JP2004189405A - 抗菌性水切り袋 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヌメリ防止効果を備えながら水切りかごや、三角コーナに密着し易く、その上、包装容器から取り出し易い抗菌性水切り袋。
【解決手段】水切り袋本体11a(11b,11c)を、主として熱可塑性合成繊維からなる不織布により形成する。この水切り袋本体11a(11b,11c)に、抗菌性を有する液eを30重量%〜300重量%付与して容器19a(19b)に収納する。
【選択図】 図1
【解決手段】水切り袋本体11a(11b,11c)を、主として熱可塑性合成繊維からなる不織布により形成する。この水切り袋本体11a(11b,11c)に、抗菌性を有する液eを30重量%〜300重量%付与して容器19a(19b)に収納する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流し台の排水口内などに装着されている有底円筒形の水切りかご、あるいは、流し台のシンク内に置かれている水切り用の三角コーナーに装着し、生ごみを捕集した後、生ごみと一緒に廃棄する使い捨て用の水切り袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
流し台のシンク内に置かれている三角コーナーは、掃除や水切り袋の交換が頻繁に行われるので、ヌルヌルしたゲル状のヌメリが付着することが比較的に少ないが、流し台の排水口内に装着されている水切りかごは、掃除し難く、かつ生ごみがほぼ一杯になるまで水切り袋の交換が行われない場合があるので、ヌメリが付着し易い傾向がある。
【0003】
水切りかごや水切り袋にヌメリが発生するのを防ぐために、例えば、合成樹脂原料に抗菌剤と発泡剤とを加えて押し出した筒状の成形品を用いて水切り袋を形成することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
実開平6−87301号公報(実用新案登録請求の範囲)
【0005】
この水切り袋は、樹脂の表面にある抗菌剤がヌメリ防止効果を有するものの、樹脂内部に練り込まれた抗菌剤は容易に溶出することがないから、抗菌剤の使用量に見合う程のヌメリ防止効果が得られないという難点がある。また、抗菌剤には、樹脂を押し出す際に、熱分解することがないような高い耐熱性が求められるから、利用可能な抗菌剤の種類には、かなりの制約があるという問題がある。
【0006】
また、この水切り袋は、樹脂製であるから、円筒状の水切りかごや、三角コーナに密着し難いという難点がある。さらに、この水切り袋は、包装袋に包装されているから、取り出し難いという難点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題を克服するためになされたものであり、その目的とするところは、ヌメリを防止する効果を備えながら水切りかごや三角コーナに密着し易く、その上、包装容器から取り出し易い抗菌性水切り袋を提供することにある。
【0008】
【課題を解決する為の手段】
上記の目的を達成するため、本発明の抗菌性水切り袋は、水切り袋本体を、主として熱可塑性合成繊維からなる不織布により形成すると共に、上記水切り袋本体に、抗菌性を有する液を30重量%〜300重量%付与して容器に収納させたことを特徴としている。
【0009】
本発明の抗菌性水切り袋は、抗菌性を有する液として、抗菌剤を含有する水や抗菌機能を有する電解水を適用している。これらの液(水)の中には、芳香剤やアルコール、あるいは、界面活性剤などを含有させても差し支えがない。
【0010】
本発明の抗菌性水切り袋は、水切り袋本体を、熱可塑性合成繊維のみからなる不織布や、熱可塑性合成繊維とセルロース繊維とを混紡させた不織布によって形成している。
【0011】
本発明の抗菌性水切り袋は、水切り袋本体を、ミシン目の個所で切り離して1枚ずつ使用可能な連続体として容器に収納させている。
【0012】
本発明の抗菌性水切り袋は、水切り袋本体を、SまたはZ字形に折り加工すると共に、積み重ねた水切り袋本体の端部どうしを互いに噛み合わせて連続的に取り出せるように容器に収納させている。
【0013】
本発明の抗菌性水切り袋は、水切り袋本体の底部および/または側部にガゼット状の折り返し部を設けている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。なお、この実施の形態では、ミシン目の個所から1枚ずつ切り離せるAタイプの抗菌性水切り袋を例に採る。
【0015】
図1において、10aは、抗菌性水切り袋であり、その本体11aには、抗菌性を有する液eが本体重量の30重量%〜300重量%、より好ましくは、60重量%〜200重量%付与されている。その付与量が30重量%未満の場合は、湿り気が不足するので、水切り袋10aを円筒状の水切りかごや三角コーナーに密着させるのに手間がかかるのみならず、抗菌性を有する液の付与量が少ないために、ヌメリの発生を抑制することが難しくなる。
【0016】
一方、抗菌性を有する液の付与量が300重量%を超える場合は、水切り袋10aを円筒状の水切りかごや三角コーナーに簡単に密着させることができるが、過剰分が流失することがあるから、使用量に見合う程のヌメリ防止効果が得られない場合がある。
【0017】
水切り袋本体11aは、左右両側にそれぞれガゼット状の折り返し部12を有していると共に、ヒートシールや超音波シールなどの溶着法によってシールされた底部13aを有し、さらに、正面(外面)の合わせ部14を同じ溶着法によってシールされたセンターシール部15を有している。16aは、水切り袋10aの開口部を示している。
【0018】
図2に示すように、水切り袋本体11aは、一直線状に連続した連続体17として一体的に形成されているが、底部13aに平行に設けたミシン目18から1枚ずつ切り離せるようになっている。なお、ヒートシール部13aとミシン目18とは、直線でなく弧状の曲線であってもよい。この水切り袋本体11aは、ロール状に巻かれた後、円筒形の密閉容器19a内に収納されている(図3参照)。
【0019】
抗菌性を有する液の付与は、水切り袋本体11aをロール状に巻き取る前、あるいは、ロール状に巻き取った後に施される。密閉容器19a内の水切り袋10aは、開閉蓋20aを開けて取出口21aから1枚ずつ取り出せるため、使い勝手が良好である。
【0020】
一方、図4に示すように、Bタイプの水切り袋10bは、その本体11bの左右両側にガゼット状の折り返し部12を有すると共に、下方にガゼット状の底部13bを有している。そして、折り返し部12と、鏡面22とを重ね合わせた合わせ部分にヒートシールや超音波シールなどの溶着法によってシールされたサイドシール部23bを有している。16bは、水切り袋10bの開口部を示している。
【0021】
このBタイプの水切り袋本体11bは、例えば、SまたはZ字形に折り曲げた後、積み重ねた水切り袋本体11bの端部どうしを互いに噛み合わせて連続的に取り出せるように直方体形の密閉容器19bに収納されている(図6参照)。20bは密閉容器の開閉蓋、21bは水切り袋の取出口を示している。
【0022】
また、図5に示すように、Cタイプの水切り袋10cは、その本体11cの左右両側にヒートシールや超音波シールなどの溶着法によってシールされたサイドシール部23cを有すると共に、その底部にガゼット状の底部13cを有している。この底部13cは、ボトムシール部24により本体11cに接続されている。16cは、水切り袋10cの開口部を示している。このCタイプの水切り袋10cは、Bタイプの水切り袋10bと同様に加工して密閉容器19bに収納可能である。
【0023】
このBおよびCタイプの水切り袋10b,10cは、接続片を介して互いに連結させてAタイプの水切り袋10aのような連続体に加工した後、円筒形の密閉容器19aに収納させることもできる。また、Aタイプの水切り袋10aは、B及びCタイプの水切り袋10b,10cのように加工後、長方形の密閉容器19bに収納させることもできる。
なお、B〜Cタイプの水切り袋本体11b,11cは、1枚ずつ切り離されて、重ね合わされた状態で密閉容器19bに収納されていてもよい。
【0024】
これらの水切り袋本体11(11a〜11c)は、不織布で形成されているが、不織布としては、例えば、乾式不織布、湿式不織布、スパンポンド不織布、エアレイドド法による不織布などが好ましい。特に、エアレイドド法で製造された不織布は、不織布を形成している繊維が、不織布の長手方向、幅方向および厚み方向にランダムに3次元配向されているので好ましい。
【0025】
ここで、エアレイドド法による不織布の製法は、繊維を空気流に均一分散させながら搬送し、吐出部に設けた細孔から吹き出した繊維を、下部に設置された金属またはプラスチックのネットに落とし、ネット下部で空気をサクションしながら、繊維のみをネット上に集積する。このように製造された不織布は、不織布の流れ方向、幅方向および厚み方向へ繊維をランダムに3次元配向させることが可能である。また、エアレイドド法で製造した不織布は、均一性が良好なので、性能のバラツキも少なくなる。
【0026】
エアレイドド法において、繊維交絡点を互いに結合させ、不織布シートとして一体化するには、加熱して繊維どうしを融着させるのが効率的である。このような熱融着繊維としては、ポリオレフィン系以外にポリエステル系も挙げられる。このうち、ポリオレフィン系熱融着繊維としては、芯鞘型や偏芯サイドバイサイド型の複合繊維が好適である。鞘あるいは繊維外周部を構成するポリオレフィンとしては、ポリエチレンやポリプロピレンが挙げられる。芯成分あるいは繊維内層部を構成するポリマーとしては、鞘より高融点であり、加熱融着処理温度で変化しないポリマーが好ましい。このような組み合わせとして、例えば、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリエチレン/ポリエステル、ポリプロピレン/ポリエステルなどが挙げられる。これらのポリマーは、本発明の作用・効果を阻害しない範囲で変性されていても差し支えがない。
【0027】
このような熱融着繊維のウエブを、鞘あるいは繊維外周部のポリマーの融点以上、好ましくは、融点プラス10℃以上の温度で加熱処理することにより繊維間がしっかり融着され、繊維の脱落現象が皆無となる。
水切り袋の主体となる不織布は、単層でもよいが、二層以上でもよく、例えば、セルロース短繊維と熱可塑性合成繊維スフからなる中間層に熱融着繊維(スフ)層が表裏に積層された三層構造が好ましい態様として挙げることができる。
【0028】
不織布の目付としては、10g/m2以上がよく、特に、15〜25g/m2が好ましい。目付が10g/m2未満の場合は、強度が不足するのみならず、微細懸濁物の捕集性が悪化する。一方、目付が25g/m2を超えると、水切り性が悪化し、実用性に欠ける。
【0029】
不織布としては、熱可塑性合成繊維のみで形成された不織布や、熱可塑性合成繊維にセルロース繊維を混入させた混紡製の不織布が好ましい。
熱可塑性合成繊維としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、アクリルなどが好ましい。一方、セルロース繊維としては、レーヨン、コットン、麻、ケフナ、バガス、パルプなどが好ましい。
【0030】
不織布の素材として、熱可塑性合成繊維とセルロース繊維を混紡する場合、両者の使用割合は、不織布全体の重量中に、熱可塑性合成繊維が50〜95重量%、好ましくは60〜90重量%、セルロース繊維が50〜5重量%、好ましくは40〜10重量%[ただし、熱可塑性合成繊維+セルロース繊維=100重量%]である。セルロース繊維を5重量%以上用いることにより、抗菌性を有する液の保液率が向上し、本発明の目的に沿うものとなる。一方、セルロース繊維が50重量%を超えると、得られる不織布の強度が低下し実用性に欠ける。しかも、ヒートシール性もダウンするので、製袋のコストが上昇して好ましくない。
【0031】
不織布を形成するときは、上記エアレイド法のみならず、不織布自体を加熱して繊維どうしを融着させるのが効率的である。このような熱融着繊維としては、上記のような、エアレイド法に用いられるポリオレフィン系やポリエステル系の熱融着繊維が挙げられる。
【0032】
不織布を構成する繊維の単糸デニールは、20デニール以下が好ましい。特に、3〜15デニールが好ましい。単糸デニールが20デニールを超えると、繊維どうしの間隔が大きくなり、微細懸濁物の捕集性が悪化する。
また、上記エアレイド法などによる短繊維製の不織布の場合、用いられる繊維の繊維長は、通常、3〜10mm、好ましくは3〜5mmである。
【0033】
本発明の水切り袋本体11aないし11cには、ヌメリの原因となる雑菌の増殖を抑制するために、抗菌性を有する液が付与されている。抗菌性を有する液体としては、抗菌機能を有する電解水や、抗菌剤を含有する水などが好ましい。これらの水には、所望により、芳香剤、アルコール、界面活性剤などを含有してもよい。
【0034】
抗菌剤としては、抗菌性のカチオン系界面活性剤が使用される。この界面活性剤の例には、例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルペンタエトキシアンモニウム、塩化メチルベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、臭化アルキルイソキノリウム、臭化ドミフェンなどがある。また、フェニルアミド系、銅化合物系、ビグアナイド系、ピリドン系、ナフチリジン系、ベンゾピリジン系、無機系、銀系などの抗菌剤も使用することができる。
なお、これらの抗菌剤の使用量は、固形分換算で、水切り袋本体を構成する不織布に対し、通常、0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜2重量%程度である。0.1重量%未満では、抗菌作用が不充分であり、一方、5重量%を超えても抗菌効果が比例的に増大するものではなく不経済である。
【0035】
上記の抗菌性を有する液は、水切り袋にスプレーしたり、水切り袋を抗菌性を有する液に浸漬したりすることによって付与することができる。
【0036】
【発明の効果】
上記のように、本発明は、不織布製の水切り袋本体に、抗菌性を有する液を30重量%〜300重量%付与させているので、密着性が増し、有底円筒状の水切りかごや、三角コーナに簡単に密着させることが可能になった。
【0037】
また、本発明の水切り袋は、抗菌性を有する液が30重量%〜300重量%付与されているから、水切り袋に付与されている抗菌性を有する液が、有底円筒状の水切りかごや三角コーナの裏側にも回り込み易くなり、水切り袋に接触していない有底円筒状の水切りかごや、三角コーナの裏側におけるヌメリの発生を抑制することが可能になった。
【0038】
さらに、本発明の水切り袋は、ミシン目の個所で切り離して1枚ずつ使用可能な連続体として容器に収納させたり、あるいは、水切り袋本体を、SまたはZ字形に折り加工すると共に、積み重ねた水切り袋本体の端部どうしを互いに噛み合わせて連続的に取り出せるように容器に収納させているので、容器からの取り出しが容易になり、使い勝手が大幅に向上するようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る抗菌性水切り袋の斜視図である。
【図2】図1の水切り袋の連続体を示す平面図である。
【図3】図2の水切り袋の連続体をロール状に巻いて容器に収納した状態を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る抗菌性水切り袋の他の一例を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る抗菌性水切り袋の他の一例を示す斜視図である。
【図6】容器から抗菌性水切り袋を一枚ずつ取り出す様子を示す斜視図である。
【符号の説明】
e 抗菌性を有する液
10a〜10c 抗菌性水切り袋
11a〜11c 水切り袋本体
19a,19b 容器
【発明の属する技術分野】
本発明は、流し台の排水口内などに装着されている有底円筒形の水切りかご、あるいは、流し台のシンク内に置かれている水切り用の三角コーナーに装着し、生ごみを捕集した後、生ごみと一緒に廃棄する使い捨て用の水切り袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
流し台のシンク内に置かれている三角コーナーは、掃除や水切り袋の交換が頻繁に行われるので、ヌルヌルしたゲル状のヌメリが付着することが比較的に少ないが、流し台の排水口内に装着されている水切りかごは、掃除し難く、かつ生ごみがほぼ一杯になるまで水切り袋の交換が行われない場合があるので、ヌメリが付着し易い傾向がある。
【0003】
水切りかごや水切り袋にヌメリが発生するのを防ぐために、例えば、合成樹脂原料に抗菌剤と発泡剤とを加えて押し出した筒状の成形品を用いて水切り袋を形成することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
実開平6−87301号公報(実用新案登録請求の範囲)
【0005】
この水切り袋は、樹脂の表面にある抗菌剤がヌメリ防止効果を有するものの、樹脂内部に練り込まれた抗菌剤は容易に溶出することがないから、抗菌剤の使用量に見合う程のヌメリ防止効果が得られないという難点がある。また、抗菌剤には、樹脂を押し出す際に、熱分解することがないような高い耐熱性が求められるから、利用可能な抗菌剤の種類には、かなりの制約があるという問題がある。
【0006】
また、この水切り袋は、樹脂製であるから、円筒状の水切りかごや、三角コーナに密着し難いという難点がある。さらに、この水切り袋は、包装袋に包装されているから、取り出し難いという難点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題を克服するためになされたものであり、その目的とするところは、ヌメリを防止する効果を備えながら水切りかごや三角コーナに密着し易く、その上、包装容器から取り出し易い抗菌性水切り袋を提供することにある。
【0008】
【課題を解決する為の手段】
上記の目的を達成するため、本発明の抗菌性水切り袋は、水切り袋本体を、主として熱可塑性合成繊維からなる不織布により形成すると共に、上記水切り袋本体に、抗菌性を有する液を30重量%〜300重量%付与して容器に収納させたことを特徴としている。
【0009】
本発明の抗菌性水切り袋は、抗菌性を有する液として、抗菌剤を含有する水や抗菌機能を有する電解水を適用している。これらの液(水)の中には、芳香剤やアルコール、あるいは、界面活性剤などを含有させても差し支えがない。
【0010】
本発明の抗菌性水切り袋は、水切り袋本体を、熱可塑性合成繊維のみからなる不織布や、熱可塑性合成繊維とセルロース繊維とを混紡させた不織布によって形成している。
【0011】
本発明の抗菌性水切り袋は、水切り袋本体を、ミシン目の個所で切り離して1枚ずつ使用可能な連続体として容器に収納させている。
【0012】
本発明の抗菌性水切り袋は、水切り袋本体を、SまたはZ字形に折り加工すると共に、積み重ねた水切り袋本体の端部どうしを互いに噛み合わせて連続的に取り出せるように容器に収納させている。
【0013】
本発明の抗菌性水切り袋は、水切り袋本体の底部および/または側部にガゼット状の折り返し部を設けている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。なお、この実施の形態では、ミシン目の個所から1枚ずつ切り離せるAタイプの抗菌性水切り袋を例に採る。
【0015】
図1において、10aは、抗菌性水切り袋であり、その本体11aには、抗菌性を有する液eが本体重量の30重量%〜300重量%、より好ましくは、60重量%〜200重量%付与されている。その付与量が30重量%未満の場合は、湿り気が不足するので、水切り袋10aを円筒状の水切りかごや三角コーナーに密着させるのに手間がかかるのみならず、抗菌性を有する液の付与量が少ないために、ヌメリの発生を抑制することが難しくなる。
【0016】
一方、抗菌性を有する液の付与量が300重量%を超える場合は、水切り袋10aを円筒状の水切りかごや三角コーナーに簡単に密着させることができるが、過剰分が流失することがあるから、使用量に見合う程のヌメリ防止効果が得られない場合がある。
【0017】
水切り袋本体11aは、左右両側にそれぞれガゼット状の折り返し部12を有していると共に、ヒートシールや超音波シールなどの溶着法によってシールされた底部13aを有し、さらに、正面(外面)の合わせ部14を同じ溶着法によってシールされたセンターシール部15を有している。16aは、水切り袋10aの開口部を示している。
【0018】
図2に示すように、水切り袋本体11aは、一直線状に連続した連続体17として一体的に形成されているが、底部13aに平行に設けたミシン目18から1枚ずつ切り離せるようになっている。なお、ヒートシール部13aとミシン目18とは、直線でなく弧状の曲線であってもよい。この水切り袋本体11aは、ロール状に巻かれた後、円筒形の密閉容器19a内に収納されている(図3参照)。
【0019】
抗菌性を有する液の付与は、水切り袋本体11aをロール状に巻き取る前、あるいは、ロール状に巻き取った後に施される。密閉容器19a内の水切り袋10aは、開閉蓋20aを開けて取出口21aから1枚ずつ取り出せるため、使い勝手が良好である。
【0020】
一方、図4に示すように、Bタイプの水切り袋10bは、その本体11bの左右両側にガゼット状の折り返し部12を有すると共に、下方にガゼット状の底部13bを有している。そして、折り返し部12と、鏡面22とを重ね合わせた合わせ部分にヒートシールや超音波シールなどの溶着法によってシールされたサイドシール部23bを有している。16bは、水切り袋10bの開口部を示している。
【0021】
このBタイプの水切り袋本体11bは、例えば、SまたはZ字形に折り曲げた後、積み重ねた水切り袋本体11bの端部どうしを互いに噛み合わせて連続的に取り出せるように直方体形の密閉容器19bに収納されている(図6参照)。20bは密閉容器の開閉蓋、21bは水切り袋の取出口を示している。
【0022】
また、図5に示すように、Cタイプの水切り袋10cは、その本体11cの左右両側にヒートシールや超音波シールなどの溶着法によってシールされたサイドシール部23cを有すると共に、その底部にガゼット状の底部13cを有している。この底部13cは、ボトムシール部24により本体11cに接続されている。16cは、水切り袋10cの開口部を示している。このCタイプの水切り袋10cは、Bタイプの水切り袋10bと同様に加工して密閉容器19bに収納可能である。
【0023】
このBおよびCタイプの水切り袋10b,10cは、接続片を介して互いに連結させてAタイプの水切り袋10aのような連続体に加工した後、円筒形の密閉容器19aに収納させることもできる。また、Aタイプの水切り袋10aは、B及びCタイプの水切り袋10b,10cのように加工後、長方形の密閉容器19bに収納させることもできる。
なお、B〜Cタイプの水切り袋本体11b,11cは、1枚ずつ切り離されて、重ね合わされた状態で密閉容器19bに収納されていてもよい。
【0024】
これらの水切り袋本体11(11a〜11c)は、不織布で形成されているが、不織布としては、例えば、乾式不織布、湿式不織布、スパンポンド不織布、エアレイドド法による不織布などが好ましい。特に、エアレイドド法で製造された不織布は、不織布を形成している繊維が、不織布の長手方向、幅方向および厚み方向にランダムに3次元配向されているので好ましい。
【0025】
ここで、エアレイドド法による不織布の製法は、繊維を空気流に均一分散させながら搬送し、吐出部に設けた細孔から吹き出した繊維を、下部に設置された金属またはプラスチックのネットに落とし、ネット下部で空気をサクションしながら、繊維のみをネット上に集積する。このように製造された不織布は、不織布の流れ方向、幅方向および厚み方向へ繊維をランダムに3次元配向させることが可能である。また、エアレイドド法で製造した不織布は、均一性が良好なので、性能のバラツキも少なくなる。
【0026】
エアレイドド法において、繊維交絡点を互いに結合させ、不織布シートとして一体化するには、加熱して繊維どうしを融着させるのが効率的である。このような熱融着繊維としては、ポリオレフィン系以外にポリエステル系も挙げられる。このうち、ポリオレフィン系熱融着繊維としては、芯鞘型や偏芯サイドバイサイド型の複合繊維が好適である。鞘あるいは繊維外周部を構成するポリオレフィンとしては、ポリエチレンやポリプロピレンが挙げられる。芯成分あるいは繊維内層部を構成するポリマーとしては、鞘より高融点であり、加熱融着処理温度で変化しないポリマーが好ましい。このような組み合わせとして、例えば、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリエチレン/ポリエステル、ポリプロピレン/ポリエステルなどが挙げられる。これらのポリマーは、本発明の作用・効果を阻害しない範囲で変性されていても差し支えがない。
【0027】
このような熱融着繊維のウエブを、鞘あるいは繊維外周部のポリマーの融点以上、好ましくは、融点プラス10℃以上の温度で加熱処理することにより繊維間がしっかり融着され、繊維の脱落現象が皆無となる。
水切り袋の主体となる不織布は、単層でもよいが、二層以上でもよく、例えば、セルロース短繊維と熱可塑性合成繊維スフからなる中間層に熱融着繊維(スフ)層が表裏に積層された三層構造が好ましい態様として挙げることができる。
【0028】
不織布の目付としては、10g/m2以上がよく、特に、15〜25g/m2が好ましい。目付が10g/m2未満の場合は、強度が不足するのみならず、微細懸濁物の捕集性が悪化する。一方、目付が25g/m2を超えると、水切り性が悪化し、実用性に欠ける。
【0029】
不織布としては、熱可塑性合成繊維のみで形成された不織布や、熱可塑性合成繊維にセルロース繊維を混入させた混紡製の不織布が好ましい。
熱可塑性合成繊維としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、アクリルなどが好ましい。一方、セルロース繊維としては、レーヨン、コットン、麻、ケフナ、バガス、パルプなどが好ましい。
【0030】
不織布の素材として、熱可塑性合成繊維とセルロース繊維を混紡する場合、両者の使用割合は、不織布全体の重量中に、熱可塑性合成繊維が50〜95重量%、好ましくは60〜90重量%、セルロース繊維が50〜5重量%、好ましくは40〜10重量%[ただし、熱可塑性合成繊維+セルロース繊維=100重量%]である。セルロース繊維を5重量%以上用いることにより、抗菌性を有する液の保液率が向上し、本発明の目的に沿うものとなる。一方、セルロース繊維が50重量%を超えると、得られる不織布の強度が低下し実用性に欠ける。しかも、ヒートシール性もダウンするので、製袋のコストが上昇して好ましくない。
【0031】
不織布を形成するときは、上記エアレイド法のみならず、不織布自体を加熱して繊維どうしを融着させるのが効率的である。このような熱融着繊維としては、上記のような、エアレイド法に用いられるポリオレフィン系やポリエステル系の熱融着繊維が挙げられる。
【0032】
不織布を構成する繊維の単糸デニールは、20デニール以下が好ましい。特に、3〜15デニールが好ましい。単糸デニールが20デニールを超えると、繊維どうしの間隔が大きくなり、微細懸濁物の捕集性が悪化する。
また、上記エアレイド法などによる短繊維製の不織布の場合、用いられる繊維の繊維長は、通常、3〜10mm、好ましくは3〜5mmである。
【0033】
本発明の水切り袋本体11aないし11cには、ヌメリの原因となる雑菌の増殖を抑制するために、抗菌性を有する液が付与されている。抗菌性を有する液体としては、抗菌機能を有する電解水や、抗菌剤を含有する水などが好ましい。これらの水には、所望により、芳香剤、アルコール、界面活性剤などを含有してもよい。
【0034】
抗菌剤としては、抗菌性のカチオン系界面活性剤が使用される。この界面活性剤の例には、例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルペンタエトキシアンモニウム、塩化メチルベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、臭化アルキルイソキノリウム、臭化ドミフェンなどがある。また、フェニルアミド系、銅化合物系、ビグアナイド系、ピリドン系、ナフチリジン系、ベンゾピリジン系、無機系、銀系などの抗菌剤も使用することができる。
なお、これらの抗菌剤の使用量は、固形分換算で、水切り袋本体を構成する不織布に対し、通常、0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜2重量%程度である。0.1重量%未満では、抗菌作用が不充分であり、一方、5重量%を超えても抗菌効果が比例的に増大するものではなく不経済である。
【0035】
上記の抗菌性を有する液は、水切り袋にスプレーしたり、水切り袋を抗菌性を有する液に浸漬したりすることによって付与することができる。
【0036】
【発明の効果】
上記のように、本発明は、不織布製の水切り袋本体に、抗菌性を有する液を30重量%〜300重量%付与させているので、密着性が増し、有底円筒状の水切りかごや、三角コーナに簡単に密着させることが可能になった。
【0037】
また、本発明の水切り袋は、抗菌性を有する液が30重量%〜300重量%付与されているから、水切り袋に付与されている抗菌性を有する液が、有底円筒状の水切りかごや三角コーナの裏側にも回り込み易くなり、水切り袋に接触していない有底円筒状の水切りかごや、三角コーナの裏側におけるヌメリの発生を抑制することが可能になった。
【0038】
さらに、本発明の水切り袋は、ミシン目の個所で切り離して1枚ずつ使用可能な連続体として容器に収納させたり、あるいは、水切り袋本体を、SまたはZ字形に折り加工すると共に、積み重ねた水切り袋本体の端部どうしを互いに噛み合わせて連続的に取り出せるように容器に収納させているので、容器からの取り出しが容易になり、使い勝手が大幅に向上するようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る抗菌性水切り袋の斜視図である。
【図2】図1の水切り袋の連続体を示す平面図である。
【図3】図2の水切り袋の連続体をロール状に巻いて容器に収納した状態を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る抗菌性水切り袋の他の一例を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る抗菌性水切り袋の他の一例を示す斜視図である。
【図6】容器から抗菌性水切り袋を一枚ずつ取り出す様子を示す斜視図である。
【符号の説明】
e 抗菌性を有する液
10a〜10c 抗菌性水切り袋
11a〜11c 水切り袋本体
19a,19b 容器
Claims (8)
- 水切り袋本体を、主として熱可塑性合成繊維からなる不織布により形成すると共に、上記水切り袋本体に、抗菌性を有する液を30重量%〜300重量%付与して容器に収納させたことを特徴とする抗菌性水切り袋。
- 抗菌性を有する液が、抗菌剤を含有する水である請求項1記載の抗菌性水切り袋。
- 抗菌性を有する液が、抗菌機能を有する電解水である請求項1記載の抗菌性水切り袋。
- 水切り袋本体を、熱可塑性合成繊維のみからなる不織布で形成してなる請求項1記載の抗菌性水切り袋。
- 水切り袋本体を、熱可塑性合成繊維とセルロース繊維とを混紡させた不織布で形成してなる請求項1記載の抗菌性水切り袋。
- 水切り袋本体を、ミシン目の個所で切り離して1枚ずつ使用可能な連続体として容器に収納させてなる請求項1、4または5記載の抗菌性水切り袋。
- 水切り袋本体を、SまたはZ字形に折り加工すると共に、積み重ねた水切り袋本体の端部どうしを互いに噛み合わせて連続的に取り出せるように容器に収納させてなる請求項1、4または5記載の抗菌性水切り袋。
- 水切り袋本体の底部および/または側部にガゼット状の折り返し部を設けてなる請求項1、4、5、6または7記載の抗菌性水切り袋。
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JP2002358966A JP2004189405A (ja) | 2002-12-11 | 2002-12-11 | 抗菌性水切り袋 |
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JP (1) | JP2004189405A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009112927A (ja) * | 2007-11-05 | 2009-05-28 | Japan Organo Co Ltd | 分離膜の改質方法、その方法により改質された分離膜、改質薬品、ならびに分離膜の改質に用いる装置 |
-
2002
- 2002-12-11 JP JP2002358966A patent/JP2004189405A/ja active Pending
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