JP2004187889A - 容器の温度表示方法、及び温度表示装置 - Google Patents
容器の温度表示方法、及び温度表示装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004187889A JP2004187889A JP2002358794A JP2002358794A JP2004187889A JP 2004187889 A JP2004187889 A JP 2004187889A JP 2002358794 A JP2002358794 A JP 2002358794A JP 2002358794 A JP2002358794 A JP 2002358794A JP 2004187889 A JP2004187889 A JP 2004187889A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- container
- temperature
- paint
- reversible
- thermostatic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Cookers (AREA)
Abstract
【課題】本発明は電磁誘導加熱方式に使用する磁性体を有する容器類の温度表示方法及び温度表示装置に関し、特に容器類に直接温度表示を施すことによって、火傷の危険を防止し、調理を失敗なく行う容器の温度表示方法及び温度表示装置を提供するものである。
【解決手段】本発明はステンレス製の鍋1に可逆性示温塗料2を塗布し、加熱することによって鍋1に塗布された可逆性示温塗料2の色が変色し、鍋1の加熱状態が外部から容易に視認できる構成であり、このように構成することにより、火傷を防止し、調理の失敗をなくすものである。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明はステンレス製の鍋1に可逆性示温塗料2を塗布し、加熱することによって鍋1に塗布された可逆性示温塗料2の色が変色し、鍋1の加熱状態が外部から容易に視認できる構成であり、このように構成することにより、火傷を防止し、調理の失敗をなくすものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電磁誘導加熱方式に使用する磁性体を有する容器の温度表示方法、及び温度表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、電子レンジのように電磁誘導加熱方式によって容器(例えば、ステンレス製の鍋)を加熱し、調理する方法が広く行われている。この方法はガス台等を利用する、所謂直接加熱に比べて迅速かつ簡単に調理ができる。この為、広く利用されている。
【0003】
しかし、鍋等の容器類を加熱する際、炎が見えない為容器類が加熱していても外観上、加熱状態を視認することができない。この為、うっかり鍋に触れ、火傷を負う危険もある。また、温度が判らず調理に失敗する場合もある。
【0004】
一方、温度表示装置として、例えば特許文献1がある。この特許文献1は、保温用蓄熱体の加熱装置であり、加熱手段を備え、蓄熱体などの保温用蓄熱体を出し入れ可能に収容する加熱用バッグなどに加熱温度を表示するものである。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−204752号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の発明では保温用蓄熱体そのものの温度を表示することはできない。したがって、例えば電子レンジ等の電磁誘導加熱装置に入れて加熱した容器類の温度を直接知ることはできない。
【0007】
したがって、この場合も、例えば容器類の温度(表面温度)が低いと思って握ったところ高温であり、火傷する危険がある。また、調理に失敗することも考えられる。
【0008】
そこで、本発明は容器類に直接温度表示を行うことによって、火傷等の危険を防止し、調理も正確にできる容器の温度表示方法、及び温度表示装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題は請求項1記載の発明によれば、容器の加熱温度に応じた可逆性示温塗料を選択する処理と、該処理によって選択された可逆性示温塗料を前記容器の外面に塗布する処理とを行い、該処理によって塗布された可逆性示温塗料が、前記容器を加熱することによって変色し、前記容器の温度表示が行われる容器の温度表示方法を提供することによって達成できる。
【0010】
このように構成することにより、電子レンジ等の電磁誘導加熱方式によって加熱した容器であって、従来加熱温度が判らなかった場合でも、本発明によって可逆性示温塗料が容器類の表面に塗布されており、その変色によって容易に温度表示される。
【0011】
したがって、誤って手で持ち火傷を負うことがない。また、温度が判ることから、調理に失敗することもない。
請求項2の記載は、上記請求項1記載の発明において、前記容器は磁性を有し、容器類の表面に凹凸を設け、該凹部に前記可逆性示温塗料を付与した構成である。
【0012】
このように構成することにより、外部からの摩擦や衝撃によって剥がれ難く、より寿命の長い容器類の温度表示装置を提供できる。
請求項3の記載は、上記請求項2の記載において、前記磁性を有する容器は、例えばステンレス製の鍋である。
【0013】
このように構成することにより、より使用頻度の高い製品に温度表示を行うことができる。
上記課題は請求項4記載の発明によれば、容器の発熱温度に応じた可逆性示温塗料を選択する処理と、粘着性ポリエステルフィルム、又は磁性を付与したフィルムに前記可逆性示温塗料を吹き付ける処理と、該可逆性示温塗料が吹き付けられた前記フィルムを前記容器類に取り付ける処理とを行い、前記処理によって吹き付けられた可逆性示温塗料が、前記容器類を加熱することによって変色し、前記容器の温度表示が行われる容器の温度表示方法を提供することによって達成できる。
【0014】
このように構成することによっても、可逆性示温塗料が容器の外周で変色し、容易に温度表示される。したがって、誤って手で持ち火傷を負うことがなく、調理に失敗することもない。
【0015】
上記課題は請求項5記載の発明によれば、容器の発熱温度に応じた可逆性示温塗料を選択する処理と、磁性体を有するアルミニウム容器を陽極酸化する処理と、該処理の際生じる電解孔に前記可逆性示温塗料を含侵させる処理と、該可逆性示温塗料が含侵した前記電解孔を封孔する処理とを行い、前記処理によって含侵した可逆性示温塗料が、前記容器類を加熱することによって変色し、容器類の温度表示が行われる容器類の温度表示方法を提供することによって達成できる。
【0016】
このように構成することによっても、可逆性示温塗料が容器の外周で変色し、容易に温度表示される。したがって、誤って手で持ち火傷を負うことがなく、調理に失敗することもない。
【0017】
上記課題は請求項6記載の発明によれば、磁性容器に可逆性示温塗料を塗布した磁性容器の温度表示装置を提供することによって達成できる。
また、上記課題は請求項7記載の発明によれば、磁性容器に対し、可逆性示温塗料が吹き付けられた粘着性ポリエステルフィルム又は磁性を付与したフィルムを貼着した磁性容器の温度表示装置を提供することによって達成できる。
【0018】
さらに、上記課題は請求項8記載の発明によれば、陽極酸化処理によって形成された磁性容器の表面の電解孔に可逆性示温塗料を含侵させた磁性容器の温度表示装置を提供することによって達成できる。
【0019】
上記請求項6乃至請求項8に記載の発明は、容器の温度表示装置の発明であり、このように構成することによっても可逆性示温塗料が容器の外周で変色し、容易に温度表示され、誤って手で持ち火傷を負うことがなく、調理に失敗することもない。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の温度表示装置を、例えば鍋に取り付けた例である。同図において、鍋1はステンレス製の鍋であり、鍋1の周面には可逆性示温塗料2は塗布されている。この可逆性示温塗料2は鍋1の発熱温度(加熱温度)に対応して選択される。例えば、上記可逆性示温塗料2として、Ag2HgI4−Cu2HgI4 の固容体を含む塗料が使用される。
【0021】
また、鍋1は磁性容器であり、本例で使用するステンレス製の鍋の場合、通常SUS430(JIS規格)を使用するが、ステンレスの表面を80メッシュ程度のショットブラスト粗化し、例えばシリコンワニスにヨウ化水銀系示温顔料を加えた可逆性示温塗料2を塗布し、更に180℃で10分間焼き付けを行い、塗膜を形成し、この塗装面を鍋1(容器)の外面3とする。
【0022】
また、前述のように可逆性示温塗料2は使用する温度によって塗料を選択し、塗布する。
図2は上記可逆性示温塗料2が外面3に形成された鍋1を加熱する為、電子レンジ(電磁誘導加熱装置)4に鍋1を入れた状態を示す。尚、同図に示す5は鍋1を載せるプレートであり、6は操作パネルである。
【0023】
この状態において、操作パネル6を操作し、所定時間鍋1を加熱する。この加熱処理によって、鍋1は電磁誘導作用によって加熱され、この加熱に伴って可逆性示温塗料2の色が変わる。この色の変化は予め設定されており、利用者は電子レンジ4から鍋1を取り出す際、鍋1の温度が分かる。したがって、例えば素手で持てない温度に加熱されていれば、補助具等を使用して鍋1を取り出すので、火傷を負うことがない。
【0024】
また、可逆性示温塗料2の色の変化で鍋1の温度が分かるので、例えば操作パネル6を操作して設定した時間加熱したにも関わらず、可逆性示温塗料2に色の変化が表れない場合、更に操作パネル6を操作して時間設定を行い、鍋1を加熱して調理を行うことができる。したがって、調理の失敗をなくすことができる。
【0025】
尚、上記例では可逆性示温塗料2は1種類としたが、2種類の温度検出を行う為、図1に示すように鍋1の他の位置に可逆性示温塗料7を塗布する構成としてもよい。この場合、塗布する塗料の成分を変えてもよく、又は異なる種類の可逆性示温塗料7を使用してもよい。例えば、可逆性示温塗料2を50℃の設定とし、可逆性示温塗料7を180℃の設定とする。
【0026】
さらに、3箇所以上の箇所に可逆性示温塗料を塗布する構成としてもよく、このように構成することにより、鍋1の温度を段階的に表示することができる。
尚、上記容器類の表面に凹凸を設け、該凹部に前記可逆性示温塗料を付与する構成としてもよい。
【0027】
次に、本発明の第2の例を説明する。
この例は、可逆性示温塗料2を粘着性ポリエステルフィルム、又は磁性を付与したフィルムに吹き付け、該可逆性示温塗料が吹き付けられたフィルムを前記容器類に貼着する構成である。尚、使用する可逆性示温塗料の成分や、使用する容器は前述と同様、ステンレス製の鍋であり、またフィルムの2箇所以上に可逆性示温塗料を付与する構成としてもよい。
【0028】
このように構成することにより、前述と同様付与された可逆性示温塗料が、鍋1を加熱することによって変色し、鍋1の温度が容易に分かる。したがって、火傷を負うことがなく、又調理の失敗をなくすことができる。
【0029】
尚、本例の場合も、2箇所以上に可逆性示温塗料を吹き付ける構成としてもよく、このように構成することにより、鍋1の温度を段階的に表示することができる。
【0030】
また、本例の場合、上記フィルムを取り外し(剥がすことを)容易に構成することによって、簡単の鍋1の温度設定を変えることができる。
次に、本発明の第3の例を説明する。
【0031】
本例は、磁性体を有するアルミニウム容器を陽極酸化する処理によって電解孔を形成し、この電解孔に可逆性示温塗料を含侵させ、温度表示を行うものである。以下、具体的に説明する。
【0032】
先ず、アルミニウム容器に陽極酸化処理を施し、表面に酸化アルミニウム(Al2 O3)を生成する。この陽極酸化膜の形成は、アルミニウム容器を陽極として硫酸電解液中で、電気分解を行う。この時、陽極反応として、以下の化学反応が起こり、
Al→Al3++3e−
OH−→O2−+H+
HSO4 −→SO4 2−+H+
陰極反応として、以下の反応が起こる。
【0033】
H++e−→H2
一方、陽極の微細孔の内部でも同時に、以下の化学式で示す硫酸根を含む酸化皮膜の生成が進む。すなわち、
2Al3++3O2−→Al2 O3
Al3++SO4 2−→Al2(SO4)3
この酸化膜の成長は、電解孔の形成によって順次積層され、例えば10〜15μmの酸化アルミニウム膜を形成する。この状態において、酸化アルミニウム膜には多数の電解孔が形成されている。
【0034】
図3はこの状態を説明するアルミニウム容器の表面の断面図である。基体であるアルミニウム容器10上にはバリヤー層11が形成され、バリヤー層11上に上記酸化アルミニウム層(酸化アルミニウム膜)12が形成されている。また、この酸化アルミニウム層12内には電解孔13が多数形成される。尚、この酸化アルミニウム(Al2 O3)の膜厚は、例えば10〜15μmであり、電解孔13の直径は数100Å程度である。
【0035】
次に、上記酸化膜が形成されたアルミニウム容器10の電解孔13に前述の可逆性示温塗料14を含侵する。そして、可逆性示温塗料14を含浸した後、封孔処理を行う。図4は封孔処理を施した後のアルミニウム容器10の表面の状態を示す。封孔(処理)14後のアルミニウム容器10には、電解孔13内に可逆性示温塗料15が封入され、外部から容易に視認することができる。
【0036】
したがって、このような可逆性示温塗料15を外面に有する容器を加熱した場合、前述と同様所定温度で可逆性示温塗料15の色が変わり、容易に容器の加熱状態が判る。
【0037】
したがって、火傷を負うことがなく、又調理の失敗をなくすことができる。また、本例の場合も2箇所以上に分け、可逆性示温塗料を含浸させる構成としてもよく、このように構成することにより、容器の温度を段階的に表示することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば容器類の温度が分かるので、火傷を負うことがなく、また調理の失敗を無くすことができる。
【0039】
また、調理を行う際、段階的に温度表示(変色)を行わせ、簡単かつ効率よく調理を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の温度表示装置をステンレス製の鍋に取り付けた例を説明する図である。
【図2】可逆性示温塗料が外面に形成された鍋を電子レンジ(電磁誘導加熱装置)に入れた状態を示す図である。
【図3】アルミニウム容器を陽極酸化し、電解孔に可逆性示温塗料を含浸させる例を説明する図である。
【図4】可逆性示温塗料を含浸後の容器表面の状態を説明する図である。
【符号の説明】
1 鍋
2 可逆性示温塗料
3 外面
4 電磁誘導加熱装置
5 プレート
6 操作パネル
7 可逆性示温塗料
10 アルミニウム
11 バリヤー層
12 酸化アルミ層
13 電解孔
14 封孔
15 可逆性示温塗料
【発明の属する技術分野】
本発明は電磁誘導加熱方式に使用する磁性体を有する容器の温度表示方法、及び温度表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、電子レンジのように電磁誘導加熱方式によって容器(例えば、ステンレス製の鍋)を加熱し、調理する方法が広く行われている。この方法はガス台等を利用する、所謂直接加熱に比べて迅速かつ簡単に調理ができる。この為、広く利用されている。
【0003】
しかし、鍋等の容器類を加熱する際、炎が見えない為容器類が加熱していても外観上、加熱状態を視認することができない。この為、うっかり鍋に触れ、火傷を負う危険もある。また、温度が判らず調理に失敗する場合もある。
【0004】
一方、温度表示装置として、例えば特許文献1がある。この特許文献1は、保温用蓄熱体の加熱装置であり、加熱手段を備え、蓄熱体などの保温用蓄熱体を出し入れ可能に収容する加熱用バッグなどに加熱温度を表示するものである。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−204752号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の発明では保温用蓄熱体そのものの温度を表示することはできない。したがって、例えば電子レンジ等の電磁誘導加熱装置に入れて加熱した容器類の温度を直接知ることはできない。
【0007】
したがって、この場合も、例えば容器類の温度(表面温度)が低いと思って握ったところ高温であり、火傷する危険がある。また、調理に失敗することも考えられる。
【0008】
そこで、本発明は容器類に直接温度表示を行うことによって、火傷等の危険を防止し、調理も正確にできる容器の温度表示方法、及び温度表示装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題は請求項1記載の発明によれば、容器の加熱温度に応じた可逆性示温塗料を選択する処理と、該処理によって選択された可逆性示温塗料を前記容器の外面に塗布する処理とを行い、該処理によって塗布された可逆性示温塗料が、前記容器を加熱することによって変色し、前記容器の温度表示が行われる容器の温度表示方法を提供することによって達成できる。
【0010】
このように構成することにより、電子レンジ等の電磁誘導加熱方式によって加熱した容器であって、従来加熱温度が判らなかった場合でも、本発明によって可逆性示温塗料が容器類の表面に塗布されており、その変色によって容易に温度表示される。
【0011】
したがって、誤って手で持ち火傷を負うことがない。また、温度が判ることから、調理に失敗することもない。
請求項2の記載は、上記請求項1記載の発明において、前記容器は磁性を有し、容器類の表面に凹凸を設け、該凹部に前記可逆性示温塗料を付与した構成である。
【0012】
このように構成することにより、外部からの摩擦や衝撃によって剥がれ難く、より寿命の長い容器類の温度表示装置を提供できる。
請求項3の記載は、上記請求項2の記載において、前記磁性を有する容器は、例えばステンレス製の鍋である。
【0013】
このように構成することにより、より使用頻度の高い製品に温度表示を行うことができる。
上記課題は請求項4記載の発明によれば、容器の発熱温度に応じた可逆性示温塗料を選択する処理と、粘着性ポリエステルフィルム、又は磁性を付与したフィルムに前記可逆性示温塗料を吹き付ける処理と、該可逆性示温塗料が吹き付けられた前記フィルムを前記容器類に取り付ける処理とを行い、前記処理によって吹き付けられた可逆性示温塗料が、前記容器類を加熱することによって変色し、前記容器の温度表示が行われる容器の温度表示方法を提供することによって達成できる。
【0014】
このように構成することによっても、可逆性示温塗料が容器の外周で変色し、容易に温度表示される。したがって、誤って手で持ち火傷を負うことがなく、調理に失敗することもない。
【0015】
上記課題は請求項5記載の発明によれば、容器の発熱温度に応じた可逆性示温塗料を選択する処理と、磁性体を有するアルミニウム容器を陽極酸化する処理と、該処理の際生じる電解孔に前記可逆性示温塗料を含侵させる処理と、該可逆性示温塗料が含侵した前記電解孔を封孔する処理とを行い、前記処理によって含侵した可逆性示温塗料が、前記容器類を加熱することによって変色し、容器類の温度表示が行われる容器類の温度表示方法を提供することによって達成できる。
【0016】
このように構成することによっても、可逆性示温塗料が容器の外周で変色し、容易に温度表示される。したがって、誤って手で持ち火傷を負うことがなく、調理に失敗することもない。
【0017】
上記課題は請求項6記載の発明によれば、磁性容器に可逆性示温塗料を塗布した磁性容器の温度表示装置を提供することによって達成できる。
また、上記課題は請求項7記載の発明によれば、磁性容器に対し、可逆性示温塗料が吹き付けられた粘着性ポリエステルフィルム又は磁性を付与したフィルムを貼着した磁性容器の温度表示装置を提供することによって達成できる。
【0018】
さらに、上記課題は請求項8記載の発明によれば、陽極酸化処理によって形成された磁性容器の表面の電解孔に可逆性示温塗料を含侵させた磁性容器の温度表示装置を提供することによって達成できる。
【0019】
上記請求項6乃至請求項8に記載の発明は、容器の温度表示装置の発明であり、このように構成することによっても可逆性示温塗料が容器の外周で変色し、容易に温度表示され、誤って手で持ち火傷を負うことがなく、調理に失敗することもない。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の温度表示装置を、例えば鍋に取り付けた例である。同図において、鍋1はステンレス製の鍋であり、鍋1の周面には可逆性示温塗料2は塗布されている。この可逆性示温塗料2は鍋1の発熱温度(加熱温度)に対応して選択される。例えば、上記可逆性示温塗料2として、Ag2HgI4−Cu2HgI4 の固容体を含む塗料が使用される。
【0021】
また、鍋1は磁性容器であり、本例で使用するステンレス製の鍋の場合、通常SUS430(JIS規格)を使用するが、ステンレスの表面を80メッシュ程度のショットブラスト粗化し、例えばシリコンワニスにヨウ化水銀系示温顔料を加えた可逆性示温塗料2を塗布し、更に180℃で10分間焼き付けを行い、塗膜を形成し、この塗装面を鍋1(容器)の外面3とする。
【0022】
また、前述のように可逆性示温塗料2は使用する温度によって塗料を選択し、塗布する。
図2は上記可逆性示温塗料2が外面3に形成された鍋1を加熱する為、電子レンジ(電磁誘導加熱装置)4に鍋1を入れた状態を示す。尚、同図に示す5は鍋1を載せるプレートであり、6は操作パネルである。
【0023】
この状態において、操作パネル6を操作し、所定時間鍋1を加熱する。この加熱処理によって、鍋1は電磁誘導作用によって加熱され、この加熱に伴って可逆性示温塗料2の色が変わる。この色の変化は予め設定されており、利用者は電子レンジ4から鍋1を取り出す際、鍋1の温度が分かる。したがって、例えば素手で持てない温度に加熱されていれば、補助具等を使用して鍋1を取り出すので、火傷を負うことがない。
【0024】
また、可逆性示温塗料2の色の変化で鍋1の温度が分かるので、例えば操作パネル6を操作して設定した時間加熱したにも関わらず、可逆性示温塗料2に色の変化が表れない場合、更に操作パネル6を操作して時間設定を行い、鍋1を加熱して調理を行うことができる。したがって、調理の失敗をなくすことができる。
【0025】
尚、上記例では可逆性示温塗料2は1種類としたが、2種類の温度検出を行う為、図1に示すように鍋1の他の位置に可逆性示温塗料7を塗布する構成としてもよい。この場合、塗布する塗料の成分を変えてもよく、又は異なる種類の可逆性示温塗料7を使用してもよい。例えば、可逆性示温塗料2を50℃の設定とし、可逆性示温塗料7を180℃の設定とする。
【0026】
さらに、3箇所以上の箇所に可逆性示温塗料を塗布する構成としてもよく、このように構成することにより、鍋1の温度を段階的に表示することができる。
尚、上記容器類の表面に凹凸を設け、該凹部に前記可逆性示温塗料を付与する構成としてもよい。
【0027】
次に、本発明の第2の例を説明する。
この例は、可逆性示温塗料2を粘着性ポリエステルフィルム、又は磁性を付与したフィルムに吹き付け、該可逆性示温塗料が吹き付けられたフィルムを前記容器類に貼着する構成である。尚、使用する可逆性示温塗料の成分や、使用する容器は前述と同様、ステンレス製の鍋であり、またフィルムの2箇所以上に可逆性示温塗料を付与する構成としてもよい。
【0028】
このように構成することにより、前述と同様付与された可逆性示温塗料が、鍋1を加熱することによって変色し、鍋1の温度が容易に分かる。したがって、火傷を負うことがなく、又調理の失敗をなくすことができる。
【0029】
尚、本例の場合も、2箇所以上に可逆性示温塗料を吹き付ける構成としてもよく、このように構成することにより、鍋1の温度を段階的に表示することができる。
【0030】
また、本例の場合、上記フィルムを取り外し(剥がすことを)容易に構成することによって、簡単の鍋1の温度設定を変えることができる。
次に、本発明の第3の例を説明する。
【0031】
本例は、磁性体を有するアルミニウム容器を陽極酸化する処理によって電解孔を形成し、この電解孔に可逆性示温塗料を含侵させ、温度表示を行うものである。以下、具体的に説明する。
【0032】
先ず、アルミニウム容器に陽極酸化処理を施し、表面に酸化アルミニウム(Al2 O3)を生成する。この陽極酸化膜の形成は、アルミニウム容器を陽極として硫酸電解液中で、電気分解を行う。この時、陽極反応として、以下の化学反応が起こり、
Al→Al3++3e−
OH−→O2−+H+
HSO4 −→SO4 2−+H+
陰極反応として、以下の反応が起こる。
【0033】
H++e−→H2
一方、陽極の微細孔の内部でも同時に、以下の化学式で示す硫酸根を含む酸化皮膜の生成が進む。すなわち、
2Al3++3O2−→Al2 O3
Al3++SO4 2−→Al2(SO4)3
この酸化膜の成長は、電解孔の形成によって順次積層され、例えば10〜15μmの酸化アルミニウム膜を形成する。この状態において、酸化アルミニウム膜には多数の電解孔が形成されている。
【0034】
図3はこの状態を説明するアルミニウム容器の表面の断面図である。基体であるアルミニウム容器10上にはバリヤー層11が形成され、バリヤー層11上に上記酸化アルミニウム層(酸化アルミニウム膜)12が形成されている。また、この酸化アルミニウム層12内には電解孔13が多数形成される。尚、この酸化アルミニウム(Al2 O3)の膜厚は、例えば10〜15μmであり、電解孔13の直径は数100Å程度である。
【0035】
次に、上記酸化膜が形成されたアルミニウム容器10の電解孔13に前述の可逆性示温塗料14を含侵する。そして、可逆性示温塗料14を含浸した後、封孔処理を行う。図4は封孔処理を施した後のアルミニウム容器10の表面の状態を示す。封孔(処理)14後のアルミニウム容器10には、電解孔13内に可逆性示温塗料15が封入され、外部から容易に視認することができる。
【0036】
したがって、このような可逆性示温塗料15を外面に有する容器を加熱した場合、前述と同様所定温度で可逆性示温塗料15の色が変わり、容易に容器の加熱状態が判る。
【0037】
したがって、火傷を負うことがなく、又調理の失敗をなくすことができる。また、本例の場合も2箇所以上に分け、可逆性示温塗料を含浸させる構成としてもよく、このように構成することにより、容器の温度を段階的に表示することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば容器類の温度が分かるので、火傷を負うことがなく、また調理の失敗を無くすことができる。
【0039】
また、調理を行う際、段階的に温度表示(変色)を行わせ、簡単かつ効率よく調理を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の温度表示装置をステンレス製の鍋に取り付けた例を説明する図である。
【図2】可逆性示温塗料が外面に形成された鍋を電子レンジ(電磁誘導加熱装置)に入れた状態を示す図である。
【図3】アルミニウム容器を陽極酸化し、電解孔に可逆性示温塗料を含浸させる例を説明する図である。
【図4】可逆性示温塗料を含浸後の容器表面の状態を説明する図である。
【符号の説明】
1 鍋
2 可逆性示温塗料
3 外面
4 電磁誘導加熱装置
5 プレート
6 操作パネル
7 可逆性示温塗料
10 アルミニウム
11 バリヤー層
12 酸化アルミ層
13 電解孔
14 封孔
15 可逆性示温塗料
Claims (8)
- 容器の加熱温度に応じた可逆性示温塗料を選択する処理と、
該処理によって選択された可逆性示温塗料を前記容器の外面に塗布する処理とを行い、
該処理によって塗布された可逆性示温塗料が、前記容器を加熱することによって変色し、前記容器の温度表示が行われることを特徴とする容器の温度表示方法。 - 前記容器は磁性を有し、前記容器の表面に凹凸を設け、該凹部に前記可逆性示温塗料を塗布したことを特徴とする請求項1記載の容器の温度表示方法。
- 前記磁性を有する容器はステンレス製の鍋であることを特徴とする請求項2記載の容器の温度表示方法。
- 容器の発熱温度に応じた可逆性示温塗料を選択する処理と、
粘着性ポリエステルフィルム、又は磁性を付与したフィルムに前記可逆性示温塗料を吹き付ける処理と、
該可逆性示温塗料が吹き付けられた前記フィルムを前記容器に貼着する処理とを行い、
前記処理によって吹き付けられた可逆性示温塗料が、前記容器を加熱することによって変色し、前記容器の温度表示が行われることを特徴とする容器の温度表示方法。 - 容器の発熱温度に応じた可逆性示温塗料を選択する処理と、
磁性体を有するアルミニウム容器を陽極酸化する処理と、
該処理の際形成される電解孔に前記可逆性示温塗料を含侵させる処理と、
該可逆性示温塗料が含侵した前記電解孔を封孔する処理とを行い、
前記処理によって含侵した可逆性示温塗料が、前記容器を加熱することによって変色し、前記容器の温度表示が行われることを特徴とする容器の温度表示方法。 - 磁性容器に可逆性示温塗料を塗布したことを特徴とする磁性容器の温度表示装置。
- 磁性容器に対し、可逆性示温塗料が吹き付けられた粘着性ポリエステルフィルム又は磁性を付与したフィルムを貼着したことを特徴とする磁性容器の温度表示装置。
- 陽極酸化処理によって形成された磁性容器の表面の電解孔に可逆性示温塗料を含侵させたことを特徴とする磁性容器の温度表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002358794A JP2004187889A (ja) | 2002-12-11 | 2002-12-11 | 容器の温度表示方法、及び温度表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002358794A JP2004187889A (ja) | 2002-12-11 | 2002-12-11 | 容器の温度表示方法、及び温度表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004187889A true JP2004187889A (ja) | 2004-07-08 |
Family
ID=32758371
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002358794A Withdrawn JP2004187889A (ja) | 2002-12-11 | 2002-12-11 | 容器の温度表示方法、及び温度表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004187889A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006334290A (ja) * | 2005-06-06 | 2006-12-14 | Nice Corp | 調理器具 |
JP2010119371A (ja) * | 2008-11-21 | 2010-06-03 | Tenkosha:Kk | 発酵乳発酵装置、および、発酵乳製造方法 |
JP2012513282A (ja) * | 2009-04-24 | 2012-06-14 | サン−フン ハ | 調理容器及びその加工方法 |
KR101154354B1 (ko) * | 2011-01-07 | 2012-06-14 | 전용구 | 조리용기의 제조방법 |
JP2014503281A (ja) * | 2010-12-23 | 2014-02-13 | セブ ソシエテ アノニム | 連続トーンを有する少なくとも2色の装飾物を備えた耐熱コーティングを含む物品、及びそのような物品を製造する方法 |
JP2015009149A (ja) * | 2013-06-28 | 2015-01-19 | ド パク,ヨン | エコ調理器具 |
-
2002
- 2002-12-11 JP JP2002358794A patent/JP2004187889A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006334290A (ja) * | 2005-06-06 | 2006-12-14 | Nice Corp | 調理器具 |
JP2010119371A (ja) * | 2008-11-21 | 2010-06-03 | Tenkosha:Kk | 発酵乳発酵装置、および、発酵乳製造方法 |
JP2012513282A (ja) * | 2009-04-24 | 2012-06-14 | サン−フン ハ | 調理容器及びその加工方法 |
JP2014503281A (ja) * | 2010-12-23 | 2014-02-13 | セブ ソシエテ アノニム | 連続トーンを有する少なくとも2色の装飾物を備えた耐熱コーティングを含む物品、及びそのような物品を製造する方法 |
KR101154354B1 (ko) * | 2011-01-07 | 2012-06-14 | 전용구 | 조리용기의 제조방법 |
JP2015009149A (ja) * | 2013-06-28 | 2015-01-19 | ド パク,ヨン | エコ調理器具 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI549812B (zh) | 容器用鋼板及容器用鋼板之製造方法 | |
JP2004187889A (ja) | 容器の温度表示方法、及び温度表示装置 | |
JP6019756B2 (ja) | 炊飯器 | |
KR20110049473A (ko) | 면상 발열체 및 이의 제조방법 | |
JP3146536B2 (ja) | 目盛、模様、文字等を表示した弗素樹脂被覆物の製造方法 | |
JPH11309938A (ja) | シルクスクリ―ンパタ―ンを有する料理用具及びそのパタ―ンの形成方法 | |
KR200422258Y1 (ko) | 다양한 무늬가 형성된 조리용기 | |
KR20110037288A (ko) | 열센서 구조와 이의 제조방법 및 열센서 구조를 포함하는 조리용기 | |
KR100975315B1 (ko) | 조리용기 및 그의 제조방법 | |
Wulf et al. | Impact of pretreatment conditions on defect formation during the fabrication of Al-based corrosion barriers by ECX process | |
JP2016144668A (ja) | 炊飯器 | |
CN207114054U (zh) | 一种可用于多加热源的感温变色装置 | |
JPH11346928A (ja) | 調理用容器とその表面処理方法 | |
CN107014517A (zh) | 一种可用于多加热源的感温变色装置 | |
JP2008076220A (ja) | 時間インジケータ | |
JPH0344496A (ja) | 塗膜密着性に優れたアルミニウム又はアルミニウム合金材及びその製造方法 | |
JPH0453508A (ja) | 加熱調理器 | |
CN110338629B (zh) | 内锅以及烹饪器具 | |
JP3098808U (ja) | 加熱用調理容器 | |
JPH04174614A (ja) | 炊飯器の鍋 | |
JP3120523U (ja) | 加熱用調理容器 | |
JPH11300214A (ja) | 光触媒膜を外装に設けた機器およびその製造方法とその機器の検査方法 | |
JPS60102941A (ja) | 自己浄化被覆体 | |
CN208476423U (zh) | 家用电器 | |
TW200912019A (en) | Method for preparing titanium dioxide |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060104 |
|
A072 | Dismissal of procedure |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A072 Effective date: 20060509 |
|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060509 |