JP2004189395A - エレベータ巻上機及びそのブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ライニング及びディスクの長寿命化を図ることができるとともに、ディスクの製造コストの増大を防止することができるエレベータ巻上機及びそのブレーキ装置を得ることを目的とする。
【解決手段】回転軸1には、ディスク15が取り付けられている。ディスク15は回転軸1と一体に回転される。ディスク15には、ディスク15に接離する向きに往復動されるアマチュア22が対向している。アマチュア22のディスク15側には、ディスク15の周方向に互いに間隔を置いて3つのライニング24が貼り付けられている。ディスク15の周方向について各ライニング24と同位置に、アマチュア22を往復動させる制動ばね23及び電磁マグネット18が配置されている。回転軸1は、各ライニング24がディスク15に押し付けられることにより制動される。
【選択図】 図1
【解決手段】回転軸1には、ディスク15が取り付けられている。ディスク15は回転軸1と一体に回転される。ディスク15には、ディスク15に接離する向きに往復動されるアマチュア22が対向している。アマチュア22のディスク15側には、ディスク15の周方向に互いに間隔を置いて3つのライニング24が貼り付けられている。ディスク15の周方向について各ライニング24と同位置に、アマチュア22を往復動させる制動ばね23及び電磁マグネット18が配置されている。回転軸1は、各ライニング24がディスク15に押し付けられることにより制動される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エレベータのかごを昇降させるためのエレベータ巻上機及びそのブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のエレベータ巻上機のディスクブレーキ装置では、巻上機の回転軸と一体に回転するディスクにドーナツ形のライニングを押し付けて回転軸の回転を制動している。ライニングは、制動時にばねによりディスクに押し付けられ、制動解除時には電磁マグネットの電磁力によりディスクから開離される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−211858号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ライニングがディスクに対して少しでも傾いていると、ライニングとディスクとの接触に偏りが生じ、ライニング及びディスクが偏摩耗しやすい。
【0005】
また、ライニングがドーナツ形であるので、ばねによる押し付け力がライニングの面全体に分散されてしまい、ライニングのディスクに対する単位面積当たりの押し付け力が小さくなる。従って、ライニングのディスクに対する面全体の面積のうち実際の制動に有効に寄与するライニングの面積の割合(有効接触面積比)が小さくなる。この有効接触面積比を大きくするために、ディスクの平面度を高くする必要があるので、コストの増大を招いてしまう。
【0006】
そこでこの発明は、上記のような問題点を解決することを課題とするもので、ライニング及びディスクの長寿命化を図ることができるとともに、ディスクの製造コストの増大を防止することができるエレベータ巻上機及びそのブレーキ装置を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るエレベータ巻上機のブレーキ装置は、エレベータ巻上機の回転軸と一体に回転されるディスク、ディスクの周方向に互いに間隔を置いて配置され、ディスクに押し付けられることによりディスクの回転を制動する複数の制動体、ディスクの周方向について各制動体と同位置に配置され、各制動体をディスクに押し付ける複数の付勢手段、及びディスクの周方向について各制動体と同位置に配置され、各付勢手段の付勢力に逆らって制動体をディスクから開離させる複数の電磁マグネットを備えている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるエレベータ巻上機を示す縦断面図である。また図2は、図1のエレベータ巻上機を示す側面図である。図において、巻上機の回転軸1は、巻上機フレーム2によって軸受3を介して回転自在に支持されている。回転軸1には、回転軸1と一体に回転される円筒状の駆動綱車4が設けられている。駆動綱車4には、主索であるロープ(図示しない)が巻き掛けられる。また、回転軸1及び駆動綱車4は、モータ部5により回転される。
【0009】
モータ部5は、駆動綱車4に隣接して設けられた円筒状の回転子7と、回転子7に対向するように巻上機フレーム2に支持された固定子8とを有している。回転子7は、回転軸1の軸線が中心になるように駆動綱車4に形成された円筒部9と、円筒部9の外周面に取り付けられた複数の永久磁石10とを有している。固定子8は、通電により回転磁界を発生する固定子コイル11を有し、複数の永久磁石10に対向している。回転軸1、駆動綱車4及び円筒部9は、一体成形されている。回転軸1、駆動綱車4及び回転子7は、固定子コイル11への通電により一体に回転される。
【0010】
回転軸1の駆動綱車4と軸受3との間の表面部分には、回転軸1の軸線に沿って延びたスプライン溝12が形成されている。回転軸1には、スプライン溝12に配置されたキー13を介してハブ14が取り付けられている。ハブ14には、回転軸1と一体に回転される円板状のディスク15が回転軸1の軸線に対して垂直に取り付けられている。ディスク15は、キー13により回転軸1に対して周方向に位置決めされ、軸線に沿った方向の所定範囲内で往復変位可能になっている。
【0011】
巻上機フレーム2には、ドーナツ板状の取付板16が複数のボルト17によって固定されている。取付板16は、回転軸1の軸線に対して垂直に配置されている。取付板16のディスク15側には、3個の電磁マグネット18が固定されている。各電磁マグネット18は、回転軸1の周方向に互いに等間隔で配置されている(図2参照)。各電磁マグネット18は、取付ボルト19によって取付板16に固定されている鉄心20と、鉄心20に取り付けられている電磁コイル21とを有している。電磁コイル21及び固定子コイル11への通電は、同一タイミングで行われる。
【0012】
各電磁マグネット18とディスク15との間には、ドーナツ板状のアマチュア22が回転軸1の軸線が中心となるように配置されている。アマチュア22は、回転軸1の軸線に対して垂直に配置されている。また、アマチュア22と各電磁マグネット18との間には、アマチュア22をディスク15側へ付勢する付勢手段である制動ばね23がそれぞれ配置されている。
【0013】
アマチュア22のディスク15側には、制動体である3つのライニング24が各電磁マグネット18の配置に対応して貼り付けられている。即ち、電磁マグネット18、制動ばね23及びライニング24は、ディスク15の周方向について互いに同位置に配置されている(図2参照)。各ライニング24は、電磁コイル21に通電されていないとき制動ばね23の付勢力によりディスク15に押し付けられ、また対応する電磁マグネット18の電磁コイル21への通電により制動ばね23の付勢力に逆らってディスク15から開離される。
【0014】
ディスク15と駆動綱車4との間には、ドーナツ板状の固定板25がアマチュア22と平行に配置されている。固定板25のディスク15側には、3つのライニング26がライニング24に対応して貼り付けられている。ディスク15は、ライニング24がディスク15に押し付けられることにより回転軸1の軸線に沿って変位され、ライニング26に押し付けられる。
【0015】
取付板16、電磁マグネット18、アマチュア22及び固定板25には、通しボルト27が通されている。通しボルト27の一端部は、取付板16に固定されている。通しボルト27の他端部には、固定板25が固定されている。また、アマチュア22は、通しボルト27に沿って変位可能にされている。
なお、回転軸1の先端部には、エンコーダ6が取り付けられている。また、ブレーキ装置28は、電磁マグネット18、アマチュア22、制動ばね23、ライニング24、ディスク15、固定板25及びライニング26を有している。
【0016】
次に、動作について説明する。
巻上機停止時には、ディスク15は、制動ばね23の付勢力によってライニング24及びライニング26との間に挟まれ、拘束されている。即ち、ディスク15とライニング24,26との間の摩擦力により、ディスク15の回転は制動されている。
【0017】
巻上機の駆動が開始されるときには、電磁コイル21への通電により、電磁マグネット18に電磁吸引力が発生する。この電磁吸引力により、アマチュア22が制動ばね23の付勢力に逆らって電磁マグネット18に向かって変位され、各ライニング24がディスク15から開離される。これにより、ディスク15の拘束は解除される。これと同時に固定子コイル11にも通電され、回転軸1及び駆動綱車4が回転される。
【0018】
このようなエレベータ巻上機及びそのブレーキ装置28では、各ライニング24はディスク15の周方向に互いに間隔を置いて配置され、電磁マグネット18及び制動ばね23はディスク15の周方向についてライニング24と同位置に配置されているので、各制動ばね23の付勢力は、対応するライニング24のディスク15への押し付けに有効に寄与する。このことから、各ライニング24のディスク15に対向する面全体の面積のうち回転軸1の実際の制動に有効に寄与する面積の割合(有効接触面積比)を増大させることができ、ブレーキ力を向上させることができる。また、制動ばね23による押し付け力がライニング24ごとに作用するので、各ライニング24はディスク15に確実に押し付けられる。このため、各ライニング24の摩耗も均等に近づき、偏摩耗もしにくくなる。従って、各ライニング24及びディスク15の長寿命化を図ることができる。
【0019】
また、各ライニング24の有効接触面積比が増大するので、ディスク15の径方向について各ライニング24の長さを短くすることができる。回転するディスク15に各ライニング24が接触する場合、各ライニング24はディスク15の周方向に沿った環状部分に接触するが、各ライニング24の径方向の長さが短くなることにより、この環状部分の径方向の幅は狭くなる。この幅の狭くなった環状部分の平面度を高くするだけでブレーキ力を向上させることができるので、ディスク15の製造コストの増大も防止することができる。
【0020】
また、ライニング24,26及び電磁マグネット18は、個別に複数配置されているので、全体を解体することなく個々の部品を取り換えることができ、容易に保守点検できる。
【0021】
また、ライニング24は、ディスク15の周方向に互いに等間隔で配置されているので、ブレーキ装置全体としての制動力をより安定させることができる。
【0022】
なお、上記の例では、ライニング24の貼り付け箇所が3箇所となっているが、2箇所あるいは4箇所以上であってもよい。この場合、ブレーキ力の調整のために、各ライニング24のディスク15に対向する面の面積もライニング24の数に応じて調整される。また、電磁マグネット18、制動ばね23及びライニング26もライニング24に対応して配置される。
【0023】
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2によるエレベータ巻上機を示す縦断面図である。図において、回転子7は、駆動綱車4のブレーキ装置28側に設けられている。ブレーキ装置28は、回転軸1と回転子7との間に配置されている。他の構成は実施の形態1と同様である。
【0024】
図4は、図3に示すエレベータ巻上機の昇降路内での設置状態を示す斜視図である。図に示すように、エレベータ巻上機30は、昇降路31の内側面と昇降路31内を昇降するかご32の外側面との間に設置されている。
【0025】
このように、ブレーキ装置28を回転軸1と回転子7との間に配置したので、エレベータ巻上機30の回転軸1の軸線方向の長さを短くできる。このことから、図4に示すような昇降路31内のわずかな隙間にエレベータ巻上機30を設置することができ、昇降路31内の空間を有効に活用することができる。従って、機械室を持たない機械室レスエレベータへの適用に特に好適である。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明に係るエレベータ巻上機のブレーキ装置は、ディスクの周方向に互いに間隔を置いて配置され、ディスクに押し付けられることによりディスクの回転を制動する複数の制動体、ディスクの周方向について各制動体と同位置に配置され、各制動体をディスクに押し付ける複数の付勢手段、及びディスクの周方向について各制動体と同位置に配置され、各付勢手段の付勢力に逆らって制動体をディスクから開離させる複数の電磁マグネットを備えているので、各制動体の摩耗も均等に近づいて偏摩耗しにくくなり、制動体及びディスクの長寿命化を図ることができる。また、ディスクの径方向について各制動体の長さを短くすることができるので、高い平面度を必要とするディスクの各制動体の接触部分を縮小でき、ディスクの製造も容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1によるエレベータ巻上機を示す縦断面図である。
【図2】図1のエレベータ巻上機を示す側面図である。
【図3】この発明の実施の形態2によるエレベータ巻上機を示す縦断面図である。
【図4】図3に示すエレベータ巻上機の昇降路内での設置状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 回転軸、4 駆動綱車、5 モータ部、7 回転子、8 固定子、15 ディスク、18 電磁マグネット、23 ばね(付勢手段)、24 ライニング(制動体)、28 ブレーキ装置、30 エレベータ巻上機。
【発明の属する技術分野】
この発明は、エレベータのかごを昇降させるためのエレベータ巻上機及びそのブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のエレベータ巻上機のディスクブレーキ装置では、巻上機の回転軸と一体に回転するディスクにドーナツ形のライニングを押し付けて回転軸の回転を制動している。ライニングは、制動時にばねによりディスクに押し付けられ、制動解除時には電磁マグネットの電磁力によりディスクから開離される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−211858号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ライニングがディスクに対して少しでも傾いていると、ライニングとディスクとの接触に偏りが生じ、ライニング及びディスクが偏摩耗しやすい。
【0005】
また、ライニングがドーナツ形であるので、ばねによる押し付け力がライニングの面全体に分散されてしまい、ライニングのディスクに対する単位面積当たりの押し付け力が小さくなる。従って、ライニングのディスクに対する面全体の面積のうち実際の制動に有効に寄与するライニングの面積の割合(有効接触面積比)が小さくなる。この有効接触面積比を大きくするために、ディスクの平面度を高くする必要があるので、コストの増大を招いてしまう。
【0006】
そこでこの発明は、上記のような問題点を解決することを課題とするもので、ライニング及びディスクの長寿命化を図ることができるとともに、ディスクの製造コストの増大を防止することができるエレベータ巻上機及びそのブレーキ装置を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るエレベータ巻上機のブレーキ装置は、エレベータ巻上機の回転軸と一体に回転されるディスク、ディスクの周方向に互いに間隔を置いて配置され、ディスクに押し付けられることによりディスクの回転を制動する複数の制動体、ディスクの周方向について各制動体と同位置に配置され、各制動体をディスクに押し付ける複数の付勢手段、及びディスクの周方向について各制動体と同位置に配置され、各付勢手段の付勢力に逆らって制動体をディスクから開離させる複数の電磁マグネットを備えている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるエレベータ巻上機を示す縦断面図である。また図2は、図1のエレベータ巻上機を示す側面図である。図において、巻上機の回転軸1は、巻上機フレーム2によって軸受3を介して回転自在に支持されている。回転軸1には、回転軸1と一体に回転される円筒状の駆動綱車4が設けられている。駆動綱車4には、主索であるロープ(図示しない)が巻き掛けられる。また、回転軸1及び駆動綱車4は、モータ部5により回転される。
【0009】
モータ部5は、駆動綱車4に隣接して設けられた円筒状の回転子7と、回転子7に対向するように巻上機フレーム2に支持された固定子8とを有している。回転子7は、回転軸1の軸線が中心になるように駆動綱車4に形成された円筒部9と、円筒部9の外周面に取り付けられた複数の永久磁石10とを有している。固定子8は、通電により回転磁界を発生する固定子コイル11を有し、複数の永久磁石10に対向している。回転軸1、駆動綱車4及び円筒部9は、一体成形されている。回転軸1、駆動綱車4及び回転子7は、固定子コイル11への通電により一体に回転される。
【0010】
回転軸1の駆動綱車4と軸受3との間の表面部分には、回転軸1の軸線に沿って延びたスプライン溝12が形成されている。回転軸1には、スプライン溝12に配置されたキー13を介してハブ14が取り付けられている。ハブ14には、回転軸1と一体に回転される円板状のディスク15が回転軸1の軸線に対して垂直に取り付けられている。ディスク15は、キー13により回転軸1に対して周方向に位置決めされ、軸線に沿った方向の所定範囲内で往復変位可能になっている。
【0011】
巻上機フレーム2には、ドーナツ板状の取付板16が複数のボルト17によって固定されている。取付板16は、回転軸1の軸線に対して垂直に配置されている。取付板16のディスク15側には、3個の電磁マグネット18が固定されている。各電磁マグネット18は、回転軸1の周方向に互いに等間隔で配置されている(図2参照)。各電磁マグネット18は、取付ボルト19によって取付板16に固定されている鉄心20と、鉄心20に取り付けられている電磁コイル21とを有している。電磁コイル21及び固定子コイル11への通電は、同一タイミングで行われる。
【0012】
各電磁マグネット18とディスク15との間には、ドーナツ板状のアマチュア22が回転軸1の軸線が中心となるように配置されている。アマチュア22は、回転軸1の軸線に対して垂直に配置されている。また、アマチュア22と各電磁マグネット18との間には、アマチュア22をディスク15側へ付勢する付勢手段である制動ばね23がそれぞれ配置されている。
【0013】
アマチュア22のディスク15側には、制動体である3つのライニング24が各電磁マグネット18の配置に対応して貼り付けられている。即ち、電磁マグネット18、制動ばね23及びライニング24は、ディスク15の周方向について互いに同位置に配置されている(図2参照)。各ライニング24は、電磁コイル21に通電されていないとき制動ばね23の付勢力によりディスク15に押し付けられ、また対応する電磁マグネット18の電磁コイル21への通電により制動ばね23の付勢力に逆らってディスク15から開離される。
【0014】
ディスク15と駆動綱車4との間には、ドーナツ板状の固定板25がアマチュア22と平行に配置されている。固定板25のディスク15側には、3つのライニング26がライニング24に対応して貼り付けられている。ディスク15は、ライニング24がディスク15に押し付けられることにより回転軸1の軸線に沿って変位され、ライニング26に押し付けられる。
【0015】
取付板16、電磁マグネット18、アマチュア22及び固定板25には、通しボルト27が通されている。通しボルト27の一端部は、取付板16に固定されている。通しボルト27の他端部には、固定板25が固定されている。また、アマチュア22は、通しボルト27に沿って変位可能にされている。
なお、回転軸1の先端部には、エンコーダ6が取り付けられている。また、ブレーキ装置28は、電磁マグネット18、アマチュア22、制動ばね23、ライニング24、ディスク15、固定板25及びライニング26を有している。
【0016】
次に、動作について説明する。
巻上機停止時には、ディスク15は、制動ばね23の付勢力によってライニング24及びライニング26との間に挟まれ、拘束されている。即ち、ディスク15とライニング24,26との間の摩擦力により、ディスク15の回転は制動されている。
【0017】
巻上機の駆動が開始されるときには、電磁コイル21への通電により、電磁マグネット18に電磁吸引力が発生する。この電磁吸引力により、アマチュア22が制動ばね23の付勢力に逆らって電磁マグネット18に向かって変位され、各ライニング24がディスク15から開離される。これにより、ディスク15の拘束は解除される。これと同時に固定子コイル11にも通電され、回転軸1及び駆動綱車4が回転される。
【0018】
このようなエレベータ巻上機及びそのブレーキ装置28では、各ライニング24はディスク15の周方向に互いに間隔を置いて配置され、電磁マグネット18及び制動ばね23はディスク15の周方向についてライニング24と同位置に配置されているので、各制動ばね23の付勢力は、対応するライニング24のディスク15への押し付けに有効に寄与する。このことから、各ライニング24のディスク15に対向する面全体の面積のうち回転軸1の実際の制動に有効に寄与する面積の割合(有効接触面積比)を増大させることができ、ブレーキ力を向上させることができる。また、制動ばね23による押し付け力がライニング24ごとに作用するので、各ライニング24はディスク15に確実に押し付けられる。このため、各ライニング24の摩耗も均等に近づき、偏摩耗もしにくくなる。従って、各ライニング24及びディスク15の長寿命化を図ることができる。
【0019】
また、各ライニング24の有効接触面積比が増大するので、ディスク15の径方向について各ライニング24の長さを短くすることができる。回転するディスク15に各ライニング24が接触する場合、各ライニング24はディスク15の周方向に沿った環状部分に接触するが、各ライニング24の径方向の長さが短くなることにより、この環状部分の径方向の幅は狭くなる。この幅の狭くなった環状部分の平面度を高くするだけでブレーキ力を向上させることができるので、ディスク15の製造コストの増大も防止することができる。
【0020】
また、ライニング24,26及び電磁マグネット18は、個別に複数配置されているので、全体を解体することなく個々の部品を取り換えることができ、容易に保守点検できる。
【0021】
また、ライニング24は、ディスク15の周方向に互いに等間隔で配置されているので、ブレーキ装置全体としての制動力をより安定させることができる。
【0022】
なお、上記の例では、ライニング24の貼り付け箇所が3箇所となっているが、2箇所あるいは4箇所以上であってもよい。この場合、ブレーキ力の調整のために、各ライニング24のディスク15に対向する面の面積もライニング24の数に応じて調整される。また、電磁マグネット18、制動ばね23及びライニング26もライニング24に対応して配置される。
【0023】
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2によるエレベータ巻上機を示す縦断面図である。図において、回転子7は、駆動綱車4のブレーキ装置28側に設けられている。ブレーキ装置28は、回転軸1と回転子7との間に配置されている。他の構成は実施の形態1と同様である。
【0024】
図4は、図3に示すエレベータ巻上機の昇降路内での設置状態を示す斜視図である。図に示すように、エレベータ巻上機30は、昇降路31の内側面と昇降路31内を昇降するかご32の外側面との間に設置されている。
【0025】
このように、ブレーキ装置28を回転軸1と回転子7との間に配置したので、エレベータ巻上機30の回転軸1の軸線方向の長さを短くできる。このことから、図4に示すような昇降路31内のわずかな隙間にエレベータ巻上機30を設置することができ、昇降路31内の空間を有効に活用することができる。従って、機械室を持たない機械室レスエレベータへの適用に特に好適である。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明に係るエレベータ巻上機のブレーキ装置は、ディスクの周方向に互いに間隔を置いて配置され、ディスクに押し付けられることによりディスクの回転を制動する複数の制動体、ディスクの周方向について各制動体と同位置に配置され、各制動体をディスクに押し付ける複数の付勢手段、及びディスクの周方向について各制動体と同位置に配置され、各付勢手段の付勢力に逆らって制動体をディスクから開離させる複数の電磁マグネットを備えているので、各制動体の摩耗も均等に近づいて偏摩耗しにくくなり、制動体及びディスクの長寿命化を図ることができる。また、ディスクの径方向について各制動体の長さを短くすることができるので、高い平面度を必要とするディスクの各制動体の接触部分を縮小でき、ディスクの製造も容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1によるエレベータ巻上機を示す縦断面図である。
【図2】図1のエレベータ巻上機を示す側面図である。
【図3】この発明の実施の形態2によるエレベータ巻上機を示す縦断面図である。
【図4】図3に示すエレベータ巻上機の昇降路内での設置状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 回転軸、4 駆動綱車、5 モータ部、7 回転子、8 固定子、15 ディスク、18 電磁マグネット、23 ばね(付勢手段)、24 ライニング(制動体)、28 ブレーキ装置、30 エレベータ巻上機。
Claims (4)
- エレベータ巻上機の回転軸と一体に回転されるディスク、
上記ディスクの周方向に互いに間隔を置いて配置され、上記ディスクに押し付けられることにより上記ディスクの回転を制動する複数の制動体、
上記ディスクの周方向について各上記制動体と同位置に配置され、各上記制動体を上記ディスクに押し付ける複数の付勢手段、及び
上記ディスクの周方向について各上記制動体と同位置に配置され、各上記付勢手段の付勢力に逆らって上記制動体を上記ディスクから開離させる複数の電磁マグネット
を備えていることを特徴とするエレベータ巻上機のブレーキ装置。 - 上記制動体は、上記周方向に互いに等間隔で配置されていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ巻上機のブレーキ装置。
- モータ部、
上記モータ部により回転される回転軸、
上記回転軸と一体に回転され、エレベータの主索が巻き掛けられる駆動綱車、及び
上記回転軸と一体に回転されるディスクと、上記ディスクの周方向に互いに間隔を置いて配置され、上記ディスクに押し付けられることにより上記ディスクの回転を制動する複数の制動体と、上記ディスクの周方向について各上記制動体と同位置に配置され、各上記制動体を上記ディスクに押し付ける複数の付勢手段と、上記ディスクの周方向について各上記制動体と同位置に配置され、各上記付勢手段の付勢力に逆らって上記制動体を上記ディスクから開離させる複数の電磁マグネットとを有するブレーキ装置
を備えていることを特徴とするエレベータ巻上機。 - 上記モータ部は、上記回転軸を中心として上記回転軸と一体に回転される環状の回転子と、上記回転子に対向する固定子とを有し、
上記ブレーキ装置は、上記回転軸と上記回転子との間に配置されていることを特徴とする請求項3に記載のエレベータ巻上機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002358360A JP2004189395A (ja) | 2002-12-10 | 2002-12-10 | エレベータ巻上機及びそのブレーキ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002358360A JP2004189395A (ja) | 2002-12-10 | 2002-12-10 | エレベータ巻上機及びそのブレーキ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100889129B1 (ko) * | 2007-03-23 | 2009-03-17 | 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 | 엘리베이터의 로프 브레이크 장치 |
JP2010216530A (ja) * | 2009-03-16 | 2010-09-30 | Mitsubishi Electric Corp | ブレーキ装置 |
-
2002
- 2002-12-10 JP JP2002358360A patent/JP2004189395A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100889129B1 (ko) * | 2007-03-23 | 2009-03-17 | 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 | 엘리베이터의 로프 브레이크 장치 |
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