JP2004187725A - 過熱蒸気を用いた加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】過熱蒸気を生成する過熱蒸気生成装置と被加熱物を加熱する加熱処理室の加熱装置とを兼用することによって、過熱蒸気を用いた簡便な加熱装置を提供する。
【解決手段】加熱板1の内部に流体用通路2が形成され、この流体用通路2に水又は飽和水蒸気を導入し、加熱板1を加熱することで、加熱板1からの伝熱によって加熱板1上の被加熱物を加熱すると共に、該流体用通路2内の流体を加熱して過熱蒸気を生成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、100℃以上の蒸気である過熱蒸気を生成する蒸気生成装置を用いた加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、焼き物調理では、直火やオーブン、焼きプレート、フライパン等の調理機器が使われている。これらの調理機器では、食品の中まで火を通そうとすると、数分から数10分の加熱時間を必要とするので、調理時間を短くすることが強く望まれている。そのために、最近100℃以上に過熱した過熱蒸気を用いた調理方法が着目されている。
この過熱蒸気を生成する方法として、従来では、ボイラーやオートクレーブ等のような密閉圧力容器の中で水を過熱することで高圧高温の過熱蒸気を生成していた。そして、得られた過熱蒸気はパイプ等の移送通路を通って食品などの被加熱物の加熱処理室に送られるようになっている(特許文献1)。
この方法では、過熱蒸気を生成するのに高圧を必要とし、例えば150℃の過熱蒸気を生成するのに5気圧以上の圧力が必要であった。特に温度が高くなるほど圧力を急激に増加させる必要があり、大規模な設備を必要としていた。そのために過熱装置が大掛かりとなり、大きなスペースを必要とすると共にコストアップとなり、限られた用途にしか使用できなかった。
【0003】
そのために、ボイラー等のような密閉圧力容器を用いずに高圧の過熱蒸気を生成するものも知られている。例えば、マイクロ波透過性をもち、かつ吸水性を有し、多数の通気性をもつ多孔体を用いて、この多孔体をマイクロ波加熱手段で加熱して過熱蒸気を生成し、パイプ等で加熱装置に送るものが知られている(特許文献2)。
しかし、このものでは、マイクロ波発生の設備必要とするとともに耐高圧容器を必要とするので、設備費がかかり、装置もコンパクトなものにすることができなかった。
【0004】
また、耐高圧容器を必要としないものとして、高圧でなく常圧(大気圧以下)で簡単に高温の過熱蒸気を生成するものが知られている。例えば、水蒸気発生装置及び蒸気過熱装置を設け、水蒸気発生装置でガス、石油、電気加熱等の方法によって飽和水蒸気を発生させ、この飽和水蒸気を常圧の蒸気発生装置に送り、その後加熱加工室に送るものが知られている(特許文献3)。
しかし、このような過熱蒸気発生装置では、水蒸気発生装置及び蒸気過熱装置を別々に設けるので、設備が大掛かりとなると共に設備コストが高価である。
【0005】
また、常圧の過熱蒸気生成装置としては、最近、加熱調理器等で電磁誘導加熱を利用したものが知られている。例えば、オーブン庫の底に水を蒸発させる蒸発部を設け、この蒸発部を誘導加熱コイルで加熱して飽和水蒸気を発生させるとともに、赤外線をオーブン庫内に輻射する赤外線発生装置によって飽和水蒸気を更に加熱して過熱蒸気とするものが知られている(特許文献4)。
しかし、このような過熱蒸気発生装置は、オーブン庫の底部を加熱する誘導加熱コイルが、オーブン庫内を加熱する赤外線発生装置と別に必要であり、また高度な電子制御装置を必要とするので、装置が高価になると共に、幅広くいろいろの過熱装置に活用することができなかった。
【0006】
とくに、上記した従来技術では、いずれも過熱蒸気生成装置と加熱処理室とが別々であり、生成した加熱蒸気をパイプ等を使用して、加熱処理室に送るものである。この構成では、両室間の移送中に過熱蒸気の熱が外部に逃げ、この間の熱ロスが大きい。そのために、この間の熱ロスをいかに少なくするかが大きな解決課題となっている。
【0007】
そのために、過熱蒸気生成室を加熱処理室に一体に設けたものも知られている。たとえば、コンベアで搬送する加熱処理品の上下に過熱蒸気生成装置及び過熱蒸気供給路を一体に設け、上下から過熱蒸気を加熱処理品に供給するものが知られている(特許文献5)。
【特許文献1】
特開2002−199986号公報
【特許文献2】
特開平09−273755号公報
【特許文献3】
特開平11−089722号公報
【特許文献4】
特開平08−049854号公報
【特許文献5】
特開2001−190411号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献5のものでは、加熱処理装置内に、単に過熱蒸気生成装置及び過熱蒸気供給装置を一緒に設けただけであり、装置全体が大きくなり、大掛かりな設備投資を必要とする課題を持っている。
すなわち、業務用食品加工業界や家庭では、コンパクトで低コストな過熱蒸気生成装置が強く望まれているが、上記各特許文献のものでは、これら要求を満たすことができない。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、簡便に短時間で過熱蒸気を生成できる過熱蒸気生成装置を用いた簡便な加熱装置を提供することを目的とするものである。
特に過熱蒸気を生成する過熱蒸気生成装置と被加熱処理物を加熱する加熱処理室の加熱装置とを兼用することによって、過熱蒸気を用いた簡便な加熱装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上部に配置された被加熱物を加熱する金属製加熱板と、該加熱板の上部空間を囲み加熱処理室を形成するハウジングと、上記加熱板の内部に形成された流体用通路と、上記加熱板の流体用通路に設けられた流体入口部及び流体取出部と、上記流体用通路の流体入口部に接続され、該流体用通路に水或は飽和水蒸気を供給する供給手段と、上記加熱板を加熱して、該加熱板からの伝熱によって上記被加熱物を加熱すると共に、上記流体用通路内の水或は飽和水蒸気を過熱して過熱蒸気を生成する加熱手段と、上記流体取出部に連結され、この先端部が上記加熱処理室内に開口する過熱蒸気供給路とを備え、上記流体用通路内で生成された過熱蒸気を上記過熱蒸気供給路から加熱処理室内に供給するようになっている構成である。
【0011】
上記構成では、被加熱物を加熱処理する加熱板を加熱することによって、この加熱板内に形成した流体用通路内の水又は飽和水蒸気も加熱して過熱蒸気を生成するので、コンパクトな過熱蒸気生成装置およびこの生成装置を用いた加熱装置を得ることができる。
特に、過熱蒸気生成装置と加熱処理室との間の過熱蒸気の移送が無いので、過熱蒸気の熱ロスが無く、過熱蒸気の熱効率が非常に優れている。
また、例えば、焼き物調理を考えた場合、一般に焼き物調理の場合は、焼きプレートやフライパンの焼き面に食品を載せて、そのまま焼いて調理する。それに対して、本発明では、過熱蒸気生成部を兼ねる加熱板がその焼きプレートやフライパンの役目をし、加熱板表面での焼きと、さらにその加熱板内部で生成した過熱蒸気の加熱処理室内での放射・対流が加わるので、調理物への火の通りが早く、短時間に調理できる。その上、過熱蒸気の温度や調理時間を適切に設定すれば、蒸し焼き調理も可能である。また、加熱板の焼き面で直接焼く必要の無いものについては、加熱板上に網や皿などを載せて、その上に被加熱物を載せて調理すれば良く、また温度を適切に設定することにより効率的に蒸し物調理もできる。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1に記載の過熱蒸気を用いた加熱装置において、加熱手段が、加熱板に埋め込まれた電気式加熱手段であるので、構造が簡単であり、過熱蒸気の温度制御が容易である。電気式加熱手段としては、電気カートリッジヒータ、鋳込みヒータ、熱板ヒータ、ハロゲンヒータ、ラジエントヒータなどが使用できる。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の過熱蒸気を用いた加熱装置において、加熱板が上部加熱板と下部加熱板とからなり、該上部加熱板の下面及び下部加熱板の上面の少なくとも一方に流体用通路を構成する溝が形成されているので、流体用通路の形状の自由度が大きく、被加熱物に応じた流体用通路を形成することができる。また、上部加熱板を取り外すことで、この溝掃除、即ち溝に溜まった水垢、カルシウム化合物などの堆積物の除去ができるので、溝掃除が容易である。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の過熱蒸気を用いた加熱装置において、加熱板の近傍に飽和水蒸気生成装置が配設され、この飽和水蒸気生成装置に第1導入通路及び第2導入通路が接続され、該第1導入通路の出口は流体用通路の流体入口部に接続され、第2導入通路の出口は加熱処理室に開口しているので、過熱蒸気と飽和水蒸気とを制御して供給でき、多機能の加熱装置として活用できる。特に、飽和水蒸気の量を適正に制御することで加熱処理室の湿度を高精度に調整できる。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の過熱蒸気を用いた加熱装置において、加熱板の近傍に飽和水蒸気生成装置が配設され、この飽和水蒸気生成装置に第1導入通路及び第2導入通路が接続され、該第1導入通路の出口は流体用通路の流体入口部に接続され、第2導入通路の出口は流体用通路に接続されているので、過熱蒸気と飽和水蒸気とを制御して供給することで、処理室内の湿度を調整でき、多機能の加熱装置として活用できる。特に、過熱蒸気供給路を使って、過熱蒸気と飽和水蒸気とを供給できるので、加熱処理室の配管の取りまわしが簡素になり、加熱処理室のスペースを有効に活用できる。
【0016】
請求項6の発明は、請求項4又は5に記載の過熱蒸気を用いた加熱装置において、第1導入通路及び第2導入通路には、流量を調整するバルブがそれぞれ設けられているので、このバルブの開閉状態を調整することによって高精度に飽和水蒸気の量と過熱蒸気の量とを制御できる。
【0017】
請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の過熱蒸気を用いた加熱装置において、加熱板がアルミ材からなるので軽量で熱伝導性がよく、かつ加熱調理で用いられる100℃〜500℃の温度範囲で効率よく過熱蒸気を加熱できるので、被加熱物に対し、適正な加熱処理を行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1(a)、図1(b)は本発明の実施形態1を示す。図1(a)は加熱板の平面図、図1(b)は加熱装置の概略断面図を示す。加熱板1は、平面視で矩形状を有するようにアルミ材を成形してなるものとされ、この加熱板1内に流体用通路2がジグザグ状に形成されている。加熱板1は略水平に配置されており、該加熱板1の下端部には、上記流体用通路2に接続されて該通路2に水又は飽和水蒸気を供給する入口部(流体入口部)3が設けられ、一方、加熱板1の上端部には、上記流体用通路2に接続されて該通路2内の過熱蒸気を取り出す取出部(流体取出部)4が設けられている。加熱板1の上部空間を覆うハウジング5が設けられ、このハウジング5内に加熱処理室6が形成されている。加熱板1の内部には、該加熱板1を加熱すると共に、上記流体用通路2内の流体(水或は飽和水蒸気)を加熱して過熱蒸気を生成する加熱手段としての電気カートリッジヒータ17が配設され、該電気カートリッジヒータ17には電源供給装置(図示せず)が接続されている。また、上記取出部4には、先端が加熱処理室6内に開口する配管(過熱蒸気供給路)9が連結されている。符号8は、水又は飽和水蒸気の供給手段を示す。
上記加熱処理室6内には、加熱板1上面から上方へ離れた位置に被加熱物W1を載せるための金網19が配設されている。そして、金網19上に被加熱物W1を載せて上記電気カートリッジヒータ17を通電状態とすると、加熱板1の伝熱及び取出部4から配管9を経て加熱処理室6内に供給される過熱蒸気によって、被加熱物W1が加熱調理されるので、該被加熱物W1を短時間で調理できる。特に、過熱蒸気生成機能と加熱調理機能とが加熱板1で兼用されているので、加熱装置をコンパクトにできると共に過熱蒸気生成部から加熱処理室6へ過熱蒸気を導入する時の熱ロスがなく、効果的に過熱蒸気を用いた加熱装置を得られる。
なお、加熱板1に直接被加熱物W1を載せて加熱してもよいが、この実施形態1では、金網19を設け、加熱板1の表面で直に焼かないケース(蒸し焼き)を示した。
この実施形態1では、加熱手段7が加熱板1と別体であり、加熱手段7や加熱板1のメンテナンスが容易に行える。特に、電気カートリッジヒータ17等電気式加熱手段を用いたものでは、温度制御が容易であり、熱効率が高い。
【0019】
図2は実施形態2に係わり、実施形態1と異なる部分に別符号を付し、この部分を説明し、他の構成の説明を省略する。この実施形態2では、電気カートリッジヒータに代えて加熱板11に、ガスバーナー17を内蔵したものを用いた。この実施形態2では構造が簡単で、加熱装置のメンテナンスが容易である。
【0020】
図3は実施形態3に係わり、実施形態1と異なる部分に別符号を付し、この部分を説明し、他の構成の説明を省略する。この実施形態3では、加熱板21の下部に、熱板ヒータ(又はラジエントヒータ)27aを設け、この下部にヒータ電源27bを配設した。この実施形態3では、加熱板21と熱板ヒータ(又はラジエントヒータ)27a、ヒータ電源27bとを別体にできるのでメンテナンスが容易である。その上、ラジエントヒータを用いた場合には、加熱速度が速く加熱処理時間を短くできる。
【0021】
図4は実施形態4に係わり、実施形態1と異なる部分に別符号を付し、この部分を説明し、他の構成の説明を省略する。鉄製或はステンレス製の加熱板、またはアルミ板下面に鉄或いはステンレスの発熱体を接合した加熱板31の下部に、誘導加熱コイル37aを設け、この下部に誘導加熱用電源37bを配設した。この実施形態3では、加熱板31と誘導加熱コイル37a、誘導加熱用電源37bとを別体にできるのでメンテナンスが容易である。その上、誘導加熱用電源37bを用いた場合には、熱効率が非常に高いために加熱速度が速く加熱処理時間を短くできる。
【0022】
図5は、実施態様1〜4において加熱板1、11、21及び31内に形成する流体用通路2として、パイプ101を加熱板に鋳包み形成したものを示す。このようにパイプ101を鋳包むものでは、構造が簡単であり、構造が丈夫で耐久性が高く、密閉性に優れる。
【0023】
図6は、実施態様1〜4において加熱板1、11、21及び31内に形成する流体用通路2として、下部加熱板1aと上部加熱板1bとに別部材を用い、下部加熱板1aの上面に流体用通路2を構成するための溝2aを形成し、上部加熱板1bで蓋をして、流体用通路2を形成するものを示す。このものでは、溝加工が容易であり、溝形状の自由度が大きい。また、溝2aの掃除などメンテナンス性に優れる。
【0024】
図7は、実施態様1〜4において加熱板1、11、21及び31内に形成する流体用通路52の配設構造を示し、入口部53と取出部54とが近接して配設され、入口側通路52aと取出側通路52bとを対向させて設けたものであって、均熱性に優れる。
【0025】
図8は、実施態様1〜4において加熱板1、11、21及び31内に形成する流体用通路62の配設構造を示し、入口部63を加熱板の略中央に設け、取出部64を左右に多数設け、入口部63と取出部64とをジグザグ状の流体用通路62で連結して、加熱室に出される過熱蒸気量を増加させ、過熱処理時間を短くした。周囲の多くの取出部64から過熱蒸気が出るので、被加熱物をより均等に過熱できる。
【0026】
図9は実施形態5の加熱装置70に係わり、飽和蒸気を供給する供給手段78を加熱板71の下部近傍に設けた例を示す。飽和水蒸気を生成する沸騰容器78aを設け、その中に電気ヒータ78bを配設し、これら沸騰容器78a及び電気ヒータ78bにより飽和水蒸気生成装置が構成されている。そして、加熱板71に電気ヒータ77を内蔵した。これらの飽和水蒸気生成装置の電気ヒータ78a及び加熱板71の電気ヒータ77を共通のヒータ電源79に接続している。そして、沸騰容器78aに接続した第1導入通路84の出口が流体用通路72の入口部73に接続されている。流体用通路72の入口部73に供給された飽和蒸気は、加熱板71内で過熱蒸気にされ、取出部74に連結された配管69から加熱処理室76に供給される。また、沸騰容器78aに接続した第2導入通路85の出口が加熱板71に設けた供給口74bに接続され、沸騰容器78aの飽和蒸気が供給口74bから直に加熱処理室76に供給されるようになっている。それぞれの供給量を調整するバルブ80a、80bを制御部81で制御している。また、加熱板71の加熱温度も温度センサ82からの信号により制御部81で制御している。符号83は断熱材を示す。
この実施形態5では、飽和水蒸気と過熱蒸気とを同じ沸騰容器78aを活用して得るので、効率的であり、且つ飽和水蒸気と過熱蒸気とをそれぞれ調整することによって、加熱処理室76の温度や湿度を細かく制御できる。それと共に直接低温蒸しの調理を行うことができ、いろいろの調理に利用できる。
また、第2導入通路85の出口を供給口74bに接続することなく、加熱板71上面に開口させるようにしてもよい。
さらに、図示しないが、流体用通路72の入口部73と取出部74との間に第2導入通路85の出口を接続するようにしてもよい。これにより、比較的低温の飽和蒸気を流体用通路72に供給することが可能となるので、バルブにより第2導入通路85の流量を制御することで、流体用通路72の取出部74からの過熱蒸気の温度を素早く変化させることができる。
【0027】
上記実施形態では、バルブ80a、80bを制御部81で設定状態に制御しているが、この実施形態に限られるものではなく、バルブ80a、80bの開度を手動で所定開度にセットするようにしてもよい。
【0028】
図10は、図9に示す実施形態5の過熱蒸気を用いた加熱装置70を使って、幾つかの食品を調理した加熱装置の例を示す。
(1) 冷凍餃子焼き
本発明の実施例:
加熱板71は、アルミ製で、板厚は20mmのものを使用し、ヒータ電源79のヒータ電力は最大2kwのものを使用した。
焼き面温度 :200℃
生成過熱蒸気温度 :180〜200℃
ボイラー用ヒータ電源:1.5kw
油を引いた加熱板71の上に冷凍餃子を載せ、過熱蒸気雰囲気で2.5分、加熱調理した。一方の面に焼きが入った餃子を蒸し焼きできた。
従来例:
フライパンに冷凍餃子をいれて1分間焼き、その後適量の水を加えて、蓋をして4分間蒸し焼きし、次に蓋を取って1分間焼いて水分を飛ばす。このようにする必要があり、時間が6分とかかる上に、調理作業も面倒であった。
上記のように、本発明では、従来例に比較して半分以下の時間で調理できるとともに、調理工程も1工程でよく、簡便に調理できた。
(2) 焼芋
本発明では、被加熱物として焼芋を試した。上記実施形態5の加熱装置を用いて、過熱板温度280℃にして、8分で調理できた。従来では約12分以上必要であった。
(3) 冷凍ハンバーグ
本発明では、上記加熱装置を用いて、過熱板温度300℃にして、6分で調理できた。従来では約15分以上必要であった。
【0029】
図11は、冷凍ハンバーグの業務用調理に本発明を適用した例を示す。
スチールベルトコンベア90の下に、実施形態5の加熱装置70を複数個配設している。そして、スチールベルトコンベア90の上に載せられて搬送される冷凍ハンバーグW3の上方をハウジング95で覆って加熱処理室96を形成する。そして、ハウジング95に仕切り板95aを設けて、上記加熱処理室96を幾つかの部屋に仕切る。この加熱処理室96に入った初めには、150℃の過熱蒸気を使って低温加熱とし、冷凍ハンバーグを解凍し、ハンバーグの中までじっくりと加熱する。そして、次の部屋で300℃の過熱蒸気で加熱処理し、一気に焼き上げ、次の部屋では、ハンバーグの上面に焼き面を付けるために、上からはラジエントヒータ97で焼く。この設備では、約10分で冷凍ハンバーグを焼くことができた。
【0030】
図12は、かまぼこの蒸しラインに本発明を適用した例を示し、図11と同様な図を示す。メッシュベルトコンベア90aの下に、実施形態5の加熱装置70を複数個配設している。そして、メッシュベルトコンベア90aの上に載せられて搬送されるかまぼこW4の上方をハウジング95bで覆って加熱処理室96aを形成する。この実施形態では、150℃の過熱蒸気を加熱処理室96aに供給して、かまぼこW4を蒸した。
従来85℃の飽和水蒸気を使っていた場合には30分間要していたものが、上記の蒸気過熱装置では10分間で調理できた。
【0031】
本発明の過熱蒸気を用いた加熱装置は、肉・魚・パン・ハンバーグ・餃子などの食品の解凍・焼成、蒸し米・茶碗蒸しなどの蒸し調理、大豆などの煮熟等の食品調理、木材・食品の乾燥、缶詰・レトルト食品・医療機器の殺菌・消毒などに利用できる。また工業として食品加工業界や外食産業などの調理設備として使用でき、家庭用の調理器具としても利用できる。
【0032】
本発明の過熱蒸気を用いた加熱装置は、上記実施形態では、加熱板を被加熱物の下方に設けたが、被加熱物の上方或は側方に相当する位置に追加して設けてもよい。或は加熱板は下方にのみ設け、過熱蒸気の取出口を被加熱物の上方或は側方に相当する位置に追加して設けてもよい。
【0033】
加熱板の流体用通路に供給するものとしては、水及び飽和水蒸気のいずれでもよいが、飽和水蒸気或はそれにできるだけ近い高温水蒸気のほうが、流体用通路で早く過熱水蒸気を生成できるので、加熱板をコンパクトにでき、好都合である。
【0034】
加熱板の材質は、アルミ、銅、鉄及びステンレス等が使用できるが、アルミが熱伝導率に優れ、軽量であるので、コンパクトな食品加熱装置としては好適である。
【0035】
上記実施形態では、該流体用通路の流体入口部は加熱板の下面に、流体取出部は加熱板の上面に設けたが、この位置に限られるものではなく、上下面や側面の任意の位置に設けてもよい。また、上記実施形態では、流体取出部を加熱板上面に設け、過熱蒸気供給路をその上に伸びた配管9として設けているが、過熱蒸気供給路を長くして、加熱処理室の側部、又は上部から過熱蒸気が加熱処理室内に供給されるようにしてもよい。
【0036】
また、加熱板を上部加熱板及び下部加熱板からなるものとし、上部加熱板及び下部加熱板の少なくとも一方に溝を設けて、この溝を流体用通路とする場合には、簡単に溝掃除をできるメリットを備えるので、メンテナンス上有利である。この溝を下部加熱板に形成する場合には、溝の底面や側面に加熱手段を設けることができ、加熱しやすいメリットを有する。また、上部加熱板に溝を形成する場合には、溝形状を変えた上部加熱板を取り替えるだけで加熱性能を簡単に調整できるメリットを有する。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明に係る過熱蒸気を用いた加熱装置においては、上部に配置された被加熱物を加熱する金属製加熱板と、該加熱板の上部空間を囲み加熱処理室を形成するハウジングと、上記加熱板の内部に形成された流体用通路と、上記加熱板の流体用通路に設けられた流体入口部及び流体取出部と、上記流体用通路の流体入口部に接続され、該流体用通路に水或は飽和水蒸気を供給する供給手段と、上記加熱板を加熱して、該加熱板からの伝熱によって被加熱物を加熱すると共に、上記流体用通路内の水或は飽和水蒸気を加熱して過熱蒸気を生成する加熱手段と、上記流体取出部に連結され、この先端部が上記加熱処理室内に開口する過熱蒸気供給路とを備え、上記流体用通路内で生成された過熱蒸気を加熱処理室内に供給するようになっているので、被加熱物を加熱処理する加熱板を加熱することによって、この加熱板内に形成した流体用通路内の水又は飽和水蒸気も過熱して過熱蒸気を生成でき、コンパクトな過熱蒸気生成装置およびその生成装置を使った加熱装置を得ることができる。特に、過熱蒸気生成装置と加熱処理室との間の過熱蒸気の移送が無いので、過熱蒸気の熱ロスが無く、過熱蒸気の熱効率が非常に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は加熱板の平面図であり、(b)は過熱蒸気を用いた加熱装置の概略断面図である。
【図2】実施形態2に係る過熱蒸気を用いた加熱装置の側面図である。
【図3】実施形態3に係る過熱蒸気を用いた加熱装置のハウジングを省略して示す側面図である。
【図4】実施形態4に係る図3相当図である。
【図5】流体用通路の構造例を示す図である。
【図6】流体用通路の別の構造例を示す図である。
【図7】流体用通路形状の例を示す図である。
【図8】流体用通路形状の別の例を示す図である。
【図9】実施形態5に係る図2相当図である。
【図10】実施形態5に係る加熱装置を食品調理に使用した状態を示す図9相当図である。
【図11】過熱蒸気を用いた加熱装置を冷凍ハンバーグの業務調理に適用した場合を示し、(a)は上方から見た部分断面図であり、(b)は図9相当図である。
【図12】過熱蒸気を用いた加熱装置をかまぼこの蒸しラインに適用した場合を示す図9相当図である。
【符号の説明】
W 被加熱物
1 加熱板
1a 下部加熱板
1b 上部加熱板
2 流体用通路
2a 溝
3 入口部
4 取出部
5 ハウジング
6 加熱処理室
7 加熱手段
8 供給手段
9 配管(過熱蒸気供給路)
78 飽和蒸気生成装置
80a、80b バルブ
81 制御部
84 第1導入通路
85 第2導入通路

Claims (7)

  1. 上部に配置された被加熱物を加熱する金属製加熱板と、
    上記加熱板の上部空間を囲み加熱処理室を形成するハウジングと、
    上記加熱板の内部に形成された流体用通路と、
    上記加熱板の流体用通路に設けられた流体入口部及び流体取出部と、
    上記流体用通路の流体入口部に接続され、該流体用通路に水或は飽和水蒸気を供給する供給手段と、
    上記加熱板を加熱して、該加熱板からの伝熱によって上記被加熱物を加熱すると共に、上記流体用通路内の水或は飽和水蒸気を過熱して過熱蒸気を生成する加熱手段と、
    上記流体取出部に連結され、この先端部が上記加熱処理室内に開口する過熱蒸気供給路とを備え、
    上記流体用通路内で生成された過熱蒸気を上記過熱蒸気供給路から加熱処理室内に供給するようになっていることを特徴とする過熱蒸気を用いた加熱装置。
  2. 請求項1に記載の過熱蒸気を用いた加熱装置において、
    加熱手段が、加熱板に埋め込まれた電気式加熱手段であることを特徴とする過熱蒸気を用いた加熱装置。
  3. 請求項1又は2に記載の過熱蒸気を用いた加熱装置において、
    加熱板が上部加熱板と下部加熱板とからなり、該上部加熱板の下面及び下部加熱板の上面の少なくとも一方に流体用通路を構成する溝が形成されていることを特徴とする過熱蒸気を用いた加熱装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の過熱蒸気を用いた加熱装置において、
    加熱板の近傍に飽和水蒸気生成装置が配設され、この飽和水蒸気生成装置に第1導入通路及び第2導入通路が接続され、該第1導入通路の出口は流体用通路の流体入口部に接続され、第2導入通路の出口は加熱処理室に開口されていることを特徴とする過熱蒸気を用いた加熱装置。
  5. 請求項1ないし3のいずれかに記載の過熱蒸気を用いた加熱装置において、
    加熱板の近傍に飽和水蒸気生成装置が配設され、この飽和水蒸気生成装置に第1導入通路及び第2導入通路が接続され、該第1導入通路の出口は流体用通路の流体入口部に接続され、第2導入通路の出口は流体用通路に接続されていることを特徴とする過熱蒸気を用いた加熱装置。
  6. 請求項4又は5に記載の過熱蒸気を用いた加熱装置において、
    第1導入通路及び第2導入通路には、流量を調整するバルブがそれぞれ設けられていることを特徴とする過熱蒸気を用いた加熱装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の過熱蒸気を用いた加熱装置において、
    加熱板がアルミ材からなり、過熱蒸気の温度が100℃〜500℃の範囲であることを特徴とする過熱蒸気を用いた加熱装置。
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