JP2004187578A - 温室天窓用害虫侵入防止装置及び温室 - Google Patents
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Abstract
【課題】天窓開口部からの害虫の侵入を防止でき、天窓を閉じる際の防虫網のはみ出しや引っ掛かりを防止し、かつ、温室の強度に悪影響を及ぼさず、中間開度における通気性を損なわない様にする。
【解決手段】屋根3 の頂上側に取り付けた収納ケース41の開口43の部分にはまり込む様に巻き取りロール45を回転可能にセットする。収納ケース41の開口43の下縁には樋47を、上縁にはコーナーR部材49を取り付ける。巻き取りロール45には、防虫網51を、収納ケース41側からロール45と開口43の上縁との間を通って引き出せる様に巻き付ける。防虫網51の上端は、天窓下枠23に固定する。天窓開閉シャフト35の回転を、駆動側スプロケット53、従動側スプロケット55及びチェーン57を介して巻き取りロール45に伝達する。天窓3 が開閉するとき、この開閉量に見合って、防虫網51が広げられたり巻き取られたりする。
【選択図】 図2
【解決手段】屋根3 の頂上側に取り付けた収納ケース41の開口43の部分にはまり込む様に巻き取りロール45を回転可能にセットする。収納ケース41の開口43の下縁には樋47を、上縁にはコーナーR部材49を取り付ける。巻き取りロール45には、防虫網51を、収納ケース41側からロール45と開口43の上縁との間を通って引き出せる様に巻き付ける。防虫網51の上端は、天窓下枠23に固定する。天窓開閉シャフト35の回転を、駆動側スプロケット53、従動側スプロケット55及びチェーン57を介して巻き取りロール45に伝達する。天窓3 が開閉するとき、この開閉量に見合って、防虫網51が広げられたり巻き取られたりする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、温室やハウスの天窓から害虫が進入するのを防止する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、害虫の進入を防止するために、図10に示す様に、天窓201の下方に防虫網202を張ったサッシュ枠203を設置した温室200が知られている。
【0003】
しかし、この温室200では、防虫網202を張ったサッシュ枠203自体が高価な上に、その設置に手間がかかるため、イニシャルコストが高くなるという問題がある。また、図示の様に、防虫網202が受け皿状に設置されているので、昆虫の死骸や木の葉が防虫網202の上に堆積して透光性や通風性を低下させるという問題もある。このため、防虫網202の清掃作業が必要になり、ランニングコストも嵩むという問題もある。
【0004】
一方、図11に示す様に、防虫網211の上端を天窓212の開閉端に固定すると共に、該防虫網211の下端を屋根213の窓開口側端部に固定して、天窓212を開いたときに害虫が侵入しない様にした温室210も知られている。
【0005】
しかし、この温室210では、
▲1▼ 天窓212の開閉時に防虫網211が屋根213の縁に引っかかって破れたり、天窓212の開閉を阻害するおそれがあるという問題や、
▲2▼ 天窓212を閉じたときに防虫網211が外へはみ出した状態になってしまい、天窓212と屋根213との間に隙間が出来ると共に防虫網を構成する繊維の毛細管現象や膨潤現象も影響して温室内に雨水が侵入するという問題がある。
【0006】
さらに、図12に示す様に、天窓221の先端下面に取り付けた防虫網取り付けフレーム222と、屋根223の窓開口部内面に取り付けた防虫網取り付けフレーム224との間に防虫網225を取り付け、この防虫網225の中間部を、天窓221の開閉に伴って上下動する支持部材226に取り付けた中間保持フレーム227に固定することによって、天窓221を閉じる際に防虫網225が温室内に折り畳まれる様にすることで、はみ出し防止等を行った温室220が提案されている(特許文献1)。
【0007】
しかし、この温室220では、中間保持フレーム227が温室220の奥行き方向に伸びているため、屋根フレーム228を部分的に切り欠く必要がある(特許文献1の段落番号0009)。このため、温室220では、屋根フレーム228の加工工数が増加するという問題がある。また、屋根フレーム228に切欠を形成することから、強度低下を来すという問題がある。さらに、天窓221を中間開度としたときも、開口部分に存在する防虫網225の面積は、全開時と同じであるため、空気に対する粘性抵抗が大きく、中間開度での通気性がよくないという問題がある。
【0008】
【特許文献1】
実用新案登録第3081599号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、温室の天窓を開いたときに外部から害虫が侵入するのを防止することができ、天窓を閉じる際の防虫網のはみ出しや引っ掛かりを防止し、かつ、温室の強度に悪影響を及ぼすことがない装置及び温室の提供を第1の目的とする。
【0010】
また、本発明は、さらに、中間開度における通気性を損なわない様にすることを第2の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた本発明の温室天窓用害虫侵入防止装置は、屋根の天窓開口部に回転可能に取り付けられる巻き取りロールと、該巻き取りロールに巻き付けられると共に、上端を前記天窓の下端部に固定された防虫網と、前記天窓を閉じる際に前記巻き取りロールを防虫網巻き取り方向に回転させることにより、前記天窓を開く際に広げられた防虫網を該巻き取りロールに巻き戻す防虫網巻き戻し手段とを備えている。
【0012】
本発明の温室天窓用害虫侵入防止装置によれば、天窓を閉じる際に、防虫網巻き戻し手段が巻き取りロールを防虫網巻き取り方向に回転させることによって、天窓を開く際に広げられた防虫網は、巻き取りロールに巻き取られる。この結果、天窓を閉じるときに防虫網が外へはみ出して雨漏りの原因となったり、防虫網が引っかかって破れたりするといった問題を解消することができる。また、天窓開口部に巻き取りロールを備える構成を採用したことにより、特許文献1の様に合掌梁に切欠を設ける必要がなく、温室の強度に悪影響を及ぼさない。
【0013】
ここで、温室の天窓は、温室内の温度調節のために開閉するものである。従って、温室内の温度上昇の度合いによって開度を調節できることが望ましい。本発明の温室天窓用害虫侵入防止装置によれば、天窓を最大開度にしたことによって温室内の温度上昇が緩和され、天窓を最大開度から中間開度に下げるとき、天窓が下がった分だけ防虫網が巻き取られるので、開口部分に見合った量の防虫網だけが広げられている状態となる。この結果、本発明によれば、中間開度において、防虫網が折り重なった状態にならないので、通気性能を損なうことがない。
【0014】
ここで、天窓を開く際に防虫網を広げる作用は、特別な駆動機構を設けなくても実現することができる。例えば、天窓の上昇に伴って防虫網が引っ張られるから、その結果として巻き取りロールが防虫網を送り出す方向に回転する様に構成しておけば足りる。しかし、この様に防虫網が天窓に引っ張られて引き出される様に構成した場合は、防虫網にテンションが加わる。防虫網の傷み防止という観点からは、できるだけ強いテンションが加わらない様にした方がよい。
【0015】
そこで、本発明の温室天窓用害虫侵入防止装置において、前記防虫網巻き戻し手段として、天窓の開閉動作に同期させて前記巻き取りロールを回転させる巻き取りロール駆動手段を備えるとよい。
【0016】
この様に構成した温室天窓用害虫侵入防止装置によれば、天窓の開閉動作と同期して、天窓を開くときは巻き取りロールを防虫網送り出し方向に回転させ、逆に、天窓を閉じるときには巻き取りロールを防虫網巻き取り方向に回転させる。この結果、防虫網を広げる際に強いテンションが防虫網に作用するのを防止することができると共に、天窓を閉じるときには確実に防虫網を巻き取ることができる。
【0017】
ここで、かかる構成を実現するには、例えば、巻き取りロール駆動用モータを備えておき、この巻き取りロール駆動用モータを、天窓開閉モータの回転方向及び回転速度に応じて回転駆動する様に構成することができる。また、この際、防虫網に作用するテンション等を検出して、一定以上のテンションが加わらない様に巻き取りロール駆動用モータの回転速度を制御すると一層好適である。しかしながら、かかる構成とすると、モータ、センサ、制御回路といった具合に部品点数が増加し、コストダウン効果が小さくなる。
【0018】
そこで、前記巻き取りロール駆動手段として、天窓開閉シャフトの回転を前記巻き取りロールに伝達する動力伝達手段を備えるとよい。
【0019】
この様に構成した温室天窓用害虫侵入防止装置によれば、天窓の開閉動作と同期して、巻き取りロールが回転する。この結果、天窓を開く際には、無理な力を加えずに防虫網を広げることができる。また、天窓を閉じる際には、防虫網を外へたわませたりすることなくスムーズに巻き取ることができる。
【0020】
より具体的には、前記動力伝達手段として、前記天窓開閉シャフトに取り付けられる駆動側スプロケットと、前記巻き取りロールに取り付けられる従動側スプロケットと、前記両スプロケット間に掛け渡されるチェーンとを備えた構成とするとよい。
【0021】
この様に構成することにより、天窓開閉シャフトの回転速度及び回転方向を巻き取りロールに精度良く伝達することができる。なお、この構成を採用する場合、前記両スプロケットのギヤ比を、前記天窓開閉シャフトの回転によって上下動される天窓開閉アームのストローク速度と、前記天窓の下端部の昇降速度との比に応じて設定しておけば、防虫網の送り出し及び巻き取りを無理なく実行することができ、しかも、複雑なブレーキ機構やクラッチ機構などを要しない。
【0022】
また、本発明の温室天窓用害虫侵入防止装置において、前記防虫網巻き戻し手段として、前記巻き取りロールに対して、該巻き取りロールを防虫網巻き取り方向に回転させる付勢力を加え得る付勢手段を備えたものとして構成することもできる。より具体的には、前記付勢手段として、巻き取りスプリングを取り付けておけばよい。
【0023】
この方式の温室天窓用害虫侵入防止装置によれば、天窓を開く際には、天窓の上昇に伴って防虫網が引っ張られ、巻き取りロールが防虫網引き出し方向に回転する。こうして防虫網引き出し方向に巻き取りロールが回転すると、巻き取りスプリングが巻き取りロールに対して防虫網巻き戻し方向の付勢力を蓄えた状態となる。天窓を閉じる際には、天窓の下降に伴って防虫網に作用する引き上げ方向の力が低下する。従って、この分だけ巻き取りスプリングに蓄えられたエネルギが開放され、巻き取りロールを防虫網巻き戻し方向に回転させる。この結果、防虫網は、天窓の閉じる動作と同期して巻き取りロールに巻き戻される。なお、この方式では、天窓を開くことによって広げられた状態になっている防虫網には、巻き取りスプリングの付勢力によるテンションが作用することになる。しかし、巻き取りスプリングは、天窓が下がるときに巻き取りロールを回転させる能力さえあれば足りるので、そのバネ係数を余り大きくする必要がない。よって、防虫網に極端に強いテンションを作用させるおそれはない。逆に、この方式によれば、防虫網にテンションが作用する結果として、天窓を開いたときに防虫網がピンと張った状態になるという利点がある。
【0024】
ここで、本発明の温室天窓用害虫侵入防止装置では、上述してきた様に、防虫網の下端が天窓開口縁に固定されている訳ではないので、天窓開口部と防虫網との間に隙間ができる。従って、この隙間からの害虫の侵入のおそれが残されている。
【0025】
そこで、本発明の温室天窓用害虫侵入防止装置において、前記屋根の天窓開口部側の下面に、該屋根の天窓開口部側端部と前記巻き取りロールとの間の隙間部分を覆う収納ケースを備え、前記防虫網を、前記巻き取りロールに対して、前記収納ケース側から引き出せる様に巻き付けておくとよい。例えば、前記屋根の頂上側に軸方向に伸びる割れ目を有する筒状部材を用いて、前記割れ目に巻き取りロールをセットし、前記収納ケース側から前記屋根の天窓開口部側端部と前記巻き取りロールとの間の前記隙間部分を通って引き出せる様に前記防虫網を巻き付けておくといった具体的構造を採用することができる。
【0026】
この様に構成することで、天窓開口部と防虫網との隙間から害虫が侵入しようとしても、この収納ケースでトラップされ、温室内には侵入することができない。よって、ロール巻き取り方式とすることによって初めて生じ得る不具合に対する対策もほぼ完璧となる。
【0027】
また、本発明の温室天窓用害虫侵入防止装置において、前記巻き取りロールの下半分を覆う樋を備えさせておくとよい。
【0028】
この様に構成することで、防虫網を伝わって垂れ落ちる結露水を樋で受けることができ、温室内の作物に結露水が当たることによる農産物の品質低下を防止することができる。また、温室の奥行き方向に長く連続する天窓の場合、巻き取りロールが長くなる。従って、巻き取りロールの中央部分は撓んで下方に垂れた状態となる。この結果、巻き取りロールに巻き取られた防虫網は、樋の内面に接触する。従って、収納ケースを備える場合においても、収納ケースと巻き取りロールとの間の隙間をなくすことは困難であるが、この樋を設けた場合、上述の様な巻き取りロールの撓みにより、収納ケースの温室内部に対する密閉性を高めることができる。
【0029】
また、本発明の温室天窓用害虫侵入防止装置において、前記屋根の天窓開口部側の所定位置に、前記巻き取りロールから引き出された防虫網と接触するコーナーR部材を取り付けておくとよい。ここで、防虫網をステンレス鋼製とし、コーナーR部材には、アルミ型材などのステンレス鋼よりも軟らかい材質のものを用いるとよい。この様にコーナーR部材を設けることにより、防虫網が屋根端部等の角に接触して損傷を受けるのを防止することができる。また、防虫網と接触するコーナーR部材を設けることにより、防虫網と屋根端部との間に隙間が生じるのを防止することもできる。特に、巻き取りスプリング等の付勢手段によって巻き取りロールを防虫網巻き取り方向に付勢する構成を採用した場合には、防虫網にテンションが作用して防虫網をコーナーR部材に押し付ける作用が発揮され、隙間ができるのを有効に防止し得る。さらに、防虫網がこのコーナーR部材に擦られることにより、天窓開閉時に自動的に清掃されるという作用も発揮される。これにより、メンテナンスの手間を少なくすることができる。そして、自動的に防虫網が清掃される結果、天窓本来の目的である良好な通気性を確保することができる。
【0030】
本発明の温室は、上述した様な温室天窓用害虫侵入防止装置を備えたことにより、害虫の侵入を防止することができるので、その結果として農薬の散布回数や散布量を低減することができる。
【0031】
なお、本発明の温室において、前記天窓を全閉と全開の中間の開度に保持する中間開度保持手段を備えたものとすることができる。本発明の温室天窓用害虫侵入防止装置によれば、中間開度における通気性悪化を防止できるので、温室内の温度コントロールをより精密に実施することができるという利点がある。
【0032】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の第1の実施の形態について、図1〜図5を参照しつつ説明する。実施の形態の温室1は、図1に示す様に、屋根3の頂部に、奥行き方向に連続する長い天窓5を備えた、いわゆる「総天」と呼ばれるタイプの温室である。屋根3は、図2に示す様に、鋼製の合掌梁7と、この合掌梁7の上面に取り付けられる鋼製の母屋9と、この母屋9の上面に取り付けられるアルミ型材製の垂木11と、垂木11の上に取り付けられる透明なガラス板13とから構成されている。垂木11は、図示の様に、天窓開口部15まで伸びている。天窓開口部15は、天窓5を閉じることによって塞がれる。
【0033】
天窓5は、図2に示す様に、アルミ型材製の窓垂木21と、窓垂木21の下端に固定されるアルミ型材製の天窓下枠23と、窓垂木21の上端に固定されるアルミ型材製の天窓上枠25と、窓垂木21の上に取り付けられる透明なガラス板27とから構成されている。天窓上枠25は、合掌梁7の頂上部に取り付けられるアルミ型材製の棟木29に回動自在に取り付けられている。天窓下枠23は、窓垂木21の下面所定位置まで伸びる構造となっている。そして、この天窓下枠23には、天窓開閉アーム31が回動可能に取り付けられている。この天窓開閉アーム31には、ラック歯33が形成されている。このラック歯33は、天窓開閉シャフト35に取り付けられたピニオン37と係合されている。この天窓開閉シャフト35は、合掌梁7の下面に取り付けたメタル軸受け(図示略)によって水平に支持されている。メタル軸受けは、合掌梁7毎に設けられている。この天窓開閉シャフト35は、天窓開閉モータ39によって正転・逆転される。
【0034】
垂木11の先端部を支持する母屋部材41は、他の位置の母屋9よりも大きく、屋根の頂上側に開口43を有するものが用いられている。この母屋部材41の開口43の部分にはまり込む様に、巻き取りロール45が水平にセットされ、その両端を回転可能に支持されている。また、母屋部材41の開口43の下縁には、巻き取りロール45の下半分を覆うアルミ型材製の樋47が取り付けられている。さらに、母屋部材41の開口43の上縁には、アルミ型材製で、角を丸くしたコーナーR部材49が取り付けられている。この母屋部材41により、屋根3の天窓開口部15側端部と巻き取りロール45との間の隙間部分を覆う収納ケースが構成されている。以下、母屋部材41のことを収納ケース41と呼ぶ。
【0035】
巻き取りロール45には、ステンレス鋼製の防虫網51が巻き付けられている。ここで、防虫網51は、巻き取りロール45に対して、収納ケース41側から、巻き取りロール45と開口43の上縁との間を通って引き出せる様に巻き付けられている。この防虫網51の上端は、天窓下枠23に固定されている。また、天窓開閉シャフト35の端部には、駆動側スプロケット53が固定されている。一方、巻き取りロール45の端部には、従動側スプロケット55が固定されている。そして、駆動側スプロケット53と従動側スプロケット55には、動力伝達用のチェーン57が掛け渡されている。なお、本実施の形態においては、駆動側スプロケット53と従動側スプロケット55のギヤ比は、天窓開閉シャフト35が1回転すると巻き取りロール45が1/2回転する様に設定されている。このギヤ比は、天窓開閉アーム31のストローク速度と、天窓5の下端の昇降速度との関係に基づいて定められる。
【0036】
実施の形態の温室1によれば、天窓5を閉じた状態のとき、防虫網51は、巻き取りロール45にほぼ完全に巻き取られた状態になっている。そして、天窓5を開く際には、天窓開閉シャフト35の回転が、駆動側スプロケット53、従動側スプロケット55及びチェーン57によって、巻き取りロール45に伝達され、巻き取りロール45を、防虫網送り出し方向に回転させる。この結果、天窓5の上昇に同期して、防虫網51が送り出される。この送り出し動作の際、防虫網51は、コーナーR部材49に接触した状態で巻き取りロール45から送り出される。
【0037】
天窓5を閉じる際にも、天窓開閉シャフト35の回転が、駆動側スプロケット53、従動側スプロケット55及びチェーン57によって、巻き取りロール45に伝達され、巻き取りロール45を、防虫網巻き戻し方向に回転させる。この結果、天窓5の下降に同期して、防虫網51が巻き取りロール45に巻き取られていく。この巻き戻し動作の際にも、防虫網51は、コーナーR部材49に接触した状態で巻き取りロール45に巻き取られていく。
【0038】
以上の様に構成された結果、本実施の形態の温室1によれば、天窓5を閉じるときに防虫網51が外へはみ出して雨漏りの原因となったり、防虫網51が天窓開口部15の縁に引っかかって破れたりするといった問題が生じない。また、天窓開口部15に巻き取りロール45を備える構成を採用したことにより、合掌梁3に切欠を設ける必要がなく、温室の強度に悪影響を及ぼさない。
【0039】
また、本実施の形態の温室1においては、天窓5は、温室内の温度上昇の度合いによって開度を調節できる様に構成してある。即ち、天窓開閉アーム31のラック歯33と、天窓開閉シャフト35に取り付けられたピニオン37とを係合させた構造となっているので、天窓開閉モータ39の駆動時間によって開度を自在に調整することができる。温室内の温度上昇がそれほど大きくないときは、天窓5を少しだけ開いた状態の中間開度とすることができる。本実施の形態の温室1では、巻き取りロール45から送り出される防虫網51の量は、天窓開閉シャフト35の回転量と対応している。この結果、天窓5を中間開度に開いた状態のとき、防虫網51は折り畳まれた状態ではなく、真っ直ぐに伸びた状態で広げられる。よって、本実施の形態の温室1によれば、中間開度においても、良好な通気性能が得られる。そして、本実施の形態の温室1によれば、中間開度に制御可能とすると共に、中間開度でも通気性悪化が生じないので、温室1の内部の温度コントロールを精密に実施することができるという利点がある。
【0040】
ここで、本実施の形態の温室1においては、図3に示す様な制御系統を採用することによって、開度制御動作を自動的に実行し得る様に構成することができる。この制御回路61には、温室1内の適切な位置に設置した温度センサ63からの検出信号が入力される様に構成されている。また、この制御回路61は、天窓開閉モータ39に対して制御信号を出力する様に構成されている。さらに、制御条件を設定したり、マニュアル運転指令を入力したりするための入力装置65も備えている。
【0041】
そして、この制御回路61は、図4に示す様に、温度センサ63の検出信号を入力して温室内の実際の温度(実温度T)を演算し(S10)、この実温度Tを、農家が設定した制御目標温度T0と比較し、実温度Tが制御目標温度T0より所定温度△T1以上高いか否かを判定する(S20)。そして、T≧T0+△T1と判定されたときは(S20:YES)、天窓5が全開状態になっているか否かを判定する(S30)。全開状態か否かは、天窓開閉モータ39の駆動履歴を参照したり、あるいは、全開時にONとなる全開検出スイッチ等から判定することができる。全開状態ではないと判定されたときは(S30:NO)、天窓開閉モータ39を天窓5を開く方向に所定時間t1だけ駆動する(S40)。そして、通風による温度低減効果が現れ得るのに要する温度低減効果出現時間t3が経過するのを待ってから(S50)、S10へ戻る。ここで、所定時間t1は、天窓5を全閉から全開までの間で多段階に開度調整する上での単位開度変化を実現するためのモータ駆動時間である。
【0042】
こうして、天窓5を少し開いてから温度低減効果出現時間t2が経過してもなお、温室1内の温度が十分に低下せず、未だT≧T0+△T1であるときは(S20:YES)、全開状態となるまでは、再び所定時間t1だけ天窓開閉モータ39を天窓5を開く方向に駆動する(S40)。
【0043】
一方、S20の判定が、T<T0+△T1のときは(S20:NO)、さらに、実温度Tが、制御目標温度T0より所定温度△T2以上低いか否かを判定する(S60)。そして、T≦T0−△T2と判定されたときは(S60:YES)、天窓5が全閉状態になっているか否かを判定する(S70)。全閉状態か否かについても、天窓開閉モータ39の駆動履歴を参照したり、あるいは、全閉時にONとなる全閉検出スイッチ等から判定することができる。全閉状態ではないと判定されたときは(S70:NO)、天窓開閉モータ39を天窓5を閉じる方向に所定時間t2だけ駆動する(S80)。そして、通風量を制限したことによる保温効果が現れ得るのに要する保温効果出現時間t4が経過するのを待ってから(S90)、S10へ戻る。ここで、所定時間t2は、天窓5を全開から全閉までの間で多段階に開度調整する上での単位開度変化を実現するためのモータ駆動時間である。なお、t1=t2、t3=t4、T1=△T2としておいても構わない。
【0044】
こうして、天窓5を少し閉じてから保温効果出現時間t4が経過してもなお、温室1内の温度が十分に上昇せず、未だT≦T0−△T2であるときは(S60:YES)、全閉となるまでは、さらに所定時間t2だけ天窓開閉モータ39を天窓5を閉じる方向に駆動する(S80)。
【0045】
この様に、本発明の温室1では、全閉と全開だけでなく、中間開度にも調整しつつ天窓5の開閉動作を実行し、温室1の内部温度Tを目標温度T0に対して、T0−△T2≦T≦T+△T1の範囲内に収める様に制御することが可能となっている。そして、この中間開度において、防虫網51が折り畳まれてしまわないので、中間開度での通気性を損なうことがない。この結果、中間開度の設定に当たって、不確定要素が少なくなり、その分だけ精度のよい温度制御を実現することができる。
【0046】
なお、本実施の形態の温室1においては、天窓5の妻側(正面及び奥)の開口部には、図5に示す様に、ステンレス製の扇形枠37にステンレス製の扇形防虫網片69を張ったものを固定しておく。これ以外にも、例えば、ステンレス鋼製の扇形防虫網片を天窓5の妻側端部と、合掌梁7との間に張っておき、中間開度では温室1の内部に向かって折り畳まれた状態となる様に、スプリングで引っ張っておく方法とすることもできる。この様に構成した場合、中間開度では妻側の防虫網片は折り畳んだ状態になるけれども、妻側の開口部面積は小さく、天窓開口部の全体から見たらごく僅かであるから、中間開度における温度コントロールに悪影響を及ぼすことはない。
【0047】
また、本実施の形態の温室1によれば、天窓開閉シャフト35の回転と同期して、巻き取りロール45を回転させるので、天窓5を開く際に強いテンションが防虫網51に作用することがない。よって、本実施の形態によれば、防虫網51を長持ちさせることができる。加えて、本実施の形態によれば、防虫網51の巻き取りについてもスムーズに実行することができる。
【0048】
さらに、本実施の形態の温室1によれば、巻き取りロール45を天窓開閉シャフト35の回転力で回転させる構成としたので、部品点数を少なくすることができ、イニシャルコストの抑制効果が高いという効果が発揮される。
【0049】
また、本実施の形態によれば、スプロケット53,55及びチェーン57による動力伝達機構を採用したので、天窓開閉シャフト35の回転速度及び回転方向を巻き取りロール45に精度良く伝達することができる。しかも、両スプロケット53,55のギヤ比を、天窓開閉シャフト35の回転によって上下動される天窓開閉アーム31のストローク速度と、天窓5の下端部の昇降速度との比に応じて設定したので、防虫網51の送り出し及び巻き取りを無理なく実行することができ、しかも、複雑なブレーキ機構やクラッチ機構などを要しない。
【0050】
また、本実施の形態の温室1では、屋根3の天窓開口部15側の下面に、巻き取りロール45の軒先側を覆う収納ケース41を備えたので、天窓開口部15と防虫網51との間に隙間ができて、仮にそこから害虫が温室1の内部に侵入しようとしても、この収納ケース41の部分でトラップされ、温室1の内部には侵入することができない。
【0051】
また、本実施の形態の温室1では、巻き取りロール45の下半分を覆う樋47を備えたので、防虫網51を伝わって垂れ落ちる結露水を樋47で捕捉することができ、温室1内の作物に結露水が当たることによる農産物の品質低下を防止することができる。なお、本実施の形態の温室1では、奥行き方向に長く伸びた巻き取りロール45の中央部分は撓んで下方に垂れた状態となる。この結果、巻き取りロール45に巻き取られた防虫網51は、樋47の内面に接触し、収納ケース内に侵入した害虫が樋47の隙間を通って温室内に侵入することも有効に防止されている。
【0052】
また、本実施の形態の温室1では、屋根3の天窓開口部15側の端部下縁に、巻き取りロール45から引き出された防虫網51と接触するコーナーR部材49を取り付けたので、防虫網51が屋根3の端部の角に接触して損傷を受けるのを防止することができる。しかも、コーナーR部材49の材質を、防虫網51を構成するステンレス鋼よりも軟らかいアルミ型材としたので、防虫網51が摩擦によって損傷するという問題もない。加えて、防虫網51と屋根3の端部との間に隙間が生じるのを防止することもできる。さらに、防虫網51がこのコーナーR部材49に擦られることにより、天窓開閉時に自動的に清掃されるという作用も発揮される。これにより、メンテナンスの手間を少なくすることができる。また、天窓開閉時の清掃効果により、天窓本来の目的である良好な通気性を確保することができる。この清掃効果は、巻き取りロール45の中央が下方に撓むことによって、樋47の内面に防虫網51が擦られるときにも同様に発揮される。そして、樋47もステンレス鋼よりも軟らかい材質であるアルミ型材としたので、摩擦による損傷のおそれはない。
【0053】
そして、本実施の形態の温室1は、防虫網51を備え、しかも、防虫網51を巻き取り方式としたことによって生じる可能性のある隙間から侵入した害虫をトラップする収納ケースをも備えたので、温室1の内部に害虫が侵入するのを有効に防止することができる。その結果として、本実施の形態の温室1によれば、農薬の散布回数や散布量を低減することができるという効果も発揮される。
【0054】
次に、第2の実施の形態について、図6〜図9を参照しつつ説明する。第2の実施の形態の温室71も、図6に示す様に、屋根73の頂部に、奥行き方向に連続する長い天窓75を備えた、いわゆる「総天」と呼ばれるタイプの温室である。屋根73は、図7に示す様に、鋼製の合掌梁77と、この合掌梁77の上面に取り付けられる鋼製の母屋79と、この母屋79の上面に取り付けられるアルミ型材製の垂木81と、垂木81の上に取り付けられる透明なガラス板83とから構成されている。垂木81は、図示の様に、天窓開口部85まで伸びている。天窓開口部85は、天窓75を閉じることによって塞がれる。
【0055】
天窓75は、図7に示す様に、アルミ型材製の窓垂木91と、窓垂木91の下端に固定されるアルミ型材製の天窓下枠93と、窓垂木91の上端に固定されるアルミ型材製の天窓上枠95と、窓垂木91の上に取り付けられる透明なガラス板97とから構成されている。天窓上枠95は、合掌梁77の頂上部に取り付けられるアルミ型材製の棟木99に回動自在に取り付けられている。天窓下枠93は、窓垂木91の下面所定位置まで伸びる構造となっている。そして、この天窓下枠93には、鋼製の天窓開閉アーム101が回動可能に取り付けられている。この天窓開閉アーム101には、ラック歯103が形成されている。このラック歯103は、天窓開閉シャフト105に取り付けられたピニオン107と係合されている。この天窓開閉シャフト105は、合掌梁77の下面に取り付けたメタル軸受け(図示略)によって水平に支持されている。このメタル軸受けは、合掌梁77毎に設けられている。この天窓開閉シャフト105は、天窓開閉モータ109によって正転・逆転される。
【0056】
垂木81の先端部を支持する母屋部材111は、他の位置の母屋79よりも大きく、屋根の頂上側に開口113を有するものが用いられている。この母屋部材111の内部に収まる様に、巻き取りロール115が水平にセットされている。また、母屋部材111の開口113の上縁には、アルミ型材製で、角を丸くしたコーナーR部材119が取り付けられている。この母屋部材111により、屋根73の天窓開口部85側端部と巻き取りロール115との間の隙間部分を覆う収納ケースが構成されている。以下、母屋部材111のことを収納ケース111と呼ぶ。
【0057】
また、巻き取りロール115は、図8に示す様に、鋼製角パイプによって構成される軸パイプ123と、鋼製丸パイプによって構成された巻き取りパイプ125とを備えている。軸パイプ123は両端を支持されている。なお、角パイプを使用しているので、この軸パイプ123は回転することのない固定軸である。巻き取りパイプ125には、防虫網121が巻き付けられている。そして、この防虫網121を巻き付けられた巻き取りパイプ125は、その外側を4つのゴム製の案内ローラ127で回転可能に支持されている。この案内ローラ127は、取り付けベース129に固定された巻き取りローラ固定フレーム131に回転自在に取り付けられている。そして、この取り付けベース129は、合掌梁77の上面に固定されている。この結果、巻き取りパイプ125は、屋根73の天窓開口部85側の端部直下の位置に、回転可能に支持されていることになる。そして、この巻き取りパイプの内部には、鋼製のコイルバネでできたテンションスプリング133がセットされている。このテンションスプリング133の一端は、軸パイプ123に固定され、他端は、巻き取りパイプ125に固定されている。このテンションスプリング133が、本発明における付勢手段としての巻き取りスプリングに相当する。なお、屋根73の端部には、防虫網121と接触するアルミ型材性のコーナーR部材117が取り付けられている。
【0058】
実施の形態の温室71によれば、天窓75を閉じた状態のとき、防虫網121は、巻き取りロール115にほぼ完全に巻き取られた状態になっている。そして、天窓75を開く際には、天窓75の上昇に伴って、その下端に固定された防虫網121が引っ張られる。このとき、巻き取りパイプ125が回転し、防虫網121は、巻き取りパイプ125から引き出されていく。そして、この巻き取りパイプ125の回転によって、テンションスプリング133がねじられることとなり、テンションスプリング133には、そのバネ性によって巻き取りパイプ125を防虫網巻き取り方向に回転させようとする付勢力が蓄えられていく。このテンションスプリング133に蓄えられた付勢力は、防虫網121に作用するテンションと釣り合った状態にある。従って、防虫網121は、たわむことなく、天窓75の上昇によって形成された開口部分を塞ぐ様にピンと張られた状態になる。
【0059】
天窓75を閉じる際には、天窓75が下降した分だけ、防虫網121に作用するテンションが減少する。この防虫網121に作用するテンションの減少分に見合った分だけ、テンションスプリング133に作用するテンションが開放され、ねじりが減少する。このテンションスプリング133のねじり減少分だけ、巻き取りパイプ125が防虫網巻き取り方向に回転する。この結果、天窓75が下降する際には、天窓75の下降速度に同期して、巻き取りパイプ125が防虫網巻き取り方向に回転し、防虫網121は、ピンとはった状態を保ちつつ巻き取りパイプ125に巻き取られていく。
【0060】
以上の様に構成された結果、本実施の形態の温室71によれば、天窓75を閉じるときに防虫網121が外へはみ出して雨漏りの原因となったり、防虫網121が天窓開口部73の縁に引っかかって破れたりするといった問題が生じない。また、天窓開口部73に巻き取りロール115を備える構成を採用したことにより、合掌梁77に切欠を設ける必要がなく、温室の強度に悪影響を及ぼさない。
【0061】
また、本実施の形態の温室71においては、天窓75は、温室内の温度上昇の度合いによって開度を調節できる様に構成してある。即ち、天窓開閉アーム101のラック歯103と、天窓開閉シャフト105に取り付けられたピニオン107とを係合させた構造となっているので、天窓開閉モータ109の駆動時間によって開度を自在に調整することができる。温室内の温度上昇がそれほど大きくないときは、天窓75を少しだけ開いた状態の中間開度とすることができる。本実施の形態の温室71では、巻き取りロール115から送り出される防虫網121の量は、天窓75の上昇量と対応している。しかも、防虫網121には、テンションスプリング133の付勢力によってテンションが作用し、ピンと張られた状態になっている。この結果、天窓75を中間開度に開いた状態のとき、防虫網121は折り畳まれた状態ではなく、真っ直ぐに伸びた状態で広げられる。よって、本実施の形態の温室71によれば、中間開度においても、良好な通気性能が得られる。そして、本実施の形態の温室71によれば、中間開度に制御可能とすると共に、中間開度でも通気性悪化が生じないので、温室71の内部の温度コントロールを精密に実施することができるという利点がある。なお、中間開度を含めた温度に基づく開度制御は、第1の実施の形態と同様に構成することができる。
【0062】
なお、本実施の形態の温室71においては、天窓75の妻側(正面及び奥)の開口部分は、第1の実施の形態の当該部分と同様に、ステンレス製の枠付き扇形防虫網片を用いて塞ぐ様にしておけばよい。あるいは、図9に示す様に、天窓75の妻側の縁に、ステンレス鋼製の扇形防虫網片141の上端を固定しておき、この防虫網片141の下端中央に紐143を取り付け、この紐143を巻き取りパイプ145に巻き付けておき、この巻き取りパイプ145の内面に一端を固定すると共に他端を固定軸147に固定したテンションスプリング149を備え、外周側からローラで回転可能に支持された短い巻き取りロール140を備えさせておく様にすることもできる。なお、図9に示した方式の妻側の天窓開口部分を塞ぐための構成は、第1の実施の形態の温室1に対しても適用可能である。
【0063】
本実施の形態の温室71によれば、第1の実施の形態の温室1に比べると、天窓75を開いたときに防虫網121にある程度のテンションが作用することになる。防虫網121には、このテンションによる付加が加わる結果、常にピンと張った状態になるという利点がある。このテンションの大きさは、テンションスプリング133のバネ係数に対応する。ここで、本実施の形態においては、テンションスプリング133のバネ係数はそれほど大きなものとしなくてもよい。即ち、テンションスプリング133は、防虫網121を積極的に巻き戻す必要はなく、天窓75の下降分だけ巻き戻せばよいのであるから、巻き取りパイプ125を回転し得るだけの付勢力を発揮できれば十分だからである。
【0064】
また、本実施の形態の温室71では、第1の実施の形態の様な収納ケースを備えていないが、防虫網121はテンションによってピンと張られた状態にあり、しかも、この防虫網121は、屋根73の天窓開口部85側の端部に取り付けたコーナーR部材117と接触させてあるので、屋根73の端部に隙間ができることがない。よって、害虫の侵入を防止する効果は損なわれることがない。従って、本実施の形態の温室71では収納ケース111を備えて害虫の侵入防止効果をより高めたけれども、実際には、本実施の形態の様に、巻き取りスプリングによる巻き取り方式とするときは、上述の通り収納ケース111を設けなくても構わない。加えて、本実施の形態によれば、チェーンの張り具合を調整するといった作業が不要である点など、施工がし易いという利点がある。
【0065】
また、本実施の形態の温室71では、巻き取りロール115から引き出された防虫網121と接触するコーナーR部材119を備えているので、防虫網121が屋根73の端部の角に接触して損傷を受けるのを防止することができる。しかも、コーナーR部材119の材質を、防虫網121を構成するステンレス鋼よりも軟らかいアルミ型材としたので、防虫網121が摩擦によって損傷するという問題もない。加えて、防虫網121がコーナーR部材119に擦られることにより、天窓開閉時に自動的に清掃されるという作用も発揮される。これにより、メンテナンスの手間を少なくすることができる。また、天窓開閉時の清掃効果により、天窓本来の目的である良好な通気性を確保することができるという効果も発揮される。
【0066】
そして、本実施の形態の温室71は、防虫網121を備え、しかも、防虫網121を巻き取り方式としたことによって生じる可能性のある隙間からの害虫の侵入に対しても、防虫網121にテンションを加えることと、コーナーR部材117との接触という構成を採用した結果、温室71の内部に害虫が侵入するのを有効に防止することができる。その結果として、本実施の形態の温室71によれば、農薬の散布回数や散布量を低減することができるという効果も発揮される。
【0067】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこの実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内においてさらに種々の形態を採用することができることはもちろんである。
【0068】
例えば、各実施の形態において、天窓の開閉をモータで行うこととしたが、天窓開閉シャフトにスプロケットを取り付け、そこにチェーンを掛けておき、このチェーンを手動で操作することで天窓を開閉動作させる構成の温室に対しても本発明を適用することができる。また、第1の実施の形態の様な自動制御による温度調整機能を有しなくても、ボタン操作で、ユーザーが段階的に天窓の開度を調整できる様にしてもよいし、自動制御についても、温度センサによる制御ではなく、タイマにより、時刻に応じて天窓の開度を変更する制御を行う様にした温室にも適用することができる。
【0069】
また、巻き取りロールの駆動方式を実施の形態で説明した方式に限らず、チェーン及びスプロケットに代えてベルト及びプーリ方式としたり、巻き取りロール駆動用のモータを備えさせて天窓開閉用モータと同期して駆動するサーボ機構を備えさせたりしても構わない。さらに、巻き取りスプリングについても、コイルバネではなく、トーションバー等を利用する方式としても構わない。さらに、この段落に例示した以外の変形例を採用しても構わない。
【0070】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によれば、温室の天窓を開いたときに外部から害虫が侵入するのを防止することができ、天窓を閉じる際の防虫網のはみ出しや引っ掛かりを防止し、かつ、温室の強度に悪影響を及ぼさないという特有の効果が発揮される。
【0071】
また、本発明によれば、中間開度における通気性を損なうことがないという効果も発揮される。そして、この結果として、精度良く温度制御をすることができるという効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の温室の屋根部分の構造を示す斜視図である。
【図2】第1の実施の形態の温室の屋根部分の構造を示す正面図である。
【図3】第1の実施の形態の温室における天窓開閉用の制御系統を示すブロック図である。
【図4】第1の実施の形態の温室における天窓開閉制御の内容を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施の形態の温室における天窓の妻側(正面及び奥)の害虫侵入防止のための構造例を示す正面図である。
【図6】第2の実施の形態の温室の屋根部分の構造を示す斜視図である。
【図7】第2の実施の形態の温室の屋根部分の構造を示す正面図である。
【図8】第2の実施の形態の温室における巻き取りロールの構造を示し、(A)は正面図、(B)は側面から見た断面図である。
【図9】第2の実施の形態の温室における天窓の妻側(正面及び奥)の害虫侵入防止のための構造例を示す正面図である。
【図10】従来の温室の屋根部分の構造を示す正面図である。
【図11】従来の温室の屋根部分の構造を示す正面図である。
【図12】従来の温室の屋根部分の構造を示す正面図である。
【符号の説明】
1・・・温室
3・・・屋根
5・・・天窓
7・・・合掌梁
9・・・母屋
11・・・垂木
13・・・ガラス板
15・・・天窓開口部
21・・・窓垂木
23・・・天窓下枠
25・・・天窓上枠
27・・・ガラス板
29・・・棟木
31・・・天窓開閉アーム
33・・・ラック歯
35・・・天窓開閉シャフト
37・・・ピニオン
39・・・天窓開閉モータ
41・・・母屋部材(収納ケース)
43・・・開口
45・・・巻き取りロール
47・・・樋
49・・・コーナーR部材
51・・・防虫網
53・・・駆動側スプロケット
55・・・従動側スプロケット
57・・・チェーン
61・・・制御回路
63・・・温度センサ
65・・・入力装置
67・・・防虫網片
69・・・スプリング
71・・・温室
73・・・屋根
75・・・天窓
77・・・合掌梁
79・・・母屋
81・・・垂木
83・・・ガラス板
85・・・天窓開口部
91・・・窓垂木
93・・・天窓下枠
95・・・天窓上枠
97・・・ガラス板
99・・・棟木
101・・・天窓開閉アーム
103・・・ラック歯
105・・・天窓開閉シャフト
107・・・ピニオン
109・・・天窓開閉モータ
111・・・母屋部材(収納ケース)
113・・・開口
115・・・巻き取りロール
119・・・コーナーR部材
121・・・防虫網
123・・・軸パイプ
125・・・巻き取りパイプ
127・・・案内ローラ
129・・・取り付けベース
131・・・巻き取りローラ固定フレーム
133・・・テンションスプリング
140・・・短い巻き取りロール
141・・・防虫網片
143・・・紐
145・・・巻き取りパイプ
147・・・固定軸
149・・・テンションスプリング
【発明の属する技術分野】
本発明は、温室やハウスの天窓から害虫が進入するのを防止する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、害虫の進入を防止するために、図10に示す様に、天窓201の下方に防虫網202を張ったサッシュ枠203を設置した温室200が知られている。
【0003】
しかし、この温室200では、防虫網202を張ったサッシュ枠203自体が高価な上に、その設置に手間がかかるため、イニシャルコストが高くなるという問題がある。また、図示の様に、防虫網202が受け皿状に設置されているので、昆虫の死骸や木の葉が防虫網202の上に堆積して透光性や通風性を低下させるという問題もある。このため、防虫網202の清掃作業が必要になり、ランニングコストも嵩むという問題もある。
【0004】
一方、図11に示す様に、防虫網211の上端を天窓212の開閉端に固定すると共に、該防虫網211の下端を屋根213の窓開口側端部に固定して、天窓212を開いたときに害虫が侵入しない様にした温室210も知られている。
【0005】
しかし、この温室210では、
▲1▼ 天窓212の開閉時に防虫網211が屋根213の縁に引っかかって破れたり、天窓212の開閉を阻害するおそれがあるという問題や、
▲2▼ 天窓212を閉じたときに防虫網211が外へはみ出した状態になってしまい、天窓212と屋根213との間に隙間が出来ると共に防虫網を構成する繊維の毛細管現象や膨潤現象も影響して温室内に雨水が侵入するという問題がある。
【0006】
さらに、図12に示す様に、天窓221の先端下面に取り付けた防虫網取り付けフレーム222と、屋根223の窓開口部内面に取り付けた防虫網取り付けフレーム224との間に防虫網225を取り付け、この防虫網225の中間部を、天窓221の開閉に伴って上下動する支持部材226に取り付けた中間保持フレーム227に固定することによって、天窓221を閉じる際に防虫網225が温室内に折り畳まれる様にすることで、はみ出し防止等を行った温室220が提案されている(特許文献1)。
【0007】
しかし、この温室220では、中間保持フレーム227が温室220の奥行き方向に伸びているため、屋根フレーム228を部分的に切り欠く必要がある(特許文献1の段落番号0009)。このため、温室220では、屋根フレーム228の加工工数が増加するという問題がある。また、屋根フレーム228に切欠を形成することから、強度低下を来すという問題がある。さらに、天窓221を中間開度としたときも、開口部分に存在する防虫網225の面積は、全開時と同じであるため、空気に対する粘性抵抗が大きく、中間開度での通気性がよくないという問題がある。
【0008】
【特許文献1】
実用新案登録第3081599号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、温室の天窓を開いたときに外部から害虫が侵入するのを防止することができ、天窓を閉じる際の防虫網のはみ出しや引っ掛かりを防止し、かつ、温室の強度に悪影響を及ぼすことがない装置及び温室の提供を第1の目的とする。
【0010】
また、本発明は、さらに、中間開度における通気性を損なわない様にすることを第2の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた本発明の温室天窓用害虫侵入防止装置は、屋根の天窓開口部に回転可能に取り付けられる巻き取りロールと、該巻き取りロールに巻き付けられると共に、上端を前記天窓の下端部に固定された防虫網と、前記天窓を閉じる際に前記巻き取りロールを防虫網巻き取り方向に回転させることにより、前記天窓を開く際に広げられた防虫網を該巻き取りロールに巻き戻す防虫網巻き戻し手段とを備えている。
【0012】
本発明の温室天窓用害虫侵入防止装置によれば、天窓を閉じる際に、防虫網巻き戻し手段が巻き取りロールを防虫網巻き取り方向に回転させることによって、天窓を開く際に広げられた防虫網は、巻き取りロールに巻き取られる。この結果、天窓を閉じるときに防虫網が外へはみ出して雨漏りの原因となったり、防虫網が引っかかって破れたりするといった問題を解消することができる。また、天窓開口部に巻き取りロールを備える構成を採用したことにより、特許文献1の様に合掌梁に切欠を設ける必要がなく、温室の強度に悪影響を及ぼさない。
【0013】
ここで、温室の天窓は、温室内の温度調節のために開閉するものである。従って、温室内の温度上昇の度合いによって開度を調節できることが望ましい。本発明の温室天窓用害虫侵入防止装置によれば、天窓を最大開度にしたことによって温室内の温度上昇が緩和され、天窓を最大開度から中間開度に下げるとき、天窓が下がった分だけ防虫網が巻き取られるので、開口部分に見合った量の防虫網だけが広げられている状態となる。この結果、本発明によれば、中間開度において、防虫網が折り重なった状態にならないので、通気性能を損なうことがない。
【0014】
ここで、天窓を開く際に防虫網を広げる作用は、特別な駆動機構を設けなくても実現することができる。例えば、天窓の上昇に伴って防虫網が引っ張られるから、その結果として巻き取りロールが防虫網を送り出す方向に回転する様に構成しておけば足りる。しかし、この様に防虫網が天窓に引っ張られて引き出される様に構成した場合は、防虫網にテンションが加わる。防虫網の傷み防止という観点からは、できるだけ強いテンションが加わらない様にした方がよい。
【0015】
そこで、本発明の温室天窓用害虫侵入防止装置において、前記防虫網巻き戻し手段として、天窓の開閉動作に同期させて前記巻き取りロールを回転させる巻き取りロール駆動手段を備えるとよい。
【0016】
この様に構成した温室天窓用害虫侵入防止装置によれば、天窓の開閉動作と同期して、天窓を開くときは巻き取りロールを防虫網送り出し方向に回転させ、逆に、天窓を閉じるときには巻き取りロールを防虫網巻き取り方向に回転させる。この結果、防虫網を広げる際に強いテンションが防虫網に作用するのを防止することができると共に、天窓を閉じるときには確実に防虫網を巻き取ることができる。
【0017】
ここで、かかる構成を実現するには、例えば、巻き取りロール駆動用モータを備えておき、この巻き取りロール駆動用モータを、天窓開閉モータの回転方向及び回転速度に応じて回転駆動する様に構成することができる。また、この際、防虫網に作用するテンション等を検出して、一定以上のテンションが加わらない様に巻き取りロール駆動用モータの回転速度を制御すると一層好適である。しかしながら、かかる構成とすると、モータ、センサ、制御回路といった具合に部品点数が増加し、コストダウン効果が小さくなる。
【0018】
そこで、前記巻き取りロール駆動手段として、天窓開閉シャフトの回転を前記巻き取りロールに伝達する動力伝達手段を備えるとよい。
【0019】
この様に構成した温室天窓用害虫侵入防止装置によれば、天窓の開閉動作と同期して、巻き取りロールが回転する。この結果、天窓を開く際には、無理な力を加えずに防虫網を広げることができる。また、天窓を閉じる際には、防虫網を外へたわませたりすることなくスムーズに巻き取ることができる。
【0020】
より具体的には、前記動力伝達手段として、前記天窓開閉シャフトに取り付けられる駆動側スプロケットと、前記巻き取りロールに取り付けられる従動側スプロケットと、前記両スプロケット間に掛け渡されるチェーンとを備えた構成とするとよい。
【0021】
この様に構成することにより、天窓開閉シャフトの回転速度及び回転方向を巻き取りロールに精度良く伝達することができる。なお、この構成を採用する場合、前記両スプロケットのギヤ比を、前記天窓開閉シャフトの回転によって上下動される天窓開閉アームのストローク速度と、前記天窓の下端部の昇降速度との比に応じて設定しておけば、防虫網の送り出し及び巻き取りを無理なく実行することができ、しかも、複雑なブレーキ機構やクラッチ機構などを要しない。
【0022】
また、本発明の温室天窓用害虫侵入防止装置において、前記防虫網巻き戻し手段として、前記巻き取りロールに対して、該巻き取りロールを防虫網巻き取り方向に回転させる付勢力を加え得る付勢手段を備えたものとして構成することもできる。より具体的には、前記付勢手段として、巻き取りスプリングを取り付けておけばよい。
【0023】
この方式の温室天窓用害虫侵入防止装置によれば、天窓を開く際には、天窓の上昇に伴って防虫網が引っ張られ、巻き取りロールが防虫網引き出し方向に回転する。こうして防虫網引き出し方向に巻き取りロールが回転すると、巻き取りスプリングが巻き取りロールに対して防虫網巻き戻し方向の付勢力を蓄えた状態となる。天窓を閉じる際には、天窓の下降に伴って防虫網に作用する引き上げ方向の力が低下する。従って、この分だけ巻き取りスプリングに蓄えられたエネルギが開放され、巻き取りロールを防虫網巻き戻し方向に回転させる。この結果、防虫網は、天窓の閉じる動作と同期して巻き取りロールに巻き戻される。なお、この方式では、天窓を開くことによって広げられた状態になっている防虫網には、巻き取りスプリングの付勢力によるテンションが作用することになる。しかし、巻き取りスプリングは、天窓が下がるときに巻き取りロールを回転させる能力さえあれば足りるので、そのバネ係数を余り大きくする必要がない。よって、防虫網に極端に強いテンションを作用させるおそれはない。逆に、この方式によれば、防虫網にテンションが作用する結果として、天窓を開いたときに防虫網がピンと張った状態になるという利点がある。
【0024】
ここで、本発明の温室天窓用害虫侵入防止装置では、上述してきた様に、防虫網の下端が天窓開口縁に固定されている訳ではないので、天窓開口部と防虫網との間に隙間ができる。従って、この隙間からの害虫の侵入のおそれが残されている。
【0025】
そこで、本発明の温室天窓用害虫侵入防止装置において、前記屋根の天窓開口部側の下面に、該屋根の天窓開口部側端部と前記巻き取りロールとの間の隙間部分を覆う収納ケースを備え、前記防虫網を、前記巻き取りロールに対して、前記収納ケース側から引き出せる様に巻き付けておくとよい。例えば、前記屋根の頂上側に軸方向に伸びる割れ目を有する筒状部材を用いて、前記割れ目に巻き取りロールをセットし、前記収納ケース側から前記屋根の天窓開口部側端部と前記巻き取りロールとの間の前記隙間部分を通って引き出せる様に前記防虫網を巻き付けておくといった具体的構造を採用することができる。
【0026】
この様に構成することで、天窓開口部と防虫網との隙間から害虫が侵入しようとしても、この収納ケースでトラップされ、温室内には侵入することができない。よって、ロール巻き取り方式とすることによって初めて生じ得る不具合に対する対策もほぼ完璧となる。
【0027】
また、本発明の温室天窓用害虫侵入防止装置において、前記巻き取りロールの下半分を覆う樋を備えさせておくとよい。
【0028】
この様に構成することで、防虫網を伝わって垂れ落ちる結露水を樋で受けることができ、温室内の作物に結露水が当たることによる農産物の品質低下を防止することができる。また、温室の奥行き方向に長く連続する天窓の場合、巻き取りロールが長くなる。従って、巻き取りロールの中央部分は撓んで下方に垂れた状態となる。この結果、巻き取りロールに巻き取られた防虫網は、樋の内面に接触する。従って、収納ケースを備える場合においても、収納ケースと巻き取りロールとの間の隙間をなくすことは困難であるが、この樋を設けた場合、上述の様な巻き取りロールの撓みにより、収納ケースの温室内部に対する密閉性を高めることができる。
【0029】
また、本発明の温室天窓用害虫侵入防止装置において、前記屋根の天窓開口部側の所定位置に、前記巻き取りロールから引き出された防虫網と接触するコーナーR部材を取り付けておくとよい。ここで、防虫網をステンレス鋼製とし、コーナーR部材には、アルミ型材などのステンレス鋼よりも軟らかい材質のものを用いるとよい。この様にコーナーR部材を設けることにより、防虫網が屋根端部等の角に接触して損傷を受けるのを防止することができる。また、防虫網と接触するコーナーR部材を設けることにより、防虫網と屋根端部との間に隙間が生じるのを防止することもできる。特に、巻き取りスプリング等の付勢手段によって巻き取りロールを防虫網巻き取り方向に付勢する構成を採用した場合には、防虫網にテンションが作用して防虫網をコーナーR部材に押し付ける作用が発揮され、隙間ができるのを有効に防止し得る。さらに、防虫網がこのコーナーR部材に擦られることにより、天窓開閉時に自動的に清掃されるという作用も発揮される。これにより、メンテナンスの手間を少なくすることができる。そして、自動的に防虫網が清掃される結果、天窓本来の目的である良好な通気性を確保することができる。
【0030】
本発明の温室は、上述した様な温室天窓用害虫侵入防止装置を備えたことにより、害虫の侵入を防止することができるので、その結果として農薬の散布回数や散布量を低減することができる。
【0031】
なお、本発明の温室において、前記天窓を全閉と全開の中間の開度に保持する中間開度保持手段を備えたものとすることができる。本発明の温室天窓用害虫侵入防止装置によれば、中間開度における通気性悪化を防止できるので、温室内の温度コントロールをより精密に実施することができるという利点がある。
【0032】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の第1の実施の形態について、図1〜図5を参照しつつ説明する。実施の形態の温室1は、図1に示す様に、屋根3の頂部に、奥行き方向に連続する長い天窓5を備えた、いわゆる「総天」と呼ばれるタイプの温室である。屋根3は、図2に示す様に、鋼製の合掌梁7と、この合掌梁7の上面に取り付けられる鋼製の母屋9と、この母屋9の上面に取り付けられるアルミ型材製の垂木11と、垂木11の上に取り付けられる透明なガラス板13とから構成されている。垂木11は、図示の様に、天窓開口部15まで伸びている。天窓開口部15は、天窓5を閉じることによって塞がれる。
【0033】
天窓5は、図2に示す様に、アルミ型材製の窓垂木21と、窓垂木21の下端に固定されるアルミ型材製の天窓下枠23と、窓垂木21の上端に固定されるアルミ型材製の天窓上枠25と、窓垂木21の上に取り付けられる透明なガラス板27とから構成されている。天窓上枠25は、合掌梁7の頂上部に取り付けられるアルミ型材製の棟木29に回動自在に取り付けられている。天窓下枠23は、窓垂木21の下面所定位置まで伸びる構造となっている。そして、この天窓下枠23には、天窓開閉アーム31が回動可能に取り付けられている。この天窓開閉アーム31には、ラック歯33が形成されている。このラック歯33は、天窓開閉シャフト35に取り付けられたピニオン37と係合されている。この天窓開閉シャフト35は、合掌梁7の下面に取り付けたメタル軸受け(図示略)によって水平に支持されている。メタル軸受けは、合掌梁7毎に設けられている。この天窓開閉シャフト35は、天窓開閉モータ39によって正転・逆転される。
【0034】
垂木11の先端部を支持する母屋部材41は、他の位置の母屋9よりも大きく、屋根の頂上側に開口43を有するものが用いられている。この母屋部材41の開口43の部分にはまり込む様に、巻き取りロール45が水平にセットされ、その両端を回転可能に支持されている。また、母屋部材41の開口43の下縁には、巻き取りロール45の下半分を覆うアルミ型材製の樋47が取り付けられている。さらに、母屋部材41の開口43の上縁には、アルミ型材製で、角を丸くしたコーナーR部材49が取り付けられている。この母屋部材41により、屋根3の天窓開口部15側端部と巻き取りロール45との間の隙間部分を覆う収納ケースが構成されている。以下、母屋部材41のことを収納ケース41と呼ぶ。
【0035】
巻き取りロール45には、ステンレス鋼製の防虫網51が巻き付けられている。ここで、防虫網51は、巻き取りロール45に対して、収納ケース41側から、巻き取りロール45と開口43の上縁との間を通って引き出せる様に巻き付けられている。この防虫網51の上端は、天窓下枠23に固定されている。また、天窓開閉シャフト35の端部には、駆動側スプロケット53が固定されている。一方、巻き取りロール45の端部には、従動側スプロケット55が固定されている。そして、駆動側スプロケット53と従動側スプロケット55には、動力伝達用のチェーン57が掛け渡されている。なお、本実施の形態においては、駆動側スプロケット53と従動側スプロケット55のギヤ比は、天窓開閉シャフト35が1回転すると巻き取りロール45が1/2回転する様に設定されている。このギヤ比は、天窓開閉アーム31のストローク速度と、天窓5の下端の昇降速度との関係に基づいて定められる。
【0036】
実施の形態の温室1によれば、天窓5を閉じた状態のとき、防虫網51は、巻き取りロール45にほぼ完全に巻き取られた状態になっている。そして、天窓5を開く際には、天窓開閉シャフト35の回転が、駆動側スプロケット53、従動側スプロケット55及びチェーン57によって、巻き取りロール45に伝達され、巻き取りロール45を、防虫網送り出し方向に回転させる。この結果、天窓5の上昇に同期して、防虫網51が送り出される。この送り出し動作の際、防虫網51は、コーナーR部材49に接触した状態で巻き取りロール45から送り出される。
【0037】
天窓5を閉じる際にも、天窓開閉シャフト35の回転が、駆動側スプロケット53、従動側スプロケット55及びチェーン57によって、巻き取りロール45に伝達され、巻き取りロール45を、防虫網巻き戻し方向に回転させる。この結果、天窓5の下降に同期して、防虫網51が巻き取りロール45に巻き取られていく。この巻き戻し動作の際にも、防虫網51は、コーナーR部材49に接触した状態で巻き取りロール45に巻き取られていく。
【0038】
以上の様に構成された結果、本実施の形態の温室1によれば、天窓5を閉じるときに防虫網51が外へはみ出して雨漏りの原因となったり、防虫網51が天窓開口部15の縁に引っかかって破れたりするといった問題が生じない。また、天窓開口部15に巻き取りロール45を備える構成を採用したことにより、合掌梁3に切欠を設ける必要がなく、温室の強度に悪影響を及ぼさない。
【0039】
また、本実施の形態の温室1においては、天窓5は、温室内の温度上昇の度合いによって開度を調節できる様に構成してある。即ち、天窓開閉アーム31のラック歯33と、天窓開閉シャフト35に取り付けられたピニオン37とを係合させた構造となっているので、天窓開閉モータ39の駆動時間によって開度を自在に調整することができる。温室内の温度上昇がそれほど大きくないときは、天窓5を少しだけ開いた状態の中間開度とすることができる。本実施の形態の温室1では、巻き取りロール45から送り出される防虫網51の量は、天窓開閉シャフト35の回転量と対応している。この結果、天窓5を中間開度に開いた状態のとき、防虫網51は折り畳まれた状態ではなく、真っ直ぐに伸びた状態で広げられる。よって、本実施の形態の温室1によれば、中間開度においても、良好な通気性能が得られる。そして、本実施の形態の温室1によれば、中間開度に制御可能とすると共に、中間開度でも通気性悪化が生じないので、温室1の内部の温度コントロールを精密に実施することができるという利点がある。
【0040】
ここで、本実施の形態の温室1においては、図3に示す様な制御系統を採用することによって、開度制御動作を自動的に実行し得る様に構成することができる。この制御回路61には、温室1内の適切な位置に設置した温度センサ63からの検出信号が入力される様に構成されている。また、この制御回路61は、天窓開閉モータ39に対して制御信号を出力する様に構成されている。さらに、制御条件を設定したり、マニュアル運転指令を入力したりするための入力装置65も備えている。
【0041】
そして、この制御回路61は、図4に示す様に、温度センサ63の検出信号を入力して温室内の実際の温度(実温度T)を演算し(S10)、この実温度Tを、農家が設定した制御目標温度T0と比較し、実温度Tが制御目標温度T0より所定温度△T1以上高いか否かを判定する(S20)。そして、T≧T0+△T1と判定されたときは(S20:YES)、天窓5が全開状態になっているか否かを判定する(S30)。全開状態か否かは、天窓開閉モータ39の駆動履歴を参照したり、あるいは、全開時にONとなる全開検出スイッチ等から判定することができる。全開状態ではないと判定されたときは(S30:NO)、天窓開閉モータ39を天窓5を開く方向に所定時間t1だけ駆動する(S40)。そして、通風による温度低減効果が現れ得るのに要する温度低減効果出現時間t3が経過するのを待ってから(S50)、S10へ戻る。ここで、所定時間t1は、天窓5を全閉から全開までの間で多段階に開度調整する上での単位開度変化を実現するためのモータ駆動時間である。
【0042】
こうして、天窓5を少し開いてから温度低減効果出現時間t2が経過してもなお、温室1内の温度が十分に低下せず、未だT≧T0+△T1であるときは(S20:YES)、全開状態となるまでは、再び所定時間t1だけ天窓開閉モータ39を天窓5を開く方向に駆動する(S40)。
【0043】
一方、S20の判定が、T<T0+△T1のときは(S20:NO)、さらに、実温度Tが、制御目標温度T0より所定温度△T2以上低いか否かを判定する(S60)。そして、T≦T0−△T2と判定されたときは(S60:YES)、天窓5が全閉状態になっているか否かを判定する(S70)。全閉状態か否かについても、天窓開閉モータ39の駆動履歴を参照したり、あるいは、全閉時にONとなる全閉検出スイッチ等から判定することができる。全閉状態ではないと判定されたときは(S70:NO)、天窓開閉モータ39を天窓5を閉じる方向に所定時間t2だけ駆動する(S80)。そして、通風量を制限したことによる保温効果が現れ得るのに要する保温効果出現時間t4が経過するのを待ってから(S90)、S10へ戻る。ここで、所定時間t2は、天窓5を全開から全閉までの間で多段階に開度調整する上での単位開度変化を実現するためのモータ駆動時間である。なお、t1=t2、t3=t4、T1=△T2としておいても構わない。
【0044】
こうして、天窓5を少し閉じてから保温効果出現時間t4が経過してもなお、温室1内の温度が十分に上昇せず、未だT≦T0−△T2であるときは(S60:YES)、全閉となるまでは、さらに所定時間t2だけ天窓開閉モータ39を天窓5を閉じる方向に駆動する(S80)。
【0045】
この様に、本発明の温室1では、全閉と全開だけでなく、中間開度にも調整しつつ天窓5の開閉動作を実行し、温室1の内部温度Tを目標温度T0に対して、T0−△T2≦T≦T+△T1の範囲内に収める様に制御することが可能となっている。そして、この中間開度において、防虫網51が折り畳まれてしまわないので、中間開度での通気性を損なうことがない。この結果、中間開度の設定に当たって、不確定要素が少なくなり、その分だけ精度のよい温度制御を実現することができる。
【0046】
なお、本実施の形態の温室1においては、天窓5の妻側(正面及び奥)の開口部には、図5に示す様に、ステンレス製の扇形枠37にステンレス製の扇形防虫網片69を張ったものを固定しておく。これ以外にも、例えば、ステンレス鋼製の扇形防虫網片を天窓5の妻側端部と、合掌梁7との間に張っておき、中間開度では温室1の内部に向かって折り畳まれた状態となる様に、スプリングで引っ張っておく方法とすることもできる。この様に構成した場合、中間開度では妻側の防虫網片は折り畳んだ状態になるけれども、妻側の開口部面積は小さく、天窓開口部の全体から見たらごく僅かであるから、中間開度における温度コントロールに悪影響を及ぼすことはない。
【0047】
また、本実施の形態の温室1によれば、天窓開閉シャフト35の回転と同期して、巻き取りロール45を回転させるので、天窓5を開く際に強いテンションが防虫網51に作用することがない。よって、本実施の形態によれば、防虫網51を長持ちさせることができる。加えて、本実施の形態によれば、防虫網51の巻き取りについてもスムーズに実行することができる。
【0048】
さらに、本実施の形態の温室1によれば、巻き取りロール45を天窓開閉シャフト35の回転力で回転させる構成としたので、部品点数を少なくすることができ、イニシャルコストの抑制効果が高いという効果が発揮される。
【0049】
また、本実施の形態によれば、スプロケット53,55及びチェーン57による動力伝達機構を採用したので、天窓開閉シャフト35の回転速度及び回転方向を巻き取りロール45に精度良く伝達することができる。しかも、両スプロケット53,55のギヤ比を、天窓開閉シャフト35の回転によって上下動される天窓開閉アーム31のストローク速度と、天窓5の下端部の昇降速度との比に応じて設定したので、防虫網51の送り出し及び巻き取りを無理なく実行することができ、しかも、複雑なブレーキ機構やクラッチ機構などを要しない。
【0050】
また、本実施の形態の温室1では、屋根3の天窓開口部15側の下面に、巻き取りロール45の軒先側を覆う収納ケース41を備えたので、天窓開口部15と防虫網51との間に隙間ができて、仮にそこから害虫が温室1の内部に侵入しようとしても、この収納ケース41の部分でトラップされ、温室1の内部には侵入することができない。
【0051】
また、本実施の形態の温室1では、巻き取りロール45の下半分を覆う樋47を備えたので、防虫網51を伝わって垂れ落ちる結露水を樋47で捕捉することができ、温室1内の作物に結露水が当たることによる農産物の品質低下を防止することができる。なお、本実施の形態の温室1では、奥行き方向に長く伸びた巻き取りロール45の中央部分は撓んで下方に垂れた状態となる。この結果、巻き取りロール45に巻き取られた防虫網51は、樋47の内面に接触し、収納ケース内に侵入した害虫が樋47の隙間を通って温室内に侵入することも有効に防止されている。
【0052】
また、本実施の形態の温室1では、屋根3の天窓開口部15側の端部下縁に、巻き取りロール45から引き出された防虫網51と接触するコーナーR部材49を取り付けたので、防虫網51が屋根3の端部の角に接触して損傷を受けるのを防止することができる。しかも、コーナーR部材49の材質を、防虫網51を構成するステンレス鋼よりも軟らかいアルミ型材としたので、防虫網51が摩擦によって損傷するという問題もない。加えて、防虫網51と屋根3の端部との間に隙間が生じるのを防止することもできる。さらに、防虫網51がこのコーナーR部材49に擦られることにより、天窓開閉時に自動的に清掃されるという作用も発揮される。これにより、メンテナンスの手間を少なくすることができる。また、天窓開閉時の清掃効果により、天窓本来の目的である良好な通気性を確保することができる。この清掃効果は、巻き取りロール45の中央が下方に撓むことによって、樋47の内面に防虫網51が擦られるときにも同様に発揮される。そして、樋47もステンレス鋼よりも軟らかい材質であるアルミ型材としたので、摩擦による損傷のおそれはない。
【0053】
そして、本実施の形態の温室1は、防虫網51を備え、しかも、防虫網51を巻き取り方式としたことによって生じる可能性のある隙間から侵入した害虫をトラップする収納ケースをも備えたので、温室1の内部に害虫が侵入するのを有効に防止することができる。その結果として、本実施の形態の温室1によれば、農薬の散布回数や散布量を低減することができるという効果も発揮される。
【0054】
次に、第2の実施の形態について、図6〜図9を参照しつつ説明する。第2の実施の形態の温室71も、図6に示す様に、屋根73の頂部に、奥行き方向に連続する長い天窓75を備えた、いわゆる「総天」と呼ばれるタイプの温室である。屋根73は、図7に示す様に、鋼製の合掌梁77と、この合掌梁77の上面に取り付けられる鋼製の母屋79と、この母屋79の上面に取り付けられるアルミ型材製の垂木81と、垂木81の上に取り付けられる透明なガラス板83とから構成されている。垂木81は、図示の様に、天窓開口部85まで伸びている。天窓開口部85は、天窓75を閉じることによって塞がれる。
【0055】
天窓75は、図7に示す様に、アルミ型材製の窓垂木91と、窓垂木91の下端に固定されるアルミ型材製の天窓下枠93と、窓垂木91の上端に固定されるアルミ型材製の天窓上枠95と、窓垂木91の上に取り付けられる透明なガラス板97とから構成されている。天窓上枠95は、合掌梁77の頂上部に取り付けられるアルミ型材製の棟木99に回動自在に取り付けられている。天窓下枠93は、窓垂木91の下面所定位置まで伸びる構造となっている。そして、この天窓下枠93には、鋼製の天窓開閉アーム101が回動可能に取り付けられている。この天窓開閉アーム101には、ラック歯103が形成されている。このラック歯103は、天窓開閉シャフト105に取り付けられたピニオン107と係合されている。この天窓開閉シャフト105は、合掌梁77の下面に取り付けたメタル軸受け(図示略)によって水平に支持されている。このメタル軸受けは、合掌梁77毎に設けられている。この天窓開閉シャフト105は、天窓開閉モータ109によって正転・逆転される。
【0056】
垂木81の先端部を支持する母屋部材111は、他の位置の母屋79よりも大きく、屋根の頂上側に開口113を有するものが用いられている。この母屋部材111の内部に収まる様に、巻き取りロール115が水平にセットされている。また、母屋部材111の開口113の上縁には、アルミ型材製で、角を丸くしたコーナーR部材119が取り付けられている。この母屋部材111により、屋根73の天窓開口部85側端部と巻き取りロール115との間の隙間部分を覆う収納ケースが構成されている。以下、母屋部材111のことを収納ケース111と呼ぶ。
【0057】
また、巻き取りロール115は、図8に示す様に、鋼製角パイプによって構成される軸パイプ123と、鋼製丸パイプによって構成された巻き取りパイプ125とを備えている。軸パイプ123は両端を支持されている。なお、角パイプを使用しているので、この軸パイプ123は回転することのない固定軸である。巻き取りパイプ125には、防虫網121が巻き付けられている。そして、この防虫網121を巻き付けられた巻き取りパイプ125は、その外側を4つのゴム製の案内ローラ127で回転可能に支持されている。この案内ローラ127は、取り付けベース129に固定された巻き取りローラ固定フレーム131に回転自在に取り付けられている。そして、この取り付けベース129は、合掌梁77の上面に固定されている。この結果、巻き取りパイプ125は、屋根73の天窓開口部85側の端部直下の位置に、回転可能に支持されていることになる。そして、この巻き取りパイプの内部には、鋼製のコイルバネでできたテンションスプリング133がセットされている。このテンションスプリング133の一端は、軸パイプ123に固定され、他端は、巻き取りパイプ125に固定されている。このテンションスプリング133が、本発明における付勢手段としての巻き取りスプリングに相当する。なお、屋根73の端部には、防虫網121と接触するアルミ型材性のコーナーR部材117が取り付けられている。
【0058】
実施の形態の温室71によれば、天窓75を閉じた状態のとき、防虫網121は、巻き取りロール115にほぼ完全に巻き取られた状態になっている。そして、天窓75を開く際には、天窓75の上昇に伴って、その下端に固定された防虫網121が引っ張られる。このとき、巻き取りパイプ125が回転し、防虫網121は、巻き取りパイプ125から引き出されていく。そして、この巻き取りパイプ125の回転によって、テンションスプリング133がねじられることとなり、テンションスプリング133には、そのバネ性によって巻き取りパイプ125を防虫網巻き取り方向に回転させようとする付勢力が蓄えられていく。このテンションスプリング133に蓄えられた付勢力は、防虫網121に作用するテンションと釣り合った状態にある。従って、防虫網121は、たわむことなく、天窓75の上昇によって形成された開口部分を塞ぐ様にピンと張られた状態になる。
【0059】
天窓75を閉じる際には、天窓75が下降した分だけ、防虫網121に作用するテンションが減少する。この防虫網121に作用するテンションの減少分に見合った分だけ、テンションスプリング133に作用するテンションが開放され、ねじりが減少する。このテンションスプリング133のねじり減少分だけ、巻き取りパイプ125が防虫網巻き取り方向に回転する。この結果、天窓75が下降する際には、天窓75の下降速度に同期して、巻き取りパイプ125が防虫網巻き取り方向に回転し、防虫網121は、ピンとはった状態を保ちつつ巻き取りパイプ125に巻き取られていく。
【0060】
以上の様に構成された結果、本実施の形態の温室71によれば、天窓75を閉じるときに防虫網121が外へはみ出して雨漏りの原因となったり、防虫網121が天窓開口部73の縁に引っかかって破れたりするといった問題が生じない。また、天窓開口部73に巻き取りロール115を備える構成を採用したことにより、合掌梁77に切欠を設ける必要がなく、温室の強度に悪影響を及ぼさない。
【0061】
また、本実施の形態の温室71においては、天窓75は、温室内の温度上昇の度合いによって開度を調節できる様に構成してある。即ち、天窓開閉アーム101のラック歯103と、天窓開閉シャフト105に取り付けられたピニオン107とを係合させた構造となっているので、天窓開閉モータ109の駆動時間によって開度を自在に調整することができる。温室内の温度上昇がそれほど大きくないときは、天窓75を少しだけ開いた状態の中間開度とすることができる。本実施の形態の温室71では、巻き取りロール115から送り出される防虫網121の量は、天窓75の上昇量と対応している。しかも、防虫網121には、テンションスプリング133の付勢力によってテンションが作用し、ピンと張られた状態になっている。この結果、天窓75を中間開度に開いた状態のとき、防虫網121は折り畳まれた状態ではなく、真っ直ぐに伸びた状態で広げられる。よって、本実施の形態の温室71によれば、中間開度においても、良好な通気性能が得られる。そして、本実施の形態の温室71によれば、中間開度に制御可能とすると共に、中間開度でも通気性悪化が生じないので、温室71の内部の温度コントロールを精密に実施することができるという利点がある。なお、中間開度を含めた温度に基づく開度制御は、第1の実施の形態と同様に構成することができる。
【0062】
なお、本実施の形態の温室71においては、天窓75の妻側(正面及び奥)の開口部分は、第1の実施の形態の当該部分と同様に、ステンレス製の枠付き扇形防虫網片を用いて塞ぐ様にしておけばよい。あるいは、図9に示す様に、天窓75の妻側の縁に、ステンレス鋼製の扇形防虫網片141の上端を固定しておき、この防虫網片141の下端中央に紐143を取り付け、この紐143を巻き取りパイプ145に巻き付けておき、この巻き取りパイプ145の内面に一端を固定すると共に他端を固定軸147に固定したテンションスプリング149を備え、外周側からローラで回転可能に支持された短い巻き取りロール140を備えさせておく様にすることもできる。なお、図9に示した方式の妻側の天窓開口部分を塞ぐための構成は、第1の実施の形態の温室1に対しても適用可能である。
【0063】
本実施の形態の温室71によれば、第1の実施の形態の温室1に比べると、天窓75を開いたときに防虫網121にある程度のテンションが作用することになる。防虫網121には、このテンションによる付加が加わる結果、常にピンと張った状態になるという利点がある。このテンションの大きさは、テンションスプリング133のバネ係数に対応する。ここで、本実施の形態においては、テンションスプリング133のバネ係数はそれほど大きなものとしなくてもよい。即ち、テンションスプリング133は、防虫網121を積極的に巻き戻す必要はなく、天窓75の下降分だけ巻き戻せばよいのであるから、巻き取りパイプ125を回転し得るだけの付勢力を発揮できれば十分だからである。
【0064】
また、本実施の形態の温室71では、第1の実施の形態の様な収納ケースを備えていないが、防虫網121はテンションによってピンと張られた状態にあり、しかも、この防虫網121は、屋根73の天窓開口部85側の端部に取り付けたコーナーR部材117と接触させてあるので、屋根73の端部に隙間ができることがない。よって、害虫の侵入を防止する効果は損なわれることがない。従って、本実施の形態の温室71では収納ケース111を備えて害虫の侵入防止効果をより高めたけれども、実際には、本実施の形態の様に、巻き取りスプリングによる巻き取り方式とするときは、上述の通り収納ケース111を設けなくても構わない。加えて、本実施の形態によれば、チェーンの張り具合を調整するといった作業が不要である点など、施工がし易いという利点がある。
【0065】
また、本実施の形態の温室71では、巻き取りロール115から引き出された防虫網121と接触するコーナーR部材119を備えているので、防虫網121が屋根73の端部の角に接触して損傷を受けるのを防止することができる。しかも、コーナーR部材119の材質を、防虫網121を構成するステンレス鋼よりも軟らかいアルミ型材としたので、防虫網121が摩擦によって損傷するという問題もない。加えて、防虫網121がコーナーR部材119に擦られることにより、天窓開閉時に自動的に清掃されるという作用も発揮される。これにより、メンテナンスの手間を少なくすることができる。また、天窓開閉時の清掃効果により、天窓本来の目的である良好な通気性を確保することができるという効果も発揮される。
【0066】
そして、本実施の形態の温室71は、防虫網121を備え、しかも、防虫網121を巻き取り方式としたことによって生じる可能性のある隙間からの害虫の侵入に対しても、防虫網121にテンションを加えることと、コーナーR部材117との接触という構成を採用した結果、温室71の内部に害虫が侵入するのを有効に防止することができる。その結果として、本実施の形態の温室71によれば、農薬の散布回数や散布量を低減することができるという効果も発揮される。
【0067】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこの実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内においてさらに種々の形態を採用することができることはもちろんである。
【0068】
例えば、各実施の形態において、天窓の開閉をモータで行うこととしたが、天窓開閉シャフトにスプロケットを取り付け、そこにチェーンを掛けておき、このチェーンを手動で操作することで天窓を開閉動作させる構成の温室に対しても本発明を適用することができる。また、第1の実施の形態の様な自動制御による温度調整機能を有しなくても、ボタン操作で、ユーザーが段階的に天窓の開度を調整できる様にしてもよいし、自動制御についても、温度センサによる制御ではなく、タイマにより、時刻に応じて天窓の開度を変更する制御を行う様にした温室にも適用することができる。
【0069】
また、巻き取りロールの駆動方式を実施の形態で説明した方式に限らず、チェーン及びスプロケットに代えてベルト及びプーリ方式としたり、巻き取りロール駆動用のモータを備えさせて天窓開閉用モータと同期して駆動するサーボ機構を備えさせたりしても構わない。さらに、巻き取りスプリングについても、コイルバネではなく、トーションバー等を利用する方式としても構わない。さらに、この段落に例示した以外の変形例を採用しても構わない。
【0070】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によれば、温室の天窓を開いたときに外部から害虫が侵入するのを防止することができ、天窓を閉じる際の防虫網のはみ出しや引っ掛かりを防止し、かつ、温室の強度に悪影響を及ぼさないという特有の効果が発揮される。
【0071】
また、本発明によれば、中間開度における通気性を損なうことがないという効果も発揮される。そして、この結果として、精度良く温度制御をすることができるという効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の温室の屋根部分の構造を示す斜視図である。
【図2】第1の実施の形態の温室の屋根部分の構造を示す正面図である。
【図3】第1の実施の形態の温室における天窓開閉用の制御系統を示すブロック図である。
【図4】第1の実施の形態の温室における天窓開閉制御の内容を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施の形態の温室における天窓の妻側(正面及び奥)の害虫侵入防止のための構造例を示す正面図である。
【図6】第2の実施の形態の温室の屋根部分の構造を示す斜視図である。
【図7】第2の実施の形態の温室の屋根部分の構造を示す正面図である。
【図8】第2の実施の形態の温室における巻き取りロールの構造を示し、(A)は正面図、(B)は側面から見た断面図である。
【図9】第2の実施の形態の温室における天窓の妻側(正面及び奥)の害虫侵入防止のための構造例を示す正面図である。
【図10】従来の温室の屋根部分の構造を示す正面図である。
【図11】従来の温室の屋根部分の構造を示す正面図である。
【図12】従来の温室の屋根部分の構造を示す正面図である。
【符号の説明】
1・・・温室
3・・・屋根
5・・・天窓
7・・・合掌梁
9・・・母屋
11・・・垂木
13・・・ガラス板
15・・・天窓開口部
21・・・窓垂木
23・・・天窓下枠
25・・・天窓上枠
27・・・ガラス板
29・・・棟木
31・・・天窓開閉アーム
33・・・ラック歯
35・・・天窓開閉シャフト
37・・・ピニオン
39・・・天窓開閉モータ
41・・・母屋部材(収納ケース)
43・・・開口
45・・・巻き取りロール
47・・・樋
49・・・コーナーR部材
51・・・防虫網
53・・・駆動側スプロケット
55・・・従動側スプロケット
57・・・チェーン
61・・・制御回路
63・・・温度センサ
65・・・入力装置
67・・・防虫網片
69・・・スプリング
71・・・温室
73・・・屋根
75・・・天窓
77・・・合掌梁
79・・・母屋
81・・・垂木
83・・・ガラス板
85・・・天窓開口部
91・・・窓垂木
93・・・天窓下枠
95・・・天窓上枠
97・・・ガラス板
99・・・棟木
101・・・天窓開閉アーム
103・・・ラック歯
105・・・天窓開閉シャフト
107・・・ピニオン
109・・・天窓開閉モータ
111・・・母屋部材(収納ケース)
113・・・開口
115・・・巻き取りロール
119・・・コーナーR部材
121・・・防虫網
123・・・軸パイプ
125・・・巻き取りパイプ
127・・・案内ローラ
129・・・取り付けベース
131・・・巻き取りローラ固定フレーム
133・・・テンションスプリング
140・・・短い巻き取りロール
141・・・防虫網片
143・・・紐
145・・・巻き取りパイプ
147・・・固定軸
149・・・テンションスプリング
Claims (12)
- 屋根の天窓開口部に回転可能に取り付けられる巻き取りロールと、
該巻き取りロールに巻き付けられると共に、上端を前記天窓の下端部に固定された防虫網と、
前記天窓を閉じる際に前記巻き取りロールを防虫網巻き取り方向に回転させることにより、前記天窓を開く際に広げられた防虫網を該巻き取りロールに巻き戻す防虫網巻き戻し手段と
を備えている温室天窓用害虫侵入防止装置。 - 請求項1記載の温室天窓用害虫侵入防止装置において、
前記防虫網巻き戻し手段として、天窓の開閉動作に同期させて前記巻き取りロールを回転させる巻き取りロール駆動手段を備えていること
を特徴とする温室天窓用害虫侵入防止装置。 - 請求項2記載の温室天窓用害虫侵入防止装置において、
前記巻き取りロール駆動手段として、天窓に連結された天窓開閉アームのラック歯に係合するピニオンを備えた天窓開閉シャフトの回転を、前記巻き取りロールに伝達する動力伝達手段を備えていること
を特徴とする温室天窓用害虫侵入防止装置。 - 請求項3記載の温室天窓用害虫侵入防止装置において、
前記動力伝達手段として、前記天窓開閉シャフトに取り付けられる駆動側スプロケットと、前記巻き取りロールに取り付けられる従動側スプロケットと、前記両スプロケット間に掛け渡されるチェーンとを備えていること
を特徴とする温室天窓用害虫侵入防止装置。 - 請求項4記載の温室天窓用害虫侵入防止装置において、
前記両スプロケットのギヤ比を、前記天窓開閉アームのストローク速度と、前記天窓の下端部の昇降速度との比に応じて設定すること
を特徴とする温室天窓用害虫侵入防止装置。 - 請求項1記載の温室天窓用害虫侵入防止装置において、
前記防虫網巻き戻し手段として、前記巻き取りロールに対して、該巻き取りロールを防虫網巻き取り方向に回転させる付勢力を加え得る付勢手段を備えていること
を特徴とする温室天窓用害虫侵入防止装置。 - 請求項6記載の温室天窓用害虫侵入防止装置において、
前記付勢手段として、巻き取りスプリングを取り付けたこと
を特徴とする温室天窓用害虫侵入防止装置。 - 請求項1〜請求項7のいずれか記載の温室天窓用害虫侵入防止装置において、
前記屋根の天窓開口部側の下面に、該屋根の天窓開口部側端部と前記巻き取りロールとの間の隙間部分を覆う収納ケースを備え、前記防虫網を、前記巻き取りロールに対して、前記収納ケース側から引き出せる様に巻き付けたこと
を特徴とする温室天窓用害虫侵入防止装置。 - 請求項1〜請求項8のいずれか記載の温室天窓用害虫侵入防止装置において、
前記巻き取りロールの下半分を覆う樋を備えたこと
を特徴とする温室天窓用害虫侵入防止装置。 - 請求項1〜請求項9のいずれか記載の温室天窓用害虫侵入防止装置において、
前記屋根の天窓開口部側の所定位置に、前記巻き取りロールから引き出された防虫網と接触するコーナーR部材を取り付けたこと
を特徴とする温室天窓用害虫侵入防止装置。 - 請求項1〜請求項10のいずれか記載の温室天窓用害虫侵入防止装置を備えていることを特徴とする温室。
- 請求項11記載の温室において、
前記天窓を全閉と全開の中間の開度に保持する中間開度保持手段を備えていること
を特徴とする温室。
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- 2002-12-11 JP JP2002359444A patent/JP2004187578A/ja active Pending
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