JP2004188348A - 汚泥・排水用遠心沈降管およびスラリー脱水性評価方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】脱水性能をあらかじめ調べるにあたり、実用型遠心脱水機を用いた処理で得られる脱水性能(脱水後のスラリー含水率)を精度良く再現可能とし、かつ簡易な汚泥・排水用遠心沈降管およびスラリー脱水性評価方法を提供する。
【解決手段】下端にフランジを有する上部管体と、上端にフランジを有する有底の下部管体と、連結状態の前記両管体端部間に介装される多孔板とを有し、前記上部管体の下端と下部管体の上端を前記多孔板を介して当接させ、両管体のフランジを締結手段で脱着可能に締結することにより、上部管体と下部管体が脱着可能に連結されることを特徴とする汚泥・排水用遠心沈降管。及び、前記汚泥・排水用遠心沈降管を用いて、スラリーを脱水処理し、脱水後のスラリーの含水率を測定することを特徴とするスラリーの脱水性評価方法。
【選択図】 図1
【解決手段】下端にフランジを有する上部管体と、上端にフランジを有する有底の下部管体と、連結状態の前記両管体端部間に介装される多孔板とを有し、前記上部管体の下端と下部管体の上端を前記多孔板を介して当接させ、両管体のフランジを締結手段で脱着可能に締結することにより、上部管体と下部管体が脱着可能に連結されることを特徴とする汚泥・排水用遠心沈降管。及び、前記汚泥・排水用遠心沈降管を用いて、スラリーを脱水処理し、脱水後のスラリーの含水率を測定することを特徴とするスラリーの脱水性評価方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水処理場など排水処理施設から排出される排水や汚泥などのスラリーを遠心分離によって脱水するための汚泥・排水用遠心沈降管およびスラリー脱水性評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
下水処理場など排水処理施設から排出される排水や汚泥などのスラリーは、一般に大量の水を含んでいるため、汚泥を輸送したり、処理・処分するために、スラリーを脱水処理して減容化する必要がある。この脱水処理方法としては、真空濾過方法、加圧濾過方法、遠心分離型などがある。しかし、真空濾過方法、加圧濾過方法は一般に処理性能が不安定であり、また臭気の発生など、作業環境に問題がある。このため、脱水処理方法は遠心分離型の脱水処理方法に移行しつつあり、据え付け型の大型遠心脱水機等の連続式遠心脱水機(以下、実用型遠心脱水機と称す)が急速に普及しつつある。
【0003】
一方、地域や下水処理場での処理形態によって汚泥の性状が異なるため、実用型遠心脱水機を実際に採用するには、小型の連続式遠心脱水機を下水処理場に持ち込み、脱水性能をあらかじめ調べることが必要である。このため、通常は車載型の小型連続遠心脱水機を持ち込み、実際に脱水性能試験を実施することが一般に行なわれている。
【0004】
ところが、この方法は一回の脱水試験に一週間から二週間程度の期間を要するだけでなく、費用もかかる。
【0005】
上記車載型の小型連続式遠心脱水機に代わる簡易な処理方法として、卓上型(バッチ式)の遠心分離機を用いる方法が知られている。しかし、この方法はスラリーの脱水性能の目安にはなるものの、脱水後のスラリー含水率の再現に問題があり、信頼性は非常に低い。また、処理場などで実際に用いられる実用型遠心脱水機は、スラリーを連続で処理する方式であり、遠心脱水機に持ち込まれたスラリーは遠心力を受けながら、分離された水分が脱水機より徐々に排出される機構を有している。これに対し、卓上型の遠心分離機を用いた方法では、遠心分離器内の1つの沈降管内でスラリ−と水分を分離しているため、分離された水分を排出することができない。このことが起因し、卓上型の遠心分離機を用いる方法で得られる脱水後のスラリー含水率と実用型遠心脱水機で得られる脱水後のスラリー含水率に大きな差が生じることになる。
【0006】
このような中で、卓上型遠心分離機用の沈降管の改良として、特許文献1には、図4に示す遠心分離機沈降管が記載されている。図4において、沈降管10は底部に支持体20を配設し、支持体上に多孔板30を取りつけた構造になっており、多孔板30により固形分が濾過されて液体分のみが下に溜まるようになっている。
【0007】
【特許文献1】
実開昭59ー2438号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1では、筒状の支持体のみで多孔板を支えているため、多孔板と沈降管の接着が充分でなく、多孔板と沈降管の接触部分から漏れが生じ、例えば、スラリー含水率の精度が不充分である。また、特許文献1には、あらたに沈降管内上部に円筒濾紙を取りつける実施例も記載されているが、装置が複雑である。
【0009】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、脱水性能をあらかじめ調べるにあたり、実用型遠心脱水機を用いた処理で得られる脱水性能(脱水後のスラリー含水率)を精度良く再現可能とし、かつ簡易な汚泥・排水用遠心沈降管およびスラリー脱水性評価方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は以下のような構成を有する。
【0011】
[1]下端にフランジを有する上部管体と、上端にフランジを有する有底の下部管体と、連結状態の前記両管体端部間に介装される多孔板とを有し、前記上部管体の下端と下部管体の上端を前記多孔板を介して当接させ、両管体のフランジを締結手段で脱着可能に締結することにより、上部管体と下部管体が脱着可能に連結されることを特徴とする汚泥・排水用遠心沈降管。
【0012】
[2]下端にフランジを有する上部管体と、上端にフランジを有する有底の下部管体と、連結状態の両管体端部間に、上部管体側から順に介装される濾過材及び多孔板とを有し、前記上部管体の下端と下部管体の上端を前記多孔板及び濾過材を介して当接させ、両管体のフランジを締結手段で脱着可能に締結することにより、上部管体と下部管体が脱着可能に連結されることを特徴とする汚泥・排水用遠心沈降管。
【0013】
[3]沈降管本体と、該沈降管本体が収納される一端が閉口した外殻容器とを有し、前記沈降管本体は、下端にフランジを有する上部管体と、上端にフランジを有する下部管体と、連結状態の前記両管体端部間に介装される多孔板とを有し、前記上部管体の下端と下部管体の上端を前記多孔板を介して当接させ、両管体のフランジを締結手段で脱着可能に締結することにより、上部管体と下部管体が脱着可能に連結され、前記沈降管本体は前記外殻容器内に、前記フランジ外周が容器内面に当接するように収納されることを特徴とする汚泥・排水用遠心沈降管。
【0014】
[4]沈降管本体と、該沈降管本体が収納される一端が閉口した外殻容器とを有し、前記沈降管本体は、下端にフランジを有する上部管体と、上端にフランジを有する下部管体と、連結状態の両管体端部間に、上部管体側から順に介装される濾過材及び多孔板とを有し、前記上部管体の下端と下部管体の上端を前記多孔板及び濾過材を介して当接させ、両管体のフランジを締結手段で脱着可能に締結することにより、上部管体と下部管体が脱着可能に連結され、前記沈降管本体は前記外殻容器内に、前記フランジ外周が容器内面に当接するように収納されることを特徴とする汚泥・排水用遠心沈降管。
【0015】
[5]上記[1]ないし[4]に記載の汚泥・排水用遠心沈降管を用いて、スラリーを脱水処理し、脱水後のスラリーの含水率を測定することを特徴とするスラリーの脱水性評価方法。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の汚泥・排水用遠心沈降管の一実施形態を示すものである。図1において、下端にフランジ2aを有する上部管体1aと、上端にフランジ2bを有する有底の下部管体1bと、連結状態の両管体端部間に上部管体側から順に介装される濾過材4及び多孔板3とを有している。
【0017】
前記上部管体1aと前記下部管体1bはそれぞれ下端、上端にフランジ2a、2bを有し、前記上部管体1aの下端と下部管体1bの上端を前記多孔板3及び濾過材4を介して当接させ、両管体のフランジを締結手段で脱着可能に締結することにより、上部管体と下部管体が脱着可能に連結されている。この時の締結手段は特に限定はせず、例えばボルト締め、ねじ込み等が挙げられる。また、多孔板とフランジの隙間を通して管体外部に管体内部の液がもれるのを防止するため、前記フランジ2a、2bの外径は前記多孔板3の径よりも小さいことが好ましい。
【0018】
前記多孔板3は、前記上部管体1aの下端と下部管体1bの上端に挟み込む形で当接し、両管体のフランジを締結手段で締結することにより、前記上部管体1aの下端と前記多孔板2と下部管体1bの上端とが完全に密着し、管体内部の液が管体外部にもれるのを防ぐ構造となっている。そして、前記多孔板3は、管体の内部空間と面している部分のみ孔が形成されている。
【0019】
前記濾過材4は、前記多孔板3の上部に具備し、前記多孔板3同様、前記上部管体1aの下端と下部管体1bの上端に挟み込む形で当接する。前記濾過材4としては、スラリーに含まれる固形粒子と水分とを分離できるものであれば、材質、孔径など限定されないが、通常用いられる汚泥等のスラリーの粒径分布を考慮すると、前記濾過材3の孔径は0.1μm〜1000、さらには0.1〜5μmが好ましい。
【0020】
図1によれば、まず、スラリーを従来の遠心沈降管に供給し、所定の遠心力で所定時間、遠心分離処理を行なう。この処理によって、スラリーは沈降物と上澄み液とに分離される。分離後、上澄み液を除去した後、遠心管底部の沈降物を回収する。次いで、図1の遠心沈降管の濾過材4の上部に前記沈降物を供給し、前記上部管体1aの下端と下部管体1bの上端を前記多孔板3及び濾過材4を介して当接させ、両管体のフランジを締結手段で脱着可能に締結する。その後、所定の遠心力で所定時間、遠心分離処理を行なう。脱水処理終了後に濾過材4上部のスラリーを回収し、その含水率を測定し、スラリー脱水性を評価する。
【0021】
図3は、本発明の他の汚泥・排水用遠心沈降管の一実施形態を示すものである。図3において、沈降管本体5と、該沈降管本体が収納される一端が閉口した外殻容器6とを有しており、前記沈降管本体5は前記外殻容器6内に、前記フランジ外周が容器内面に当接するように収納される構造となっている。なお、前記沈降管本体5内の構造は図1と同様であるので、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0022】
図3によれば、図1の本発明の汚泥・排水用遠心沈降管と同様に、まず、スラリーを従来の遠心沈降管によって遠心分離処理を行ない、分離後、上澄み液を除去した後、遠心管底部の沈降物を回収する。次いで、図3の遠心沈降管の濾過材4の上部に前記沈降物を供給し、前記上部管体1aの下端と下部管体1bの上端を前記多孔板3及び濾過材4を介して当接させ、両管体のフランジを締結手段で脱着可能に締結し、前記沈降管本体5は前記外殻容器6内に、前記フランジ外周が容器内面に当接するように収納する。その後、所定の遠心力で所定時間、遠心分離処理を行なう。脱水処理終了後に濾過材4上部のスラリーを回収し、その含水率を測定し、スラリー脱水性を評価する。
【0023】
以上のように、本発明の沈降管は管体内部に多孔板を支えるための支持体等を必要とせず、構造がシンプルとなる。かつ上部管体と下部管体の間にフランジを介して多孔板を挟み込む形で当接させ締結するので、多孔板とフランジの隙間等から液がもれることが泣く、密着性に優れる。また、多孔板によりスラリ−が濾過されて液体分のみが下に溜まるので、脱水後のスラリ−の取りだし等が容易になる。
【0024】
このような本発明の沈降管を用いてスラリ−の脱水性を評価することにより、実用型遠心脱水機を用いた処理で得られる脱水性能(脱水後のスラリー含水率)を精度良く再現できる。
【0025】
【実施例】
図1の汚泥・排水用遠心沈降管を用いて、下水スラリーの遠心脱水処理を行なった。この時の脱水条件は下記の通りである。また、下水スラリーの脱水性能を変更する目的で凝集剤を添加した。得られた結果を図2に示す。
[脱水条件]供試スラリー含水率:97%、遠心力:2000G、処理時間:5分
また、比較例として、沈降間内部には支持体や濾過材等何も設置しない従来の沈降管を用いて上記下水スラリーの遠心脱水処理を行なった。この時の脱水条件は上記実施例と同様である。
【0026】
さらに、参考例として、実用型遠心脱水機を用いて上記下水スラリーの遠心脱水処理を行なった。
【0027】
比較例、参考例の結果を図2に併せて記す。
【0028】
図2によれば、本発明例では、実用型遠心脱水機による処理で得られる結果を精度良く再現できていることがわかる。一方、比較例は、得られる結果に、実用の連続遠心脱水機による処理で得られる結果と大きな開きがあることがわかる。
【0029】
【発明の効果】
以上、本発明の汚泥・排水用遠心沈降管を用いたスラリー脱水性評価方法によれば、従来の沈降管による遠心脱水処理に比べ、実用型遠心脱水機による処理で得られる脱水後のスラリー含水率を簡易な方法で、しかも短時間で精度良く再現できることがわかる。さらに、本発明の汚泥・排水用遠心沈降管は装置が簡易であるため、従来のように小型遠心脱水機を処理場に持ち込む大掛かりな処理をする必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の汚泥・排水用遠心沈降管の一実施形態を示す図である。
【図2】凝集剤添加率と脱水処理後のスラリー含水率との関係を示す図である。
【図3】本発明の他の汚泥・排水用遠心沈降管の一実施形態を示す図である。
【図4】従来の遠心沈降管を示す図である。
【符号の説明】
1a 上部管体
1b 下部管体
2a、2b フランジ
3 多孔板
4 濾過材
5 沈降管本体
6 外殻容器
10 沈降管
20 支持体
30 多孔板
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水処理場など排水処理施設から排出される排水や汚泥などのスラリーを遠心分離によって脱水するための汚泥・排水用遠心沈降管およびスラリー脱水性評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
下水処理場など排水処理施設から排出される排水や汚泥などのスラリーは、一般に大量の水を含んでいるため、汚泥を輸送したり、処理・処分するために、スラリーを脱水処理して減容化する必要がある。この脱水処理方法としては、真空濾過方法、加圧濾過方法、遠心分離型などがある。しかし、真空濾過方法、加圧濾過方法は一般に処理性能が不安定であり、また臭気の発生など、作業環境に問題がある。このため、脱水処理方法は遠心分離型の脱水処理方法に移行しつつあり、据え付け型の大型遠心脱水機等の連続式遠心脱水機(以下、実用型遠心脱水機と称す)が急速に普及しつつある。
【0003】
一方、地域や下水処理場での処理形態によって汚泥の性状が異なるため、実用型遠心脱水機を実際に採用するには、小型の連続式遠心脱水機を下水処理場に持ち込み、脱水性能をあらかじめ調べることが必要である。このため、通常は車載型の小型連続遠心脱水機を持ち込み、実際に脱水性能試験を実施することが一般に行なわれている。
【0004】
ところが、この方法は一回の脱水試験に一週間から二週間程度の期間を要するだけでなく、費用もかかる。
【0005】
上記車載型の小型連続式遠心脱水機に代わる簡易な処理方法として、卓上型(バッチ式)の遠心分離機を用いる方法が知られている。しかし、この方法はスラリーの脱水性能の目安にはなるものの、脱水後のスラリー含水率の再現に問題があり、信頼性は非常に低い。また、処理場などで実際に用いられる実用型遠心脱水機は、スラリーを連続で処理する方式であり、遠心脱水機に持ち込まれたスラリーは遠心力を受けながら、分離された水分が脱水機より徐々に排出される機構を有している。これに対し、卓上型の遠心分離機を用いた方法では、遠心分離器内の1つの沈降管内でスラリ−と水分を分離しているため、分離された水分を排出することができない。このことが起因し、卓上型の遠心分離機を用いる方法で得られる脱水後のスラリー含水率と実用型遠心脱水機で得られる脱水後のスラリー含水率に大きな差が生じることになる。
【0006】
このような中で、卓上型遠心分離機用の沈降管の改良として、特許文献1には、図4に示す遠心分離機沈降管が記載されている。図4において、沈降管10は底部に支持体20を配設し、支持体上に多孔板30を取りつけた構造になっており、多孔板30により固形分が濾過されて液体分のみが下に溜まるようになっている。
【0007】
【特許文献1】
実開昭59ー2438号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1では、筒状の支持体のみで多孔板を支えているため、多孔板と沈降管の接着が充分でなく、多孔板と沈降管の接触部分から漏れが生じ、例えば、スラリー含水率の精度が不充分である。また、特許文献1には、あらたに沈降管内上部に円筒濾紙を取りつける実施例も記載されているが、装置が複雑である。
【0009】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、脱水性能をあらかじめ調べるにあたり、実用型遠心脱水機を用いた処理で得られる脱水性能(脱水後のスラリー含水率)を精度良く再現可能とし、かつ簡易な汚泥・排水用遠心沈降管およびスラリー脱水性評価方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は以下のような構成を有する。
【0011】
[1]下端にフランジを有する上部管体と、上端にフランジを有する有底の下部管体と、連結状態の前記両管体端部間に介装される多孔板とを有し、前記上部管体の下端と下部管体の上端を前記多孔板を介して当接させ、両管体のフランジを締結手段で脱着可能に締結することにより、上部管体と下部管体が脱着可能に連結されることを特徴とする汚泥・排水用遠心沈降管。
【0012】
[2]下端にフランジを有する上部管体と、上端にフランジを有する有底の下部管体と、連結状態の両管体端部間に、上部管体側から順に介装される濾過材及び多孔板とを有し、前記上部管体の下端と下部管体の上端を前記多孔板及び濾過材を介して当接させ、両管体のフランジを締結手段で脱着可能に締結することにより、上部管体と下部管体が脱着可能に連結されることを特徴とする汚泥・排水用遠心沈降管。
【0013】
[3]沈降管本体と、該沈降管本体が収納される一端が閉口した外殻容器とを有し、前記沈降管本体は、下端にフランジを有する上部管体と、上端にフランジを有する下部管体と、連結状態の前記両管体端部間に介装される多孔板とを有し、前記上部管体の下端と下部管体の上端を前記多孔板を介して当接させ、両管体のフランジを締結手段で脱着可能に締結することにより、上部管体と下部管体が脱着可能に連結され、前記沈降管本体は前記外殻容器内に、前記フランジ外周が容器内面に当接するように収納されることを特徴とする汚泥・排水用遠心沈降管。
【0014】
[4]沈降管本体と、該沈降管本体が収納される一端が閉口した外殻容器とを有し、前記沈降管本体は、下端にフランジを有する上部管体と、上端にフランジを有する下部管体と、連結状態の両管体端部間に、上部管体側から順に介装される濾過材及び多孔板とを有し、前記上部管体の下端と下部管体の上端を前記多孔板及び濾過材を介して当接させ、両管体のフランジを締結手段で脱着可能に締結することにより、上部管体と下部管体が脱着可能に連結され、前記沈降管本体は前記外殻容器内に、前記フランジ外周が容器内面に当接するように収納されることを特徴とする汚泥・排水用遠心沈降管。
【0015】
[5]上記[1]ないし[4]に記載の汚泥・排水用遠心沈降管を用いて、スラリーを脱水処理し、脱水後のスラリーの含水率を測定することを特徴とするスラリーの脱水性評価方法。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の汚泥・排水用遠心沈降管の一実施形態を示すものである。図1において、下端にフランジ2aを有する上部管体1aと、上端にフランジ2bを有する有底の下部管体1bと、連結状態の両管体端部間に上部管体側から順に介装される濾過材4及び多孔板3とを有している。
【0017】
前記上部管体1aと前記下部管体1bはそれぞれ下端、上端にフランジ2a、2bを有し、前記上部管体1aの下端と下部管体1bの上端を前記多孔板3及び濾過材4を介して当接させ、両管体のフランジを締結手段で脱着可能に締結することにより、上部管体と下部管体が脱着可能に連結されている。この時の締結手段は特に限定はせず、例えばボルト締め、ねじ込み等が挙げられる。また、多孔板とフランジの隙間を通して管体外部に管体内部の液がもれるのを防止するため、前記フランジ2a、2bの外径は前記多孔板3の径よりも小さいことが好ましい。
【0018】
前記多孔板3は、前記上部管体1aの下端と下部管体1bの上端に挟み込む形で当接し、両管体のフランジを締結手段で締結することにより、前記上部管体1aの下端と前記多孔板2と下部管体1bの上端とが完全に密着し、管体内部の液が管体外部にもれるのを防ぐ構造となっている。そして、前記多孔板3は、管体の内部空間と面している部分のみ孔が形成されている。
【0019】
前記濾過材4は、前記多孔板3の上部に具備し、前記多孔板3同様、前記上部管体1aの下端と下部管体1bの上端に挟み込む形で当接する。前記濾過材4としては、スラリーに含まれる固形粒子と水分とを分離できるものであれば、材質、孔径など限定されないが、通常用いられる汚泥等のスラリーの粒径分布を考慮すると、前記濾過材3の孔径は0.1μm〜1000、さらには0.1〜5μmが好ましい。
【0020】
図1によれば、まず、スラリーを従来の遠心沈降管に供給し、所定の遠心力で所定時間、遠心分離処理を行なう。この処理によって、スラリーは沈降物と上澄み液とに分離される。分離後、上澄み液を除去した後、遠心管底部の沈降物を回収する。次いで、図1の遠心沈降管の濾過材4の上部に前記沈降物を供給し、前記上部管体1aの下端と下部管体1bの上端を前記多孔板3及び濾過材4を介して当接させ、両管体のフランジを締結手段で脱着可能に締結する。その後、所定の遠心力で所定時間、遠心分離処理を行なう。脱水処理終了後に濾過材4上部のスラリーを回収し、その含水率を測定し、スラリー脱水性を評価する。
【0021】
図3は、本発明の他の汚泥・排水用遠心沈降管の一実施形態を示すものである。図3において、沈降管本体5と、該沈降管本体が収納される一端が閉口した外殻容器6とを有しており、前記沈降管本体5は前記外殻容器6内に、前記フランジ外周が容器内面に当接するように収納される構造となっている。なお、前記沈降管本体5内の構造は図1と同様であるので、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0022】
図3によれば、図1の本発明の汚泥・排水用遠心沈降管と同様に、まず、スラリーを従来の遠心沈降管によって遠心分離処理を行ない、分離後、上澄み液を除去した後、遠心管底部の沈降物を回収する。次いで、図3の遠心沈降管の濾過材4の上部に前記沈降物を供給し、前記上部管体1aの下端と下部管体1bの上端を前記多孔板3及び濾過材4を介して当接させ、両管体のフランジを締結手段で脱着可能に締結し、前記沈降管本体5は前記外殻容器6内に、前記フランジ外周が容器内面に当接するように収納する。その後、所定の遠心力で所定時間、遠心分離処理を行なう。脱水処理終了後に濾過材4上部のスラリーを回収し、その含水率を測定し、スラリー脱水性を評価する。
【0023】
以上のように、本発明の沈降管は管体内部に多孔板を支えるための支持体等を必要とせず、構造がシンプルとなる。かつ上部管体と下部管体の間にフランジを介して多孔板を挟み込む形で当接させ締結するので、多孔板とフランジの隙間等から液がもれることが泣く、密着性に優れる。また、多孔板によりスラリ−が濾過されて液体分のみが下に溜まるので、脱水後のスラリ−の取りだし等が容易になる。
【0024】
このような本発明の沈降管を用いてスラリ−の脱水性を評価することにより、実用型遠心脱水機を用いた処理で得られる脱水性能(脱水後のスラリー含水率)を精度良く再現できる。
【0025】
【実施例】
図1の汚泥・排水用遠心沈降管を用いて、下水スラリーの遠心脱水処理を行なった。この時の脱水条件は下記の通りである。また、下水スラリーの脱水性能を変更する目的で凝集剤を添加した。得られた結果を図2に示す。
[脱水条件]供試スラリー含水率:97%、遠心力:2000G、処理時間:5分
また、比較例として、沈降間内部には支持体や濾過材等何も設置しない従来の沈降管を用いて上記下水スラリーの遠心脱水処理を行なった。この時の脱水条件は上記実施例と同様である。
【0026】
さらに、参考例として、実用型遠心脱水機を用いて上記下水スラリーの遠心脱水処理を行なった。
【0027】
比較例、参考例の結果を図2に併せて記す。
【0028】
図2によれば、本発明例では、実用型遠心脱水機による処理で得られる結果を精度良く再現できていることがわかる。一方、比較例は、得られる結果に、実用の連続遠心脱水機による処理で得られる結果と大きな開きがあることがわかる。
【0029】
【発明の効果】
以上、本発明の汚泥・排水用遠心沈降管を用いたスラリー脱水性評価方法によれば、従来の沈降管による遠心脱水処理に比べ、実用型遠心脱水機による処理で得られる脱水後のスラリー含水率を簡易な方法で、しかも短時間で精度良く再現できることがわかる。さらに、本発明の汚泥・排水用遠心沈降管は装置が簡易であるため、従来のように小型遠心脱水機を処理場に持ち込む大掛かりな処理をする必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の汚泥・排水用遠心沈降管の一実施形態を示す図である。
【図2】凝集剤添加率と脱水処理後のスラリー含水率との関係を示す図である。
【図3】本発明の他の汚泥・排水用遠心沈降管の一実施形態を示す図である。
【図4】従来の遠心沈降管を示す図である。
【符号の説明】
1a 上部管体
1b 下部管体
2a、2b フランジ
3 多孔板
4 濾過材
5 沈降管本体
6 外殻容器
10 沈降管
20 支持体
30 多孔板
Claims (5)
- 下端にフランジを有する上部管体と、上端にフランジを有する有底の下部管体と、連結状態の前記両管体端部間に介装される多孔板とを有し、前記上部管体の下端と下部管体の上端を前記多孔板を介して当接させ、両管体のフランジを締結手段で脱着可能に締結することにより、上部管体と下部管体が脱着可能に連結されることを特徴とする汚泥・排水用遠心沈降管。
- 下端にフランジを有する上部管体と、上端にフランジを有する有底の下部管体と、連結状態の両管体端部間に、上部管体側から順に介装される濾過材及び多孔板とを有し、前記上部管体の下端と下部管体の上端を前記多孔板及び濾過材を介して当接させ、両管体のフランジを締結手段で脱着可能に締結することにより、上部管体と下部管体が脱着可能に連結されることを特徴とする汚泥・排水用遠心沈降管。
- 沈降管本体と、該沈降管本体が収納される一端が閉口した外殻容器とを有し、前記沈降管本体は、下端にフランジを有する上部管体と、上端にフランジを有する下部管体と、連結状態の前記両管体端部間に介装される多孔板とを有し、前記上部管体の下端と下部管体の上端を前記多孔板を介して当接させ、両管体のフランジを締結手段で脱着可能に締結することにより、上部管体と下部管体が脱着可能に連結され、前記沈降管本体は前記外殻容器内に、前記フランジ外周が容器内面に当接するように収納されることを特徴とする汚泥・排水用遠心沈降管。
- 沈降管本体と、該沈降管本体が収納される一端が閉口した外殻容器とを有し、前記沈降管本体は、下端にフランジを有する上部管体と、上端にフランジを有する下部管体と、連結状態の両管体端部間に、上部管体側から順に介装される濾過材及び多孔板とを有し、前記上部管体の下端と下部管体の上端を前記多孔板及び濾過材を介して当接させ、両管体のフランジを締結手段で脱着可能に締結することにより、上部管体と下部管体が脱着可能に連結され、前記沈降管本体は前記外殻容器内に、前記フランジ外周が容器内面に当接するように収納されることを特徴とする汚泥・排水用遠心沈降管。
- 請求項1ないし4に記載の汚泥・排水用遠心沈降管を用いて、スラリーを脱水処理し、脱水後のスラリーの含水率を測定することを特徴とするスラリーの脱水性評価方法。
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