消し、ボー量aの調整を精度よく、簡単に行えるセグメントスプレッダロールの調整機構および調整方法ならびにワインダ設備を提供することを課題とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その第1の手段として、親巻きロールから紙を巻き戻しスリッタで所定の幅にスリットし、紙幅方向に直列の複数の分割ロールからなるセグメントスプレッダロールを経由してシッピングロールを製造するワインダ設備におけるセグメントスプレッダロールの調整機構であって、前記各分割ロールを支持するハウジングを紙送り方向に移動可能に支持する複数のプレートと、同プレートを同紙送り方向に移動可能に支持しフレーム上に固定されるガイドと、前記プレートと前記ガイドの間に装着され同プレートを同ガイドに対して前記紙送り方向に移動および固定する調整ボルトと、同フレームに固定されピストン先端が前記プレートにピン支持されたリンク機構を介して前記ハウジングに連動し同ハウジングを前記プレートに対して移動させるシリンダとを備えてなることを特徴とするセグメントスプレッダロールの調整機構を提供する。
【0018】
第1の手段によれば、その構成により、セグメントスプレッダロールのボー量の調整を一次的にはシリンダで大合せで設定し、二次的に調整ボルトで微調整する、二段調整が可能であり、ボー量の調整を精度よく、短時間に簡単に行なうことができる。
【0019】
(2)第2の手段としては、第1の手段のセグメントスプレッダロールの調整機構において、前記複数のプレートは前記紙幅方向の中央部に位置するプレートから側端部に位置するプレートへ順次厚さを減じたものとしてなることを特徴とするセグメントスプレッダロールの調整機構を提供する。
【0020】
第2の手段によれば、第1の手段の作用に加え、紙面に垂直な方向の各分割ロールの表面位置を調整でき、ボー量の調整に加え、紙面の押込み量を紙幅方向中央部で大きく、側端部で小さくできる。
【0021】
(3)また、第3の手段として、第1の手段または第2の手段のセグメントスプレッダロールの調整機構を備えてなることを特徴とするワインダ設備を提供する。
【0022】
第3の手段によれば、ワインダ設備は、第1の手段または第2の手段の作用により、セグメントスプレッダロールのボー量の設定が短時間で正確に行える。
【0023】
(4)第4の手段として、第1の手段または第2の手段のセグメントスプレッダロールの調整機構を用い、予め前記シリンダで前記各分割ロールのボー量を一次的に設定したのち、ついで前記調整ボルトで前記各分割ロールのボー量を二次的に微調整することを特徴とするセグメントスプレッダロールの調整方法を提供する。
【0024】
第4の手段によれば、ワインダ設備において、第1の手段または第2の手段の作用により、セグメントスプレッダロールのボー量を二段調整で、先ずシリンダで大合せで設定し、調整ボルトで微調整するので、ボー量の設定が精度よく、短時間にできる。特に第2の手段のセグメントスプレッダロールの調整機構を用いた場合、調整が容易となり、調整範囲が広がる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1から図6に基づき、本発明の実施の一形態に係るセグメントスプレッダロールの調整機構および調整方法ならびにワインダ設備を説明する。図1は、図7中D−D矢視による本実施の形態のセグメントスプレッダロールの構成概要立面図である。図2は図1中E−E矢視拡大図であり、本実施の形態のセグメントスプレッダロールの調整機構としての各分割ロールのボー量の調整機構を示す。図3は図2中F−F矢視拡大断面図である。図4は、図1から図3に示した実施の形態中、プレートの周辺の構成を示す斜視図、図5は、図4中G矢視による斜視図であり、図6は複数のプレートの厚さの関係の説明図である。
【0026】
セグメントスプレッダロールの調整機構以外の本実施の形態のワインダ設備は、図7に示すものと同様であり、親巻きロール53をアンワインダ装置54にセットし、紙51を巻き戻しながらスリッタ56において所定の紙幅にスリットし、セグメントスプレッダロール57を経由して、ツードラムワインダ58上でシッピングロール60を製造するシステム構成は従来技術と変更ないため、説明を省略し、従来例と異なるセグメントスプレッダロールの調整機構を主に以下説明する。
【0027】
図1に示すように、セグメントスプレッダロール1は紙幅方法Yに直列の複数の分割ロール2からなり、各分割ロール2はハウジング3によって連結されて回転自在に支持されている。各ハウジング3は、セグメントスプレッダロール1の軸方向に適当な間隔を保って立設された架台18に取付けられた調整ボルト19によって垂直方向の高さが調整可能に設けられたフレーム20上に下記のように配設されている。
【0028】
図2および図3に示すように、ハウジング3はその座面3aが、プレート4上に密着して支持されており、座面3a部に設けられた紙送り方向Xの長穴3bを挿通したボルト17が、ハウジング3がプレート上を紙送り方向Xに摺動可能な適切なクリアランスを形成するようにプレート4に締結されている。摺動可能なクリアランスを形成するためには、ボルト17を所定の段高さを有する段付ボルトとしたり、または図示しないが座面3a部との間に適切なクリアランスを与える押え板をボルト17で締結する等、適宜の手段によってよい。
【0029】
さらにプレート4はフレーム20に固定されたガイド5に嵌合し、プレート4の側縁部のフランジ4aは、ガイド5にボルト22によって締結された押え板21によって適切なクリアランスで押さえ込まれて、ガイド5に沿って紙送り方向X前後に摺動可能に支持されている。
【0030】
分割ロール2は、軸63の両端部において、ベアリング64を介して回転自在に取付けられたロール部65を備え、軸63の軸端において球面ブッシュ66を介してハウジング3によって支持されている。
【0031】
また、図2、図4、図5に示すように、プレート4の一方の端部に溶接4b等によって固定されたブラケット6は、リンク7の中頃をピン8によって回動自在にピン支持している。そして、リンク7の一方の端部はフレーム20に固定されたシリンダ75のピストン先端75aとピン接合されており、他方の端部はリンク9の一端にピン10で接合し、リンク9の他端はピン11によってハウジング3に回動自在にピン接合されるリンク機構が形成されている。
【0032】
従って、ハウジング3は、プレート4に支持されたリンク機構を介して、ピストン先端75aに連動しており、シリンダ75によってプレート4に対して紙送り方向Xで前後移動できるようになっている。
【0033】
ガイド5の両端に設けられた座12、13には調整ボルト14、15が装着され、その先端が紙送り方向でプレート4に当接するようになっており、調整ボルト14、15を相互に出し入れして、プレート4をガイド5に対して紙送り方向Xで前後に移動でき、また、調整ボルト14、15によってガイド5に対してプレート4の紙送り方向Xの移動を固定することができる。
【0034】
なお、座12とそれに装着された調整ボルト14は、図4に示すように、ブラケット6やリンク7との干渉を避けて、紙幅方向Yのオフセットbを有して配置されている。
【0035】
すなわち、調整ボルト14、15によってプレート4をガイド5に対して固定した状態でシリンダ75を操作すれば、リンク7等の上記リンク機構によってハウジング3をプレート4に対して(また、ガイド5に対して)紙送り方向Xで前後移動でき、一次的な調整段階として、ボー量aはハウジング3に固定された目盛盤16によって、ガイド5に固定された座13の基準位置からの変位量を読み取ることで知ることができる。
【0036】
さらにシリンダ75を停止して調整ボルト14、15を相互に出し入れすれば、プレート4がガイド5に対して紙送り方向Xで移動し、その結果プレート4に固定されたブラケット6のピン8の位置がガイド5に対して移動するので、プレート4上に摺動可能に密着支持されたハウジング3をリンク7等の上記リンク機構によって、ガイド5に対して紙送り方向Xで前後移動でき、調整ボルト14、15によって分割ロール2のボー量a(図6参照)を微調整できる。
【0037】
そして、二次的な微調整段階として、ボー量aはハウジング3に固定された目盛盤16によって、座13の基準位置からの変位量を読み取ることで知ることができる。
【0038】
なお、図6に強調して模式的に示すように、本実施の形態において、紙幅方向Yに複数配されるプレート4は、紙幅方向Yの中央部に位置するプレート4’から側端部に位置するプレート”へ順次厚さtを減じたものとしてもよい。
【0039】
その様にすることによって、紙面に垂直な方向Zの各分割ロール2の表面位置を調整でき、ボー量aの調整に加え、紙面の押込み量を紙幅方向Y中央部で大きく、側端部で小さくできるので、セグメントスプレッダロールの分離機能の調整をより容易にでき、また調整範囲をさらに広げることができる。
【0040】
以上のような本実施の形態のセグメントスプレッダロールの調整機構においては、従来シリンダ75のみでボー量aを調節する場合、精度的に十分でなく、多大な労力と時間を要したことに対し、ボー量aの調整を一次的にはシリンダ75で大合せで設定し、二次的に、調整ボルト14、15で微調整する、二段調整が可能であり、ボー量aの調整を精度よく、簡単に行なうことができるものとなる。
【0041】
まず、図1に示すように、調整ボルト19を適当に調整してセグメントスプレッダロール1が水平に組立てられていることを確認する。次いで、図2に示すように、各々の分割ロール2のボー量aを調整するために、調整ボルト14、15によってプレート4をガイド5に対して固定した状態でシリンダ75を操作し、ハウジング3をプレート4に対して紙送り方向Xで移動させ、目盛盤16を見ながら、一次的にボー量a(第9図参照)を設定する。
【0042】
しかるのち、二次的な微調整段階として、シリンダ75は停止した状態で、図2、図4、図5に示すガイド5とプレート4の間に装着された調整ボルト14、15を相互に出し入れして、プレート4をガイド5に対して移動させ、その結果プレート4上に摺動可能に密着支持されたハウジング3を、ガイド5に対して紙送り方向Xで前後移動させ、ガイド5に対するハウジング3の移動量を目盛盤16によって確認しながら、微調整を行ない正確なボー量aを決め、ボー量a調整を完了する。
【0043】
以上により、本実施の形態のセグメントスプレッダロールの調整機構と調整方法によれば、各分割ロール2について短時間に簡単に、正確なボー量aを設定することができ、紙51のシワ入り等の不具合を防ぐことができ、調整工数の低減が可能となる。
【0044】
また、本実施の形態のセグメントスプレッダロールの調整機構を備えたワインダ設備は、ボー量aの設定が短時間で正確に行えるので、稼働効率、製品品質が向上するものとなる。
【0045】
なお、図6に示すように、本実施の形態のセグメントスプレッダロールの調整機構の紙幅方向Yに複数配されるプレート4を、紙幅方向Yの中央部に位置するプレート4’から側端部に位置するプレート”へ順次厚さtを減じたものとした場合は、紙面に垂直な方向Zの各分割ロール2の表面位置が調整され、ボー量aの調整に加え、紙面の押込み量を紙幅方向Y中央部で大きく、側端部で小さくできるので、セグメントスプレッダロールの分離機能の調整がより容易となり、また調整範囲をさらに広げることができる。
【0046】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲でその具体的構造、構成に種々の変更を加えてもよいことは言うまでもない。
【0047】
【発明の効果】
(1)請求項1の発明によれば、セグメントスプレッダロールの調整機構を、親巻きロールから紙を巻き戻しスリッタで所定の幅にスリットし、紙幅方向に直列の複数の分割ロールからなるセグメントスプレッダロールを経由してシッピングロールを製造するワインダ設備におけるセグメントスプレッダロールの調整機構であって、前記各分割ロールを支持するハウジングを紙送り方向に移動可能に支持する複数のプレートと、同プレートを同紙送り方向に移動可能に支持しフレーム上に固定されるガイドと、前記プレートと前記ガイドの間に装着され同プレートを同ガイドに対して前記紙送り方向に移動および固定する調整ボルトと、同フレームに固定されピストン先端が前記プレートにピン支持されたリンク機構を介して前記ハウジングに連動し同ハウジングを前記プレートに対して移動させるシリンダとを備えてなるように構成したので、セグメントスプレッダロールのボー量の調整を一次的にはシリンダで大合せで設定し、二次的に調整ボルトで微調整する、二段調整が可能であり、ボー量の調整を精度よく、短時間に簡単に行なうことができるものとなり、紙のシワ入り等の不具合が生じることを防ぐことができる。
【0048】
(2)請求項2の発明によれば、請求項1に記載のセグメントスプレッダロールの調整機構において、前記複数のプレートは前記紙幅方向の中央部に位置するプレートから側端部に位置するプレートへ順次厚さを減じたものとしてなるように構成したので、請求項1の発明の効果に加え、紙面に垂直な方向の各分割ロールの表面位置を調整でき、ボー量の調整に加え、紙面の押込み量を紙幅方向中央部で大きく、側端部で小さくできるので、セグメントスプレッダロールの分離機能の調整をより容易にでき、また調整範囲をさらに広げることができる。
【0049】
(2)請求項3の発明によれば、ワインダ設備を、請求項1または請求項2に記載のセグメントスプレッダロールの調整機構を備えてなるように構成したので、請求項1または請求項2の発明の効果により、ワインダ設備は、セグメントスプレッダロールのボー量の設定が短時間で正確に行えるので、稼働効率、製品品質が向上するものとなる。
【0050】
(4)請求項4の発明によれば、セグメントスプレッダロールの調整方法を、請求項1または請求項2に記載のセグメントスプレッダロールの調整機構を用い、予め前記シリンダで前記各分割ロールのボー量を一次的に設定したのち、ついで前記調整ボルトで前記各分割ロールのボー量を二次的に微調整するように構成したので、ワインダ設備において、セグメントスプレッダロールのボー量を二段調整で、先ずシリンダで大合せで設定し、調整ボルトで微調整するため、請求項1または請求項2の発明の効果により、ボー量の設定が精度よく、短時間にでき、調整工数の低減が可能となり、紙のシワ入り等の不具合が生じることも防ぐことができる。とくに、請求項2に記載のセグメントスプレッダロールの調整機構を用いた場合は、ボー量の調整に加え、紙面に垂直な方向の各分割ロールの表面位置を調整でき、紙面の押込み量を紙幅方向中央部で大きく、側端部で小さくできるので、セグメントスプレッダロールの分離機能の調整をより容易にでき、また調整範囲をさらに広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図7中D−D矢視による、本発明の実施の一形態に係るセグメントスプレッダロールの構成概要立面図である。
【図2】図1中E−E矢視拡大図であり、本実施の形態のセグメントスプレッダロールの調整機構としての各分割ロールのボー量aの調整機構を示す。
【図3】図2中F−F矢視拡大断面図である。
【図4】図1から図3に示した実施の形態中、プレートの周辺の構成を示す斜視図である。
【図5】図4中G矢視による斜視図である。
【図6】複数のプレートの厚さの関係の説明図である。
【図7】一般的なツードラムワインダ設備の構成概要立面図である。
【図8】図7中A−A矢視平面図である。
【図9】図8におけるセグメントスプレッダロールの各分割ロールのボー量を強調して示す平面図である。
【図10】図9中B−B矢視による従来のセグメントスプレッダロールの調整機構の拡大断面図である。
【図11】図10中C−C矢視図である。
【符号の説明】
1 セグメントスプレッダロール
2 分割ロール
3 ハウジング
3a 座面
3b 長穴
4 プレート
5 ガイド
6 ブラケット
7 リンク
8 ピン
9 リンク
12、13 座
14、15 調整ボルト
16 目盛盤
18 架台
19 調整ボルト
20 フレーム
21 押え板
51 紙
52 リールスプロール
53 親巻きロール
54 アンワインダ装置
55 リードインロール
56 スリッタ
58 ツードラムワインダ
59 コア
60 シッピングロール
63 軸
64 ベアリング
65 ロール部
66 球面ブッシュ
75 シリンダ
75a ピストン先端
Claims (4)
- 親巻きロールから紙を巻き戻しスリッタで所定の幅にスリットし、紙幅方向に直列の複数の分割ロールからなるセグメントスプレッダロールを経由してシッピングロールを製造するワインダ設備におけるセグメントスプレッダロールの調整機構であって、前記各分割ロールを支持するハウジングを紙送り方向に移動可能に支持する複数のプレートと、同プレートを同紙送り方向に移動可能に支持しフレーム上に固定されるガイドと、前記プレートと前記ガイドの間に装着され同プレートを同ガイドに対して前記紙送り方向に移動および固定する調整ボルトと、同フレームに固定されピストン先端が前記プレートにピン支持されたリンク機構を介して前記ハウジングに連動し同ハウジングを前記プレートに対して移動させるシリンダとを備えてなることを特徴とするセグメントスプレッダロールの調整機構。
- 請求項1に記載のセグメントスプレッダロールの調整機構において、前記複数のプレートは前記紙幅方向の中央部に位置するプレートから側端部に位置するプレートへ順次厚さを減じたものとしてなることを特徴とするセグメントスプレッダロールの調整機構。
- 請求項1または請求項2に記載のセグメントスプレッダロールの調整機構を備えてなることを特徴とするワインダ設備。
- 請求項1または請求項2に記載のセグメントスプレッダロールの調整機構を用い、予め前記シリンダで前記各分割ロールのボー量を一次的に設定したのち、ついで前記調整ボルトで前記各分割ロールのボー量を二次的に微調整することを特徴とするセグメントスプレッダロールの調整方法。
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Cited By (4)
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