JP2004187667A - ネギ類における健苗の育成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】3−オキシド−5−オキソ−4−プロピニルシクロ−ヘキシ−3−エンカルボキシリック アッシド若しくはその塩をネギ類の苗床の土壌、ネギ類の種子又は1〜3葉期のネギ類苗の茎葉部に処理してネギ類苗を育成することを特徴とするネギ類における健苗の育成方法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネギ類における健苗の育成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ネギ、タマネギ等のネギ類の栽培は、通常、苗床で育成した苗を本圃に移植して行われる。ネギ類の育苗においては、小面積で多数の苗を育成することから、気温、土壌水分又は施肥によっては苗が徒長してしまったり、根量が少なくなったりして健全な苗が得られないことがしばしば生じる。
近年、農作業の省力化のために、ネギ類の栽培においてセル成型苗の機械移植が導入されているが、機械移植に適した草丈や太さを有した健苗を得るには、苗の徒長を防止するための施肥や水分管理に細心の注意を払った上に、伸長した茎葉部を剪葉する作業をたびたび行う必要があり、作業効率上の問題となっている。またセル成型苗は、一般に根張りが悪く根鉢が充分に形成されないことが多く、解決策が求められている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】
タキイ種苗株式会社発行、園芸新知識、2001.08、p16−p18
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ネギ類における苗の育成において、機械移植に適した草丈や太さを有し、かつ、根張りの優れた健苗を育成する方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる状況下に鋭意検討した結果、3−オキシド−5−オキソ−4−プロピニルシクロ−ヘキシ−3−エンカルボキシリック アッシド(以下、本化合物と記す。)若しくはその塩をネギ類の苗床の土壌、ネギ類の種子又は1〜3葉期のネギ類苗の茎葉部に処理してネギ類苗を育成することにより、機械移植に適した草丈や太さを有し、かつ、根張りの優れた健苗が安定的にして得られることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、
1.本化合物若しくはその塩をネギ類の苗床の土壌、ネギ類の種子又は1〜3葉期のネギ類苗の茎葉部に処理してネギ類苗を育成することを特徴とするネギ類における健苗の育成方法(以下、本発明方法と記すこともある。);
2.本化合物若しくはその塩をネギ類の苗床の土壌に処理してネギ類苗を育成することを特徴とするネギ類における健苗の育成方法;
3.本化合物若しくはその塩をネギ類の種子に処理してネギ類苗を育成することを特徴とするネギ類における健苗の育成方法;
4.本化合物若しくはその塩を1〜3葉期のネギ類苗の茎葉部に処理してネギ類苗を育成することを特徴とするネギ類における健苗の育成方法;
等を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明におけるネギ類としては、例えば、ネギ(Allium fistulosum)、タマネギ(Allium cepa)等をあげることができる。
【0007】
本発明において用いられる本化合物は、植物のジベレリン生合成経路の後期過程のうち、ジベレリンA20がジベレリンA1へ変換される段階を阻害する作用を有する化合物であり、植物生長調節剤の有効成分であるプロヘキサジオン(prohexadione)として知られている。(植物の化学調節 Vol.25, No.1, p99−107,1990)。
また本発明において本化合物は塩の形態であってもよく、本化合物の塩としては、例えば、プロヘキサジオンカルシウム塩等があげられる。
また、本発明において本化合物の塩を用いる場合、その基準量は本化合物の塩自体の重量ではなく、本化合物の重量に換算した重量である。
【0008】
本化合物若しくはその塩は、通常、液体担体、固体担体、界面活性剤、その他の製剤用補助剤等を用いて乳剤、液剤、水和剤又は懸濁剤等の製剤とすることにより使用される。これらの本化合物若しくはその塩を含有する製剤には、当該有効成分が本化合物の重量に換算して、通常、約0.01重量%〜90重量%含有される。
【0009】
これらの製剤は、通常、水に希釈された希釈液の状態で使用され、その際、当該希釈液における有効成分の濃度は、通常、約0.1ppm〜約1000ppmであり、好ましくは約1ppm〜約300ppmである。当該希釈液の処理方法としては、当該希釈液をネギ類の苗床の土壌に処理する方法、ネギ類の種子又は1〜3葉期のネギ類苗の茎葉部に処理する方法等があげられる。
【0010】
ネギ類の苗床の土壌に処理する方法には、例えば、(1)ネギ類の種子を播種して覆土した後に、上記の希釈液を土壌表面に処理する方法、(2)ネギ類の種子を播種して覆土した後に、上記の希釈液を土壌に潅注処理する方法、(3)上記の希釈液を土壌に処理して混和した後に、当該土壌中にネギ類の種子を播種する方法等があげられる。
【0011】
上記の希釈液を土壌表面に処理する場合には、噴霧器、霧吹き等を用いて、通常、1ヘクタール当たり約50L〜約2000L、好ましくは、約200L〜約1000Lの割合で土壌表面に散布する。
土壌に潅注処理する場合には、ネギ類の種子を播種して覆土した後に、上記の希釈液を1ヘクタール当たり約10000L〜約100000L、好ましくは、約20000L〜60000Lの割合で土壌に潅注処理する。
【0012】
ネギ類の種子に処理する場合には、上記の希釈液に発芽前のネギ類の種子を、通常、約1時間以上約3日間以下、好ましくは約5時間以上約2日間以下の時間、浸漬処理したり、また上記の希釈液を発芽前のネギ類の種子にスプレー処理する。このようにして処理されたネギ類の種子は、風乾した後に播種するとよい。
【0013】
1〜3葉期のネギ類苗の茎葉部に処理する場合には、噴霧器、霧吹き等を用いて上記の希釈液を1ヘクタール当たり約50L〜約2000L、好ましくは、約200L〜1000Lの割合で1〜3葉期、好ましくは2〜2.5葉期の植物体に直接散布する。
【0014】
本発明において本化合物若しくはその塩を処理する場合には、単独で用いてもよいが、勿論、他の植物生長調節剤、殺虫剤、殺菌剤、除草剤、肥料、界面活性剤等と混合して用いてよい。
【0015】
ネギ類の種子の播種及び育成は、通常、播種及び育成方法に従って行えばよく、格別の操作は必要としない。以下にタマネギの場合における一例を記載する。
【0016】
タマネギの苗は、露地又は育苗箱にて育成される。苗床の土壌には、通常、堆肥、ナタネかす等の有機質肥料を混ぜ込んでおくとよい。また、市販のタマネギ育苗用の培土を用いてもよい。
露地又は育苗箱にタマネギの種子を播種した後、適宜間引きを行いながら、通常、約15℃〜約30℃の温度範囲にてタマネギの苗を育成する。タマネギの種子を播種した後、約45日間〜約65日間育成することにより、ネギ類における移植用の健苗を得る。
【0017】
【実施例】
以下、本発明を実施例にてさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0018】
試験例1
合成樹脂製の育苗用セルトレイ(128穴、幅27cm、奥行53cm、高さ5cm)に市販の培土を詰め、タマネギ(泉州黄)の種子を1cmの深さに播種した。2日後に市販のビビフルフロアブル(プロヘキサジオンカルシウム塩1.0%含有、クミアイ化学製)を所定濃度になるように水で希釈し、調製された希釈液をセルトレイ当たり400mLの割合で土壌に潅注処理した。その後、ガラス温室内において適宜潅水することによりタマネギの苗を育成した(本発明区と記す。)。タマネギの種子を播種してから64日後にタマネギの地上部の長さを測定した。
尚、比較として、薬剤を処理しないこと以外は本発明区と同様にタマネギの苗を育成した無処理区を設けた。
結果を表1に示した。尚、測定は各区とも10本行い、その平均値で示した。
【0019】
【表1】
【0020】
試験例2
市販のビビフルフロアブル(プロヘキサジオンカルシウム塩1.0%含有、クミアイ化学製)3mLを水で希釈して希釈液100mLを得た。得られた希釈液を市販の培土1Lに注いだ後、土壌を十分に混和した。得られた土壌を合成樹脂製の育苗用セルトレイ(128穴、幅27cm、奥行53cm、高さ5cm)に詰め、タマネギ(泉州黄)の種子を1cmの深さに播種した。その後、ガラス温室内において適宜潅水することによりタマネギの苗を育成した(本発明区と記す。)。タマネギの種子を播種してから61日後にタマネギの地上部の長さ、茎葉部の直径(根元より2〜5cmの部分の最大直径)及び根部の新鮮重を測定した。
尚、比較として、薬剤を処理しない土壌を用いること以外は本発明区と同様にタマネギの苗を育成した無処理区を設けた。
結果を表2に示した。尚、測定は各区とも10本行い、その平均値で示した。
【0021】
【表2】
【0022】
試験例3
市販のビビフルフロアブル(プロヘキサジオンカルシウム塩1.0%含有、クミアイ化学製)を所定濃度となるように水で希釈して希釈液100mLを得た。得られた希釈液にタマネギ(泉州黄)の種子を室温で24時間浸漬した後、これを取り出し風乾した。市販の培土を合成樹脂製の育苗用セルトレイ(128穴、幅27cm、奥行53cm、高さ5cm)に詰め、上記で薬剤処理された種子を1cmの深さに播種した。その後、ガラス温室内において適宜潅水することによりタマネギの苗を育成した(本発明区と記す)。タマネギの種子を播種してから61日後にタマネギの地上部の長さ及び茎葉部の直径(根元より2〜5cmの部分の最大直径)を測定した。
尚、比較として、薬剤を処理しない種子を用いること以外は本発明区と同様にタマネギの苗を育成した無処理区を設けた。
結果を表3に示した。尚、測定は各区とも10本行い、その平均値で示した。
【0023】
【表3】
【0024】
試験例4
合成樹脂製の育苗用セルトレイ(128穴、幅27cm、奥行53cm、高さ5cm)に市販の培土を詰め、タマネギ(泉州黄)の種子を1cmの深さに播種した。その後、ガラス温室内において適宜潅水することによりタマネギの苗を育成した。タマネギの種子を播種してから26日後に市販のビビフルフロアブル(プロヘキサジオンカルシウム塩1.0%含有、クミアイ化学製)を所定濃度になるように水(展着剤として住友化学製サントクテン80を0.05%(v/v)含有)で希釈し、調製された希釈液を植物体が十分濡れるように園芸用霧吹きで茎葉散布した。このとき、タマネギ苗は2〜2.5葉期であった。その後、ガラス温室内において適宜潅水することによりタマネギの苗を育成した(本発明区と記す)。タマネギの種子を播種してから61日後にタマネギ地上部の長さ及び茎葉部の直径(根元より2〜5cmの部分の最大直径)を測定した。
尚、比較として、薬剤を処理しないこと以外は本発明区と同様にタマネギの苗を育成した無処理区を設けた。
結果を表4に示した。尚、測定は各区とも10本行い、その平均値で示した。
【0025】
【表4】
【0026】
以上の試験例に示すように、本発明区では無処理区と比較して地上部が短く太い苗、即ち、機械移植に適した苗が得られるだけでなく、根部重量の重い苗、即ち、根張りの優れた健苗を育成することができた。
【0027】
【発明の効果】
本発明では、3−オキシド−5−オキソ−4−プロピニルシクロ−ヘキシ−3−エンカルボキシリック アッシド若しくはその塩をネギ類の苗床の土壌、ネギ類の種子又は1〜3葉期のネギ類苗の茎葉部に処理してネギ類苗を育成することにより、機械移植に適した草丈や太さを有し、かつ、根張りの優れた健苗が安定的にして得られるネギ類苗を育成することにより、苗の徒長を防ぐとともに、機械移植に適した草丈や太さを有し、かつ、根張りの優れたネギ類苗を容易に得ることができる。
Claims (4)
- 3−オキシド−5−オキソ−4−プロピニルシクロ−ヘキシ−3−エンカルボキシリック アッシド若しくはその塩をネギ類の苗床の土壌、ネギ類の種子又は1〜3葉期のネギ類苗の茎葉部に処理してネギ類苗を育成することを特徴とするネギ類における健苗の育成方法。
- 3−オキシド−5−オキソ−4−プロピニルシクロ−ヘキシ−3−エンカルボキシリック アッシド若しくはその塩をネギ類の苗床の土壌に処理してネギ類苗を育成することを特徴とするネギ類における健苗の育成方法。
- 3−オキシド−5−オキソ−4−プロピニルシクロ−ヘキシ−3−エンカルボキシリック アッシド若しくはその塩をネギ類の種子に処理してネギ類苗を育成することを特徴とするネギ類における健苗の育成方法。
- 3−オキシド−5−オキソ−4−プロピニルシクロ−ヘキシ−3−エンカルボキシリック アッシド若しくはその塩を1〜3葉期のネギ類苗の茎葉部に処理してネギ類苗を育成することを特徴とするネギ類における健苗の育成方法。
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