JPH11346928A - 調理用容器とその表面処理方法 - Google Patents

調理用容器とその表面処理方法

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JPH11346928A
JPH11346928A JP16188298A JP16188298A JPH11346928A JP H11346928 A JPH11346928 A JP H11346928A JP 16188298 A JP16188298 A JP 16188298A JP 16188298 A JP16188298 A JP 16188298A JP H11346928 A JPH11346928 A JP H11346928A
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primer
cooking container
coating
forming
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Sadao Kanetani
定男 金谷
Hideo Matsuki
秀雄 松木
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Mitsubishi Electric Home Appliance Co Ltd
Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Home Appliance Co Ltd
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材の耐久性がよく、表面処理剤の密着が良
好でコストの安い調理用容器とその表面処理方法を提供
すること。 【解決手段】 アルミニウムまたはアルミニウム合金か
ら成る調理用容器形状に成形された基材2と、基材2の
調理用容器として内側となる表面に形成されたバリヤー
層3aと多孔質層3cを有する陽極酸化被膜層3と、陽
極酸化被膜層3の表面にフッ素をコーティングして形成
されたフッ素樹脂層6とを備えてなり、外気と基材2の
アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面は陽極酸化
被膜層3及び陽極酸化被膜層3に対して密着性が向上し
たフッ素樹脂層6によって遮断されるので、大きい防錆
効果がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は炊飯器等に用いられ
る調理用容器とその表面処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4は特開平8−215056号公報に
示された従来の調理用容器の要部拡大断面図である。図
において、1は調理用容器、2は調理用容器1のアルミ
ニウムまたはアルミニウム合金材の基材で、例えば有底
円筒状の調理用容器形状に成形されている。3は調理用
容器1の内側となる基材2の表面にショットブラスト加
工またはエッチング加工により形成された粗面部、4は
粗面部3上にプライマーがコーティングされて形成され
たプライマー層、5はプライマー層4の面上に形成され
た目盛等の印刷層、6はプライマー層4と印刷層5の上
にフッ素がコーティングされて形成されたフッ素樹脂
層、7は調理用容器1の外側となる基材2の表面に塗布
された黒色塗膜層である。
【0003】次に、調理用容器1の内側となる基材2の
表面にフッ素樹脂をコーティングする手順について説明
する。まず、基材2の表面を粗面化するため、基材2の
表面にショットブラスト加工またはエッチング加工によ
る粗面部3を形成する。これは基材2と後述するプライ
マー層4との密着性を向上させるためのものである。次
に、プライマー層4を粗面部3の上にコーティングした
後、100〜150℃で10〜15分間乾燥する。更
に、プライマー層4の上に印刷層5を形成する。その
後、プライマー層4及び印刷層5の上にフッ素樹脂層6
を形成する。最後に、380〜400℃の炉内で20〜
30分間保持して焼成したフッ素樹脂層6を完成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の加熱調理用容器
の内側は以上のように構成されているので、表面処理の
前処理として基材2の表面に粗面部3を形成するのに、
ショットブラスト加工やエッチング加工により粗面化す
るために基材2が腐蝕しやすく、また基材2の表面に形
成された粗面部3の表面は凹凸にバラツキがあり、表面
処理剤の密着にムラが発生すると共にエッチング加工は
コスト的に高いという問題点があった。本発明は上記の
ような問題点を解消するためになされたもので、基材の
耐久性がよく、表面処理剤の密着が良好でコストの安い
調理用容器とその表面処理方法を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
調理用容器は、アルミニウムまたはアルミニウム合金か
ら成る調理用容器形状に成形される基材と、基材の少く
とも調理用容器として内側となる表面に形成されたバリ
ヤー層と多孔質層を有する陽極酸化被膜層と、陽極酸化
被膜層の表面にフッ素をコーティングして形成されたフ
ッ素樹脂層とを備えてなるものである。
【0006】本発明の請求項2に係る調理用容器は、ア
ルミニウムまたはアルミニウム合金から成る調理用容器
形状に成形される基材と、基材の少くとも調理用容器と
して内側となる表面に形成されたバリヤー層と多孔質層
を有する陽極酸化被膜層と、陽極酸化被膜層の表面に浸
透性を有する有機溶剤を混入したプライマーをコーティ
ングして形成されたプライマー層と、プライマー層の表
面にフッ素をコーティングして形成されたフッ素樹脂層
とを備えてなるものである。
【0007】本発明の請求項3に係る調理用容器は、上
記陽極酸化被膜と上記プライマー層の間に水和層が介在
するようにしたものである。
【0008】本発明の請求項4に係る調理用容器の表面
処理方法は、アルミニウムまたはアルミニウム合金から
成る基材を調理用容器形状に成形する工程と、調理用容
器形状に成形された基材を硫酸水溶液中に浸漬し、基材
を陽極として電気分解して基材表面にバリヤー層と多孔
質層を有する陽極酸化被膜層を形成する工程と、少くと
も調理用容器として内側となる陽極酸化被膜層の表面に
浸透性を有する有機溶剤を混入したプライマーをコーテ
ィングしてプライマー層を形成する工程と、プライマー
層の表面にフッ素をコーティングしてフッ素樹脂層を形
成する工程とからなるものである。
【0009】本発明の請求項5に係る調理用容器の表面
処理方法は、アルミニウムまたはアルミニウム合金から
成る基材を硫酸水溶液中に浸漬し、該基材を陽極として
電気分解して基材表面にバリヤー層と多孔質層を有する
陽極酸化被膜層を形成する工程と、少くとも調理用容器
として内側となる陽極酸化被膜層の表面に浸透性を有す
る有機溶剤を混入したプライマーをコーティングしてプ
ライマー層を形成する工程と、プライマー層の表面にフ
ッ素をコーティングしてフッ素樹脂層を形成する工程
と、表面に陽極酸化被膜層、プライマー層及びフッ素樹
脂層の表面処理がされた基材を調理用容器形状に成形す
る工程とからなるものである。
【0010】本発明の請求項6に係る調理用容器の表面
処理方法は、上記陽極酸化被膜層を形成する工程と上記
プライマー層を形成する工程との間に、陽極酸化被膜層
を形成した後に蒸気を所定の圧力を所定の時間かけて陽
極酸化被膜層に水和層を形成する工程を設けようにした
ものである。
【0011】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は本発明の実
施の形態1の調理用容器の縦断面図、図2は同調理用容
器の要部拡大断面図である。図において、1は有底筒状
で上部にフランジ部を有する調理用容器、2は調理用容
器1を形成するアルミニウムまたはアルミニウム合金材
から成る基材であり、板材をプレス加工して調理用容器
形状としている。3は基材2の両表面に形成した陽極酸
化被膜層であり、この陽極酸化被膜層3は基材2の表面
側に緻密な酸化被膜を形成したバリヤー層3aと、その
バリヤー層3aに連続して形成された多数の微小孔3b
を有する多孔質層3cとより成っている。このバリヤー
層3aの厚さは0.1μ〜0.3μであり、多孔質層3
cの厚さは4μ〜8μであり、微小孔3bの孔径は10
0〜150オングストロームである。
【0012】4は調理用容器1の内側となる陽極酸化被
膜層3の表面にプライマーがコーティングされて形成さ
れたプライマー層、5はプライマー層4の表面に形成さ
れた目盛等の表示層、6はプライマー層4及び表示層5
の表面に無着色のフッ素樹脂がコーティングされて形成
された無着色のフッ素樹脂層、7は調理用容器1の外側
となる陽極酸化被膜層3の表面に99重量%のシリコン
と1重量%のフッ素樹脂との混合物がコーティングされ
て形成されたシリコン系フッ素樹脂層である。
【0013】次に、調理用容器1の表面処理方法につい
て説明する。まず、基材2であるアルミニウムまたはア
ルミニウム合金板を調理用容器形状にプレス加工にて成
形する。次に、この基材2を中性洗剤を混入した60℃
の水溶液に4〜5分間浸漬して脱脂を行い、その後水洗
いを10〜20秒間行う。しかる後に、苛性ソーダ15
〜20%を混入した40℃の水溶液に1分間浸漬した
後、水洗を10秒間行う。その後、その基材2を硫酸1
5〜20%を混入した20℃〜23℃の水溶液に浸漬
し、さらにその基材2を陽極(アノード)にして直流電
圧15〜20V、電流密度1.2w/cm2 で電気分解
を20分間行う。
【0014】そうすると、基材2の両表面に陽極酸化被
膜層3が形成される。この陽極酸化被膜層3は、バリヤ
ー層3a(0.1μ〜0.3μ)と微小孔3b(100
〜150オームストロング)を有する多孔質層3c(4
μ〜8μ)とからなる。さらに、両表面に陽極酸化被膜
層3が形成された基材2について水洗を10〜60秒間
行い、乾燥炉にて温度80〜120℃で8分間乾燥する
と、両表面に陽極酸化被膜層3が焼成された調理用容器
が完成する。
【0015】次に、調理用容器1の内側となる陽極酸化
被膜層4の表面にプライマーをコーティングしてプライ
マー層4を形成する。このコーティングするプライマー
は主剤にPES(ポリエーテルサルフォン)に対してP
TFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テト
ラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエー
テル共重合体)又はFEP(テトラフルオロエチレン−
ヘキサフルオロプロピレン共重合体)を混合した混合物
を用い、その混合比はPES:1に対してPFA、PT
FE又はFEP:0.5〜1.5である。プライマーは
これらの主剤に着色剤を加え、溶剤としては有機溶剤で
あるトルエン等使用し、浸透性のよい塗布剤としてい
る。
【0016】なお、プライマーの主剤の組み合わせは、
プライマー層4を形成するプライマーとフッ素樹脂層6
を形成するフッ素樹脂との結合力をアップすることを考
慮し、無着色のフッ素樹脂層6に用いられるフッ素樹脂
の種類によって大体決まり、上述した以外は次のような
組み合わせがよいとされる。フッ素樹脂層6を形成する
フッ素樹脂がPTFEの時はプライマー層4を形成する
プライマーはPESに対してPTFEを混合したもの、
フッ素樹脂がPFAの時はプライマー層4を形成するプ
ライマーはPESに対してPFAを混合したものが用い
られる。また、着色剤は黒色の時はカーボン、メタリッ
クの時はマイカ又はアルミ、レンガ色の時は酸化鉄、シ
ルバーメタリックの時はチタンを用いる。また、プライ
マーの主剤の組み合わせとしては上記以外にPESに対
してPFA及びFEPを混合したり、PESに対してP
TFE及びFEPを混合したりするものがある。
【0017】この結果、プライマーは陽極酸化被膜層3
の多孔質層3cの微小孔3bに充分に浸透して陽極酸化
被膜層3の表面にプライマー層4を形成し、これを乾燥
炉で100°〜150℃で10〜15分間乾燥する。次
に、このプライマー層4の表面に目盛等のための着色剤
を含んだフッ素樹脂を印刷コーティングして表面層5を
形成する。しかる後に、プライマー層4と表示層5の表
面に無着色のPTFE(ポリテトラフロロエチレン)や
PFA(パーフルオルアルコキシ)等のフッ素樹脂をコ
ーティングしてフッ素樹脂層6を形成する。また、調理
用容器1の外側となる陽極酸化被膜層3の表面に99重
量%のシリコンと1重量%のフッ素樹脂との混合物をコ
ーティングしてシリコン系フッ素樹脂層7を形成した
後、380〜400℃の乾燥炉内で25〜30分間乾燥
すると、調理用容器1が完成する。
【0018】以上のように構成された調理用容器1は、
基材2であるアルミニウムまたはアルミニウム合金板の
表面にバリヤー層3aと多孔質層3cを有する陽極酸化
被膜層3を形成し、調理用容器1の内側となる陽極酸化
被膜層3の表面にプライマー層4を形成したので、外気
と基材2のアルミニウムまたはアルミニウム合金の表面
は陽極酸化被膜層3及びプライマー層4によって遮断さ
れることとなり、防錆効果がある。また、プライマー層
4を形成するプライマーの溶剤を浸透性のよい有機溶剤
を使用したので、陽極酸化被膜層3の微小孔3bにプラ
イマー層4が浸透するため、コーティングの密着性が向
上すると共にエッチング加工に比べコストが安くできる
こととなった。
【0019】実施の形態2.図3は本発明の実施の形態
2の調理用容器の要部拡大断面図である。上記実施の形
態1では基材2の表面に陽極酸化被膜層3のみを形成し
たが、この実施の形態2では陽極酸化被膜層3の多孔質
層3cの表面に水和層8を設けている。その水和層8
は、実施の形態1に示す陽極酸化被膜処理の後、蒸気に
より4〜5気圧を8分間加えることで陽極酸化被膜層3
の多孔質層3cの表面に形成され、その後乾燥して完成
する。このように陽極酸化被膜層3の多孔質層3cの表
面に水和層8を設けると、微小孔3bの開口部9の穴径
が50〜100オームストロングと小さくなり、プライ
マー層4はこの開口部9によって多孔質層3cにより強
固に密着することとなる。また、水和層8は蒸気により
4〜5気圧を8分間加えることで形成されるから、簡単
な操作で安価にできることになる。
【0020】上述した実施の形態1、2は、いずれも調
理用容器1の内側となる基材2の表面にバリヤー層3a
と多孔質層3cを有する陽極酸化被膜層3を形成し、そ
の陽極酸化被膜層3の表面にプライマー層4を形成し、
さらそのプライマー層4の表面にフッ素樹脂層6を形成
するようにしたものであるが、プライマーを用いずにバ
リヤー層3aと多孔質層3cを有する陽極酸化被膜層3
の表面に直接流動性の良いフッ素樹脂であるPFA又は
FEPをコーティングして無着色のフッ素樹脂層を形成
するようにしてもよいことは勿論である。また、上述し
た実施の形態1、2は、いずれもアルミニウムまたはア
ルミニウム合金から成る基材2を調理用容器1形状に成
形した後に、その基材2の表面に陽極酸化被膜層3、プ
ライマー層4及びフッ素樹脂層6の表面処理を行って調
理用容器1を完成したものであるが、アルミニウムまた
はアルミニウム合金から成る基材2の表面に陽極酸化被
膜層3、プライマー層4及びフッ素樹脂層6の表面処理
を行った後に、その基材2を調理用容器1形状に成形し
て調理用容器を完成してもよいことは勿論である。
【0021】
【発明の効果】以上説明したとおり本発明の請求項1の
調理用容器は、アルミニウムまたはアルミニウム合金か
ら成る調理用容器形状に成形された基材と、基材の少く
とも調理用容器として内側となる表面に形成されたバリ
ヤー層と多孔質層を有する陽極酸化被膜層と、陽極酸化
被膜層の表面にフッ素をコーティングして形成されたフ
ッ素樹脂層とを備えてなり、外気と基材のアルミニウム
またはアルミニウム合金の表面は陽極酸化被膜層及び陽
極酸化被膜層に対して密着性が向上したフッ素樹脂層に
よって遮断されるので、大きい防錆効果がある。
【0022】本発明の請求項2の調理用容器は、アルミ
ニウムまたはアルミニウム合金から成る調理用容器形状
に成形された基材と、基材の少くとも調理用容器として
内側となる表面に形成されたバリヤー層と多孔質層を有
する陽極酸化被膜層と、陽極酸化被膜層の表面に浸透性
を有する有機溶剤を混入したプライマーをコーティング
して形成されたプライマー層と、プライマー層の表面に
フッ素をコーティングして形成されたフッ素樹脂層とを
備えてなり、外気と基材のアルミニウムまたはアルミニ
ウム合金の表面は陽極酸化被膜層、陽極酸化被膜層に対
して密着性が向上したプライマー層及びフッ素樹脂層に
よって遮断されるので、極めて大きい防錆効果がある。
【0023】本発明の請求項3の調理用容器は、陽極酸
化被膜層とプライマー層の間に水和層が介在しているの
で、プライマー層は陽極酸化被膜層の多孔質層により強
固に密着するという効果がある。
【0024】本発明の請求項4の調理用容器の表面処理
方法は、アルミニウムまたはアルミニウム合金から成る
基材を調理用容器形状に成形する工程と、調理用容器形
状に成形された基材を硫酸水溶液中に浸漬し、基材を陽
極として電気分解して基材表面にバリヤー層と多孔質層
を有する陽極酸化被膜層を形成する工程と、少くとも調
理用容器として内側となる陽極酸化被膜層の表面に浸透
性を有する有機溶剤を混入したプライマーをコーティン
グしてプライマー層を形成する工程と、プライマー層の
表面にフッ素をコーティングしてフッ素樹脂層を形成す
る工程とからなり、プライマー層を形成する工程では陽
極酸化被膜層の多孔質層の微小孔にプライマー層が浸透
するため、コーティングの密着性が向上し、さらにエッ
チング加工に比べて調理用容器の表面処理が安価に行
え、しかも表面処理がされた調理用容器は防錆効果が大
きいという効果がある。
【0025】本発明の請求項5の調理用容器の表面処理
方法は、アルミニウムまたはアルミニウム合金から成る
基材を硫酸水溶液中に浸漬し、該基材を陽極として電気
分解して基材表面にバリヤー層と多孔質層を有する陽極
酸化被膜層を形成する工程と、少くとも調理用容器とし
て内側となる陽極酸化被膜層の表面に浸透性を有する有
機溶剤を混入したプライマーをコーティングしてプライ
マー層を形成する工程と、プライマー層の表面にフッ素
をコーティングしてフッ素樹脂層を形成する工程と、表
面に陽極酸化被膜層、プライマー層及びフッ素樹脂層の
表面処理がされた基材を調理用容器形状に成形する工程
とからなり、プライマー層を形成する工程では陽極酸化
被膜層の多孔質層の微小孔にプライマー層が浸透するた
め、コーティングの密着性が向上し、さらにエッチング
加工に比べて調理用容器の表面処理が安価に行え、しか
も表面処理がされた調理用容器は防錆効果が大きいとい
う効果がある。
【0026】本発明の請求項6の調理用容器の表面処理
方法は、陽極酸化被膜層を形成する工程とプライマー層
を形成する工程との間に、陽極酸化被膜層を形成した後
に蒸気を所定の圧力を所定の時間かけて陽極酸化被膜層
に水和層を形成する工程を設けたので、プライマー層は
陽極酸化被膜層の多孔質層により強固に密着し、しかも
水和層の形成は蒸気により所定の気圧を所定時間加える
という簡単な操作で安価にできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の調理用容器の縦断面
図である。
【図2】 同調理用容器の要部拡大断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態2の調理用容器の要部拡
大断面図である。
【図4】 従来の調理用容器の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 調理用容器、2 基材、3 陽極酸化被膜層、3a
バリヤー層、3b微小孔、3c 多孔質層、4 プラ
イマー層、6 フッ素樹脂層。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムまたはアルミニウム合金か
    ら成る調理用容器形状に成形される基材と、 基材の少くとも調理用容器として内側となる表面に形成
    されたバリヤー層と多孔質層を有する陽極酸化被膜層
    と、 陽極酸化被膜層の表面にフッ素をコーティングして形成
    されたフッ素樹脂層とを備えたことを特徴とする調理用
    容器。
  2. 【請求項2】 アルミニウムまたはアルミニウム合金か
    ら成る調理用容器形状に成形される基材と、 基材の少くとも調理用容器として内側となる表面に形成
    されたバリヤー層と多孔質層を有する陽極酸化被膜層
    と、 陽極酸化被膜層の表面に浸透性を有する有機溶剤を混入
    したプライマーをコーティングして形成されたプライマ
    ー層と、 プライマー層の表面にフッ素をコーティングして形成さ
    れたフッ素樹脂層とを備えたことを特徴とする調理用容
    器。
  3. 【請求項3】 上記陽極酸化被膜とプライマー層の間に
    水和層が介在していることを特徴とする請求項2記載の
    調理用容器。
  4. 【請求項4】 アルミニウムまたはアルミニウム合金か
    ら成る基材を調理用容器形状に成形する工程と、 調理用容器形状に成形された基材を硫酸水溶液中に浸漬
    し、基材を陽極として電気分解して基材表面にバリヤー
    層と多孔質層を有する陽極酸化被膜層を形成する工程
    と、 少くとも調理用容器として内側となる陽極酸化被膜層の
    表面に浸透性を有する有機溶剤を混入したプライマーを
    コーティングしてプライマー層を形成する工程と、 プライマー層の表面にフッ素をコーティングしてフッ素
    樹脂層を形成する工程と、 からなることを特徴とする調理用容器の表面処理方法。
  5. 【請求項5】 アルミニウムまたはアルミニウム合金か
    ら成る基材を硫酸水溶液中に浸漬し、該基材を陽極とし
    て電気分解して基材表面にバリヤー層と多孔質層を有す
    る陽極酸化被膜層を形成する工程と、 少くとも調理用容器として内側となる陽極酸化被膜層の
    表面に浸透性を有する有機溶剤を混入したプライマーを
    コーティングしてプライマー層を形成する工程と、 プライマー層の表面にフッ素をコーティングしてフッ素
    樹脂層を形成する工程と、 表面に陽極酸化被膜層、プライマー層及びフッ素樹脂層
    の表面処理がされた基材を調理用容器形状に成形する工
    程と、 からなることを特徴とする調理用容器の表面処理方法。
  6. 【請求項6】 上記陽極酸化被膜層を形成する工程と上
    記プライマー層を形成する工程との間に、陽極酸化被膜
    層を形成した後に蒸気を所定の圧力を所定の時間かけて
    陽極酸化被膜層に水和層を形成する工程を設けたことを
    特徴とする請求項4又は5記載の調理用容器の表面処理
    方法。
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