JP2004188983A - インキジェット記録を用いるフレキソ印刷版の製造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 弾性インキの連続層を基質にインキジェット印刷システムを用いて噴射する。次の層を噴射する前に各層を不動化段階により不動化する。印刷レリーフを徐々に形成して、印刷版のレリーフおよび傾斜に関する正確な調節を可能にするフレキソ印刷版を得る。異なる層特性を得るために異なるインキまたは不動化段階を使用することができる。インキは紫外線硬化を用いて不動化することができる。層の記録されたレリーフを測定することができそしてフィードバックループを用いて補正を行なうことができる。印刷版の回復工程は記載された方法を用いて構成することができる。弾性ベース層を基質上に付与してより良好な版特性を与えることができる。
【選択図】 図5
Description
−印刷要素がコーティング法を用いて製造されるため、生じた上部層は滑らかな表面を有する。これがベタ組(solid)領域の中心で相対的に低いインキ濃度を有する印刷結果を生ずるが、これらのベタ組の端部はより高いインキ濃度を生ずる。これは製作中に表面粗さを導入することにより採用されうるが、その場合には版全体に関して同じ表面仕上げが得られる。像内容に応じた表面仕上げを調整することは可能でない。
−版の製造時に版全体に関して同じ特徴が得られる場合には、例えば特異な弾性を必要とするであろう2種の材料よりなる受容層上での印刷用に、版の性質を適合させることは不可能である。
−露出の性質により、印刷された領域の端部は急勾配でなく、これも図1に示されている。光は感光層の中に広がるため、印刷領域の端部は角度αを有する傾斜を形成する。これらの端部の角度αまたは傾斜の形状を調節する方法はない。
記録ヘッド
基質の上に、例えば好ましくはエラストマー成分を含有する硬化性インキ組成物の連続層をインキジェット印刷ヘッド9により噴射する。インキは、易噴射性でありそして噴射した層のその後の所望する弾性または粘弾性である反発弾性特性を生ずる組成を有する。使用できる可能なインキジェット印刷ヘッド9は典型的には720dpiの印刷解像度を有しそして重層能力を有する。これは、印刷ヘッド9により印刷される各滴が可変的であるが調節可能な容量を有しうること、例えば飛行中に消えそして一滴になる3pl(ピコリットル)の一定容量を有する多くの小さい細滴により各滴が製造されることを意味する。
支持体および中間層
印刷版7は普通、例えばPETフィルム、鋼板、アルミニウム、PPフィルムまたは他のタイプのフィルムでありうる支持体を含んでなる。別の支持体を使用することもできるが、支持体の主目的は版に対して充分なまたは所望する剛性を与えることであり、組成はあまり重要でない。
−この層は硬化の前および後に噴射された滴を受け且つ保有する有利な特性を有する良好なベース層を提供しうる。
−ベース層の厚さによって、より少ない物質を噴射しなければならず、印刷版を製造するための時間がはるかに短くなり、像通りの層だけまたは薄いベース層を実際に含む層を噴射しなければならない。これが、基質上により少ない層を筆記しながらより良好な版を得ることを可能にする。
−ベース層は反発弾性と組み合わされた良好な弾性を与えうるため、噴射性に関してまたは硬化性質に関してより良好な特性を有するより弾性の低いインキ組成物の使用を可能にする。より低い百分率の例えば弾性成分を有するインキはより容易に噴射することができる。
−使用する印刷機用化学物質(フレキソインキ)との化学的相容性、
−版を製造するために使用される一部のタイプの紫外線硬化性インキとの化学的相容性
に関して問題がある。化学的相容性は層の望ましくない膨潤を引き起こして版構造の破壊をもたらすかまたは少なくとも劣った印刷結果を与える。
−別の問題は、版を製造するために最初に噴射された粘弾性流体層が開放セル構造中に沈むことである。これはレリーフの高さの形成に悪影響を与える。
−単量体/オリゴマー成分、例えばトリアクリル酸ペンタエリトリトール、アクリル酸イソボルニル、トリエチレングリコールジビニルエーテル
−光開始剤成分、例えばゲノキュア(Genocure)DEAP(ラーン(Rahn))、イルガキュア(Irgacure)819(チバ−ガイギー(Ciba−Geigy))
−抑制剤成分、2−メチルヒドロキノン
−可塑剤成分、例えばサンチサイザー(Sant5icizer)278(モンサント(Monsanto))
−エラストマー結合剤、例えばカリフレックス(Cariflex)TR226、ハイカー(Hycar)1022(グッドリッチ(Goodrich))
を含んでなることができる。エラストマー結合剤は単独成分を含んでなってもよくまたは数種の成分の混合物を含有することもできる。所望する性質により、適切な成分または混合物を使用することができる。
層の形成
基質の表面性質またはその前の層のたくさん噴射され且つ硬化したインキによって、滴の噴射容量は基質またはその下にあるインキ層のある領域を覆うであろう。ドット直径/滴直径の比を形状因子と称する。3pl滴(重層システムにおける水準1)は硬化のタイプ、粘度(および基質の温度)によって約30μmの直径および4μmより小さい高さを有するドットになる。好ましくは、滴容量は3pl〜100plの範囲を有する。図3は差動装置に与えられる駆動信号に相当するドット当たりの滴数とドット高さとの関係を示す。ドットは主として、飛行中に消える複数の滴を発射させてより大きい滴を得ることにより、形成される。また、例えば150lpi印刷機上の3%点のような小さい微細構造を得るためにドット配置が非常に重要である。3μmのドット位置精度を得ることができる。
不動化段階
インキジェット印刷ヘッドによる滴の沈着直後に、それらは硬化性放射線に例えば露出される。これが不動化をもたらし、そして劣悪な像を生ずるであろう滴の流出を防止する。不動化は、次の層が記録された層の上に加えられる前に、行なわれる。この第二段階は、新たに噴射された滴を硬化性放射線に露出するための少なくとも1つの放射線源を含んでなる硬化システムにより、行なわれる。硬化は連続的でもありうるが、他の可能性も実行できる。硬化後にパラメーターを計算装置により調節して生ずる材料の異なる特性を生ずる:
−噴射と硬化との間の間隔
滴が基質に衝突した時に前者が後者に付着する。滴の速度および液体の表面張力によって、滴の形状は直ちに不安定になるであろう。しばらくたった後にのみ、滴は一定の形状に達するであろう。基質の特性によって、その後に滴が基質により(部分的に)吸収されることも可能である。同様な方法で、滴を硬化したインキ構造の上に置く場合もある。調節されたレリーフ層を得ることが目的であるので、不動化はむしろ急速に行なうべきである。噴射と不動化との間の時間は10秒間より短くすべきである。好ましくは、不動化(硬化)は1秒間より短い時間間隔で行なわれる。
−硬化性放射線に対する露出の強度
硬化性放射線の強度およびタイプが硬化に必要な時間に対して影響を与えるであろうことは容易に理解されうる。
放射線強度
硬化方法の他の重要な影響は、版上に噴射された滴が硬化性放射線の強度によって異なる形状を有することである。放射線強度は不動化時間に影響する。これは図4a〜4cで示されている。図4aには、噴射されたドットを硬化するためのスポット16を生ずる紫外線ランプ15が示されている。スポットの寸法はノズル列の長さを覆うのに充分であるため、全ての噴射されたドットを紫外線スポットにより硬化することができる。図4bは紫外線スポットからの強度描写を示す。強度曲線はガウス曲線の形状を有する。図4cは噴射されたドットに対する影響を示す。高強度放射線を受容する中心ドット17は急速に不動化されそして鮮明度の高いドットを形成するが、わきのドット18はそれより緩慢に不動化されそしてより多量の流出を示してより低く且つより広いドットを生成するであろう。ランプ力は好ましくは10〜200W範囲内である。
硬化性放射線の波長
長い波長の放射線(例えばUV−A)は材料中により深く浸透する傾向がありそして完成材料の最終的硬化により良く適するが、短い波長の放射線(例えばUV−C)はそれより浅く浸透しそして硬化した外側層だけを有する(皮硬化)滴を与えるのに適する。硬化パラメーターを変えることにより、オンライン硬化した材料の生じた性質を調節することができる。インキジェット印刷ヘッドにより沈着した連続層の噴射された滴の間の良好な凝集を得るためには、硬化を好ましくは完結させない。数種のタイプの紫外線硬化ランプを使用することができる。Hにより示される基本的な水銀球はエネルギーの広範囲の分布を有するが、短い波長領域で強く発光する。このため、それは透明なコーティングおよびインキの薄い層の硬化において特に有用である。D球は比較的長い波長の領域中でその出力量を有するため、それは比較的厚いコーティングおよびインキシステムの硬化により適する。プラスチック材料中の紫外線のより良好な透過も可能になるはずである。D球を使用して良好な硬化深さを得ることができる。一般的に、より高い強度の源が使用されるにつれて、硬化投与量を幾分減ずることができる。
−限定された浸透力を有する硬化性放射線の周波数を用いることにより、滴は外側でだけ硬化して皮効果を生ずるであろう。これは最近噴射された滴を不動化するために使用され、そして非常に低い強度または多分印刷ヘッドと共に往復できるであろう非常に小さい光源を用いて行なうことができる。
−硬化放射線の強度および長さを変えることにより、感光性組成物の硬化度を調節して特異的な硬度を生ずる。
基本的考えは、部分的な深さの硬化だけが行なわれる場合には架橋結合された単量体の数はより少なく且つ弾性はある範囲内でより高くなることである。これは、連続する噴射された層の間に充分な凝集力を与えるためにも、重要である。
温度管理
別の重要な局面はシステムの操作温度である。好ましくは、インキの噴射性を改良するためにはインキを室温より高く加熱する。特に熱可塑性材料がインキ中に含まれる場合には、より低い粘度を得るためにインキを加熱することが有利である。
積層された構造体の作成
記録は層毎に行なうことができ、徐々にフレキソ印刷版を作成する。印刷ヘッドの版までの距離も調節することもできる。滴の正確な配置はインキジェットノズル板と受容体との間の距離により変動しうるため、滴の信頼性のある配置が要求される場合には正確な距離を保つことが必要である。不正確な配置は逸れた発射方向を有するノズルにより生じうる。別の重要な特徴は、走査インキジェットシステム中の滴の配置が滴の記録表面への衝突前の飛行時間、すなわち滴の発射と滴が受容表面に衝突する瞬間との間の時間、に大きく依存することである。これは、滴が受容体に向かう運動だけでなく受容体上の横断速度も有する事実による。受容体上に連続的に記録される層の良好な登録を確実にするために、数種の方式を使用することができる:
−記録表面までの距離を一定に保つべきである。これは、記録ヘッドを図2A〜2Bに示されているように上下に動かすことにより行なうことができ、または台の上下運動を使用することもできる。距離が一定に保たれない場合には、滴の飛行時間はより短くなり、正常な滴はより速く受容体に達するであろう。これが像のゆがみをもたらすであろう。これを回避するためにある種の対策を採用することができる:
−像データを修正する、
−版上の記録ヘッドの再配置に相当する発射パルスを遅らせる。ある種の重層システムは飛行中に消える数個の小滴を使用するため、可能な距離に関する何らかの拘束が存在する。ベース層を支持体の上部にインキジェット記録により作成する場合には、印刷ヘッドの受容体までの距離を一定距離に保つことができ、より低い精度を与える。正常な記録距離は約1mmである。
測定および補正回路
本発明の別の局面は、印刷された層の形状の調節に関する。これは、像内容または例えば印刷された層の表面仕上げもしくは完成製品のような微細形状部品に関する全体的な形状でありうる。得られた製品の補正度を調節するために印刷された像を例えばレーザープロフィロメーターにより検査することができる。測定は最終段階だけで行なうこともでき、または次の層により作成される印刷版の中で欠陥を検出するために定期的検査を行なうこともできる。微細形状は市販の測定システムを用いて測定することができる。
−印刷版の異なる形の高さを正確に調節しそして調整することができる。可能な利点をこの形により生ずることができる。
−印刷中に多分損失される小さいドットはベタ組印刷領域に関して追加の高さが与えられ、確実にドットが印刷されそしてそれらは印刷中に早期磨耗を受けにくくなる。
−プロフィロメーターは1μm程度の小さい領域を測定可能であるため、表面粗さを検出することが可能である。表面粗さが測定されそして所望する範囲内でない場合には、逸脱した粗さを補正する上部層の上の小滴の追加噴射によりそれを補正することができる。
特異な性質
より良好なフレキソ印刷版を得るためには、特異な弾性を有する領域または層を使用することが好ましい。これが、数種の有利な特徴を得る機会を与える。図6に一部が示されている可能な特徴は以下のものである:
−印刷された基質と接触する印刷版7の上層19には印刷中の印刷版の磨耗を回避するためにより大きい硬度(より小さい弾性)を与えることができるが、下方部分20は高い弾性および反発弾性を有する。
−版内のある高さに版の横方向凝集を得るためにより低い弾性を与えることができる。
−小さいドットを含有する領域により大きい硬度(より小さい弾性)を与えて弾性をより大きくしうるベタ組区域を含有する領域とは対照的に印刷された材料と確実に良く接触させることができる。重複層の特性だけでなく版の異なる領域の性質も調節することができる。これは例えば異なる性質を有する重複していない像通りの層に適用することにより行なうことができ、例えば異なる特性を有する2つの隣接層を生ずる。好ましくは位置依存特性が像内容と自動的に組み合わされる。
−図6に示されているように異なる層厚さを与えることにより、版の異なる領域に異なる特性を与えることが可能である。小さいドットに厚さT2を有する上層が付与され、ベタ組はそれより薄い厚さT1を有する上部層19を受容する。
この特異な弾性は数種の方法で得ることができる:異なる性質を有する光重合体インキを用いて、例えば異なる結合剤を用いて、ある領域または層の最終的磨耗耐性および弾性を調節することができる。
犠牲層(SACRIFICIAL LAYERS)
特殊なタイプの構造は版を最終的に製造するための少なくとも1種のインキを使用し、そして少なくとも1種のインキは他の版製造層に噴射できる一時的フィルターとして使用される。一時的フィルターが犠牲層21を生成して、単独インキを用いては可能でない構造を生成することができる。可能な組み合わせの一例が図7に示されている。犠牲層21のフィルター物質をその後に適当な方法、例えば溶融、溶解など、により除去することができる。この方法は版の特性に影響を与える最終製品中で特殊な空所を生成するために使用することができる。別の可能な態様では、一時的フィルターを使用して版の製作中に小さいドットを支持して噴射されたてのドットの流出または最終的硬化前の噴射された構造の破壊を防止することができる。最終的硬化後に、小さいドットはより安定性となり且つフィルターを除去することができる。
上部層およびコーティング
別の態様では、他の特性を調節することも可能である。上部層のインキ受容性を改良するために、上部層に対して親油性を与える噴射された組成物を使用することができる。所望する特性を有する他の層を適用することができる。像領域の上部の上またはもちろん版全体にも追加の層をコーティング法により適用することができる。別の方法、例えば化学蒸着、全体的噴霧など、を用いることにより、噴射可能なコーティングだけの使用時より多くのコーティングタイプおよび特性が可能となる。
最終的硬化
印刷版が仕上がる時点で、通常は最終的硬化段階を行なって版の性質を確実に一定にする。部分的硬化が使用される場合には、版特性は通常は徐々に進行する硬化工程によって時間につれて変動するであろう。これは最終的硬化工程により回避される。好ましくは、長い波長を有する硬化性放射線、例えばUVA、は噴射された版のより良好な浸透性を与えるため、それが使用される。これは図2Cに示されている別個の最終的硬化性放射線源22により行なうことができる。しかしながら、最終的硬化段階を行なわないことが好ましいこともありうる。これは例えば適用段階の間の硬化度に依存しうる。
別の態様
他の知られている問題は、印刷版の横方向凝集によりベタ組の位置における版の圧縮は近くのドット下で版のある程度の圧縮も引き起こしてそれらを印刷中により不安定にさせるため、ベタ組領域の次のまたは2つのベタ組間の小さいドットが印刷された製品中で消える傾向があることである。印刷版内の領域間に物理的分離部を作成することにより印刷版の横方向凝集を低下させる可能な方法が図8に示されている。これはカレンダー加工法により行なうことができる。基質上に付与されたフォームまたは弾性層は特殊なカレンダーロールを用いて小さい島状物に容易に切断することができる。この方法の欠点は、ベース層の上側が切断部の微細な網目を有しており、そこでは例えば毛管力によりインキ浸潤が誘発されることでありうる。これは、別個のフォームまたはベース層をカレンダー加工しそしてベース層を基質に向けられた切断部を有する基質に対して積層または接着してベース層の上側にカレンダー加工方による空所がないようにすることにより、回避することができる。
−例えば版を乾燥状態で運転することによりインキを除去するために版をクリーニングする。
−印刷形状を測定する。
−測定された形状を版の所望するレリーフと比較する。
−印刷版の磨耗部分を再記録する。
その後に、回復したフレキソ版を用いて印刷を再開することができる。別の態様では、印刷された製品を測定することにより再記録を調節することができる。
2.ベタ組
3.ベタ組の再現
4.ハロー効果
5.ドット
6.台
7.印刷版
8.版枠
9.印刷ヘッド
10.光源
11.プロフィロメーター
12.往復運動システム
13.ラム
14.モーター
15.紫外線ランプ
16.紫外線スポット
17.中心ドット
18.わきのドット
19.上層
20.下方部分
21.犠牲層
22.最終的硬化性放射線源
Claims (5)
- 基質上にインキジェット印刷システムによりインキの像通りの少なくとも2つの層を順次適用する段階を含んでなるインキジェット印刷システムを用いてフレキソ印刷版を製造する方法であって、各層の適用段階を、適用された層をその次の層が適用される前に不動化するための不動化段階と組み合わせることを特徴とする方法。
- 少なくとも2つの層に関して層適用段階および不動化段階の組み合わせが異なる請求項1に記載の方法。
- 不動化段階をインラインで行なう請求項1または2に記載の方法。
- インキが放射線硬化性でありそして該インキ層をある種の硬化パラメーターに従い硬化性紫外放射線に露出することにより該不動化を行なう請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 該基質が支持体および弾性ベース層を含んでなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
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