JP2009100691A - 畦畔の緑化方法 - Google Patents

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Toshimichi Koinuma
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Shigetoshi Kimoto
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Abstract

【課題】畦畔等の法面保護および景観整備のために用いる上で好適な、供給した地被植物をより早くそして強く生育させるとともに雑草の繁殖を抑える効果に優れた緑化方法を提供する。
【解決手段】被覆粒状肥料入り培土を充填したセルトレーで播種・育苗した地被植物の苗を畦畔に移植する緑化方法であって、上記被覆粒状肥料入り培土として、播種から移植に至るまでの育苗期間中の被覆粒状肥料からの窒素成分の溶出量が育苗培土100mLあたり30mg以下1mg以上になるよう調整された、被覆粒状肥料と育苗培土との混合物を用いることを特徴とする畦畔の緑化方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、畦畔等の緑化方法に関するものである。
従来から田を区画する畦畔は、土を台形の壁状等の形状に盛り上げて形成している。このような畦畔は、雨水等により一部決壊するような水路が形成されたり地中動物等によって穴が開けられる等により、崩壊しやすいことが知られている。また、雑草の繁茂は、畦畔が害虫等の住処になるため除去する必要がある。この繁茂した雑草の除去作業は、除草剤を用いれば根を枯らすため、畦畔が崩壊しやすくなり、草刈機等による物理的除去は畦畔が傾斜地であるため困難かつ煩雑であるとともに隣接する田へ雑草の根が伸び作物に悪影響を及ぼす可能性がある。
通常、畦畔の管理は、植物の発根によって傾斜地表層を固め、刈り取り等によって植物の生育を調節し、害虫やネズミ等の発生を防ぎ、畦畔の崩壊や景観維持を行っている。最近では、その作業負担を低減し、緑地として景観を整えるために、草丈の短い地被植物(いわゆるグランド・カバー・プランツ)を植栽し、雑草を生やさぬようにする試み等も実施されている。
畦畔のような傾斜地を緑化する試みとして、例えば種子、肥料、用土、土壌改良材、養生剤を入れた緑化基材を吹付機械によって圧送し、法面等に吹き付けて客土層を造成する法面等の緑化工法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。苗を用いる緑化工法としては、植物苗と肥料等を圧縮空気を介してタンク内で混合し、圧縮空気を介して該混合物を法面等に吹き付けるセル成形苗の噴射式植付緑化工法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。植穴を用いる緑化工法としては、法面に穴を堀り、この穴に対して、植栽容器をその開口が水平または下向きになるように設け、この植栽容器および穴内に苗を植生基材とともに設けている緑化工法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。また、景観と雑草侵入防止に優れた方法として、圃場の畦面の表面に畦管理を容易にするローメンテナンス草類及び、防虫効果を有する種子及びランナーを塗り付ける畦塗り方法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
上記のような種子や植物苗を用いて、傾斜地を緑化することは知られているが、傾斜地の崩壊や雑草対策については十分に考慮されていない。また、上記植穴を用いる緑化工法では植栽容器周辺に種子と肥料を吹き付けるため、肥料による生育障害のおそれがあり、施肥量は少量にせざるを得ず、その肥料が繁殖力のある雑草に収奪される可能性も大きい。さらに、上記畦塗り方法は、肥料と種子や植物のランナーを塗り込める方法であるが、施肥量と雑草との競合に関しては植穴を用いる緑化工法と同様であって何ら問題解決していない。このように、地被植物はそのまま播種または苗を移植して栽培・植生させるが、通常は雑草の繁殖力が強力であり、良好に植生させるのは困難であった。
特開平5−247943号公報 特開平11−123007号公報 特開平10−159105号公報 特開2007−159530号公報
本発明は、畦畔等の法面保護および景観整備のために用いる上で好適な、供給した地被植物をより早くそして強く生育させるとともに雑草の繁殖を抑える効果に優れた緑化方法
を提供することを課題とする。
本発明者等は、前述の課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その結果、育苗培土をセルトレーに充填し、このセルトレーに地被植物を播種・育苗して得られた苗を畦畔等に移植する緑化方法、特に、播種から移植に至るまでの育苗期間中の窒素成分の溶出量が育苗培土100mLあたり30mg以下1mg以上になるように調整された被覆粒状肥料と育苗培土を混合した被覆粒状肥料入り培土を用いて育成した地被植物の苗を移植栽培することを特徴とする畦畔等の緑化方法であれば、地被植物を育苗中に生育障害が生じず、また、被覆粒状肥料からの肥料が安定的に地被植物のみに供給されるため、地被植物の生育を長期間制御しつつ雑草の繁殖を抑えることが可能であることが明らかとなった。さらに、汎用の苗育成技術であるセル育苗法を応用することで、前記課題が解決されることを見出し、その知見に基づいて本発明を完成した。
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)被覆粒状肥料入り培土を充填したセルトレーで播種・育苗した地被植物の苗を畦畔に移植する緑化方法であって、上記被覆粒状肥料入り培土として、播種から移植に至るまでの育苗期間中の被覆粒状肥料からの窒素成分の溶出量が育苗培土100mLあたり30mg以下1mg以上になるよう調整された、被覆粒状肥料と育苗培土との混合物を用いることを特徴とする畦畔の緑化方法。
(2)前記被覆粒状肥料からの窒素成分の溶出率が3質量%以下である期間が育苗期間以上の長さであって、かつ、前記被覆粒状肥料を25℃の水中に浸漬した場合の前記被覆粒状肥料からの窒素成分の溶出率が3質量%に達する迄の期間(初期溶出抑制期間:d1)と、3質量%より大きく80質量%以下である期間(溶出期間:d2)の比率d1/d2が0.2以上であることを特徴とする、(1)に記載の畦畔の緑化方法。
本発明により、施肥の困難な畦畔等の緑化および管理が容易になり、雑草より優位な地被植物の生育を確保することができる。被覆粒状肥料の溶出挙動特性により、育苗時の生育障害のない、また、苗移植後は地被植物を雑草より早く畦畔等に生育させつつ、生育を適切に制御することで被覆粒状肥料から溶脱する肥料成分をなくす本発明の緑化方法によって、法面保護硬化と雑草の予防ができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の緑化方法は、被覆粒状肥料入り培土を充填したセルトレーで播種・育苗した地被植物の苗を畦畔や法面等の緑化対象地に移植する緑化方法であって、上記被覆粒状肥料入り培土として、播種から移植に至るまでの育苗期間中の窒素成分の溶出量が育苗培土100mLあたり30mg以下1mg以上になるよう調整された、被覆粒状肥料と育苗培土との混合物を用いることを特徴とすることを特徴とする。
上記地被植物(「グランド・カバー・プランツ」ともいう)とは、地表を覆うように生育する植物の総称であり、主として背丈の低い多年生の植物を意味する。例えば、芝類、アジュガ、シバザグラ、イワダレソウ、スイートアリッサム、バーベナ、コバノランタナ、ツタ、アイビー等が挙げられる。芝類としては、暖地型芝生と寒地型芝生があり、暖地型芝生としては野芝、高麗芝、姫高麗芝、ティフトン、ティフドワーフ、セントオーガスチングラス、センチピードグラス等、寒地型芝生としては、ベントグラス類、ブルーグラス類、フェスク類、ライグラス類等が挙げられる。本発明は、たとえば播種から移植に至るまでの育苗期間中の窒素成分の溶出量を後述の所定の範囲内で適宜微調節することなど
により、これらの地被植物全般に対して適用することができる。
育苗培土としては、市販の育苗培土のほか、その原料である天然土壌のほか砂、バーク堆肥、泥炭、ピートモス、バーミキュライト、パーライト、ベントナイト、ゼオライト、ロックウール、炭等を用いて単独またはこれらの混合物が挙げられ、これらに必要に応じて消毒や殺菌をするほか、pH調整や農薬・育苗用肥料等を添加して育苗培土として用いても良い。市販の育苗培土としては、例えば与作(チッソ旭肥料(株)製)等が挙げられる。肥料成分の含有は少ない方が好ましく、その目安としては育苗培土のEC(電気伝導度、培土:水=1:5)で0.1〜2mS/cmである。
本発明の方法に用いられる被覆粒状肥料は、物理的に溶出速度を調整した肥料であり、窒素成分を含有する被覆粒状肥料であり、窒素質肥料または窒素成分を含有する粒状肥料をポリオレフィン系樹脂、ワックスまたはポリウレタン等の樹脂や硫黄その他の被覆原料で被覆することによって得られる。窒素質肥料または窒素成分を含有する粒状肥料としては、尿素、ホルムアルデヒド縮合尿素、イソブチルアルデヒド縮合尿素などのアルデヒド縮合尿素類、硫酸グアニル尿素類、石灰窒素、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウムなどのアンモニウム化合物、硝酸カリウムなどのカリウム塩、硝酸カルシウムなどのカルシウム塩、硝酸マグネシウムなどのマグネシウム塩、硝酸第一鉄、硝酸第二鉄等の鉄塩、およびこられの複塩、ないしはこれらを二つ以上複合したものを例示できる。または、これら窒素成分含有被覆肥料との配合肥料等でもよい。具体的には、市販のLPコート、エコロング、苗箱まかせ、育苗まかせ(以上、チッソ旭肥料(株)製)、エムコート(三菱化学アグリ(株)製)、セラコート(セントラル合同肥料(株)製)、SRコート(住友化学(株)製)等が例示できる。
被覆粒状肥料の芯材となる粒状肥料の粒径は、特に限定されるものではないが、1.0〜10.0mmであることが好ましい。これらは篩いを用いることにより、前記範囲内で任意の粒径範囲を選択することができる。
なお、本発明では上記被覆粒状肥料として、水200mLに該被覆粒状肥料10gの割合で25℃一定に静置した条件下における3日目の累積窒素成分溶出率が10質量%以下であるものを用いることが好ましい。上記「静置後3日目の累積窒素成分溶出率」は、被膜の欠陥の有無に関する一つの指標である。本発明で用いる被覆粒状肥料の上記所定の溶出率が10質量%を超える(すなわち、施用初期に比較的多くの肥料が溶出してしまう)場合、発芽・生育障害を回避するためには、播種と同時に施用する施肥量を大幅に減らさなければならなくなるが、これでは育苗用の肥料は供給できるものの移植後に必要な肥料成分の供給はできないこととなり、本発明の効果が発揮できるような態様で播種時に施肥することが困難となる。
被覆粒状肥料の累積窒素成分溶出率(以下単に「溶出率」ということもある)は以下の方法にて求めることが可能である。被覆粒状肥料10gを水200mL中に浸漬して所定の温度に静置し、所定期間経過後被覆粒状肥料と水とに分け、水中に溶出した窒素成分の溶出累計量を定量分析により求める。さらに、上記粒状被覆肥料10g中の全窒素量を定量し、該全窒素量に対する上記溶出累計量の割合を百分率で示したものを累積窒素成分溶出率とする。
このような測定方法として、より具体的には、特開2005−319417号公報等の方法が例示でき、「静置後3日目の累積窒素成分溶出率」の測定は、これに準じて行えばよい。すなわち、被覆肥料10gと予め25℃に調整をしておいた蒸留水200mLとを250mLのポリ容器に投入し、25℃設定のインキュベーターに静置する。3日後該容
器から水を全て抜き取り、抜き取った水に含まれる溶出累計窒素成分量(窒素成分累計溶出量)を定量分析(例えば、肥料分析法(例えば、農林水産省農業環境技術研究所著,「肥料分析法(1992年版)」,(財)日本肥糧検定協会発行,1992年12月,p.15−22や山添文雄ら著,「詳解肥料分析法 改訂第1版」,養賢堂発行,1973年
1月,p.35−62等))により求める。「静置後3日目の累積窒素成分溶出率」は、被覆肥料10g中の全窒素量に対する上記溶出累計窒素成分量の割合を百分率で示したものである。
本発明では、被覆粒状肥料入り培土として、播種から移植に至るまでの育苗期間中の窒素成分の溶出量が育苗培土100mLあたり30mg以下1mg以上になるように調整された、被覆粒状肥料と育苗培土との混合物を用いることが好ましい。上記窒素成分の溶出量が30mgを超えると、生育障害や徒長によって植物体が弱くなるほか病気になりやすくなり、一方、1mg未満であると生育が悪く肥料不足になり、雑草との養分競合に負けるため好ましくない。
被覆粒状肥料入り培土における窒素成分の溶出率は、窒素成分の溶出特性(所定の条件下における経時的な積算溶出量の動態)や、播種・育苗のなされる温度条件等を考慮して、所望の範囲に調整することができる。また、被覆粒状肥料と育苗培土との混合割合は、移植後に地被植物にとって必要となる窒素成分の量なども考慮しながら、適切に調整すればよい。
本発明で用いる被覆粒状肥料は、施肥後の一定期間内は肥料成分(窒素成分等)の溶出が抑制されるものであるが、この抑制期間を「初期溶出抑制期間」(以下、d1という)といい、具体的には、被覆粒状肥料を所定の温度(育苗温度、25℃等)の水中に浸漬した場合の肥料成分の溶出率が3質量%に達する迄の日数で定義する。また、肥料成分の溶出が開始してから持続する期間を「溶出期間」(以下、d2という)といい、具体的には、被覆粒状肥料を所定の温度(育苗温度、25℃等)の水中に浸漬した場合の肥料成分の溶出率が3質量%を超えてから80質量%に達する迄の日数で定義する。
本発明で用いる被覆粒状肥料の育苗温度におけるd1が育苗期間以上の長さであると、健苗が育成できるために好ましい。このd1が育苗期間未満であっても育苗期間中の溶出量や施肥量によっては育苗が可能な場合もあるが、発芽・生育障害や徒長による苗の商品価値低下を考慮すると好ましくない。
また、本発明で用いる被覆粒状肥料の25℃におけるd1およびd2について、d1/d2(d1のd2に対する比率)は0.2以上が好ましく、0.2〜2がより好ましく、0.25〜1.5が更に好ましい。なお、d1/d2が0.2以上である溶出パターンを有する被覆粒状肥料を「時限溶出型」の被覆粒状肥料ともいう。
さらに、25℃におけるd1およびd2について、d1+d2(施肥後、溶出率が80%に達するまでの期間)は60〜360(日)であることが好ましい。
d1とd2が上述のような関係にあると、被覆粒状肥料は特に播種時施肥に適し、育苗時の濃度障害や徒長を生じることがないため、畦畔や法面等の緑化に効果的である。
本発明の畦畔の緑化方法について、より具体的な態様を以下に記載するが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。
はじめに、地被植物種子と育苗培土、被覆粒状肥料、セルトレーを準備する。育苗培土に肥料が入っていても良く、無肥料の場合はチッソ成分で0.2g/Lを目安に育苗用肥料として添加する。まず、本発明で用いる被覆粒状肥料と育苗培土を均一に混合して被覆肥料入り培土を作製する。混合時に被覆粒状肥料の被膜に傷が入らないように留意する。
該被覆肥料入り培土を用いてセルトレーに均一に充填する。充填量が均一でないと、セルごとの施肥量が異なるため、生育のばらつきの原因となる。続いて地被植物の種子を播種し、種子が露出しないようにした後、潅水を行う。セルの容量や培土の理化学性にもよるが、潅水は多めにする他は慣行の育苗管理に準じて育苗を行う。育成した苗は、被覆粒状肥料入り培土が地被植物の根に包まれた状態のまま、あらかじめ除草等によって整地された畦畔や法面等に移植を行い、その他の栽培管理は慣行に準じて行えばよい。
以下実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。尚、以下の実施例における「%」は特に断りがない限り「質量%」である。
<苗の育成>
200穴トレー(容量2700mL)を用いて苗床を作成した。まず、市販の育苗培土(N60mg/L)と被覆粒状肥料(商品名「育苗まかせ2411−S140」、チッソ旭肥料(株)製)を表に示す割合で混合して被覆肥料入り床土を作成した。該被覆肥料入り床土を200穴トレーに充填後、地被植物として、センチピードグラスの一品種である「ティフ・ブレア」(商品名、タキイ種苗(株)製)の種子をセル当たり3〜4粒播種した(3月1日)。育苗はビニールハウス内で行った。そのほかの育苗管理は、培土の表面が乾燥しないよう適宜潅水するほか、慣行法に準じて行いセル当たり2〜3本立の地被植物の苗を育成した。
Figure 2009100691
<被覆粒状肥料の溶出測定>
供試被覆粒状肥料(商品名「育苗まかせ2411−S140」、チッソ旭肥料(株)製)を用いて、下記に示す恒温(15℃および25℃の2通り)の水中溶出評価法を行った。被覆粒状肥料10gを、純水200mlと共にポリエチレン製ボトルに仕込み、密栓した。該ボトルを所定温度設定のインキュベーターに保存し、所定日数毎に溶出水を抜き取って評価液を得た。溶出率は、該評価液に含まれるアンモニア態窒素と硝酸態窒素の合量を、予め測定しておいた被覆粒状肥料に含まれるアンモニア態窒素と硝酸態窒素の合量で割り返して、期間毎の溶出率を算出した。尚、インキュベーター温度は15℃ないし25℃の一定温度に維持した。
上記25℃での水中溶出評価において、初期の溶出抑制が終了し、溶出率が3%に到達する期間(日)を被覆粒状肥料の初期溶出抑制期間(d1)とし、溶出率が80%に達する期間(日)を被覆粒状肥料の溶出タイプ(d1+d2)とした。その結果、供試した被
覆粒状肥料の初期溶出抑制期間(d1)は35日、溶出タイプ(d1+d2)は140日であり、また、静置後3日目の累積窒素成分溶出率は0.3%であった。一方、育苗期間中の平均ハウス内温度は15℃であったため、移植前の窒素成分の溶出率(15℃での水中溶出評価法における試験開始後57日目までの溶出率)は2.7%であり、3%以下となった。結果を表2に示す。育苗期間中の育苗培土100mL当たりの窒素成分の溶出量は培土5を除いて30mg以下であった。
<栽培試験>
播種から57日経過した4月27日に栃木県宇都宮市のミニチュア畦畔に11,000苗/10aとなるように定植し、以降は慣行法に準じて肥培管理を行い、二ヶ月間地被植物を栽培した。栽培中は、随時観察を行い、生育状態等を観察した。結果を表2に示す。
Figure 2009100691
表2からも明らかなとおり、実施例1〜4は生育が良好でランナーの伸長が比較例と比べて優れていた。一方で比較例1は明らかに肥料不足であり、雑草の生育に支配された。
比較例2は生育が良すぎて徒長し、病害が発生したため結果的に地被植物としての目的を果たせなかった。
<設計例>
本発明の実施形態と従来の実施形態を図1〜3に示す。
図1、2からもあきらかの通り、本発明はセル成形苗に明細書記載の被覆粒状肥料を抱かせることにより、生長を早くすることができ、雑草の栄養分になりにくいほか、傾斜地で肥料がすべり落ちたり、降雨等による流亡を防止できることは明らかである。また、定植時の施肥の省力化と過剰な施肥が抑えられるため畦畔や法面等の緑化に最も適した実施形態である。
一方、所定の被覆粒状肥料を含まない通常の育苗培土を用いてセル育苗した苗を移植後、施肥した図3では、肥料がすべり落ちやすいほか、苗から離れたところで肥料成分が溶け出すため、無駄な施肥となり、雑草の生育を誘発していることがわかる。
本発明の方法で施肥されたセル成形苗の断面図を示す。 図1のセル成形苗の畦畔へ移植した断面図を示す。 本発明でない方法で育成されたセル成形苗を畦畔へ移植し、別途肥料を表面施肥した様子の断面図を示す。
符号の説明
1.本発明の被覆粒状肥料
2.地被植物
3.育苗培土
4.セルトレー
5.根
6.肥料

Claims (2)

  1. 被覆粒状肥料入り培土を充填したセルトレーで播種・育苗した地被植物の苗を畦畔に移植する緑化方法であって、上記被覆粒状肥料入り培土として、播種から移植に至るまでの育苗期間中の被覆粒状肥料からの窒素成分の溶出量が育苗培土100mLあたり30mg以下1mg以上になるよう調整された、被覆粒状肥料と育苗培土との混合物を用いることを特徴とする畦畔の緑化方法。
  2. 前記被覆粒状肥料からの窒素成分の溶出率が3質量%以下である期間が育苗期間以上の長さであって、かつ、
    前記被覆粒状肥料を25℃の水中に浸漬した場合の前記被覆粒状肥料からの窒素成分の溶出率が3質量%に達する迄の期間(初期溶出抑制期間:d1)と、3質量%より大きく80質量%以下である期間(溶出期間:d2)の比率d1/d2が0.2以上であることを特徴とする、請求項1に記載の畦畔の緑化方法。
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