JP2004189364A - エプロンバケットコンベヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】粉粒体、塊状物の高速搬送、大量輸送が可能なエプロンバケットコンベヤにおいて、搬送経路の任意の場所において、エプロンバケット中に収容している搬送物を、排出できるようなエプロンバケットコンベヤを提供すること。
【解決手段】2本のエンドレスチェーン(2)を平行に循環させ、このエンドレスチェーン間に下部底板(4)と側壁(3)とを有するエプロンバケットを取り付けてなるエプロンバケットコンベヤ(1)において、下部底板の一端を開閉自在なヒンジ構造とし、他端を側壁に着脱自在な係止構造とし、エプロンバケットコンベヤの循環軌道の任意の位置に、下部底板と前記側壁との係止状態を解除し、下部底板を開放するカム部材と、開放された下部底板に接触し、下部底板と側壁を再度係止状態とし、下部底板を閉鎖する円柱状部材を設ける構造とする。
【選択図】 図2
【解決手段】2本のエンドレスチェーン(2)を平行に循環させ、このエンドレスチェーン間に下部底板(4)と側壁(3)とを有するエプロンバケットを取り付けてなるエプロンバケットコンベヤ(1)において、下部底板の一端を開閉自在なヒンジ構造とし、他端を側壁に着脱自在な係止構造とし、エプロンバケットコンベヤの循環軌道の任意の位置に、下部底板と前記側壁との係止状態を解除し、下部底板を開放するカム部材と、開放された下部底板に接触し、下部底板と側壁を再度係止状態とし、下部底板を閉鎖する円柱状部材を設ける構造とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉体又は塊状物を搬送するコンベヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、砂利や石炭のように摩耗性が大きい塊状物の搬送には、バケット等の容器に輸送物を入れて搬送するバケットエレベータやピボテッドバケットコンベヤに代表される容器形コンベヤや、エプロンコンベヤやパンコンベヤが多用されてきた(JIS−B0140−1986参照)。バケットエレベータは、垂直又は60°程度以上の傾斜経路の搬送に使用されるが、水平経路を有する搬送には使用することができない。エプロンコンベヤやパンコンベヤは、水平から緩傾斜を有する経路の搬送には適するが、急傾斜又は垂直に近い経路では、輸送物の落下防止が困難であるため適さない。
【0003】
一方、一台のコンベヤで、水平と垂直又は急傾斜で上方へ揚搬する経路を有する場合には、バケットが常に垂直方向に支えられて搬送物を零すことなく搬送できるピボテッドバケットコンベヤが適している。このピボテッドバケットコンベヤは、レイアウト上の自由度が広がると共に、複数のコンベヤで搬送経路を構成するよりも設備費を安くすることができるため、粉粒体や塊状物の輸送手段として多用されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ピボテッドバケットコンベヤは、バケットがコンベヤチェーンの連結ピンのまわりを回転可能に軸支されているので、走行速度を速くするとバケットの保持状態が不安定になる。通常は、走行速度として毎分10m程度、最大でも毎分12mが限界である。又、このタイプのバケットは、構造上、隣接するバケットとバケットの隙間が大きくなり、さらに強度的な面からバケット幅が最大500mm程度に制限されるため大量輸送には適していない。
【0005】
これに対して、図4に示したような、バケットをリンクに固定したエプロンバケットコンベヤでは、毎分30m程度の高速走行が可能であると共に、強度的にもバケット幅を1000mm程度まで大きくすることが可能で大量輸送に適している。ところが、エプロンバケットコンベヤでは、コンベヤチェーンに対してバケットの向きが固定されているため、バケットが反転するコンベヤの最終旋回部の1個所でしか搬送物の排出ができず、その点において搬送経路のレイアウトが制約を受けるという欠点を有している。
【0006】
そこで、本発明の目的は、粉粒体、塊状物の高速搬送、大量輸送が可能なエプロンバケットコンベヤにおいて、搬送経路の任意の場所において、エプロンバケット中に収容している搬送物を、排出できるようなエプロンバケットコンベヤを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、2本のエンドレスチェーンを平行に循環させ、その2本のエンドレスチェーン間に該エンドレスチェーンの1リンク毎に下部底板と側壁とを有するエプロンバケットを取り付けてなるエプロンバケットコンベヤにおいて、前記エプロンバケットの下部底板の一端を開閉自在なヒンジ構造とし、他端を前記エプロンバケットの側壁に着脱自在な係止構造とし、前記エプロンバケットコンベヤの循環軌道の任意の位置に、前記下部底板と前記側壁との係止状態を解除し、前記下部底板を開放するカム部材と、開放された前記下部底板に接触し、該下部底板と前記側壁を再度係止状態とし、前記下部底板を閉鎖する円柱状部材を設けることにより、上記課題を解決するものである。
【0008】
【作用】
本発明のエプロンバケットコンベヤは、エプロンバケットの下部底板の一端を開閉自在なヒンジ構造とし、他端をエプロンバケットの側壁に着脱自在な係止構造とし、エプロンバケットコンベヤの循環軌道の任意の位置に、前記下部底板と前記側壁との係止状態を解除し、前記下部底板を開放するカム部材と、開放された前記下部底板に接触し、該下部底板と前記側壁を再度係止状態とし、前記下部底板を閉鎖する円柱状部材を設けることにより、搬送軌道上の任意の位置において、搬送物が速やかに排出される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図3に基づいて、本発明による実施の形態について説明する。図1(a)は、本発明のエプロンバケットコンベヤに使用されるチェーンの一部を示す平面図であり、図1(b)が、その側面図を示している。また、図2は、本発明のエプロンバケットコンベヤの構造と動作を説明する図である。図3は、本発明のエプロンバケットコンベヤの使用状態を示す図であり、図3(a)は、その側面図であり、図3(b)は、中間排出口が存在する図3(a)のA−A線における断面図を示している。
【0010】
本発明によるエプロンバケットコンベヤ1は、図1(a)に平面図で示すように、相互に離隔する2条のチェーン2の1リンク毎に、側壁3と下部底板4を有するエプロンバケットが取り付けられている。このエプロンバケットは、図2に示すように、側面が略六角形の六角柱形状をしており、前記チェーン2の連結ピン5により、隣接するエプロンバケット同士が屈曲可能に連結されている。エプロンバケットの上部一面は開放されており(投入口)、そこから、バケット内へ搬送物が投入される。
【0011】
エプロンバケットは、前記投入口以外は隙間をあけることなく連結されているので、搬送物を漏らすことなく投入することが可能であると共に、水平走行時であっても垂直走行時であっても、前記エプロンバケットが形成する容積の略半分の容積の搬送物を確実に搬送することができる。
【0012】
エプロンバケットを構成する下部底板4は、一端が開閉自在なヒンジ構造をしている。図1の実施例では、下部底板4の一端をチェーン2の連結ピン5に枢設することにより、開閉自在なヒンジ構造を構成しているが、図4の如くチェーン2に固定された側壁3に、連結ピン5に位相を合わせたヒンジ部材を設けて、チェーン2の連結ピン5から独立させたヒンジ構造13を構成することも可能である。
【0013】
一方、下部底板4の他端には、エプロンバケットの側壁との着脱自在な係止を可能とする係止構造を構成している。実施例では、下部底板4に固着された断面鼓状の係止片6と側壁に固着された係止片受部7により、係止構造を構成している。前記係止片受部7は、図2の拡大図に示すように、2つのスチール製ボール8をバネ9により付勢させて対峙させた構造を有しており、そのボールの間に前記係止片6が進入することにより、当該係止片6のくびれ部分を前記2つのボールが挟持し、いわゆるボールキャッチ機能により係止片6との係止状態を構成する。
【0014】
下部底板4の開放動作について、図2を用いて説明する。説明の便宜上、図2に示したコンベヤチェーンの各リンクには、A〜Fの符号を付している。
【0015】
下部底板4には、前記係止片6の取り付け位置近傍に、下部底板4を開放させるための開放ピン10が、チェーンの連結ピン5と平行に外部に向けて立設されている。そして、搬送経路の任意の位置に設けられる排出口には、前記開放ピン10の走行軌跡上に搬送方向に向かって若干下降するように形成されたカム部材11が設置されている。チェーンの走行に伴い前記開放ピン10が、前記カム部材11と噛み合うにつれて、前記係止片6と前記係止片受部7の係合が次第に引き離され、前記係止構造の係止状態が解除される(図2のFからEの状態)。そして、前記下部底板4は、自重により連結ピン5を中心に回動し、エプロンバケットの底面が開放される(図2のDの状態)。その結果、バケットの中の搬送物が下部へ排出される。なお、カム部材11を図2の状態からエプロンバケットの上側方向に移動させておけば、下部底板4を開放させないで、素通りさせることも可能である。
【0016】
次に、開放された下部底板4の閉鎖動作について、同じく図2を用いて説明する。前記排出位置に設けられたカム部材11の走行方向前方には、下部底板4の走行軌跡に接するように、円柱状部材12が枢設されている。そのため、開放された下部底板4は、その円柱部材12に接触し、チェーンの走行に伴い次第に持ち上げられ、係止片6と係止片受部7を再び係合させて、下部底板4を閉鎖状態に戻す(図2のCからA)。尚、円柱部材12には必ずしも円柱形にこだわる必要はないが、下部底板4との接触抵抗を緩和するためにローラ状のもので回転できるものが最良である。
【0017】
なお、実施例では、下部底板と側壁との着脱自在な係止を可能とする係止構造として、ボールキャッチ機能による係止構造を用いているが、搬送物の重さに耐えることができ、確実な着脱動作が実現できるものであれば、これに限られることはない。例えば、強力磁石を用いて係止構造を構成することも可能である。
【0018】
上記の説明から分かるように、本発明のエプロンバケットコンベヤは、搬送経路の任意の場所に、カム部材11と円柱状部材12を設置することにより、簡単に搬送物を排出する排出口を設けることができる。したがって、図3(a)に示すように、2つの水平軌道と1つの垂直軌道からなるクランク状搬送経路に沿って、エプロンバケットコンベヤにより粉粒体や塊状物を搬送する場合に、従来は、図3(a)にHとして示した搬送経路頭部の旋回部に設置した排出口でしか搬送物の排出ができなかったが、本発明においては、M1、M2として示したように任意の場所に中間排出口を追加設置することができる。
【0019】
中間排出口の構造は、特に限定されるものではないが、図3(b)を用いて、その一例を示す。図3(b)は、図3(a)のA−A線における中間排出口の断面概略図である。水平軌道の途中に中間排出口を設けて、搬送物を排出する場合、運び側エプロンバケットAB1の下部底板4の開放により排出された搬送物が、戻り側エプロンバケットAB2上に放出される。したがって、戻り側エプロンバケットAB2に阻害されることなく、搬送物を排出するために、運び側と戻り側を分離する傾斜板14を設けて、排出物を搬送経路の側方に排出するようにしている。
【0020】
【発明の効果】
本発明のエプロンバケットコンベヤは、エプロンバケットの下部底板の一端を開閉自在なヒンジ構造とし、他端をエプロンバケットの側壁に着脱自在な係止構造とし、エプロンバケットコンベヤの循環軌道の任意の位置に、エプロンバケットの下部底板と側壁との係止状態を解除し、下部底板を開放するカム部材と、開放された下部底板に接触し、下部底板と側壁を再度係止状態とし、下部底板を閉鎖する円柱状部材を設けることにより、搬送軌道上の任意の位置において、搬送物を速やかに排出することが可能になる。
【0021】
また、排出口の位置の制約を受けずに搬送経路を決定することができると共に、搬送経路の決定後に排出口の位置だけを移動することも可能であるため、搬送レイアウトの自由度が飛躍的に向上する。
【0022】
さらに、エプロンバケットは、チェーンに対して構造上、安定しているため、毎分30m程度の高速走行が可能であると共に、強度的にもバケット幅を1000mm程度まで大きくすることが可能であり、大量輸送が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエプロンバケットコンベヤに使用されるチェーンの一部を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は、その側面図である。
【図2】本発明のエプロンバケットコンベヤの構造と動作を説明する図。
【図3】本発明のエプロンバケットコンベヤの搬送軌道を示す図であり、(a)は側面図であり、(b)は、(a)のA−A線断面における概略図である。
【図4】従来のエプロンバケットコンベヤに用いられるエプロンバケットの一部を示す図。
【符号の説明】
1 ・・・ エプロンバケットコンベヤ
2 ・・・ チェーン
3 ・・・ 側壁
4 ・・・ 下部底板
5 ・・・ 連結ピン
6 ・・・ 係止片
7 ・・・ 係止片受部
8 ・・・ ボール
9 ・・・ バネ
10 ・・・ 開放ピン
11 ・・・ カム部材
12 ・・・ 円柱状部材
13 ・・・ ヒンジ構造
14 ・・・ 傾斜板
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉体又は塊状物を搬送するコンベヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、砂利や石炭のように摩耗性が大きい塊状物の搬送には、バケット等の容器に輸送物を入れて搬送するバケットエレベータやピボテッドバケットコンベヤに代表される容器形コンベヤや、エプロンコンベヤやパンコンベヤが多用されてきた(JIS−B0140−1986参照)。バケットエレベータは、垂直又は60°程度以上の傾斜経路の搬送に使用されるが、水平経路を有する搬送には使用することができない。エプロンコンベヤやパンコンベヤは、水平から緩傾斜を有する経路の搬送には適するが、急傾斜又は垂直に近い経路では、輸送物の落下防止が困難であるため適さない。
【0003】
一方、一台のコンベヤで、水平と垂直又は急傾斜で上方へ揚搬する経路を有する場合には、バケットが常に垂直方向に支えられて搬送物を零すことなく搬送できるピボテッドバケットコンベヤが適している。このピボテッドバケットコンベヤは、レイアウト上の自由度が広がると共に、複数のコンベヤで搬送経路を構成するよりも設備費を安くすることができるため、粉粒体や塊状物の輸送手段として多用されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ピボテッドバケットコンベヤは、バケットがコンベヤチェーンの連結ピンのまわりを回転可能に軸支されているので、走行速度を速くするとバケットの保持状態が不安定になる。通常は、走行速度として毎分10m程度、最大でも毎分12mが限界である。又、このタイプのバケットは、構造上、隣接するバケットとバケットの隙間が大きくなり、さらに強度的な面からバケット幅が最大500mm程度に制限されるため大量輸送には適していない。
【0005】
これに対して、図4に示したような、バケットをリンクに固定したエプロンバケットコンベヤでは、毎分30m程度の高速走行が可能であると共に、強度的にもバケット幅を1000mm程度まで大きくすることが可能で大量輸送に適している。ところが、エプロンバケットコンベヤでは、コンベヤチェーンに対してバケットの向きが固定されているため、バケットが反転するコンベヤの最終旋回部の1個所でしか搬送物の排出ができず、その点において搬送経路のレイアウトが制約を受けるという欠点を有している。
【0006】
そこで、本発明の目的は、粉粒体、塊状物の高速搬送、大量輸送が可能なエプロンバケットコンベヤにおいて、搬送経路の任意の場所において、エプロンバケット中に収容している搬送物を、排出できるようなエプロンバケットコンベヤを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、2本のエンドレスチェーンを平行に循環させ、その2本のエンドレスチェーン間に該エンドレスチェーンの1リンク毎に下部底板と側壁とを有するエプロンバケットを取り付けてなるエプロンバケットコンベヤにおいて、前記エプロンバケットの下部底板の一端を開閉自在なヒンジ構造とし、他端を前記エプロンバケットの側壁に着脱自在な係止構造とし、前記エプロンバケットコンベヤの循環軌道の任意の位置に、前記下部底板と前記側壁との係止状態を解除し、前記下部底板を開放するカム部材と、開放された前記下部底板に接触し、該下部底板と前記側壁を再度係止状態とし、前記下部底板を閉鎖する円柱状部材を設けることにより、上記課題を解決するものである。
【0008】
【作用】
本発明のエプロンバケットコンベヤは、エプロンバケットの下部底板の一端を開閉自在なヒンジ構造とし、他端をエプロンバケットの側壁に着脱自在な係止構造とし、エプロンバケットコンベヤの循環軌道の任意の位置に、前記下部底板と前記側壁との係止状態を解除し、前記下部底板を開放するカム部材と、開放された前記下部底板に接触し、該下部底板と前記側壁を再度係止状態とし、前記下部底板を閉鎖する円柱状部材を設けることにより、搬送軌道上の任意の位置において、搬送物が速やかに排出される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図3に基づいて、本発明による実施の形態について説明する。図1(a)は、本発明のエプロンバケットコンベヤに使用されるチェーンの一部を示す平面図であり、図1(b)が、その側面図を示している。また、図2は、本発明のエプロンバケットコンベヤの構造と動作を説明する図である。図3は、本発明のエプロンバケットコンベヤの使用状態を示す図であり、図3(a)は、その側面図であり、図3(b)は、中間排出口が存在する図3(a)のA−A線における断面図を示している。
【0010】
本発明によるエプロンバケットコンベヤ1は、図1(a)に平面図で示すように、相互に離隔する2条のチェーン2の1リンク毎に、側壁3と下部底板4を有するエプロンバケットが取り付けられている。このエプロンバケットは、図2に示すように、側面が略六角形の六角柱形状をしており、前記チェーン2の連結ピン5により、隣接するエプロンバケット同士が屈曲可能に連結されている。エプロンバケットの上部一面は開放されており(投入口)、そこから、バケット内へ搬送物が投入される。
【0011】
エプロンバケットは、前記投入口以外は隙間をあけることなく連結されているので、搬送物を漏らすことなく投入することが可能であると共に、水平走行時であっても垂直走行時であっても、前記エプロンバケットが形成する容積の略半分の容積の搬送物を確実に搬送することができる。
【0012】
エプロンバケットを構成する下部底板4は、一端が開閉自在なヒンジ構造をしている。図1の実施例では、下部底板4の一端をチェーン2の連結ピン5に枢設することにより、開閉自在なヒンジ構造を構成しているが、図4の如くチェーン2に固定された側壁3に、連結ピン5に位相を合わせたヒンジ部材を設けて、チェーン2の連結ピン5から独立させたヒンジ構造13を構成することも可能である。
【0013】
一方、下部底板4の他端には、エプロンバケットの側壁との着脱自在な係止を可能とする係止構造を構成している。実施例では、下部底板4に固着された断面鼓状の係止片6と側壁に固着された係止片受部7により、係止構造を構成している。前記係止片受部7は、図2の拡大図に示すように、2つのスチール製ボール8をバネ9により付勢させて対峙させた構造を有しており、そのボールの間に前記係止片6が進入することにより、当該係止片6のくびれ部分を前記2つのボールが挟持し、いわゆるボールキャッチ機能により係止片6との係止状態を構成する。
【0014】
下部底板4の開放動作について、図2を用いて説明する。説明の便宜上、図2に示したコンベヤチェーンの各リンクには、A〜Fの符号を付している。
【0015】
下部底板4には、前記係止片6の取り付け位置近傍に、下部底板4を開放させるための開放ピン10が、チェーンの連結ピン5と平行に外部に向けて立設されている。そして、搬送経路の任意の位置に設けられる排出口には、前記開放ピン10の走行軌跡上に搬送方向に向かって若干下降するように形成されたカム部材11が設置されている。チェーンの走行に伴い前記開放ピン10が、前記カム部材11と噛み合うにつれて、前記係止片6と前記係止片受部7の係合が次第に引き離され、前記係止構造の係止状態が解除される(図2のFからEの状態)。そして、前記下部底板4は、自重により連結ピン5を中心に回動し、エプロンバケットの底面が開放される(図2のDの状態)。その結果、バケットの中の搬送物が下部へ排出される。なお、カム部材11を図2の状態からエプロンバケットの上側方向に移動させておけば、下部底板4を開放させないで、素通りさせることも可能である。
【0016】
次に、開放された下部底板4の閉鎖動作について、同じく図2を用いて説明する。前記排出位置に設けられたカム部材11の走行方向前方には、下部底板4の走行軌跡に接するように、円柱状部材12が枢設されている。そのため、開放された下部底板4は、その円柱部材12に接触し、チェーンの走行に伴い次第に持ち上げられ、係止片6と係止片受部7を再び係合させて、下部底板4を閉鎖状態に戻す(図2のCからA)。尚、円柱部材12には必ずしも円柱形にこだわる必要はないが、下部底板4との接触抵抗を緩和するためにローラ状のもので回転できるものが最良である。
【0017】
なお、実施例では、下部底板と側壁との着脱自在な係止を可能とする係止構造として、ボールキャッチ機能による係止構造を用いているが、搬送物の重さに耐えることができ、確実な着脱動作が実現できるものであれば、これに限られることはない。例えば、強力磁石を用いて係止構造を構成することも可能である。
【0018】
上記の説明から分かるように、本発明のエプロンバケットコンベヤは、搬送経路の任意の場所に、カム部材11と円柱状部材12を設置することにより、簡単に搬送物を排出する排出口を設けることができる。したがって、図3(a)に示すように、2つの水平軌道と1つの垂直軌道からなるクランク状搬送経路に沿って、エプロンバケットコンベヤにより粉粒体や塊状物を搬送する場合に、従来は、図3(a)にHとして示した搬送経路頭部の旋回部に設置した排出口でしか搬送物の排出ができなかったが、本発明においては、M1、M2として示したように任意の場所に中間排出口を追加設置することができる。
【0019】
中間排出口の構造は、特に限定されるものではないが、図3(b)を用いて、その一例を示す。図3(b)は、図3(a)のA−A線における中間排出口の断面概略図である。水平軌道の途中に中間排出口を設けて、搬送物を排出する場合、運び側エプロンバケットAB1の下部底板4の開放により排出された搬送物が、戻り側エプロンバケットAB2上に放出される。したがって、戻り側エプロンバケットAB2に阻害されることなく、搬送物を排出するために、運び側と戻り側を分離する傾斜板14を設けて、排出物を搬送経路の側方に排出するようにしている。
【0020】
【発明の効果】
本発明のエプロンバケットコンベヤは、エプロンバケットの下部底板の一端を開閉自在なヒンジ構造とし、他端をエプロンバケットの側壁に着脱自在な係止構造とし、エプロンバケットコンベヤの循環軌道の任意の位置に、エプロンバケットの下部底板と側壁との係止状態を解除し、下部底板を開放するカム部材と、開放された下部底板に接触し、下部底板と側壁を再度係止状態とし、下部底板を閉鎖する円柱状部材を設けることにより、搬送軌道上の任意の位置において、搬送物を速やかに排出することが可能になる。
【0021】
また、排出口の位置の制約を受けずに搬送経路を決定することができると共に、搬送経路の決定後に排出口の位置だけを移動することも可能であるため、搬送レイアウトの自由度が飛躍的に向上する。
【0022】
さらに、エプロンバケットは、チェーンに対して構造上、安定しているため、毎分30m程度の高速走行が可能であると共に、強度的にもバケット幅を1000mm程度まで大きくすることが可能であり、大量輸送が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエプロンバケットコンベヤに使用されるチェーンの一部を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は、その側面図である。
【図2】本発明のエプロンバケットコンベヤの構造と動作を説明する図。
【図3】本発明のエプロンバケットコンベヤの搬送軌道を示す図であり、(a)は側面図であり、(b)は、(a)のA−A線断面における概略図である。
【図4】従来のエプロンバケットコンベヤに用いられるエプロンバケットの一部を示す図。
【符号の説明】
1 ・・・ エプロンバケットコンベヤ
2 ・・・ チェーン
3 ・・・ 側壁
4 ・・・ 下部底板
5 ・・・ 連結ピン
6 ・・・ 係止片
7 ・・・ 係止片受部
8 ・・・ ボール
9 ・・・ バネ
10 ・・・ 開放ピン
11 ・・・ カム部材
12 ・・・ 円柱状部材
13 ・・・ ヒンジ構造
14 ・・・ 傾斜板
Claims (1)
- 2本のエンドレスチェーンを平行に循環させ、前記2本のエンドレスチェーン間に該エンドレスチェーンの1リンク毎に下部底板と側壁とを有するエプロンバケットを取り付けてなるエプロンバケットコンベヤにおいて、
前記エプロンバケットの下部底板の一端を開閉自在なヒンジ構造とし、他端を前記エプロンバケットの側壁に着脱自在な係止構造とし、
前記エプロンバケットコンベヤの循環軌道の任意の位置に、前記下部底板と前記側壁との係止状態を解除し、前記下部底板を開放するカム部材と、
開放された前記下部底板に接触し、該下部底板と前記側壁を再度係止状態とし、前記下部底板を閉鎖する円柱状部材を設けることを特徴とするエプロンバケットコンベヤ。
Priority Applications (1)
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JP2002356881A JP2004189364A (ja) | 2002-12-09 | 2002-12-09 | エプロンバケットコンベヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002356881A JP2004189364A (ja) | 2002-12-09 | 2002-12-09 | エプロンバケットコンベヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004189364A true JP2004189364A (ja) | 2004-07-08 |
Family
ID=32757091
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002356881A Pending JP2004189364A (ja) | 2002-12-09 | 2002-12-09 | エプロンバケットコンベヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004189364A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100934557B1 (ko) * | 2007-06-26 | 2009-12-29 | 김봉주 | 콘크리트 이송장치 |
US8820044B2 (en) | 2011-10-11 | 2014-09-02 | Rexnord Kette Gmbh | Device for fixing an end-side of a chain |
CN108502557A (zh) * | 2018-03-09 | 2018-09-07 | 南安市创培电子科技有限公司 | 一种基于现代物流的危化品装卸装置 |
-
2002
- 2002-12-09 JP JP2002356881A patent/JP2004189364A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100934557B1 (ko) * | 2007-06-26 | 2009-12-29 | 김봉주 | 콘크리트 이송장치 |
US8820044B2 (en) | 2011-10-11 | 2014-09-02 | Rexnord Kette Gmbh | Device for fixing an end-side of a chain |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20060210 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20060622 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |